【南アフリカ:10】ザ サディ ファミリー ワインズ Part.2 レッドワイン

こんにちは、HKOです。
本日はサディ ファミリーの続きです。



【データ】
ザ サディ ファミリー ワインズは南アフリカにおける最上の生産者。当主はイーベン・サディ氏。10代の頃から15年間ヨーロッパのワイナリーで修業、スパイスルートで醸造責任者を担当。1998年にスワートランドに自身のワイナリーを設立しています。
今回のワインは赤はソルダード、ポフェイダー、コルメラ。
ソルダードはウエスタンケープ、ピーケニアスクルーフの標高700mの畑から産出。冷涼な東向き斜面の花崗岩土壌。
グルナッシュ単一品種。
ポフェイダーはスワートランド カステルバーグ西の畑から産出。土壌は粘板岩と分解頁岩。
コルメラはスワートランドのバードバーグ、カステルバーグ、マルムズバリー、ピケットバーグの高い標高から産出されたシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルを使用。解放樽で発酵後、プレス。8区画ごとにフレンチオークで12カ月発酵。新樽10%程度。
白はスカーフバーグ、スケルピオン、パラディウスの3種類。
スカーフバーグはオリファンリヴァー スカーフバーグ斜面より産出。土壌は石が混ざった砂質で、標高は高く海に近い乾燥した地域。古樽で12カ月熟成の後ブレンド。
スケルピオンはスワートランドの西海岸から産出。土壌はチョークと石灰岩。乾燥した地域。樹齢60年。古樽で熟成。
パラディウスはパードバーグ、花崗岩質の13区画と、砂質土壌の4区画に植えられた計9品種から産出。
選果しながら収穫、圧搾は伝統的なバスケットプレス。卵型のコンクリートタンク、アンフォラ、古い木樽に入れられ発酵~24か月間熟成。
フラッグシップは無灌漑の古樹のみから造られるローヌブレンドのコルメラと、独自アッサンブラージュのパラディウス。


【テイスティングコメント】
生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: ソルダード 2015
品種: グルナッシュ100%

獣香香るラムネのような果実味と華やかでありながら突出したシャトーヌフに酷似。
レッドカラントやラズベリーなどの甘酸っぱい果実味と共に、やや強めの獣香、生肉の様なニュアンスが感じられる。イースト、花の蜜の様な甘い香り。甘草やジンジャーブレッドなどのスパイシーさ。瑞々しいスミレやユーカリの様なほのかな青さが統合して感じられる。
ほのかにユーカリや茎の様な青さを感じる。
酸もタンニンもやや控えめで、甘酸っぱい果実の風味と獣香の余韻を感じられるが、やや短め。
ボディとしては低めでやや水っぽさを感じてしまう。


生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: ポフェイダー 2015
品種:サンソー 100%

外観は明るいルビーで粘性は中庸。
極めて華やか。蜜のような果実味があるフレッシュなキャンディ香。ニュージーランドのピノノワール(あるいはボージョレ)に酷似。
フレッシュなイチゴやラズベリーの果実味があり、非常に甘露。フレッシュなキャンディ香。砂糖漬けのスミレが主軸になっている。ややエナメルリムーバーの様なアルコール感を感じる。
そしてブリオッシュや鉄観音の様な樽香。ユーカリやベーコンの様な香りも感じられる。赤リンゴ、リコリスの様な風味。比較的クリーンなタッチ。
酸もタンニンもしっかりと感じられ、甘みを包含し立体感を感じさせる。特に酸がやや強めで、甘みを帯びているので心地よい。そして含み香は生のスミレの様な華やかさ。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: コルメラ 2014
品種:シラー、ムールヴェードル、グルナッシュ

やや濃いめのガーネットで粘性は中庸。
凝縮した果実味、樽の効いた比較的強めのロースト香。
複雑かつ繊細、凝縮した果実味はカリピノ的な体躯を思わせる。(キスラーにも似ているかも)傑出している。グリセリン感すら感じさせる果実味。
イチゴやダークチェリーのコンポートの様な果実味、バターやミルクポーションの様なまろやかさ。焼けたゴムや黒糖の様な樽香、ブリオッシュなどの風味が感じられる。
甘露さとMLFをしっかりと主張しながら重くならない様に相当気を使われている。そこにスミレや赤い花の華やかさ、シダーウッドの様な清涼感、スパイシーなパストラミハムが相乗する。ユーカリやクローヴの様なほのかな青さも複雑さを助長している。
タンニンは柔らかく、酸もシルキー。立体感もあり、厚みを感じる。コーヒーやチョコレート、ダークチェリー、昆布の含み香を感じる。めちゃうま。



【所感】
本日はサディ ファミリーの赤です。
赤もバリエーション豊かで、3種類とも方向性が異なっている様に思えました。
ソルダードはシャトーヌフにも近いスタイルのワイン、ポフェイダーはややそこから洗練されてニュージーランドのクリーンなピノノワール。そしてコルメラはカリフォルニアのハイクオリティのピノノワールを思わせる作りでした。
共通して感じるのは各々の品種、グルナッシュ、サンソー、シラー、ムールヴェードルから連想される味わいからは離れた冷涼で凝縮感を重視した作りになっています。
過剰な重さ、ボリューム感は無く、いい意味で削ぎ落とされたスタイリッシュなワインが作られています。
その最もたるはコルメラ。モダンで豊かな果実味と巧みな醸造を感じ取れる秀作になっていると感じました。

