【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.3



こんにちは、HKOです。
最後は1本のみ。実はこちらも単一畑なのですが、レゼルヴァと少し風合いが違うので個別にしました。
ロッケ デッランヌンチアータ レゼルヴァ。パオロスカヴィーノの最上位のキュヴェとなります。ワインアドヴォケイトではほぼ95~97点と間違いなく最高峰の仕上がりを 見せています。


【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在し。

・ロッケ デッラ アンヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ロッケ デッラ アンヌンチァータ レゼルバ 2011

ごく僅かに橙を帯びたルビーで粘性は中庸。
落ち着いた出汁感や旨味が現れ始めている。
やや熟成感を帯びている。鉄分はやや抑えられ、ドライフラワーや血液、鉄分を思わせる華やかさがある。やや土を感じさせるカカオバターの要素が前に。青果売り場を思わせるオレンジが織り混ざったチェリーやストロベリーの様な瑞々しい果実味がある。そしてミントの様な清涼感。ブリック同様の軽さがあるが、香りのテクスチャーは鮮明。
ユーカリや鉄観音、より木材の、シダーを思わせる香り。
全体的に調合し一塊となった甘露な甘やかさを感じさせる。分離した部分は少なくなったが、乖離の無い液体になっている。
酸味、タンニンは穏やかながら追随を許さない旨味の表出があり、合わせて余韻も非常に長い。
カカオや出汁、鉄分を感じさせるスープがごとき液体に。
素晴らしい。チーズ感ある。



【所感】
新樽比率や熟成期間が不明なので何とも言えませんが、リリース時期的に単一畑と比べると24ヶ月程度は熟成期間が長いのかもしれません。
で、印象なんですけれども2013年と比べるとやはり目に見えて熟成を感じます。畑というよりそっちの印象の方が強い。
標高が高く寒暖差が激しい畑とのことなので、凝縮感があるのかな、という想像がつきますが、なにぶん熟成の要素の方が強く、今一つその特徴が捉えきれません。
抽出の要素は比較的落ち着いており、ドライフラワーやほのかな鉄分と旨味成分が混じり合った様なニュアンスを感じます。
そして土っぽい要素やチーズ、カカオバター、青果売り場の果実の様なニュアンスもほのかに感じられます。まだ若いですが、熟成感は少しずつ感じられますね。比較すると明らかです。
体躯はブリック デル フィアスクくらいでしょうか。軽めです。
ただ香りのテクスチャーは鮮明で、一塊に融合した甘露さが出始めています。
もう少し熟成するとかなりよくなりそうです。
酸味・タンニンはより穏やかに、出汁と鉄分を思わせるスープの様な印象が感じられます。
乖離の無い印章で、かなり良い作りですね。
最高グレード...というには、単一畑とそう変わらない様な気がしていますが、かなりレベルは高いと思います。
もちろん単一畑も。


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【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.2

こんにちは、HKOです。
本日はパオロ スカヴィーノの単一畑3種です。
高クオリティのランゲとバローロから十分に期待できますが、より個性が強調された畑単位はどのようなスタイルになっているのでしょうか。



【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。
単一畑はそれぞれ天然酵母のみでステンレスタンクで発酵、フレンチ・バリックで10カ月熟成ののち、フランス産の大樽で12カ月、さらにステンレスタンクで12カ月の熟成。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在。

・ロッケ デッラ ヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ブリッコ アンブロージョ 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
明らかにバローロと異なる。
バローロと比べると凝縮感が強く、品はあるが全体的にパワフルと呼べる。
樽香を凌ぐ鉄やなめし皮、薔薇のオイルの要素と茎の様なほのかな青さと華やかさ。シロップの様な甘露さが潜む。青さもあり、ユーカリやミントの要素も感じられる。焼きたてのパンや、カカオなどの樽や酵母のニュアンス、そして、果実味はブリックに近いが、こちらの方が明るくチェリーやクランベリーを思わせる瑞々しい果実のタッチがある。ドライハーブ、鉄観音のニュアンスも帯びる。
こちらも酸味やタンニンは柔らかく、華やかな薔薇や青さ、甘やかな旨味を感じさせる。長く甘やかな余韻が残る。


生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ カンヌビ 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
アンブロージョと方向性は近い。
が、こちらの方が堅牢で、やや鉄分の要素の方が強く力強く華やか。徐々にカカオを思わせる樽香が強くなり、血液や鉄分、エナメルリムーバーの様な華やかさと、カカオの樽香が調和していく。ブリッコと比べるとより強い凝縮感と厚みが感じられる。樽のカカオ、パンケーキ、そしてシロップに漬けたダークチェリーやブラックベリーを思わせる果実味、ユーカリやクローヴの様な青さも伴っていく。
青さと華やかさが軸となり、そこに付随する形で複雑なテクスチャーを形成する。
酸やタンニンはこちらも柔らかで、よりMLFの要素が前に出ている。ふわりと柔らかいタッチ。根本にしっかりとした酸があり、果実と華やかな余韻を残していく。



