【ブルゴーニュ:145】オリヴィエルフレーヴ モンラッシェ 2014

こんにちは、HKOです。
本日はオリヴィエルフレーヴの最高峰、モンラッシェです。


【データ】
オリヴィエ ルフレーヴ フレールは、故ヴァンサン ルフレーヴの甥であるオリヴィエ ルフレーヴによって1984年に設立されたネゴシアン部門。ポートフォリオは幅広く、コート ド ボーヌの白を中心に、ヴォルネイやポマールなどの赤をリリースしています。
買いぶどうは信頼できる栽培農家に収穫日、栽培方法を指定し、厳密に管理したぶどうを購入しています。複数農家から買い上げたぶどうは瓶詰め直前までブレンドされず、畑の特徴を考慮しながらブレンドされます。
※全てが買いぶどうでは無く、一部の畑(ムルソーポリュゾやクロサンマルクらは自社畑)
モンラッシェは100%手収穫、平均樹齢40年、平均収量は47hl/ha。30%新樽で18カ月。


【テイスティングコメント】
生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: モンラッシェ グランクリュ 2014
品種: シャルドネ100%

色調は淡いイエローで粘性は中庸。
太いミネラル感。
モンラッシェの風格を感じさせる香りの力強さを感じる。
ややローストした樽の香りを強く感じさせ、モカやコーヒーを思わせる樽香が前面に来る。
その奥に焦がしバターやローストナッツの要素。上白糖やシロップ、カスタードクリーム、濃密な白桃や洋梨のコンポートの様な果実味がある。フレッシュハーブ。オイリーな側面もある。
樽が前面だが、徐々にMLFと調和した果実味に遷移していく。
引き締まったしっかりとした酸がありながら、球体感があり、ライムの様な酸味の裏に太い旨味と、甘露さが表出してくる。


【所感】
やはり共通して感じるモンラッシェの突出性。
熟成を見越したリッチな醸造はもちろんのこと、核種系のボリューム感、ミネラル感、上白糖を思わせる甘露さが素晴らしいですね。
この生産者のものはそれでもまだフレッシュでドライではあるものの、他のクリュとは大きなボリューム感の差がありますね。果実が完全に熟している感じ。
新樽比率はさほど高くはないのですが、ローストをしっかりしているのか、焦げたニュアンスがしっかりと現れています。
やはりモンラッシェはシャルドネの最高峰といった感じがあります。ミネラルとボリューム感のある果実味をバランスよく両立させるのは(生産者によっては新世界で再現しますが)土地ならではですね。
素晴らしいワインでした。





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【ブルゴーニュ:144】フランソワ ラマルシュ、珍しいヴォーヌロマネ1級畑


こんにちは、HKOです。
本日はちょっと地味な生産者2名のヴォーヌロマネです。
ちょっと前日までのは豪華すぎたと思うんですが、こんかいはまあ平準的なものです。


【データ】
バロン ダヴランはヴォーヌ ロマネのネゴシアン。
実はこのワイン、ヴォーヌ ロマネの有名ドメーヌが
名前を伏せて造っている特別なワイン(だそうです)
他に情報がない...


フランソワ ラマルシュはモノポールのグランクリュ ラ グランド リュを保有する、ヴォーヌロマネの名門ドメーヌ。
20世紀初頭に設立。現在は長女のニコルが指揮を執っています。
継承後はビオロジックに転換、収穫も100%手摘み、選果も2回実施するなど、品質向上の改革を行い、現在は精密なワインを生み出しています。
除梗はヴィンテージに応じて変動、無破砕。低温マセレーションの期間を長くし、発酵中の醸しはルモンタージュ。
16~20ヶ月の樽熟成において、新樽率は村名40%、1級60%、特級80~85%。
ラマルシュの代名詞、ラ グランド リュは1933年に取得。
1992年まではプルミエクリュに収まっていましたが、INAOに働きかけグランクリュへ昇格しています。
今回のクロワラモーはヴォーヌロマネの1級畑。樹齢40年。
収穫量は42hl/ha。
除梗は80~100%、木桶で15~18日発酵。
新樽80~100%で16~20ヶ月熟成。マロラクティック発酵。