ではソルダードから。
先述した通りタイプとしてはロジェ サボンやボーカステルを思わせる香りの要素や輪郭を感じますが、それらより冷たく冷ややかで、華やかさをやや強めに感じ取れるものとなっています。線の細さはガメイとかそこらへんに近いんですが、結構獣香があるので、そこでしょうか。
全体的によく出来ていると思うのですが、かなり線が細い、というか凝縮感に欠けるので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

次にポフェイダー。
明るいタッチのキュートな果実味が魅力的ですね。
若々しいキャンディ香とフレッシュやイチゴやラズベリー、砂糖漬けのスミレなど華やかさとフレッシュさを前面に感じる作りですね。樽も目立っておらず、むき出しのピュアな果実を感じる作りです。サンソーはピノタージュの交配元という部分で、あまりこういった印象が少ないワインになっていますが、かなりフレッシュさによったサンソーになっています。そういう意味でいうとプロヴァンスのロゼあたりに感覚としては近いのかなとも。
ワインの骨格もしっかりとしていて、華やかさに満ちた素晴らしいワインになっています。

最後はコルメラ。
個人的にはこれらのワインの中で最も完成度が高く、世界基準の品質で見ても高い方に含まれる様な気がしています。
非の付けどころが殆どない優秀なワインになっています。
タイプとしてはキスラーに似ていると思います。
甘くフレッシュな赤系果実の果実味と、マロラクティック発酵的なミルクの様な甘露な要素、ブリオッシュや黒糖、スミレの様な華やかさと上質なピノノワールの要素が揃っている。ただスパイシーさはシラーとかグルナッシュから感じられる部分がそのままですね。全体的にはグルナッシュ色の方が強いかも。
グルナッシュではラヤスやアンリボノーあたりは自然派ピノの要素を感じる事もありましたが、このモダンなスタイルは珍しいですね。スペインの冷涼なグルナッシュともまた違うし、ローヌブレンドでこれは結構珍しいんじゃないかと思います。
素晴らしいワインでした。

全体的に言うと、優れたワインも非常に多いですが、全てのポートフォリオが優れている、と言うわけではない様です。
それはどんな生産者にも言える事なのですが(例えばマルゴーのサードとか、優れた生産者のACブルだとか)裾物はそれなり、最上級が如何に素晴らしいかで語られる事が多いと思います。この生産者もそうなのかな、と思います。
手放しですべてが優秀、と言うわけではないのですが、良かったです。

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ザ・サディ・ファミリー / ポフェイダー [2015]【赤ワイン】
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【南アフリカ:9】ザ サディ ファミリー ワインズ Part.1 ホワイトワイン

本日は南アフリカ最高の生産者イーベンサディ率いるザ サディ ファミリー ワインズのテイスティングです。
全体のポートフォリオとしては白はスカーフバーグ、スケルピオン、フラッグシップのパラディウス。赤はソルダード、ポフェイダー、トレインスプール、フラッグシップのコルメラがあります。
今回はトレインスプールを除いた全種類となります。



【データ】
ザ サディ ファミリー ワインズは南アフリカにおける最上の生産者。当主はイーベン・サディ氏。10代の頃から15年間ヨーロッパのワイナリーで修業、スパイスルートで醸造責任者を担当。1998年にスワートランドに自身のワイナリーを設立しています。
今回のワインは赤はソルダード、ポフェイダー、コルメラ。
ソルダードはウエスタンケープ、ピーケニアスクルーフの標高700mの畑から産出。冷涼な東向き斜面の花崗岩土壌。
グルナッシュ単一品種。
ポフェイダーはスワートランド カステルバーグ西の畑から産出。土壌は粘板岩と分解頁岩。
コルメラはスワートランドのバードバーグ、カステルバーグ、マルムズバリー、ピケットバーグの高い標高から産出されたシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルを使用。解放樽で発酵後、プレス。8区画ごとにフレンチオークで12カ月発酵。新樽10%程度。
白はスカーフバーグ、スケルピオン、パラディウスの3種類。
スカーフバーグはオリファンリヴァー スカーフバーグ斜面より産出。土壌は石が混ざった砂質で、標高は高く海に近い乾燥した地域。古樽で12カ月熟成の後ブレンド。
スケルピオンはスワートランドの西海岸から産出。土壌はチョークと石灰岩。乾燥した地域。樹齢60年。古樽で熟成。
パラディウスはパードバーグ、花崗岩質の13区画と、砂質土壌の4区画に植えられた計9品種から産出。
選果しながら収穫、圧搾は伝統的なバスケットプレス。卵型のコンクリートタンク、アンフォラ、古い木樽に入れられ発酵~24か月間熟成。
フラッグシップは無灌漑の古樹のみから造られるローヌブレンドのコルメラと、独自アッサンブラージュのパラディウス。


【テイスティングコメント】
生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: スカーフバーグ 205
品種:シュナンブラン100%

