【ロワール】ディディエ ダグノー、幻のアステロイド

こんにちは、HKOです。
ついにこの日がやってまいりました。
ロワール、プイィ フュメの素晴らしさに目覚めたきっかけとなったティディエダグノー。フラッグシップは言わずと知れたシレックスですが、実はその上に...というには特殊ですが、もう一つ特別なキュヴェがあるのはご存知でしょうか。
そう、「アステロイド」です。


【データ】
ディディエ ダグノーは、1983年に様々なキャリアを経てプイィ フュメにドメーヌを興します。93年から有機栽培を始め、いわゆるソーヴィニヨンブランの枠組みを大きく飛び越える卓抜したプイィフュメを一貫して作り続けています。作付面積は11haほどで、その最高の区画である「シレックス」「ピュール サン」がフラッグシップとしてリリースされています。有機農法、大人数での手摘み収穫や選果。収穫した葡萄はプレス後、ステンレスタンクで2日間寝かせた後、22度まで温度を上げながら10-12日間木樽でアルコール発酵。マロラクティック発酵はしない。新樽20%-30%程度で12ヶ月シュールリーで熟成し、更に4~8ヶ月間の間ステンレスタンクで熟成する。最長で20ヶ月程度の熟成期間を経て、瓶詰めされ出荷されます。
今回はピュールサン区画、樹齢85年のフラン ド ピエを利用した年産500本の幻の白、アステロイド。
36ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: ディディエ ダグノー
銘柄: アステロイド 2002

外観は明るいイエローで、粘性は中庸。
強烈かつ堅牢なミネラルを纏ったシレックスと比べると、剥き出しのソーヴィニヨンブランの要素が前に出ている。
樽を使用していないボルドー最上クラスのそれに近い。
果実味の熟度も高く、先鋭的というより、幾分かのリッチさを感じさせる。それでも前に来るのはミネラルで塩気や小石の面のような艶々としたミネラルを感じさせる。
蜂蜜に漬けたシトラス、ライム。上白糖、ライチ。比較的強い青草のニュアンス。
徐々にオイリーなミネラル感がより強くなってくる。
海苔やフレッシュハーブ、ムスクなどのニュアンス。
そしてニンニクやエナメルリムーバーのような要素がある。柑橘と青草、ミネラルといった王道的なニュアンス。
口に含むと柔らかな酸に穏やかに包まれた強い旨味を感じる。はちみつレモンやほのかにバターの要素を感じる。広がるようなじんわりとした旨味。


【所感】
シレックスの時にソーヴィニヨンブランの見方を変える程に衝撃を受けたんですが、ちょっと期待しすぎたかもしれません。
とても良く出来ているのですが、シレックスの数倍凄いかというとそんな事はない様に思えます。
クリーンなタイプのソーヴィニヨンブラン、強いていえば樽を強くかけないタイプのボルドーの最上クラスと言った感じでしょうか。
果実のリッチな熟度の高さと引き締まったミネラルが最前面にあり、品種固有のフレッシュハーブ、ムスク。海藻の様なニュアンスを強く感じられます。果実味自体は強く極めてリッチなので、上質感は感じられますが、あまりにも裸の、剥き出しのソーヴィニヨンブランなので、悪くいえば王道から大きく逸脱しない、ランファンテリブルらしからぬ作りと言えるのではないかと。
酒質がとても素直。素直が故に強烈なインパクトがない。
この価格なのであれば、ブラン フュメ ド プイィ、ピュール サン、シレックス、余裕があればル ジャルダン ド バビロンを全て購入する方が楽しそうです。
自根に強いこだわりがある方にオススメ。
ただ最上級のソーヴィニヨンブランであるということについては異論なしです。


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【アルザス】マルクテンペの作る特級マンブールの貴腐

こんにちは、HKOです。
周りの環境がかなり変わりまして、なかなか更新できておりませんでした。
申し訳ありません。
今回はマルクテンペのグランノーブルをご馳走になったのでレポートします。


