【ハンガリー】トカイ エッセンシア 垂直テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はトカイ エッセンシアです。
生産者はボデガスオレムス、その垂直テイスティングです。



【データ】
ボデガス オレムスは1993年からベガ シシリア傘下のとなったハンガリーのワイナリー。
作付面積は115ha。厳格な収量制限が行われ、葡萄の木1本あたり4房まで切り詰める。醸造技術は最新のものを使用している。
最上キュヴェのエッセンシアは100%貴腐ぶどうのみを使用。圧搾機は使用せず、自然の重みで搾り出された果汁を自然発酵。
生産本数はごく少量で、なんとヘクタールあたり1リットル程度した生産されない。
リットルあたり800gと糖度が高いため気の遠くなるくらいの熟成が可能。
ポートフォリオは世界3大甘口ワインのトカイ アスー。今回はその最上たるエッセンシアの1975年、2003年ヴィンテージ。



【テイスティングコメント】
生産者: ボデガス オレムス
銘柄: トカイ エッセンシア 1975
品種: フルミント、ハーレシュレヴェリュ、マシカット ルネル、ゼッタ

外観は濃い茶色、粘性は高い。
濃いソースの様な香り、干したドライフルーツ、塩気、極めて強い醤油やナツメグの香りを感じる。
その中でドライアプリコットなどの風味。
焦がした木材と土、枯葉、シェリーの様な旨味がある。
かなり熟成を経ている。
アルコール感はほとんどなく、旨味は十分すぎてアプリコットや干し桃の様な凝縮感がある。甘みより塩気を強く感じる。


生産者: ボデガス オレムス
銘柄: トカイ エッセンシア 2003
品種: フルミント、ハーレシュレヴェリュ、マシカット ルネル、ゼッタ

外観は明るい茶色、粘性は高い。
旨味が溢れるスモモ、桃のコンポート。白檀、白カビの様な風味がある。桃の葉などの青さ、バター、チーズの様な風味が支配する。
酸味は滑らか、甘みも際立っている。
桃のコンポート、桃の皮のような風味が全体的に感じられる。舌触りが滑らかで秀逸。



【所感】
ボデガス オレムスのトカイエッセンシアの垂直です。
どちらもフルミント主体で、低アルコール高糖度。
2003年はもちろん糖度が際立っていますが、1975は糖度が高いにもかかわらず、熟成による旨みが充実しており、バランス的には糖度を強く感じさせない形になっています。
もちろん潜在的には変わらないのですが、旨みと拮抗している感じですね。メイラード反応の焦がしたようなニュアンスとシェリー、醤油を思わせる甘辛な要素があり、かなり複雑なストラクチャーを形成しています。アルコール感は希薄。
熟成感は十分に感じられるものの、まだまだ熟成のポテンシャルを感じさせますね。ソーテルヌもあと20年しても割と美味しいので、こちらも同等ではないかと思います。
さて、では2003年のエッセンシアはダメかというと、こちらも大変素晴らしく、非常にクリーン。桃のコンポートやバターやチーズ、葉のような青さがあり、凝縮していながらもそこまで重さを感じさせない作りになっています。
口当たりも滑らかで、艶やか。煌びやかな味わいとなっています。1999年の時にも感じたのですが、やはり良いですね。
個人的にはどちらも好きなんですが、クリーンな2003年の方が好みだったりします。相当いいですね。
さすがです。




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【ドイツ:10】リースリング、高貴なる一献の味わい

こんにちは、HKOです。
本日はドイツのモーゼルから2本です。


【データ】
ハイマン ルーヴェンシュタインはモーゼルに拠点を置く新世代生産者。当主はラインハルト ルーヴェンシュタイン。
既存のドイツワインの基準ではなく、テロワールを尊重した作りを重視しています。
保有する畑はモーゼル河近くで、寒冷な為生育に時間がかかるものの、多様な土壌(様々な色合のスレート(粘板岩)!の特徴ががぶどうに反映されます。平均収穫量もドイツの平均的な収量と比較すると、約半分程度。
栽培はビオディナミによって行われ、セラーでは天然酵母を使い、ステンレスチールからオークの醗酵槽へ移行。人工的な干渉をせず、大型のオーク樽と、一部ステンレススチール樽で1年を上限に醗酵。スキンコンタクトは長め、セラー内はそのままで温度が低いため温度調整は行いません。マロラクティックを行うかどうかは、自然にまかせているそうです。

