【イタリア】カーゼ バッセ ソルデラ 2009

こんにちは、HKOです。
本日はカーゼバッセのブルネッロ、ソルデラです。
前回の2008年同様、2009年もバレルに残った少量のワインの貴重な一部となります。
おまけに福袋で当たったカヴァレッリのブランドブランを。


【データ】
カーゼ バッセ ディ ジャンフランコ ソルデーラは、モンタルチーノ地区の南西部に拠点を置くワイナリー。作付面積は23ha。
栽培は全てビオロジック。標高320mの南西向きの斜面に位置し雨の少なく霧が発生しない日照条件の良い気候。気候収穫したぶどうはオーク大樽で温度管理はせず発酵。酵母の添加やバリック樽は使用しない。
熟成はブルネッロで4年、リゼルヴァで5年熟成させた後、瓶で9ヶ月熟成。
リゼルヴァは上質なぶどうが収穫された年のみに作られます。醸造所は最適な熟成環境を確保するために騒音 温度変化 臭気から遮断されています。
ニュースにもなりましたが元従業員が2006~2012までのバレルの栓をすべて開けて逃げた事によってこれらのヴィンテージは全滅してしまっています。よってほぼこれらのヴィンテージは手に入らない状況です。今回は2008年はごく少量残ったワインを瓶詰めしたもの。
名称がIGTになっているのは2006年から。
上記の理由からか、はたまたは協会から脱退したからなのかハッキリとした事は分かりませんでしたが、まあそんなとこでしょう。

カヴァッレーリはカ デル ボスコ、ベッラヴィスタと共にフランチャコルタで最も著名な生産者のうちの一つ。
1968年から自社元詰めを行なっています。
ぶどうはすべて自社畑。白のフランチャコルタは100%シャルドネ、ロゼのみピノネーロをブレンド。
1979年に初めて瓶内2次発酵のフランチャコルタ6000本を生産。
畑はシャルドネが37ヘクタール、ピノ・ネーロ1.5ヘクタール、スティルワインではカベルネ、メルロー合わせて5ヘクタールの畑で栽培。ファーストプレスのみ利用。ステンレスで第一次発酵を行ない古い大樽で発酵したものをノンヴィンテージのもので10%、コッレツィオーネで20%、サテンでは40%ブレンド。ルミアージュは手作業。ドサージュは6g/l、コッレツィオーネで4g/l。



【テイスティングコメント】
生産者: カーゼ バッセ
銘柄: ソルデラ 2009

外観は赤みの強いガーネットで粘性は高い。
強い塩気と旨味を香りから感じられる。
まず最初に表出するのが血液と鉄、そして烏龍茶の要素。
獣香にも似た野生的な香りが前面に現れる。ポップコーンの様な穀物的な香ばしさがある。エナメルリムーバーの様な華やかさ。
そこに濃密なコンソメスープの様な旨味を感じさせる香り。基本的に塩気を感じさせる要素が主体で、果実的かといえば、その要素は控えめである様にも思える。紫スモモやプルーンの皮の様な果実の風味、焦げたゴム、ベーコンなど。クミンや胡椒などの複雑なニュアンスを感じさせる。甘い香りのワインというよりは複雑性と厚みを旨としている。
口に含むと香りの複雑さからは考えられないほど、繊細でしなやか。酸も柔らかく、タンニンも落ち着いている。
広がる旨味、ほのかな甘みが本当に素晴らしい。
じわっとくる旨さ。余韻も長く申し分ない。口当たりに関してはブルゴーニュに比肩する。



生産者: カヴァレッリ
銘柄: フランチャコルタ ブリュット ブラン ド ブラン NV

やや濃い色調のイエローで粘性は中庸。
殆どシャンパーニュと遜色のないバランスで作られている。やや果実味と旨味が強いようには感じる。
ほのかに酸化感があり、それがまた杏のような風合いを表出させている。シャンパーニュでも上位キュヴェに近い香り。パンケーキやメイプルシロップを思わせる香りにややオイリーな塩気を帯びたナッツ、シトラスや青リンゴを思わせる果実味がある。非常にバター感が強く、滑らかでハーブの香りを帯びつつもリッチな香りがある。
酸味は豊かでシャープでありながら、含み香はリッチでボリューミー。


