【ボルドー:42】ちょっと熟したソーテルヌ、ギロー。

こんにちは、HKOです。
本日はちょっとだけ熟したシャトーギローです。


【データ】
シャトー ギローはソーテルヌ地区最大のシャトーの1つ。所有者はハミルトン ナービイ(1981~)で、買収後はディケムのように一粒一粒ブドウを摘むことや、樽発酵や新樽での長期熟成といった手法をギローでも採用し、品質を向上させている。
ソーヴィニョン ブランのブレンド比率が高いが、遅摘みにより熟した粒だけを確実に収穫。存外にリッチなワインが出来る。1983年ヴィンテージ以降のギローはバルサック/ソーテルヌ地域でトップ6に含まれる。
平均年間生産量は9600本。作付け面積は85ha(ソーテルヌ最大級)。平均樹齢は25年、平均収量は12hl/ha。発酵と30ヶ月間の熟成はオークの新樽で行う。清澄も濾過も行う。
ボルドー シュペリュールの赤ワインと、辛口白の「G」もリリースされている。



【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ギロー 2006
品種: セミヨン65%、ソーヴィニヨンブラン35%

やや濃いめのイエローで粘性は高い。
完成度の高いソーテルヌだが熟成感はほとんど感じられない。
ソーテルヌの王道的な作り。
オイリーでエナメルリムーバーやヨード香の様な風合い。そして黄桃やアプリコットの様な力強い果実味があり、ハチミツや白カビなどの要素。
そして白胡椒や白い花の様な風味も感じられる。
酸がしっかりと引き締まっていて、糖度は高くともダレた部分はほとんどない。甘露さはハチミツに近く、ハーブや洋梨のコンポートなどの余韻がある。


【所感】
レストランやワインショップでは、ソーテルヌの中では比較的よく見るシャトーギロー。ただ実は今回飲むのは初めてだったりします。
2006年と10年程度の熟成は経ていますが、流石に貴腐、殆ど熟成感を感じません。多少酸やクリアさの部分は落ち着いてはいますが、殆どリリースしたばかりと変わらないのではないかと思います。
品質は流石に上等で、ソーテルヌの王道的な作りをしていると感じました。黄桃やアプリコットを煮詰めたような果実味、蜂蜜、白カビなどの要素を感じます。
酸もちゃんと引き締まっているのもいいですね。
甘口で感じるダレはなく、バランス良くまとまっています。
価格もそう高くはないので、選択肢には入れやすい貴腐だと思います。



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【ボルドー:41】熟成した右岸の高品質ボルドー Part2

こんにちは、HKOです。
本日は右岸2回目。念願のテルトルロートブッフです。


【データ】
テルトル ロートブッフはヴァランドローと並ぶサンテミリオンにおけるシンデレラワイン。
フランソワ ミジャヴィル相続以降、1980年代から急激にその評価を伸ばし、徹底した品質管理を行なっています。
その高品質からムエックス社を通じ、パーカーに試飲してもらった結果、今の名声を築き上げています。
畑はラ モンドットに隣接。パヴィの丘の南向き及び南西向き急傾斜面。石灰質を含んだ粘土質土壌。
栽培面積は5.7ha、生産本数25000本、樹齢40年、収量は33hl/ha。
コンクリートタンクで3~4ヶ月マセレーションと発酵。
新樽100%で18ケ月から22ケ月熟成。樽内マロラクティック発酵。
セカンドワインはロック ド ガンプ。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー テルトル ロートブッフ 1993
品種: メルロー85%、カベルネフラン15%

外観はやや濃いめの橙を帯びた透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
非常に高い凝縮感があり、若々しく果実味に満ち溢れている。ブランデーを思わせる品の良さ。キャラメルトフィーやチョコレート、ブラックベリーやプラムの様な熟した果実味がある。程よくミルクティーの様な風合いも感じられる。そして濡れた土や枯れた草の熟成香がおり混じっている。徐々にスモーキーさや燻製肉の様な香りも帯びてくる。チョコレートバナナ、ほのかにドライフラワー。バニラの様なMLF要素もある。
香りからは想定できない様な酸とタンニンの滑らかさ。
旨味もよく出ているが、少しタンニンが優勢かもしれない。果実味と木材、燻製肉の様な風味が素晴らしい。
かなりしっかりと作られている。