外観は透明感のあるストローイエロー、粘性は中庸。
王道的シュナンブラン。多少穀物的かつ非常に甘露。オイリーかつクリーンな質感のワイン。
熟した黄桃やアプリコットの様な果実味があり、そこに小石を感じさせるミネラル感を感じさせる。麦、フレッシュハーブや蜜蝋、白胡椒の様なスパイス感を感じさせる。イーストの様な風合いがある。
酸とボディの厚みも潤沢で、ハチミツや上白糖の様や含み香、黄桃の様なニュアンスの余韻を感じさせる。
余韻自体はあまり長くないが、旨味があり、心地よい味わいが尾をひく。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: スケルピオン 2015
品種: シュナンブラン50%、バロミノ フィノ 50%

外観は透明感のあるストローイエロー、粘性は中庸。
より蜜の香りとオイリーさが強く、穀物の香りはやや控えめになっている。こちらもクリーンな質感。
より鮮明な輪郭。
白桃や洋梨の香りと共に、オイリーな油分の香り。フレッシュ感に満ちている。ナッツや白胡椒、アスパラガスの様な香りを感じさせる。白い花の香り。重いスカーフバーグと比べると軽妙。
酸味は感じられるが柔らかく、やや薄めに感じられる。
厚みも控えめで、さわやかでフレッシュな白桃のフレッシュな余韻を残す。



生産者: サディ ファミリー ワインズ
銘柄: パラディウス 2014
品種:シュナンブラン、グルナッシュブラン、クレレット、ヴィオニエ、ルーサンヌ

ほのかな辛子の様な香りと濃密な上白糖、引き締まったミネラル感を感じさせる。
上白糖、白桃やシトラスの様な果実味があり、そこに複雑な辛子やクレイ、石灰の様な強靭なミネラル感を感じさせる。ややブランデーの様な甘露さでヘーゼルナッツやバターの様な感じもある。白胡椒やブリオッシュ、ハチミツの様な要素がある。
酸味、ボディ共に申し分なく、アタックのはっきりした酸と厚みのある甘露さを感じさせる。伸びに物足りなさを感じるが、ニューワールド的で、白桃や上白糖の甘い含み香が素晴らしい。



【所感】
本日は白ですね。シュナンブラン単一のスカーフバーグ、バロミノ フィノとのアッサンブラージュのスケルピオン、シュナンブランに南仏品種を加えたパラディウス。
全体的に余韻は短めではあるのですが、どのキュヴェもかなり手堅く作られています。シュナンブランの王道を行くスカーフバーグ、オイリーさと果実の香りが目立つスケルピオン、そして南部ローヌ、あるいはニューワールド的な側面が強いパラディウスと比較的バリエーションが豊かに感じられました。
スカーフバーグは先述した通り、南アのシュナンブランの王道ともいうべき作り。果実味豊かで穀物的。クリーンな質感があります。
核種系の果実、はちみつをベースに穀物や蜜蝋、ミネラルを綺麗に感じさせます。ボディにも不足感はなく、クリーンで洗練されたワインになっています。
余韻は短いですが、旨味豊かで完成度は高いです。
次にスケルピオン。
この中では厚みが控えめで、やや薄めのワインに感じられました。
香りこそシュナンブランの穀物を抑えミネラル、蜜の香り、白胡椒を押し出していて複雑。されど、厚みにバランスの悪さを感じました。
スカーフバーグの厚みと対照的で、多少の物足りなさを感じるキュヴェに感じました。
最後にパラディウスですが、これは流石というか、前述2本と比べると完成度に大きな違いを感じました。
独特の辛子のような複雑な香りに上白糖のような凝縮した果実味と引き締まったミネラル感を感じます。
これはMLF的な要素もあり、さながらブランデーにも似たアタッキーかつ甘露で滑らかなタッチがあります。ニューワールド的でわかりやすくしっかりと作られたワインです。こちらも余韻は少し物足りませんが、十分に及第点クラスの味わいだと思います。

どれも土壌の構成に即した作りになっていると思います。
一部薄さを感じたり、余韻の部分に違和感を残す部分はありますが、基本的にはとてもレベルの高い南アのワインになっているかと。

ただやはりその本懐は赤。そうコルメラを飲んで感じました。
続きは次回。



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【イスラエル】ヤルデン シャルドネ 2015

こんにちは、HKOです。
本日はヤルデンです。
超有名ワイナリーですが、実は飲むのは初だったりします。


【データ】
ゴランハイツワイナリーはイスラエル ゴラン高原 カツリンに1983年に設立されたワイナリー。
イスラエル航空のファーストクラスワインとしても採用されています。
醸造手法は伝統的かつ革新的な醸造手法を組み合わせている。最先端の圧搾、ポンプ施設、コンピューターでの温度管理が可能なステンレスタンクで醸造。徹底した管理システムを構築している。フレンチオーク新樽50%、旧樽50%でシュールリーで7ヶ月熟成。フラッグシップはエルロム ヴィンヤード。