生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ ブリック デル フィアスク 2013

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
力強いカンヌビと比べるとエレガントな体躯。
カンヌビやブリッコと比べると、より高域に伸びる軽妙さがあり、バランス感が良く品がある。
エナメルリムーバーや薔薇のエキスを思わせる華やかさ、甘露さ、そしてユーカリやタイム、ハーブを思わせる青さが突出。血液にまでは至らず、まさに花の香り。そこに瑞々しいチェリーやクランベリーの要素がある。ほのかにカカオの香りを感じる。しかしながら甘やかさは同等で、過剰な重さは感じない。鉄観音やクローヴ、ゴム、パウンドケーキの様な甘さがある。
徐々に抽出と樽香が前に出るが、高域に至る香りに変わりはない。
やや酸味が立っているものの、基本的には丸みを帯びていて、タンニンはかなり穏やか。華やかさとハーブの余韻がある。余韻が少し短く、そこだけカンヌビに至らない。



【所感】
どれも良いのですが、結構タイプが異なっていて面白いですね。
全体的な感覚としてはブリック デル フィアスクが最もエレガントで繊細、カンヌビとブリッコ アンブロージョは凝縮感があり力強いですが、カンヌビの方が幾分か堅牢です。
全体的にバローロに見られた前面に樽香が押し出された感じは控えめに、よりネッビオーロの質感が前に出ている形となっています。具体的に言うと華やかさが主軸となっています。色合いもしっかりと出ており、抽出的な要素に起因すると思いますが、タンニンは強くなく滑らかです。
果実の質も良く甘やかな芳醇な香りが樽香を帯びて広がります。
相当良いですね。

まずはブリッコ アンブロージョですが、先述した様にバローロと比べると華やかさと凝縮感が突出しています。パワフルです。
その中に甘いシロップの様な甘露さとパンケーキを思わせる構成要素、そして青さをほのかに感じますね。
堅牢とまでは行きませんが、凝縮感のある力強いワインだと思います。
次にカンヌビ。色々な生産者が作っている伝統的な畑ですが、こちらはより鉄分やハーブの要素が強くなり、また樽香も傑出しています。意図的に強めに作っているのか樽の焦がしたニュアンスや抽出も強めに感じられます。凝縮感も高く、質感としてブリッコ アンブロージョに近いですが、よりこちらの方が熟成に目を向けて作られている様な気がします。そもそも果実もこちらの方が強そうなので、作られ方には納得できますね。ブリッコアンブロージョほど飲みやすくはないのですがポテンシャルは高い様に感じました。
最後はブリック デル フィアスク。
カンヌビがシャンベルタンだとしたら、ブリック デル フィアスクはクロ ド ベーズにも似ているやもしれません。
この中においては最も繊細で、比較的凝縮感や引き締まった感じのする他の畑と比べると、広域に伸びていく適度な華やかさと酸味を感じる果実味があり、そこを差分として違和感なく調和した樽香とMLFがあります。
比較的軽い体躯でありながら、バランスが良く、非常に完成度として高い。
ただ少し全体と比較すると余韻の短さが気になります。体躯が前者ほど強くないので自明ですが。ただ美味しく頂けるのは間違いありません。


以上、3つの畑から所感。
畑の特徴はよくわかりませんので、関連付けできませんが、飲んだ感じそんな感じでした。








【ピエモンテ】パオロ スカヴィーノ6種テイスティング Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はモダンバローロの雄、パオロ スカヴィーノのポートフォリオのテイスティングをレポートします。



【データ】
パオロ スカヴィーノは1921年にカスティリオーネ ファレット村に設立されたバローロの名門であり、モダンバローロの代表格とも言える生産者。創設者はロレンツォ氏。現当主のエンリコ氏は彼の孫にあたり、ワインメーカーとしても活躍しています。
その名声を高めたのは当時珍しい単一畑でリリースされた「ブリック・デル・フィアスク」。バリックの使用やマセラシオン期間の短縮、そして代名詞とも言える「ロータリーファーメンター(回転式発酵槽)」の使用等革新的な試みを数多く行い、純粋で凝縮した果実味と滑らかなタンニンを軸とするモダンバローロの代表格となります。