エゴン ミュラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。
収穫は手摘みで1haあたり6000l以下です。発酵はステンレスタンクか大樽で天然酵母を使い発酵。
保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有。
今回はシャルツホーフベルガーの水平で、通常の収穫期に収穫された完熟ぶどうを使用したカビネット、最低1週間以上レイトハーベストされたぶどうを使用、オーク古樽で発酵、熟成したシュペトレーゼ。最後はゴールドカプセルの選定から外れてしまった貴腐葡萄を使用したアウスレーゼの3種類。この上にアイスヴァイン、アウスレーゼ ゴールドカプセル、トロッケンベーレンアウスレーゼがあります。
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)はまさに恐ろしい金額で...なんというか飲む機会あんのかな...という感じです。




【テイスティングコメント】
生産者: ヘイマン ルーヴェンシュタイン
銘柄: ウーレン ロートライ レゼルヴ リースリング 2011

外観は淡いイエロー、粘性は高い。
ほのかな残糖感があり、キュッと引き締まった旨味がある。
クリーンでありながら強力な旨味があり、力強い厚みを感じさせるり
ペトロール感が主体的で、アンズやアプリコットの様な旨味の豊かな果実味があり、ヨーグルト、白胡椒、蜜蝋の様な香り、ニンニクの皮。強烈なミネラルがあり、引き締まっていながら、強烈な厚みがある。
酸はしっかりとありながら、ほのかな残糖とのバランス感が絶妙。ほのかな苦みとともにアンズや洋梨の様な含み香が素晴らしい。



生産者:エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー アウスレーゼ 2015
品種: リースリング100%

外観は明るいストローイエロー、粘性は高い。
ペトロール香はあるが、それよりも果実の風味の方が強い。
クリーンでありながら、濃密で甘露なシトラスやアンズ、パッションフルーツの様な香りが感じられる。
ドライフルーツ的かもしれない。
カマンベールチーズや白い花、蜂蜜の様な風味。白檀の様な風味も。果実味だけの濃密な香りだけではなく、チーズを思わせる複雑さがある。
強い甘露さがあるものの、引き締まった酸がある。
ほのかな塩気と干したあんずの様な凝縮感があり、フレッシュさと清涼感のある余韻を感じさせる。印象としては重くない。



【所感】
ドイツです。
まずはご馳走になったハイマン ルーヴェンシュタイン。
新世代として有名な生産者だそうです。
し...知らなかった(ドイツ詳しくないマン)
ただメチャクチャ良かったです、残糖の甘みがありながらも酸と旨味がしっかりとあって驚く程ダレない。
リースリングの優美なペトロール香と引き締まったミネラル感を軸に、ボリューム感のあるアプリコットを思わせる強烈な旨味があります。蜜蝋や白胡椒、ほのかにMLFが効いているのも素晴らしい。
残糖で言うとシュペトレーゼかそこらへんだと思いますが、甘みが厚みとなっていて、強靭さすら感じさせます。
含み香も良く、かなりクオリティは高いと思います。

次はエゴン ミュラーのアウスレーゼ。
以前も飲みましたが、やっぱりペトロールは間違いなくありながらも控えめで、果実の豊かな香りが感じられます。
こちらもクリーン。アウスレーゼなので厚みはありますが、どちらかというとぎゅっと詰まった様な凝縮感が目立ちますね。その目の詰まり方はドライフルーツにも似ているかもしれません。カマンベールの様な白カビのニュアンス、花の様な香りがあり、複雑で立体感があります。
酸もフレッシュで生き生きとしていて、冷涼感と濃密さを併せ持っている感じというか。品を感じる一本に仕上がっています。

