【南アフリカ: 8】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.3

こんにちは、HKOです。
話題の南アフリカです。

【データ】
ブディノは南アフリカの名門ワイナリー。
今回のワンダリングビーストは名手ドノヴァン ラール氏がブディノとコラボレーションし、スワートランドで作るシラー。土壌はスレート・頁岩を含むローム質土壌。生産本数は4000本。
初ヴィンテージの2013はデキャンタ誌で最高評価を獲得しました。
サスティナブル農法、収量は50hl/ha、樹齢20年のシラーを使用。夜間手摘みで収穫されたブドウは、更に厳しく選果され、熟度の高い茎を使用し全房醗酵(天然酵母100%)。
オーク樽(300L)にて6か月(新樽なし)熟成。

フラム ワインズはステレンボッシュに拠点を置くワイナリー。 当主はボッシェンダル ワインで12年ワインメーカーを務めたティナス クルーガー氏。設立は2013年。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では4級となっています。
ブドウはスワートランドやロバートソンなど様々な地域の物を購入し、自身のワインを作り上げています。
今回のピノタージュはクランウィリアム北西の丘のブドウを使用。鉄の混じった赤い砂質土壌。


グレネリーはステレンボッシュ地区シモンズバーグ山脈の東側のより涼しい斜面に位置する老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では3級となっています。
醸造は2007年よりシャトーフューザルやアンジェリュスを経験したルーク氏、2009年よりバーデンホーストのアディ氏が醸造コンサルタントとして携わっています。
2003年より、シャトー ピション ロングヴィル コンテス ド ラランドの元オーナー、メイ エレーヌ ドゥ ランクザン夫人が出資、2005年に最初の実験的なケープブレンドを生産。
今回のレディーメイはピション ロングウィル コンテス ラランド元オーナーが南アフリカで手掛けたグレネリー社のフラグシップ。
醸造設備は重力に逆らわないグラビティシステムを採用し、全て天然発酵で生産。
ステンレスタンクで天然発酵後、フレンチオーク新樽に移し、マロラクティック発酵。フレンチオーク新樽で24ヶ月熟成

ミヤルストはミパーフ家によって運営されている1756年創立の老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016ではブルジョワ級となっています。
オーナーはラフィットで修行を積んだハネス マイバーグ氏。
ステレンボッシュ市から15kmほど。保有する畑は花岡岩が露出した丘で、海から近く、夏でも涼しく湿気を帯びた風が流れるようです。畑の作付面積は110ha(カベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、メルロ、ピノ ノワール、シャルドネ)。
フラッグシップはルビコン。オーナーの出自のボルドーブレンドでファーストリリースは1984年。
品種ごとにステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵終了後にブレンドをする。その後、バリック(70%がヌヴェール産の新樽、30%がヌヴェール産とアリエ産の2年目樽)で21ヶ月樽熟。さらに数年にわたる瓶熟を経て出荷される。


カノンコップは1910年にステレンボッシュに設立された老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では1級となっています。現在は4代目。幾多もの受賞履歴を持つワイナリー。
シモンスバーグ山脈の麓に100haのブドウ畑を所有。(50%が樹齢50年以上が含まれるピノタージュ、カベルネソーヴィニョンが35%、メルロは7.5%、残りがカベルネフラン。
今回のポールサウアーはボルドーブレンド。
収穫量4トン/ha、樹齢は平均24年。オープンタンクで発酵。225Lのフレンチオークで24ヶ月熟成(新樽100%)。
最高級キュヴェは生産本数3500本の「ブラックレーベルピノタージュ」



【テイスティングコメント】
生産者: ブティノ
銘柄: ワンダリング ビースト シラー 2015
品種: シラー100%

外観は濃いガーネット、粘性は高い。
当初血液を思わせる鉄分や華やかさが前面に主張をしていた。その方向性はオーストラリア バロッサバレーのそれだが、冷涼で甘露さは控えめだった。2日程度時間を置くと甘やかさとロースト香とのバランスが取れて来た。
鉄分や薔薇の様な華やかさ、漢方の様な風味がやはり強いが、炭焼きや燻製肉の様な焦げた風味、そしてプラムやブラックベリーの果実味が感じられる。黒糖とイースト。
漢方が入り混じった様な甘露さもある。ただし冷涼でやはり華やかさを主軸としており、若々しい酸を思わせる果実味がある。多少のアルコール感もある
酸味がしっかりとあり、タンニンは控えめ。ボディに丸みがあるので香りと味わいに差分はない。華やかでフレッシュな黒系果実の余韻が残る。



生産者: フラム ワインズ
銘柄: ピノタージュ 2014
品種: ピノタージュ100%

外観は透明感があり均一なガーネット、粘性は中庸。
ねっとりとしたやや土の香りが漂うピノタージュ。
主体的には果皮の香りが強く野生的で、血の香りや燻製肉や薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
そしてスモーキーな煙草の様な香りが感じられる。そこにねっとりとしたプラムやブラックベリーのジャムの様な香りがある。ジャム的ではあるものの、酸味を残しており、若干の冷涼さを感じさせる。やや塩気があり海藻的なニュアンスも。
イースト的な酵母の香りがほのかにあり、ネッビオーロ的な側面は確かにあるが、エッジは控えめで丸みを感じる。
徐々に果実味は干した杏の様なニュアンスに変化していく。
香りはあまり魅力的ではないが、口に含んだ時の旨みや厚みは白眉で、ややタンニンと酸にキツさはあるものの厚みがあり、香りとのバランスは良い。
杏や血の様ななどの余韻がある。



生産者: グレネリー
銘柄: レディ メイ レッド 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン85%、プチヴェルド10%、メルロー5%