【所感】
テルトル ロートブッフです!
セカンドのロック ド カンブのあまりの美味さに、ファーストは如何程美味いんだろうか...と思いを馳せたりした時期もありましたが、遂に飲む機会に恵まれました。
結論、やっぱすごいワインです。メチャクチャ美味いです。
性質としてはすこしニューワールド的な性質が色濃く感じられるのですが、樽の甘い香りと果実味の凝縮感が高いレベルで融合しています。
MLFの要素もあり、甘やかかつ華やかに仕上がっていると思います。
割とはっきりとした味わい、力強さで、コンセイヤントの繊細さとはかなりタイプが違うと思います。
基本的に経年を強く意識をさせないワインですが、とはいえちゃんと熟成香もあり、タンニンと酸もしなやかに落ち着いてきています。
いいですね。シュヴァルブランほど浮世離れしていないし、オーゾンヌほど難解でもなく、パヴィほどタニックでもない。いい意味でキャッチーで親しみやすいタイプの味わいかと。
念願叶いました、やったぜ!



【ボルドー:40】熟成した右岸の高品質ボルドー Part1l

こんにちは 、HKOです。
大変お待たせしておりました。

ようやくワインの記事が溜まってまいりましたので、更新していきます。
1回目はサンテミリオンの実力派シャトーの熟成です。



【データ】
シャトー ラ コンセイヤントはポムロールにおいて高く評価されているワインの1つ。ニコラ家が所有している。
1970年代、1990年代のワインは傑出しているとは言いがたく、しかしながら1980年代のものは輝かしいワインを生み出しているという、多少ムラが見え隠れするシャトー。
ブドウ畑はポムロールの東寄り、レヴァンジル、プティ・ヴィラージュ、ヴィユー・シャトー・セルタンの隣で、サン=テミリオンとポムロールのアペラシオンの境界にあり、土壌は粘土と鉄分の鉱床が混じった深い砂利質土壌。
平均年間生産量は6万5000本、作付面積は7.9ha、平均樹齢40年以上、平均収量は45hl/ha。
発酵とマセレーションは温度管理されたステンレスタンクで30日間。マロラクティック完了後の熟成はオークの新樽で18ヶ月。清澄はするが濾過はしない。ポムロールの典型からすると、やや早飲み傾向にある。


シャトー キノー ランクロはサンテミリオンで急激に評価を伸ばしている生産者。
リブルヌ市の市境にある、塀に囲まれたここの畑(ブドウはこのアペラシオンで最も樹齢が高いものの1つ)に位置している。
97年のファーストヴィンテージより破竹の勢いで、その最もたる理由はアラン及びフランソワーズ・レイノーによって運営されている点。
ブドウの2段階選別、ブルゴーニュ・スタイルのビジャージュ、逆浸透膜、ミクロ・ビュラージュ澱との撹拌など様々な手法によって品質が向上されている。
コールド・マセレーションは7℃で10日間。28℃で3日間の発酵と10日間のマセレーションは温度管理されたコンクリートと木製の槽で行う。マロラクティックと16ヶ月間の熟成はオークの新樽60%で行い、そのうち8ヶ月は細かい澱に触れたまま育成(澱引きはしないが、樽の自動ローテーションを行う)。清澄はするが、濾過はしない。
2001年には、 最終アサンブラージュの際には少量のマルベックを加えている。
平均年間生産量は6万本、作付面積は20.0ha、平均樹齢50年、平均収量は38hl/ha。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー キノー ランクロー 1997
品種: メルロー70%、カベルネソーヴィニヨン 20%、カベルネフラン10%

外観は橙を帯びた透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
剥き出しの熟成メルローで強力な旨味を感じさせるダイナミックなサンテミリオン。
凝縮したブラックベリーやダークチェリーと土や枯葉などのスーボワを思わせる様な熟成香が混じる。熟成肉の様な強力な鉄分、干し草。リコリスなどのスパイス香。ベーコンやドライフラワー、アルコーリックな要素が感じられる。
タンニンや酸は落ち着いていて、シルキーなタッチ。
ただし旨味はものすごく出ていて強力。濡れた木材や果実の香りがよく表れている。


