【ボルドー:44】イグレック 垂直。2009と2015

こんにちは、HKOです。
本日はイグレック垂直です。



【データ】
シャトーディケムはソーテルヌに拠点を構える世界最高の貴腐ワインを産出するシャトー。現地ソーテルヌの格付けでは、ただ唯一の第一特別級(プルミエクリュスペリュール)として君臨しています。
驚異的な低収量が特徴で、平均して葡萄一本につきグラス一杯のみしか取れない、これは木の樹齢の高い事、貴腐粒だけを丁寧に選別している事、そして長期間の樽熟成に伴う蒸発に起因します。100%オーク新樽で42ヶ月の樽熟成。全行程に渡って当然ながら補糖補酸は行われません。不作の年はリリースされません。(直近だと2012年ですね)
今回は辛口のセカンド的なポジションであるイグレックです。選果されたブドウは軽くプレスされ、温度管理されたステンレスタンクで発酵。発酵が終わる直前に、新樽比率33%の木樽で10ヶ月熟成。



【テイスティングコメント】
生産者: シャトー ディケム
銘柄: イグレック 2009
品種: ソーヴィニヨンブラン80%、セミヨン20%

熟成によりかなり馴染んで、MLFの要素も鮮明。
ソーヴィニヨンブランを感じさせない、ふくよかで甘露さを感じさせる体躯になっている。
バタークリームやバニラ、シロップの様な糖蜜を思わせる黄桃のコンポート。白檀、塩ナッツの様な程よい塩気と共に、ほのかに青草、穀物っぽいニュアンスを残している。
ブリオッシュ、そしてヨーグルト、シナモンなどの要素が感じられる。この中で最もリッチで熟成の馴染みを感じさせる。
酸は柔らかく、口当たりにグリセリン感と甘み、そして余韻にほのかに苦味を感じさせる。
黄桃と穀物を思わせる長い余韻で、旨味も包含している。



生産者: シャトー ディケム
銘柄: イグレック 2015
品種: ソーヴィニヨンブラン75%、セミヨン25%

こちらもプティシュヴァル同様青草のニュアンスを強く感じるソーヴィニヨンブランだが、果実味の甘露さがより明確で、シトラスと共にオレンジやラフランスの様な甘さを感じさせる。グリーンだが、果実味の厚みはしっかりとある。
フレッシュハーブ、ムスク、白胡椒のようなスパイシーさも感じられる。基本的にはコンポートのような甘さでブリオッシュ感も程よく感じられる。
酸味は柔らかく、ふくよかさを感じさせる。
酸味は程よいが、柑橘系の余韻でジューシーで旨味はリリース直後にもかかわらず十分に豊か。


【所感】
前回のパヴィヨンブラン、プティシュヴァル白と比べると、やはりふくよかな印象を強く感じる作りとなっています。
基本的にはどちらも果実味が豊かで、2009は糖蜜やクリーム、2015はフレッシュな洋梨の様な果実味が主軸となっている。
まず2015から。
とはいえセパージュ比率、ヴィンテージの若さから、まだ青草のニュアンスが感じられるものとなっています。
ラフランスやシトラスの様な果実味が主軸で、ハーブやスパイスのニュアンスが伴います。コンポートの様な果実味で、ほのかにブリオッシュの様な酵母的な要素。基本的にはクリーンな質感で構成されています。果実としては大変リッチ。
酸味は柔らかく丸く調整されています。余韻は柑橘。
心地よいワインに仕上がっています。
次に2009。
これは非常にリッチでボリューム感を感じさせる体躯になっています。熟成によるほのかな塩気、そこに樽と果実味、MLFが溶け込んだ様な、バタークリーム、バニラ、シロップの様な甘露さが前面に出る。黄桃のコンポートの様なふくよかな甘露さが現れる。シュナンブランの様な穀物的なニュアンスが少し混ざる。
これだけ見ると2015とは全くタイプを異にするワインだが、熟成による各要素の調和で大きくタイプか変わるのかもしれない。

ただ共通項として果実味はよく熟していて、ボリューム感を感じさせます。幾分か貴腐ブドウが混ざっていたりするのだろうか。
さすがにいいですね。ディケムから離れて考えても、とても良く出来たワインだと思います。