【テイスティングコメント】
生産者: ゴランハイツ ワイナリー
銘柄: ヤルデン シャルドネ 2015

外観はやや濃いめのイエローで粘性はやや高め。
カリフォルニアの典型的なスタイルのシャルドネに酷似したスタイルで、濃密な白桃や洋梨の様な果実味と、甘露な杏仁豆腐、シロップ。そしてバターの様なまろやかさがある。熟度自体はそこまで高くはないが、しっかりとMLFがなされている。フレッシュハーブや白い花のニュアンス。
構造自体はそこまで複雑ではないが、しっかりとしたアルコール感と甘露さを感じさせる。
酸は柔らかくやや余韻に苦味が残る。ハーブや杏仁豆腐、グレープフルーツの様な余韻が膨らむ。余韻は比較的長く、杏仁豆腐のフィニッシュが残る。


【所感】
遅れ馳せながら初めて飲みましたが、これはいいシャルドネですね。とてもボリューム感のあるリッチなシャルドネ。
カリフォルニアの様な温暖な新世界の空気感を纏わせています。果実味の厚みとクリーミーさが併存していて、しっかりとしたアルコール感と甘露さを感じます。
香りも余韻の苦味もまさにそんな感じではあるのですが、少しハーブ感があるのも面白いですね。
程価格帯でこれだけ良ければ、エルロムも相当期待出来そうかも。
ヤルデンはとても有名な生産者なのですが、ワインの文化的な側面で見た場合重要な産地ではあるものの、今ひとつ地味感が否めないイスラエル。隣接するシリアとの問題を抱えていますが、ヤルデンに続く様な生産者がたくさん出てきてくれるといいんですがね...




【南アフリカ: 8】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.3

こんにちは、HKOです。
話題の南アフリカです。

【データ】
ブディノは南アフリカの名門ワイナリー。
今回のワンダリングビーストは名手ドノヴァン ラール氏がブディノとコラボレーションし、スワートランドで作るシラー。土壌はスレート・頁岩を含むローム質土壌。生産本数は4000本。
初ヴィンテージの2013はデキャンタ誌で最高評価を獲得しました。
サスティナブル農法、収量は50hl/ha、樹齢20年のシラーを使用。夜間手摘みで収穫されたブドウは、更に厳しく選果され、熟度の高い茎を使用し全房醗酵(天然酵母100%)。
オーク樽(300L)にて6か月(新樽なし)熟成。

フラム ワインズはステレンボッシュに拠点を置くワイナリー。 当主はボッシェンダル ワインで12年ワインメーカーを務めたティナス クルーガー氏。設立は2013年。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では4級となっています。
ブドウはスワートランドやロバートソンなど様々な地域の物を購入し、自身のワインを作り上げています。
今回のピノタージュはクランウィリアム北西の丘のブドウを使用。鉄の混じった赤い砂質土壌。


グレネリーはステレンボッシュ地区シモンズバーグ山脈の東側のより涼しい斜面に位置する老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では3級となっています。
醸造は2007年よりシャトーフューザルやアンジェリュスを経験したルーク氏、2009年よりバーデンホーストのアディ氏が醸造コンサルタントとして携わっています。
2003年より、シャトー ピション ロングヴィル コンテス ド ラランドの元オーナー、メイ エレーヌ ドゥ ランクザン夫人が出資、2005年に最初の実験的なケープブレンドを生産。
今回のレディーメイはピション ロングウィル コンテス ラランド元オーナーが南アフリカで手掛けたグレネリー社のフラグシップ。
醸造設備は重力に逆らわないグラビティシステムを採用し、全て天然発酵で生産。
ステンレスタンクで天然発酵後、フレンチオーク新樽に移し、マロラクティック発酵。フレンチオーク新樽で24ヶ月熟成

ミヤルストはミパーフ家によって運営されている1756年創立の老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016ではブルジョワ級となっています。
オーナーはラフィットで修行を積んだハネス マイバーグ氏。
ステレンボッシュ市から15kmほど。保有する畑は花岡岩が露出した丘で、海から近く、夏でも涼しく湿気を帯びた風が流れるようです。畑の作付面積は110ha(カベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、メルロ、ピノ ノワール、シャルドネ)。
フラッグシップはルビコン。オーナーの出自のボルドーブレンドでファーストリリースは1984年。
品種ごとにステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵終了後にブレンドをする。その後、バリック(70%がヌヴェール産の新樽、30%がヌヴェール産とアリエ産の2年目樽)で21ヶ月樽熟。さらに数年にわたる瓶熟を経て出荷される。


カノンコップは1910年にステレンボッシュに設立された老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では1級となっています。現在は4代目。幾多もの受賞履歴を持つワイナリー。
シモンスバーグ山脈の麓に100haのブドウ畑を所有。(50%が樹齢50年以上が含まれるピノタージュ、カベルネソーヴィニョンが35%、メルロは7.5%、残りがカベルネフラン。
今回のポールサウアーはボルドーブレンド。
収穫量4トン/ha、樹齢は平均24年。オープンタンクで発酵。225Lのフレンチオークで24ヶ月熟成(新樽100%)。
最高級キュヴェは生産本数3500本の「ブラックレーベルピノタージュ」