外観は濃い色調の黒いガーネット、粘性はやや高め。
非常にボルドーに近いストラクチャーを持つカベルネソーヴィニヨン。非常にスモーキーかつ乾いた土の様な香りが突出する。ラトゥール風の方向性。
乾いた土や煙草、カカオの様な強いローストをかけた樽香、そしてミルクポーションや生乳などの要素がそれらに一体化する。そして甘草やクローヴなどといったスパイス、インクやドライフラワーなどの要素が際立って感じられる。果実味の甘さは控えめでフレッシュなカシスやブラックベリーの様な果実味がある。ほのかなピーマンの様な複雑な青さ、蜜の様な甘さ、ローズウッドも感じられる。
ボルドーの良年と比べると少し冷涼でドライさを帯びている。
酸がやはり前面に出ており、ややシャープ。タンニンもやや荒れ気味の印象。香りに対して、やはりボディはやや不足気味で、粘性は低め。舌触りもドライである。
カシスやシダーウッド、甘草のような長い余韻がある。
やや暴れ気味だが、スタイルとしてはなかなかいい。



生産者: ミヤルスト
銘柄: ルビコン プロプライエタリーレッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン10%

外観は澄んだガーネットで、粘性は中庸。
グレネリー同様スモーキーでありながら、よりこちらの方が繊細でグリニッシュさが際立っている。グレネリーがラトゥール的ならば、こちらは(MLFの要素は控えめながら)ラフィット的な作りであろうと思います。
土やタバコ、薫香の様なローステッドな香りと共にシダーやミント、そして甘草やユーカリなどの青っぽさを比較的強めに感じる事ができる。そしてベーコンや鉄釘の様な香りを帯びている。果実味はカシスやブラックベリー。甘露かというとドライだがチョコレートに発展しそうなポテンシャルはある。コーヒー豆などもある。ほのかにMLFの滑らかさがあるが、基本的には青さと樽の要素が際立つ。
酸味は豊かだが、比較的タッチに丸みがあり、エッジは効いていない。タンニンも色調と比較すると柔らかい。
グリセリン感があり、口当たりに厚みがあるので熟成ポテンシャルは高そう。酸味を帯びたブラックベリーやアプリコット、ローズティーな樽の余韻を感じさせる。



生産者: カノンコップ
銘柄: ポール サウアー 2012

外観は透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
非常によく出来たクオリティの高い典型的なメドック格付ワインのバランスを踏襲しているが、その中から感じ取れるアルコール感は少しカリフォルニアを感じさせるものもある。
乾いた土、西洋杉やカカオの様な焦がした樽の香りと、ミルクポーション、甘露なカシスやブラックベリーのリキュールの様な香りが見事に調和している。インクっぽさに少しカリフォルニアを感じる。ほのかにタバコやリコリスの要素を感じ取れる。ドライフラワー、華やかさより生肉や燻製肉などの旨味を包含する形がほのかに熟成を想起。
ジンジャーブレッドの様な要素があります。
全体的に樽とMLFの要素のバランスが非常によく取れていてメドックを想起させる作り。その中でインクや果実の熟度が少し新世界寄りになっている印象があります。
やや酸が強めでタンニンの線の細さがあります。収斂性はやや高く荒さが感じられる部分があります。若々しいカシスやアプリコット、ワッフルなどの余韻。
グリセリン感はなく、少し繊細にも感じられました。




【所感】
パパッと行きます。長いので。
今回はシラー、ピノタージュ、そしてボルドーブレンド3本ですね。
まずはブティノのワンダリングビースト、シラーから。
端的な印象としては、スパイシーさはあまりなく小ぶりで軽やかなオーストラリア シラーズといった感じでしょうか。
ローヌ的ではないですね。全体的に華やかで、漢方や炭焼きに近い方向性の樽香が目立ちます。
果実味は黒系の甘露な果実。黒糖やイースト的な要素もあります。酸が前にでており、フレッシュですね。
果実味と樽香、華やかさが前に出る、という点でシラーズ的だと思います。ただギラギラした凝縮度や華やかさではなく、酸が主体的な軽やかさを感じるので、その点やはり冷涼だと思います。ローヌ型やオーストラリア型どちらかに完全に寄っているわけでは無いので、少し印象としては希薄な感じですね。悪くは無いです。マリヌーなんかと近いかもです。

次、フラムのピノタージュ。
これはすごく勧められたものではあるのですが、ちょっと期待値が高すぎたのか、そこまで感動はしませんでした。
よく出来ているとはおもいますが。
どこか南仏を感じさせる完成系のワインでして、原種のピノノワールというよりサンソーを強く受け継いでいるような感じでした。果皮の香りが強く野生的で、華やかさが前面に立っています。エナメルリムーバー的。サンソーとかシラーっぽい特徴が強いです。樽香はややスモーキーで煙草や土っぽさが出ている、ブルやボルドーのような品のあるタイプまではなく、もっと...言い方は悪いですが粗雑な感じですね。
果実味は非常に充実していて、ジャミーで濃厚。ほのかなイーストや海藻的なニュアンスもあります。
ネッビオーロに近いといえば近いところにありますが、酸やタンニンのキツさはそこまでではないですね。
香りと味わいのバランスはとても良いと思います。
こちらも印象的かと言われればワンダリングビースト同様微妙なとこですね。

次から3本はボルドーブレンドです。
まず前提として、非常によく出来ていると思います。
素直に美味いと思います。特にカノンコップのポールサウアーは白眉だと思います。全体的にやや厳しめですが、期待の表れだと思って下さい。

まずはグレネリーのレディーメイですね。
一見して非常にボルドー的なテクスチャーやストラクチャーを持つワインだと感じました。スモーキーで土のニュアンスを感じるので、樽の使い方はラトゥール系に近い印象もあります。果実の充実度はそこまで高くないので、あくまで方向性ですね。次いでマロラクティック発酵と果皮のニュアンスが主体的です。少しインキーにも感じるくらいには。
果実味は少し繊細とも言える形になっていて蜜のような甘露さを感じさせる黒系果実を感じさせます。ドカンとグリセリン感がある感じではないですね。冷涼でやや中凡なボルドーのヴィンテージにも近い作りかと。
故に酸がシャープ。タンニンも抽出から感じられる通り暴れ気味。やや細めのボディではありますが、決してバランスを崩しているほど酷いわけではないので、価格としては良作と言えそうな気はします。