【データ】
マルク テンペはアルザスにおけるスター生産者。
醸造専門学校を卒業後、大手メーカーの醸造に携わり INAOで11年務めた後、醸造コンサルタントに。グランクリュ制定責任者を務める。その後を1993年に愛妻アンヌ・マリーと共にドメーヌ・マルクテンペを設立。1996年からビオディナミ農法に転向。2002年よりミネルヴォワでのワイン造りを開始。
今回のゲヴュルツトラミネール マンブール セレクション・グラン・ノーブル Sはアルザスの著名な特級畑であるマンブールの樹齢80年のゲヴェルツトラミネールを使った貴腐ワイン。
栽培はビオディナミ、土壌は石灰 礫岩 泥灰土。栽培面積は0.25ha、収量はわずか15hl/haです。
収穫は手摘みで、除梗・破砕なしで自生酵母で発酵。空気圧搾機にて5 ~ 6時間圧搾、フードル(大樽)で24 ~ 36時間発酵
木樽で36 ヶ月シュールリー熟成。瓶詰め時軽くフィルターのみ行う。



【テイスティングコメント】
生産者: マルク テンペ
銘柄: マンブール セレクシオン ゲヴェルツトラミネール セレクシオン ド グランノーブル S 1999

外観はやや茶色で、粘性は高い。
濃厚かつ甘露さと強烈な旨味が感じられる。ソーテルヌと比べるとより旨味と酸味が強く、りんご、ネクタリン、黄桃の様な果実味が感じられる。重々しい凝縮感こそないが、ハチミツ、ドライフルーツなどの濃密な風味を感じられる。
またハーブやライチの要素などの爽やかな香りも包含する。
熟成による塩気も帯びている。
ややアルコールの揮発香がやや強めに感じられる。アルコール度数自体は低いくらいなのだが。
全体的には上品かつトロピカルな印象を受ける。
酸は引き締まっていて、甘みは優しくスムーズ。やや熟成感のあるソースと塩気が感じられる。



【所感】
マンブールといえばマルセル ダイス!と思っていたのですが、マルク テンペも作っていたのですね....知らなかった...
アルザスのテロワールは殆ど分からないので、いややっぱりマンブールはこんな感じだよな!とは言えないのですが、出来はとても良いです。1999年とよく熟成もしているし、甘みと旨みのバランスがとても素晴らしい。
もちろん強い糖度がある為スティルのようには飲めませんが、十分な酸味があり、爽やかに頂くことができます。
熟成のバランスも良く、これくらいの熟成も丁度良いかと思います。美味いですね。



【アルザス・ロワール:15】トリンパック テイスティング(リースリング)


こんにちは、HKOです。
本日は昨日に引き続きトリンバック。
今回はその本懐とも言えるリースリングです。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンバック
銘柄: リースリング キュヴェ フレデリック エミール 2007

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
石灰の様なミネラルとペトロール香が主体。ガイスベルクの規模感を一回り小さくしたキュヴェ。
果実味はシトラスやネクタリンを思わせる清涼感があり、ほのかにチーズやバターの様な風味を感じさせる。
白い花、ヨード香やドライハーブのようなニュアンス。
この中では控えめだが、ミネラル感は十分に強靭。
酸はソリッドで柑橘やバターのニュアンスを思わせる余韻がある。
引き締まった風合いで、余韻に旨味が溢れる。
ペトロール感を感じる含み香。



生産者: トリンバック
銘柄: リースリング グランクリュ ガイスベルク 2009

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
クロ サン テューヌに近いが、バランス的にはミネラルの方が強め。 チョーキーの様なミネラル主体で、非常に硬質。フレデリックエミールのミネラル感の強さをそのまま大きくしたような印象。ペトロール香がかなり目立っている。
その中に杏子やネクタリンの厚みのある果実味と強い塩気がある。
ほのかにカマンベールチーズを思わせる香りとイーストの香りが伴う。徐々に甘い蜜のような甘露さが現れてくる。
白い花やドライハーブ、ハチミツのようなニュアンスも感じられる。
こちらも酸はソリッドで、レモンの様な鋭さがある。
その中に熟したみかんの様な甘露な香りやペトロールの香り、バターが鼻を抜けて行く。余韻は長い。


