【ピエモンテ:17】エリオ アルターレ、バローロ アルボリーナ。

こんにちは、HKOです。
本日はエリオアルターレのアルボリーナです。


【データ】
エリオアルターレといえばバローロにブルゴーニュ的な醸造方法を持ち込んだエピソードが有名ですね。
バローロが売れない理由を生産醸造方法に見いだし、先進的なヴァンダンジュヴェールト、抽出の強化、バリック樽、新樽の使用を導入し、伝統的な生産者であった父親と絶縁状態になった...というあれです。
実際に先進的な栽培醸造方法が功を奏して現在のモダンバローロが評価され今に至るということで、バローロを一歩先に進めた偉大な生産者であります。
さて、冒頭に書いたバローロ ヴィネート アルボリーナ、ランゲ アルボリーナの双子の兄弟的存在である、という意味ですが、これは醸造方法に起因するものです。葡萄は同じものを使用しています。生産方法は前述の通り。
バローロ アルボリーナはMLF後に新樽20%、旧樽80%で新樽および旧樽で24ヶ月熟成されるのに対して、ランゲ アルボリーナは100%新樽に移してアルコール発酵とMLFを樽内で行い、そのまま18ヶ月の樽熟成を行うという違いです。
ちなみにランゲアルボリーナは生産量が少なくおよそ2500本~3000本程度。比較的レアなワインと言えます。
随分と前にランゲ アルボリーナはやりましたが、満を辞して今回はバローロ アルボリーナです。




【テイスティングコメント】
生産者: エリオ アルターレ
銘柄: バローロ アルボリーナ 2000

橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
かなり熟度の高いネッビオーロ。ボーイズ的な側面は控えめになり、よりトラディショナルなスタイルを感じさせる仕上がりに還元している。
干した様な濃密な黒系の果実味と藁やイーストの様な香りが主体的に感じられる。
干したプルーンや熟したブラックベリーの果実味(アルコール度数的にも新世界っぽい)と共に独特のイーストや藁の様な香りが感じられる、乾いた土、漢方、少し萎れた様な薔薇のドライフラワー。そしてドライイチジク、焦げたゴム、燻製肉、酵母的な香りがやや強めに感じられる。
酸味は柔らかく滑らかで、グリセリン感豊かで丸みがある。よく熟した果実味があり、干したプルーン、ダークチェリー。漢方やイーストの余韻が長く続いていく。
流石にタンニンは力強いが丸みがあるため、飲みやすさが際立つ。

【所感】
これは面白いですね...
うん、何が面白いって、ランゲほどではないにせよ正直モダンな造りを期待していたのですが、これかなりネッビオーロですよ。熟成によってドライフラワーっぽくなってますが、薔薇っぽい華やかさがまさにそんな感じ。そしてイーストや藁っぽい干し草の香り。
馴染むと意外と差分がなくなるもんですね...
ただ唯一大きく違う点があって、トラディショナルな凝縮感と瑞々しさを演出した果実味ではなく、もっと、乾いた、濃密で濃い黒系果実の果実味を強く感じられるのですよね。
なんだろう、果実の出方としてはシラーとかそこらへんに近いかもしれない。それはアルコール度数や口に含んだ時と丸みからも感じられて、想像以上に若々しく感じます。
まだまだ熟成しそう。
ランゲとは年代が違うので比較できないけど、きっと新樽比率的に、あまりバローロっぽい...って事にはならないのかもしれませんね。

