パトリック ジャヴィリエ、村名サヴィニー グランリアール 2007

こんにちわ。
今日は完全オフで秋葉原まで来ているのですが、同行者が所用があって、一人で秋葉原ウロウロしてました。
来てはきたもののあまりやる事がないぞ...俺、今の時流にひょっとして付いていけてない感じ?

生産者: パトリック ジャヴィリエ
銘柄: サヴィニー レ ボーヌ グランリアール2007

一杯500円で飲ませて頂きました。感謝。
あまり抽出はしていない様で、さらりとした、かなり薄い透明感のあるルビーの色調。
いわゆる薄旨系のピノノワールなんですが、これがなかなかいい。
ヴォルネイのピノを想起させる様な柔らかでフレッシュな造りが特徴的で、レッドカラントやクランベリーの赤い果実が、僅かな鉄分を伴いながら穏やかに香る。
凝縮感は無いんだけど、とにかくしなやかでエレガントでシルキーな質感。
綺麗な酸、キツイ印象は一切なし。
多分ブラインドで出されたらシャンボールミュジニーかヴォルネイと間違える様なタッチのワイン。
規模感も小さいが、上品で静かな印象。しみじみと美味しいなあと感じられる癒し系ピノノワール。


市場価格としては5000円台と村名としては安くは無いの値段設定ながら、これくらいの出来だったら、特に高いとは思えないな...
無名の生産者でマイナーなアペラシオンながら、なかなかいい経験させてもらいました。
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熟成ブル2種(モレサンドニ一級1993、ラ ロマネ1982)


こんにちは。
引き続き熟成ワインについて。今度はブルゴーニュの赤です。
ドメーヌ ランブレイのモレ サン ドニ 1級1993、ブシャール ペール エ フィスの特級ラ ロマネ 1982。
豪華ですねー。


生産者:ドメーヌ ド ランブレイ
銘柄:モレ サン ドニ プルミエクリュ 1993

特級クロ ド ランブレイの最大所有者のモレサンドニ1級。1級のアッセンブラージュ品なので畑名称はなし。
色調はまだ若々しいがやや橙色を帯びたルビー。粘性は低い。
非常に綺麗に熟成している印象。
酸味溢れる紫スモモや梅しばの果実味とともに、果実を煮込んだソース、より鮮明な腐葉土の香りが力強く立ち上る。生肉、ローズヒップ、オリエンタルなスパイス香が漂う。
口当たりはまだ若々しく、酸味も苦味も香りを引き立てる。口に含むとスパイスと血の香りが広がる。余韻は非常に長い。


生産者: ブシャール ペール エ フィス
銘柄: ラ ロマネ 1982

ネゴシアン、ブシャールのラ ロマネ。
ラ ロマネはヴォーヌロマネにあるロマネコンティに隣接した、フランス最小AOC、0.9haの特級畑。
現在ラ ロマネはコント リジェベレール元詰のモノポールで、当時はブシャールがリジェベレールからフェルマージュして販売していた。
色調は橙を帯びたルビー、粘性は中庸。
胡椒、八角やオリエンタルなスパイスと生肉、血液の野性的な香り、黒オリーブや梅しばの果実の塩辛いニュアンス、スーボワの大地香、ローズヒップの香りが漂う。それらが渾然一体となってソースの様に芳香する。ナッツの樽香も。滋味溢れる香り。十分なパワー感がまだ残っている。
アセロラを噛んだ様なややざらついた酸味と柔らかなタンニン、テロワールのポテンシャルを十分に感じさせる造りだった。


共に生来の出来の良さに所以するものなのか、非常に綺麗に熟成している印象だった。特にブシャールのラ ロマネはオリエンタルなスパイスや血液、ソースなどの熟成香が果実を覆う様に複雑なテクスチャを形成している。
モレ サン ドニはよりローズヒップや核種系の香りが高い密度で存在していた。若干若いからだろうか。

いや、ラ ロマネは本当に綺麗に香り高く熟成したもんだ。同じ約30歳なのに何かずるいな(笑)

熟成ローヌの白(ボーカステル シャトーヌフ 1994)

こんにちは。
熟本日は熟成ワインを3種類頂いてきました。といっても極端に古いものではなく1982, 1993, 1994年というラインナップですが...いまいち古く感じないのは私が1982年生まれだからでしょうかねえ。
ここぞとばかりに多分滅多に飲む機会がないであろう(進んで飲まないであろう)ローヌの白の1994年を。
銘柄はボーカステルのシャトーヌフデュパプ。ローヌでボーカステルでヌフの白という飛び道具この上ないチョイスですが、いやいやなかなか面白い感じでしたよ!

生産者: シャトー ド ボーカステル
品種: シャトー ヌフ デュ パプ ブラン1994

色調は濃い黄金色、粘性は低い。
特徴的なシェリー香を中心に、白胡椒、シャンピニオン、わずかなグレープフルーツの果実香が感じられるが、既に朽ち果てている印象。蜜蝋や菩提樹の香りも。
酸も僅かに感じられる程度だが、水っぽい中にも滋味や静かな柔らかさを感じ取ることが出来る。

18年で朽ちるもんなんですね...いや、これは朽ちてるのかな?わからないですが、結構中域がスッポ抜けている感じ。骨格は保っている様に感じますけど、面白いですが、楽しめるかと言えば特に酒として楽しめるものでは無かったです。
若かりし頃を想像して楽しむ系ワインでした。

ボルドー、2級シャトーの卓抜したセカンド。

こんばんわ。
セカンドラベルは時にブランド価値で値段が跳ね上がっちゃってるファーストラベルと比較して、かなりお得感がある場合が多いですよね。
カリュアド ド ラフィットなんかはファーストと一緒に値段が跳ね上がってますが、大抵の場合はかなりお得です。
これもかなりお得な逸品。価格にして3500円ながらファーストラベルに非常に近しい格好となっています。
3500円なら頑張れば月一回の贅沢には使えますね。


生産者:シャトー グリュオ ラローズ
銘柄: サルジェ ド グリュオラローズ2009
品種: カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、プティヴェルト、マルベック

なかなか複雑で素晴らしい造り、果実味だけでなく、甘草やスパイスが漂うかなり好きな出来。
黒に近いガーネット、エッジも若々しい色合い。粘性は中庸。
香りのバランスが非常に良く、カシスやブラックベリーの上品な香りとピーマン、タバコ、燻製肉の香りが漂う。
ブリオッシュの樽香は素晴らしい。
アタックもしなやか。
タンニン、酸は穏やかでボリューム感もあり、これからの可能性を感じさせる造り。
メドックらしい心地よい香り、エレガント。
余韻は長い。


いや、本当に3500円は安すぎる。
グリュオ ラローズ2009が大台に乗る価格の中で、セカンドとはいえ5000円切るのは素晴らしいよ。
果実味が心地よく感じるのは1.5%のマルベックがかなり効いてるんじゃないかな。ピーマン香はご愛嬌。
こういうセカンドがどんどん増えてくればいいのにね。

最高のクロ ヴージョ、ニュイ サンジョルジュ1級

こんにちは。
ジャングリヴォは何かと縁が深い生産者で村名ヴォーヌロマネ単一畑、村名ニュイサンジョルジュ単一畑、ヴォーヌロマネ一級レ ルージュ、特級エシェゾー、特級クロ ヴージョを飲んでいます。なので比較的そのスタイルは理解はしていて驚くべき所はあまりなかったのですが、やはりスパイシーで果実味溢れる面白い造りをしています。
実際に当主のエチエンヌグリヴォ氏にお会いしてお話を聞かせて頂いた事もありますが、実直で非常に真面目にテロワールに目を向けている方でした。
まさにそんな性格を表している造りでした。


生産者: ジャングリヴォ
銘柄: ニュイサンジョルジュ プルミエクリュ レ プリュリエ 2003

複雑味がよく出ており、綺麗に熟成している印象。
色はまだ若々しい澄んだルビー。粘性は高い。スパイシーで鉄分と果実味のバランスがとても良い。
抜栓後の強烈ななめし革とコショウの香りから、穏やかな腐葉土の大地香野薔薇のニュアンス、そして、徐々にダークチェリーやブラックベリーの果皮の厚い赤系の果実味が穏やかに立ち上ってくる。そしてワッフルと紅茶のフィニッシュ。鋭い芳香性は無いものの、構成の規模感の大きいワイン。
いまだタニックで強固な収斂さはあり、また酸も強めだが今後の熟成を予感させる。


今回はあまり後味の苦味は無かったです。但し、クロ ヴージョ的なタニックな造りで収斂性は高く、ややキツめの印象は受けるかな、と。
ここの特級は本当に凄いので村名、一級もそのおこぼれが欲しいなぁ。
あっ、ニュイサンジョルジュらしい大地香はキチンと感じる事は出来ました。


