【イスラエル】ヤルデン シャルドネ 2015

こんにちは、HKOです。
本日はヤルデンです。
超有名ワイナリーですが、実は飲むのは初だったりします。


【データ】
ゴランハイツワイナリーはイスラエル ゴラン高原 カツリンに1983年に設立されたワイナリー。
イスラエル航空のファーストクラスワインとしても採用されています。
醸造手法は伝統的かつ革新的な醸造手法を組み合わせている。最先端の圧搾、ポンプ施設、コンピューターでの温度管理が可能なステンレスタンクで醸造。徹底した管理システムを構築している。フレンチオーク新樽50%、旧樽50%でシュールリーで7ヶ月熟成。フラッグシップはエルロム ヴィンヤード。


【テイスティングコメント】
生産者: ゴランハイツ ワイナリー
銘柄: ヤルデン シャルドネ 2015

外観はやや濃いめのイエローで粘性はやや高め。
カリフォルニアの典型的なスタイルのシャルドネに酷似したスタイルで、濃密な白桃や洋梨の様な果実味と、甘露な杏仁豆腐、シロップ。そしてバターの様なまろやかさがある。熟度自体はそこまで高くはないが、しっかりとMLFがなされている。フレッシュハーブや白い花のニュアンス。
構造自体はそこまで複雑ではないが、しっかりとしたアルコール感と甘露さを感じさせる。
酸は柔らかくやや余韻に苦味が残る。ハーブや杏仁豆腐、グレープフルーツの様な余韻が膨らむ。余韻は比較的長く、杏仁豆腐のフィニッシュが残る。


【所感】
遅れ馳せながら初めて飲みましたが、これはいいシャルドネですね。とてもボリューム感のあるリッチなシャルドネ。
カリフォルニアの様な温暖な新世界の空気感を纏わせています。果実味の厚みとクリーミーさが併存していて、しっかりとしたアルコール感と甘露さを感じます。
香りも余韻の苦味もまさにそんな感じではあるのですが、少しハーブ感があるのも面白いですね。
程価格帯でこれだけ良ければ、エルロムも相当期待出来そうかも。
ヤルデンはとても有名な生産者なのですが、ワインの文化的な側面で見た場合重要な産地ではあるものの、今ひとつ地味感が否めないイスラエル。隣接するシリアとの問題を抱えていますが、ヤルデンに続く様な生産者がたくさん出てきてくれるといいんですがね...




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【カリフォルニア:58】コルギン カリアドを利く

こんにちは、HKOです。
本日はコルギンのカリアドです。


【データ】
コルギン セラーズはアン コルギンとジョー ヴェンダーによって1990年代初めプリチャードヒルに設立されたワイナリー。所有する畑はヘネシー湖の丘の頂上にあり、近年ⅸエステート(標高950~1,400フィートの前述のヘネシー湖を見下ろす48ヘクタールの区画)の単一畑もリリースしている。当初へレン ターリーがコルギンを手がけていたが、現在は元ピーターマイケルのマーク オーバートが手がけている。栽培責任者はデイヴィッド エイブリュー、醸造コンサルタントはアラン レイノー。
醸造は重力を利用したグラヴィティフロー、オープントップの大樽と密閉式ステンレスタンクの併用を行い、フレンチオークの新樽100%で19ヶ月間熟成後、清澄濾過なしでボトル詰めにてリリースされる。
ちなみにコルギンは3つのフラッグシップ銘柄をもっています。
「ナンバー ナイン エステート」はプリチャード ヒルの標高約350-420mの高台に50haの保有する自社畑。巨石が埋まる急斜面。
「カリアド」はデヴィット・エイブリューの自社畑の3つのブレンド。セントヘレナ西斜面にあるマドロナ ランチ ヴィンヤードを主体として、ハウエル マウンテンのルチア ヴィンヤード、ソレヴィロス ヴィンヤードの葡萄をブレンド。
「ティクソンヒル ヴィンヤード」は1881年に植樹されたセント ヘレナ北、スプリング マウンテンの裾野の1.6ha。
こんな具合です。


【テイスティングコメント】
生産者: コルギン セラーズ
銘柄: カリアド ナパヴァレー レッドワイン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン53%、メルロー26%、カベルネフラン12%、プティヴェルド9%

外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
徹底的な凝縮感があり、そのくせ果実味は赤系という異端的なワイン。バランス感は新世界なりの甘露さを押し出した重量感のある作り。
濃密で凝縮したイチゴやブラックベリーの甘露なジャム。
コンデンスミルク、フルーツケーキ、バニラの様な滑らかで厚みのある甘露さ。ヨーグルト。ほのかに茎の様な風合いもある。
ワッフルやカカオ、黒糖の様な樽香。結構強めのリコリス、ピーマンの青さ。そしてベーコンなどの燻製肉。
果実は熟していて、果皮の要素は目立っていないが、エナメルリムーバーやインクを思わせる風合いがある。
全体的に要素は強いながらもキャッチーな仕上がりで、ナパらしいナパのナンバーナインとは少し印象を意にする。
酸は穏やかで、タンニンはよく熟しており、丸みを帯びている。グリセリン感があり、余韻に甘みが感じられる。
ミルク、ブラックベリーやダークチェリー、肉の様な旨味が非常に強く広がる。



