【シャンパーニュ】Krug Tasting part.2(デゴルジュマン)

こんにちは、HKOです。
本日はデゴルジュマンについて追っていきます。

【データ】
クリュッグは1843年にヨーゼフ クリュッグによって設立されたランスに拠点を置く大手NM。ご存知の通り多くのファンを抱えるシャンパーニュにおける最上級メゾンで、彼らのスタンダードキュヴェである「グランキュヴェ」ですら他メゾンのフラッグシップ級にすら匹敵する品質を誇っています。現在はMHLV傘下。
圧搾機で絞られたヴァン ド キュヴェのみを20-30年使用した古い小樽でマセラシオン(新樽は使わない!)。マロラクティック発酵は行わない。そして、クリュッグの本懐であるブレンド作業に入ります。3つの葡萄品種を村、区画ごとに分けたベースワインに、収穫年の異なるリザーブワインをアッセンブラージュしていきます。熟練のブレンダーが舌だけを頼りに。瓶内二次発酵後グランキュヴェは6年間、ヴィンテージは10年寝かせての出荷。これらの要素が欠ける事無く行われる事で芸術的なクリュッグが作られる。フラッグシップはブラン ド ブランの「クロ デュ メニル」、ブラン ド ノワールの「クロ ダンポネ」の2種類ですが、まあ高すぎて中々手に入らない代物です。


4: ヴィンテージ 1990
品種: ピノ・ノワール40%、シャルドネ37%、ムニエ23%
構成: 1990年 100%
ヴィンテージ評価: 93R
デゴルジュマン: 2008年頃(遅くとも)

5: コレクション 1990
品種: ピノ・ノワール40%、シャルドネ37%、ムニエ23%
構成: 1990年 100%
ヴィンテージ評価: 93R
デゴルジュマン: 2014年夏

今回のテーマは同一ヴィンテージ、デゴルジュマンの差を見ていきたいと思います。



【テイスティングコメント】
生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ ヴィンテージ 1990
品種: ピノ・ノワール40%、シャルドネ37%、ムニエ23%

デゴルジュマンは2008年頃。
黄金に近いイエローで粘性は中庸。泡はやや弱々しい。
素晴らしい香り。完全に甘露さ、塩気、果実味が調和している。その分ワインとしてのボディはコレクションと比べると弱くなっている。
ほのかに塩気を帯びた杏仁豆腐、そして洋梨のコンポート、ほのかなカラメルやブランデーの様な甘露なニュアンスがある。焦がしたニュアンスとプリンの様な甘みが表層にあり、その奥に熟成によるドライハーブやシナモン、ごく僅かにカマンベールの様なタッチ。
徐々にネクタリンの様な厚みのある酸が現れてくる。
蕩けるような甘さを熟成の核種系の塩気、バターで引き締めている。徐々に濡れた木材のような風味が現れ、プリンのような風合いが。黄金飴のような甘露さが軸となる。
酸味はかなり柔らかいタッチになっているが、やや鋭さの残るタッチ。厚みと旨味はあるが、基本的に滑らかで舌にストレスがかからない。滑らかで、温州みかんやバターのような風合いが口の中に広がる。余韻は非常に長い。

【総合評価】
酸(厚み) 1
酸(鋭さ) 3
果実味(甘露さ)5
果実味(旨味)3
樽 3
MLF4
塩気 5


生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ コレクション 1990(RD)
品種: ピノ・ノワール40%、シャルドネ37%、ムニエ23%

デゴルジュマンは2014年秋。
黄金に近いイエローで粘性は中庸。泡はしっかりと立ち上っている。
ややピーク気味なヴィンテージと比べると、ボディにまだまだしっかりとした厚みと強靭な甘露さを放っている。
テクスチャーも調和というよりは鮮明。しっかりと香りの個々の要素が認識できる。
ホイップクリームやバターのニュアンスの中にドライハーブの要素と、ネクタリンや花梨の厚みのある果実味、そして出汁の様な旨味の渦。焦がした木材の様なニュアンス。
MLFと酸化ニュアンスのある果実味が優勢でありながら、熟成による出汁やメイラード反応による焦がした香りがかなりでてきている。基本的には若々しさの中に熟成ニュアンスを付加させたボディの強い感じ。
徐々に濡れた木材とバターの要素と甘露さが組み合わさり、生姜のコンポートに。
泡を明らかに感じる強さで、酸味も164のような厚みがある。ヴィンテージの経年を感じさせない力強さがあるが、含み香は複雑でオレンジやバターなどを感じさせる。昆布のような旨味がある。