【テイスティングコメント】
生産者: ブティノ
銘柄: ワンダリング ビースト シラー 2015
品種: シラー100%

外観は濃いガーネット、粘性は高い。
当初血液を思わせる鉄分や華やかさが前面に主張をしていた。その方向性はオーストラリア バロッサバレーのそれだが、冷涼で甘露さは控えめだった。2日程度時間を置くと甘やかさとロースト香とのバランスが取れて来た。
鉄分や薔薇の様な華やかさ、漢方の様な風味がやはり強いが、炭焼きや燻製肉の様な焦げた風味、そしてプラムやブラックベリーの果実味が感じられる。黒糖とイースト。
漢方が入り混じった様な甘露さもある。ただし冷涼でやはり華やかさを主軸としており、若々しい酸を思わせる果実味がある。多少のアルコール感もある
酸味がしっかりとあり、タンニンは控えめ。ボディに丸みがあるので香りと味わいに差分はない。華やかでフレッシュな黒系果実の余韻が残る。



生産者: フラム ワインズ
銘柄: ピノタージュ 2014
品種: ピノタージュ100%

外観は透明感があり均一なガーネット、粘性は中庸。
ねっとりとしたやや土の香りが漂うピノタージュ。
主体的には果皮の香りが強く野生的で、血の香りや燻製肉や薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
そしてスモーキーな煙草の様な香りが感じられる。そこにねっとりとしたプラムやブラックベリーのジャムの様な香りがある。ジャム的ではあるものの、酸味を残しており、若干の冷涼さを感じさせる。やや塩気があり海藻的なニュアンスも。
イースト的な酵母の香りがほのかにあり、ネッビオーロ的な側面は確かにあるが、エッジは控えめで丸みを感じる。
徐々に果実味は干した杏の様なニュアンスに変化していく。
香りはあまり魅力的ではないが、口に含んだ時の旨みや厚みは白眉で、ややタンニンと酸にキツさはあるものの厚みがあり、香りとのバランスは良い。
杏や血の様ななどの余韻がある。



生産者: グレネリー
銘柄: レディ メイ レッド 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン85%、プチヴェルド10%、メルロー5%

外観は濃い色調の黒いガーネット、粘性はやや高め。
非常にボルドーに近いストラクチャーを持つカベルネソーヴィニヨン。非常にスモーキーかつ乾いた土の様な香りが突出する。ラトゥール風の方向性。
乾いた土や煙草、カカオの様な強いローストをかけた樽香、そしてミルクポーションや生乳などの要素がそれらに一体化する。そして甘草やクローヴなどといったスパイス、インクやドライフラワーなどの要素が際立って感じられる。果実味の甘さは控えめでフレッシュなカシスやブラックベリーの様な果実味がある。ほのかなピーマンの様な複雑な青さ、蜜の様な甘さ、ローズウッドも感じられる。
ボルドーの良年と比べると少し冷涼でドライさを帯びている。
酸がやはり前面に出ており、ややシャープ。タンニンもやや荒れ気味の印象。香りに対して、やはりボディはやや不足気味で、粘性は低め。舌触りもドライである。
カシスやシダーウッド、甘草のような長い余韻がある。
やや暴れ気味だが、スタイルとしてはなかなかいい。



生産者: ミヤルスト
銘柄: ルビコン プロプライエタリーレッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン10%

外観は澄んだガーネットで、粘性は中庸。
グレネリー同様スモーキーでありながら、よりこちらの方が繊細でグリニッシュさが際立っている。グレネリーがラトゥール的ならば、こちらは(MLFの要素は控えめながら)ラフィット的な作りであろうと思います。
土やタバコ、薫香の様なローステッドな香りと共にシダーやミント、そして甘草やユーカリなどの青っぽさを比較的強めに感じる事ができる。そしてベーコンや鉄釘の様な香りを帯びている。果実味はカシスやブラックベリー。甘露かというとドライだがチョコレートに発展しそうなポテンシャルはある。コーヒー豆などもある。ほのかにMLFの滑らかさがあるが、基本的には青さと樽の要素が際立つ。
酸味は豊かだが、比較的タッチに丸みがあり、エッジは効いていない。タンニンも色調と比較すると柔らかい。
グリセリン感があり、口当たりに厚みがあるので熟成ポテンシャルは高そう。酸味を帯びたブラックベリーやアプリコット、ローズティーな樽の余韻を感じさせる。



生産者: カノンコップ
銘柄: ポール サウアー 2012

外観は透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
非常によく出来たクオリティの高い典型的なメドック格付ワインのバランスを踏襲しているが、その中から感じ取れるアルコール感は少しカリフォルニアを感じさせるものもある。
乾いた土、西洋杉やカカオの様な焦がした樽の香りと、ミルクポーション、甘露なカシスやブラックベリーのリキュールの様な香りが見事に調和している。インクっぽさに少しカリフォルニアを感じる。ほのかにタバコやリコリスの要素を感じ取れる。ドライフラワー、華やかさより生肉や燻製肉などの旨味を包含する形がほのかに熟成を想起。
ジンジャーブレッドの様な要素があります。
全体的に樽とMLFの要素のバランスが非常によく取れていてメドックを想起させる作り。その中でインクや果実の熟度が少し新世界寄りになっている印象があります。
やや酸が強めでタンニンの線の細さがあります。収斂性はやや高く荒さが感じられる部分があります。若々しいカシスやアプリコット、ワッフルなどの余韻。
グリセリン感はなく、少し繊細にも感じられました。