【所感】
今回はカリアドでした。
ナンバーナインエステートは過去に2ヴィンテージほど記事にしてますので、興味があれば是非どうぞ。
基本的な軸は完全に熟したコンポートの如き甘露な果実味、ミルキーなMLF、焦がした樽香を高密度のボディでバランスを取る形のワイン。カリフォルニア的といえば、大変カリフォルニア的ではあるのですが、どちらかというとその性質はナンバーナインエステートの方が強い様に感じます。
ナンバーナインエステートの全体のバランスの中で構成される果実味はカシスやブラックベリーなどの黒系果実。そしてやや目立ったコーヒーや燻した様な樽香、土の様な香り。
バランス値の振り方としてはラトゥールと近いかな、とも思います。
今回のカリアドはもう少しフレッシュです。
果実味は赤系のイチゴなどを思わせる果実味で、さりとて軽さはなくジャミーで完熟しています。コンデンスミルク、ヨーグルトを思わせる滑らかさが調和している。樽香はその点(強いには強いのですが)ナンバーナインエステートと比べると控えめです。やや果皮の要素は強めだが、かなり親しみやすい作りに仕上がっている印象です。酸は穏やかでグリセリン感があり、タンニンに甘みがあり、かなりわかりやすいですね。
個人的にはナンバーナインエステートより好みかもしれません。ポールホブスのドクタークレインに近く、ボルドーにおいて似たタイプはありません。
流石コルギン...ニューワールドファンにビシビシと響く素晴らしい仕上がりでした。
残すところはティクソンヒル。
できる事ならば3種水平とかできるといいんですが、なにぶん値段がなぁ...



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【南アフリカ: 8】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.3

こんにちは、HKOです。
話題の南アフリカです。

【データ】
ブディノは南アフリカの名門ワイナリー。
今回のワンダリングビーストは名手ドノヴァン ラール氏がブディノとコラボレーションし、スワートランドで作るシラー。土壌はスレート・頁岩を含むローム質土壌。生産本数は4000本。
初ヴィンテージの2013はデキャンタ誌で最高評価を獲得しました。
サスティナブル農法、収量は50hl/ha、樹齢20年のシラーを使用。夜間手摘みで収穫されたブドウは、更に厳しく選果され、熟度の高い茎を使用し全房醗酵(天然酵母100%)。
オーク樽(300L)にて6か月(新樽なし)熟成。

フラム ワインズはステレンボッシュに拠点を置くワイナリー。 当主はボッシェンダル ワインで12年ワインメーカーを務めたティナス クルーガー氏。設立は2013年。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では4級となっています。
ブドウはスワートランドやロバートソンなど様々な地域の物を購入し、自身のワインを作り上げています。
今回のピノタージュはクランウィリアム北西の丘のブドウを使用。鉄の混じった赤い砂質土壌。


グレネリーはステレンボッシュ地区シモンズバーグ山脈の東側のより涼しい斜面に位置する老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では3級となっています。
醸造は2007年よりシャトーフューザルやアンジェリュスを経験したルーク氏、2009年よりバーデンホーストのアディ氏が醸造コンサルタントとして携わっています。
2003年より、シャトー ピション ロングヴィル コンテス ド ラランドの元オーナー、メイ エレーヌ ドゥ ランクザン夫人が出資、2005年に最初の実験的なケープブレンドを生産。
今回のレディーメイはピション ロングウィル コンテス ラランド元オーナーが南アフリカで手掛けたグレネリー社のフラグシップ。
醸造設備は重力に逆らわないグラビティシステムを採用し、全て天然発酵で生産。
ステンレスタンクで天然発酵後、フレンチオーク新樽に移し、マロラクティック発酵。フレンチオーク新樽で24ヶ月熟成

ミヤルストはミパーフ家によって運営されている1756年創立の老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016ではブルジョワ級となっています。
オーナーはラフィットで修行を積んだハネス マイバーグ氏。
ステレンボッシュ市から15kmほど。保有する畑は花岡岩が露出した丘で、海から近く、夏でも涼しく湿気を帯びた風が流れるようです。畑の作付面積は110ha(カベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、メルロ、ピノ ノワール、シャルドネ)。
フラッグシップはルビコン。オーナーの出自のボルドーブレンドでファーストリリースは1984年。
品種ごとにステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵終了後にブレンドをする。その後、バリック(70%がヌヴェール産の新樽、30%がヌヴェール産とアリエ産の2年目樽)で21ヶ月樽熟。さらに数年にわたる瓶熟を経て出荷される。


カノンコップは1910年にステレンボッシュに設立された老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では1級となっています。現在は4代目。幾多もの受賞履歴を持つワイナリー。
シモンスバーグ山脈の麓に100haのブドウ畑を所有。(50%が樹齢50年以上が含まれるピノタージュ、カベルネソーヴィニョンが35%、メルロは7.5%、残りがカベルネフラン。
今回のポールサウアーはボルドーブレンド。
収穫量4トン/ha、樹齢は平均24年。オープンタンクで発酵。225Lのフレンチオークで24ヶ月熟成(新樽100%)。
最高級キュヴェは生産本数3500本の「ブラックレーベルピノタージュ」



