【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.3



こんにちは、HKOです。
最後は1本のみ。実はこちらも単一畑なのですが、レゼルヴァと少し風合いが違うので個別にしました。
ロッケ デッランヌンチアータ レゼルヴァ。パオロスカヴィーノの最上位のキュヴェとなります。ワインアドヴォケイトではほぼ95~97点と間違いなく最高峰の仕上がりを 見せています。


【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在し。

・ロッケ デッラ アンヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ロッケ デッラ アンヌンチァータ レゼルバ 2011

ごく僅かに橙を帯びたルビーで粘性は中庸。
落ち着いた出汁感や旨味が現れ始めている。
やや熟成感を帯びている。鉄分はやや抑えられ、ドライフラワーや血液、鉄分を思わせる華やかさがある。やや土を感じさせるカカオバターの要素が前に。青果売り場を思わせるオレンジが織り混ざったチェリーやストロベリーの様な瑞々しい果実味がある。そしてミントの様な清涼感。ブリック同様の軽さがあるが、香りのテクスチャーは鮮明。
ユーカリや鉄観音、より木材の、シダーを思わせる香り。
全体的に調合し一塊となった甘露な甘やかさを感じさせる。分離した部分は少なくなったが、乖離の無い液体になっている。
酸味、タンニンは穏やかながら追随を許さない旨味の表出があり、合わせて余韻も非常に長い。
カカオや出汁、鉄分を感じさせるスープがごとき液体に。
素晴らしい。チーズ感ある。



【所感】
新樽比率や熟成期間が不明なので何とも言えませんが、リリース時期的に単一畑と比べると24ヶ月程度は熟成期間が長いのかもしれません。
で、印象なんですけれども2013年と比べるとやはり目に見えて熟成を感じます。畑というよりそっちの印象の方が強い。
標高が高く寒暖差が激しい畑とのことなので、凝縮感があるのかな、という想像がつきますが、なにぶん熟成の要素の方が強く、今一つその特徴が捉えきれません。
抽出の要素は比較的落ち着いており、ドライフラワーやほのかな鉄分と旨味成分が混じり合った様なニュアンスを感じます。
そして土っぽい要素やチーズ、カカオバター、青果売り場の果実の様なニュアンスもほのかに感じられます。まだ若いですが、熟成感は少しずつ感じられますね。比較すると明らかです。
体躯はブリック デル フィアスクくらいでしょうか。軽めです。
ただ香りのテクスチャーは鮮明で、一塊に融合した甘露さが出始めています。
もう少し熟成するとかなりよくなりそうです。
酸味・タンニンはより穏やかに、出汁と鉄分を思わせるスープの様な印象が感じられます。
乖離の無い印章で、かなり良い作りですね。
最高グレード...というには、単一畑とそう変わらない様な気がしていますが、かなりレベルは高いと思います。
もちろん単一畑も。


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【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.2

こんにちは、HKOです。
本日はパオロ スカヴィーノの単一畑3種です。
高クオリティのランゲとバローロから十分に期待できますが、より個性が強調された畑単位はどのようなスタイルになっているのでしょうか。



【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。
単一畑はそれぞれ天然酵母のみでステンレスタンクで発酵、フレンチ・バリックで10カ月熟成ののち、フランス産の大樽で12カ月、さらにステンレスタンクで12カ月の熟成。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在。

・ロッケ デッラ ヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ブリッコ アンブロージョ 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
明らかにバローロと異なる。
バローロと比べると凝縮感が強く、品はあるが全体的にパワフルと呼べる。
樽香を凌ぐ鉄やなめし皮、薔薇のオイルの要素と茎の様なほのかな青さと華やかさ。シロップの様な甘露さが潜む。青さもあり、ユーカリやミントの要素も感じられる。焼きたてのパンや、カカオなどの樽や酵母のニュアンス、そして、果実味はブリックに近いが、こちらの方が明るくチェリーやクランベリーを思わせる瑞々しい果実のタッチがある。ドライハーブ、鉄観音のニュアンスも帯びる。
こちらも酸味やタンニンは柔らかく、華やかな薔薇や青さ、甘やかな旨味を感じさせる。長く甘やかな余韻が残る。