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【ボルドー:43】ボルドー ブラン。初リリースのプティシュヴァル白を含む2種

こんにちは、HKOです。
本日はパヴィヨン ブラン シャトー マルゴー、そして今回初リリースのプティ シュヴァルの白です。


【所感】
パヴィヨン ブラン デュ シャトー マルゴーはシャトーマルゴーが作るソーヴィニョン ブラン100%の白ワイン。シャトー アベル ローランというシャトーマルゴーから数100m程度の小さな建物で作られており、葡萄はソーヴィニヨンブランのみ植えられた12haの葡萄畑で生産される。年間生産量は40000本程度。栽培面積は12ha、
平均樹齢25年。収量は25hl/ha程度。
オーク樽(新樽は1/3程度)で発酵。瓶詰めの前に10ヶ月間熟成。、清澄処理(瓶詰め時にベントナイトとカゼイン処理)と濾過処理の両方が行われる。ソーヴィニョン・ブラン100%。

シャトーシュヴァルブランはサンテミリオンにおける4つの第一特別級Aの一角でボルドー右岸最上のカベルネフランを生み出すシャトー(残りはオーゾンヌ、パヴィ、アンジェリス)。
1960年代、1970年代は品質が落ち込んだものの、ジャック・エブラールが就任した1980年代には品質は大きく向上した。また以降の所有者であるピエール リュルトンの手により2000年、1999年、1998年は素晴らしいヴィンテージとなった。
シュヴァルブランの畑はポムロールとの境界線にある鉄鉱石を岩床とした砂利の多い、砂礫質及び粘土質の土壌。レヴァンジル、コンセイヤントに隣接する。
栽培面積は37haで、平均樹齢45年の葡萄を35hl/haという低収量で収穫し、醸造工程に移る。醸造は温度管理されたステンレスとコンクリートタンクで発酵及びマセレーションを21~28日間実施。MLF後フレンチオーク新樽100%で18ヶ月。清澄は卵白を使用、無濾過。
今回の プティ シュヴァル ブランは2016年初リリース。今回はその初ヴィンテージ。生産本数は4500本。
シュヴァルブランに隣接するシャトー ラ トゥール パン フィジャックの畑から調達されたぶどうを使用。
2018年からはセミヨンもブレンドする予定。




【テイスティングコメント】
生産者: シャトー マルゴー
銘柄: パヴィヨン ブラン ド シャトー マルゴー ブラン 2010
品種: ソーヴィニヨンブラン100%

樽香とクリーミーさが際立っている。
焦がしたトーストを思わせるロースト香。
モカやローストナッツ、塩ナッツの要素が目立ち、青草のニュアンスは影を潜めている。バニラと白桃のコンポート。程よいオイリーさ、ミネラル感も感じられる。熟成の塩気とMLFのまろやかさが好相性。
藁のようなニュアンス、ドライハーブ、ブリオッシュなどの要素も感じられる。
酸味はシャープで柑橘系だが、旨味が出汁的なよく表れている。余韻も長く、シャープめの酸から旨味の塊に転化する。


生産者: シャトー シュヴァルブラン
銘柄: プティ シュヴァル ブラン 2014
品種: ソーヴィニヨンブラン100%

熟度は高いが、完全にソーヴィニヨンブランの特徴である青草や柑橘を明確に感じられる。
ただ柑橘は甘露で、シトラスやレモンのようなシャープさを維持しながら、蜂蜜のようなニュアンスが混じり合っている。はちみつレモン。
比較的ソリッドなミネラル感がある。クリーンなタッチ。
フレッシュハーブ、ムスク、百合やキンモクセイを思わせる白い花の要素がある。ボルドーのソーヴィニヨンブランを最大限発展させた印象。
非常にクリアで酸も豊か。マスカテルなフレーバーがあり、クリーンな余韻がある。余韻は長いが、突出した規模感は特には感じられない。