【総合評価】
酸(厚み) 5
酸(鋭さ) 3
果実味(甘露さ)4.5
果実味(旨味)5
樽 3
MLF4
塩気 5




【所感】
流石に両方ともめっちゃいいです...
元がとても良いだけに素晴らしい熟成を経ている。
今回のこれは以前からずっと検証をしているデゴルジュの答え合わせ的な側面があります。
ドンペリニヨンとエノテーク、ペテルスのシェティヨンとそのエノテーク。
ベースの熟成を理解した上で、レザマンデゴルジュがどの様な影響をワインに与えるか、というのを見て行った時に、いわゆるヴィンテージと全く違う熟成の仕方をしているのが分かります。
旨味系の成分は熟成なりの出方をしているのですが、ボディや泡は非常に若々しくまだまだ熟成の先を感じさせる様な形となっているのがエノテークでした。
では今回のコレクションと通常のヴィンテージは何が違うのか。
こちらも例に漏れず、上記の変化と相違は無いような気がしました。
泡やボディは通常のボトル熟成のヴィンテージと比較すると圧倒的に若々しく、溌剌としています。
酸も2008年ベースの164同等の厚みがあります。対して、ヴィンテージは泡もボディも酸も経年なりの柔らかさを見せています。これはこれでとてもいいのですが。熟成のポテンシャルで言うと圧倒的にコレクションでしょうね。

では164の2008年ベースと酸やボディは近いけど、香りとしてはどうなのか。
これがかなり違います。元は1990年なので、かなり変化しています。
むしろリザーブワインを使っているグランドキュヴェよりも還元的で、最初は香りがなかなか開いてきません。
もちろんものの10分~20分程度でほぐれはするものの、そこがブレンドと単一ヴィンテージの違いのような気がしています。
ほぐれた後も個々の香りの要素は鮮明で融和しているヴィンテージのような感じではありません。
但し、その個々の香りが熟成している。
果実味は厚みを持ち、フレッシュな白桃や柑橘というよりはアプリコット的。
そして樽が元である香りは焦がしたようなニュアンスを帯び始め、ホイップクリームのようなMLFの香りと調和しています。
徐々に香りの甘みも前に出始めてきて非常に甘露な風合いになります。
最初からクリームブリュレのような魅惑的な香りを放っているヴィンテージと比べると多少は難しいですが、熟成を進めた時にどのような風合いになるのか楽しみではあります。
ヴィンテージも非常に素晴らしく、個人的にはヴィンテージの方が好みであるくらいなのですが、箱入りの様なストレスを感じさえないコレクションもなかなか今後の楽しみを感じさせるものになっていますね。

以上。
次はクリュッグファン垂涎のあの2本です。

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【シャンパーニュ】Krug Tasting part.1(スタンダードライン)

こんにちは、HKOです。
今回は3回に渡ってクリュッグです。
今回はスタンダードキュヴェ。これから先はどこまで行くのか...それはお楽しみで!


【データ】
クリュッグは1843年にヨーゼフ クリュッグによって設立されたランスに拠点を置く大手NM。ご存知の通り多くのファンを抱えるシャンパーニュにおける最上級メゾンで、彼らのスタンダードキュヴェである「グランキュヴェ」ですら他メゾンのフラッグシップ級にすら匹敵する品質を誇っています。現在はMHLV傘下。
圧搾機で絞られたヴァン ド キュヴェのみを20-30年使用した古い小樽でマセラシオン(新樽は使わない!)。マロラクティック発酵は行わない。そして、クリュッグの本懐であるブレンド作業に入ります。3つの葡萄品種を村、区画ごとに分けたベースワインに、収穫年の異なるリザーブワインをアッセンブラージュしていきます。熟練のブレンダーが舌だけを頼りに。瓶内二次発酵後グランキュヴェは6年間、ヴィンテージは10年寝かせての出荷。これらの要素が欠ける事無く行われる事で芸術的なクリュッグが作られる。フラッグシップはブラン ド ブランの「クロ デュ メニル」、ブラン ド ノワールの「クロ ダンポネ」の2種類ですが、まあ高すぎて中々手に入らない代物です。
今回は以下の3本です。