生産者、銘柄: シャトー ラ コンセイヤント 1997
品種: メルロー80%、カベルネフラン20%

外観は橙を帯びた透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
マロラクティック発酵がしっかりと感じられ、エレガントでカベルネフランの特徴が比較的しっかりと出たポムロール。
ミルクティー、コンポートの様なブラックベリー、ダークチェリーなどの熟した果実味。タバコ、ほのかに濡れた土の香りやリコリス、ピーマンなどの青さ。ドライフラワー。スパイス、血の様な鉄分が調和する。徐々に特徴的な獣香が表出。
酸がやや優勢ながらもタンニン含めてかなりシルキー。
やや青みと引き締まった旨味、そして華やかな余韻を残す。重くなく、軽妙で繊細。


【所感】
今回はキノ ランクロとコンセイヤントです。
コンセイヤントは右岸の中でも個人的にとても好きな生産者で、豪華で力強いワインを作っている右岸の中において、繊細、かつ緻密なワインを作っています。ただそんな作りだから、ややブレが見られる事が多いようですね。
キノーランクロは初体験です。シンデレラワインとしてはヴァランドローと同じくらいのタイミングで有名になってきた生産者ですね。
今回はともに90年代の中盤あたりのヴィンテージ。熟成経年数としては程よい感じかと思います。
まずはキノーランクロ。
新樽比率はまぁまあ高いですが、あまり新樽的なニュアンスは感じません。
控えめですね。剥き出しのメルローといった作りになっています。
あまり重いタイプのワインではありません。熟成を経た事も多分にあろうかと思いますが、凝縮感はありながらも果実味と熟成香、鉄分の要素がバランス良く配されています。逆に器用貧乏でこれといって大きな特徴はない、良くできたサンテミリオンのワイン、といった感じではあります。
とても美味しいし熟成感も良いのですか、突出した部分は基本的にはありません。
液体の旨味に関してのみ、非常に強く出ていて、落ち着いた酸味とともに口の中に広がる味わいは素晴らしいと思います。
若いヴィンテージを一回飲んでみたいですね。

ラ コンセイヤントはとても良く出来ています。
こちらもやはり力強いワインという訳ではないのですが、非常にエレガントに仕上がっています。ミルクティーなどのマロラクティック発酵の要素とともに熟した黒系の果実味、そこにカベルネフラン的な青さを程よく感じます。
樽に起因するものなのかもしれませんが、土っぽい要素もありますね。
鉄や獣香なども混ざり複雑なニュアンスを醸し出しています。
酸はシャトーの特徴ではありますが、多少優勢で、華やかなドライフラワーの余韻を残しています。
複雑かつ繊細なワインです。ただすぐに壊れるタイプではありませんが、感じられる要素は多いし、いわゆる右岸の力強さ、豪華さとは一線を画したワインに仕上がっていると思います。

やはり右岸は毎度新しい発見があって面白いですね。







【ボルドー:39】サンテミリオン第一特別級A2本、パルメの伝統的かつ異質なワイン。

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーのグランヴァン3種です。


【データ】
シャトーパルメはメドック第三級でありながら第一級に匹敵するスーパーセカンドとして扱われるシャトーのうちの一つ。
小塔のある個性的な建造物のあるシャトーだが、製法は伝統的。
主だった特徴としてメルローを多く使用している点とマセラシオンの期間が28日から30日間と非常に長い点が挙げられる。90年代後半からセカンドラベル(アルテレゴ)を導入し劇的な品質向上している。
栽培面積は52ha。平均樹齢35年程度の葡萄を、平均46hl/haの収量で栽培。除梗を行った後、破砕をし、アルコール発酵とマセラシオンはステンレス槽で28~30日間行われる。新樽45%で20~21ヶ月熟成後、無濾過で瓶詰めが行われる。
今回のヒストリカル19thセンチュリーは19世紀のボルドーワインが酒精強化の為にエルミタージュをアッセンブラージュしていた事からインスピレーションを受けて作ったもの。250ケース。コルナスからコートロティの北部ローヌのシラーを30%混醸。新樽40%で18ヶ月熟成。