【テイスティングコメント】
生産者: ブティノ
銘柄: ワンダリング ビースト シラー 2015
品種: シラー100%

外観は濃いガーネット、粘性は高い。
当初血液を思わせる鉄分や華やかさが前面に主張をしていた。その方向性はオーストラリア バロッサバレーのそれだが、冷涼で甘露さは控えめだった。2日程度時間を置くと甘やかさとロースト香とのバランスが取れて来た。
鉄分や薔薇の様な華やかさ、漢方の様な風味がやはり強いが、炭焼きや燻製肉の様な焦げた風味、そしてプラムやブラックベリーの果実味が感じられる。黒糖とイースト。
漢方が入り混じった様な甘露さもある。ただし冷涼でやはり華やかさを主軸としており、若々しい酸を思わせる果実味がある。多少のアルコール感もある
酸味がしっかりとあり、タンニンは控えめ。ボディに丸みがあるので香りと味わいに差分はない。華やかでフレッシュな黒系果実の余韻が残る。



生産者: フラム ワインズ
銘柄: ピノタージュ 2014
品種: ピノタージュ100%

外観は透明感があり均一なガーネット、粘性は中庸。
ねっとりとしたやや土の香りが漂うピノタージュ。
主体的には果皮の香りが強く野生的で、血の香りや燻製肉や薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
そしてスモーキーな煙草の様な香りが感じられる。そこにねっとりとしたプラムやブラックベリーのジャムの様な香りがある。ジャム的ではあるものの、酸味を残しており、若干の冷涼さを感じさせる。やや塩気があり海藻的なニュアンスも。
イースト的な酵母の香りがほのかにあり、ネッビオーロ的な側面は確かにあるが、エッジは控えめで丸みを感じる。
徐々に果実味は干した杏の様なニュアンスに変化していく。
香りはあまり魅力的ではないが、口に含んだ時の旨みや厚みは白眉で、ややタンニンと酸にキツさはあるものの厚みがあり、香りとのバランスは良い。
杏や血の様ななどの余韻がある。



生産者: グレネリー
銘柄: レディ メイ レッド 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン85%、プチヴェルド10%、メルロー5%

外観は濃い色調の黒いガーネット、粘性はやや高め。
非常にボルドーに近いストラクチャーを持つカベルネソーヴィニヨン。非常にスモーキーかつ乾いた土の様な香りが突出する。ラトゥール風の方向性。
乾いた土や煙草、カカオの様な強いローストをかけた樽香、そしてミルクポーションや生乳などの要素がそれらに一体化する。そして甘草やクローヴなどといったスパイス、インクやドライフラワーなどの要素が際立って感じられる。果実味の甘さは控えめでフレッシュなカシスやブラックベリーの様な果実味がある。ほのかなピーマンの様な複雑な青さ、蜜の様な甘さ、ローズウッドも感じられる。
ボルドーの良年と比べると少し冷涼でドライさを帯びている。
酸がやはり前面に出ており、ややシャープ。タンニンもやや荒れ気味の印象。香りに対して、やはりボディはやや不足気味で、粘性は低め。舌触りもドライである。
カシスやシダーウッド、甘草のような長い余韻がある。
やや暴れ気味だが、スタイルとしてはなかなかいい。



生産者: ミヤルスト
銘柄: ルビコン プロプライエタリーレッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン10%

外観は澄んだガーネットで、粘性は中庸。
グレネリー同様スモーキーでありながら、よりこちらの方が繊細でグリニッシュさが際立っている。グレネリーがラトゥール的ならば、こちらは(MLFの要素は控えめながら)ラフィット的な作りであろうと思います。
土やタバコ、薫香の様なローステッドな香りと共にシダーやミント、そして甘草やユーカリなどの青っぽさを比較的強めに感じる事ができる。そしてベーコンや鉄釘の様な香りを帯びている。果実味はカシスやブラックベリー。甘露かというとドライだがチョコレートに発展しそうなポテンシャルはある。コーヒー豆などもある。ほのかにMLFの滑らかさがあるが、基本的には青さと樽の要素が際立つ。
酸味は豊かだが、比較的タッチに丸みがあり、エッジは効いていない。タンニンも色調と比較すると柔らかい。
グリセリン感があり、口当たりに厚みがあるので熟成ポテンシャルは高そう。酸味を帯びたブラックベリーやアプリコット、ローズティーな樽の余韻を感じさせる。



生産者: カノンコップ
銘柄: ポール サウアー 2012

外観は透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
非常によく出来たクオリティの高い典型的なメドック格付ワインのバランスを踏襲しているが、その中から感じ取れるアルコール感は少しカリフォルニアを感じさせるものもある。
乾いた土、西洋杉やカカオの様な焦がした樽の香りと、ミルクポーション、甘露なカシスやブラックベリーのリキュールの様な香りが見事に調和している。インクっぽさに少しカリフォルニアを感じる。ほのかにタバコやリコリスの要素を感じ取れる。ドライフラワー、華やかさより生肉や燻製肉などの旨味を包含する形がほのかに熟成を想起。
ジンジャーブレッドの様な要素があります。
全体的に樽とMLFの要素のバランスが非常によく取れていてメドックを想起させる作り。その中でインクや果実の熟度が少し新世界寄りになっている印象があります。
やや酸が強めでタンニンの線の細さがあります。収斂性はやや高く荒さが感じられる部分があります。若々しいカシスやアプリコット、ワッフルなどの余韻。
グリセリン感はなく、少し繊細にも感じられました。