【所感】
パパッと行きます。長いので。
今回はシラー、ピノタージュ、そしてボルドーブレンド3本ですね。
まずはブティノのワンダリングビースト、シラーから。
端的な印象としては、スパイシーさはあまりなく小ぶりで軽やかなオーストラリア シラーズといった感じでしょうか。
ローヌ的ではないですね。全体的に華やかで、漢方や炭焼きに近い方向性の樽香が目立ちます。
果実味は黒系の甘露な果実。黒糖やイースト的な要素もあります。酸が前にでており、フレッシュですね。
果実味と樽香、華やかさが前に出る、という点でシラーズ的だと思います。ただギラギラした凝縮度や華やかさではなく、酸が主体的な軽やかさを感じるので、その点やはり冷涼だと思います。ローヌ型やオーストラリア型どちらかに完全に寄っているわけでは無いので、少し印象としては希薄な感じですね。悪くは無いです。マリヌーなんかと近いかもです。

次、フラムのピノタージュ。
これはすごく勧められたものではあるのですが、ちょっと期待値が高すぎたのか、そこまで感動はしませんでした。
よく出来ているとはおもいますが。
どこか南仏を感じさせる完成系のワインでして、原種のピノノワールというよりサンソーを強く受け継いでいるような感じでした。果皮の香りが強く野生的で、華やかさが前面に立っています。エナメルリムーバー的。サンソーとかシラーっぽい特徴が強いです。樽香はややスモーキーで煙草や土っぽさが出ている、ブルやボルドーのような品のあるタイプまではなく、もっと...言い方は悪いですが粗雑な感じですね。
果実味は非常に充実していて、ジャミーで濃厚。ほのかなイーストや海藻的なニュアンスもあります。
ネッビオーロに近いといえば近いところにありますが、酸やタンニンのキツさはそこまでではないですね。
香りと味わいのバランスはとても良いと思います。
こちらも印象的かと言われればワンダリングビースト同様微妙なとこですね。

次から3本はボルドーブレンドです。
まず前提として、非常によく出来ていると思います。
素直に美味いと思います。特にカノンコップのポールサウアーは白眉だと思います。全体的にやや厳しめですが、期待の表れだと思って下さい。

まずはグレネリーのレディーメイですね。
一見して非常にボルドー的なテクスチャーやストラクチャーを持つワインだと感じました。スモーキーで土のニュアンスを感じるので、樽の使い方はラトゥール系に近い印象もあります。果実の充実度はそこまで高くないので、あくまで方向性ですね。次いでマロラクティック発酵と果皮のニュアンスが主体的です。少しインキーにも感じるくらいには。
果実味は少し繊細とも言える形になっていて蜜のような甘露さを感じさせる黒系果実を感じさせます。ドカンとグリセリン感がある感じではないですね。冷涼でやや中凡なボルドーのヴィンテージにも近い作りかと。
故に酸がシャープ。タンニンも抽出から感じられる通り暴れ気味。やや細めのボディではありますが、決してバランスを崩しているほど酷いわけではないので、価格としては良作と言えそうな気はします。

次にミヤルストのルビコン。
基本的にはレディーメイと近しいハッキリとした樽香を押し出しながら、より香りの青さやハーブっぽさが目立つような形になっています。
マロラクティック発酵のニュアンスは抑え気味ですが、レディーメイがラトゥール的ならば、こちらは香りの青さからラフィット的かと思います。樽香とハーブのニュアンスを基軸にして、基本的なボルドーを思わせるカシスの果実味。甘露さが出てきたらチョコレートに発展しそうな感じもあります。こちらも酸味が充実しているのですが、ボディはしっかりとしていて、舌触りに丸みや厚みを感じます。
タンニンはシルキーですが、レディーメイと比べると熟成しそうな雰囲気がありますね。味わいとしてはレディーメイよりこちらの方が好みです。

最後はカノンコップのポールサウアー。
典型的なメドック格付的な味わいですが、アルコール感や果実味はむしろカリフォルニアのナパヴァレー的な風合いを感じさせます。こちらも樽香、抽出共にが強いですが、リキュールを思わせる濃密な果実味、マロラクティック発酵的なミルクポーションのニュアンスがとても良くバランスが取れていると思います。バランス感の良さはボルドーにも通じる所があるような気がしています。
酸が強く、骨格やボディが少し繊細にも感じられますが、バランス感が良いので違和感はほとんどありません。
とても美味しく飲めるボルドーブレンド。ピークはやや早めに来るかもしれませんが、今飲んで非常に美味しいワインとなっていると思います。

やはり味わいの方向性...「良いカベルネとはこういうものだ」という基軸が定まっている品種に関しては非常に完成度高く仕上げてきているような気がします。
ブーケンハーツクルーフなんてそうなんですが、(南アフリカならではのボディの軽さはさておいて)非常にキャッチーな作りを実現している。誰が飲んでも美味しいと感じる美味さを作ってますね。
対してシラーやピノタージュなどの南仏に所以する品種が今ひとつ物足りなさを感じてしまうのは、ローヌやオーストラリアを目標にしておらず、自身の作りを追求しているからかもしれません。
ブーケンハーツクルーフは国際的な作りをしていると思いますが、今のところ極端に垢抜けたシラーはハーテンバーグくらいしか思い浮かばない...
これがカチッと定まれば、もっと評価が上がって来ると思います。しかし没個性になりますがね。
上記の地域のデグレ、安いだけになってしまいますから、独自の方向は見据えつつ完成度を上げていっていただけると最高ですね。