生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ カンヌビ 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
アンブロージョと方向性は近い。
が、こちらの方が堅牢で、やや鉄分の要素の方が強く力強く華やか。徐々にカカオを思わせる樽香が強くなり、血液や鉄分、エナメルリムーバーの様な華やかさと、カカオの樽香が調和していく。ブリッコと比べるとより強い凝縮感と厚みが感じられる。樽のカカオ、パンケーキ、そしてシロップに漬けたダークチェリーやブラックベリーを思わせる果実味、ユーカリやクローヴの様な青さも伴っていく。
青さと華やかさが軸となり、そこに付随する形で複雑なテクスチャーを形成する。
酸やタンニンはこちらも柔らかで、よりMLFの要素が前に出ている。ふわりと柔らかいタッチ。根本にしっかりとした酸があり、果実と華やかな余韻を残していく。



生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ブリック デル フィアスク 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
力強いカンヌビと比べるとエレガントな体躯。
カンヌビやブリッコと比べると、より高域に伸びる軽妙さがあり、バランス感が良く品がある。
エナメルリムーバーや薔薇のエキスを思わせる華やかさ、甘露さ、そしてユーカリやタイム、ハーブを思わせる青さが突出。血液にまでは至らず、まさに花の香り。そこに瑞々しいチェリーやクランベリーの要素がある。ほのかにカカオの香りを感じる。しかしながら甘やかさは同等で、過剰な重さは感じない。鉄観音やクローヴ、ゴム、パウンドケーキの様な甘さがある。
徐々に抽出と樽香が前に出るが、高域に至る香りに変わりはない。
やや酸味が立っているものの、基本的には丸みを帯びていて、タンニンはかなり穏やか。華やかさとハーブの余韻がある。余韻が少し短く、そこだけカンヌビに至らない。



【所感】
どれも良いのですが、結構タイプが異なっていて面白いですね。
全体的な感覚としてはブリック デル フィアスクが最もエレガントで繊細、カンヌビとブリッコ アンブロージョは凝縮感があり力強いですが、カンヌビの方が幾分か堅牢です。
全体的にバローロに見られた前面に樽香が押し出された感じは控えめに、よりネッビオーロの質感が前に出ている形となっています。具体的に言うと華やかさが主軸となっています。色合いもしっかりと出ており、抽出的な要素に起因すると思いますが、タンニンは強くなく滑らかです。
果実の質も良く甘やかな芳醇な香りが樽香を帯びて広がります。
相当良いですね。

まずはブリッコ アンブロージョですが、先述した様にバローロと比べると華やかさと凝縮感が突出しています。パワフルです。
その中に甘いシロップの様な甘露さとパンケーキを思わせる構成要素、そして青さをほのかに感じますね。
堅牢とまでは行きませんが、凝縮感のある力強いワインだと思います。
次にカンヌビ。色々な生産者が作っている伝統的な畑ですが、こちらはより鉄分やハーブの要素が強くなり、また樽香も傑出しています。意図的に強めに作っているのか樽の焦がしたニュアンスや抽出も強めに感じられます。凝縮感も高く、質感としてブリッコ アンブロージョに近いですが、よりこちらの方が熟成に目を向けて作られている様な気がします。そもそも果実もこちらの方が強そうなので、作られ方には納得できますね。ブリッコアンブロージョほど飲みやすくはないのですがポテンシャルは高い様に感じました。
最後はブリック デル フィアスク。
カンヌビがシャンベルタンだとしたら、ブリック デル フィアスクはクロ ド ベーズにも似ているやもしれません。
この中においては最も繊細で、比較的凝縮感や引き締まった感じのする他の畑と比べると、広域に伸びていく適度な華やかさと酸味を感じる果実味があり、そこを差分として違和感なく調和した樽香とMLFがあります。
比較的軽い体躯でありながら、バランスが良く、非常に完成度として高い。
ただ少し全体と比較すると余韻の短さが気になります。体躯が前者ほど強くないので自明ですが。ただ美味しく頂けるのは間違いありません。