【所感】
パパッと行きます。長いので。
今回はシラー、ピノタージュ、そしてボルドーブレンド3本ですね。
まずはブティノのワンダリングビースト、シラーから。
端的な印象としては、スパイシーさはあまりなく小ぶりで軽やかなオーストラリア シラーズといった感じでしょうか。
ローヌ的ではないですね。全体的に華やかで、漢方や炭焼きに近い方向性の樽香が目立ちます。
果実味は黒系の甘露な果実。黒糖やイースト的な要素もあります。酸が前にでており、フレッシュですね。
果実味と樽香、華やかさが前に出る、という点でシラーズ的だと思います。ただギラギラした凝縮度や華やかさではなく、酸が主体的な軽やかさを感じるので、その点やはり冷涼だと思います。ローヌ型やオーストラリア型どちらかに完全に寄っているわけでは無いので、少し印象としては希薄な感じですね。悪くは無いです。マリヌーなんかと近いかもです。

次、フラムのピノタージュ。
これはすごく勧められたものではあるのですが、ちょっと期待値が高すぎたのか、そこまで感動はしませんでした。
よく出来ているとはおもいますが。
どこか南仏を感じさせる完成系のワインでして、原種のピノノワールというよりサンソーを強く受け継いでいるような感じでした。果皮の香りが強く野生的で、華やかさが前面に立っています。エナメルリムーバー的。サンソーとかシラーっぽい特徴が強いです。樽香はややスモーキーで煙草や土っぽさが出ている、ブルやボルドーのような品のあるタイプまではなく、もっと...言い方は悪いですが粗雑な感じですね。
果実味は非常に充実していて、ジャミーで濃厚。ほのかなイーストや海藻的なニュアンスもあります。
ネッビオーロに近いといえば近いところにありますが、酸やタンニンのキツさはそこまでではないですね。
香りと味わいのバランスはとても良いと思います。
こちらも印象的かと言われればワンダリングビースト同様微妙なとこですね。

次から3本はボルドーブレンドです。
まず前提として、非常によく出来ていると思います。
素直に美味いと思います。特にカノンコップのポールサウアーは白眉だと思います。全体的にやや厳しめですが、期待の表れだと思って下さい。

まずはグレネリーのレディーメイですね。
一見して非常にボルドー的なテクスチャーやストラクチャーを持つワインだと感じました。スモーキーで土のニュアンスを感じるので、樽の使い方はラトゥール系に近い印象もあります。果実の充実度はそこまで高くないので、あくまで方向性ですね。次いでマロラクティック発酵と果皮のニュアンスが主体的です。少しインキーにも感じるくらいには。
果実味は少し繊細とも言える形になっていて蜜のような甘露さを感じさせる黒系果実を感じさせます。ドカンとグリセリン感がある感じではないですね。冷涼でやや中凡なボルドーのヴィンテージにも近い作りかと。
故に酸がシャープ。タンニンも抽出から感じられる通り暴れ気味。やや細めのボディではありますが、決してバランスを崩しているほど酷いわけではないので、価格としては良作と言えそうな気はします。

次にミヤルストのルビコン。
基本的にはレディーメイと近しいハッキリとした樽香を押し出しながら、より香りの青さやハーブっぽさが目立つような形になっています。
マロラクティック発酵のニュアンスは抑え気味ですが、レディーメイがラトゥール的ならば、こちらは香りの青さからラフィット的かと思います。樽香とハーブのニュアンスを基軸にして、基本的なボルドーを思わせるカシスの果実味。甘露さが出てきたらチョコレートに発展しそうな感じもあります。こちらも酸味が充実しているのですが、ボディはしっかりとしていて、舌触りに丸みや厚みを感じます。
タンニンはシルキーですが、レディーメイと比べると熟成しそうな雰囲気がありますね。味わいとしてはレディーメイよりこちらの方が好みです。

最後はカノンコップのポールサウアー。
典型的なメドック格付的な味わいですが、アルコール感や果実味はむしろカリフォルニアのナパヴァレー的な風合いを感じさせます。こちらも樽香、抽出共にが強いですが、リキュールを思わせる濃密な果実味、マロラクティック発酵的なミルクポーションのニュアンスがとても良くバランスが取れていると思います。バランス感の良さはボルドーにも通じる所があるような気がしています。
酸が強く、骨格やボディが少し繊細にも感じられますが、バランス感が良いので違和感はほとんどありません。
とても美味しく飲めるボルドーブレンド。ピークはやや早めに来るかもしれませんが、今飲んで非常に美味しいワインとなっていると思います。

やはり味わいの方向性...「良いカベルネとはこういうものだ」という基軸が定まっている品種に関しては非常に完成度高く仕上げてきているような気がします。
ブーケンハーツクルーフなんてそうなんですが、(南アフリカならではのボディの軽さはさておいて)非常にキャッチーな作りを実現している。誰が飲んでも美味しいと感じる美味さを作ってますね。
対してシラーやピノタージュなどの南仏に所以する品種が今ひとつ物足りなさを感じてしまうのは、ローヌやオーストラリアを目標にしておらず、自身の作りを追求しているからかもしれません。
ブーケンハーツクルーフは国際的な作りをしていると思いますが、今のところ極端に垢抜けたシラーはハーテンバーグくらいしか思い浮かばない...
これがカチッと定まれば、もっと評価が上がって来ると思います。しかし没個性になりますがね。
上記の地域のデグレ、安いだけになってしまいますから、独自の方向は見据えつつ完成度を上げていっていただけると最高ですね。