作付面積はバローロ地域に29haの畑を所有(カスティリオーネ ファレットやバローロ、ラ モッラ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバ)。ブリック デル フィアスク、カンヌビ、ロッケ デッラ ヌンチァータなど偉大なクリュも保有しています。

・ランゲ ネッビオーロ
ラ・モッラの2つの畑のネッビオーロをブレンド。

・バローロ
7つの畑の最上の区画から収穫したネッビオーロをブレンド。

・ブリッコ アンブロージョ
ロッディ地区にある標高275mの南西向きの畑。2001年に購入。

・カンヌビ
カンヌビはバローロで最も歴史ある畑で、カンヌビの丘陵地帯に1946年に植樹した最も古い2つのブドウ畑のうちの一つ。石灰質はケイ土の含有量が多く、砂質の多い水はけの良い痩せた土壌。気候はとても穏やか。

・ブリック デル フィアスク
1921年のワイナリーの創業時から所有されている単一所有畑。カスティリオーネ ファレット村に位置し、土壌はトルトニアーノとヘルベティアから成っており、石灰岩と砂岩が混在し。

・ロッケ デッラ ヌンチァータ
ラ モッラの歴史ある最上のクリュ。標高385m。1990年に購入。南南東に面し、日照量は豊富。



【テイスティングコメント】
生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: ランゲ ネッビオーロ 2015

外観は赤みの強いルビーで粘性は低い。
構成要素は完全にシンプルだが、完成度は高い。
品種特性の華やかさがあるが、鉄分というよりは薔薇。パンケーキのような少し酵母を感じさせる甘露さと瑞々しいチェリーやクランベリーを思わせる。キャンディ香が軸となっている。ニュージーピノにも近い。鉄観音やユーカリなどの要素がある。
酸味はやはり強く、タンニンに収斂性がある。やや薄めにも感じられるが、極めて華やかで花や果実の余韻が長く続く。グレードにしてはかなり上出来の様に思える。


生産者: パオロ スカヴィーノ
銘柄: バローロ 2013

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
明らかにランゲと異なり、樽香が最も前に出ている。
全体的に手堅くまとまっていて、上品なカカオやパウンドケーキを思わせる樽香、やや薔薇や血を思わせる強めの鉄分が軸となる。
とても甘やかで、ほのかに酸味を帯びた瑞々しいチェリーやクランベリー、ハーブのような香り。焦がしたゴムのニュアンスにも至る。ユーカリやなめし皮などの要素がある。
口当たりにもMLFや樽の影響が出ていて、タンニンや酸に切り立った部分は殆どない。優しいパンケーキやフルーツの様な果実の余韻。華やかさもあるが、そこまで強くはない。



【所感】
今回のテイスティングの中では最もグレードの低いものとなります。さりとてバローロ。看板商品かと思います。
まずは最下位のレイヤーに当たるランゲ ネッビオーロ。
通常バローロ、バルバレスコ、アルバ地域から産出されるネッビオーロを使ったもので、いわゆるACブルゴーニュに当たるようなグレードのワインになります。ただパオロスカヴィーノはバローロのぶどうを使っているようですね(家族経営だと特にそうなるかも)
で、こちらなんですけども、かなり美味いです。よく出来ています。構成要素はとてもシンプルなんですが、質感に透明感と若々しく甘酸っぱい果実味があり、ニュージーランドのクリーンなピノノワールを想起させるような造りになっています。
複雑さはありませんが、日常クラスのワインとしては相当良いレベルに仕上がっていると思います。
酵母はどことなくイタリアならですし、クリーンで華やかな味わいは良いネッビオーロの根底にあるものなので、素のネッビオーロの美味さを十分に感じることができるかと。

次に看板バローロ。
こちらはシンプルでクリーンなランゲと比較するとリッチです。
バリックに起因する樽香がしっかりと感じられます。
非常によく出来ていて上品なモカの香りや瑞々しい果実味、ハーブや鉄分のニュアンスも漂います。
華やかさより樽香の方が強く、若いと厳しいバローロ、という印象は全くなく、グランヴァン的な風格を漂わせながら非常に飲みやすい仕上がりになっています。
タンニンもバリックの影響か優しく滑らかで非常に良い具合に仕上がっています。