次にミヤルストのルビコン。
基本的にはレディーメイと近しいハッキリとした樽香を押し出しながら、より香りの青さやハーブっぽさが目立つような形になっています。
マロラクティック発酵のニュアンスは抑え気味ですが、レディーメイがラトゥール的ならば、こちらは香りの青さからラフィット的かと思います。樽香とハーブのニュアンスを基軸にして、基本的なボルドーを思わせるカシスの果実味。甘露さが出てきたらチョコレートに発展しそうな感じもあります。こちらも酸味が充実しているのですが、ボディはしっかりとしていて、舌触りに丸みや厚みを感じます。
タンニンはシルキーですが、レディーメイと比べると熟成しそうな雰囲気がありますね。味わいとしてはレディーメイよりこちらの方が好みです。

最後はカノンコップのポールサウアー。
典型的なメドック格付的な味わいですが、アルコール感や果実味はむしろカリフォルニアのナパヴァレー的な風合いを感じさせます。こちらも樽香、抽出共にが強いですが、リキュールを思わせる濃密な果実味、マロラクティック発酵的なミルクポーションのニュアンスがとても良くバランスが取れていると思います。バランス感の良さはボルドーにも通じる所があるような気がしています。
酸が強く、骨格やボディが少し繊細にも感じられますが、バランス感が良いので違和感はほとんどありません。
とても美味しく飲めるボルドーブレンド。ピークはやや早めに来るかもしれませんが、今飲んで非常に美味しいワインとなっていると思います。

やはり味わいの方向性...「良いカベルネとはこういうものだ」という基軸が定まっている品種に関しては非常に完成度高く仕上げてきているような気がします。
ブーケンハーツクルーフなんてそうなんですが、(南アフリカならではのボディの軽さはさておいて)非常にキャッチーな作りを実現している。誰が飲んでも美味しいと感じる美味さを作ってますね。
対してシラーやピノタージュなどの南仏に所以する品種が今ひとつ物足りなさを感じてしまうのは、ローヌやオーストラリアを目標にしておらず、自身の作りを追求しているからかもしれません。
ブーケンハーツクルーフは国際的な作りをしていると思いますが、今のところ極端に垢抜けたシラーはハーテンバーグくらいしか思い浮かばない...
これがカチッと定まれば、もっと評価が上がって来ると思います。しかし没個性になりますがね。
上記の地域のデグレ、安いだけになってしまいますから、独自の方向は見据えつつ完成度を上げていっていただけると最高ですね。



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【日本:16】国際品種を世界基準で作る生産者、そして日本の個性を活かす生産者

こんにちは、本日は日本ワインです。
本日は大手シャトーメルシャンからカルトワインまで。
バリエーション幅広にお送りします。
※データはワインコメントの中に記載。ワイナリー毎の歴史や思想などは公式ホームページをご参照くださいませ。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ショオ
銘柄: ハイトゥー コスリー ルージュ 2015
品種: カベルネミトス、シャルドネ

北海道余市&新潟市南区産のブドウを使用。カベルネミトスは除梗破砕後ダイレクトプレス、果汁のみを培養酵母発酵、乳酸発酵有り、無清澄無濾過、亜硫酸不使用。
外観は淡いルージュ、粘性は淡い。
巨峰かベリーAっぽい華やかな香りとマスカテルなフレーバーを感じる。
獣香が強く野生的で、見かけに寄らずみずみずしいダークチェリーやブラックベリーの様な果実味と鉄分の様な風合いがある。生肉、フランボワーズの様な要素がある。
酸味はこちらも柔らかくなめらかで、タンニンも控えめ。
優しいタッチでマスカテルな要素が余韻に残っていく。
若々しく自然派的な作り。


生産者: 城戸ワイナリー
銘柄: プレミアム メルロー 桔梗ヶ原 2015
品種: メルロー

桔梗ヶ原産100%の買いブドウ(加納克次郎さん)で作ったワイン。野生酵母発酵、無濾過・無清澄、フレンチオーク新樽57%、フレンチオーク古樽29%、アメリカンオーク新樽14%で7ヶ月樽熟成。
外観は赤みの強いガーネットで粘性は中庸。
国際的なスタイルなメルロー。
キャンディ的な甘い香りはあり、フレッシュな側面がある。日本的な酸の強さは控えめ。
ピーマンや茎、そしてバニラ、ミルクの様な滑らかなアロマが主体的に感じられる。華やかなスミレのニュアンス、そしてフレッシュなカシスやダークチェリーの果実味があり、松や毛皮、ユーカリや蜂蜜などの風味がある。
酸やタンニンは非常に柔らかくなめらかで青さとMLF、親しみやすいキャンディ的な果実味の余韻が残る。ダークチェリーの様な余韻がある。


生産者: サントリー ジャパン プレミアム
銘柄: 高山村シャルドネ 2015
品種: シャルドネ100%

土地の特性としては長野県北信エリアに位置する、標高約500~600m。雨が少なく、昼夜の寒暖差が大きい。夜は山から冷たい風が吹き降ろし夜温が下がる。100%契約農家のぶどうを使用。
外観は透明に近いストローイエローで粘性は低い。
クリアな白ブドウの香りが際立つ透明感のあるキュヴェ。
ステンレスタンク発酵、熟成。MLFは僅かに感じる。
ミネラル感は豊か。マスカテルでややフォキシーなフレーバーを放っている。マスカットやシトラスの様な果実味。その中に甘い蜜を思わせる甘露な香りが混じる。ラムネを想起。フレッシュハーブ、白い花などの要素を感じる。
香りはクリアだが、酸は柔らかく、ボディと甘露さは比較的リッチに感じられる。香りからは感じられないMLF的な部分が出ている様に思える。