【所感】
パヴィヨンブラン。
今回の2010は2008年同様、醸造に寄った、リッチで樽のニュアンスを感じる作りになっているように感じました。樽とクリーミーさ。2008年は熟成を経ている事もあり、コートドボーヌのシャルドネ的な要素を強く感じましたが、こちらは少しだけソーヴィニヨンブラン的な青さを感じます。
ただそれも複雑さとして織り込まれているような気がしていて、醸造要素と品種個性が巧みに折り重なっている。
ミネラル感もあり、ボルドーブランとしてかなり良く出来ています。オーブリオン、ラミッションオーブリオンの白と比較すると流石にそこまでではないものの、ボルドーを代表する白という品格があります。
酸味の柑橘のシャープさ、相反する旨味が素晴らしいと思います。
次に今回初リリースのプティ シュヴァルの白。
こちらはソーヴィニヨンブラン的な特徴が非常に前面に出ているキュヴェになっています。アントル ドゥ メールの白ワインみたい。さすがはシュヴァルブラン、柑橘のニュアンスを軸にしながらも甘露な香りが漂い、ハチミツとレモンのニュアンスを明確に感じられます。ソリッドなミネラル感、クリーンなタッチ。キンモクセイのような白い花のニュアンス。
よくできていますが、品種の個性があくまで前面に出ていて、風格があるかというとそうではなく、あくまでボルドーのデイリー的な白ワインを最大限発展させたような作り。
一見構成要素が、それと近いためあまりリッチな印象は受けません。価格なりの満足度が得られるかというと、すこしそれには足りていない印象ですね。
今回が初ヴィンテージで2018年からセミヨンが混ざるということなので、さらなる発展に期待したいところです。

しかしこのワイン。「シャトー シュヴァルブラン」のセカンド「プティ シュヴァル」「ブラン」とはなんともややこしいですね。


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【アルザス・ロワール:15】トリンパック テイスティング(リースリング)


こんにちは、HKOです。
本日は昨日に引き続きトリンバック。
今回はその本懐とも言えるリースリングです。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンバック
銘柄: リースリング キュヴェ フレデリック エミール 2007

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
石灰の様なミネラルとペトロール香が主体。ガイスベルクの規模感を一回り小さくしたキュヴェ。
果実味はシトラスやネクタリンを思わせる清涼感があり、ほのかにチーズやバターの様な風味を感じさせる。
白い花、ヨード香やドライハーブのようなニュアンス。
この中では控えめだが、ミネラル感は十分に強靭。
酸はソリッドで柑橘やバターのニュアンスを思わせる余韻がある。
引き締まった風合いで、余韻に旨味が溢れる。
ペトロール感を感じる含み香。



生産者: トリンバック
銘柄: リースリング グランクリュ ガイスベルク 2009

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
クロ サン テューヌに近いが、バランス的にはミネラルの方が強め。 チョーキーの様なミネラル主体で、非常に硬質。フレデリックエミールのミネラル感の強さをそのまま大きくしたような印象。ペトロール香がかなり目立っている。
その中に杏子やネクタリンの厚みのある果実味と強い塩気がある。
ほのかにカマンベールチーズを思わせる香りとイーストの香りが伴う。徐々に甘い蜜のような甘露さが現れてくる。
白い花やドライハーブ、ハチミツのようなニュアンスも感じられる。
こちらも酸はソリッドで、レモンの様な鋭さがある。
その中に熟したみかんの様な甘露な香りやペトロールの香り、バターが鼻を抜けて行く。余韻は長い。


生産者: トリンバック
銘柄: クロ サン テューヌ リースリング 2011

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
最も厚みがあり、果実起因のボリューム感とガイスベルク並みのソリッドなミネラルを感じさせる。
強靭なミネラル感と供に厚みと塩気を感じる厚みのある果実味、双方がバランスよく備わっている。
ドライアプリコットやスモモの様な旨味に満ちた果実味とペトロール香、石灰の様な強靭なミネラルが主体となる。
そこにトースティーなイースト香、徐々に果実味がアプリコットジャムのように遷移する。白い花、ドライハーブ、濃密なハチミツのニュアンス。凝縮感だけでなく、厚さが比類ない。
酸は力強く厚みがある。オレンジや杏子的な酸味の現れ方で、レモンの様なシャープさは希薄。濃厚でフルーティー。2007年と比べると硬質感は控えめで心地よいオレンジやアプリコットの余韻が残る。