1:グランキュヴェ エディション 164
品種: ピノノワール48%、シャルドネ35%、ピノムニエ17%
構成: ベース 2008年、リザーブワイン1990~2007(127種)、リザーブワイン比率38%。
デゴルジュマン: 2014年春

2:グランキュヴェ エディション 166
品種: ピノノワール 45%、シャルドネ 39%、ピノムニエ16%
構成: ベース 2010年、リザーブワイン1998~2010(140種)、リザーブワイン比率42%。
デゴルジュマン: 2015年秋

3: グランキュヴェ ロゼ エディション 20
品種: ピノノワール47%、シャルドネ37%、ピノムニエ16%
構成: ベース 2007年、リザーブワイン2002~2006(45種)、リザーブワイン比率32%。
デゴルジュマン: 2015年秋


【テイスティングコメント】
生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ グランドキュヴェ エディション 164
品種: ピノノワール48%、シャルドネ35%、ピノムニエ17%

外観は明るいストローイエローで粘性は中庸。泡は勢いよく立ち上っている。
厚みのある酸化のニュアンスが優勢で、クリーミーなバターを思わせる芳香が前に出ている。そこにナッツのニュアンスが統合している。果実味優勢。
具体的には塩気があり、ネクタリンの様な果実味の厚み、発酵バターの様なアロマとともにイーストやカシューナッツの様な香ばしい風味がある。
徐々にイーストが支配的になり、堅牢かと思われた166よりこちらの方が頑なであることがわかる。
徐々に塩気が強くでてきており、そこに甘みが乗るイメージ。ハーブ、シェリーなど。
166同様こちらもスモーキーなニュアンスが出てくるが、そちらほどではない
。エンドノートは生姜。
香りの印象と違わず、厚みのある口当たりで、鋭い酸というよりめちゃくちゃ厚いネクタリンの様な酸。シェリー的な複雑なニュアンスがある。
余韻も長い。

【総合評価】
酸(厚み) 5
酸(鋭さ) 2
果実味(甘露さ)3
果実味(旨味)5
樽 2
MLF 4
塩気 4




生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ グランドキュヴェ エディション166
品種: ピノノワール 45%、シャルドネ 39%、ピノムニエ16%

外観は明るいストローイエローで粘性は中庸。泡は勢いよく立ち上っている。なんかローズドジャンヌのスタイルに近くなっている。
ナッツを思わせる酵母香が強く前に出ており、それを厚みのある酸化のニュアンスを支えている。イーストやナッツの堅牢的なアロマから、徐々に芯の通ったカリンのコンポート、白桃の柔らかさが現れる。そこに塩気が混じり塩スイーツの様な旨味が感じられる。ブリオッシュになり、フレッシュハーブが混じりほのかなクリームブリュレに統合されていく。エンドノートは生姜。
放置状態で最終的には強靭な木材、スモーキーな樽香が一気に上がってくる。
ややこちらの方が酸は鋭く、厚みはあるが164ほどではない。核種系、青リンゴの酸を思わせる厚みがあり、柑橘も帯びている。

【総合評価】
酸(厚み) 3
酸(鋭さ) 4
果実味(甘露さ)4
果実味(旨味)4
樽 2
MLF 3
塩気 3




生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ グランドキュヴェ ロゼ エディション20
品種: ピノノワール47%、シャルドネ37%、ピノムニエ16%

外観は淡いピンクで粘性は中庸。泡は強く立ち上っている。
クリュッグのロゼで、164の様な酵母の香りが主軸になっている。
カシューナッツを思わせる香り、基本的にロゼ感よりブラン感が強いが、ネクタリンの他にロゼらしいチェリーの様なフレッシュな果実味が感じられる。リザーブワインによる酸化感もあり、旨味もしっかりと表出している。
ドライハーブ、赤りんごの様な酸の厚さ、チーズの様な風合い、くるみの様な香ばしさがある。
酵母とハーブ感が結構前に出ていて、果実味が後追いする。やっぱりローズドジャンヌ的になっている。
酸は比較的柔らかく、厚みもほどよい。
チェリーやリンゴの様な果実味の余韻があり、
甘みはないが、引き締まった凝縮感は確かにある。