生産者: シャトー メルシャン
銘柄: 桔梗ヶ原メルロー 2000
品種: メルロー100%

木桶およびステンレスタンク発酵 約28~30度 約10日間、約16カ月間(新樽100%)で熟成。
外観はエッジにオレンジを帯びたガーネット、粘性は中庸。熟成に起因する濡れた木や腐葉土の香り、ややグリニッシュでピーマンやドライハーブの香りが前面的に出ている。ボルドーの熟成グランヴァンに接近している。
血液などの野生的な風味の中にブラックベリーやダークチェリーを思わせるドライなジャムを思わせる果実味がある。焦げたゴムや漢方のロースト香。
ドライフラワーなどの萎れた花、ベーコンや毛皮、ローズマリーなどの複雑な風味を感じる。
熟成が進んでおり香りは熟成香を主体としてほのかに果実味を残っている状態だけど、ボディはかなり柔らかくなっている。かなり薄くなっているか、旨味豊かで余韻の青さと熟成香、果実味が主体的になる。


生産者: シャトーメルシャン
銘柄: 北信シャルドネ 2002
品種:シャルドネ100%

平均樹齢11年、樽発酵 18~24度 15~25日間、新樽80%で9ヶ月熟成。
外観はややグリーンを帯びたイエロー、粘性は中庸。
フレッシュな日本的なシャルドネでありながら醸造は国際的なものを採用している。
ミネラル感は控えめ。
ライムやグレープフルーツなどの果実味、わずかな洋梨のニュアンス。それと共にヨーグルトの様なまろやかな風味。ミルクやリコリス、そして白い花、フレッシュハーブ、そして蜜蝋など。樽は程よく効いている。
酸は穏やかでありながらボディはしっかりとある。
洋梨やヨーグルトの様な余韻が残る。不足感のない、クリアなシャルドネ。素晴らしい。



【所感】
まずはドメーヌ ショオ、ハイトゥーコースリー。
2014はベリーA100%だった様ですが、2015はカベルネミトスとシャルドネのアッサンブラージュ。
※カベルネミトスはカベルネソーヴィニヨンとレンベルガーの交配品種。
テイスティングコメントにも記載している様に、基本的には去年と大きな方針はないようですね。カベルネミトスと書いてはあるものの、風味はベリーAに非常に近しい印象を受けましたから。
果皮の厚さに起因するものなのか、ややなめし革の要素が発展したかの様な獣香、生肉が強く、それがカベルネ種っぽい様な気がしますね。華やかで野生的、瑞々しい果実を主軸としたワインです。
基本的に複雑な構成のワインではなく、シンプルではあるのですがバランス良く仕上がっていると思います。
あえて高額では書いませんが、デイリーとして安価に手に入るのであれば欲しいワインです。

次はカルトワイン、城戸ワイナリー。
今回のプレミアムシリーズは特定農家から買いブドウで購入したもので作ったワインです。いわゆるネゴシアンもの、といった感じですか。日本のワインはいまなお自社畑は多くなく、買いブドウでワインを作るのが主流なので、そういう意味ではスタンダードと言えるでしょうか。
素晴らしいメルローです。城戸ワイナリーのワインで基本的には失望させられる事は(ボトルデザイン以外は)無いのですが、例によって素晴らしいメルローに仕上がっています。
国際的なスタイルで作られており、リリース直後が故にキャンディ香が際立ちますが、例えばカシスなどの果実味やピーマン、バニラなどの要素は国際的な作りを踏襲した形になっております。しっかりとMLFがなされているからか日本的な厳しめの酸の出方はしておらず、タッチはシルキーです。
大変良くできています。少量生産だからこそなのかもしれませんが、もう少し手に入る様になるといいですね。
世界全体を見たときに、いくつもの選択肢の中でこれをえらぶかというと「日本ワインを飲もう」と思わない限りは選択肢には入らないと思います。高いし、手に入らないから。

次はサントリー ジャパン プレミアムの高山村シャルドネ。
高山村がいずこにあるのかは存じ上げませんが、いわゆるネゴシアンものです。契約農家からぶどうを購入して製造するパターンですね。
複雑さは希薄ですが、大変よくまとまった手堅いワインです。
新樽や醸造起因の要素は控えめでぶどう本来の味わいを際立たせている作り。
収穫からリリースまでの期間が短いのもあり、かなりクリアに仕上げられたワインだと思います。シトラスやぶどう本来の香りを感じられるもので、少し酸がシャープに出そうだな....と思いますが、実際はそんな事はなく、柔らかく厚いボディが舌になじみます。そういった意味で飲みやすく仕上げているなあ、と感じました。良い作りです。


次はシャトーメルシャン。
まずは北信シャルドネから。
これも流石に良くできています。
冷涼さを感じさせる柑橘のニュアンス、その中に僅かに感じられる洋梨の要素。基本的にクリアな質感のワインです。そこにリッチさを演出するMLFが強めに効いており柔らかい酸と結合しさながらヨーグルトの様な香りを放っています。
樽香は新樽80%ながら、僅かに感じられる程度であまり強く主張はしていないですね。
酸は先述した通り柑橘のニュアンスがありながら減酸されていて滑らかというか、穏やかです。
醸造要素をしっかりと感じさせながらクリアな質感を持つシャルドネです。手堅い作りだと思います。