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【トスカーナ:11】あのスーパータスカンをもう一度。

こんにちは、HKOです。
本日はスーパートスカーナです。


【データ】
サッシカイアはトスカーナ州ボルゲリに拠点を置くワイナリー、テヌータ サン グイドのスーパータスカンです。
1944年にボルドーのラフィットからカベルネソーヴィニヨンの苗木を手に入れ自家消費用に仕込み始めたことから歴史が始まります。
その評判から販路を拡大し、遂には1978年のデキャンタ誌主催のブラインドテイスティングでベストカベルネ賞を受賞。1985年にはイタリアワインで初めてパーカーポイント100点を獲得、1994年にはボルゲリ・サッシカイアとしてイタリア唯一、単独ワイナリーのD.O.C昇格を果たしました。
ワイナリーを牽引したのはアンティノリの醸造家であった故ジャコモ・タキス氏、2000年代以降サッシカイアで醸造を務めたセバスチャーノ ローザ氏。
サッシカイアが作られるボルゲリはメドック地区に似た石ころだらけの畑、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の地質。
地中海性の温暖な気候が特徴で常に海からの風を受け乾燥し、日中は年間を暖かい一方、夜は冷え込みます。
そこに所有する畑は約90ha。砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。緩やかながら非常に起伏がある地形で、標高200~300mの斜面もあれば80mほどの平地も存在し、とてつもなく入り組んだミクロクリマを形成。
栽培は高密度の栽培や低収量での収穫を行い凝縮した果実を取得。マロラクティック発酵やオーク新樽による熟成を行う。


テヌータ ディ オルネライアはスーパータスカンの中心的生産者。カリフォルニアで経験を積んだロドヴィコ アンティノリ氏によって、1981年ボルゲリに設立されたワイナリーです。ポートフォリオはオルネライア、そして旗艦銘柄であり、わずか7haの畑から作られるメルロー単一品種のマセット。
オルネライア同様、選定を行いながら手摘みした葡萄を再度選果し、除梗した後、温度管理機能付きのステンレスタンク、木製発酵槽で高めの温度でアルコール発酵。約ひと月のキュヴェゾンの後、100%新樽で20ヶ月間熟成される。12ヶ月目にブレンドされ、残り8ヶ月間はさらに熟成。16ヶ月間の瓶熟成後出荷されます。



【テイスティングコメント】
生産者: テヌータ サン グイド
銘柄: サッシカイア 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ブラックベリーやダークチェリーのキャンディの様な香りとバタースコッチ、ブリオッシュ、シロップの様な甘い香りが感じられる。そして個性的なイースト的な要素。華やかさより果実の甘やかさが強調された形。
パストラミハム、エナメルリムーバー、青さを感じるピーマン、少しアーシーな甘草や土の要素が感じられる。
酸味が際立っていてタンニンは控えめ。
余韻は短く、甘草やミルク、キャンディの様な余韻を残す。ボディは強くなく、かなり軽めで2013年のボルドーを更に一回り落とした様な品質。


生産者: テヌータ ディ オルネライア
銘柄: オルネライア 2013

品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー38%、カベルネフラン10%、プティヴェルド7%
外観は赤みの強いガーネットで、粘性は高い。
ボルゲリとしてはかなり濃厚なカベルネソーヴィニヨンに仕上がっている。良ヴィンテージの2010年ボルドーにも近いバランスになっている。
熟したカシス、ブラックベリーの濃密な果実味を基軸にし、そこにMLFのクリーミーなバニラや果糖ヨーグルト、西洋杉の香りが混じり合う。黒糖やパウンドケーキの甘露さ。スミレ、薔薇の様な華やかさ。
ベーコンやリコリスの様な風味もある。
青い要素はあまりない。完全に熟している。
酸はしっかりと帯びているが、タンニンは甘く黒系の果実味と甘露さが綺麗な余韻を残していく。収斂さはあるが、余韻に甘い丸みとほのかな苦みを残す。


【所感】
スーパートスカーナ2本です。
なんかかなり久しぶりに飲んだ気がします...4,5年ぶりでしょうか。どういう感じだったっけなぁとちょっと悩みながら飲んだのですが、こんなにボルドーっぽかったっけ?
スタイルはボルドーに似てます。MLFと果実味、樽香の絶妙なバランス感。果実ばかりガツンと出る感じではなくて、バランス。この2本に関しては殊更そう思いました。
ただやっぱり酒蔵毎に結構スタイルが違うみたいで.....