シャトーパヴィはサンテミリオン最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。所有者はジェラール&シャンタン・ペルス。サンテミリオン有数の大きな畑を保有。もともと人気があるシャトーではあったものの、前所有者の元で作られるワインそのものは必ずしも評価の高いものではなかったようで、1998年に所有者が変更になりセラーへの設備投資を増強して以来品質が劇的に向上した。
栽培面積は35ha、平均樹齢43年、平均収量は28~30hl/ha。発酵とマセレーションは温度管理された小型の開放型の木製タンクで4~週間。熟成は細かい澱に触れたままオークの新樽で18~22ヶ月。樽内マロラクティック発酵。、清澄も濾過もしない。年間10万本程度。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトーパルメ
銘柄: ヒストリカル 19th センチュリー 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は強い。
極めて豊かな果実味があるが、樽香に紛れてシラー的な特徴は然程強くは感じない。(ねっとりとした上白糖のような果実味は確かにシラー的と言われればシラー的)
熟したブラックベリーやプルーンのような果実味、バニラやミルクポーションの様なまろやかさと果糖ヨーグルト、そして焦がした木材、メイプルシロップの様な樽香が調和している。甘く滑らかトースティな香りが主体的。
ほのかに薔薇やスミレの華やかさがあるが、あくまで果実味主体。血や鉄分、ユーカリやリコリスなどのハーブ香がある。青臭さはない。
やや酸に寄った味わいで、タンニンは滑らか。
フレッシュな黒系果実とメイプルシロップの様な余韻を感じさせる。やや線が細く、ミディアムなボディとなっている。


生産者、銘柄: シャトー パヴィ 2005

WA98pt
外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
やや酸化を帯びてソースの様な濃密な香りになっている。
ナツメグやデーツ、トマトソースの様な香りを主軸として、ブラックベリーのジャムの様な香りを感じさせる。
ミント、焦げた西洋杉、熟成肉の様な野生的な香り。
リコリスなどの要素がある。
タンニンは見るからに強そうだが、意外とこなれており、酸も柔らかい。収斂性は高く、ソースや熟成肉の様な余韻を感じさせる。重厚なワイン。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 2008

WA98-100pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ほのかに熟成感が出始めており、濡れた木材の香りが出始めている。果実味も豊かだが、熟成感と均衡を取る様な繊細な状態となっている。
濡れた木材や杉の木の香り、枯葉の要素と共に、加糖のないジャムを思わせるブラックベリーやダークチェリーの様な果実味が感じられる。ピュアな果実味。リコリスやローリエなどのスパイス、ハーブの要素もしっかりと感じ取れる。それと共に燻製肉や生肉のような、少し野生的なニュアンス。徐々にミルクティーやバタートーストのような香りも現れる。青い葉やドライフラワー。ちょっとハーブ的な風味がある。
酸も強いがタンニンもやや刺々しい。
甘露なミルクやベリーの果皮の余韻が残る。さすがにオーゾンヌだけに余韻は長いが、こちらも熟成ならではの線の細さを感じる。


【所感】
まずはパルメのヒストリカル19thセンチュリー。
色物ですね、別地域のワインを混ぜているのでVdTになります。ただ流石はパルメ、非常に素晴らしいワインに仕上げています。基本的な方向性としては樽やMLFの要素が前に出るワインなので、ボルドー的と言えます。
もちろんシラーが混醸されている事で上白糖を思わせるボリューム感のある甘露さ、果実味はしっかりと出ていて、ボルドーにはあまり無いタイプだと思います。
そしてやはり興味深いのがそのエネルギッシュさですね。
2013年ボルドーは繊細なので、よりわかりやすいんですが、ボルドーのヴィンテージの弱さを北部ローヌのシラーのパワフルさが見事に補完している形となっています。
ともすれば、安定感は2013年ボルドーらしからぬものだと思います。
勿論70%はマルゴーなので、ボディそのものの線の細さや酸に寄った作りではあるのですが...グリニッシュさは希薄。酸はシラーではよく出るので、特に違和感はないと思います。ヴァン ド ペイの応用性の高さが非常に面白いですね。しかしボルドーとローヌって遠いのに大変ですね...
ぶどうで持ってくるってのも違和感あるし、やっぱバルクワインなんでしょうか。

お次はパヴィ。
サンテミリオンのグランクリュクラッセAで最も堅牢で強靭なタイプだと思っています。
残念ながらやや酸化気味のコンディションではありましたが、並外れた強靭さと果実味の凝縮感は十分に感じられました。故に非常に惜しい事をしたものだと。
凝縮感においてはボルドーの典型と言うよりはむしろカリフォルニアにも近いものになっており、参加前においては果実味の発露も相当なものであったと思います。
参加した事によりソースやジャムの要素が色濃く現れていますが、その香りの強靭さたるやボルドーではそうそうないものではないかと。
見るからにタニックそうですが、その実舌触りはシルキーで程よい熟成を感じさせる作りとなっていると思います。