生産者: トリンバック
銘柄: クロ サン テューヌ リースリング 2011

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
最も厚みがあり、果実起因のボリューム感とガイスベルク並みのソリッドなミネラルを感じさせる。
強靭なミネラル感と供に厚みと塩気を感じる厚みのある果実味、双方がバランスよく備わっている。
ドライアプリコットやスモモの様な旨味に満ちた果実味とペトロール香、石灰の様な強靭なミネラルが主体となる。
そこにトースティーなイースト香、徐々に果実味がアプリコットジャムのように遷移する。白い花、ドライハーブ、濃密なハチミツのニュアンス。凝縮感だけでなく、厚さが比類ない。
酸は力強く厚みがある。オレンジや杏子的な酸味の現れ方で、レモンの様なシャープさは希薄。濃厚でフルーティー。2007年と比べると硬質感は控えめで心地よいオレンジやアプリコットの余韻が残る。



【所感】
今回はトリンパック、その本懐と言うべきリースリングです。ゲヴェルツは良く出来ていながらも、どこか過不足があったのですが、リースリングはどうかというと...
流石です、ほぼほぼドライリースリングの最高峰を行っているといいくらいには素晴らしい。
今回はフレデリックエミール、そして特級ガイスベルク、
特級ロケザールの最上区画クロ サン テューヌです。
全体感で言うと、フレデリックエミール、そしてガイスベルクはミネラル感に偏った印象があり、クロ サン テューヌはガイスベルク同等クラスのミネラルがありつつも果実味の厚さも備わっている印象です。
フレデリックエミールは強靭なミネラル感と共に柑橘の酸味を感じさせるシャープな果実味、ガイスベルクはフレデリックエミールを一回り強固にした堅牢なミネラル感、そして厚みを感じさせるネクタリンの様な果実味があります。
フレデリックエミールとガイスベルクの関係性は相互に互換していて、ガイスベルクが全体的に一回り規模感が大きい作りになっています。
この2本はかなりミネラルに寄った作りの印象で、ペトロール香も前面に感じられます。
そこから多少バランス感が異なっているのがクロ サン テューヌ。過去に飲んだ時はミネラルの堅牢な際立ちに気圧されましたが、この中では意外とバランスの取れたタイプに仕上がっている様に見えました。

まあ、ミネラルは相変わらずすごいんですけど。

塩気と酵母、樽、そして核種系の厚みのある果実味を包含しています。そこに甘露な香りが混ざってくる感じですね。
凝縮感と厚みのあるリースリングになっています。
シャープというかソリッドですね。

全体感でいうとそんな感じですね。
個別に言うとフレデリックエミールはやや果実味が冷涼。
柑橘の様な風合いとミネラル、ペトロール香が主体的です。
そこにハーブの香りが感じられます。
この中では最も普通のレンジに近いものですが、とはいえゴールドラベル。一般的なキュヴェと比べると上位ワインの風格は感じられます。
ガイスベルク。
基本的にはフレデリックエミールの上位互換で、ミネラルの強固さ、果実味の厚さが増しています。甘露さも感じます。
トリンパックはMLFをしていませんが、ほのかに乳酸発酵を帯びた様なチーズやバターの様な風合いを感じるのが不思議ですね。意図的に仕込んだと言うよりは自然にそうなった可能性はあるかもしれません。酸は幾分か厚みがありますが、ややこちらも立っている印象。
最後クロ サン テューヌ。
ミネラルの堅牢さ、ソリッドさ、ペトロール香を維持したまま、核種系の分厚い果実味を感じました。
トーストやハチミツ、ハーブのニュアンスがあり、太い酸と力強いボディがあります。
この中でピーキーさを控えめにして完成度を上げた感じしますね。ただ2007年のミネラルに偏った作りを知っているだけに、偶発的なのかもしれない...とも思うのですがね。