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【NZ・オーストラリア:22】オーストラリア最高峰のカルトワイン2種

こんにちは、HKOです。
本日はオーストラリアのワインです。

【データ】
カーリーフラットはフィリップとジェニ・モラハンが、オーストラリアのマセドンレンジズに1998年に興したワイナリー。マセドンレンジズはブルゴーニュに良く似たオーストラリアで最も冷涼な産地。気候は大陸性気候で、標高は560m。最高気温は16度。玄武岩のローム土壌の畑で、ピノノワールとシャルドネの栽培に適しています。
2008年以降、ビオディナミへの転向しており、手作業で収穫を行っています。収量は30hl/ha。除梗比率は年によって変えている様ですが、2010年は70%を除梗し、発酵に回します。低温浸漬を行った上で、区画ごと、クローンごとにステンレスタンクで発酵。ピジャージュは1日3回程度。複数階に渡る多重構造の発酵蔵によりグラヴィティフローを行う事が可能です。その後40%新樽で24ヶ月熟成を行い、無清張で瓶詰めされます。


クリス リングランドはバロッサバレーに拠点を置くオーストラリア シラーズ最高のカルトワイナリーで、ワインアドヴォケイトでは100点4回、97-99点6回が献上されています。以前はスリーリバースシラーズと呼ばれていました。あまりに流通が少なすぎて(80ケースほどらしい)有名ではありませんが、まず間違いなくオーストラリア最高の生産者の一人だと思います。1エーカー1トンの低収量。所有しているシラーズの樹齢は100年近くになります。収穫したぶどうはマロラクティック発酵を行いながらフレンチオーク新樽100%で42ヶ月の熟成が行われます。その他の生産や醸造方法に関する記述は見つかりませんでした。謎めいたカルトワイナリーですが、その実力は確実に本物です。
今回のランドルズヒルはスリーリバースのセカンド的な存在。バロッサ イーデンヴァレーのストーン キムニー クリーク(ポドゾル性土壌+砂質土壌)のシラーズを使用。
樹齢は20%が18年、80%か108年。収量は1エーカーあたり1トン。新樽のラドワ ホッグスヘッド樽で32ヶ月熟成。
生産本数1500本。


モリードゥーカーは2005年に南オーストラリア マクラーレンヴェールに設立されたワイナリー。ワインメーカーは左利きのサラとスパーキー。91年にバルクワインの販売で成功し、その後はマーキス フィリップスに参画。2005年に自社元詰を開始しています。
このモリードゥーカーの面白い所はユニークなボトルデザインもさることながら、目新しい試みが目立つ事です。
独自の指標(マーキス フルーツウェイト)でワインの果実味を厳密に審査し、3~4のレンジのワインに分けたり、マーキス ウォーター プログラム™という独自の栽培方法を自社畑のみならず契約農家にも実践させていたりと、個性的です。
今回のベルベットグローヴはその最上級のもので、標準: 95%に対して実績:95 %第一次発酵、マロラクティック発酵、アメリカンオーク新樽100%にて樽熟成を行う。


【テイスティングコメント】
生産者: カーリーフラット
銘柄: ピノ ノワール 2011

外観は透明度の高い淡いルビーで粘性は低い。
新世界版薄旨ピノノワールの決定版。
過度に装飾がある訳ではなく、過度に熟している訳ではなく、絶妙のバランス感をこの薄い液体の中で見せている。
デュジャックの作るシャンボールミュジニー。クリーンで透明度の高いワイン。
全房発酵を思わせる青い梗の香りと瑞々しく熟したイチゴやラズベリーの様な果実味。これらを基軸として、ほのかなミルクティーを思わせるまろやかさと、鉄釘やなめし皮の様な華やかさ、グローヴやリコリスなどのスパイスが絡み合う。香りは徐々に練乳イチゴの様な甘やかさを表出していく。そして乾いた木や葉、スミレの花、オレンジ、ユーカリなどの要素も付随していく。
薄い色調ながら十分な複雑さを内包している。
舌触りは非常に滑らかでシルクの様。酸やタンニンはあまり感じさせず、旨味と果実の甘さがじんわりと口の中に広がっていく。イチゴや茎、なめし皮の様な余韻が長く続く。