【所感】
まずカヴァレッリから。
フランチャコルタを飲むと常々思うのですが、シャンパーニュに極めて近いバランスで作られているなと。
ただ実際のところ、じゃあ100%同じかといえば全然そんな事ないんですけど、カヴァやクレマン、プロセッコと比べると非常に近いと思います。特にMLFや酵母のニュアンスが近いと感じますね。そんな感じなんですが、やっぱり差分はかなりあって、特に果実味に大きな違いがあります。柑橘というよりは、より熟していて、今回のカヴァレッリは杏ですが、全体的には核種系の果実のニュアンスが強く感じられます。それが前面に出ているイメージです。甘いシロップの様な風合いと酵母やMLFのニュアンスが絶妙に調和しており、上位並みのクオリティを感じますね。
かなり良いブランドブランだと思います。

次に今回の主役、ソルデラです。
親しみやすい果実味...という訳ではなく、二次的、三次的な要素が前面に出ていて、非常に複雑なテクスチャーを形成しています。これは2008ヴィンテージを利いた時にも思ったのですが、かなり難解で堅牢だと感じました。
抽出が前面に出ていて、枯れた樽の要素、獣香、穀物的な香ばしさ、塩気、スパイス、フォン ド ヴォライユの様な風合いが主軸です。
フレッシュな果実が主役...というより、そういった素直な果実の要素よりかは酸化や醸造による要素が最も強い。
混沌とすらしている。黒系果実の要素もありますが、主役ではありません。これは一部変質しているからなのかはわかりませんが、他のブルネッロと比べると大きく違っているのが分かります。基本的に2008年の印象と変わらず、香りは複雑、含み香は繊細でしなやか、ほのかな甘みを感じ、親しみやすい印象を受けました。
好みによると思いますが、ハマる人にはハマるブルネッロだと思います。




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【トスカーナ:11】あのスーパータスカンをもう一度。

こんにちは、HKOです。
本日はスーパートスカーナです。


【データ】
サッシカイアはトスカーナ州ボルゲリに拠点を置くワイナリー、テヌータ サン グイドのスーパータスカンです。
1944年にボルドーのラフィットからカベルネソーヴィニヨンの苗木を手に入れ自家消費用に仕込み始めたことから歴史が始まります。
その評判から販路を拡大し、遂には1978年のデキャンタ誌主催のブラインドテイスティングでベストカベルネ賞を受賞。1985年にはイタリアワインで初めてパーカーポイント100点を獲得、1994年にはボルゲリ・サッシカイアとしてイタリア唯一、単独ワイナリーのD.O.C昇格を果たしました。
ワイナリーを牽引したのはアンティノリの醸造家であった故ジャコモ・タキス氏、2000年代以降サッシカイアで醸造を務めたセバスチャーノ ローザ氏。
サッシカイアが作られるボルゲリはメドック地区に似た石ころだらけの畑、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の地質。
地中海性の温暖な気候が特徴で常に海からの風を受け乾燥し、日中は年間を暖かい一方、夜は冷え込みます。
そこに所有する畑は約90ha。砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。緩やかながら非常に起伏がある地形で、標高200~300mの斜面もあれば80mほどの平地も存在し、とてつもなく入り組んだミクロクリマを形成。
栽培は高密度の栽培や低収量での収穫を行い凝縮した果実を取得。マロラクティック発酵やオーク新樽による熟成を行う。