【所感】
えっ...クリュッグって何、エディションなんてできたの...?
完全に浦島太郎状態のHKOです。今回はグランドキュヴェ中心で。
いわゆるクリュッグのスタンダードキュヴェですが、エディションで差別化する事にしたんですね。
これでグランドキュヴェ何本も買わなくちゃいけなくなりますね。
マーケティング上手ね。(荒んでる)

で、今回はその164と166を比較していきます。
これ、作りの方向性は近いんですが、味わいにはかなり差があります。
共通点としては、ナッツや酵母香が強めにあり、樽は両方ともあまり目立っていないと感じました(多少のバランスの違いはありますが)
なんだかちょっとローズドジャンヌのあの独特のニュアンスにも近いよなーと。前のグランドキュヴェはそんな事なかったと思うんですけどね。

違いとしては164は酸の厚みと旨味が突出していて、そのかわり166の様にフレッシュな酸が無い、という感じ。
果実味は双方しっかりあるんだけど164はやや塩気と旨味が強くて核種系のフルーツ、166は塩気は控えめだけどそのかわり桃の様な甘露な風合いが結構際立って感じられます。
でもこの違いって何かというと、作柄とか製造方法とかそういうのではなくて、単純に166より164の方が1年早い。1年余計に熟成している事に起因している様な気がします。
イメージ、酸が弱くなって、塩気と旨味がでてきて、甘いフルーツの香りが減退している。という。
スタンダードな経年変化という感じがします。

つまりエディションごとに大きな差は実質無いのかも。
飲むタイミングによって経年が違うので、断面ではかなりの差異になるのかもですが。166、来年飲むと164みたいになってたりして。

166はその本質というか甘露さが感じ取れるまでは、少しグラスで待つ必要はありますが、待つだけの価値はあるし、164は酸化系のシャンパーニュのすごくいいところをよく表したワインだと思います。

混合ヴィンテージなので、熟成ポテンシャルは謎ですが、ボディ的に熟成しそうな気はしてます。
いいすね。さすがクリュッグ。

おっと、ロゼを失念してましたね。
ロゼはイメージとして166とちかいかなと。ベースワインは164より古いんですが、構成するリザーブワインが166や164より若いんですよね。2000年代。
164よりも166に近く感じるのはそれが原因かも。
いわゆるロゼ的なストロベリーやレッドカラントの要素は希薄で、ブランに近い。チェリー感はあるんだけど、全体を見るとグランキュヴェにやっぱり近いと思う。
手堅く作られた素晴らしいシャンパーニュですが、ロゼに関しては他の選択肢も見ても良いのかな、とは思います。
勿論美味しいんですが。

次回はヴィンテージです。













【シャンパーニュ】リシャール シュルラン キュヴェ ジャンヌ 2008。マジで美味いのでみんな飲んで欲しい。

こんにちは、HKOです。
本日はリシャール シュルランのキュヴェジャンヌです。今回のはマジでオススメ。
みんなマジで飲んで!


【データ】
リシャールシュルランはオーブ地区に拠点を置くレコルタン マニピュラン。
日本国内ではインポーターの尽力もあり非常に評価が高く、売り切れている所に良く出くわします。平均樹齢25年、栽培は極力自然に沿った葡萄作りを行っている。
プレスは伝統的な木製の垂直型プレス機を使用し、ステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵を行う。
今回のキュヴェ ジャンヌは、この生産者のミレジムもの。セル・シュル・ウルス村(コート・デ・バール地区)産のピノノワール100%のブラン ド ノワール。



【テイスティングコメント】
生産者: リシャール シュルラン
銘柄: キュヴェ ジャンヌ ブリュット 2008
品種: ピノノワール100%
QP: 7.4/10.0