最後は熟成した貴重な桔梗ヶ原メルロー。
ヴィンテージは2000年。これがもう、本当に素晴らしい熟成古酒でした。
さながらボルドーの熟成グランヴァンに接近する作りです。
オフヴィンテージが綺麗に熟した様な腰の弱さを感じるのですが、そのデメリットを差し引いても余りある魅力を包含しています。
少し野性的な風味の中に黒系果実のジャムを思わせる果実味と強めの樽香、華やかさがあります。ボディも非常に柔らかくタンニンも落ち着いていて、これ以降の熟成は少し厳しい印象も受けますが、2000年でこのまとまりは凄いですね。さすか大手酒造メーカー!やりますね!
日本ワインを熟成させる、あるいは熟成したものを購入する事はあまり想定していなかったのですが、これはアリですね...
基準ができたので、少し探してみたいと思います。

やっぱり日本ワインは面白いですね。
日々進歩してたり個性豊かなのが、結構楽しいですね。


【おまけ】

生ハムと共に楽しむ。
まずはプロシュート ディ サンダニエーレ 16ヶ月。


プロシュート ディ サンダニエーレ 24ヶ月。
旨みが相当違いますね。


プロシュート ディ パルマ 30ヶ月。
旨みとともに塩気も充実。


コッパ。とてもスパイシー。


トリュフハニーとのペアリングを試す。


サンタニエーレ24ヶ月がベスト。
16ヶ月だとトリュフの要素と塩気が合わず、コッパはスパイスやハーブの風味が調和しなかった。
プロシュートはいい線行っていた。



練り物。



鰆の酒粕漬け。



メインは和牛のロースト。
プロ並みのキュイソン。



いくらの二色盛り。漬け時間を変えたいくら。



デザートはでっかい梨。


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【南アフリカ:7】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.2

こんにちは、HKOです。
本日も引き続き南アフリカです。

【データ】
マリヌーファミリーワインは、2007年に南アフリカ スワートランド地域に設立されたワイナリー。
ワインメーカーはクリスとアンドレア マリヌー。
サスティナビリティー農法を実践し、醸造においては、極力人為的な介入を避けています。発酵は野生酵母で行い、無濾過無清澄で瓶詰め。
今回のシラーは7つの畑をブレンドし、50%の全房発酵。計15%の新樽を含むフレンチオーク、500リットル、2000リットルのフードルで14か月間の熟成。
スワートランドのテロワールをワインで表現することを追求しており、フラッグシップは土壌毎にリリースされるボトルとなっている。シュナンブランは「グラナイト」「クォーツ」「シスト」、シラーは「グラナイト」「アイロン」「シスト」。非常に少量生産で、お値段驚きの1万5千円。強気ですね...サディ ファミリーに比肩しそうな勢いです。ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年も1級)。

ニュートン ジョンソンは1985年にウォーカー ベイに設立にしたワイナリー。当主は南アフリカ最大のワイン会社ステレンボッシュ ファーマーズ ワイナリーで輸出を担当していたデイヴ・ジョンソン氏。当初はネゴシアンに専念していたが、1996年にはエステイトを入手し、自らのワインを作り始めました。
現在ワイナリーの運営は、オーナーのジョンソン氏とその二人の息子によって行われており、息子のゴードン氏はニュージーランドのハンターズ等で修行を重ねたワインメーカーです。
平均収量36hl/haは樹齢8-10年。土壌頁岩、水晶の混ざった風化した花崗岩質土。
全て手作業でブドウは栽培され、試行錯誤を重ねながら努力を重ねています。醸造は重力を使用した設備でブドウに負担を与えないよう細心の注意が払われ、天然酵母醗酵、フレンチオーク樽11ヶ月(新樽28%)にて熟成される。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年は2級)。

ブーケンハーツクルーフは南アフリカのフランシュック地区に1776年に設立 された最古のワイナリーの一つ。醸造は南アフリカの天才ワイン醸造家と称されるマーク ケント。エレガントで力強いローヌスタイルを目指しています。
ワイナリーはフランシュック地区の山々に囲まれた谷にあり、東向き斜面の25haのブドウ畑。日照時間が少なく生育が遅いため、長い成熟期間により複雑なテクスチャを生み出します。
フラッグシップは7つの椅子が並ぶラベルのブーケンハーツクルーフシラー、カベルネソーヴィニヨン、セミヨンの3種類。
カベルネは5日の低温浸漬。日当たり3回のルモンタージュを2週間行う。シラーより若干高い温度で発酵。スロベニアンオーク新樽100%で27カ月熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年は2級)


【テイスティングコメント】
生産者: マリヌー アンド リーウ ファミリー ワインズ
銘柄: スワートランド シラー 2014
品種: シラー100%

外観は濃い色調のガーネット、粘性は中庸。
端的に良く出来た部類のコート デュ ローヌ クラスという印象を受けます。ラールのシラーはコートロティを思わせる複雑さや風格がありましたが、少しデイリー的な印象を受けました。
ブルーベリーやダークチェリーの様な酸味を帯びた果実味があり、エナメルリムーバーや生肉の様な要素が主体的に浮かび上がってきます。冷涼にも感じ取れますが、しっかりとした蜜の要素もあります。バタートーストやシラー由来のブラックペッパー、タールの様な風合い。グローヴや血の要素も感じます。
シラーとしては軽めのボディ。香りは精彩を欠いているものの、タンニンと酸のバランスは比較的良く、グリセリン感の甘さ、熟した黒系フルーツの余韻を残していきます。すこし苦味を感じさせるのも特徴的ですね。


生産者: ニュートン ジョンソン
銘柄: ファミリー ヴィンヤーズ ピノノワール 2015
品種: ピノノワール100%

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
ブルゴーニュ的ピノノワールというよりはソノマヴァレーやニュージーランド的な方向性が見て取れるピノノワール。非常にクリアで淡い出汁のような精緻さのあるワインです。
華やかな香りと赤系の小果実のキュートな果実味が主体的。瑞々しいイチゴやクランベリーの果実味と共に華やかなスミレやスイセン、そして茎、ユーカリのグリニッシュさを纏っています。果実味は蜜やシロップというよりは果実本来の糖がもたらす香りが感じられる。
そこに鉄釘やグローヴ、シナモンの要素が混じり、ほのかに削りたての製材のような清涼感のある香りを得られます。
タンニンは控えめながら、酸は充実していて香りの印象とは合致します。赤系の果実味とグリニッシュさ、ほのかな苦みが余韻に残っていきます。