生産者: ドメーヌデュージェニー
銘柄: クロ ヴージョ 2009

いやいや、想像以上にいいですなー。
パワフルだし、線香、ミントを想わせる深淵で凝縮感のある香りが本当に素晴らしい。
すげーパワー感があるなぁ。
濃く深いルビー、粘性は中庸。
特徴的な線香やミント。ダークチェリーやラズベリーの凝縮した果実味(やや黒系のニュアンスも)、少しづつ野性味のあるパストラミハム、なめし革が現れてくる。スーボワやアニスシードの香りも。全体的に密教的なミステリアスな芳香で、同じお香の香りを持つベレールより、もっと静かで重々しい雰囲気を醸し出す。
時間が経過すると薔薇やスミレも現れ、それらが渾然一体と分厚く立ち上る。
口当たりはしなやかで酸は柔らか、タンニンも感じられるが気になるレベルではない。やや苦味はあり。
純度が高く、圧倒的な複雑さと凝縮感で押し寄せる官能。素晴らしい!大地香があるのでちょっとニュイサンジョルジュ的というか、どっしり地に足が付いた感じだ。
余韻は非常に長い。

いや、クロ ヴージョといえば区画によって当たり外れがあるんだけど、絶妙なクロ ヴージョは本当に素晴らしい!
その複雑さ、分厚さは卓抜したものがあるね。
デュージェニーはラトゥールのオーナーでもあるらしく、正直タニックでボルドー系なんじゃねーのとも思ったが、いやいや、立派にテロワールを表現してるじゃないですか!
いや、やはりクロ ヴージョはいいわ。
ブルゴーニュはこういうのがあるからたまらんよね。
いやーまぁ、高いけどさ。

カリフォルニア、キスラーヴィンヤーズのシャルドネ

こんにちは。
新世界のシャルドネはいつ飲んでも本当に素晴らしいですね。
コングスガードのザ ジャッジの様な最高級ワインから2000円台のデイリークラスまで押し並べて豊満なボディでボリューム感のある香りと味わい。
勿論美形揃いでスタイルがいいというのとはまた別ですが...
まあ、ソフマップのアイドルみたいなものですかねー、こう、美人だね!とエロい!ってのは違うもんなんですよ。
前置きがやたらと長くなりましたが、キスラーです。キュヴェエリザベスとキュヴェキャスリーンは有名ですが、そこまでいかない、大体一万円程度の中間グレードぐらいです。
それでも十二分に美味しかったですよ、勿論安くはないですが、ハレの日にはいいんじゃないかな。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: ソノマコースト レ ノゼティエール 2009
品種:シャルドネ

キスラーの中ではグレードの高いキュヴェてはないが、新世界らしく素晴らしくキャッチーな秀作。
ブルゴーニュに似たテクスチャーながら、やはり新世界らしいナッツとトロピカルフルーツの豊満な香りが漂う。
色はやや浮遊物のある明るいイエロー、粘性は高い。
洋梨、マンゴーの豊満な果実味に、分厚いナッツとバターの樽香が絡み合う。ミネラル感はやや穏やか。
フレッシュハーブやバニラの香りも。
全体的に非常に甘やかな造りで新世界的だが要素の際立ち方が緻密で、ぼんやりしていたりパワフルなだけの印象ではない。
非常にクリーミー。
酸はやや高いが、香りの分厚さで十分スポイルする。豊満でボリューミー、キスラーの緻密さと新世界の傑作の素晴らしさがよくわかる造り。
本当にバター香とナッツが強烈。
バタースコッチが如き厚さと甘露さ。

とにかくバター香とナッツの香りが強烈でした、それに続いてトロピカルフルーツ。
ミネラルや花の香りはさほど感じないので、クリーミーでリッチなムルソーに近いかな。少なくともピュリニーの特徴は無いかも。シャサーニュにしてももう少しドライ。

なんにせよ優れたワイン作るね!と言った感じですな。

カステッロ ディ アマ、キアンティクラシコ単一畑

こんにちは。
カステッロ ディ アマのキアンティクラシコの単一畑を頂いてきました。
カステッロ ディ アマのスーパートスカーナは何度か頂いた事があり、トスカーナでもなかなか好きな生産者なんですが、クラシックなDOCGを頂くのは今回が初めてでした。しかしミドルレンジからではなく旗艦銘柄から、というのがやや気が引けるのですが...


生産者: カステッロ ディ アマ
銘柄: キャンティクラシコ ベラヴィスタ 2007
品種: サンジョベーゼ、マルヴァジア ネラ

カステッロ ディ アマのキアンティクラシコの単一畑であるベラヴィスタです。
色はやや深いガーネット。粘性は低い。
未体験の香り。抜栓後、オイリーでタールやタバコの様な香りか主張するが、その奥に少しづつ果実味が感じられるくる。
西洋杉、焼いたゴム、鉄釘などおおよそサンジョベーゼを感じられない香りから、カシスやブラックベリーの穏やかな果実味が広がる。
そしてチョコレートやドライフラワーの香り。大地香も。
キアンティのフレッシュさというよりも、カベルネやローヌに近いインキーで重厚な造りに感じる。
かといえば花々しさや軽やかさを見せるあたり非常に多面性を見せるワインでもある。
抜栓直後というのもあり非常に閉じている印象はあるもののポテンシャルはかなり高いか?
アタッキーで、タニックで酸も強く人を寄せ付けない感じではあるものの、熟成していけばボルドーの様なエレガンスを出して行くのではないか。確かに今現状を鑑みるだけであれば、ラッパリータの圧勝かもしれない。

という所で、抜栓直後というのもあり、キアンティクラシコに見られる明朗快活なイメージやピノノワールを思わせる印象は全くなくて、やや気難しい、閉じたボルドーのイメージ。
これが品種やキュヴェに所以するものかは判断付かないですが、ボディ自体がそもそもキアンティ的な軽やかさはないので、恐らくこういうタイプなんでしょう。
潜在能力は半端なさそうなのでこれから時を経てバランスが改善しそうな予感。期待は出来るワインです。

コート ド ボーヌの赤白を巡る

こんにちは。
非常に恥かしい事ではあるのですが、ポマールは小職には全く縁が無くて今回の村名が始めての経験になります。

ともあれ、ポマールは特段衝撃的な訳でも無く、ジュヴレシャンベルタンやヴォルネイの中間を行く造りでした。
果実味の凝縮感はジュヴレのワインによく似ているし、瑞々しさはヴォルネイやシャンボール的。掴みどころが無いといえば無いしバランスが良いと言えば良い。極端を示すワインでは無いということですね。
だからと言って悪い訳でなく、非常に優れたアペラシオンであることは間違い無いでしょう。


生産者: フローラン メロード
銘柄 : ポマール クロ ド ラ プラティエール2005

透明感のある濃いめのルビーの色調、粘性は低い。
適度に熟成を経ていてまさに飲み頃といった所。果実味と熟成感のバランスが丁度良い。
柔らかな腐葉土のニュアンスとアニスシード、ダークチェリーやレッドカラントの赤い果実味が際立つ。なめし革、シャンピニオン、赤い花のニュアンスも。藁の香りも。
アタックがしなやかで、なかなか果実の凝縮感があるし、酸も心地良い。印象としてはジュヴレシャンベルタンの様な果実の強さがありながらヴォルネイの様な柔らかさがある。


生産者:ブランガニャール
銘柄:シャサーニュモンラッシェ プルミエクリュ モルジョ 2007

色調は薄い黄金色、粘性は高い。
バランスの取れた果実味とミネラル、花の香りはやや控えめ。
パイナップルやライムの柑橘系の香りに火打石の豊かなミネラルとバターの樽香が混じる。ハチミツ、キノコ、ハーブの清涼感のある香りも。バターやナッツなどの穏やかなニュアンスもあるが、全体を通してミネラルと清涼感のある引き締まった酸と柑橘系の香りから強固な骨格を感じさせる。
いささか緊張感があり過ぎる造りではあるもののクリアな造りは非常にシャサーニュしている。
なかなか美味しいプルミエクリュ。


モルジョはいかにもシャサーニュらしいとても良い造りでした。
個人的にブランガニャールは無名ながら非常に良い生産者であると思っていて、アペラシオンのテロワールの特徴をキチンと表現出来ていると思います。ル モンラッシェもバタールモンラッシェもそうですが、個々の特徴を果実味豊かに表しているのが非常に好感が持てます。リーズナブルですが、いいですよ。

新世界シラーズを見直す。

こんばんは。
新世界のシラーズは何回か飲んだ事はあるのですが、正直アルコール度数の強さから「カベルネ、メルロっぽいなー」至極的外れな感想を漏らしていたのですが、先日のローヌのエルミタージュ、コートロティ、ヌフを比較的短期間で飲み込む事でシラーズの良さ、というか特徴が少し見えてきたような気がします。
あんまりにも高いのをポンポン開けるわけにはいかないので今日はデイリーのシラーズを開けたのですが、なかなかに面白い発見がありました。