テヌータ ディ オルネライアはスーパータスカンの中心的生産者。カリフォルニアで経験を積んだロドヴィコ アンティノリ氏によって、1981年ボルゲリに設立されたワイナリーです。ポートフォリオはオルネライア、そして旗艦銘柄であり、わずか7haの畑から作られるメルロー単一品種のマセット。
オルネライア同様、選定を行いながら手摘みした葡萄を再度選果し、除梗した後、温度管理機能付きのステンレスタンク、木製発酵槽で高めの温度でアルコール発酵。約ひと月のキュヴェゾンの後、100%新樽で20ヶ月間熟成される。12ヶ月目にブレンドされ、残り8ヶ月間はさらに熟成。16ヶ月間の瓶熟成後出荷されます。



【テイスティングコメント】
生産者: テヌータ サン グイド
銘柄: サッシカイア 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ブラックベリーやダークチェリーのキャンディの様な香りとバタースコッチ、ブリオッシュ、シロップの様な甘い香りが感じられる。そして個性的なイースト的な要素。華やかさより果実の甘やかさが強調された形。
パストラミハム、エナメルリムーバー、青さを感じるピーマン、少しアーシーな甘草や土の要素が感じられる。
酸味が際立っていてタンニンは控えめ。
余韻は短く、甘草やミルク、キャンディの様な余韻を残す。ボディは強くなく、かなり軽めで2013年のボルドーを更に一回り落とした様な品質。


生産者: テヌータ ディ オルネライア
銘柄: オルネライア 2013

品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー38%、カベルネフラン10%、プティヴェルド7%
外観は赤みの強いガーネットで、粘性は高い。
ボルゲリとしてはかなり濃厚なカベルネソーヴィニヨンに仕上がっている。良ヴィンテージの2010年ボルドーにも近いバランスになっている。
熟したカシス、ブラックベリーの濃密な果実味を基軸にし、そこにMLFのクリーミーなバニラや果糖ヨーグルト、西洋杉の香りが混じり合う。黒糖やパウンドケーキの甘露さ。スミレ、薔薇の様な華やかさ。
ベーコンやリコリスの様な風味もある。
青い要素はあまりない。完全に熟している。
酸はしっかりと帯びているが、タンニンは甘く黒系の果実味と甘露さが綺麗な余韻を残していく。収斂さはあるが、余韻に甘い丸みとほのかな苦みを残す。


【所感】
スーパートスカーナ2本です。
なんかかなり久しぶりに飲んだ気がします...4,5年ぶりでしょうか。どういう感じだったっけなぁとちょっと悩みながら飲んだのですが、こんなにボルドーっぽかったっけ?
スタイルはボルドーに似てます。MLFと果実味、樽香の絶妙なバランス感。果実ばかりガツンと出る感じではなくて、バランス。この2本に関しては殊更そう思いました。
ただやっぱり酒蔵毎に結構スタイルが違うみたいで.....

まずはサッシカイア。
2013年、かなり軽めの酒質ですね、
2013年のボルドーは軽く薄めの出来だったのですが、それに輪をかけた様な軽さがあります。
黒系果実の風味はありますが、どちらかといえばリキュールとかではなくてキャンディの様な明るくフレッシュな香りでしょうか。そこにブリオッシュやシロップが混ざっている。
華やかさよりミルキーな甘やかさが強調された感じですね。
やや香りに青さを帯びているものの、香りのバランスは良いです。
ただ酸味がかなり際立っていて、ボディがかなーり軽いですね。飲みにくかったりするわけではないのですが、この手のカベルネソーヴィニヨンの良さってしっかり熟した味わいだと思いますが、それには即してないですね...悪くはないんですが...物足りなさが残るものですね。

次にオルネライア。
こちらもボルドー的風合を感じるんですが、あら不思議。
こちらは2010年にも近しいビックヴィンテージ並の高い熟度を持ったスーパートスカーナになっています。
予想外だったし、控えめにいって最高感あります。
基本的には果実味、MLF、樽でまろやかさや滑らかさを強調しながら、熟した果実の味わいを楽しむスタイルです。
実際カシスやブラックベリーなどの黒系の果実味も凝縮してるし、樽とMLFとのバランスも良い。青さもなく、相当な高クオリティで仕上げられていると思います。
香りも良いですが、アタックも良くてタンニンは甘く、しっかりとした酸もある秀逸。
これ、申し訳ないですけど、オルネライアに軍配上がっちゃいますね...
だって本当によいんだもの...