外観は淡いイエローで泡は勢いよく立ち上っている。
やや熟成感のあるピノノワールの深みのある旨味溢れる果実味と甘い樽香、有塩バターの様な滑らかな質感がある。小石の様なミネラル感も。
オレンジやすりおろし林檎の様な酸化を帯びた果実味があり、その甘みの部分にビターなキャラメルやシダーウッド、ブランデーの様なタッチ、カシューナッツの様なニュアンスが絡み合う。
MLFに起因する有塩発酵バターの様な滑らかなタッチがあり、若々しさと熟成の狭間にある複雑な香りを放っている。ハーブ感は落ち着いている。
酸や発泡による刺激は落ち着いていて、酸化による旨味の厚さを顕著に感じる。リンゴやドライハーブの様な余韻が残る。


【所感】
値段から見たときに明らかに頭一つ抜きん出ているクオリティにも感じます。
確か私が購入したのが4000~5000円くらいだったのですが、まさかこんなに熟成の妙と果実味の集中力を感じさせてくれるものだとは思いませんでした。
スタンダードも美味いのですが、これは本当にヤバい。
とてもリッチで、樽もしっかり効いていて、熟成による厚みもあってこの値段とは...!
10000円でも嬉しいレベル!さらに熟成させても美味しいと思います。
しっかりと作られていて薄さや酸味の鋭さとは無縁なのできっといい感じかと。
めちゃおすすめです。







【シャンパーニュ】パーティーボトルだけではない品質、アルマン ド ブリニャック

こんにちは、HKOです。
大変ご無沙汰しております。

もう1ヶ月以上も放置しちゃって、広告が出放題。
ほんとすいません。

まず近況から。HKOのここ最近は後のブログにて。
まずは1発目。ワインブログらしくワインのエントリーです。

【データ】
エグリ ウーリエはアンボネイ村に拠点を置くRM。まさにスターとも言える生産者。現在はフランシス エグリが指揮を取っている。農薬は使用せず、有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、完熟した葡萄を収穫します。
醸造後はドミニクローラン指導の新樽発酵。標準的には46ヶ月の新瓶内熟成、ドサージュは僅か3~4.5g/lです。
フラッグシップはブラン ド ノワール レ クレイエール、グランクリュ ミレジム、VP。今回は事実上のフラッグシップの一つ、ミレジムです。
100%アンボネイのピノノワールとシャルドネを使用し、96ヶ月の熟成を経てリリースされます。マロラクティック発酵は行わない。



アルマン ド ブリニャックは、キャティアが製造するプレステージシャンパーニュの別ブランドで、元はアンドレ クレージファッションハウスの祭典のために手がけたボトルです。アルマン ド ブリニャックといえば、豪華な装丁とゴールドボトル。派手な外見からビヨンセやJay-ZなどのHipHop/R&Bアーティストにも愛されています。目立つ錫のラベルはコニャックの装飾業者が手作業にて貼っています。
手摘みで収穫されたぶどうは伝統的な垂直式プレス機で圧搾され、その果汁のキュヴェのみを使用。手作業でのルミアージュを行い、ドサージュ後に出荷されます。
ゴールドのアッセンブラージュはピノ ノワール、シャルドネ、ピノムニエを1/3ずつ。



【テイスティングコメント】
生産者: エグリ ウーリエ
銘柄: グランクリュ VP(ヴィエイユスマン プロロンジュ)
品種: ピノノワール60%、シャルドネ40%
QP:7.0/10.0

デコルジュマンは2014。
ほのかに酸化したニュアンスがあり、ピノノワール60%もあり、厚みと塩気を感じさせる作りとなっている。
りんごや花梨の様な核種系果実の香りと、ほのかな塩ナッツの要素、バターの様な滑らかな香りがある。
とはいえまだまだフレッシュと言えるシャープな酸味を感じさせる。


銘柄: アルマン ド ブリニャック ロゼ
品種: ピノノワール50%、ピノムニエ40%、シャルドネ10%
QP: 8.0/10.0

外観はやや赤みの強いピンク、泡は繊細に立ち上っている。
意外としっかりとした熟成感とピノノワールのキノコのニュアンスがはっきりと出ていて本格的な作りになっている。
フレッシュなイチゴやクランベリー、その茎を思わせる要素が、洋梨、リンゴのニュアンスと完全に調和している。
甘いコンポートの様な甘露さ。そしてカマンベールやキノコのニュアンス、樽がしっかりきいていて、濡れた木材、モカなどもはっきりと出ている。白檀、杏仁豆腐の様なニュアンスもある。
酸味は程よく、泡の刺激も緻密で、赤系果実とハーブの綺麗な余韻がある。旨味もしっかりあり、結構素晴らしい出来。
正直見かけだけとなめてました、すんません。