生産者:セント ハレット
銘柄:フェイス シラーズ バロッサヴァレー2008

ここ最近のシラー系ブームの続きでオーストラリアのシラーズを頂いています。
価格は1900円と非常にリーズナブルです。
色調はインクのように黒に近いガーネット。粘性は高め。
やや豪奢なエルミタージュと言った印象。濃い色調の外見と同期を取る様な、カシスやアメリカンチェリーの香り。パストラミハムのスパイシーなニュアンスも。
わずかに焦げたゴムやスミレなどの赤い花の香りも。
しかしながら中心にどっしりと鎮座するのは果実味で、全体的にメルロー的なニュアンスが感じられるものの、タンニンより際立つ酸味が特徴的。
穏やかな甘みのあるローヌのシラーと比較すると酸味も相まって非常に溌剌としている印象。
アルコール度数の高さでマスキングされて全体的にぼやけた印象ではあるものの、よくぞ1900円でここまで造る事ができたな、と関心してしまう。


なかなか楽しめる造りだったかと思います。シラーズはシラー程特徴的なスパイスの風味も無いし、新世界らしい面が中心に出てくるのでメルローやカベルネソーヴィニヨンに似た雰囲気はあるのですが、品種独特の黒胡椒のニュアンスが僅かに感じられるのと際立つ酸味が非常に分かりやすく特徴を表わしていますね。
逆にシャプティエのクローズエルミタージュはスミレの香りが強く出ているのですが、それは作り手の個性なのかな。ピノもカベルネにせよ、何にせよまとめてテイスティングしないと分からない事は沢山あるな、というのが所感。
いやいや、難しいものですね。

シャプティエ シャトーヌフデュパプ 2006

日曜日のローヌ特集の続きです。
これはセラーから出してきたもの。

生産者: Mシャプティエ
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ ラ ベルナルディン 2006

透明度の低い土色に近いルビー、粘性はやや低い。
10%のシラーに所以するものか、ほのかにスパイシー。グルナッシュの素朴なアンズやカシスのジャムの甘やかな果実味、大地香、西洋サンザシ、スミレの香り、焼いたゴムがほのかに香る。グルナッシュ100%らしい素朴ながら甘みを感じる穏やかな造り。
口の中でドライフルーツの甘みが広がる。まさにヌフ的だが、収斂性は高く、タニック。酸も強いためややギスギスした印象はある。
クロ デュ パプと比較すると、より果実感が全面に出ており、透明感はあるものの、スケール感は大きく劣る。6000円という価格帯を考えると妥当だろうか。

美味しいといえば美味しいんだけども、香りの透明感に若干難ありと感じた。しかしながらこのグルナッシュならではの甘やかさはやはり魅力的だ。

エルミタージュ白1種赤2種+ヌフ1種


こんにちは。
久々に北部、南部のローヌワインを楽しんできました。エルミタージュとシャトーヌフデュパプ。エルミタージュは白1種、赤2種。シャトーヌフデュパプ1種。
ローヌ北部といえば、華やかでスパイシーな印象があったが、今回のドゥラスは非常に豊満な果実味が強くまるでポムロールの様な印象があった。確かにワインアドヴォケイト向けの果実爆弾だった。
白はネゴシアンものだが傑出した造りで溌剌としつつも非常に濃厚で緻密な構造の出来。


生産者: クロ デュ パプ
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ 2009
品種: グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー

ワインアドヴォケイト95点。
スパイシーで甘みのある果実味。
色合いは黒に近すぎない明るいガーネットで粘性は同じく高い。
血液の様な鉄分と焼いたゴム、スミレの花の香りを中心に甘みのあるドライプルーンやアプリコットの果実味が感じられる。野性的な作り。スパイスや紅茶の香りも。
非常に甘いドライフルーツの味わいが特徴的で、酸は非常に穏やかながら割としっかりしたタンニンがある。酒質としてはかなり強靭な作り。ぽってりとした濃厚な造り。心が落ち着く卓抜したシャトーヌフ。甘草の様なニュアンスも。


生産者: ドゥラス
銘柄: エルミタージュ ドメーヌ デ トゥーレル 2009
品種: シラー

ワインアドヴォケイト98点。
黒に近いガーネット、粘性は非常に高い。
ヌフと比べてより華やかでスパイシー。プルーン、ブラックベリーの様な豊満な果実味を中心に、キャラメルポップコーンや杉、焼き栗、黒胡椒の香り。わずかに赤い花の香りも。タニックで収斂性が高く、酸味も強いが、香りのとろけるような甘さでカバー。華やかなシラーでは無く、非常にどっしりとした重厚な果実爆弾。


生産者: ドゥラス
銘柄: エルミタージュ ル べサール 2009
品種: シラー

ワインアドヴォケイト100点。
黒に近いガーネット、エッジはやや赤紫。粘性も高い。
ドライプルーンやブラックベリーに近い、ポムロール的な果実味の爆発を感じる。とにかく果実味が傑出していて前に出ている造り。鉄釘、甘草、コーヒーの様なニュアンスも。シナモンやキャラメルの様な甘みのある濃厚な樽香も。
シラーの割にはやや黒胡椒のニュアンスは低め。
ややタニックでアタッキーだが、凝縮した甘みのアプリコット、プルーンのとろけるような甘み。収斂性が高いタンニン、酸は滑らか。


生産者: ジャン ルイ シャーヴ セレクション
銘柄: エルミタージュブラン2009
品種:マルサンヌ主体

エルミタージュの魔術師シャーヴのネゴシアンもの。
色調は濃いレモン色、粘性は非常に高い。ミネラル感のある比較的フルーティな香り。
クリーミーかつナッティで、ローストナッツや火打石、バターの香りを主軸にシャンピニオン、アプリコットやドライハーブの香りが漂う。ねっとりとした絡みつくような蜂蜜感、粘性で酸味も殆ど感じられない。若干苦味もあるような。

いずれも良い出来ではありつつも、ローヌ独特の個性を見せたのがクロ デュ パプとシャーヴのネゴシアンだけだったのはやや残念。ドゥラスはもう少し個性を出してくれた方が個人的には好きだったかもしれない。

ポンソ シャンベルタン垂直+ブル1級2種


ああ、ドメーヌ ポンソのシャンベルタンである。ご存知かと思うがポンソは非常にボトル差がある生産者で、ハズレは落ち込むが、当たりを引いた時の官能性は随一、まるで果実をまるごと齧った様な強烈な果実感がある。ともすればアルマンルソーより本来は評価が高くても不自然は無いと思っている。それだけキャッチーでブルゴーニュ原初の素晴らしさを伝えてくれるワイン。
運が良くポンソのシャンベルタンを垂直で味わう機会があったので、感想を書きます。ヴィンテージは2007と2008。いずれも一定の評価があるヴィンテージ。あとはボトル差が無ければ....
幸いな事にボトル差は無く、十分にその官能性を楽しませてくれた。
あとはオマケ...とは言い難い素晴らしいワイン2種類。メオカミュゼとリジェベレール、ヴォーヌロマネ屈指の生産者のプルミエクリュである。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: シャンベルタン 2007

やや濃いルビー、粘性は高め。
鉄釘、動物性の香りが目立つ。
2008と比較するとやや凝縮感が不足しているものの、口に含むとポンソならではの凝縮した果実香が楽しめた。クランベリー、ダークチェリーの果実味となめし革を主軸に、華やかな薔薇、僅かにスーボワの大地香。胡椒、鉄釘の様なニュアンスがある。
後味にやや苦味があるもののフルーツを噛み砕いた様なフレッシュな果実味が溢れる。素晴らしいが2008年に比べると若干ひ弱で、ヘタれるのもやや早かった。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: シャンベルタン 2008

濃いルビー、粘性は高い。
こちらは本当に素晴らしかった。
非の打ち所のない、とんでもないシャンベルタン。
果皮の厚い超凝縮したダークチェリー、クランベリー、アセロラの果実香と強烈なスパイス香。華やかな薔薇やスミレが主張する。スターアニス、ムスク、パストラミハム。
そして徐々にチョコレートの樽香、桧木、スーボワも。
2007年同様、こちらも若干の苦味がありつつも華やか。しかしながら赤い果実を噛んだ様なフレッシュな酸味はより鮮明で、滑らかなタンニンがある。時間を置いてもゆるがぬ芳香性。張り詰めるような酸味と絶大な旨味成分。
アルマンルソーの様に深淵で難解な訳ではないが、エレガントさと強靭でしなやかな果実味が同居するパワフルなワイン。