【トスカーナ: 10】カーゼバッセ、幻の2008 ブルネッロ ディ モンタルチーノ。

こんにちは、HKOです。
本日はブルネッロ ディ モンタルチーノの最高峰、カーゼバッセのIGT トスカーナ ソルデラです。
今回の2008年ヴィンテージは例の事件の影響を受けたヴィンテージで、極めて品薄になっています。
ちなみにシリアルは2000番台。そう考えると数十樽は残ってる事になりますね...


【データ】
カーゼ バッセ ディ ジャンフランコ ソルデーラは、モンタルチーノ地区の南西部に拠点を置くワイナリー。作付面積は23ha。
栽培は全てビオロジック。標高320mの南西向きの斜面に位置し雨の少なく霧が発生しない日照条件の良い気候。気候収穫したぶどうはオーク大樽で温度管理はせず発酵。酵母の添加やバリック樽は使用しない。
熟成はブルネッロで4年、リゼルヴァで5年熟成させた後、瓶で9ヶ月熟成。
リゼルヴァは上質なぶどうが収穫された年のみに作られます。醸造所は最適な熟成環境を確保するために騒音 温度変化 臭気から遮断されています。
ニュースにもなりましたが元従業員が2006~2012までのバレルの栓をすべて開けて逃げた事によってこれらのヴィンテージは全滅してしまっています。よってほぼこれらのヴィンテージは手に入らない状況です。今回は2008年はごく少量残ったワインを瓶詰めしたもの。
名称がIGTになっているのは2006年から。
上記の理由からか、はたまたは協会から脱退したからなのかハッキリとした事は分かりませんでしたが、まあそんなとこでしょう。


【テイスティングコメント】
生産者: カーゼバッセ
銘柄: IGT トスカーナ ソルデラ 2008
品種: サンジョベーゼ グロッソ 100%

外観は透明感のある濃いガーネット、粘性は中庸。
外観の色調の淡さからは想像つかないようなイタリア的な堅牢さがある。
少し硫黄のような還元香、そしてイーストや毛皮の様な香り、燻製の様なローストした様な味わい。オイリーでタール的、トリュフや土の風味。硬いイタリアワインにありがちな硬さ。
果皮の強いダークチェリーやブルーベリーの様な果実味、スパイシーな甘草。鉄観音の様な香りもある。
香りは今ひとつだが口に含んだ時の味わいの広がりは極めて素晴らしい。
少しの苦味とドライアプリコットをそのまま液体にした様な酸味と旨味、グリセリン感が乗ってくる。
特に含み香が圧倒的に素晴らしく、スミレやアプリコットの様な立体的な余韻が残る。