生産者: モリー ドゥーカー
銘柄: ベルベット グローブ シラーズ 2007

2007はセカンドヴィンテージ。
黒に近い濃密なガーネット、粘性は非常に高い。
驚異的な超凝縮度、厚み、アルコール感、甘露さが際立つシラー。全てがパワフルでそれでいて調和がとれている。
非常に熟したブラックベリーやプルーン、黒系果実のリキュールなどを思わせる甘露な香り。インク、そしてコーヒーやビターチョコレートの様な焦がした香りが前面に現れている。プーアル茶やタバコの要素。瑞々しい薔薇。
燻製肉やベーコン、そしてごくほのかにユーカリの様な要素も感じられる。黒胡椒、シナモン、甘草などの要素も感じられ複雑。
バロッサヴァレーのシラーズの典型というには素晴らしい。オイリーさより果実味のストレートな力強さを感じる。
舌触りはまさにベルベットの様で、酸味もタンニンも力強いのに、アルコール度数に起因するものなのか、驚くほど滑らか。風味も明確でブラックベリーやプルーンのリキュール、ユーカリ、薔薇などが複雑に折り重なった味わいを見せる。ただしアルコール感は極めて高いため、アタックは強烈。ほのかな苦味もある。


生産者: クリス リングランド
銘柄: ランドル ヒル シラーズ 2010

外観は透けない黒に近いガーネット、粘性は高い。
強烈な凝縮度、強烈な果実味、強烈な華やかさ。
強靭な抽出、樽香、果実味が突出。角を取る様にMLFが効いている。
全てが鮮明で異次元の力強さを感じさせる。
炭焼きや焦げたゴム、キャラメルトフィーのウイスキーの様な甘露な樽香、そして石油、エナメルリムーバーや薔薇の様な鮮明な華やかさ、カシスとブラックベリーのリキュールの様な果実味、ユーカリの様なハーブ香が感じられる。さながらインクの様な濃密さ。杉の木の様な風味。
ベーコン、シナモン、グローヴの様な要素。色気がムンムン。
タンニンや酸は豊かなのにもかかわらず、非常にタンニンが滑らかでツヤツヤ。引っ掛かりがない。
グリセリン感がしっかりとあり、しっかりとした酸を感じるブラックベリーとキャラメルトフィーの余韻が感じられる。



【所感】
やっぱりオーストラリアとニュージーランドのワインは私に合うのか、今回のワインは全て最高感あります。
特にオーストラリアの面白いところはアデレードヒルズやマセドンレンジズでは冷ややかなタッチの極端に薄旨ピノノワールやグルナッシュ、リースリングが産出されるのに対して、バロッサヴァレーや一部のマクラーレン ヴェイルなどはメチャクチャ熟したシラーズやカベルネが産出される、幅の広さ。だって、クリスリングランドやグランジ、ヌーンの様な特濃ワインが生まれる一方で、ヤウマやルーシーマルゴー、カーリーフラットみたいなのが作られるとは思えない...
ソノマ、オレゴンとナパヴァレーみたいな関係性だとは思うんですが、良いワインは軒並み高騰しているナパ、ソノマと比べるとまだ落ち着いてますからね...
カリフォルニアの様な洗練されたものではないですが、こう、ワインの核がしっかりしているワインは多いと思います。

さて、まずは薄い方。カーリーフラット。
私はここのピノノワールの大ファンなんですが、やっぱり最高ですね。
さながら自然派、梗のニュアンスがしっかりとあるブルゴーニュのピノノワール。デュジャックに近いかもしれない。
しっかりとした熟度はありながらクリーンで透明感のあるワイン。新樽を使いながら過剰な焦げのニュアンスは控えめのものになっている。よく熟した赤系果実...練乳とイチゴ、ラズベリーの果実味が、茎やハーブの様な香りと見事にバランスが取れていて、なめし皮やスミレの要素が控えめにおり混じっていく。全体的に控えめなのですが、ちゃんと出るところは出ている。淡い作りでありながら果実味ははっきりとある。強烈な華やかさを見せる作りではないのですが、このバランスの取り方が最高ですね。

お次は濃い方。モリードゥーカーのベルベットグローヴ。
コッテリ濃厚シラーズです。
果実の凝縮度がめちゃくちゃ高く、アルコール感と甘露さが前面に出ています。弾けそうな果実のエネルギーがあり、パワフル。それでいてタンニンも酸も極めて滑らかで、シルクと表現するのにふさわしい。
熟したプルーンやブラックベリーのリキュール、コーヒー、ビターチョコレートの樽香、インク、燻製肉やユーカリの様な要素があります。
もちろん果実味が主軸になっていますが、醸造的な要素も果実を活かす形でバランスが取られており、非常に上品に仕上げられています。
口当たりなどの印象はいわゆるカリフォルニアのPP100点ワインにも近いですね。ワインとして好みを抜いた時に、非の打ち所があるかと言われれば、無いワインではあります。
飲み疲れる...とかはあると思うのですが、隙のないワインです。金額なりの価値のあるワインだと思います。

最後も濃い方。クリスリングランド。
強靭、筋肉質、堅牢を体現した様なシラーズです。
とにかく果実のボリューム感と凝縮感が驚くほど高く、それらを樽と抽出の強さで堅固に抑え込まれている様な感じでしょうか。バランス感が偏っているわけではないんですが、各々の要素が力強すぎて硬く見える感じがしますね。
そしてこれが解れるところが全くもって想像できません。
とはいえ、ものすごいワインで、樽の要素、抽出の要素、リキュールの様な果実味が規格外にデカく、濃密。
この規格外に持っていくのも骨格に果実味がなければ負けるので、いかに熟した果実を使っているのかわかります。
アルコール感も高くグリセリン感があり、ツヤツヤで、タニックだけどシルキーなタッチ。ハーブやベーコンなどの風味が複雑さを助長しています。
現状でも美味しく頂けるんですが、少し解れてきた感じの方がいいでしょうねえ。