まずはサッシカイア。
2013年、かなり軽めの酒質ですね、
2013年のボルドーは軽く薄めの出来だったのですが、それに輪をかけた様な軽さがあります。
黒系果実の風味はありますが、どちらかといえばリキュールとかではなくてキャンディの様な明るくフレッシュな香りでしょうか。そこにブリオッシュやシロップが混ざっている。
華やかさよりミルキーな甘やかさが強調された感じですね。
やや香りに青さを帯びているものの、香りのバランスは良いです。
ただ酸味がかなり際立っていて、ボディがかなーり軽いですね。飲みにくかったりするわけではないのですが、この手のカベルネソーヴィニヨンの良さってしっかり熟した味わいだと思いますが、それには即してないですね...悪くはないんですが...物足りなさが残るものですね。

次にオルネライア。
こちらもボルドー的風合を感じるんですが、あら不思議。
こちらは2010年にも近しいビックヴィンテージ並の高い熟度を持ったスーパートスカーナになっています。
予想外だったし、控えめにいって最高感あります。
基本的には果実味、MLF、樽でまろやかさや滑らかさを強調しながら、熟した果実の味わいを楽しむスタイルです。
実際カシスやブラックベリーなどの黒系の果実味も凝縮してるし、樽とMLFとのバランスも良い。青さもなく、相当な高クオリティで仕上げられていると思います。
香りも良いですが、アタックも良くてタンニンは甘く、しっかりとした酸もある秀逸。
これ、申し訳ないですけど、オルネライアに軍配上がっちゃいますね...
だって本当によいんだもの...





【イタリア:11】イタリアの高品質スパークリング2種

こんにちは、HKOです。
先日に引き続き、今回もイタリアワイン、スパークリングです。

【データ】
アドリアーノ アダミはルッジェーリ、ニーノ フランコと共に、プロセッコ ディ ヴァルドッピアデーネDOCの中で、3大プロセッコと呼ばれる1920年に創業したカンティーナ。オーナーのフランコは、プロセッコ協会の会長も務めています。ヴァリドッビアーデネ村カルティツェの丘に南向きの大変恵まれた畑を持っています。品種はグレラ(プロセッコ)種100%。二次発酵はスティール タンクにて実施。

カ デル ボスコはロンバルディア州エルブスコに拠点を置くフランチャコルタの名手。そのスタンダードキュヴェは2010~2011年イタリアン チャンピオンリーグのACミラン優勝時にスタジアムで振る舞われた事でも有名な様です。
フランチャコルタに370エーカーものブドウ畑を所有し、ブドウ樹齢は平均40年の古木を使用しています。土壌の特徴別に小さく分けられた区画ごとに収穫されたブドウは、ワイナリーまで丁寧に運ばれ空気に触れない最新の技術をもって醸造されます。2基の巨大なタンクが、空中を上下しマストやワインが自重で流れるように調整しています。また石造りの地下バリック庫では温度と湿度が常に管理、コルクのスキャニングシステムによりコルク臭のトラブルを極限にまで抑えています。
今回のキュヴェ プレステージは2008年より新しいNVとしてリリースされ、134の区画に及ぶ自社畑の厳選されたブドウだけを使用し、収穫ロットごとに醸造され、最高のヴィンテージのリゼルヴァとアッサンブラージュされています。28ヶ月間の熟成を経てリリース。


【テイスティングコメント】
生産者: アダミ アドリアーノ
銘柄: ボスコ ディ ジーカ ブリュット プロセッコ スペリオーレ NV

外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
爽やかな果実味が前面に出た、いわゆるプロセッコ。採りたての洋梨や青リンゴを思わせるフレッシュな果実味にキャンディを思わせる糖蜜の香り、白い花の様な清廉な香りが主軸となる。
存外しっかりとした小石の様なミネラル感もある。
泡は比較的穏やかで、酸も控えめ。
エトワールの様なキャッチーな果実と花の余韻を残す。シンプルだが、果実味の厚みや旨みがしっかりとあり、バランスは良い。薄っぺらくはない出来だ。


生産者: カ デル ボスコ
銘柄: フランチャコルタ キュヴェ プレステージュ NV

WA88pt
外観はイエローで粘性は中庸、泡は力強く立ち上っている。
第一印象はとても香ばしくクリスピーでシャンパーニュにかなり近いフランチャコルタを作っている印象。
ブリオッシュやクッキー、モカを思わせるMLFと果実味が調和した香ばしい香り。
熟した白桃や洋梨、温州みかんを思わせる果実味があり、フルーツケーキ、リコリスやフレッシュハーブなどのハーブの香りとほのかにミネラルが乗ってくる。
かなりキャッチーでリッチな作りのフランチャコルタで、さながらドンベリニヨンにも似たフラッグシッブキュヴェにも共通する味わい。
酸は控えめで、旨味は十分に包含。
口の中にブリオッシュやコンポート、柑橘の余韻が広がる。