圧倒的に2008だった。
比べるべくもないくらい、構成する全ての要素が鮮明で圧倒的な質感をもって主張する。骨格や構成要素に差は無く、完全に上位互換のヴィンテージ。これに当たったら、余程ラッキーだろう。
価格は2007が約45000円、2008が64000円。2007は価格とは見合わないと感じるが、2008は若干高額ながらも値段に見合うワインだと思う。
高額でギャンブル性の高い生産者だが、素晴らしいのは抜群に素晴らしいのだから困ったものだ。


生産者: メオカミュゼ ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ オー ミュルジュ 2007

シャンベルタンの鮮明な凝縮感と比較すると、ややぼんやりとした印象はあるものの、あくまで比較対象が大きく異なる。
単体でニュイ サン ジョルジュとして考えるとかなり卓抜した造りと言える。
引き締まった凝縮感のあるダークチェリー、クランベリーの果実味、薔薇や鉄釘を中心に、東洋のスパイスの香り、なめし革も。分厚い旨味成分。アニスのニュアンスも。動物性の香りを伴い、重厚感のある果実味。凄いエキス感。
わずかに大地の香りも。
方向性としてはジュヴレシャンベルタンに近いがより柔らかさを感じる印象。
香りの華やかさと同期を取るような綺麗な酸と口に残る旨味が素晴らしい。
やや苦味があるものの気にならない程度には綺麗な果実味がある。
エレガントで香水の様な香り。


生産者: コント リジェベレール
銘柄: ヴォーヌロマネ プルミエクリュ レ スショ 2008

独特で個性的な香味を放つリジェベレールのプルミエクリュ。
色合いは深めのルビー。
相変わらず中華料理的なスパイスの香りが充満する。そして穏やかなダークチェリーやクランベリーの凝縮した果実味。強烈な香りにクラクラする。リジェベレールのワインを飲むといつもそうだ。中華料理的なスパイスの香りを中心に据えるが果実味も十分で、噛むような果皮の厚いベリーの酸、シルキーなタンニンを持っている。
本当に魅力的なワイン。ともすればDRCよりも好みかもしれない。


レ スショは本当に好きな畑で、生産者毎に異なる表現を見せてくれるし、生産者の表現に耐えうる位のポテンシャルがある。
クロサンジャックやカズティエ、ソルベにアムルーズ、フュエ、数多あるきらめく一級畑にあって、それらに並び立つ位のクリマだと思う。

NSG 1erも面白い。確かに男性的でジュヴレシャンベルタンに近しいテクスチャながらヴォーヌロマネの様な個性もある。極めて個性の強いシャンボールミュジニー、ヴォーヌロマネ、ジュヴレシャンベルタンを基軸に各村の特色が現れていくのは非常に興味深いところである。

シャトー ラグラーヴ ア ポムロール2009

こんにちわ。
ボルドーを語る時に同時に金の話は欠かせません。そんな高騰著しいボルドーの中でも、特に日夜シンデレラワインが生まれ爆発的に値上がりしているアペラシオンがあります。ポムロール。それだけ品質の向上が著しくレベルの高いワインが生み出されているのは事実であり、特にメルローの凝縮感は他のアペラシオンの追従を許さない所であります。
そんなポムロールからクリスチャンムエックス関連の比較的お値打ち感のあるワインを。

生産者 • 銘柄: シャトー ラ グラーヴ ア ポムロール 2009

深い黒に近いガーネット。
粘性は高い。
いかにもポムロールらしい凝縮した豊満でボリューミーな果実味が目立つワイン。ジャミーなドライプルーン、ブラックベリーのコンポートの様な濃厚な果実香を中心に、西洋杉、スミレの香り、タバコのニュアンス。後味にバニラの香りが鼻から抜けてゆく。
重厚さや緻密さを感じないのは、そもそもそういうスタイルだからか。とにかく膨らみや甘やかさを強調している。締まりのなさをやや感じる。
ジワリと感じる苦味と際立ったタンニンは感じるが、全体的な完成度としては気になるレベルではない。ポムロールらしいポムロール。

個人的にポムロールはあまり好きなスタイルではないのだけれども、流石にラフルールペトリュスやネナンを飲むと感じ入る物がある。それと同系列の味わいがある。
丁寧で美味しく感じる様にちゃんと工夫がなされているね。

シャトーカロンセギュール2006(3年セラー保管)

こんにちわ。
カロンセギュールは私にとってなかなかに思い出深いボルドーのグランヴァンである。丁度ワインを嗜み始めた時に、その個性に圧倒されたからだ。(今思うと特徴的な樽香の強さだったと思うが)
度々思うが、サンジュリアンの硬質な造りであるもののエレガントさや柔らかさに関しては卓抜したものがあると思う。今回はその2006年ヴィンテージ。

生産者・銘柄:シャトー カロン セギュール 2006

こちらは2009年に購入し、自室のセラーに保管していたもの。
ざっと3年間は自室保管をしていた為如何様な状態かはちょっと気になる所ではあったものの、予想以上に造りの良いボルドーだった。
素性が悪くないので当然だが、如何せん劣化ワインに当たりすぎた。
まさにボルドーのメドック格付けクラスといった風体で色調は濃い澄んだガーネット。
粘性は中庸といったところ。
やはり樽香のニュアンスが強くバニラや、甘やかなカシス、ミルティーユの果実香、芍薬、タバコやシナモン、胡椒、クローヴなどのスパイシーなニュアンスが感じられる。
ややタンニンや苦みはあるが、熟成によって柔らかくなっていく事は間違いない。
ピジョンララントを想起させる優美でエレガントなボルドー。

新世界の世界

こんにちは。
今回は新世界のグランヴァン、カルトワインを中心に。
新世界といえばやはりチリやカリフォルニアのリーズナブルなワインを想起させますが、新世界のレベルはもはやブルゴーニュのグランクリュ、ボルドーの特級シャトーに肉薄するレベルである事は疑いようがないでしょう。
しかもまだまだ進化の余地を感じるあたり非常に楽しみな部分であります。


■ブルゴーニュ系赤比較
生産者: マウントメアリー
銘柄: ピノノワール2008
品種: ピノノワール
生産地: オーストラリア ヤラヴァレー

オーストラリア、ヤラヴァレーの非常に手に入りづらいちょっとしたカルト的なワイン。
比較的ピノノワールにしては濃いルビーで粘性は高い。ダークチェリー、ラズベリーとやや赤系果実が目立つイチゴの様な甘みのある果実香。チョコレートボンボンのような樽香、土の様な香り。パワフルでジュヴレシャンベルタン系を想起させる造りで、口当たりはややアタッキーながらも滑らかな酸味でタニックではない。果皮のニュアンスがあるのでちょっと黒い果実も感じる。ブルゴーニュに非常に近しい造り。よく出来ている。


生産者: コスタ ブラウン
銘柄: ソノマコースト ピノノワール 2009
品種: ピノノワール
生産地: カリフォルニア ソノマコースト

極めて新世界的な造りでありつつ果実味が高い、ジュヴレシャンベルタン的な強固な骨格。ピノノワール的な色調というよりカベルネに違い中庸なガーネット色合い。ブラックカラントやダークチェリーの濃厚なジャム、干しぶどう、インク、黒オリーブ、ドライフラワー、鉄釘、ミント、チョコレートのニュアンスも。流石にアルコール度数は14.5%だけに強く焼け付く様なアタックで酸味よりタンニンの方が強い。とにかく果実味と樽香か強い、極めて華やかで強靭な香り。だがブルゴーニュらしさは無く、やはり新世界寄りの造り。



■ボルドー系赤比較
生産者: マウントメアリー
銘柄: クインテッド2008
品種: カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、メルロー、マルベック、プティヴェルト
生産地: オーストラリア ヤラヴァレー

オーストラリア、ヤラヴァレーで造るボルドーブレンド。アッセンブラージュはカベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、プティヴェルト。
品種特性もあり黒に近い深いガーネット、粘性は高い。まさにボルドー、しかも昨日のクレールミロンや、サンテステフのカロンセギュールに近い、良く炒ったコーヒーの樽香、プルーン、カシスの黒い果実が目立つ。ハーブ、インク、甘草、鉄釘の香りもある。ボルドー系のアッセンブラージュだが、比較的タンニンが弱く酸の方が際立って見える。酸のおかげかずっしりはしていない感じ。
マウントメアリーはいずれもクオリティは非常に高いように感じるが13,000円はやや高すぎるような気がする。


生産者: シェーファー
銘柄: ヒルサイドセレクト スタッグスリーブスディストラクト 2007
品種: カベルネ ソーヴィニヨン
生産地: カリフォルニア スタッグスリーブス