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クリス・リングランド CR バロッサ シラーズ 750ml
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【日本:16】国際品種を世界基準で作る生産者、そして日本の個性を活かす生産者

こんにちは、本日は日本ワインです。
本日は大手シャトーメルシャンからカルトワインまで。
バリエーション幅広にお送りします。
※データはワインコメントの中に記載。ワイナリー毎の歴史や思想などは公式ホームページをご参照くださいませ。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ショオ
銘柄: ハイトゥー コスリー ルージュ 2015
品種: カベルネミトス、シャルドネ

北海道余市&新潟市南区産のブドウを使用。カベルネミトスは除梗破砕後ダイレクトプレス、果汁のみを培養酵母発酵、乳酸発酵有り、無清澄無濾過、亜硫酸不使用。
外観は淡いルージュ、粘性は淡い。
巨峰かベリーAっぽい華やかな香りとマスカテルなフレーバーを感じる。
獣香が強く野生的で、見かけに寄らずみずみずしいダークチェリーやブラックベリーの様な果実味と鉄分の様な風合いがある。生肉、フランボワーズの様な要素がある。
酸味はこちらも柔らかくなめらかで、タンニンも控えめ。
優しいタッチでマスカテルな要素が余韻に残っていく。
若々しく自然派的な作り。


生産者: 城戸ワイナリー
銘柄: プレミアム メルロー 桔梗ヶ原 2015
品種: メルロー

桔梗ヶ原産100%の買いブドウ(加納克次郎さん)で作ったワイン。野生酵母発酵、無濾過・無清澄、フレンチオーク新樽57%、フレンチオーク古樽29%、アメリカンオーク新樽14%で7ヶ月樽熟成。
外観は赤みの強いガーネットで粘性は中庸。
国際的なスタイルなメルロー。
キャンディ的な甘い香りはあり、フレッシュな側面がある。日本的な酸の強さは控えめ。
ピーマンや茎、そしてバニラ、ミルクの様な滑らかなアロマが主体的に感じられる。華やかなスミレのニュアンス、そしてフレッシュなカシスやダークチェリーの果実味があり、松や毛皮、ユーカリや蜂蜜などの風味がある。
酸やタンニンは非常に柔らかくなめらかで青さとMLF、親しみやすいキャンディ的な果実味の余韻が残る。ダークチェリーの様な余韻がある。


生産者: サントリー ジャパン プレミアム
銘柄: 高山村シャルドネ 2015
品種: シャルドネ100%

土地の特性としては長野県北信エリアに位置する、標高約500~600m。雨が少なく、昼夜の寒暖差が大きい。夜は山から冷たい風が吹き降ろし夜温が下がる。100%契約農家のぶどうを使用。
外観は透明に近いストローイエローで粘性は低い。
クリアな白ブドウの香りが際立つ透明感のあるキュヴェ。
ステンレスタンク発酵、熟成。MLFは僅かに感じる。
ミネラル感は豊か。マスカテルでややフォキシーなフレーバーを放っている。マスカットやシトラスの様な果実味。その中に甘い蜜を思わせる甘露な香りが混じる。ラムネを想起。フレッシュハーブ、白い花などの要素を感じる。
香りはクリアだが、酸は柔らかく、ボディと甘露さは比較的リッチに感じられる。香りからは感じられないMLF的な部分が出ている様に思える。


生産者: シャトー メルシャン
銘柄: 桔梗ヶ原メルロー 2000
品種: メルロー100%

木桶およびステンレスタンク発酵 約28~30度 約10日間、約16カ月間(新樽100%)で熟成。
外観はエッジにオレンジを帯びたガーネット、粘性は中庸。熟成に起因する濡れた木や腐葉土の香り、ややグリニッシュでピーマンやドライハーブの香りが前面的に出ている。ボルドーの熟成グランヴァンに接近している。
血液などの野生的な風味の中にブラックベリーやダークチェリーを思わせるドライなジャムを思わせる果実味がある。焦げたゴムや漢方のロースト香。
ドライフラワーなどの萎れた花、ベーコンや毛皮、ローズマリーなどの複雑な風味を感じる。
熟成が進んでおり香りは熟成香を主体としてほのかに果実味を残っている状態だけど、ボディはかなり柔らかくなっている。かなり薄くなっているか、旨味豊かで余韻の青さと熟成香、果実味が主体的になる。


生産者: シャトーメルシャン
銘柄: 北信シャルドネ 2002
品種:シャルドネ100%

平均樹齢11年、樽発酵 18~24度 15~25日間、新樽80%で9ヶ月熟成。
外観はややグリーンを帯びたイエロー、粘性は中庸。
フレッシュな日本的なシャルドネでありながら醸造は国際的なものを採用している。
ミネラル感は控えめ。
ライムやグレープフルーツなどの果実味、わずかな洋梨のニュアンス。それと共にヨーグルトの様なまろやかな風味。ミルクやリコリス、そして白い花、フレッシュハーブ、そして蜜蝋など。樽は程よく効いている。
酸は穏やかでありながらボディはしっかりとある。
洋梨やヨーグルトの様な余韻が残る。不足感のない、クリアなシャルドネ。素晴らしい。