【所感】
まずはアダミから。
飲んだのはかなり前なので、ちょっと朧げなところがあるのですが、基本的には爽やかな果実味が前に出たベーシックなプロセッコだったと思います。存外にミネラル感がしっかりとあり、よく熟したグレーラが生み出す洋梨や青リンゴを思わせる果実味があります。
熟度の高いニューワールドのスパークリングのニュアンスに爽やかさが増した様な感じでしょうか。シンプルですが、よく出来ています。突出している点はないですが、安心して夏に飲みたくなるタイプのプロセッコですね。

次にカ デル ボスコのフランチャコルタ。
これは相当いいですね!
よく熟したキャッチーさがありながら、極めてリッチなスパークリングに仕上がっています。
フラッグシップのシャンパーニュに非常に近い質感といいますか、MLFや樽の要素をしっかりと効かせて豊かな果実味とバランスを取り合っている様な気がします。
ブリオッシュやモカ、そして白桃や洋梨を感じさせるふくよかな果実味。ハーフボトルを確か3000円くらいで買ったのですが、これはお得ですね。
ボトルも華やかでカッコいいし、舌の肥えたファンにも十分受け入れられるものだと思います...といっても有名なワイナリーなんで飲んだ事のある人は多いか。
グラビティフローがどんな影響を与えているのかわかりませんが、少なくともバリック的な影響は色濃く感じました。

カ デル ボスコはいいですねえ。
ベラヴィスタやコンタディ カスタルディもなかなかいいですが、個人的にはこれが今のところ一番好きですね。




【ピエモンテ:16】バローロ テイスティング(ガヤ、プルノット) Part.2

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きピエモンテ、バローロをレポートしていきます。

【データ】
プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。

ガヤはピエモンテにおける最も偉大な生産者のうちの一人です。
ポートフォリオも膨大でバルバレスコやバローロ、そして各々の単一畑。国際品種を使用したダルマジ、買収した生産者のブルネッロなど。いずれも比類なきレベルの高さ。価格も比類なき高さ。
国際品種の導入、単一畑、バリック樽の使用などイタリアにおいて革命的なシステムを数多く取り入れています。
特に単一畑はバルバレスコやバローロの名前をあえて使用せずランゲに格下げして生産しています。
なので、ボトルにはバルバレスコやバローロの表記こそありませんが実態としてはバローロ、バルバレスコの偉大な畑から産出される卓抜したネッビオーロです。
収量制限がなされて収穫された葡萄は、果皮と共に3週間ステンレスタンクで発酵が行われます。 バリック樽で12ヶ月熟成、その後さらにオーク大樽で約20ヶ月間の熟成を行われます。
通常伝統的なネッビオーロは大樽を使用しますが、最近のモダンバローロよろしく(最近は少なくないですが)バリック小樽を使用しています。技術革新も受け止めて比較的モダンな作りと言えると思います。


【テイスティングコメント】
生産者: プルノット
銘柄: バローロ ブッシア 2008

12000円、WA92pt
外観はルビー、エッジは橙を帯びている。粘性は中庸。
ファーストノートはフォン ド ヴォライユやブイヨンの様な動物性の香り、やや塩気を感じるドライシェリーの様な要素が感じられる。燻製肉や腐葉土、そしてドライフラワーの様な華やかさ、エナメルリムーバーの要素が混じる。
ブルーベリーの様な果実味。ナツメグやローリエなどのスパイスやハーブ、濡れた木材の様なニュアンスが感じられる。
酸やタンニンはやや強めで、収斂性はかなり高い。香ばしいフォンやコンソメを思わせる塩気と旨味のバランスを感じさせる。その後薔薇のような華やかな余韻も。
料理と合わせたい。


生産者: ガヤ
銘柄: コンテイザ 1996

54000円、WA93-95pt
外観は濃いガーネットだが、エッジは橙を帯びている。
粘性は中庸。
ファーストノートは熟成香の割にはかなり厚みのある香り。腐葉土や濡れた土、枯葉の様な熟成香、梅しばの様な完全に熟成した様な香りと共に、ナツメグなどで煮込んだソースに近いジャミーな香りがある。クローヴやリコリスなどのスパイス香、ベーコンや燻製肉などの動物的な要素も強めに出ている。シシトウ、イーストの香り、徐々に焼いたゴムの様な焦げ香、黒オリーブの様な塩気もある。
液体としては比較的強めで、酸もタンニンも滑らかだが、ボディは強く、深い旨味が広がっていく。肉や燻製、ドライシェリー、強めのブラックベリーのジャムを思わせる余韻を残していく。
甘露さこそ控えめながら、素晴らしい熟成香を放つ。