【所感】
まずはエグリウーリエのVPから。
比較的フレッシュな印象の強いウーリエですが、こちらは比較的こなれたニュアンスがあります。熟成というほどではないのですが、ほのかに酸化が進んだような旨味が出ています。
酸味はシャープながらもピノと経年による旨味の厚みがあり、しっかりとした骨格を持ったシャンパーニュになっていますり
やはりウーリエの黒ぶどう系は非常によく出来ている印象です。

次がメイン、アルマンドブリニャックのロゼ。ピンクですね。
前回ゴールドを頂いた時に、美味しかったけど、まあこんなもんか的な感じで、価格対比で見た時にボトル代がやはりでかいのでは...と思ったのですが。
今回のロゼはとても良い。かなり本格的なフラッグシップ級のロゼシャンパーニュに仕上がっていると思いました。
単に良いぶどうというだけではなくて、リザーブワインでしょうか、熟成感がほのかにあり、複雑なストラクチャーを構成しています。
熟成、ぶどうの熟度、青さのバランスがいい。
瑞々しい赤系果実と青い風味、そしてキノコを思わせる熟成香、樽香が相乗しており、旨味も申し分ない。
正直派手だしええな感覚でしたが、お見それしましたと。
これ、パーティーボトルにするのは惜しいよな、って思います。
神妙に飲めとは言う話では無いけれど、真面目に向き合いたい素晴らしいボトルだと思います。






【シャンパーニュ】ドンペリニヨン 50年の軌跡(その軌跡)




こんにちは、HKOです。
最後にまとめです。色々な観点から着目してみたので、ぜひご覧ください。



【目次】
(1) 印象の要約
(2) ドンペリニヨン1955~2005の各主要素における変化
(3) 1995 Late disgorgementの影響
(4) 1966年ドンペリニヨンとモエ エ シャンドンの比較
(5) ヴィンテージについて
(6) グラス内の変化について
(7) ペアリングについて
(8)総評



(1) 印象の要約
・2005

樽香(モカ)>ナッツ(オイル)>MLF(バター)=果実味(洋梨のコンポート)
リッチな質感。ただし酸は少し緩め。ニューワールド的な側面がある。


・1995

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ)>塩気>濡れた木材>酵母÷樽香(トースト)
酸と旨味が合わさり、厚みが出始める。


・1995 エノテーク

MLF(チーズ)=塩気+酵母(ナッツ)=果実味(柑橘)>樽香(モカ)>ドライハーブ
バランス感的には2005に近く、かつ非常に還元的。
酸や泡も強め。


・1995

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ)>塩気>樽香(濡れた木材)>酵母÷樽香(トースト)
酸と旨味が合わさり、厚みが出始める。


・1985

MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ、カラメルトフィー)=塩気・旨味> 酵母+果実味+MLF(ブリオッシュ)>樽香(濡れた木材)>果実味(フルーツのコンポート)
旨味が突出し、各要素の統合もかなり強くなっている。


・ロゼ 1985

MLF(ミルク)+樽香(コーヒー)>樽香(濡れた木材)>果実味(フルーツのコンポート)>果皮(紅茶、獣香)>甘草
骨格は1985だが、果皮の熟成要素に起因するニュアンスが混ざり合う。泡や酸はシルキー。


・1975

樽香(濡れた木、茶葉)>塩気・旨味(シェリー) =MLF+樽香+果実味(クリームブリュレ、カラメルトフィー)>果実味(白桃)
やや枯れたタッチ。ピークアウトし枯れたニュアンスと酸化的な要素が前に出始める。果実味はわずかに残る。


・1966

ヴィンテージが良かったのか、とても良好。
MLF+樽香+果実味+塩気・旨味(マディラ・ラムレーズン・バニラ)>塩気・旨味(シェリー)>樽香(濡れた木、茶葉)>果実味(アプリコット)
酸化的な要素は強いが、バランス的に果実味やMLFが同じくらい強いので枯れきった感じはない。余韻も長く良好。