この二本タイプは異なりながらも、双方ともに酸、旨味に満ちていて甘いだけではないのが素晴らしいですね。






【スペイン:10】産地に拘らず諸々。グランヴァン、新潮流、シェリーをまとめて。

こんにちは、HKOです。
本日はスペインワインをいくつか紹介します。


【データ】
ボデガス ヒメネス ランディは、ダニエル ゴメス ヒメネス・ランディとホセ ヒメネス ランディの従兄弟同士で立ち上げたボデガ。ワインメーカーはダニエル ゴメスが担当。
「世界一のガルナッチャを造る」という信念の元、少量生産で最上のワインを生産しています。
今回のラデラス デル ティエタルはカスティーリャ・イ・レオン州にある標高900m~1,000mの区画から収穫されるぶどうを使用。土壌はエレガントなワインが生まれると言われる花崗岩質土壌。 この畑に植わる樹齢70年超のガルナッチャからこのワインはつくられます。 大樽発酵、2,500Liのフードル樽で6ヶ月間熟成させボトリング。

ベガ シシリアは1864年に設立されたカスティーリャ イ レオン州リベラ デル ドゥエロに拠点を置くボデガ。現在の醸造責任者はハビエル アウサス氏。
1982年、アルバレス家によって買収後には、畑を拡大、最新醸造設備を導入し、品質を向上を実現した。
今回のウニコはユニークという名のフラッグシップキュヴェ。良年のみ生産され、自社栽培面積120haのうち100haはウニコ用となります。
平均樹齢は40年、平均収量は極めて少なく20hl/ha。
収穫は手摘みによって行われます。
木製発酵槽、ステンレスタンク、セメントタンク併用で発酵、樽熟成は6年半から7年行われる。
まず大樽で1年、小型新樽2年(アリエ・トロンセ)、古樽4年(アメリカン オーク)10回以上の樽替と澱引きを行い、濾過は最低限のみ。更に瓶熟成4年を経てリリースされます。 今回の「ウニコ・レセルバ・エスペシアル」は最高峰のウニコ3種類をブレンドし、さらに熟成期間を置いたものです。ヴィンテージは94/99/00。

トロ・アルバラは1922年はスペイン、モンティーリャ モリレスに設立された老舗ワイナリー。
現当主であるサー・アントニオ・サンチェス。
産地は独自のスタイルを貫くアモンティリャードの語源にもなったモンティーリャ モリレス。
最高のペドロ・ヒメネスを造り続け、スペインの至宝とも呼ばれています。
気候は大陸性のとても暑く乾いた気候で、日照量は年間3,000時間。アルバリサと呼ばれる石灰質土壌で、炭酸カルシウムや珪土が多量に含まれ、保湿性も高い。
冬場にしか降らない雨を土壌に蓄えることで夏場の乾燥した期間でも葡萄に水分を供給できる。
代表的な甘口のドン ペーエキス、ドン ペーエキス グランレゼルバ&セレクスィオン、コンヴェント セレクスィオンなどは、収穫したペドロ ヒメネスを2週間以上天日干しした後で、圧搾(4kgの葡萄から1L の果汁しか得られない)、ステンレスタンクで発酵。ワインを蒸留したスピリッツで酒精強化して発酵を止めた後に、タンクまたは樽で熟成したもの。ソレラ システムは使用しない。極めて少量の為、1930年代から貯蔵されている。


【テイスティングコメント】
生産者: ダニエル ゴメス ヒメネス ランディ
銘柄: ラデラス デル ティエタル 2013

外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
例えるならばラヤスやアンリ ボノーを想起させる冷涼さを感じるエレガントなグルナッシュ。
薔薇やスミレ、エナメルリムーバーを思わせる華やかな香り、そして熟したプラムやブルーベリーのジャムの様な果実味、甘酸っぱさがある。
漢方やプーアル茶、若い葉や茎。血液の様な鉄のニュアンス。ジビエやパストラミハムの様なスパイシーさ。
クローヴやリコリスなどのスパイシーな香り。徐々に黒糖の様なニュアンスも混じってくる。
タンニンと酸のバランスが絶妙で、甘いタンニンがしっかりとした酸を包んでいる。プラムやブルーベリーのジャムの様な余韻があるが、決して重くなく凝縮していて酸が追従している。