生産者: ブーケンハーツクルーフ
銘柄: カベルネ ソーヴィニヨン 2014

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
非常にキャッチーで明るい性質のカベルネソーヴィニヨン。
熟したブラックベリーやカシスの様な果実味かあり
甘露なダークチョコレートやミルク、ワッフルの様な果実味。ほのかにグリニッシュなピーマンの様な風味。
どこかムートン的な風味が感じられる。スミレや薔薇の様な華やかさ、ほのかなタバコ、土の様な要素、シダーウッド、グローヴなどの風味。
酸味は豊かでエレガント。タンニンは柔らかく、グリニッシュさやミルク、黒系果実の様な酸味を帯びた果実味の余韻を感じられる。
ボディは決して重々しくなくキャッチーながらミディアムなカベルネソーヴィニヨンになっている。最高!


【所感】
まずはマリヌーのシラーから。
ちょうどミドルレンジに当たるキュヴェで、ストリート オールド ヴァインがローレンジ、シングルヴィンヤードがハイレンジに当たります。
1級に位置付けられているだけに期待も上がりますが、ボトルが悪いのか、そもそものクオリティが低いのか、あるいは私がこのスタイルを好まないだけなのかはわかりませんが、今ひとつパッとしない印象を受けました。
ニューワールド的な丸みや凝縮度を持っているわけでもなく、ローヌのシラー的なスパイシーさとエレガンスがある訳ではなく、どこか半端な印象を受けます。
たまに見かける中間的なシラーというか、そんな感じです。よく出来た(モダンな造りの)コート デュ ローヌ的な感じとでも言いましょうか、そこそこ熟した感じはあるのですが、悪く言うと安っぽい感じがします。
黒系のやや酸味を帯びた果実味と生肉、そしてエナメルリムーバー、バタートースト的な風合いを感じられます。
イースト感がそこそこあります。
香りに精彩を欠きますが、比較的軽めのボディの割には味わいとしてはバランスが良い様な気がします。
ただ、あくまでグレードとしては中、なので上位はどの様に仕上がっているかはわかりません。
ちょっと確認は必要ですね。




次にニュートン ジョンソンのファミリーヴィンヤード。
かなりクオリティの高いピノノワールだと思います。
ただいわゆるブルゴーニュという訳ではなく、繊細なタイプのソノマヴァレーだとか、ニュージーランド的な方向性を向いている様な気がします。
その一端には恐らく新樽やMLFの要素を強く感じないからかもしれません。比較的クリーンで良く熟した赤系の小果実を思わせる果実味が感じられる形となっています。
そして華やかなスミレや鉄、適度なグリニッシュさがあり、ナチュラルな味わいとなっています。
いわゆるグランヴァン的な味わいではないものの、非常に良く仕上がったピノノワールです。酸も充実していて、かなり冷涼なスタイルの味わいになっています。ニューワールドらしい余韻の苦味があります。
比較対象としてはブルゴーニュではなく、ニューワールドの比較的モダンな造りの生産者と比べるべき生産者だと思います。




最後はブーケンハーツクルーフのカベルネソーヴィニヨン。
これはもう...毎度の事ながら素晴らしい。
ちょっと誇大的な表現でいうと、かなり軽めで酸が感じられるシャトームートンロートシルトやオーパスワンに近いと感じました。悪い表現でいうと、オフヴィンテージの際にしっかりと手を入れて作ったそれら、といった感じ。樽やMLFがしっかり効いていて、果実の甘露さと奏上して仕上がる1本。凝縮感や濃密さこそ控えめですが、抑制されていながらバランス良くキャッチーに仕上がっている。
とにかくこのクオリティがこの価格というのはなかなかすごいのではないかと。(順調に寝上がってはいますが)
熟した黒系果実の果実味とダークチョコレート、ミルク、スミレや薔薇の華やかさ。そしてごく僅かにピーマンの様な青さがある。タバコや土の要素があり、醸造的な要素でしっかりと武装をしている感じです。
酸味は豊かでタンニンは滑らか。ロワールまで酸味はありませんが、やっぱりボルドーのオフヴィンテージっぽいんだよなあ。
とはいえそれが悪い訳ではなく、最も恐ろしいのがニューワールドには成し得なかったボルドー的な風合いを感じさせる味わいを再現するワイナリーが出てきてしまったことですね...こわ。


【南アフリカ:6】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.1

こんにちは、HKOです。
本日は引き続き南アフリカのワインを集約していきます。


【データ】
グラハム ベックは1991年に設立したスパークリングの最大手メーカー。例年高い評価を得ています。
拠点を置くのはウェスタン ケープ。その中で最も濃密な石灰岩質土壌を持ち、赤い頁岩や砂岩質、シストの混ざった風化した花崗岩質土壌の上に肥沃な石灰質土壌が広がる土壌環境を持っています。ミクロクリマで恵まれた日照量があります。当主はマムやモエ エ シャンドン等シャンパーニュを代表する蔵を含め多くの蔵でヴィンテージを経験。今回はフラッグシップのキュヴェ クライヴ。
シャルドネ20%はシャンパーニュ樽にて醗酵、それ以外はステンレス タンク(MLF無し)を使用。熟成は最低60ヶ月。年間生産本数は4500本。赤い頁岩と砂岩質のカルー土壌の上に肥沃な石灰質土壌。平均収量は52hl/ha、樹齢は13.5年。
ケープ クラシフィケーション 2016では3級格付(去年は4級)