以上、3つの畑から所感。
畑の特徴はよくわかりませんので、関連付けできませんが、飲んだ感じそんな感じでした。








【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はモダンバローロの雄、パオロ スカヴィーノのポートフォリオのテイスティングをレポートします。



【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在し。

・ロッケ デッラ ヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: ランゲ ネッビオーロ 2015

外観は赤みの強いルビーで粘性は低い。
構成要素は完全にシンプルだが、完成度は高い。
品種特性の華やかさがあるが、鉄分というよりは薔薇。パンケーキのような少し酵母を感じさせる甘露さと瑞々しいチェリーやクランベリーを思わせる。キャンディ香が軸となっている。ニュージーピノにも近い。鉄観音やユーカリなどの要素がある。
酸味はやはり強く、タンニンに収斂性がある。やや薄めにも感じられるが、極めて華やかで花や果実の余韻が長く続く。グレードにしてはかなり上出来の様に思える。


生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ 2013

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
明らかにランゲと異なり、樽香が最も前に出ている。
全体的に手堅くまとまっていて、上品なカカオやパウンドケーキを思わせる樽香、やや薔薇や血を思わせる強めの鉄分が軸となる。
とても甘やかで、ほのかに酸味を帯びた瑞々しいチェリーやクランベリー、ハーブのような香り。焦がしたゴムのニュアンスにも至る。ユーカリやなめし皮などの要素がある。
口当たりにもMLFや樽の影響が出ていて、タンニンや酸に切り立った部分は殆どない。優しいパンケーキやフルーツの様な果実の余韻。華やかさもあるが、そこまで強くはない。



【所感】
今回のテイスティングの中では最もグレードの低いものとなります。さりとてバローロ。看板商品かと思います。
まずは最下位のレイヤーに当たるランゲ ネッビオーロ。
通常バローロ、バルバレスコ、アルバ地域から産出されるネッビオーロを使ったもので、いわゆるACブルゴーニュに当たるようなグレードのワインになります。ただパオロスカヴィーノはバローロのぶどうを使っているようですね(家族経営だと特にそうなるかも)
で、こちらなんですけども、かなり美味いです。よく出来ています。構成要素はとてもシンプルなんですが、質感に透明感と若々しく甘酸っぱい果実味があり、ニュージーランドのクリーンなピノノワールを想起させるような造りになっています。
複雑さはありませんが、日常クラスのワインとしては相当良いレベルに仕上がっていると思います。
酵母はどことなくイタリアならですし、クリーンで華やかな味わいは良いネッビオーロの根底にあるものなので、素のネッビオーロの美味さを十分に感じることができるかと。

次に看板バローロ。
こちらはシンプルでクリーンなランゲと比較するとリッチです。
バリックに起因する樽香がしっかりと感じられます。
非常によく出来ていて上品なモカの香りや瑞々しい果実味、ハーブや鉄分のニュアンスも漂います。
華やかさより樽香の方が強く、若いと厳しいバローロ、という印象は全くなく、グランヴァン的な風格を漂わせながら非常に飲みやすい仕上がりになっています。
タンニンもバリックの影響か優しく滑らかで非常に良い具合に仕上がっています。