【テイスティングコメント】
生産者: バロン ダヴラン
銘柄: ヴォーヌロマネ 2014

外観は澄んだルビーで粘性は中庸。
極めてフレッシュで溌剌とした剥き出しのピノノワールといった風合いのワイン。一見ニュージーランドの様にも感じられる。しかしながらその中にヴォーヌロマネを想起させるグリニッシュさや鉄分、スミレの様な華やかさが存在している。
搾りたてのダークチェリーやブルーベリーの様な果実味があり、比較的ドライな果実味。スミレやなめし皮、鉄分などの要素どお香の様な香り、茎の青さがバランスをとっている。紅茶やオレンジなどの要素も。徐々にキャンディの様な甘さが現れる。
酸味は豊かでタンニンは控えめ。余韻は程度良くある。
フレッシュな果実の要素が強く、ヴォーヌロマネの特徴は控えめ。


生産者: フランソワ ラマルシュ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ ラ クロワ ラモー 2014

外観は透明感のある明るいルビー、粘性は中庸。
目の詰まった甘露なブラックベリーやダークチェリーの果実味、青いハーブと濃密なメイプルシロップ、鉄分を強めに感じるなめし皮の要素が調和する。基本的には果実味が主体的でメイプルの様な樽香とミルクティー、ブリオッシュの様なまろやかさが一体となっている。パストラミハム、グローヴなど。
香りの丸みに対して、液体の凝縮感は控えめで、やや酸が立っている以外は作りの骨格はアルマンルソーにも近くなっている。ハーブやほのかなベリーの甘露さな余韻が残る。


【所感】
相当なグランヴァンばかりだったので少し小粒感が漂う今回のエントリーです。
1本はバロン ダヴランという生産者の村名ヴォーヌロマネ、そしてフランソワ ラマルシュのクロワラモーです。
まずはダヴランの村名から。
キャンディ香漂う極めてフレッシュな剥き出しのピノノワール。醸造をクリーンに行い、樽熟成を早めに引き上げて市場投入した感じの味わい。ちょっとニュージーランド的かも。
たまーにこんな感じのブルゴーニュもありますが、あまり見ないですね。
ただ面白いのがヴォーヌロマネの特徴だと思うんですけど、華やかの中にある鉄分とか青さのバランス感がちゃんと表現されていて、なかなかいいんじゃないかと思います。強いて言えばシモンビーズ的?かもしれません。
お次はフランソワ ラマルシュ。
元々はあまり評価の高い生産者ではありませんが、僕が飲み始めた時には世代交代で見事な復活を遂げて、今では傑出したグランエシェゾー、グランド リュを生み出しています。
そんなラマルシュにおいて「えっ、そんな畑持ってましたっけ?」的な地味な1級畑です。
クロワラモーといえばジャックカシューですが、彼の畑で優れたワインを生み出しているので、テロワールとしては悪いわけではないです。
ラマルシュのクロワラモーは凝縮感こそ中凡で、酸もやや立ち気味ではあるものの、香りの立ち方や方向性はスター生産者のそれを強く感じさせるものになっています。
例えるならばアルマンルソー的な、そんな感じです。
ぎゅっと詰まった甘い黒系果実、メイプルシロップ、ハーブの香り、鉄分の要素がバランス良く調和し、MLFの要素も感じられます。これらの調和がとても素晴らしく、非常にキャッチーな作りになっています。
ヴォーヌロマネらしい妖艶さより親しみやすさの方が強く感じられるワインですが、ワインとしての完成度は極めて高いと思います。
ちょっとグランド リュと飲み比べたいですね。





【ブルゴーニュ:143】ジョルジュ ルーミエ 2014 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はジョルジュ ルーミエのリュショットとアムルーズです。


【データ】
ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
今回は2本、現当主の名前でリリースされているシャルム シャンベルタン、そしてジョルジュ ルーミエ名義のレ ザムルーズ。レザムルーズは特に人気が高く、ミュジニーと共に(もはや辟易してしまいそうな)価格高騰を起こしている希少な一本です。