既に下位グレードからして只者ではない感が漂っています。
次回は3つの単一畑です。







【ピエモンテ:17】エリオ アルターレ、バローロ アルボリーナ。

こんにちは、HKOです。
本日はエリオアルターレのアルボリーナです。


【データ】
エリオアルターレといえばバローロにブルゴーニュ的な醸造方法を持ち込んだエピソードが有名ですね。
バローロが売れない理由を生産醸造方法に見いだし、先進的なヴァンダンジュヴェールト、抽出の強化、バリック樽、新樽の使用を導入し、伝統的な生産者であった父親と絶縁状態になった...というあれです。
実際に先進的な栽培醸造方法が功を奏して現在のモダンバローロが評価され今に至るということで、バローロを一歩先に進めた偉大な生産者であります。
さて、冒頭に書いたバローロ ヴィネート アルボリーナ、ランゲ アルボリーナの双子の兄弟的存在である、という意味ですが、これは醸造方法に起因するものです。葡萄は同じものを使用しています。生産方法は前述の通り。
バローロ アルボリーナはMLF後に新樽20%、旧樽80%で新樽および旧樽で24ヶ月熟成されるのに対して、ランゲ アルボリーナは100%新樽に移してアルコール発酵とMLFを樽内で行い、そのまま18ヶ月の樽熟成を行うという違いです。
ちなみにランゲアルボリーナは生産量が少なくおよそ2500本~3000本程度。比較的レアなワインと言えます。
随分と前にランゲ アルボリーナはやりましたが、満を辞して今回はバローロ アルボリーナです。




【テイスティングコメント】
生産者: エリオ アルターレ
銘柄: バローロ アルボリーナ 2000

橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
かなり熟度の高いネッビオーロ。ボーイズ的な側面は控えめになり、よりトラディショナルなスタイルを感じさせる仕上がりに還元している。
干した様な濃密な黒系の果実味と藁やイーストの様な香りが主体的に感じられる。
干したプルーンや熟したブラックベリーの果実味(アルコール度数的にも新世界っぽい)と共に独特のイーストや藁の様な香りが感じられる、乾いた土、漢方、少し萎れた様な薔薇のドライフラワー。そしてドライイチジク、焦げたゴム、燻製肉、酵母的な香りがやや強めに感じられる。
酸味は柔らかく滑らかで、グリセリン感豊かで丸みがある。よく熟した果実味があり、干したプルーン、ダークチェリー。漢方やイーストの余韻が長く続いていく。
流石にタンニンは力強いが丸みがあるため、飲みやすさが際立つ。

【所感】
これは面白いですね...
うん、何が面白いって、ランゲほどではないにせよ正直モダンな造りを期待していたのですが、これかなりネッビオーロですよ。熟成によってドライフラワーっぽくなってますが、薔薇っぽい華やかさがまさにそんな感じ。そしてイーストや藁っぽい干し草の香り。
馴染むと意外と差分がなくなるもんですね...
ただ唯一大きく違う点があって、トラディショナルな凝縮感と瑞々しさを演出した果実味ではなく、もっと、乾いた、濃密で濃い黒系果実の果実味を強く感じられるのですよね。
なんだろう、果実の出方としてはシラーとかそこらへんに近いかもしれない。それはアルコール度数や口に含んだ時と丸みからも感じられて、想像以上に若々しく感じます。
まだまだ熟成しそう。
ランゲとは年代が違うので比較できないけど、きっと新樽比率的に、あまりバローロっぽい...って事にはならないのかもしれませんね。

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【トスカーナ:11】あのスーパータスカンをもう一度。

こんにちは、HKOです。
本日はスーパートスカーナです。


【データ】
サッシカイアはトスカーナ州ボルゲリに拠点を置くワイナリー、テヌータ サン グイドのスーパータスカンです。
1944年にボルドーのラフィットからカベルネソーヴィニヨンの苗木を手に入れ自家消費用に仕込み始めたことから歴史が始まります。
その評判から販路を拡大し、遂には1978年のデキャンタ誌主催のブラインドテイスティングでベストカベルネ賞を受賞。1985年にはイタリアワインで初めてパーカーポイント100点を獲得、1994年にはボルゲリ・サッシカイアとしてイタリア唯一、単独ワイナリーのD.O.C昇格を果たしました。
ワイナリーを牽引したのはアンティノリの醸造家であった故ジャコモ・タキス氏、2000年代以降サッシカイアで醸造を務めたセバスチャーノ ローザ氏。
サッシカイアが作られるボルゲリはメドック地区に似た石ころだらけの畑、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の地質。
地中海性の温暖な気候が特徴で常に海からの風を受け乾燥し、日中は年間を暖かい一方、夜は冷え込みます。
そこに所有する畑は約90ha。砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。緩やかながら非常に起伏がある地形で、標高200~300mの斜面もあれば80mほどの平地も存在し、とてつもなく入り組んだミクロクリマを形成。
栽培は高密度の栽培や低収量での収穫を行い凝縮した果実を取得。マロラクティック発酵やオーク新樽による熟成を行う。