【所感】
引き続きバローロです。
名手プルノット、そして大御所ガヤのコンテイザのファーストヴィンテージ1996。
まずはプルノットの銘醸畑ブッシア 2008。
さすがに少し熟成してきている...というか酸化的な側面が出てきていますね。ただ旨味の出方がフォン ド ヴォライユの様で、なかなか良いと思いました。塩気を感じるドライシェリーの様な要素も全体の中でバランスが取れている感じですね。
燻製や落ち葉の様な熟成香もあるのですが、まだまだ経年が足りないのか酸とタンニンはエッジを残しています。というか果実味が落ち始めた時期だからか、過剰に目立ってるってのもあるんでしょうが。
プルノットのワインは若い時分はMLFがかかって比較的飲みやすい(ただしタンニン、酸はキツイ)のですが、これは少し厳しいかも知れない。
ただ料理と共通する要素を多数持っているので、それらを用いながら楽しむのが良いのではないかと思います。

次はガヤのコンテイザ。
何やらバルバレスコ単一畑はランゲからまたバルバレスコに戻すらしいですが、バローロの方はどうなんですかね。
まあこっちはスペルスとコンテイザは畑の名前じゃないから、名乗るべき単一畑は無いし、このままランゲて残るんだろうと思いますが。
あるいはランゲではなく、「バローロ」のスペルスとコンテイザにするとかね。
さて肝心のファーストヴィンテージのコンテイザはというと...香りとしてはかなり熟成が進んでいる感じがしました。20年近くを経過した香りですね、腐葉土、枯葉、梅しばなどの澄んだ香り。ただその中で、まだまだ液体は力強く、いわゆるピークオーバーしたような土だけの香りという弱さとは無縁のものとなっています。(まあ当然すかね。)
タンニンや酸は幾分か柔らかくなっているもののボディは厚く、深い旨みが広がっていきます。
比較的熟成香がはっきり出ていて、ここから更に発展していくのではないかと思います。
ちなみにコンテイザはラ モッラ、スペルスはセッラルンガとから産出されています。なおラ モッラは砂質で柔らかい土壌、セッラルンガはラ モッラと比べると150mほど高い位置にあり粘土質で冷たい土壌のようです。
やはりラ モッラ産のコンテイザの方がボリューム感があり、リッチなのですが、崩れないボディの厚みがその証左なんでしょうね。そういう意味だと華やかなスペルスだともっと馴染んでるかもしれません。




【ピエモンテ:15】バローロ テイスティング(エルヴィオ コーニョ、カヴァロット) Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はバローロです。
2日にわたって更新となりますが、本日はエルヴィオコーニョ、そしてカヴァロットの上位キュヴェとなります。


【データ】
エルヴィオ コーニョはランゲ ブリッコ ラヴェーラの丘に1990年に創設された比較的新しいワイナリー。
ランゲの中でも最南端に位置する場所にあります。
3代目エルヴィオ コーニョは1950年代末「マルカリーニ」で醸造を担当した実績を持っており、現在は娘のナディアと夫のヴァルテール・フィソーレが担当しています。
ミクロクリマの影響を受ける石灰質土壌のランゲにおいて南東向きの丘陵地帯に位置している為、日照条件も良く、海洋性の穏やかな気候の恩恵も受けています。降水量は少ないです。栽培には除草剤などは使用しません。
醸造では自然酵母を利用し、最新技術と伝統的製法を併用し、酸化しやすいネッビオーロ種へのアプローチとして厳密に温度管理をする最新式ステンレスタンクを使用、熟成はクロアチア産の伝統的な大樽を使用しています。
今回のブリッコ ペルニーチェはノヴェッロ村で栽培されるネッビオーロのクローン品種であるランピアの最上級のものを使用したキュヴェ。