【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ルーミエ(ジョルジュ ルーミエ)
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
冷たいタッチのリュショットで冷涼感と堅牢さを感じさせる。
ピュアさはそのままに、やや焦がしたロースト感、瑞々しいスミレやバラの香り、ローリエや若い葉の様なハーブを軸に、ブラックベリー、ダークチェリーの瑞々しい果実味、爽やかなオレンジ感を付帯する。
甘い香りは蜜の様な甘いシロップの香りから徐々にブリオッシュ、黒糖に発展していく。そしてベーコンの様な燻製感。オリエンタルスパイスなど。
恐ろしい事にタンニンや酸はシルキーで、グリセリン感があり、丸みを感じさせる。ほのかな酸味から旨味へ、そして甘みに転化する素晴らしい遷移。ミルク感とブラックベリーの果皮を思わせる余韻が感じられる。
レザムルーズと比べると香りの凝縮感は控えめだが、ボディは力強い。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
石の様なミネラル感と、ピュアでありながら強烈な凝縮感を包含している。
目の詰まったような熟した濃密なイチゴやラズベリーの様な果実味がある。それでいて重みはなく、ほのかなローリエやグローヴが混じり合うエレガントさを感じさせる。
果糖ヨーグルトやパウンドケーキの様な甘露なタッチ、ダージリンの様な紅茶や木材の香り。スミレやバラの華やかな香りを軸とする。軸となる要素は多いが、お互い調和がとれていて渾然一体となっている。ブリオッシュや瑞々しい葉、燻製肉などの複雑さ、オリエンタルスパイスなどの要素が感じられる。
タンニンは柔らかいが酸はしっかりと決まっている。
ハーブやイチゴ、スミレの様な余韻と引き締まった酸が拡散的に感じられる。余韻に華やかさと濡れた青さがあり、非常にハーブ感があり、華やかさかつ軽やかです。
香りの凝縮感はアムルーズだが、ボディはリュショットの方がだいぶ力強い。

【所感】
2014年も当然ながら良いです。最高です。
高価格帯では樽が目立ちながら、ピュアで凝縮した果実味が際立った2010年。
樽香を落とし、抽出がやや強めだった2011年。
樽の要素を残しながら甘露な果実味を放つ2012年、
ピュアな果実味に回帰し、焦がした風味を最小化。十分な果実味を孕む2013年。
そして今年2014年は2013年を更に発展させたような、あるいはヴィンテージの差分となるのか、ピュアさを維持しつつ2012年にほど近い豊満な果実味を感じられる作風になっています。
凝縮感、濃密な果実味、ピュアさがキーワードだと思います。

まずは主要なキュヴェの特徴を。
■レ クラ
村名シャンボールミュジニーの上位互換といった風合い。
ボンヌマールにほど近い立地ですが、醸造的な要素が特級と差分があるからか受ける印象は異なります。ピュアさと凝縮感。

■ボンヌ マール
一連のキュヴェとは独立したスタイル。 軸は豊満な果実味と樽の要素を感じられます。
焦がしは年によって違うようですね。濃密な詰まった果実味と樽とほのかな華やかさ。

■レザムルーズ
レ クラの上位互換。(ミュジニーの下位互換が正しいのかもしれませんが、飲んだことないので...)
レ クラと比較すると、より凝縮感が向上し、凝縮した甘露さがあります。
その点ボンヌマールと近いかもしれませんが、果実味にハーブの青っぽさや柑橘のような酸、旨味を感じさせる風合いが乗るので、より最小化された形。
凝縮した果実味とピュアさ、青さ、樽香。

■シャルム シャンベルタン
果実味や甘露さの放出はボンヌマールと近いですが、より抽出が際立つ形になっています。したがってより筋肉質で引き締まった印象を受けます。
濃密で詰まった果実味と抽出の華やかさ。

■リュショット シャンベルタン
シャルムと比べるとより冷涼かつ堅牢です。樽と抽出、青さが際立ち、果実味は甘露ですが、遅れてやってきます。
一見シャンボール的な字面ですが、この間を大きく分かつのが抽出で、華やかさはシャルムと共通点を感じさせます。前面は樽と抽出、青さ、背景にある果実味。

生産者の性質上ピュアには仕上げてくるのですが、かなり畑ごとにキャラクターを変えてきていると思います。
故に畑を見定めながら飲むのが良さそうです。

2014年は果実がよく熟しており、レザムルーズはピュアさを保ちながらも果実味に満ち、凝縮感においても2013年の上を行きます。
リュショットも同様ですが、そもそものキャラクターからして(アルマンルソーでもそうなんですが)果実味は抑え気味なので、キャラクターを崩壊させるような感じにはなっていません。
面白いのは口当たりで、香りはこんな感じなんですが、レザムルーズはシャープで、リュショットは球体感のある粘性を感じさせるアタック。一見逆じゃない?とも思うのですが、時間経過で果実味が出てくるリュショットのポテンシャルからすれば、確かに妥当かもしれません。
エレガントでピュア、落ち着いた印象のワインですが、基本的には果実味が豊かで明るい性質のワインだとは思います。