コスタブラウンで十分濃ゆい色合いと思っていたが遥かに超える黒さだった。カベルネらしい中心部は黒いが、エッジはクリアなガーネット、粘性はかなり高い。
抜栓後3時間は過ぎているだろうが、未だ硬い様子。 クレームドカシス、ドライプルーンの果皮の厚いジャミーな果実味が際立つ。焼いた杉、コーヒーや煙草、インクやドライフラワー、甘草のニュアンスもありボルドーグランクリュクラッセを想起させる造り。複雑。分厚いタンニンと酸味に覆われて、口当たりアタッキーでややキツイ感じはするが、熟成させる事で素晴らしい味わいに転化するだろう。
アルコール度数15.5%。豊かなテロワールから生まれる酵母発酵限界ギリギリまで発酵させた。挑戦的でアタッキーな造り。一見ポムロールのエレガンスに、そして、シャトーラトゥールによく似ている。


生産者:シャトーメルシャン
銘柄: 桔梗が原メルロー2007
品種: メルロー
生産地: 長野県塩尻桔梗ヶ原地区

澄んだ明るいガーネット、粘度は比較的高め。ボルドーのグランクリュクラッセの品質と大差ない香水の様な煌びやかで力強い香り。ドライプルーン、クレームドカシス、甘草、土っぽさ、シャンピニオンのアロマ。凄い果実味。滑らかな口当たりで酸もタンニンも比較的落ち着いている。 キャラメルの様なアロマがある。ラフルールペトリュス、パルメに近いかも。


生産者: シャトーメルシャン
銘柄: 城の平カベルネソーヴィニヨン2005
品種: カベルネソーヴィニヨン
生産地: 山梨県勝沼町城の平地区

澄んだ若干濃いガーネット、粘度は高い。
こちらもグランクリュクラッセどかなり近しいレベルの品質とテクスチャー。
どちらかと言えばこちらの方がメドック左岸タイプに近いかも。クレームドカシス、ブラックチェリー、ハーブや杉、腐葉土、シャンピニオンの香りが力強く立ち上る。 シャトームートンロートシルトに近い造り。
既にかなりしなやかな口当たりとなっており、以前は残っていたであろうタンニンのコクと落ち着いた酸が心地よい。 後半はチョコレートフレーバーや湯で野菜のニュアンスも。


生産者:サントリー登美ヶ丘ワイナリー
銘柄: 登美2007
品種: カベルネソーヴィニヨン、メルロー、プティヴェルト
生産地: 山梨県甲斐市登美ヶ丘ワイナリー

澄んだ濃いガーネット、粘度は高め。
ボルドーのクリュクラッセの様な造りに寄った訳ではなく、よりメルローの果実味を主張させた造りとなっている。
メルローらしい溌剌としたジャミーなプルーン、木苺、スミレが穏やかにひろがる。
やはりこちらも日本のワイン同様タニックではなく、酸が穏やかでかなり高級感がある。
優しさに溢れた香りがある。
とにかくフルーティーで華麗な果実味がある。



■ブルゴーニュ系白
生産者: コングスガード
銘柄: ザ ジャッジ シャルドネ 2009
品種: シャルドネ
生産地: カリフォルニア ナパヴァレー

淡い色調の澄んだレモンイエロー、粘性は強い。確かにモンラッシェを想起させるニュアンスがある。強固なミネラルと洋梨、マンゴー、黄桃などの糖度の高い果実、バニラクリーム、ローストナッツ、ハチミツの香りがキラキラと香水の様に複雑に際立つ。灯油、フレッシュハーブ、西洋サンザシのニュアンスも。ヒリヒリしているが清涼感のある酸味、アタックは強め、口の中にトロピカルフルーツと焼き芋のニュアンスが広がる。香りの指向性、クリアさが際立つ素晴らしい出来。なるほどね。ぼんやりとした雰囲気は全く無い。

老人の優しさを感じるラトリシエール。

こんにちわ。
ジュヴレシャンベルタンは強固な体躯と力強さがテロワールの個性であるが、要素の華やかさや力押しでない、優しいジュヴレシャンベルタンは初めてだった。

生産者: カミュ ペール エ フィス
銘柄: ラトリシエール シャンベルタン 2002

非常に良心的な値付けで有名なカミュ ペール エ フィスのラトリシエールシャンベルタン。
本当に意外な事ではあるが、ジュヴレシャンベルタンの野生的な面は一見一切無く、落ち着き払った穏やかで静かなラトリシエール。
ギュッと目の詰まったストロベリー、ラズベリーの果実味と鉄分、なめし革の香りが目立つ。エキス感。スミレやクローヴ、燻製のニュアンスもある。アルマンルソーの様に溢れる様な果実味や複雑さは無いが、確かな骨格、体躯。タンニンも酸も綺麗に溶け込んでおり、包み込む様な果実味の甘さがある。
男性的でありながら険の無い穏やかでバランスの取れたラトリシエールシャンベルタン。
想像以上に良かったので驚いている...徐々に野生的な面も。

時間が経つと以外とジュヴレシャンベルタンっぽい強さも出てくるな。
なかなか面白いワインだ。興味深い。
価格はボトルで6000円程度。グランクリュとしては破格の安さだ。

心を癒す久々のボルドー体験

こんにちは。
久々にボルドーを飲んで揺るがぬ品質と心地よさに感心。ヴィンテージの良し悪しがあれど、こと優しさやノスタルジーを感じるのはやはりボルドー。ブルゴーニュの品質の高低差を鑑みるとやはり安心感と心地よさがボルドーにはある。オーメドックドゥジスクール2004に感激した時のイメージを思い出すと原初のワインって美味しいなという気持ちを思い出してしまうのだ。

生産者•銘柄: ラ クラルテ オーブリオン 2009

ラ ミッション ブランとオーブリオン ブランのアッセンブラージュ品。
浮遊物が多い澄んだ黄金色、粘性は高い。ノンフィルター。
セミヨン比率が高いからか青っぽい部分はあまりなく、シャルドネを想起させる香り。
石灰石を思わせるミネラル感はシャサーニュモンラッシェに近いか。白い花や濃厚なバター香、ハチミツ、シャンピニオンの香りを主軸として、脇を固める様にライチ、洋梨の果実香が鋭く香る。
口当たりはシャルドネの様にクリーミーでリッチではなく、クリアで透明感を感じさせる酸味と清涼感のあるアタック。
香りはシャルドネ的でボリューム感は高いが、このピンと伸びた酸味とのバランスはなかなか素晴らしいものがあるな。

生産者•銘柄: シャトーレオヴィルバルトン2009

ボルドーメドック格付け2級シャトー。
紫に近い深いガーネット、粘性はかなり高い。芍薬、西洋杉、カシス、ブラックベリーの果実味。クローヴ、僅かにタバコの香り。ムスクやチョコレートのニュアンスも。一塊となった力強く重厚な香りでいかにもボルドーのクリュクラッセに近い造り。豊満なイメージ。酸とタンニンはやや強めで収斂性は高いが、基本的には滑らかなタッチで、香りから連想させる重々しさは感じない。流石に鮮やかな出来。しかし2級シャトーの品質かと言われればもう少し頑張ってもらってもいいのかな、という出来。

バルトンはいささか造りの妙を感じにくい造りであったものの、特筆すべきはクラルテ オーブリオン。ボルドーの白、しかもセミヨン主体にも関わらず、シャサーニュの一級に匹敵する品質に脱帽。ブラインドで出されたら爽やかなシャサーニュと処理してしまうかもしれない。ボルドーの高品質な白。以外と目が離せない素晴らしい造り。
価格的にはなかなか手の出せない所ではあるが面白いワイン。

DRC3種テイスティング


こちらも同様に3月にDRCのテイスティングをしてきました。DRCはアルマンルソーとともに一度でも体験してみたかったワイン。特に比較検討が出来たのはかなり勉強になりました。

生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: エシェゾー2006

価格は60000円、パーカーポイントは92点。
透明度が高い輝きのあるルビー、粘性は中庸。若干の熟成を感じる造りで、ダークチェリー(リキュール)やクランベリーの赤い果実の瑞々しいニュアンスと共にスーボワ、オリエンタルなインセンス、葉巻を主軸に、薔薇、スイカズラの華やかな香り。燻製肉、鉄釘クローヴのニュアンスも。 とにかくフレッシュでありながら艶やかで深みや厚みを感じる造りでタンニン、酸のバランスも完璧。偉大すぎるエシェゾー。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: リシュブール2000

価格は120000円、パーカーポイントは94-96点。
若々しく透明感のある深いルビー、粘性は中庸。エシェゾーと比べてヴィンテージは古いが、やや若々しさを保っている印象。
エシェゾーに見られたダークチェリーのリキュールやミルティーユの果実味はやや控えめになったが、こちらはバラや野ばら、ゼラニウム、スミレなどの艶やかな花の香りやオリエンタルなお香やスパイス、鉄釘、燻製肉の香りが支配的。スーボワの大地香もある。エシェゾーと比較してより、動物的な香りや花の香りが強く出ており香水の様な香りの指向性が見える。酸もタンニンもシルキーで滑らか。若干の梅やアセロラのニュアンスも。あまりの強烈さにクラクラしてしまった。