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【日本:16】国際品種を世界基準で作る生産者、そして日本の個性を活かす生産者

こんにちは、本日は日本ワインです。
本日は大手シャトーメルシャンからカルトワインまで。
バリエーション幅広にお送りします。
※データはワインコメントの中に記載。ワイナリー毎の歴史や思想などは公式ホームページをご参照くださいませ。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ショオ
銘柄: ハイトゥー コスリー ルージュ 2015
品種: カベルネミトス、シャルドネ

北海道余市&新潟市南区産のブドウを使用。カベルネミトスは除梗破砕後ダイレクトプレス、果汁のみを培養酵母発酵、乳酸発酵有り、無清澄無濾過、亜硫酸不使用。
外観は淡いルージュ、粘性は淡い。
巨峰かベリーAっぽい華やかな香りとマスカテルなフレーバーを感じる。
獣香が強く野生的で、見かけに寄らずみずみずしいダークチェリーやブラックベリーの様な果実味と鉄分の様な風合いがある。生肉、フランボワーズの様な要素がある。
酸味はこちらも柔らかくなめらかで、タンニンも控えめ。
優しいタッチでマスカテルな要素が余韻に残っていく。
若々しく自然派的な作り。


生産者: 城戸ワイナリー
銘柄: プレミアム メルロー 桔梗ヶ原 2015
品種: メルロー

桔梗ヶ原産100%の買いブドウ(加納克次郎さん)で作ったワイン。野生酵母発酵、無濾過・無清澄、フレンチオーク新樽57%、フレンチオーク古樽29%、アメリカンオーク新樽14%で7ヶ月樽熟成。
外観は赤みの強いガーネットで粘性は中庸。
国際的なスタイルなメルロー。
キャンディ的な甘い香りはあり、フレッシュな側面がある。日本的な酸の強さは控えめ。
ピーマンや茎、そしてバニラ、ミルクの様な滑らかなアロマが主体的に感じられる。華やかなスミレのニュアンス、そしてフレッシュなカシスやダークチェリーの果実味があり、松や毛皮、ユーカリや蜂蜜などの風味がある。
酸やタンニンは非常に柔らかくなめらかで青さとMLF、親しみやすいキャンディ的な果実味の余韻が残る。ダークチェリーの様な余韻がある。


生産者: サントリー ジャパン プレミアム
銘柄: 高山村シャルドネ 2015
品種: シャルドネ100%

土地の特性としては長野県北信エリアに位置する、標高約500~600m。雨が少なく、昼夜の寒暖差が大きい。夜は山から冷たい風が吹き降ろし夜温が下がる。100%契約農家のぶどうを使用。
外観は透明に近いストローイエローで粘性は低い。
クリアな白ブドウの香りが際立つ透明感のあるキュヴェ。
ステンレスタンク発酵、熟成。MLFは僅かに感じる。
ミネラル感は豊か。マスカテルでややフォキシーなフレーバーを放っている。マスカットやシトラスの様な果実味。その中に甘い蜜を思わせる甘露な香りが混じる。ラムネを想起。フレッシュハーブ、白い花などの要素を感じる。
香りはクリアだが、酸は柔らかく、ボディと甘露さは比較的リッチに感じられる。香りからは感じられないMLF的な部分が出ている様に思える。


生産者: シャトー メルシャン
銘柄: 桔梗ヶ原メルロー 2000
品種: メルロー100%

木桶およびステンレスタンク発酵 約28~30度 約10日間、約16カ月間(新樽100%)で熟成。
外観はエッジにオレンジを帯びたガーネット、粘性は中庸。熟成に起因する濡れた木や腐葉土の香り、ややグリニッシュでピーマンやドライハーブの香りが前面的に出ている。ボルドーの熟成グランヴァンに接近している。
血液などの野生的な風味の中にブラックベリーやダークチェリーを思わせるドライなジャムを思わせる果実味がある。焦げたゴムや漢方のロースト香。
ドライフラワーなどの萎れた花、ベーコンや毛皮、ローズマリーなどの複雑な風味を感じる。
熟成が進んでおり香りは熟成香を主体としてほのかに果実味を残っている状態だけど、ボディはかなり柔らかくなっている。かなり薄くなっているか、旨味豊かで余韻の青さと熟成香、果実味が主体的になる。


生産者: シャトーメルシャン
銘柄: 北信シャルドネ 2002
品種:シャルドネ100%

平均樹齢11年、樽発酵 18~24度 15~25日間、新樽80%で9ヶ月熟成。
外観はややグリーンを帯びたイエロー、粘性は中庸。
フレッシュな日本的なシャルドネでありながら醸造は国際的なものを採用している。
ミネラル感は控えめ。
ライムやグレープフルーツなどの果実味、わずかな洋梨のニュアンス。それと共にヨーグルトの様なまろやかな風味。ミルクやリコリス、そして白い花、フレッシュハーブ、そして蜜蝋など。樽は程よく効いている。
酸は穏やかでありながらボディはしっかりとある。
洋梨やヨーグルトの様な余韻が残る。不足感のない、クリアなシャルドネ。素晴らしい。