しかしルーミエ、相変わらずいいですね。
よくクリストフ名義のリュショットやシャルムが少し下に見られる事が散見されるのですが、決してそんな事はなく特徴が違うだけの傑出したワインになっていると思います。





【ブルゴーニュ:142】名手ルネ アンジェル古酒3種テイスティング


こんにちは、HKOです。
本日はルネ アンジェル3種です。


【データ】
■ルネ アンジェル(100%除梗、新樽比率~70%)
ルネ・アンジェルといえば今は無き作り手ではありますが、知る人ぞ知る超優良ドメーヌ。そのワインは本当に素晴らしいのですが、日本では並行輸入品が多く、
長年本来の魅力を感じることのできるワインは日本ではなかなか出会う事ができませんでした。以前は好不調の波が激しい時代を送っていましたが、1981年フィリップ・アンジェルがドメーヌを引き継いで以降、ルネ・アンジェルのワインの品質は飛躍的に向上しました。 テロワールの個性を表現しつつ、エレガントで旨味の詰まった彼のワイン造りでは、エレガントで綺麗なピノ・ノワールという古
典的なブルゴーニュの魅力が凝縮されています。
2005年、当時当主であったフィリップ氏が旅先のタヒチで心臓麻痺の為49歳で他界。2004年のラストヴィンテージを最後にドメーヌは跡を継ぐ者が無く消滅してしまいました。
残された所有畑は2006年にヴォーヌ・ロマネ村の畑の取引としては過去最高額の1300万ユーロでシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏に売却され、現在は「ドメーヌ・ドゥジェニー」として引き継がれてい
ます。除梗は100%。発酵期間は8~21日。新樽比率は1級30%、特級70%で12~24ヶ月。

2003(良年 WA91T, Still tanic, youthful)
ルネ・アンジェル グラン・エシェゾー
ルネ・アンジェル最高峰のキュヴェ。保有区画は最南端の区画。バジョシアン石灰岩、表土は80cm。

1984(オフヴィンテージ WA70C Cation, may be old)
ルネ・アンジェル  ヴォーヌ・ロマネ(オフヴィンテージ)
詳細不明、村名のアッセンブラージュ。

1972
ピエール(ルネ)・アンジェル  クロ・ヴージョ ハーフ(アレクシス・リシーヌ ラベル)
エシェゾーやグラン・エシェゾーに隣接する斜面上部のクロ・ヴージョの区画を保有する。石灰石を多く含む水はけの良い土壌。




【テイスティングコメント】
生産者: ルネ アンジェル
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 1984

澄んでいて繊細でありながら、香りははっきりと立ち上がっている。
熟成香が主体的で、トリュフやカマンベールチーズ、腐葉土や漢方、リコリスの様なスパイス香を主軸に感じられる。
イチジクやオレンジの様な果実味、プーアル茶、燻製肉の様な風味。焦げたゴム、ほのかに血や鉄釘の様な風味がある。
旨味はしっかりと感じられる。
熟成によって酸とタンニンは柔らかで繊細になっている。
諸々の要素を削ぎ落とした様な極めてピュアな余韻があり、ほのかな腐葉土やキノコなどと共に透明感のある余韻を引いていく。余韻は長い。


生産者: ルネ アンジェル 
銘柄: グラン エシェゾー グランクリュ 2003

濃密で力強いパワフルさを感じさせるグランエシェゾー。
果実味が軸となり中域が太いワインとなっている。
爽やかなハーブの裏に、ブラックベリーやダークチェリーの様な若々しく濃密な果実味が感じられる。トマトをすりつぶした様な香りも。極めて甘露な果実味。
華やかさは高域に伸びる形ではなく、スミレや薔薇のドライフラワーの様な落ち着いた華やかさ。そして粘土やリコリスの様な風味、焦がした樽は無く、木材の様な自然さ、タバコや鉄釘の要素。ほのかな獣香。
酸味やタンニンは優美で滑らかで旨味と華やかさが同居。
華やかさや土、凝縮した旨味、トマトやベリーの風味が感じられる。