ハミルトン ラッセルは1975年に設立されたウォーカーベイ地区にあるヘメル エン アードに拠点を置く生産者。南アフリカの中でも、気候は冷涼で、非常に収量を抑えて生産しています。
22haのピノノワール、30haのシャルドネを生産。
ワイナリーは大西洋の海岸から3キロという近さにあり、大西洋を渡ってくる冷たい風の影響で南アでもっとも涼しい環境の畑となっています。フレンチオーク新樽比率56%で9ヶ月熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では2級格付(去年も2級)

アルヘイト ヴィンヤードは2010年に設立された新進気鋭のワイナリー、ファーストヴィンテージは2011年。
畑は一切持たず、契約栽培家からの葡萄で醸造を行っています。
主力は樹齢30~80年のシュナンブラン ベースのカルトロジー。
当主のクリスとスーザンは大学卒業後ナパ、西オーストラリア、サンテミリオンのアンジェリス、オーストラリアのクレアヴァレー、モーゼルのワイナリーで研修、その後ニュージーランド、ラングドック、プロヴァンス、北、南ローヌを周遊後現ワイナリーを立ち上げています。
今回のカルトロジーは4区画からのシュナンブラン88%、残りはセミヨンで構成。全体の35%を占めるのがスカーフバーグ畑からのシュナンブラン。この畑は海風の影響を受ける標高440~550mに位置し、35~50年の古木が植わっています。
房ごとゆっくりプレス後低温のタンクで24時間静置。この際酵素やSO2(亜硫酸塩)など、添加物は一切加えず醸造。古樽にて熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年も1級)


【テイスティングコメント】
生産者: グラハム ベック ワインズ
銘柄: グラハム ベック キュヴェ クライヴ 2009
品種: シャルドネ81%、ピノノワール19%

外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
ニューワールドの極めてリッチなスパークリングで、シャンパーニュとは完全に異なる特徴を持っていて、むしろ、ドメーヌ シャンドン カリフォルニアによく似ていると感じた。
オイリーなミネラル感と共に完熟したパイナップル、リンゴの果実味が感じられる。熟成による摩り下ろしリンゴ的なニュアンスや甘栗の様なほのかな甘さ、イースト、フレッシュハーブ、白い花の様な風味が感じられる。
酸は強くなく、泡の刺激はあるものの、どちらかといえば丸みがあってリッチな口当たり。あまり際立った樽のニュアンスがなく、豊かな果実味が主体的に感じられる。品質はかなり高いキュヴェだと思う。


生産者: ハミルトン ラッセル
銘柄: シャルドネ 2014
品種: シャルドネ100%

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ボリューム感のあるピュリニーの様な印象を受ける。
ミネラリーかつ熟度が高くクリーンなシャルドネ。
ややオイリーなミネラルが突出。
爽やかなライムやグレープフルーツ、カリンの柑橘の風味が感じられる。そこにシロップの様な甘やかさ。フレッシュハーブやほのかにナッツの様な風味。リコリスの要素。
ボディはエレガントで酸もしっかりとあり、滑らかで柑橘やグレープフルーツ、ハーブの様な余韻が感じられる。
バランスが素晴らしく、良いブルゴーニュ的な風合いが感じられる。


生産者: アルヘイト
銘柄: カルトロジー 2014
品種: シュナンブラン89%、セミヨン11%

外観は濃い色調のイエローで粘性は高い。
クリーンかつ凝縮した果実味と酸味を持つよく熟したシュナンブラン。ボリューミーですが、醸造起因の要素は控えめです。アルコールと果実の力に起因するものかと思われます。
パイナップルやパッションフルーツを思わせる南の熱を感じる果実味があり、酸味を帯びた甘露な香りが充満している。そのくせミネラル感は豊かで石を舐めた様な質感がある。白胡椒やフレッシュハーブ、バタークリームの様な香りが感じ取れる。セミヨン起因の白い花の要素もほのかに感じられます。基本的にはクリーンで樽に起因する風味は控えめに感じる。
アタックはやや強めでそれに伴ってパワフルな酸があります。南国系フルーツの含み香、花の蜜の様な甘やかさがほのかに残り、グリセリン感のある丸さも感じられる。


【テイスティングコメント】
まずはグラハムベックから。
ドメーヌ シャンドン カリフォルニアに代表されるニューワールド的なリッチなスパークリングになっています。シャンパーニュとは完全に異なる特徴を持っています。
パイナップルやリンゴ、甘栗の様な果実味を感じられる。
そして独特のイースト香が感じられる。
このワインも樽の要素やMLFの要素は控えめで、酸は意外と柔らかく、リッチな果実味がありながらクリーンな作りとなっている。シャンパーニュを飲み慣れているとかなり違和感は出るでしょうか。品質は高いです、泡としてはビッグなワインと思います。




次はハミルトン ラッセル。
クリーンなシャルドネです。
ですか、シャブリの様にソリッドでステンレスタンク的という訳ではなくコート ド ボーヌの村名に収まる様な作りだと思います。
果実味のボリュームがあり、厚いミネラルを感じられるワインになっています。
柑橘のニュアンスに蜜の様な甘やかさが主軸になり、ほのかにナッツの様な風味が感じられます。酸もエレガントで滑らか。バランスも良く、レベルの高いシャルドネになっています。質感は村名のピュリニーに近いので、ブルゴーニュの好きな方には親和性の高いワインとなっています。