【所感】
まずはドメーヌ ショオ、ハイトゥーコースリー。
2014はベリーA100%だった様ですが、2015はカベルネミトスとシャルドネのアッサンブラージュ。
※カベルネミトスはカベルネソーヴィニヨンとレンベルガーの交配品種。
テイスティングコメントにも記載している様に、基本的には去年と大きな方針はないようですね。カベルネミトスと書いてはあるものの、風味はベリーAに非常に近しい印象を受けましたから。
果皮の厚さに起因するものなのか、ややなめし革の要素が発展したかの様な獣香、生肉が強く、それがカベルネ種っぽい様な気がしますね。華やかで野生的、瑞々しい果実を主軸としたワインです。
基本的に複雑な構成のワインではなく、シンプルではあるのですがバランス良く仕上がっていると思います。
あえて高額では書いませんが、デイリーとして安価に手に入るのであれば欲しいワインです。

次はカルトワイン、城戸ワイナリー。
今回のプレミアムシリーズは特定農家から買いブドウで購入したもので作ったワインです。いわゆるネゴシアンもの、といった感じですか。日本のワインはいまなお自社畑は多くなく、買いブドウでワインを作るのが主流なので、そういう意味ではスタンダードと言えるでしょうか。
素晴らしいメルローです。城戸ワイナリーのワインで基本的には失望させられる事は(ボトルデザイン以外は)無いのですが、例によって素晴らしいメルローに仕上がっています。
国際的なスタイルで作られており、リリース直後が故にキャンディ香が際立ちますが、例えばカシスなどの果実味やピーマン、バニラなどの要素は国際的な作りを踏襲した形になっております。しっかりとMLFがなされているからか日本的な厳しめの酸の出方はしておらず、タッチはシルキーです。
大変良くできています。少量生産だからこそなのかもしれませんが、もう少し手に入る様になるといいですね。
世界全体を見たときに、いくつもの選択肢の中でこれをえらぶかというと「日本ワインを飲もう」と思わない限りは選択肢には入らないと思います。高いし、手に入らないから。

次はサントリー ジャパン プレミアムの高山村シャルドネ。
高山村がいずこにあるのかは存じ上げませんが、いわゆるネゴシアンものです。契約農家からぶどうを購入して製造するパターンですね。
複雑さは希薄ですが、大変よくまとまった手堅いワインです。
新樽や醸造起因の要素は控えめでぶどう本来の味わいを際立たせている作り。
収穫からリリースまでの期間が短いのもあり、かなりクリアに仕上げられたワインだと思います。シトラスやぶどう本来の香りを感じられるもので、少し酸がシャープに出そうだな....と思いますが、実際はそんな事はなく、柔らかく厚いボディが舌になじみます。そういった意味で飲みやすく仕上げているなあ、と感じました。良い作りです。


次はシャトーメルシャン。
まずは北信シャルドネから。
これも流石に良くできています。
冷涼さを感じさせる柑橘のニュアンス、その中に僅かに感じられる洋梨の要素。基本的にクリアな質感のワインです。そこにリッチさを演出するMLFが強めに効いており柔らかい酸と結合しさながらヨーグルトの様な香りを放っています。
樽香は新樽80%ながら、僅かに感じられる程度であまり強く主張はしていないですね。
酸は先述した通り柑橘のニュアンスがありながら減酸されていて滑らかというか、穏やかです。
醸造要素をしっかりと感じさせながらクリアな質感を持つシャルドネです。手堅い作りだと思います。

最後は熟成した貴重な桔梗ヶ原メルロー。
ヴィンテージは2000年。これがもう、本当に素晴らしい熟成古酒でした。
さながらボルドーの熟成グランヴァンに接近する作りです。
オフヴィンテージが綺麗に熟した様な腰の弱さを感じるのですが、そのデメリットを差し引いても余りある魅力を包含しています。
少し野性的な風味の中に黒系果実のジャムを思わせる果実味と強めの樽香、華やかさがあります。ボディも非常に柔らかくタンニンも落ち着いていて、これ以降の熟成は少し厳しい印象も受けますが、2000年でこのまとまりは凄いですね。さすか大手酒造メーカー!やりますね!
日本ワインを熟成させる、あるいは熟成したものを購入する事はあまり想定していなかったのですが、これはアリですね...
基準ができたので、少し探してみたいと思います。

やっぱり日本ワインは面白いですね。
日々進歩してたり個性豊かなのが、結構楽しいですね。


【おまけ】

生ハムと共に楽しむ。
まずはプロシュート ディ サンダニエーレ 16ヶ月。


プロシュート ディ サンダニエーレ 24ヶ月。
旨みが相当違いますね。


プロシュート ディ パルマ 30ヶ月。
旨みとともに塩気も充実。


コッパ。とてもスパイシー。


トリュフハニーとのペアリングを試す。


サンタニエーレ24ヶ月がベスト。
16ヶ月だとトリュフの要素と塩気が合わず、コッパはスパイスやハーブの風味が調和しなかった。
プロシュートはいい線行っていた。



練り物。



鰆の酒粕漬け。



メインは和牛のロースト。
プロ並みのキュイソン。



いくらの二色盛り。漬け時間を変えたいくら。



デザートはでっかい梨。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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