【所感】
うーん、やっぱりこれまで何本か評価の高いブルネッロ ディ モンタルチーノの飲んでみたけど、改めて僕の好みには合わないみたい。古酒はいいとは思うんだけど、若いワインが致命的に香りが好みじゃない...
ビオンティ サンティは華やかな香りは素晴らしかったですが、他のがなぁ...
ブルネッロじゃなくてサンジョベーゼは比較的好きな方ではあるんだけど。
以上、好みの話。以下ワインとして評価。
やや還元的なワインで、大樽熟成というのもあり酵母と野性味のある香りが主体的です。甘やかな樽香は無く、どちらかというと黒土系、あるいは炭焼き系の樽香、スパイス、ブドウそのものの香りが感じられます。故に堅牢。キャッチーさは無くて、どちらかというと古風なワインだと思います。
しかし、その香りとは裏腹に含み香は抜群に素晴らしい。わずかな苦みとともにドライアプリコットをそのまま液体にした様なグリセリン感を帯びた濃縮した液体です。それとともに果皮のスミレのアロマがしっかりと感じられます。生き生きとした溌剌とした液体です。ここは抜群に素晴らしい。
香りの方向性は異なりますが、全体的な印象はブルーノ ジャコーザに似てますね。もう少し香りと含み香のバランスは良いですが...
という訳でカーゼバッセのブルネッロでした。
うーん、品薄という需給バランスで決まる世界とはいえ、この価格帯なら他に飲みたいワインが沢山あるので、あえて選ぶことはないでしょうなー。
ただこれだけ評価されているのですから、やっぱり好みの問題でしょうなぁ。

【トスカーナ:9】ボルドー品種とのセパージュによるサンジョベーゼの変化

こんにちは、HKOです。
本日はトスカーナのサンジョベーゼ主体のワインです。しかしこのサンジョベーゼという品種、100%のセパージュで飲むと色の濃い鉄分の強いピノノワールといった風合いなのですが、生産者や他の品種が紛れ込んだ時にかなり違った様相をみせてきます。
今回のシナッラにせよ、ティニャネロにせよ、いわゆる単一サンジョベーゼと印象を全く違にするワインを作っていると感じました。

【データ】
アンティノリは1385年よりワインビジネスに関わる名門でイタリア全土に10以上のワイナリーを所有しており、キャンティクラシコの中心にあるテヌータティニャネロはその中でもフラッグシップのワインを生み出しています。その中でもサッシカイアのジャコモ タキスが手掛けるティニャネロはサンジョベーゼを主体としたスーパータスカンとして位置付けられています。ティニャネロが作り出される土壌は標高340~400ha。昼夜の寒暖の差がハッキリある急斜地帯。作付面積は57ha。収穫、グリーンハーヴェストすべて人の手作業によって行われます。またアルベレーゼシステムという土壌の構成自体を変える手法を取り水捌けの改善も行っています。2008年には最新鋭の醸造施設が完成。区画毎に醸造を進めています。
収穫後は手作業で選果。稼働式圧搾機で2階部分から絞った果汁をタンクに移動、発酵が進められます。
フレンチオークやハンガリアンオーク小樽で16~18カ月熟成。最上のキュヴェだけが選定されブレンド。瓶熟成を経てリリースされます。

ファットリア ディ マリアーノはサッシカイアのジャコモ・タキス氏がコンサルタントを務めるワイナリー。ボルゲリ地区からさらに南にあるスカンサーノ地区に拠点を置き、初リリースは2001年となっている。


【テイスティングコメント】
生産者: ファットリア デ マリアーノ
銘柄: シナッラ 2010
品種: サンジョベーゼ、メルロー

約1900円、WA92pt
外観は濃いが透明度が高いガーネット、粘性は高い。
非常に果実味が強くドライレーズンなどの乾いた果実や黒糖、クローヴ、リコリスなどの風味が感じられる。溶剤や土、炭焼きなどの風味。生肉などの風味。
ネロターヴォラにも似た果実味があり、非常にイタリア的。甘いタンニンと豊かな酸があり、ドライフルーツの余韻が残る。イタリアの中でも濃い部類に入るサンジョベーゼだと思う。


生産者: アンティノリ
銘柄: ティニャネロ 2011
品種: サンジョベーゼ80%、カベルネソーヴィニヨン15%、カベルネフラン5%

12000円、WA94pt(2010)
フランとカベルネが含まれているせいか、どこかボルドーのワインの様にも思えるが、遥かに酸が豊かにあり、独特の鉄っぽさが強く感じられる。ボルドー的な醸造手法によって作られたサンジョベーゼって感じだ。
熟したブラックベリーやカシスの豊かな果実味、なめし革や鉄分を感じる果皮の要素、スミレなどの要素が主体的。そこから追う様にタバコなどのスモーキーな要素、若い樹皮やリコリス、ローリエ。わずかに黒糖の様な風味が感じられる。カベルネの果実味を持ちながらサンジョベーゼらしい鉄分からくる華やかさが突出している。
酸は刺々しくなく、それでいてしっかりと存在しており、甘い滑らかなタンニンが感じられる。ブラックベリーや鉄分の余韻を感じられる。なかなかいい。