生産者: ヴェガ シシリア
銘柄: ウニコ レゼルヴァ エスペシャル NV
品種: テンプラリーニョ60%、カベルネソーヴィニヨン25%、メルロー10%、マルベック4%

ややオレンジを帯びたガーネットだが若々しくはある。
粘性はやや高め。熟成を帯びてやや酸化的な側面があり、生肉やドライシェリー、ナツメグの要素と共に、濡れた木材や黒オリーブの様な塩気を感じさせる要素がある。
干したダークチェリーや紫スモモの様な果実味の甘酸っぱい香りと共に、イチジクや炭焼き、漢方の様な要素。
腐葉土や落ち葉、スミレなどのドライフラワー、クローヴなどの風味がある。
樽香がそこそこ強く、甘酸っぱいフルーツの果実味が豊かに感じられる作りで、上白糖の様な甘露さがある。
酸味は柔らかく、タンニンも落ち着いている。
旨味が突出していて、トマトや椎茸の様な旨味成分が爆発している。フルーティーというよりはスープを飲んでいる様な感覚に近い。


生産者: トロ アルバラ
銘柄: ドン ペーエキス コンベント セレクシオン 1946

外観は全く透けない黒、エッジのみ焦げ茶となっている。
粘性は物凄く高い。基本的には黒糖や干したプラムをそのまま液体にした様な粘性と甘露さがある。そこにやや強めのハーブやナツメグ、アルコール感からくるミントの様な清涼感。濃密なソース、ワッフルのような香ばしさ。
超濃厚。強い。
酸が程よく残るが、どちらかというと糖度の高さから刺激が強い。干したプラム、チョコレート、驚くべき糖度を誇っている。なのにも関わらず突出した旨味と立体感があり、平坦な印象がない。



【所感】
まずはヒメネス ランディ。
スペインワインの新潮流と呼ばれるスタイルのワインを作っており、非常に冷涼なタッチのワインを作っています。
濃厚なモナストレルやガルナッチャとは全くスタイルを異にしており、ボディの質感はピノノワールなどのミドル~フルボディ。
冷涼さで言えばラヤスやアンリボノーなどに近いかも。
ただし、井草などのニュアンスより、果皮の華やかさが前面に出ており、そこに酸を宿した熟した果実味を感じる事が出来ます。凝縮感もあり申し分ない。
ジャミーな果実味もしっかりとボディを形成しているし、華やかさが前に出ているものの、(ブルゴーニュの裾物の様に)タンニンと酸が鋭い訳でもなく、バランスがとても良いと思います。この価格帯ではウルトレイア サン ジャックと共にかなり良く出来ていると思います。
エレガントで良いワインですね。すこし印象は弱いですが、個人的な感覚なんで...ワインとしての質は高いですね。

次にヴェガ シシリアのウニコ レゼルヴァ エスペシャル。
ウニコは単一ヴィンテージしか経験ありませんでしたが、こちらはノンヴィンテージ。ただ一応これが上位に当たるみたいですね。 ヴィンテージは94/99/00で、既に16年熟成...!
ていうのもあり、結構な熟成感、酸化のニュアンスが感じられました。
熟成起因の野性的で塩気のある風味、濡れた木材や黒オリーブなどの要素があります。果実味は干したドライフルーツの様な甘酸っぱさ。上白糖の様な甘露さが現れる。
果実味や旨味は10~15年程度、樽は20~年程度、抽出は若々しく、どことなく単一ヴィンテージでは表出し得ない要素の構成となっていますね。熟成の時々で最も目立つ要素がかけ合わさっている様なそんな感じ。
液体はスープのようで、フルーツ感はあまりないですね。
旨味が爆発している。興味深い作りではあるし、美味しいとも思うのですが、とりたてて感動する程のものではありませんでした。