・1955

樽香(鉄分+枯葉+焼き栗の皮)+酸化ニュアンス(ドライシェリー)+MLF(カマンベール)+果実味(ドライアプリコット)
一体化し複雑さという意味では減退しているし、酸化的な要素も極めて比重が大きい。ボディと立体感があるが、構成要素としては比較的シンプルになっている。


・1966 モエ エ シャンドン

酸化ニュアンス(コンソメ・羊肉・蜜蝋・鉄)>果実味(ドライアプリコット)>樽香(ココア)
酸化の要素が極めて支配的。ただ酸化要素がドンペリニヨンと全く異なる方向性となっている。



(2) ドンペリニヨン1955~2005の各主要素における変化
1:樽香の変化
樽香は比較的最後まで残るが変化がある。
モカやコーヒーから濡れた木、そして枯葉、焼き栗の皮。
進めば進むほど木材というか焦げた要素が主体的に感じられてくる。若い時も焦げを想起させるがどちらかというとロースト的。熟成後は炭に近い。焦げ(2005年~1985年)から木材(1985年~1975年)木材を残しながら炭のようなニュアンス(1975年~1955年)へ変化。


2:マロラクティック発酵によって精製された乳酸の変化
MLFは樽香ほど残らないが様々な要素と紐付きヴィンテージごとに違った側面を見せる。
2005年は単一のバターの要素として、95年、85年、75年は樽香と果実のニュアンスと紐付きクリームブリュレへ(ピークは85年)、85年は酵母と共にブリオッシュの要素も。66年は旨味とも紐付きマデイラやラムレーズンアイスクリームなどに。55年は酸化ニュアンスが主体的となり、ほぼ乳酸的な要素は感じられなくなった。


3:酸化ニュアンスの変化
酸化ニュアンスは経年毎に右肩上がり。
2005年にもわずかに感じられるが、1995年になると一気に旨味が増してくる。各10年毎の比較においても2005年から1995年の差分が参加の側面では最も大きい。
1985年は95年は2005年との差分と比べると旨味においては微増。75年はそもそも弱いからか、一気にシェリー的に。他の要素が弱いので特別強く感じる。66年はシェリー的な要素が強いが、他の要素も生きているので主体的とは言えない。55年はほぼ酸化ニュアンスに占められている。スープに近い。


4:果実味の変化
MLFと同様に様々な要素と影響しあってヴィンテージ毎に大きく変化している。
比較的フレッシュな果実本来の要素を残しているのは2005年と1995年エノテーク。そこからは甘露な香りを残しながらクリームブリュレに変化する(1995年~1975年)。旨味が主体的になるとその要素とも合わさる。(1966年)、1955はMLFが消えた影響でドライアプリコットを思わせるニュアンスとなっている。

様々な要素が有機的に変化しながらマージされておりヴィンテージ毎に一筋縄とはいかない変化を起こしている。
全ての要素が適度に残った上で一体化しているのがピークとするのであれば1985年だが、どの程度が適度かは人によって異なる為、ピークの定義は難しい。
旨味を中心とする場合1955だと思うが、若いニュアンスが好きなのであれば1995エノテークだろう。



(3) 1995 Late disgorgementの影響
端的に酸化の変化が限りなく抑えられています。
1995年とは思えないほど還元的で若々しい。
素の1995より2005年に近い。酸化の影響こそ少ないが熟成の影響はないわけではなく、果実味は引っ込み、酵母のニュアンスが支配的。旨味は95ほどではないにせよ、感じられるようにはなっている。徐々に甘露さが出てくるあたり還元状態だったのであろうが。
通常のドンペリニヨンとは全く異なる熟成の方向性の味わいになりそうだ。


(4) 1966年ドンペリニヨンとモエ エ シャンドンの比較
全く異なるシャンパーニュである事がわかる。
特に出来が良かったと思しき1966年同士の比較においては顕著で、モエ エ シャンドンはほぼ熟成起因のスパイシーさとコンソメを思わせるスープ感、ドライシェリー、樽の要素となるが(ただ決して薄くはない)、ドンペリニヨンは甘露さを軸に置きながら、樽やMLF、果実味などの各要素の結合が非常に素晴らしい。酸化しきっている前者と比べると、こちらは酸化しつつも、そもそもの要素が強固だから、ほぼ要素が生き残っている感じ。
モエ エ シャンドン 1966はどちらかといえばドンペリニヨンの1955年と近いか。