いずれにせよ、3種とも極めて高いクオリティのリースリングになっていると思います。
個人的にはフレデリックエミールあたりでも十分楽しめるのですが、最上を求める方はやはりガイスベルクやクロ サン テューヌを是非お試し下さい。













【アルザス・ロワール:14】トリンパック テイスティング(ゲヴェルツトラミネール)

本日はトリンパックのテイスティングです。
今回はそのポートフォリオのうちの5つを試します。
本日はゲヴェルツトラミネールを主体としたワイン2種類となります。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セニョール ド リポビエール 2011

外観はやや濃いめのストローイエロー。
非常に明るい性質で、ライチやカリンの様なオリエンタルな果実味とレモングラスや白胡椒、カルダモンのようなスパイスの風味を強く感じさせる。ドライハーブ、白い花などの要素。一言で言うと甘露かつスパイシー。ミネラルの残滓的な小石感はあるがリースリングとは大きく差がある。
酸は控えめで、やや厚みがある体躯。ほのかに残糖が感じられる様な甘露さ。非常にスパイス感の豊かな余韻があり
、最後に少し苦味を感じさせる。


生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セレクシオン ド グラン ノーブル 2007

外観は濃いイエローで粘性は高い。
セニョール ド リボビエールからスパイス感を減らし、凝縮した果実味と濃密さを演出した貴腐。
シロップ漬けのライチやアプリコットの様な濃密な果実味が前面に現れており、カリンの様な爽やかな酸、黄桃など、フルーツの盛り合わせといった感じ。白い花やドライハーブ、レモングラスなどの要素も感じられるが、基本的には果実味が圧倒的な分量のバランスを占めている。ハチミツや藁、パンドミに見られるイーストの要素がある。
クリーンで焦がした樽などのニュアンスはない。
非常に甘口で、ねっとりとした残糖分がある。
酸はやや緩めながら、その分ボディは非常に豊かで、力強く。ヒリヒリする様な甘さがある。
ライチやシロップ、スパイスの様な余韻が感じられる。



【所感】
ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールとセレクション グランノーブル(貴腐)の2本です。
どちらもオリエンタルで甘露な香りを放つワインになっています。やっぱりゲヴェルツトラミネールはいいですね。キャッチーで、低価格レンジでも魅力が大変わかりやすい。
ただ今回は共に高価格レンジ。これらはどうかというと、やっぱりすごく良いのですが、品種特性の香りがとても強いので、低価格レンジとの違いはパッと感じにくいとは思います。貴腐は全く違うので、どちらかというとセニョール ド リボビエールの方ですが。
オリエンタルな果実味は強いですが、それだけではなく多分にスパイシーさやハーブの香りも包含しています。例えばカルダモン、レモングラス、白胡椒。
果実味も「爽やかな」というより、とろりとした厚みのある甘露さがかなり強く前に出ているとは思います。
MLF感はなく、クリーン。剥き出しのゲヴェルツを正当進化(複雑化、果実味の厚さを拡充する)する形となっています。
かなり良く出来ていますが、酸味が淡いので、多少くどさを感じてしまう部分も少しありますね。
次は貴腐のグランノーブル。
スパイシーな要素は減退し、より果実味と酵母香を強く前面に押し出した形に感じられました。
流石にかなり風格のある作りに仕上がっています。
ライチの様なオリエンタルスパイスの様な香りはしっかりと主軸として存在していながら、アプリコットの様な甘酸っぱさが感じられます。厚みはTBAやソーテルヌの上位ワイン相当。そこにイーストやレモングラスの様な香りが混じります。糖度はかなり高く重量感のある味わい。
酸味はやや緩く、余韻に苦味がある。
風格はありながら洗練さで前述のワインに劣るかもしれません。品質は高いですが、全体感で最上かと言われればそうではないですね。ただお値段も極端に高いわけではないので、十分に満足感はあるんじゃないかと。