【所感】
まずはドメーヌ ショオ、ハイトゥーコースリー。
2014はベリーA100%だった様ですが、2015はカベルネミトスとシャルドネのアッサンブラージュ。
※カベルネミトスはカベルネソーヴィニヨンとレンベルガーの交配品種。
テイスティングコメントにも記載している様に、基本的には去年と大きな方針はないようですね。カベルネミトスと書いてはあるものの、風味はベリーAに非常に近しい印象を受けましたから。
果皮の厚さに起因するものなのか、ややなめし革の要素が発展したかの様な獣香、生肉が強く、それがカベルネ種っぽい様な気がしますね。華やかで野生的、瑞々しい果実を主軸としたワインです。
基本的に複雑な構成のワインではなく、シンプルではあるのですがバランス良く仕上がっていると思います。
あえて高額では書いませんが、デイリーとして安価に手に入るのであれば欲しいワインです。

次はカルトワイン、城戸ワイナリー。
今回のプレミアムシリーズは特定農家から買いブドウで購入したもので作ったワインです。いわゆるネゴシアンもの、といった感じですか。日本のワインはいまなお自社畑は多くなく、買いブドウでワインを作るのが主流なので、そういう意味ではスタンダードと言えるでしょうか。
素晴らしいメルローです。城戸ワイナリーのワインで基本的には失望させられる事は(ボトルデザイン以外は)無いのですが、例によって素晴らしいメルローに仕上がっています。
国際的なスタイルで作られており、リリース直後が故にキャンディ香が際立ちますが、例えばカシスなどの果実味やピーマン、バニラなどの要素は国際的な作りを踏襲した形になっております。しっかりとMLFがなされているからか日本的な厳しめの酸の出方はしておらず、タッチはシルキーです。
大変良くできています。少量生産だからこそなのかもしれませんが、もう少し手に入る様になるといいですね。
世界全体を見たときに、いくつもの選択肢の中でこれをえらぶかというと「日本ワインを飲もう」と思わない限りは選択肢には入らないと思います。高いし、手に入らないから。

次はサントリー ジャパン プレミアムの高山村シャルドネ。
高山村がいずこにあるのかは存じ上げませんが、いわゆるネゴシアンものです。契約農家からぶどうを購入して製造するパターンですね。
複雑さは希薄ですが、大変よくまとまった手堅いワインです。
新樽や醸造起因の要素は控えめでぶどう本来の味わいを際立たせている作り。
収穫からリリースまでの期間が短いのもあり、かなりクリアに仕上げられたワインだと思います。シトラスやぶどう本来の香りを感じられるもので、少し酸がシャープに出そうだな....と思いますが、実際はそんな事はなく、柔らかく厚いボディが舌になじみます。そういった意味で飲みやすく仕上げているなあ、と感じました。良い作りです。


次はシャトーメルシャン。
まずは北信シャルドネから。
これも流石に良くできています。
冷涼さを感じさせる柑橘のニュアンス、その中に僅かに感じられる洋梨の要素。基本的にクリアな質感のワインです。そこにリッチさを演出するMLFが強めに効いており柔らかい酸と結合しさながらヨーグルトの様な香りを放っています。
樽香は新樽80%ながら、僅かに感じられる程度であまり強く主張はしていないですね。
酸は先述した通り柑橘のニュアンスがありながら減酸されていて滑らかというか、穏やかです。
醸造要素をしっかりと感じさせながらクリアな質感を持つシャルドネです。手堅い作りだと思います。

最後は熟成した貴重な桔梗ヶ原メルロー。
ヴィンテージは2000年。これがもう、本当に素晴らしい熟成古酒でした。
さながらボルドーの熟成グランヴァンに接近する作りです。
オフヴィンテージが綺麗に熟した様な腰の弱さを感じるのですが、そのデメリットを差し引いても余りある魅力を包含しています。
少し野性的な風味の中に黒系果実のジャムを思わせる果実味と強めの樽香、華やかさがあります。ボディも非常に柔らかくタンニンも落ち着いていて、これ以降の熟成は少し厳しい印象も受けますが、2000年でこのまとまりは凄いですね。さすか大手酒造メーカー!やりますね!
日本ワインを熟成させる、あるいは熟成したものを購入する事はあまり想定していなかったのですが、これはアリですね...
基準ができたので、少し探してみたいと思います。

やっぱり日本ワインは面白いですね。
日々進歩してたり個性豊かなのが、結構楽しいですね。


【おまけ】

生ハムと共に楽しむ。
まずはプロシュート ディ サンダニエーレ 16ヶ月。


プロシュート ディ サンダニエーレ 24ヶ月。
旨みが相当違いますね。


プロシュート ディ パルマ 30ヶ月。
旨みとともに塩気も充実。


コッパ。とてもスパイシー。


トリュフハニーとのペアリングを試す。


サンタニエーレ24ヶ月がベスト。
16ヶ月だとトリュフの要素と塩気が合わず、コッパはスパイスやハーブの風味が調和しなかった。
プロシュートはいい線行っていた。



練り物。



鰆の酒粕漬け。



メインは和牛のロースト。
プロ並みのキュイソン。



いくらの二色盛り。漬け時間を変えたいくら。



デザートはでっかい梨。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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