既に下位グレードからして只者ではない感が漂っています。
次回は3つの単一畑です。







【ピエモンテ:17】エリオ アルターレ、バローロ アルボリーナ。

こんにちは、HKOです。
本日はエリオアルターレのアルボリーナです。


【データ】
エリオアルターレといえばバローロにブルゴーニュ的な醸造方法を持ち込んだエピソードが有名ですね。
バローロが売れない理由を生産醸造方法に見いだし、先進的なヴァンダンジュヴェールト、抽出の強化、バリック樽、新樽の使用を導入し、伝統的な生産者であった父親と絶縁状態になった...というあれです。
実際に先進的な栽培醸造方法が功を奏して現在のモダンバローロが評価され今に至るということで、バローロを一歩先に進めた偉大な生産者であります。
さて、冒頭に書いたバローロ ヴィネート アルボリーナ、ランゲ アルボリーナの双子の兄弟的存在である、という意味ですが、これは醸造方法に起因するものです。葡萄は同じものを使用しています。生産方法は前述の通り。
バローロ アルボリーナはMLF後に新樽20%、旧樽80%で新樽および旧樽で24ヶ月熟成されるのに対して、ランゲ アルボリーナは100%新樽に移してアルコール発酵とMLFを樽内で行い、そのまま18ヶ月の樽熟成を行うという違いです。
ちなみにランゲアルボリーナは生産量が少なくおよそ2500本~3000本程度。比較的レアなワインと言えます。
随分と前にランゲ アルボリーナはやりましたが、満を辞して今回はバローロ アルボリーナです。




【テイスティングコメント】
生産者: エリオ アルターレ
銘柄: バローロ アルボリーナ 2000

橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
かなり熟度の高いネッビオーロ。ボーイズ的な側面は控えめになり、よりトラディショナルなスタイルを感じさせる仕上がりに還元している。
干した様な濃密な黒系の果実味と藁やイーストの様な香りが主体的に感じられる。
干したプルーンや熟したブラックベリーの果実味(アルコール度数的にも新世界っぽい)と共に独特のイーストや藁の様な香りが感じられる、乾いた土、漢方、少し萎れた様な薔薇のドライフラワー。そしてドライイチジク、焦げたゴム、燻製肉、酵母的な香りがやや強めに感じられる。
酸味は柔らかく滑らかで、グリセリン感豊かで丸みがある。よく熟した果実味があり、干したプルーン、ダークチェリー。漢方やイーストの余韻が長く続いていく。
流石にタンニンは力強いが丸みがあるため、飲みやすさが際立つ。

【所感】
これは面白いですね...
うん、何が面白いって、ランゲほどではないにせよ正直モダンな造りを期待していたのですが、これかなりネッビオーロですよ。熟成によってドライフラワーっぽくなってますが、薔薇っぽい華やかさがまさにそんな感じ。そしてイーストや藁っぽい干し草の香り。
馴染むと意外と差分がなくなるもんですね...
ただ唯一大きく違う点があって、トラディショナルな凝縮感と瑞々しさを演出した果実味ではなく、もっと、乾いた、濃密で濃い黒系果実の果実味を強く感じられるのですよね。
なんだろう、果実の出方としてはシラーとかそこらへんに近いかもしれない。それはアルコール度数や口に含んだ時と丸みからも感じられて、想像以上に若々しく感じます。
まだまだ熟成しそう。
ランゲとは年代が違うので比較できないけど、きっと新樽比率的に、あまりバローロっぽい...って事にはならないのかもしれませんね。

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【ピエモンテ:16】バローロ テイスティング(ガヤ、プルノット) Part.2

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きピエモンテ、バローロをレポートしていきます。

【データ】
プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。

ガヤはピエモンテにおける最も偉大な生産者のうちの一人です。
ポートフォリオも膨大でバルバレスコやバローロ、そして各々の単一畑。国際品種を使用したダルマジ、買収した生産者のブルネッロなど。いずれも比類なきレベルの高さ。価格も比類なき高さ。
国際品種の導入、単一畑、バリック樽の使用などイタリアにおいて革命的なシステムを数多く取り入れています。
特に単一畑はバルバレスコやバローロの名前をあえて使用せずランゲに格下げして生産しています。
なので、ボトルにはバルバレスコやバローロの表記こそありませんが実態としてはバローロ、バルバレスコの偉大な畑から産出される卓抜したネッビオーロです。
収量制限がなされて収穫された葡萄は、果皮と共に3週間ステンレスタンクで発酵が行われます。 バリック樽で12ヶ月熟成、その後さらにオーク大樽で約20ヶ月間の熟成を行われます。
通常伝統的なネッビオーロは大樽を使用しますが、最近のモダンバローロよろしく(最近は少なくないですが)バリック小樽を使用しています。技術革新も受け止めて比較的モダンな作りと言えると思います。