テヌータ ディ オルネライアはスーパータスカンの中心的生産者。カリフォルニアで経験を積んだロドヴィコ アンティノリ氏によって、1981年ボルゲリに設立されたワイナリーです。ポートフォリオはオルネライア、そして旗艦銘柄であり、わずか7haの畑から作られるメルロー単一品種のマセット。
オルネライア同様、選定を行いながら手摘みした葡萄を再度選果し、除梗した後、温度管理機能付きのステンレスタンク、木製発酵槽で高めの温度でアルコール発酵。約ひと月のキュヴェゾンの後、100%新樽で20ヶ月間熟成される。12ヶ月目にブレンドされ、残り8ヶ月間はさらに熟成。16ヶ月間の瓶熟成後出荷されます。



【テイスティングコメント】
生産者: テヌータ サン グイド
銘柄: サッシカイア 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ブラックベリーやダークチェリーのキャンディの様な香りとバタースコッチ、ブリオッシュ、シロップの様な甘い香りが感じられる。そして個性的なイースト的な要素。華やかさより果実の甘やかさが強調された形。
パストラミハム、エナメルリムーバー、青さを感じるピーマン、少しアーシーな甘草や土の要素が感じられる。
酸味が際立っていてタンニンは控えめ。
余韻は短く、甘草やミルク、キャンディの様な余韻を残す。ボディは強くなく、かなり軽めで2013年のボルドーを更に一回り落とした様な品質。


生産者: テヌータ ディ オルネライア
銘柄: オルネライア 2013

品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー38%、カベルネフラン10%、プティヴェルド7%
外観は赤みの強いガーネットで、粘性は高い。
ボルゲリとしてはかなり濃厚なカベルネソーヴィニヨンに仕上がっている。良ヴィンテージの2010年ボルドーにも近いバランスになっている。
熟したカシス、ブラックベリーの濃密な果実味を基軸にし、そこにMLFのクリーミーなバニラや果糖ヨーグルト、西洋杉の香りが混じり合う。黒糖やパウンドケーキの甘露さ。スミレ、薔薇の様な華やかさ。
ベーコンやリコリスの様な風味もある。
青い要素はあまりない。完全に熟している。
酸はしっかりと帯びているが、タンニンは甘く黒系の果実味と甘露さが綺麗な余韻を残していく。収斂さはあるが、余韻に甘い丸みとほのかな苦みを残す。


【所感】
スーパートスカーナ2本です。
なんかかなり久しぶりに飲んだ気がします...4,5年ぶりでしょうか。どういう感じだったっけなぁとちょっと悩みながら飲んだのですが、こんなにボルドーっぽかったっけ?
スタイルはボルドーに似てます。MLFと果実味、樽香の絶妙なバランス感。果実ばかりガツンと出る感じではなくて、バランス。この2本に関しては殊更そう思いました。
ただやっぱり酒蔵毎に結構スタイルが違うみたいで.....

まずはサッシカイア。
2013年、かなり軽めの酒質ですね、
2013年のボルドーは軽く薄めの出来だったのですが、それに輪をかけた様な軽さがあります。
黒系果実の風味はありますが、どちらかといえばリキュールとかではなくてキャンディの様な明るくフレッシュな香りでしょうか。そこにブリオッシュやシロップが混ざっている。
華やかさよりミルキーな甘やかさが強調された感じですね。
やや香りに青さを帯びているものの、香りのバランスは良いです。
ただ酸味がかなり際立っていて、ボディがかなーり軽いですね。飲みにくかったりするわけではないのですが、この手のカベルネソーヴィニヨンの良さってしっかり熟した味わいだと思いますが、それには即してないですね...悪くはないんですが...物足りなさが残るものですね。

次にオルネライア。
こちらもボルドー的風合を感じるんですが、あら不思議。
こちらは2010年にも近しいビックヴィンテージ並の高い熟度を持ったスーパートスカーナになっています。
予想外だったし、控えめにいって最高感あります。
基本的には果実味、MLF、樽でまろやかさや滑らかさを強調しながら、熟した果実の味わいを楽しむスタイルです。
実際カシスやブラックベリーなどの黒系の果実味も凝縮してるし、樽とMLFとのバランスも良い。青さもなく、相当な高クオリティで仕上げられていると思います。
香りも良いですが、アタックも良くてタンニンは甘く、しっかりとした酸もある秀逸。
これ、申し訳ないですけど、オルネライアに軍配上がっちゃいますね...
だって本当によいんだもの...





プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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