最後はアルヘイトのカルトロジー。
こちらも樽の要素が控えめでミネラルをしっかりと感じられるクリーンな作りとなっています。ただロワールのエレガントなそれと異なり、かなりボリューミーで重量感のあるシュナンブランになっています。南アフリカの暑さを感じさせる果実味で、あまり冷涼さを感じさせない熟度です。シュナンブランのみだとただひたすらにビッグなワインに見えますが、ここで良く作用しているのは11%のセミヨン。これがキンモクセイを思わせる華やかさと清涼感を演出している。これがなかなかいいですね。
アタックはアルコール感からも見て取れる様にパワフルでグリセリン感を感じさせるものとなっています。
従来これくらいの重さがあるワインであれば、樽やMLFでまろやかさや香ばしさなどの複雑さを演出するのが、一般的なのですが、このワインに限ってはストレートにボリューム感を出しているので、多少素っ気無さというか、そういったものを感じてしまいます。 いいワインではありますが、化粧の小慣れたブルゴーニュやカリフォルニアに慣れていると、「折角化粧をすればすごく良くなるのにもったいない...」と思ってしまいます。
そんな感じです。
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アルヘイト・ヴィンヤード カルトロジー2014 No.103601
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【南アフリカ:5】フュールバーグ2種テイスティング

こんにちは、HKOです。
お次はフュールバーグ、ラールが栽培醸造を務めるワイナリーです。

【データ】
フュールバーグはステレンボッシュとフランシュックの境界に位置するワイナリーで、2010年よりドノヴァン・ラール氏が栽培・醸造を手掛けています。生産量は8haの作付面積から4万本程度。畑はステレンボッシュの標高の高い山間の畑に保有。
今回はホワイトとリザーブ レッドの2種類。
ホワイトは主にはステレンボッシュ、一部スワートランドの真砂土、小石砂利、粘土質の畑から。ブドウは可能な限り早摘みし天然酵母で全房発酵。225Lと400Lのフレンチオーク樽(30%新樽)で3~9ヵ月熟成。
リザーブはステレンボッシュにある二層の粘土質土壌の畑。早摘みしたブドウは破砕はせず除梗。選果後、タンクに移し3~5日後の低温浸漬後、自然に発酵。ちょうどよい抽出具合圧搾後は225Lのフレンチオーク樽(新樽50%)で22ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: フュールバーグ
銘柄: フュールバーグ ホワイト 2015
品種: シュナンブラン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョ

外観は透明感のあるイエローで粘性は中庸。
グランヴァン的な側面がある。ラールホワイトと比較するとより王道的なピュアな果実味を押し出したシャルドネに近い作り。
ミネラル感は控えめ。
シナモンやジンジャー、そしてライムやカリンの様な繊細な果実味。かなり強い蜜やシロップの様な甘露さがある。
白い花やフレッシュハーブ、茎の香りがバランスをとりながら支配的。あまり樽の要素は感じられない。リコリスやバニラ、ヨーグルトの様なニュアンスがある。
果実のピュアな甘さのみでMLFに頼らない。
基本的にフレッシュで酸味豊かな冷涼なシュナンブラン。
しかしてかなり味わいに厚みがあり、酸とともに甘露なカリンやライムの豊かな柑橘や核種の果実味が溢れている。


生産者: フュールバーグ
銘柄: フュールバーグ レッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン、プティヴェルト、メルロー

外観はやや濃いガーネットで粘性は中庸。
基本的な骨子はボルドーというよりニューワールド的な果実味の表出を感じる。とはいえ味わいはどの地域にも似通っておらず果皮の華やかな香りと樽が最も強い。
やはりボディの構成はラールに近しく感じる。
ビスケットやキャラメルトフィー、バニラを思わせるふくよかな香りと、エナメルリムーバー的な華やかさ、そして薔薇やスミレなどの華やかな香りが主軸となる冷涼さを帯びた複雑さがある。そしてカシスやブラックベリーの熟した蜜を思わせる果実味が付随し、繊細に作られている。青っぽさはなく、かなり熟した感じ。生肉やローリエ、鉛筆の芯、漢方、リコリスなどの要素がある。
旨味たっぷりで、酸は穏やか、タンニンは甘く作られており、しなやかで果実味に満ちている。
黒系果実とキャラメルや、エナメルリムーバーの様な余韻が感じられる。


【所感】
まずはホワイトから。
これまたクリーンさを感じさせるシュナンブラン。
ただ高級ワイン的な風合いはとても感じられますね。スパイシーで凝縮した蜜やシロップの様な甘露さが感じ取れます。そこに白い花やフレッシュハーブといった要素が調和している。
MLFは控えめで果実本来の凝縮度と酸を角を潰さずに、そのまま表現している感じでしょうか。ヨーグルトがありますが、酸はしっかりとしていますので、コッテリとかけた様なタイプではありません。
果実味も柑橘要素なので、語弊を恐れず言えばシャブリ的な風合いがあります。
新樽比率30%はブルゴーニュでいうと、クリアに感じられるレベルの比率なので、それがそのまま出ている感じなのかもですね。
次はレッド。ボルドーブレンドですね。
なかなか個性的で、どの地域にも寄らない作りになっています。ニューワールド的な果実味の表出を感じますが、ボディははるかにエレガントで、果皮や樽の要素がしっかり効いています。ボディと抽出はブルゴーニュ、果実味と樽の方向性はニューワールド。それらが少し既存のワインとはアンマッチで繊細に作られたニューワールドのカベルネソーヴィニヨンを強く印象付けます。故に青っぽさは殆ど無くボディだけ軽く感じるんですよね。
旨味たっぷり、タンニンや酸は柔らかくしなやかです。
本来的には...ニューワールド風味の味わいはもっとボディは強くあるべきだし、ボルドーならもっと青さが出てても不思議じゃないのですが、アンビバレンツなバランスがとても魅力を引き出している様に感じますね。

うーん、ここまで飲んでみて、白はどうにも樽を聞かせてヴァン ド ガルドに仕込むっていうのはあまり見られないですね...ハミルトン ラッセル然り、アルヘイト然り、そしてクリスタルム然り...です。
クリーンに仕上げながら、早飲みできる様にキャッチーに仕上げている様な気がしますね。これはこれで良い方向性ですが、堅牢に仕上がった長期熟成を見込んだワインを仕込み始めたら...カリフォルニアに比肩し始めるかもしれないですね。赤は申し分ないかと。
面白い地域ですね...本当に。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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