【テイスティングコメント】
生産者: プルノット
銘柄: バローロ ブッシア 2008

12000円、WA92pt
外観はルビー、エッジは橙を帯びている。粘性は中庸。
ファーストノートはフォン ド ヴォライユやブイヨンの様な動物性の香り、やや塩気を感じるドライシェリーの様な要素が感じられる。燻製肉や腐葉土、そしてドライフラワーの様な華やかさ、エナメルリムーバーの要素が混じる。
ブルーベリーの様な果実味。ナツメグやローリエなどのスパイスやハーブ、濡れた木材の様なニュアンスが感じられる。
酸やタンニンはやや強めで、収斂性はかなり高い。香ばしいフォンやコンソメを思わせる塩気と旨味のバランスを感じさせる。その後薔薇のような華やかな余韻も。
料理と合わせたい。


生産者: ガヤ
銘柄: コンテイザ 1996

54000円、WA93-95pt
外観は濃いガーネットだが、エッジは橙を帯びている。
粘性は中庸。
ファーストノートは熟成香の割にはかなり厚みのある香り。腐葉土や濡れた土、枯葉の様な熟成香、梅しばの様な完全に熟成した様な香りと共に、ナツメグなどで煮込んだソースに近いジャミーな香りがある。クローヴやリコリスなどのスパイス香、ベーコンや燻製肉などの動物的な要素も強めに出ている。シシトウ、イーストの香り、徐々に焼いたゴムの様な焦げ香、黒オリーブの様な塩気もある。
液体としては比較的強めで、酸もタンニンも滑らかだが、ボディは強く、深い旨味が広がっていく。肉や燻製、ドライシェリー、強めのブラックベリーのジャムを思わせる余韻を残していく。
甘露さこそ控えめながら、素晴らしい熟成香を放つ。


【所感】
引き続きバローロです。
名手プルノット、そして大御所ガヤのコンテイザのファーストヴィンテージ1996。
まずはプルノットの銘醸畑ブッシア 2008。
さすがに少し熟成してきている...というか酸化的な側面が出てきていますね。ただ旨味の出方がフォン ド ヴォライユの様で、なかなか良いと思いました。塩気を感じるドライシェリーの様な要素も全体の中でバランスが取れている感じですね。
燻製や落ち葉の様な熟成香もあるのですが、まだまだ経年が足りないのか酸とタンニンはエッジを残しています。というか果実味が落ち始めた時期だからか、過剰に目立ってるってのもあるんでしょうが。
プルノットのワインは若い時分はMLFがかかって比較的飲みやすい(ただしタンニン、酸はキツイ)のですが、これは少し厳しいかも知れない。
ただ料理と共通する要素を多数持っているので、それらを用いながら楽しむのが良いのではないかと思います。

次はガヤのコンテイザ。
何やらバルバレスコ単一畑はランゲからまたバルバレスコに戻すらしいですが、バローロの方はどうなんですかね。
まあこっちはスペルスとコンテイザは畑の名前じゃないから、名乗るべき単一畑は無いし、このままランゲて残るんだろうと思いますが。
あるいはランゲではなく、「バローロ」のスペルスとコンテイザにするとかね。
さて肝心のファーストヴィンテージのコンテイザはというと...香りとしてはかなり熟成が進んでいる感じがしました。20年近くを経過した香りですね、腐葉土、枯葉、梅しばなどの澄んだ香り。ただその中で、まだまだ液体は力強く、いわゆるピークオーバーしたような土だけの香りという弱さとは無縁のものとなっています。(まあ当然すかね。)
タンニンや酸は幾分か柔らかくなっているもののボディは厚く、深い旨みが広がっていきます。
比較的熟成香がはっきり出ていて、ここから更に発展していくのではないかと思います。
ちなみにコンテイザはラ モッラ、スペルスはセッラルンガとから産出されています。なおラ モッラは砂質で柔らかい土壌、セッラルンガはラ モッラと比べると150mほど高い位置にあり粘土質で冷たい土壌のようです。
やはりラ モッラ産のコンテイザの方がボリューム感があり、リッチなのですが、崩れないボディの厚みがその証左なんでしょうね。そういう意味だと華やかなスペルスだともっと馴染んでるかもしれません。




プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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