最後はドン ペーエキス。PX(ペーエキス)はペドロヒメネスの略ですね。これ、色が凄くて墨のように真っ黒なんですね。
コールタールの様な色や粘度。
干したプラムを砂糖を入れてさらに漬け込んだ様な甘露さ。
飲む事を躊躇する様な強烈な糖度ですが、決して平坦ではなく、ハーブやナツメグ、ミント、樽香、ソースの要素が重なり合い、この重さ、この濃さでなお立体感を保っている。
高すぎる糖度の刺激が主ですが、酸もまあ程よくあり、べたっとした印象は意外にありません。
かなり良く出来たシェリーですね。甘口なので若くても飲めますが、やはり本懐は複雑さが目立ち始める熟成。
熟成感によって立体感の出して、鮮明になっていくのは面白いですね。









【ドイツ:9】ライヒスラートが作る至高のトロッケンベーレンアウスレーゼ

こんにちは、HKOです。
本日はドイツのライヒスラートのトロッケンベーレンアウスレーゼです。
ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼは生産量が少ない事もあり値段が高く、なかなか飲む機会が訪れないのですが運良く飲む機会が訪れたのでレポートします。

【データ】
ライヒスラート フォン ブール醸造所(長い)はドイツで最も温暖であるファルツ地方に拠点を置く150年の歴史を持つ生産者で、バッサーマン ヨルダン、ビュルクリン ヴォルフと共に3本の指に数えられます。
オーナーはアシム ニーダーベルガー氏、栽培責任者 ヴェルナー セバスチャン氏、そして醸造責任者ミヒャエル ライプレヒト氏が担当しています。
畑面積は60ha。年間栽培量は55万本。平均収量は45hl/ha。
フォルスター イェズイーテンガルテン、キルヘンシュトック、イエズイーテンガルテンそしてウンゲホイヤーなど、この地区で最高の畑を保有。土壌は主に砂質粘土質、風化石灰岩、玄武岩で構成。
その栽培はすべて殺虫剤、除草剤などの農薬を使わない有機農法を採用。ブドウは収量を落とし、入念に手入れされます。
発酵熟成はステンレスタンク。一部グローセス ゲヴェクスは木製の大樽使用する。
今回のキュヴェはフォルスター ウンゲホイヤーの畑から粒選りした葡萄の中でも、特に濃縮度の強い貴腐果実だけを選び抜いた最高峰のトロッケンベーレンアウスレーゼ。


【テイスティングコメント】
生産者: ライヒスラート フォン ブール
銘柄: フォルスター ウンゲホイヤー リースリング トロッケンベーレンアウスレーゼ 2001
品種: リースリング100%


約60000円(ハーフ)
外観は濃い黄金色、粘性は非常に高い。
驚嘆に値する物凄いワインで、香りの立体感、凝縮感が半端なく強い。迫ってくる様なワイン。
干したアプリコットの様な甘露さと旨味が凝縮した様なニュアンス。そこにカマンベールチーズの様なまろやかさや梅干しの様な旨味、檜や濡れた木材、枯れ葉の様な要素。
これは熟成感かもしれないが、全体感から見れば非常に若々しい。ごく僅かにペトロール香。
ドライハーブや様々なドライフルーツ。いずれの要素も明確に、鮮明に香りに現れていて、それらが力強く立ち上がってくる。強烈。
しっかりとした酸はあるが、やはり甘露さが突出。煮詰めた砂糖液、そこにバランスよく酸味や木材、白カビを思わせる複雑な風合いが彩りを与えてくる。
永遠にも思える余韻。素晴らしい。



【所感】
やはりトロッケンベーレンアウスレーゼは素晴らしい!
世界的に見れば極端に有名な生産者でないものの、2001年と少し熟成したタイミングでこのクラスを飲めたのは最高という他ない。
まず香りからして濃密度が違う、まるでドライアプリコットやマーマレードを思わせるほど良い酸味を包含する香りが明確に立ってくる。そして熟成起因のカマンベールや濡れた木材、枯れ葉、ペトロール香の様なニュアンスがほのかに混じってきます。とにかく香りが鮮明で強い。
そもそも粘性も当然ながら半端ないし、液体の凝縮度が段違いに高い。糖度も高い。
それでいてしっかりとした酸があるからすごくバランスよく飲める。素晴らしい。決してソーテルヌに劣らない作り。貴腐的な香りもあって非常に複雑でとてもクオリティが高い。余韻も長く複雑。
申し分ないトロッケンベーレンアウスレーゼだと思います。
なかなか飲めるような価格帯のものではないですが是非再び飲みたい一品です。