カヴァロットはボスキスの丘の頂上に拠点を構えるカスティリオーネファレットの名門生産者。
創業は1929年、元詰めは1948年から開始。葡萄の栽培から醸造について、古典的な製法と味わいにこだわっています。
畑では、基本無農薬。除草剤もボルドー液のみで一切使用しない。房を制限するグリーンハーベストもほとんど行わない。自然のまま栽培し、雑草はある程度の高さまで刈り込んでからは自然に任せる手法を取っています。
カヴァロットの中でも最上とされるサン ジュゼッペ畑はカスティリオーネで、最も高い標高に位置する畑。標高300m~350m。樹齢は75年以上。地質全体に占める、砂質の割合は約20%程度。
そこで収穫したぶどうは35年以上使い続けている巨大なスラヴォニアンオークで栽培~熟成させる。


【テイスティングコメント】
生産者: エルヴィオ コーニョ
銘柄: バローロ ブリッコ ペルニーチェ 2010

13000円、WA93pt
外観は透明度の高いルビーで粘性は中庸。
ファーストノートは繊細で、薔薇やスミレなどの華やかな香りと共に、アメリカンチェリーなどの赤系の果実とオレンジやシトラスなどの柑橘の果実味が入り混じる。ほのかにイーストの香りも。甘い芳香というよりナチュラルな果実の香り。非常にピュアで、マスカテルな爽やかなフレーバーがある。 ローストした樽の香りは控えめでほのかにイースト香りがある。ラベンダーや青い葉、生肉、ユーカリやクローヴの要素がある。
タンニンは甘いが収斂性があり、酸は比較的強く表出している。果皮の厚いブルーベリーやブラックベリー、燻製肉の様な余韻を残していく。


生産者: カヴァロット
銘柄: バローロ ブリッコ ボスキス ヴィーニャ サン ジュゼッペ 2009

16000円、WA90pt
外観はガーネット、粘性は中庸。
ファーストノートはかなり強めのローストがかかった樽香を感じさせる。五香粉や深煎りのコーヒーの様なブルゴーニュにも通じる樽のニュアンス。その裏にイーストや塩気のあるドライシェリー、ブラックベリーなどの黒系果実のジャムを思わせる香りがある。クローヴやクミン、燻製肉の様な風味。薔薇の様な華やかさ、時折MLFの様なまろやかさが混じってくる。ストロベリーガムの様な甘やかさが出てくる。
こちらもタンニンや酸は滑らか。香りのロースト香とは裏腹に非常にキャッチーなオレンジとストロベリーとその梗を思わせるフレッシュな果実の余韻が広がっていく。
徐々に収斂性が目立ってくるが、かなりいい。


【所感】
まずはエルヴィオコーニョ。
相変わらずピュアで透明感のある香りのバローロ。ピノノワールにも通じるエレガンスがある。
赤系の果実が強調されるブルーノジャコーザにも近いタイプだと思います。
繊細な香りを放ちながら、ボディは堅牢で力強く、一見滑らかに見えるタンニンは収斂性に富んでいる。
薔薇やスミレのような華やかさがあり、赤系のクリアな果実味、オレンジの様な柑橘を思わせる酸の清涼感が伴う。そしてバローロによく見られるイーストの香りがある。樽の感じはあまり無いかもしれない。ついで生肉を思わせる旨味、ハーブの芳香が感じられる。
香りはさすがに物凄い良いですが、やはり収斂性が高いですね、これはやっぱり落ち着くのに時間がかかりそう。
キャッチーな側面がありながら、やはりバローロって感じですね。
次のカヴァロットはかなり個性的な印象を受けますね。
というのも、大樽で熟成していながら、かなりロースト香の影響を強く感じるワインとなっています。
五香粉や深煎りのコーヒーのニュアンスがまず前面に来て、その奥にイーストやドライシェリーなどの塩気を感じる要素が現れる。黒系果実のジャムやMLFの影響も強く感じられます。香りからかなり高級感が漂うバローロ。
凝縮感もグリセリン感もあり申し分無い。タッチは滑らかながら、タンニンの収斂性は高い、こちらは熟成を待って落ち着くしか無いかもしれません。
いずれもタイプは違いますが、相当良いと思います。
タンニンは...ランゲの肉料理で抑えていきましょう!
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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