生産者: ピエール(ルネ) アンジェル
銘柄: クロ ヴージョ(アレクシス リシーヌ ラベル) 1972

透明感のあるルビーを思わせる均一な色調。
バランスで言うならば村名VRの方が良いかもしれない。
ハーフという条件下と熟成経年の長さから、かなり熟成は進んでおり、果実味は微かに存在している程度、熟成による旨味や枯淡な香りを軸にしている。
強い要素をすべて削ぎ通した風味。
均一に溶け込んだ要素の中には漢方、シャンピニオン(椎茸)、ほのかに硫黄の様な香り。
また土や藁、井草のような枯れ草を思わせる要素や焼いた木材。ほのかに梅しばの様な果実味を感じさせるが、基本的には極めてドライ。
タンニンがほぼ無くなり、旨味が強烈に感じられる。
引き締まった梅しばやベリー、上品なお出汁を思わせる香り。


【所感】
ルネアンジェルはとても優秀な生産者。
そしてアンリジャイエがワイン造りを学んだドメーヌ。
わかる...わかるのですが、正直ルロワの前座だと思ってました!!!!
でもね、これが大きな間違いでしたと。
めちゃくちゃいいじゃないですかこれーーーー!!!

ルロワの複雑さ、オーケストラルな作りに対して、ルネアンジェルは弦楽四重奏、シンプルで洗練された作り。
極めてピュアな果実味が感じられる、今尚主流を貼り続ける作りです。(最近は全房のDRC, ルロワ的作りも相当増えてきましたが)

まずは村名のヴォーヌロマネから。
後述するクロ ヴージョがピークアウト、グランエシェゾーが若々しいのに対して、枯淡な味わいを楽しむ熟成の最後らへんの飲み頃といった感じ。
澄んでいて繊細ですが、香りの立ち上がり方は鮮明で、きのこの様な熟成香が主体的です。果実味は旨味に転化しており、血液などの程よい鉄分が感じられます。
香りと同様酸やタンニンは削ぎ落とされ、複雑な旨味が満ちた液体になっています。透明感もあります。
お手本の様な熟成古酒です。水晶の様な透明感と強烈な旨味、極小化された緻密な果実味...という意味では上位キュヴェに大きく開きがありますが、かなり良いとは思います。

次はグランエシェゾー。
これは若(...くもないか)ワインですが、すごく良くできています。単純にワインとしてのポテンシャルが非常に高い。
濃密でパワフル。果実味を軸とした太いワイン。
ほのかなハーブやトマト、華やかなドライフラワーの様な複雑な要素も包含し、華やかながら地に足がついた力強いワインとなっています。余韻はピュアですが、香りはやや複雑で、獣香も出始めている感じでしょうか。タバコの様なニュアンスもあります。
ただ酸やタンニンは結構こなれています。
もう少しタンニンなどが強いかとおもったのですが...旨味はすでに充実しています。いいですね。

最後のクロ ヴージョはピークアウトしていましたが、これはこれで枯淡な味わいが感じられて凄い良かったなと。
特にハーフボトルという性質なのかもしれませんが、いわゆる70年代のワインよりは年を取っている印象はありましたね。強い要素は全て削ぎ落とされ、均一の質感を持つ液体に。出汁って感じです。包含されている要素も均一化されていて、土や枯草、椎茸、梅しばといった感じですかね。
いわゆる枯淡な味わい。澄んだピュアな出汁です。

ルネアンジェルをこうして追えるのは面白いですね。
アペラシオンごとには異なりますが、理解がとても深まる感じです。
今はデュージェニーになり、優れたワインをこの区画は継続して産出しています。ルネアンジェルの手のものはもう楽しめませんが、デュージェニーはせめて追っていきたいですね。


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【ブルゴーニュ:141】ドメーヌルロワ、ドーヴネの古酒を比較する。

こんにちは、HKOです。
本日はドーヴネとルロワの古酒です。
いや、物凄い体験でした...