生産者:ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ラ ターシュ2004

価格は170000円、パーカーポイントは94点。
さて、ラターシュだ。
リシュブール、エシェゾー共に非常に素晴らしかったがラターシュは正直理解出来ない程膨大な香味が横たわっていた。
色合いは透明感のある深いルビー。粘性は高い。サーブ直後は全ての要素が渾然一体となっており正体不明の香りの塊だが、次第に姿を現してくる。まるで採れたての除梗していないダークチェリーやアプリコット、アセロラの瑞々しくフレッシュな果実味、ソースの様な香味も。スーボワ、濡れた大地、溶液、若い葉や藁、生肉、スモーク、そして薔薇やスミレなどの赤い花の花束が各々非常に力強く立ち上る。深く妖艶で力強い香味。とにかく複雑で難解。香りの要素を整理出来ないくらい膨大な骨格と強さがある。酸もタンニンも心地よく滑らか。確かに構成要素はヴォーヌロマネ的な女性をイメージさせるテクスチャだが、ラターシュはパワフルさ、重厚さはいとも簡単にか細いイメージを吹き飛ばす。ジュヴレシャンベルタン的なパワー、ヴォーヌロマネ的なしなやかでアロマティックな妖艶さを併せ持った最高のブルゴーニュ。


所感としてはエシェゾーは比較的果実重視、それにリシュブールには花の強烈な香りが、ラターシュはそれら全てを集約する。素晴らしい。さすが。 一切の無駄のない緻密な構成。

ジャック フレデリック ミュニエ3種テイスティング


少し前の話ですが、3月初旬にジャック フレデリック ミュニエの2009年ヴィンテージを試飲する機会がありました。
Twitterでは既に公開済みですが、自分の整理の為にもう一度記載します。


生産者: ジャックフレデリックミュニエ
銘柄: シャンボールミュジニー プルミエクリュ レ フュエ 2009

価格は15000円、パーカーポイント88-90点
ボンヌマール的なシベットの様な香り、黒い果実が感じられるもののスパイシーさは控えめで、全体的なしなやかさや品の良さはミュジニーにも似ている。抜栓直後だが十分に香ってくる。ピノノワール的な色合いは澄んだ濃いルビー。シベットの香りがメインで、ダークチェリーやミルティーユの果実香が漂う。腐葉土や黒オリーブ、甘草や生肉の香りも。徐々に果実の甘やかさやチョコレートも出てきており、以外と一番バランスが取れていていいかもしれない。特徴かもしれないがまだまだ酸もタンニンも強くいささか硬い印象ではあるもののホッとするような優しい香りが包み込む。


生産者: ジャックフレデリックミュニエ
銘柄: ボンヌマール 2009

価格は35000円、パーカーポイント93-95点
よりジュヴレシャンベルタン(モレサンドニ)的なしなやかな体躯とシベットの様な香りが漂うクロードデュガ的な造り。流石にまだ全然硬い。 透明度が高い濃いルビー、粘性は非常に高い。果皮の厚いダークチェリー、カシスの果実香、そしてひときわ主張するスパイス香、薔薇や塩漬けにした黒オリーブ、クローヴ、塩梅のニュアンスも感じられる。閉じているはもののスパイシーでムスクの様な力強い香りが既に漂い始めている。時間が経つとチョコレートの香りも。
口に含むと土やチェリーやベリーの香り、ブルゴーニュとしてはかなりタニックでかなりの酸も含んでいるが、それだけにこれが熟成した時、どれだけのポテンシャルを発揮するか想像が付かない。時間が経つと逆に甘やかな香りが漂うが強靭な体躯。


生産者:ジャックフレデリックミュニエ
銘柄 :ミュジニー2009

価格は55000円、パーカーポイントは94-97点
軽やか...という表現は間違い無く当てはまらないものの、瑞々しい草木を思わせる下草の様な香りが主張する。 同じ造り手、ヴィンテージにもかからわず、テロワールてここまで違うのか。
同じく澄んだ濃いルビー、粘性は高い。瑞々しいレットカラントやラズベリー、チェリーの果実香がメインで、ボンヌマールにも感じられた黒胡椒の香りは落ち着いており、より腐葉土やクローヴ、甘草などの東洋のスパイス、黒オリーブ、スミレなどの煌びやかで清らかな香りが感じられる。タンニンも感じられるがきめ細かいため、ボンヌマールほど強靭には感じられないし、酸も強くはない。と思いきや時間が経過した時のエネルギーはすごいなぁ。

所感としてはミュジニーはより甘やかで澄んだ赤いチェリーの優美で柔らかい体躯。
ボンヌマールはよりスパイシーで黒いベリーを思わせる強靭な体躯。
違いは歴然。一瞬の口当たりがボンヌマールの方が強めだが、少しづつミュジニーの強靭さが出てくる。
対してフュエはボンヌマール的でありつつミュジニーの清らかさはやるが全体的に芳香は弱めか。

シャンボールミュジニーでもボンヌマールとミュジニー、そしてプルミエクリュにしてもどちら寄りかで大分個性が異なるのは本当に面白い。

ロバートモンダヴィ ナパヴァレー カベルネソーヴィニヨン 2008

おはようございます。
昨日はお家でロバート モンダヴィのナパヴァレー カベルネソーヴィニヨンを開けました。ここを見ると高いブルゴーニュばかり開けている様に思えますが、普段は慎ましいデイリーばかり、ロバートモンダヴィのスタンダードキュベでも滅多に開けられません。


生産者:ロバートモンダヴィワイナリー
銘柄:ロバートモンダヴィナパヴァレーカベルネソーヴィニヨン

価格は36米ドル、パーカーポイント89点
中々に上質なナパヴァレーのカベルネソーヴィニヨン。
甘やかながらボルドーのシャトーを想起させる香りと味わい。
ドライプルーンとブラックベリーの濃厚な果実味、スミレ、ピーマン香、パストラミハム、西洋杉、ほのかにクローヴと甘草も香る。炭焼きの樽香も。
一般的なナパヴァレーの濃厚で甘みのあるタイプを基軸にしているものの、スレンダーでエレガンスさを感じる造り。タンニンと収斂性は強く、若干のとげは感じるものの、さすがのロバートモンダヴィであると思う。この直線上に確かにオーパスワンの姿が見え隠れする。
樽香と果実香はオーパスワンに比べるとかなり弱めだがボディはこちらの方が強い。
それが若干のバランスの悪さにも感じる。


国内で買ったら確か4000円台中盤くらい。
コストコで3000円台後半、グァムでは免税店で、かつセール対象商品になっていて9ドルっつう超安価で買えました。
もう1本くらい買っておけば良かったなぁ。

メオカミュゼが造るシャンボールの個性

こんにちわ。
どうにもここの所シャンボールミュジニーに縁がある様で良く出くわします。

生産者:メオ カミュゼ
銘柄:シャンボールミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2009

約15000円、パーカーポイントは88-90点
透明度の高い濃いルビー。粘性は低め。抜栓直後だった為か、やや据えた様な香り、還元香。
数分置いて、香りが華やかになってくる。アセロラや梅しばを感じさせる酸味のある香り。ダークチェリーの果皮のニュアンスもある。黒オリーブやスミレ、湿った土。そして鉄釘やなめし革、オリエンタルなスパイス、クローヴを感じる。鮮明で華やかだが先のアルマンルソーと異なるところはより酸味や旨味成分が突出している所か。エキス感が凝縮しているが、やはり全体的に軽やかで瑞々しい感覚。ヴォーヌロマネに近しく感じるのは、やっぱり生産者所以なのかもしれない。
酸味やタンニンは穏やかだが、後味にやや渋みを感じる。気にはならない程度のもの。
シャンボールにしてはいささか派手さを感じるが完成度は非常に高い。
静かで瑞々しいシャンボールにヴォーヌロマネの様な華やかで豪華なアロマが加わったイメージ。これはこれでまさしくシャンボールだが、個性的。
なんといってもメオカミュゼである。こういう方向性は全然あり。

アルマンルソー4種テイスティング


こんにちわ。
非常に貴重な機会があり、アルマンルソーのワインをテイスティングする機会に恵まれました。なんたる幸運、なんたる豪華さ。1時間半ほど時間をかけてじっくりと味わわせて頂きました。
銘柄は特級シャルムシャンベルタンに始まり、一級ジュヴレシャンベルタン クロ サン ジャック、特級リュショットシャンベルタン クロ ド リュショット、特級シャンベルタンの4種類。
いづれも群を抜くブルゴーニュ。素晴らしい世界観を十二分に味わってきました。