【ドイツ:8】エゴン ミュラー 2014 シャルツホーフベルガー水平



こんにちは、HKOです。
本日はエゴン ミュラーのシャルツホーフベルガーの水平です。
エゴンミュラーはドイツ最高峰の生産者でありますが、幸運にもアウスレーゼまでではありますが、水平する機会に恵まれました。
特にアウスレーゼはゴールドカプセル程ではないにせよ、手に入りにくい一品で大変楽しみにしておりました。


【データ】
エゴン ミュラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。
収穫は手摘みで1haあたり6000l以下です。発酵はステンレスタンクか大樽で天然酵母を使い発酵。
保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有。
今回はシャルツホーフベルガーの水平で、通常の収穫期に収穫された完熟ぶどうを使用したカビネット、最低1週間以上レイトハーベストされたぶどうを使用、オーク古樽で発酵、熟成したシュペトレーゼ。最後はゴールドカプセルの選定から外れてしまった貴腐葡萄を使用したアウスレーゼの3種類。この上にアイスヴァイン、アウスレーゼ ゴールドカプセル、トロッケンベーレンアウスレーゼがあります。
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)はまさに恐ろしい金額で...なんというか飲む機会あんのかな...という感じです。


【テイスティングコメント】
生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング カビネット 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は9%。
豊かなミネラル感。
樹脂の様なペトロール、クリアかつピュアなライチやマスカット、洋梨の果実感を感じられる香りで、樽のニュアンスは希薄に感じられる。この中では香りは控えめ。
徐々にペトロール香が発展、クレソンの様な香りが伴い始める。糖度が低いのもあるかもしれないが、香りの甘みも控えめ。白い花やフレッシュハーブ、イーストの様な要素が現れる。
大変心地よい酸、旨味、甘みのバランスで旨味と甘味にほのかな酸が余韻を残す。ダシ粉の様な強い旨味成分とほのかな甘みがあり、フレッシュなマスカット、花やネクタリンの様な余韻がある。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング シュペトレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性はやや強い。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8.5%。ヴァンダンジュ タルティヴ。
石の様なミネラル感。
香りに凝縮感や集中度が見え始め、香りの輪郭や強さが鮮明になっている。クリアなライチやマスカット、洋梨の果実味を中心としながら、ハチミツの様な風味を伴う。ペトロール香はより控えめに感じられる。
重さを感じるアウスレーゼと比べると軽やかで、香りも開放的な雰囲気がある。クコの実、白い花、フレッシュハーブの様なニュアンス。徐々に白桃のニュアンスに発展。
糖度は確かに上がっているものの、酸はよりシャープになり旨味も増している。カビネットのバランス感にも驚かされるが、シュペトレーゼも同様に非常にバランスが良い。
パイナップルやシトラスを思わせる清涼感のある余韻と白桃を思わせる甘さ、ダシ粉の旨味が一体化してふくよかに広がっていく。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング アウスレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8%。グランノーブル。
シュペトレーゼをより発展させたもので、主軸の要素は同じくそう変わらないが、香りの密度はより高く、輪郭はより鮮明になっている。
ライチやマスカット、洋梨の香りに糖蜜やハチミツなどの甘い香りと大根の様な複雑味が伴う。ペトロール香はシュペトレーゼ同等に控えめ。ジャスミンの花の様な香りもある。
他にもクレソンや蜜蝋やヨード香が感じられる。フレッシュな果実味は黄桃のコンポートに発展。甘味にピュアさと洗練さが同居する。
複雑であると共に液体の重量感が極めて重い。
シュペトレーゼより更に糖度が上がる。多少甘味に寄りながらも充実した酸と旨味があり、こちらも非常に良いバランス感覚。舌触りは滑らかなのに後を追う旨味と甘味、更にややシャープな酸が余韻を引き締める。