【アルザス・ロワール:13】アルザスの熟成リースリングを利く

こんにちは、HKOです。
本日は温めまくっていたアルザスです。


【データ】
ヒューゲルは1639年にアルザス地方リクヴィール村に設立された、大手ワイナリー。現在は12代目にあたります。
アルザスの代名詞とも言えるワイナリーです。
ヒューゲルが保有する自社畑の殆どはグランクリュに分類され、契約農家からもブドウを購入しています。平均樹齢は35年。ヒューゲルのセラーは16世紀に中世リクヴィールの中心の地下にあり、100年以上の大きな木樽と共に、使用中の世界最古の樽である1715年産の有名なセント カトリーヌも所有。
今回のジュビリー リースリングとピノノワールは、1989年の創立350周年を記念して生産が始まったワイン。最良の年にのみ造られ、自社所有する最も古い畑のブドウのみ使用。
ジュビリー ピノノワールは1966年に植樹されたフロスティグ畑の斜面から作られるワイン。樹齢42年、収量は35 hl/ha
。ブルゴーニュクローンを使用。100%除梗。2週間漬け込み、約10ヶ月小樽で熟成、一部新樽を利用する。
ジュビリー リースリングは特級畑シュナンブールの中心部にある最良の区画より収穫されたブドウを使用。土壌は第四紀のシリカを含む砂利質層、中心部はコイパー、マール、ドロマイトとジプサム、そしてヴォージュ砂岩層とムッシェルカルク層。そして東端部はリアス式の泥石灰岩層から形成。樹齢は30年、収量は45 hl/ha。
重力によってプレスし、18℃から24℃で温度管理された樽や大樽で発酵。澱引きは一度だけ、低温での安定化は行なわず、冬の寒さで自然に清澄。翌年の春には、軽くろ過したワインを瓶詰めし、私たちのセラーにて市場へ出荷するまで瓶内熟成させます。


ドメーヌ アルベール マンは、17世紀にマン家とバルテルメ家が統合して設立されたワイナリー。現当主はモーリスとジャッキー・バルテルメ兄弟。品質へのこだわりから借金をしながらグランクリュの優れた畑を少しづつ買い足し、現在は総面積21ヘクタールを所有。アルザスでは比較的大規模ワイナリーとなりました。保有畑のグランクリュの割合が高く、シュロスベルグ、シュタインブルグラー、ペルシベルグ、フルシュテントゥム、ヘングストを所有。
ビオディナミを実践しテロワールと環境を尊重したワイン造りを行っています。木樽で発酵し、熟成はステンレス タンクで9ヶ月。年間生産量は7400本。平均収量は28.5hl/ha。


【テイスティングコメント】
生産者:アンリ エラール
銘柄: ゲヴェルツトラミネール レゼルヴ パルティキュリエール 2014
品種: ゲヴェルツトラミネール100%

外観はやや濃いめのイエローで粘性は高い。
ゲヴェルツの華やかな香りが前面に出たトロピカルでアロマティックなキュヴェ。
ライチとパッションフルーツの濃密で特徴的な果実味が主体的で時折アプリコットのような風味を感じさせる。存外ミネラル感はしっかりとあり火打石のような風味を感じさせる。クリーンな作りだが、ヨーグルトやフレッシュハーブ、蜂蜜のような風味が感じられる。ボディはしっかりとあり、球体的で粘性がある。
冷やして飲むとボディの厚さとフレッシュな果実味が際立ち非常に南国的な風合いを感じさせてくれる。


生産者: ヒューゲル
銘柄: ジュビリー ピノノワール 2008

外観は淡いルビー、粘性は低い。
熟成感はかなりでている様に見受けられるが、今ひとつ香りが迫ってこない落ち着いたピノノワール。
基本的には鉄や血液の香りが主体的で果実部分はあまり主張してこない。スミレなどの花の香り。
ほのかに感じられる果実味はレッドカラントなどのほのかな香り。そして青いハーブのニュアンス。枯葉や土、キノコ、比較的明瞭な獣香がある。
タンニンや酸はかなり落ち着いていて、もう少しでぴーくが過ぎそうなニュアンスを感じる。引っかかりはほとんどなく、過剰なシルキーさ。余韻にはスミレキャンディーやレッドカラントの様な余韻が残る。近々ピークアウトしそうな気配がある。