(5) ヴィンテージについて
ヴィンテージ毎の特性は下記の通り。
2005普 ドンペリニョン
1995良 ドンペリニョン
1985良 ドンペリニョン
1975良 ドンペリニョン
1966偉 ドンペリニョン
1955良 ドンペリニョン
1995良 ドンペリニョン エノテーク(現P2)
1985良 ドンペリニョン ヴィンテージ ロゼ
1966偉 モエシャンドン ブリュット(ハーフ)

今回良いと思った順序としては下記のような感じ。1985>1966>1995>1955>1995RD>2005
1985や1995は時期的に全ての要素がバランス良く整ったタイミングだと思うので、作柄というよりタイミングだと思うのですが、明らかに1966は異質でした。
熟成で枯れかけた1975と、熟成を終えてスープ苦手なっている1955の間で、変な話、若々しさがあり、ワインとしての形をしっかりと保っている。
1966が1975からの変化だと考えると、果実味とかが若々しすぎるんですよね。おそらく想定の1966と実情の1966の差分が作柄によって差分が出るものだと感じました。
ちなみに2005年はどうかというと平準的で、熟成の進み方はやや早いような気がするのですが、これもタイミングでかなり美味しく頂けました。
ただ後述しますがグラス内での足の速さは最も早かったようにも思えました。


(6) グラス内の変化について
熟成を進めば進むほどグラス内での変化は落ち着いているようにも見えます。
特に変化が大きかったのは2005と1995エノテーク。
2005は最初からかなり美味しく仕上がっていましたが、グラス内で時間を経過する度に果実味や香りが希薄になっていきました。逆に1995年は時間経過と共にそのポテンシャルが発揮、果実味も複雑さも経過によって生まれています。
恐らく2005は抜栓直後から適切な状態にあり、デコルジュをせず長期熟成をしている1995RDは、酸素不足で還元状態にあった為、適切な状態に戻るまで時間がかかったのでしょうか。
1985以前は基本的にはしばらく変わりません。1985には変化はありますが1995や2005ほどではない印象です。
熟成がゆっくりと酸化することによって変化するのであれば、酸化が進んでいるものの変化が少ないのは納得できます。ゼロではないんでしょうが、少なくとも遅いのではないかと。


(7) ペアリングについて
ちなみにペアリングも素晴らしく、メインどころだけで言うと、オマール海老とは塩気が程よく現れた95と絶妙に合致し、タルタルは牛肉の血とほのかな獣の風味と合致して、85ロゼが合いました。鱸に関してはバター風味が残る2005、1995エノテークなど比較的若いヴィンテージが合致し、お椀については出汁の風合いを思わせる1955あるいは1966と見事にペアリングしています。
これは磯の風味とシェリー系の風味との王道カップリングですね。
デセールは対象外だと思いますが、恐らく(既に空でしたが)2005年あたりと上手くあったんじゃないかと思います。
前菜も沢山あったのですが、ラングスティーヌと95エノテークのやや柑橘の効いたニュアンスがよく合っていたと思います。


(8)総評
あまり書くこともないんですが、以上となります。
個人的な主観で言うと完全に1966と1985が素晴らしかったですね。RDは少し時間がかかりそう、ポテンシャルはあるのですが。
今回長い期間の垂直でドンペリニヨンという偉大なワインを検証できたのは非常に良い経験になりました。
例えば直近の3ヴィンテージなどは結構機会がありましたが、作柄ごとの違いは分かれど、熟成の推移は分かりませんし、水平であればこれも結構機会がありましたけども、土壌の違いは分かれど、これまた熟成の推移がわかりません。
そういう意味で、1回でこれだけ経験はなかなかできないのではないかと。
大変勉強になりました。シャンパーニュの一つの基準・定点として体系化できたような気がします。
多分ね。


◾︎00年代




◾︎90年代




◾︎90年代 エノテーク




◾︎80年代
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◾︎80年代ロゼ




◾︎70年代
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◾︎60年代




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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