【所感】
今回はトリンパック、その本懐と言うべきリースリングです。ゲヴェルツは良く出来ていながらも、どこか過不足があったのですが、リースリングはどうかというと...
流石です、ほぼほぼドライリースリングの最高峰を行っているといいくらいには素晴らしい。
今回はフレデリックエミール、そして特級ガイスベルク、
特級ロケザールの最上区画クロ サン テューヌです。
全体感で言うと、フレデリックエミール、そしてガイスベルクはミネラル感に偏った印象があり、クロ サン テューヌはガイスベルク同等クラスのミネラルがありつつも果実味の厚さも備わっている印象です。
フレデリックエミールは強靭なミネラル感と共に柑橘の酸味を感じさせるシャープな果実味、ガイスベルクはフレデリックエミールを一回り強固にした堅牢なミネラル感、そして厚みを感じさせるネクタリンの様な果実味があります。
フレデリックエミールとガイスベルクの関係性は相互に互換していて、ガイスベルクが全体的に一回り規模感が大きい作りになっています。
この2本はかなりミネラルに寄った作りの印象で、ペトロール香も前面に感じられます。
そこから多少バランス感が異なっているのがクロ サン テューヌ。過去に飲んだ時はミネラルの堅牢な際立ちに気圧されましたが、この中では意外とバランスの取れたタイプに仕上がっている様に見えました。

まあ、ミネラルは相変わらずすごいんですけど。

塩気と酵母、樽、そして核種系の厚みのある果実味を包含しています。そこに甘露な香りが混ざってくる感じですね。
凝縮感と厚みのあるリースリングになっています。
シャープというかソリッドですね。

全体感でいうとそんな感じですね。
個別に言うとフレデリックエミールはやや果実味が冷涼。
柑橘の様な風合いとミネラル、ペトロール香が主体的です。
そこにハーブの香りが感じられます。
この中では最も普通のレンジに近いものですが、とはいえゴールドラベル。一般的なキュヴェと比べると上位ワインの風格は感じられます。
ガイスベルク。
基本的にはフレデリックエミールの上位互換で、ミネラルの強固さ、果実味の厚さが増しています。甘露さも感じます。
トリンパックはMLFをしていませんが、ほのかに乳酸発酵を帯びた様なチーズやバターの様な風合いを感じるのが不思議ですね。意図的に仕込んだと言うよりは自然にそうなった可能性はあるかもしれません。酸は幾分か厚みがありますが、ややこちらも立っている印象。
最後クロ サン テューヌ。
ミネラルの堅牢さ、ソリッドさ、ペトロール香を維持したまま、核種系の分厚い果実味を感じました。
トーストやハチミツ、ハーブのニュアンスがあり、太い酸と力強いボディがあります。
この中でピーキーさを控えめにして完成度を上げた感じしますね。ただ2007年のミネラルに偏った作りを知っているだけに、偶発的なのかもしれない...とも思うのですがね。

いずれにせよ、3種とも極めて高いクオリティのリースリングになっていると思います。
個人的にはフレデリックエミールあたりでも十分楽しめるのですが、最上を求める方はやはりガイスベルクやクロ サン テューヌを是非お試し下さい。













【アルザス・ロワール:14】トリンパック テイスティング(ゲヴェルツトラミネール)

本日はトリンパックのテイスティングです。
今回はそのポートフォリオのうちの5つを試します。
本日はゲヴェルツトラミネールを主体としたワイン2種類となります。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セニョール ド リポビエール 2011

外観はやや濃いめのストローイエロー。
非常に明るい性質で、ライチやカリンの様なオリエンタルな果実味とレモングラスや白胡椒、カルダモンのようなスパイスの風味を強く感じさせる。ドライハーブ、白い花などの要素。一言で言うと甘露かつスパイシー。ミネラルの残滓的な小石感はあるがリースリングとは大きく差がある。
酸は控えめで、やや厚みがある体躯。ほのかに残糖が感じられる様な甘露さ。非常にスパイス感の豊かな余韻があり
、最後に少し苦味を感じさせる。