【所感】
まずはファットリア ディ マリアーノのシナッラ。
よく出来たネロターヴォラの様な濃い味わいのサンジョベーゼ&メルロー。ドライフルーツの濃厚な果実味があり、そこにハーブや炭焼きの風味が乗ってくる。
いわゆるイタリア的な濃厚なスタイルで、高いアルコール度数に裏付けられたタイプの濃さではありません。より果実の熟度に寄ったタイプのワインだと感じました。価格としては1000円台なのですが、その割には大変よく出来ていると思いました。高級なタイプの味わいではないんですが、テーブルワインとしてとても優れていると感じました。
次にティニャネロ。ソライアが濃いめのワインだったので、サンジョベーゼが含まれたティニャネロはより繊細な作りかと思いましたが、全然そんな事無かったです。熟度の高いブラックベリーやカシスの果実味。比率でいうとサンジョベーゼが8割を占めるので、サンジョベーゼらしさが前に出そうなもんですが、カベルネソーヴィニヨンやカベルネフランの個性が強いのか、カベルネ種の香りが結構前に出ています。ただ含有する酸の多さや舌触り、香りに含まれる鉄分の要素は明らかにサンジョベーゼのそれ。よってカベルネらしい果実味やハーブの香りと共に、引き締まったようなシャープな華やかさも合わせて含有しています。
高いレベルでサンジョベーゼとカベルネ種の特徴が反映されたワインだと思いました。


アンティノリ・ティニャネロ 2010

アンティノリ・ティニャネロ 2010
価格:11,232円(税込、送料別)




【トスカーナ:8+】カーゼバッセの熟成インティスティエティ、ヴェッツォーリのゼロ ドサージュを利く。

こんにちは、HKOです。
本日はヴェッツォーリの熟成フランチャコルタ、カーゼバッセの熟成ブルネッロになります。熟成したイタリアは実はあまり経験がないので、結構勉強になりました。
しかもこれがなかなか素晴らしい。


【データ】
ヴェッツォーリは、ジュゼッペ ヴェッツォーリ率いるワイナリーでフランチャコルタのエルブスコに畑を所有おりベラヴィスタに隣接。そこには樹齢は30年~40年のシャルドネが植わっています。
製法は伝統的なシャンパーニュ製法で、アルコール発酵後オーク大樽で12ヶ月、30ヶ月の瓶熟の後ドサージュ、出荷されます。ミラノのフォーシーズンズホテル メインダイニングのハウスワインにも選ばれています。
今回のドサージュゼロはその名前の通り、ドサージュは行わず、SO2も無添加。瓶熟は82ヶ月(7年)の後出荷されます。

カーゼ バッセ ディ ジャンフランコ ソルデーラは、モンタルチーノ地区の南西部に拠点を置くワイナリー。作付面積は23ha。
栽培は全てビオロジック。標高320mの南西向きの斜面に位置し雨の少なく霧が発生しない日照条件の良い気候。気候収穫したぶどうはオーク大樽で温度管理はせず発酵。酵母の添加やバリック樽は使用しない。
熟成はブルネッロで4年、リゼルヴァで5年熟成させた後、瓶で9ヶ月熟成。
リゼルヴァは上質なぶどうが収穫された年のみに作られます。醸造所は最適な熟成環境を確保するために騒音 温度変化 臭気から遮断されています。
ニュースにもなりましたが元従業員が2006~2012までのバレルの栓をすべて開けて逃げた事によってこれらのヴィンテージは全滅してしまっています。
よってほぼこれらのヴィンテージは手に入らない状況です。
ベネッセの例もありますが、従業員の反逆は怖いですね...まあ、この生産者、相当な頑固親父っぽいので無きにしも非ずか。1992年のインティスティエティはインティスティエティ畑とカーゼバッセ畑のブレンドで、本来はブルネッロ ディ モンタルチーノとなるべき葡萄を使ったワイン。ヴィノ ターヴォラにデクラッセされ、熟成期間を延長しリゼルヴァにした一品です。