生産者:アルマン ルソー
銘柄:シャルムシャンベルタン2009

価格は15200円、パーカーポイントは91-93点。
澄んだ透明度のあるルビー、粘性は高く、濃厚。強烈に凝縮した果実味とスパイスが華やかに広がる。4本の中では比較的落ち着いており、香りの構成もやや雑破でぼんやりしているものの、それでも十二分に複雑で緻密な構成。
とにかく万華鏡の様に変わる香りが印象的。
ファーストノートの凝縮感のあるダークチェリーやカシスの香りから、タバコ、バラ、なめし革、ムスクのしなやかで妖艶な香り、そして白檀、ナッツ、スターアニスなどのオリエンタルなスパイス。
焼き栗など甘い香りも感じられる。凄まじいエキス感。
爆発的で強くしなやかな骨格、そして甘やか、複雑。
香りの芳醇さを支えるしなやかな酸味と上品で柔らかいタンニンがある。エキス分が強いからタニックには感じられない。徐々にシャンピニオンの複雑な香り、ブリオッシュの樽香、甘草のニュアンスも。余韻は非常に長い。


生産者:アルマン ルソー
銘柄:ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック2009

価格は25200円。パーカーポイントは91-94点。
澄んだ透明度のあるルビー、粘性は極めて高く、濃厚。ある種溌剌としたエキス感があったシャルムと比べると、エキス感を残しつつより重厚で複雑、宗教的で深遠な造り。香りは変わらず強烈なインパクトを放つ。
全体的な骨格を構成する、鮮明な薔薇、タバコ、ムスクやジビエよ野性的な香り、コリアンダー、スターアニスのオリエンタルなスパイス香。
そしてダークチェリーを想起させる酸味はより際立ち、紫スモモやブルーベリーなどの黒い果皮を感じさせるエキス感がある凝縮した果実香。
イメージとしては野性的な一本筋があって、そこから強靭で凝縮されたジャムの様な香りが漂う構成。
かなり静かで重厚で強靭な造り、酸味よりもむしろタンニンが強めだが、若さもあるだろうし、何よりこの香りとは相性が素晴らしく良い。素晴らしすぎて卒倒しそう。
一時間経っても原型は留めている。エキスが本当に強い。シナモンやスパイシーで甘やかな果実味が溢れる。徐々に大地香も漂う。4本の中では非常にバランス感覚が優れたワインで小ぶりなシャンベルタンといった風体。リュショット程華やかではないし、シャンベルタンほど重厚ではないものの、骨格の強さも余韻の長さも優秀な特級のそれ。ルソーの中では比較的お買い得なワイン。その分人気は非常に高いが。


生産者:アルマン ルソー
銘柄:リュショットシャンベルタン クロ ド リュショット2009(モノポール)

価格は22000円。パーカーポイントは90-93点
澄んだ透明感のあるルビー。粘性は高い。香水の様な香りが立ち込める。華の香りの奔流。重厚で荘厳なシャンベルタンやクロサンジャックとは異なる感覚。少しづつスパイスの香り切り替わってゆく。薔薇やスミレを想起させる華やかな香り、溶液。そして黒胡椒を思わせる香りが徐々に現れる。マスキングされた果実香は果皮の厚いダークチェリー、レッドカラントの瑞々しくもしなやかで妖艶な香り。大地香りも感じられる。なめし革、パストラミハム、クリームチーズのような香りも。あくまでジュヴレシャンベルタンでありつつ華美で優雅な造り。酸味やタンニンはやや際立つもののバランスは良く滑らか、余韻は長い。とにかく強靭というよりしなやかさに主軸をおいた様なワイン。4本の中ではシャルムの華やかさや優雅さを先鋭的にしたイメージ。香りは最も鮮明で強烈な芳香を放つ。


生産者:アルマン ルソー
銘柄:シャンベルタン2009

価格は35700円、パーカーポイント94-96点
澄んだ透明度のあるルビー、粘性は極めて高く、濃厚。クロサンジャックと比較すると方向性は同じなのだが重厚さが段違いに違う。
近づき易い甘い果実香はより削ぎ落とされ、さながらラターシュの様な謎めいた香りが横たわっている。こちらもラターシュ同様、香りの要素を表現しきる事ができない。
ヴィンテージ的にまだ硬く閉じている。
主軸は紫スモモ、果皮の厚いダークチェリーの濃厚なエキス感のある果実味。そして華やかな薔薇やタバコ、鉄釘やムスクの野生的な香り。スターアニスなどのオリエンタルスパイスが際立つ。そして徐々にそのスパイシーな面が際立ってくる。黒く重厚で重々しいが非常に上品。口に含むと強烈なタンニンのアタック。酸味も強い。
今飲むべきものではなかったのかもしれないが、それだけにまだ伸び代を残している事に驚愕する。
ややタンニンが強く現段階ではバランスが悪いが、これから屋台骨を支えるには必要なタンニンだと思う。1時間経ってエンジンがかかってきたみたい。チョコレートの樽香。胡椒、クローブが爆発する。
4本の中では最もスロースターターで、比類なき重厚さと荘厳さがある。
クロサンジャックの全てを内包した強固な酒質。
俗にいうパワフルさという表現はやや適切でない。深い。


総括すると華やかさと香りの芳醇さではリュショットが、そして重厚さではシャンベルタンが群を抜くパフォーマンスだった。シャルムはリュショット寄りで、クロ サン ジャックはシャンベルタン寄りか。
いずれも素晴らしく息を飲むほどの香りだったが、その中にあってこれだけの差異がある。ヴィンテージ、生産者は同じ。畑の本質的な違いと生産者の表現方法が大きくこれらの違いを生み出している要因か。
ジュヴレシャンベルタンにおけるワインの在り方として最も標準的として今後は考えるべきかもしれない。
野生的で重厚で果実味溢れる、小さな村の本領を見た気がした。

本人と親類の違いはあるか-シャンボールミュジニーテイスティング-

シャンボールミュジニーにおいて「エ」と付く生産者は大抵優良な生産者だ。ミュジニー最大所有者のヴォギュエに始まり、ザムルーズの雄グロフィエ、希少性で常に話題に上がるジョルジュルーミエ、そしてエレガンスを旨とするジャックフレドリックミュニエ。
いずれも群を抜くシャンボールの生産者でありブルゴーニュの雄でもある。
では、それらの縁者はどうなのか。
今回はローランルーミエ。かのジョルジュルーミエとは従兄弟にあたる。
正直縁者は縁者で個性があり、元の生産者とは無縁、というのが持論であるが、悪いか良いかは別問題である事を再認識した。

生産者:ローラン ルーミエ
銘柄:シャンボールミュジニー 2009

約7000円。
色調は比較的濃いめのルビー、粘性は非常に高い。基本構造はシャンボールミュジニー、ただし力強さと華やかさを包含している。ブラックベリーやダークチェリーの黒い果実と赤い果実の香りが同居する。オリエンタルスパイス、芍薬、なめし革を感じるニュアンスで、非常に大人しいが凝縮した酸味のある果実香が目立つ。とにかく果実味に全力を尽くしたが如き凝縮度、旨味も半端ない。バニラや小さい花の香りも感じられる。風味豊か。酸味もタンニンも程よく、バランスの良さと品の良さを感じさせる。土の香りもあり純粋さというか瑞々しさはシャンボールだなぁといった感じ。なかなか良い造りの村名シャンボールミュジニー。このエキス感は卓抜したものがあると思う。

構造や骨格、味わいは非の打ち所はなかったが、ルーミエの感動に比類するかと言えば、そうである、とはあまり信じたくはない。恥ずかしい事ではあるがルーミエのワインは希少であるがゆえ、まだ飲んではいない。
だがしかし全ての点で飲み頃ヴォギュエの感動と比較すると中凡であり目の覚める様な感動は感じる事はできない。

やはり従兄弟と本人は違うはずだ。
そう認識したくなるワインである。
※しかしながら通常のシャンボールミュジニーと比較した時に中凡かと言われれば、トップレベル並みに高次元のワインであるとは思う。

ブルゴーニュの良心的な生産者フランソワフイエ

こんにちわ。
フランソワフイエはブルゴーニュの良心的な生産者だ。特級エシェゾーが素晴らしい出来だったし値段も比較的低めに抑えられている。

生産者:フランソワ フイエ
銘柄:モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ソルベ 2007

約8000円
透明度が高い落ち着いた色のルビー、粘性は低め。
香りと同様にモレ サン ドニとしては静かで落ち着いた印象を受ける香りで紫スモモ、サクランボ、クランベリーなどの赤い果実や赤い花の香りが穏やかに芳香する。
濡れた下草やお香、溶剤、燻製肉などのニュアンスも。エレガントで深みがある静かな香り。シャンボールミュジニー寄りの香り。丸みがあるタンニン。穏やかで柔らかくキュートな酸。かなり上品に作られたプルミエクリュ。
モレの男性的なニュアンスはあまり見られない。