生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セレクシオン ド グラン ノーブル 2007

外観は濃いイエローで粘性は高い。
セニョール ド リボビエールからスパイス感を減らし、凝縮した果実味と濃密さを演出した貴腐。
シロップ漬けのライチやアプリコットの様な濃密な果実味が前面に現れており、カリンの様な爽やかな酸、黄桃など、フルーツの盛り合わせといった感じ。白い花やドライハーブ、レモングラスなどの要素も感じられるが、基本的には果実味が圧倒的な分量のバランスを占めている。ハチミツや藁、パンドミに見られるイーストの要素がある。
クリーンで焦がした樽などのニュアンスはない。
非常に甘口で、ねっとりとした残糖分がある。
酸はやや緩めながら、その分ボディは非常に豊かで、力強く。ヒリヒリする様な甘さがある。
ライチやシロップ、スパイスの様な余韻が感じられる。



【所感】
ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールとセレクション グランノーブル(貴腐)の2本です。
どちらもオリエンタルで甘露な香りを放つワインになっています。やっぱりゲヴェルツトラミネールはいいですね。キャッチーで、低価格レンジでも魅力が大変わかりやすい。
ただ今回は共に高価格レンジ。これらはどうかというと、やっぱりすごく良いのですが、品種特性の香りがとても強いので、低価格レンジとの違いはパッと感じにくいとは思います。貴腐は全く違うので、どちらかというとセニョール ド リボビエールの方ですが。
オリエンタルな果実味は強いですが、それだけではなく多分にスパイシーさやハーブの香りも包含しています。例えばカルダモン、レモングラス、白胡椒。
果実味も「爽やかな」というより、とろりとした厚みのある甘露さがかなり強く前に出ているとは思います。
MLF感はなく、クリーン。剥き出しのゲヴェルツを正当進化(複雑化、果実味の厚さを拡充する)する形となっています。
かなり良く出来ていますが、酸味が淡いので、多少くどさを感じてしまう部分も少しありますね。
次は貴腐のグランノーブル。
スパイシーな要素は減退し、より果実味と酵母香を強く前面に押し出した形に感じられました。
流石にかなり風格のある作りに仕上がっています。
ライチの様なオリエンタルスパイスの様な香りはしっかりと主軸として存在していながら、アプリコットの様な甘酸っぱさが感じられます。厚みはTBAやソーテルヌの上位ワイン相当。そこにイーストやレモングラスの様な香りが混じります。糖度はかなり高く重量感のある味わい。
酸味はやや緩く、余韻に苦味がある。
風格はありながら洗練さで前述のワインに劣るかもしれません。品質は高いですが、全体感で最上かと言われればそうではないですね。ただお値段も極端に高いわけではないので、十分に満足感はあるんじゃないかと。





【ブルゴーニュ:146】ブルゴーニュ最高峰、ニューリリースのモンラッシェ含む白2本

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュ白のグランクリュです。



【データ】
オリヴィエ ルフレーヴ フレールは、故ヴァンサン ルフレーヴの甥であるオリヴィエ ルフレーヴによって1984年に設立されたネゴシアン部門。ポートフォリオは幅広く、コート ド ボーヌの白を中心に、ヴォルネイやポマールなどの赤をリリースしています。
買いぶどうは信頼できる栽培農家に収穫日、栽培方法を指定し、厳密に管理したぶどうを購入しています。複数農家から買い上げたぶどうは瓶詰め直前までブレンドされず、畑の特徴を考慮しながらブレンドされます。
※全てが買いぶどうでは無く、一部の畑(ムルソーポリュゾやクロサンマルクらは自社畑)
シュヴァリエモンラッシェはビオディナミで栽培、100%手収穫、平均樹齢40年、平均収量は48hl/ha。30%新樽で17カ月(うち3カ月はステンレスタンク)無清澄、軽く濾過をする。

ドメーヌ ポンソは1872年にウィリアム ポンソによって設立されたモレ サン ドニに拠点を置くスター生産者。
基本的には有機農法にて栽培を実践しており、畑での剪定を厳格に行い、収穫は極限まで遅らせて葡萄が完全に熟した状態で収穫します。
醸造および熟成時に新樽は一切使用せず旧樽のみ使用し、長時間の高温発酵、SO2をなるべく添加しない、など技術革新と葡萄にキチンと手を入れる事が出来るドメーヌです。今回のモンラッシェは15hl/haと収量もかなり抑えています。ただ全体的にお値段は高め。フラッグシップはシャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ ド ヴージョ、クロ ド ラ ロッシュ、クロ サン ドニ、白は2010年にリリースされたモンラッシェです。