【テイスティングコメント】
生産者: ヴェッツォーリ
銘柄: ゼロ ドサージュ 2005

約8000円、
外観は濃いイエローで粘性は高い。
ほのかに熟成感があり、極めて旨味が突出、ドサージュゼロだが柔らかくなっている。
ややミネラルを感じる。
塩ナッツ、カリンやアプリコットなどの充実した旨味を擁する果実味。バニラやイースト、ドライハーブ。濡れた木材。ほのかにドライシェリーの風味が感じられる。
ドサージュゼロだが、かなり酸味はこなれてきており、充実した旨味を感じられる。
綺麗に熟成したシャンパーニュにほぼ近い。素晴らしい味わい。


生産者: カーゼ パッセ
銘柄: インティスティエティ ヴィノ ダ ターヴォラ 1992
品種: サンジョベーゼ グロッソ 100%

20000円、WA98pt(1995)
外観は橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
良い出汁の様な香り、新世界の様な味わい。
紫スモモやドライアプリコットの様な旨味が充実した果実味、濡れた木材、濡れた土、梅しばの様な旨味。燻製肉や生肉、紅茶、ハーブティー。ナツメグ、ソースの様な濃厚な風味。腐葉土やアーシーで濃密な味わい。しかしながらミディアムボディ。
非常に充実した果実味、酸は穏やか、タンニンは柔らかい。ソースや旨味が充実した味わいがある。


【所感】
ヴェッツォーリのゼロ ドサージュは、ノンドゼの部分よりも、綺麗に熟成を経ていたことに驚いた。約10年程度の熟成ではあるものの、旨味系シャンパーニュと同等クラスの味わいを4000円で実現しているのは驚嘆に値する。塩気のあるナッツや、旨味を感じさせるカリン、そしてその中にイーストやドライハーブ、濡れた木材の要素。ゼロドサージュによる鋭い酸味の相当量は旨味に転化され、滑らかに、それでいて規模感の大きい旨味を実現している。
マロラクティック発酵の要素はなく、果実味もシャープ。グランメゾン的な熟成シャンパーニュではなく、より酸やミネラルを美しく活かす為の熟成を経ている。
4000円代でこれが買えるのは、ほぼ奇跡に近いだろう。2005年にしてここまでこなれてきているのも貴重。
次にカーゼバッセ。
今回カーゼバッセは初めてで、元の姿がわからないから何とも言えない。
ただ目の前の液体を元に語るのであれば、少なくともサンジョベーゼ グロッソの厚みではない。熟成を経て厚みを増しているとはいえ、強靭な旨味がある。フレッシュさは既に皆無。熟成したニューワールドの様な土っぽさ、そして紫スモモやアプリコットの旨味溢れる果実味、ソースの様な熟成に起因する要素が強烈な旨味を放っている。やや酸化的だが、ブルネッロ最上クラスの生産者の熟成の味わいの一端を感じることが出来る。

今まで熟成イタリアワインはピエモンテや一部のトスカーナくらいの経験しかしていなかったのですが、飲んでみるものですね、ビックリしました。
別に食わず嫌いしてた訳では無いんですが、これだけいい感じになるとは。
カーゼバッセは高いしそもそも手に入りにくいので、別としてフランチャコルタはかなりオススメです。



プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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