【所感】
目下の最新ヴィンテージです。
まず外観。カビネットからアウスレーゼまで並べるとこれまた綺麗に気泡の違いが明確です。カビネットは気泡が多く、対してアウスレーゼはほぼありません。2016年にリリースされるヴィンテージが2014年と比較的早く蔵出しされている事がわかります。
糖度を残したアウスレーゼ(8%)は気泡が少なく、アルコール度数がシュペトレーゼ(8.5%)やアウスレーゼ(8%)より若干高いカビネット(9%)は気泡が結構目立ちます。
貴腐のアウスレーゼや遅摘みのシュペトレーゼより低い糖度にもかかわらず、アルコール度数が高い事を考慮すると、糖→アルコールの発酵が先述の2本より進み、発泡しているのではないかと推測してます。
目で見えるはっきりした違いですね。
共通点としてはいずれも(いわゆる辛口リースリングで目立つ)ペトロール香はかなり控えめで、樽をあまり感じさせない、クリアかつピュアな果実味が前面に出ています。
マロラクティック発酵も多分してないと思います。
緊張感のあるミネラル感も同じく存在していて、基本的には果実そのものの味わいを非常に強く感じられるものとなっています。
それぞれの違いも非常にわかりやすかったです。
まず粘性。これはいずれも通常の辛口スティルワインと比較すると高いと思いますが、カビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼと順を追って粘性が高くなっています。当然ながら糖度も同じ様に推移していっている為、舌に残る甘さも順当に高くなっていきます。
ただここがかなり良いポイントだと思うのですが、ものすごくしっかりと酸がある。甘さが向上するとともに酸も強まっていき、液体としてベタついた、重苦しい甘さを感じる事はありません。シャープな酸によって清涼感すら感じます。各々の糖度に合わせて、酸で骨格のバランスを取っている印象を非常に強く受けました。
とにかく液体のバランスがどれも素晴らしい。
特にアウスレーゼの蕩けるような甘さと引き締めるシャープな酸と旨味は高次元で絶妙なバランスを取っていて、素晴らしいと感じました。匠の技ですね。
香りとしては先述のようにどれもペトロール香は希薄ですが、やはりカビネットが一番強く表出していたと思います。対してアウスレーゼやシュペトレーゼはかなりその点控えめに感じられます。
フォキシーとまではいきませんが、かなり生のブドウに近い形の香りがあり、ライチのようなオリエンタルな雰囲気と、マスカットを思わせるフレッシュさが同居しています。アウスレーゼに至るとコンポートのような蜜の香りが豊かに感じられますね。フレッシュさはやはりグレードが上がると多少は落ちていき、その分複雑さや(香りの)甘露さが上がっていっています。
香りのテクスチャーや解像度は明らかにカビネットからアウスレーゼにかけてはっきりとしていきます。
グレードの高いアウスレーゼなどは輪郭がはっきりしていて、各々の要素を明確に感じられるようになります。様々な要素がわかりやすく際立っている状態というか、そんな感じです。香りも非常に強く、カビネットで少しぼんやりと感じられた部分は、アウスレーゼに至っては霧が晴れたようにハッキリと明確になっています。大変要素が掴みやすい。
よって、ただ糖度が高いだけではなく、高いなりに酸やミネラルがバランスをとり、香りの鮮明さ、強さにおいても下級のカビネットと比較すると明らかにハッキリと強く表れています。まさに上位互換といった感じ。
糖度の違いだけではなく、内包する要素も異なり、いわゆる糖度だけが軸の格付けワインとは一線を画している印象。アウスレーゼはアウスレーゼなりの複雑さや風格が間違いなくあります。
なお、殆どシュペトレーゼには言及していませんが、全てに置いてカビネットとアウスレーゼの中間に位置する形となっており、どちらかというとアウスレーゼに近く、価格的にもお買い得だと思います。
これを見ると貴腐化したものは少し黄桃の香りが強いように感じました。
この手の水平は殆どないので、大変勉強になりますね。
参考になりました。






プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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