【テイスティングコメント】
生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2013

外観は透明感のあるイエローで粘性は高い。
凝縮感があり強靭でミネラリーな体躯。切り立った透明感のあるオイリーさ主体的で、そこに凝縮した甘露な果実味が併存する。
胡麻油や石の様なミネラル感、溶剤、コンテチーズの様な要素。
熟した白桃や杏子の果実味。上白糖の様な繊細な甘露さ。
ローストナッツやモカの様な樽香、強めに焼いた栗の様なニュアンスが感じられる。樽の要素とミネラルが強く、熟しているが果実味が付随的に感じる。
酸は丸みは感じられるものの、ややシャープ。それと同時に厚みもあり、余韻はレモンと塩気に近い鋭さを持っている。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: モンラッシェ グランクリュ 2013

外観は透明感のあるイエローで粘性は高い。
非常に濃密で凝縮した甘露な芳香。だが緩さがなく、濃厚な果実味の中に強靭なミネラルが感じられる。
果実の驚異的な熟度。
洋梨や白桃のコンポート、クレームブリュレ、バニラ、糖蜜の様な樽とMLF、果実味が一体化した甘露な香りが主軸で、その中にオイリーなミネラルが存在する。副次的に軽く塩をふったカシューナッツや焼き栗。
少し温州みかんを感じさせる甘酸っぱさ、出汁感を感じさせる。また、徐々にフルーツケーキの様な香りも。焦がした要素は目立たず、果実味と完全に調和している。
非常に甘露だが、どこか引き締まった酸味を感じる。
液体の酸はしっかりとあるが丸みを帯びていて、どちらかというと旨みの方が主体的。若いにもかかわらずオレンジや出汁感を余韻に感じさせる。



【所感】
生産者自体は異なりますが、比較的ハッキリとモンラッシェとシュヴァリエの違いを感じられるテイスティングとなったかと思います。
方やオリヴィエ、方やポンソのニューリリースと。
それでもその出自の違いは歴然です。
シュヴァリエは硬質で冷たいミネラル感がありますし、モンラッシェは豊満かつボリューミーで大きい規模感を持っています。
ミュジニーとボンヌマール、そしてシャンベルタンとクロ ド ベーズ。
ブルゴーニュには兄弟と呼ばれる様な畑か幾つかあり、その中の一つではありますが、前述の2つの関係性とは全く異なっています。
輪郭や凝縮感といった部分ももちろんありますが、この2本を隔てているのは質感、ミネラル、ボリューム感発露の向きに集約されます。
いわばAlteregoです。
構成する要素は似通っているけれど、バランス感の際で大きな違いを生み出している。そのバランスは土壌や日照条件から生み出されている。
これは生産者によって覆せない部分はあるのかもしれません。
んで、生産者毎に見ていくと、両方とも特段ピーキーな作りをしているかというとそうではなく、ある意味手堅い作りをしていると感じました。
オリヴィエもポンソもそうで、シュヴァリエとモンラッシェの方程式に沿ったワイン造りをしている印象です。
双方ともグランクリュならではの風格のある果実味があり、豊かな装飾が施されています。
オリヴィエはオイリーさと酵母のニュアンス、果実味が調和されています。
樽香も比較的強く感じられ、まだその部分は溶け込んでいない印象です。
次にポンソのモンラッシェは、意外にもモンラッシェ的なワインを作っています。ポンソ的、というよりモンラッシェです。
豊かな果実味が完全に前面に出ていて、樽とMLFの要素が溶け込んでいて、甘露でボリューム感を演出しています。
ただ、そこに強靭なミネラルが走っており、決して緩い感じではないですね。
熟成していないにも関わらず、熟成感とは違うんですが、かなり出汁感があり、酸味も豊かです。全体的に強い作りのワインだと思います。
双方とも突出したワインでした。素晴らしい。

やっぱりブルゴーニュの最上級クラスはえもいわれぬ官能性がありますね...


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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