最後はオーゾンヌ。
やはり繊細で複雑な要素がおり混じったワインである事がよくわかります。タイプとしてはオーブリオンやラフィットの様な方向性に近いです。香りや味わいがそうであるというよりは、重くなりすぎず、複雑さを強く感じさせる部分ですね。今回の2008年は果実味と熟成香の均衡が極めてよく取れている状態です。
枯れた木材や葉、ハーブやスパイスの複雑な要素に砂糖の含まれていないピュアな黒系果実、そして熟成肉のような旨味を感じさせるアミノ酸的な風合いを感じさせます。
ただ味わいはやや酸が前に出ており、タンニンもまだこなれていない状態。アルコール度数の高さで滑らかに感じさせるワインでもないですから、やや刺々しさを感じさせるものとなっています。オーゾンヌとしては最上級のヴィンテージに当たりますが、熟成の狭間ともいうべき微妙なラインに位置しているのかもしれません。
ただ香りから若かりし頃の素晴らしさが窺いしれるというものです。香りに若々しさが残るので、これからタンニンや酸がこなれた時にどう進化を遂げていくのか非常に楽しみです。

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【ボルドー: 38】ボルドー最高峰の白 水平テイスティング2013

こんにちは、HKOです。
本日はボルドー最上の白2013年水平です。


【データ】
ラ ミッション オー ブリオン ブランはラ ミッション オーブリオン所有のボルドー最上の辛口白ワインの一つ。1927年に、当時のシャトー ラ ミッション オーブリオンの所有者フレデリック ヴォルトナーによって設立された。追加購入したクロ ラヴェイユと含め1927~1930年はシャトー ラ ミッション オー ブリオン ブランとして販売を開始、1934年からはシャトー ラヴィル オー ブリオンとしてリリースされていましたが、2009年からは元のラ ミッション オー ブリオン ブランとして、高い評価を守り続けています。
土壌はラ ミッション オー ブリオンの畑よりも砂利が少なく、粘度が高い土壌。
平均年間生産量1万200本うち95%は輸出されている。
栽培面積はわずか3.7ha、かつ平均収量35hl/haというち低収量。平均樹齢は51年。
発酵と13~16ヶ月間の熟成はオーク新樽で実施。清澄も濾過もしない。

シャトー オーブリオンは5大シャトー唯一メドック以外から選定された第一級シャトー。拠点はグラーヴ地区ペサックレオニャン。現在はクラランス ディロンが指揮を執っている。一時期評価が低迷した時期があったが、1978年からネガティブセレクションをより厳格に行なうようになって以降、品質が回復し、今や第一級に恥じない品質を保持している。
今回は僅か2.7haから生み出される年間7800本の貴重な白。平均樹齢36年、収量は35hl/ha。
クリスチャンムエックス同様、房ごと切り取るグリーンハーヴェストを行ない収穫はすべて手作業で行なわれる。
温度調整をシステム的に行ないながらステンレスタンクでアルコール発酵を30℃で実施、新樽熟成期間は最大30ヶ月と瓶詰め時期が最も遅い。清澄は卵白を使用し、濾過はされない。
発酵は新樽で。その後澱に触れたまま新樽100%で16ヶ月熟成。濾過も清澄もしない。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: ラ ミッション オーブリオン ブラン 2013
品種: セミヨン83%、ソーヴィニヨンブラン17%

外観は透明に近いストローイエロー、粘性は中庸。
セミヨンの影響でオーブリオンブランと比べるとやや重心が低めで、丸みやふくよかさが感じられる。
ソーヴィニヨンブランの熟したライムの様な柑橘の酸味、そしてセミヨンらしさが溢れる白桃の果実味や百合や白い花の香りが融合し、突出。非常にクリアな質感でありながらシロップや蜜を思わせる甘露さは極めて強い。そこにMLF的なパンケーキなどの要素も感じられる。ハーブ、青草のニュアンスは控えめ。ヘーゼルナッツ、キルシュ、白檀など。
時間経過と共に甘露さはより強くなっていき、シロップにスポンジケーキに漬けた様な甘露さが現れる。
アタックは非常に落ち着いていて、酸は極めて柔らかい。
旨味が突出しており、さながら強い出汁を飲んでいる様な感覚。旨味の広がり方が巧みで出汁から柑橘へ、甘みを伴いながらミルキーな余韻を残していく。