【データ】
■ドメーヌ ルロワ/ドメーヌ ドーヴネ
(ビオディナミ、100%全房発酵、100%新樽)
ドメーヌ・ルロワは言わずもしれた天才マダム・ラルー・ビーズ・ルロワ(1933年生まれ)所有し生産するドメーヌです。1当時DRCの共同経営者だった彼女は、1988年、自身がすべてを手がけるドメーヌ・ルロワを設立しました。 高島屋と分割所有となっています。
そしてドーヴネは同年に夫の故マルセル・ビーズと共に購入しましたドメーヌ。分割所有のドメーヌルロワと異なり100%自身の裁量でワイン造りを行うドーヴネこそが天才、妥協を許さないと言われる、マダム・ルロワの意向が最も色濃く反映されたドメーヌと言えます。
ブルゴーニュ最高峰の味わいを堪能できるワインとして価格が高騰しているのにもかからず常に入手困難を極める超希少品として知られています。
DRC・ドメーヌ・ルロワに並ぶ偉大なワインながら、ほとんど見かけることのない夢か幻のような存在、それが「ドメーヌ・ドーヴネ」です。
彼女の作るワインはすべてビオディナミに基づいた栽培によって生み出され、ブルゴーニュにおける開祖とも言える彼女のビオディナミは原則に完全に従った厳格なものとなっており、地球の周期と年間を通した本質的なリズムに重点を置いています。吸枝と未熟ブドウの除去は完全に選別し、100%房を用いて複雑なニュアンスを生み出しています。低温浸漬は伝統的な木製の発酵槽で実施。
新樽比率はいずれも100%です。

■1999(平均的な年 WA89C Cation, may be old)
ドーヴネ ピュリニー・モンラッシェ・プルミエクリュ・フォラティエール
ピュリニー・モンラッシェにおける最上クラスの1級畑。
クラヴァイヨン、ピュセルの上部、クロ・ド・ラ・ガレンヌ、ドゥモワゼルに隣接する1級畑。

■1998(平均的な年 WA84I even among the best wine) 
ドメーヌ・ルロワ ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエクリュ・レ・コンボット
ジュヴレ・シャンベルタンにおける最上クラスの1級畑。
特級畑クロ・ド・ラ・ロッシュ、ラトリシエール・シャンベルタン、マゾワイエール・シャンベルタンに囲まれたロケーションの1級畑。上記の畑と比べ、一段低い場所に位置する。

■1998(平均的な年 WA84I even among the best wine) 
ドメーヌ・ルロワ シャンボール・ミュジニー レ・フルミエール(村名畑)
シャンボール・ミュジニーの単一畑名付き村名。
1級オー・ボー・ブリュンに隣接する比較的下部に位置する村名畑。土壌構成はボンヌマールやフュエ寄りの構成となる。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ドーヴネ 
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ フォラティエール 1999

外観はやや濃いめの黄金、粘性は中庸。
硬質なミネラル感はあまり感じられないが引き締まっている。
クリームブリュレ、甘露な焼き栗。
驚くような旨味を包含している。濃厚なバタークリーム、洋梨やオレンジなどの凝縮した厚みのある果実味。
前面にMLFの様なまろやかさがあり、親しみやすいがボディに強烈な厚みと爆発的な旨味がある。
徐々にカスタードクリームの様に滑らかさを増していく。
ハーブの様な香りや燻製の様な香ばしい香り。
甘露なシロップの様な濃密さ。凝縮感が半端ない。
滑らかな酸味と旨味が口の中で爆発する。尾をひく様な強烈な余韻と太い旨味がある。素晴らしい。



生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: シャンボール ミュジニー レ フルミエール 1998

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
鋭敏で高域に鋭く立ち上がる華やかさが印象的なシャンボールミュジニー。構成要素のバランスは青さ・華やかさ・スパイスを軸に、果実味とミネラルで骨格を形成。
鋭敏ではあるものの、梗のニュアンスと競合し過剰に華美でなく、赤い花と木材、濡れた葉が合わさった印象を受ける。
シャンボールミュジニーにして香りの濃密度は抜群。
スミレや薔薇などの赤い花と濡れた葉が前面に感じられる。ダークチェリーやクランベリー、梅。複雑なオリエンタルスパイス。徐々になめし皮や血の香りが感じられる。わずかに獣香や土の香りが混ざっていく。液体は極めて凝縮している。
ただ酸味はかなりしなやかで、タンニンも柔らかい。
ジワっと広がっていく繊細な旨味。茎や梅、赤系果実の余韻が長く広がっていく。跳ねる様な華やかさがある。
素晴らしい。