生産者: ヒューゲル
銘柄: ジュビリー リースリング 1985
品種: リースリング100%

外観はやや濃いめのイエローで粘性は中庸。
ペトロール香が落ち着き、バターや豊満なシロップに漬けたスポンジケーキの様な芳香がある。熟した洋梨な黄桃の果実味。イーストやヘーゼルナッツの様な芳香。
白カビの要素やほのかにシェリーの様な塩気を感じる芳香も混ざってくる。ドライハーブの様なニュアンス。
甘くふくよかな香りに塩気が混ざる絶妙なバランス。
酸味は柔らかく、旨味が非常に充実。
ほのかなペトロール香や温州みかんやスポンジケーキの豊満な風味が凝縮感とともに広がっていく。


生産者: アルベールマン
銘柄 フルシュテントゥム リースリング 1997
品種: リースリング100%

外観はやや濃いめのイエローで、粘性は高い。
リースリングらしいペトロール香を携えながら、しかしてその要素だけ浮くわけではなく、完全に果実味と結合している密度の高いリースリング。
火打石の様なミネラル感。
ペトロール香に随伴する黄桃、マンゴーのコンポートやハチミツの様な甘露な果実の香りが漂う。バターやフレッシュなグレープ、ドライハーブ。そして蜜蝋やリコリスなどの果実味が感じられる。ペトロールと蜜の様な香りが際立っている。
とろりとした強い粘性をアタックからも感じられ、アルコール感は控えめながらグリセリン感は突出。しなやかなペトロールと核種系果実のボリューム感のある余韻が感じられる。



【所感】
まずはアンリ エラール。
ゲヴェルツラミネールで外した事はそもそもあまりないんですが、これも例によってデイリーワインとして大変良いワインになっています。ちなみにこれはカルディで購入しました。ライチやパッションフルーツの様な南国果実の果実味を強く感じられるものです。ボディもしっかりとあり、典型的ながらも手の出しやすいワインだと思いました。

次はヒューゲルのジュビリー。
まずはリースリング。
素晴らしいリースリングだと思います。
アルザス リースリングの偉大なワインはミネラル感が堅牢ですが、ジュビリーは流石にいい感じに落ち着いています。
マロラクティック発酵起因のバターや熟したシロップ、黄桃などの果実味、白カビやシェリーの様な風合いも感じます。甘くふくよかな中に塩気を感じる作りです。
古酒ながら甘露さがあり、枯れていない。元がとても力強いワインであったのではないかと思います。
秀逸です。ほのかにペトロール香も品種特性も感じられるのがいいですね。素晴らしいと思います。
それに対しピノノワールは些か弱い体躯である印象を受けました。ヴィンテージは2008年と比較的若いながらもどこか弱く、香りが上がってこない。
熟成感もかなりあり、鉄や血液の香り、枯葉や土、キノコが主体的、ほのかに赤系の果実も感じられるが微弱。
なんとなく熟成前酸化的な気もしますが、あまり魅力のあるワインにはなっていませんね。近々ピークアウトしてしまいそうなアンバランスさを感じます。

次はアルベール マン。特級畑のフルシュテントゥムから作られるリースリング。
密度の高いリースリング。ミネラル感は充実、核種系コンポートや蜂蜜の様な甘露な果実の風味とペトロール香がよく馴染んでいる。とろりと粘性のある濃密な作りが20年近く熟成しても残っており、ボリューム感も豊か。秀逸なリースリングです。

しかしピノノワールはともかくとして、辛口にも関わらずリースリングの長期熟成は目を見張るものがありますね...
特にジュビリー リースリングは80年代にも関わらず、あの味わいは恐ろしい...
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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