生産者、銘柄: シャトー オーブリオン ブラン 2013
品種: ソーヴィニヨンブラン54%、セミヨン46%

外観は透明に近いストローイエロー、粘性は中庸。
むせ返る様な香りの強さ。鋭角的で凝縮感が非常に高い。
明確で鮮明な輪郭と高い熟度を持ちながらもソーヴィニヨンブランとしての個性を非常に強く残している。
キュッとしたミネラル感。そしてシトラスやグレープフルーツをそのまま噛み締めた様な酸味と果実味、そして強いシロップや蜜、パンケーキを思わせる甘露さ、青草などの要素が大きく広がっていく。付帯して白い花や百合の様なニュアンスが柑橘とシロップのニュアンスに融合していく。ムスクや白檀、フレッシュハーブなどの香りが混じり合っていく。時間を追うとより凝縮感が明確になる。
甘さは収まっていき柑橘の強さがより高まる。ピュアさがある。
酸は強めでシャープ。ただトゲトゲしさはなく、グリセリン的な丸みがあり、ラ ミッションによく似た出汁や柑橘の余韻を残していく。しっとりと広がる凝縮感。


【所感】
ボルドーにおける最上の白の2本です。
並べて飲むと品種特性の違いが際立って感じます。
ラミッションの方が明らかにボリューム感がありリッチ。オーブリオンはソーヴィニヨンブランの特性が比較的強めに出ていてソリッドな柑橘系や青草の要素を強く感じます。両方とも相当タイプが異なり、それでいて最上たる風格を備えています。

ラ ミッション オーブリオン ブラン。
高域で煌びやかなオーブリオンと比較すると中域でリッチさと豊満さを表現するワインになってます。
タイプとしてはかなり違いますね。いかにもボルドー ブラン、その延長線上の最上級にあるワインだと感じます。
というのもやはりセミヨン比率が高い事に起因すると考えています。金木犀や百合の白い花の華やかさはいかにもセミヨン、果実のボリューム感が高いのもセミヨンって感じですね。
白桃やライムの様な果実味、濃密なシロップや蜜の要素、パンケーキなどのふくよかな甘みが主軸に感じられ、ハーブや青草のニュアンスは控えめです。酸は柔らかく、旨味が突出。その味わいの広がり方も巧みです。
ニューワールドの優れたシャルドネを思わせる質感があります。硬質なオーブリオンと比べると、比較的早くから楽しめるワインに仕上がっています。
しかしながら本懐は熟成にあると思いますので、やはり20年は置いて飲みたいワインではあります。
今飲むラヴィル オーブリオンの90年代は本当に至高と言っても良いクオリティだと思いますので、バックヴィンテージを購入する事をお勧めします。







次にオーブリオンブラン。
今回の2013年はリリースから時間が経っていません、その為かかなり強くソーヴィニヨンブラン的な特徴を残しています。
香り、味わい共に凝縮度が非常に高く力強いという前提を置いた上で、際立つのがそのシャープネスとミネラル。
骨子に引き締まった石の様なミネラルと、柑橘を思わせる鮮明かつシャープな酸、青草の様な香りが前面にあり、そこに分離した形でねっとりとした甘露なパンケーキやメイプルシロップの様な甘露な香りが絡み合います。
抽象的な話ですが、香りに層があるとするならば、柑橘や青草が高域で、パンケーキの様な甘露さが中域にあたります。そこにセミヨンの白い花や金木犀のような甘い華やかさが感じられます。
そんな感じで色々と要素分析をしながらテイスティングしてみましたが、なんというか、このクラスのワインとなると言葉では表現できない偉大さがありますね。
2013年という若さだからこそ、まだ表現しようもあるのですが、あの2010年の適度に各要素が馴染んで矛盾なくソーヴィニヨンブランの要素と果実味、樽、MLFが層状に立体感を持って迫ってくる感じはもう筆舌に尽くしがたいですね。2013は白はよく出来た年らしいので、これからの発展が楽しみ....でありながら、なかなか見極めが難しいワインだなぁ、とも思いますね。
これ、外したらかなり痛いですよ。




プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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