生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ レ コンボット 1998

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
シャンボールミュジニーの高域に伸びていく芳香と比べると、角が落ちて優しい丸みのある香りを放っている。
円熟感があり、元々の果皮の堅牢さが熟成し、落ち着いている印象。構成要素のバランスはドライフラワーの様な華やかさ、果実味を軸に、梗や土のニュアンス。
茎の様な青さより、生肉やなめし皮、ドライフラワーの様なニュアンスが強い。その後にジャムの様なブラックベリーやダークチェリーの様な果実味が感じられる。その後に茎やハーブ、リコリスが来る感じ。ほのかな土や炭焼き、粘土、樽の焦がした香り。こちらも香りの凝縮感が半端ない。
全房的なタッチより抽出の方が強い様な気がする。
ややタンニンが目立つが、しかし滑らかで、酸も柔らかい。
香りの印象通り丸みを感じさせるアタック。
旨味の裏に甘みすら感じる。濃密なブラックベリーと茎。瑞々しさすら感じる。



【所感】
大変素晴らしいかったです...
いやなんなのほんと...尊い...(語彙貧)
年末からこっち脳髄が麻痺する様な強烈なブルゴーニュ飲んでて日常生活に戻れるんだろうか...

まずはドーヴネのフォラティエール。
ピュリニーモンラッシェの中でも有数の1級畑。
これ、個人的な感覚では、実は結構モンラッシェクラスの熟度ではないかと思ってます。
クリームブリュレや焼き栗、バタークリームなどの濃密な甘露さ、そして大きなボリューム感と香りの規模感、ボディの厚みがそんな感じなんですよね。
オレンジを思わせる厚みのある酸もまさにそんな感じというか。ボリューム感があるのに決してダレてないという。
ハーブや燻製の様な複雑味もあります。
香りもすごいのですが、やはり驚異的なのが舌触りと余韻の鮮明さと長さでしょうかね。口の中で旨味が爆発して、甘露な余韻が鼻と舌をゆーっくり通り抜けていくという。
テロワールを重視するマダム。これがポテンシャル全てを引き出したフォラティエールなのだとしたら...恐ろしい。
何度か飲んだことのある畑ですが、やっぱり一つ頭抜けてますね。

次は赤です、両方とも1998。
これがかなりの違いがあって驚いています。
片や1級、片や村名畑。
フルミエールはさながら赤い花が群生する森、コンボットは柔和で落ち着いたマダムといった感じでしょうか。
双方ともに強烈な芳香を放っていて、鮮烈です。香水の様です。その中に梗の複雑さが巧みに織り込まれている様な感じですね。
構成要素は本当は近しいけども、各々のパラメータのバランスが異なっていて、全く違う姿を見せている。色彩が違う。
モチーフを精密に描写するためにはパレットに置く色が多い方がいい、全房発酵や新樽比率が高いのはそのためかもしれません。もちろん、並みの生産者だと色の多さ、選択肢の多さにバランスを崩して混沌としたものになるかもしれませんが。
どちらも群を抜いて複雑で、言葉では語りつくせない。比較してそんな印象を受けました。これは比較してみないとわからないですね。前回のクロ ヴージョ単体では気がつけなかったことでした。


では個別に。
まずは格下のフルミエールから。
構成要素のバランスは青さ・華やかさ・スパイスを軸に、果実味とミネラルで骨格を形成。梗のニュアンスと(そもそもシャンボールミュジニーの果皮が薄いのか)繊細な抽出による華やかが軸に見られます。そこに酸味と旨味を活かした凝縮した果実味がボディを支えます。これらの要素が乖離せず、一塊として感じられます。他の生産者ならヴォーヌロマネにも近い華やかさを見せますが、梗や樽の絡み方、液体の密度からシャンボールミュジニーである事を示しています。
口当たりも白眉で旨味を良く包含し、余韻も極めて長いですね。

次にコンボット。
こちらは華やかな強い香りが一気に抜けていくタイプというよりは落ち着きのある丸みを帯びたワインの印象です。
構成要素のバランスはドライフラワーの様な華やかさ、果実味を軸に、梗や土のニュアンス。
円熟した華やかさとジャムの様な果実味、野性味のある風味。梗の要素ははっきりとありますが、フルミエールと比較するとやや控えめです。梗や果実味の方がより熟成感が出るのか、シャンボールミュジニーの若々しさと比較すると、所々熟成感のある香りがあるのが特徴的ですね。
舌触りや余韻はこちらも完璧で、旨味の裏に甘みさえ感じます。落ち着いてはいますが、こちらもすごいワインです。

WAが評価するヴィンテージとしてはドーヴネが長熟なのを考慮すると、いずれも丁度美味しい時期ではあると思います。いいタイミングで飲めたな...









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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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