モレ サン ドニも例に漏れずエシェゾーの如きエレガントさ。
俗にいう薄旨系。他のワインも気になる注目の生産者だ。

コントラフォン4種テイスティング(1erはなし。)

こんにちは。
コントラフォンの廉価銘柄含む4品目テイスティングしてみました。

まず良いか悪いかは全く別の問題で、ゼリティエールとドメーヌドの間に大きな違いがあるという事。
ゼリティエールにおいてはシンプルで非常にわかりやすい味わいを表現しているのに対して、ドメーヌドコントラフォンは複雑さや豊満さを旨としている所だ。
故に作りも全く異なりパブリックイメージでいうコントラフォンとゼリティエールは飲むべきシーンも合わせる料理も大きく異なる。
以上を踏まえた上でテイスティングコメントに移ります。


生産者:ゼリティエール コントラフォン
銘柄:マコン ウシジィ レ マランジュ2010
品種:シャルドネ

約3000円。
色調は透明に近いイエロー。粘性は低い。
キャンディの様な青りんご、レモンを想起させる溌剌とした明るい果実味、そしてハチミツのフレーバーが主軸となる。非常に清涼感に特化した造りでミネラル感はシャブリに、テクスチャはアスティに近いと感じた。ナッツの樽香、フレッシュハーブのニュアンスも。
絶妙なバランス感。酸味も香りに併せて非常に溌剌としているが、その中でも品格を感じさせるのはコントラフォンの技か。
シンプルだが好感の持てる造り。


生産者:ゼリティエール コントラフォン
銘柄:ヴィレ クレッセ2010
品種:シャルドネ

価格は約4000円
溌剌とした明るい造りのウシジィと比較すると、ややムルソーの様なクリーミーさがあるマコンで丁度ムルソーとの中間を行く味わい。
ウシジィ同様、清涼感のある造りで青りんご、グレープフルーツの果実味がメインとなる。わずかにシャンピニオン、ハチミツ、ムスク、フレッシュハーブ、白檀の香りが品良く立ち上る。
ミネラル感もしっかり感じられる。
酸は溌剌としており、概ねウシジィと近いが、シンプルだった構成がより、ムルソーに近く複雑味を増した印象。
余韻は短い。果実味に寄った味わいでこちらもシンプル。


生産者:ドメーヌ ド コントラフォン
銘柄:ムルソー 2009
品種:シャルドネ

価格は約16000円、パーカーポイント88点
そしてゼリティエが果実味重視の溌剌とした造りに対して、やはり一線を画す村名ムルソー。
やはりこのワインは本当に素晴らしい。
ミネラルを伴ったバニラ、シャンピニオン、ナッツをメインに、アプリコットやパイナップルの果実香が大きく広がる。全体的にスモーキーで、果実味よりも複雑な要素を一塊として表現している印象。
灯油やバタースコッチ、フレッシュハーブのニュアンスも感じる。
ゼリティエールの溌剌とした酸味はより落ち着き、ボリューム感とリッチさが表現されている。
村名ながら強烈な個性を放つワイン。


生産者:ドメーヌ ド コントラフォン
銘柄:ムルソー クロ ド ラ バール 2009
品種:シャルドネ

価格は19000円、パーカーポイント88-90点
村名格指定の畑名入りワイン。コントラフォンのモノポール。
ブレンド品の村名と比較してより個性が際立つ造り。全体的な香りの輪郭がはっきりしている事と芳香のエネルギーがこちらの方が強靭。特にラフォンのエレガンスであるシャンピニオンの芳香がよりはっきりと現れている。
全体的な構成としては村名の延長上であるもののシャンピニオンに加え、灯油、バニラやナッツの樽香、フレッシュハーブ、白い花、ムスクなどの様々なニュアンスが一塊とならず明確に現れてくる。パイナップルやアプリコットの果実味は香りの一要素として取り込まれている感覚。
こちらも十分なミネラリーだが全体的な印象ときてはクリーミーでリッチ、そしてスモーキー。
こちらは酸味も強靭で、香りのボリューム感に負けず屋台骨が非常にしっかりしている。
余韻は凄まじく長い。


しかし何れも素晴らしかったが、特にクロ ド ラ バールのバランス感だ。
これだけ強烈な芳香と個性を持ちつつ香りだけにならず、香りに負けない酸とボリューム感を持たせたのは流石のコントラフォンと言わざるを得ない。

これだからブルゴーニュはやめられんぜ。

気鋭の生産者2種テイスティング(ヴォーヌロマネ1er、区画名付き村名ムルソー)

こんにちは。
ジャングリヴォーとアルヌーアントをテイスティングしました。

生産者:ジャングリヴォー
名称:ヴォーヌロマネプルミエクリュ レ ルージュ 2008
品種:ピノノワール

価格は11000円。パーカーポイントは86-88点。
ヴォーヌロマネの期待の生産者の今ひとつ盛り上がらない一級畑。しかしながら非常に上品でプティエシェゾーといった風体。
透明度の高い明るいルビー、粘性は中庸。弾ける様なダークチェリー、フランボワーズの果実味が主軸となり黒胡椒や薔薇、スミレの花の香りが続く。オリエンタルなインセンス、白檀、錆びた鉄釘、アニスのニュアンスがある。赤い酸味のある果実の香りが特徴的で緻密な造りながら華やかで可愛らしい出来。上品でアセロラのような爽やかで嫌味の無い酸が感じられる。極めてヴォーヌロマネらしい造りだがピュアな果実味がシャンボールミュジニーも想起させる。

生産者:アルノー アント
名称:ムルソー レ プティ シャロン 2005
品種:シャルドネ

価格は15800円、パーカーポイントは92-93点。
ムルソーの次世代スーパースター、アルノーアントの村名区画ムルソー。やや浮遊物がある澄んだ黄金色。粘性はやや高い。ややリースリングっぽいニュアンス。
骨格としてはキッチリムルソーしていて、パイナップルや洋梨のニュアンスがあるものの、よりミネラリーで酸味が強く、灯油っぽさや白い花、ドライハーブやハチミツのニュアンス。バニラの樽香がある。非常に複雑な構成を持つクリーミーさを捨てたムルソーと言った風体。
どちらかというとピュリニーよりの花の香りを強く感じる。酸味も強く硬質的なテクスチャがあり密度の高い要素を感じられる。分厚いクリーミーなムルソーとは一線を画す哲学的で難解なムルソー。

アルノーアントは未体験領域だった。全く知らない生産者だったが、あまりの凝縮度とムルソー離れしたミネラル、強固な骨格にかなりぶっ飛んだ。

しかしアルヌーアントにせよジャングリヴォにせよ、近年評価が高まっていて価格が急激に高騰中。村名区画ワインですら万券を免れない。実際価格に見合ったクオリティではあるものの、やはりフルボトルで10000円を超える価格になると、とてもじゃないがボトルで購入する気は無くなるな。
こういうのが2000円から3000円の間で買えたら毎日本当に幸せになれると思う。

古典派バローロ VS 革新派バローロ


こんにちは。
バローロ飲み比べてきました。
多分ここを見る人は好きな人が多そうなのであんまり説明しません。
テイスティングコメントと所感のみでいきます。

生産者:ルチアーノ サンドローネ
名称:バローロ カンヌビ ボスキス 2006
品種:ネッビオーロ

価格は33900円、パーカーポイント97点。
チカラと比較すると全体的にやや明るい色調だが品種特性で濃いガーネット。ダークチェリー、スモモなどの果皮の厚い黒い果実やカカオの樽香がメインで、野性的な肉、クローヴ、ユーカリ、わずかに薔薇の香りも感じられる。全体的に上品な樽香がやや一級ボルドーを感じさせる造りだが、より酸味が強く似て非なる感触。
まだタニックで、かつ酸味も強い為、ちょっとギスギスした感じはあるものの、それに呼応する様な形で骨格も強く強固な造りをしている。時間が経つと強い樽香が影をひそめネッビオーロらしい姿が現れてくる。余韻は長い。

生産者:アルド コンテルノ
名称:バローロ チカラ 2007
品種:ネッビオーロ

価格は15000円、パーカーポイントは94点
カンヌビと比較すると、全体的に黒に近い濃いガーネット、粘性は中庸。キャラメルやチョコレートボンボンの様な濃厚な甘い樽香が特徴的で、カシスやブラックベリー、ドライプルーンの比較的酸味が少ない黒い果実の香りなどが要素の中核を占める。葉巻や甘草、溶液のニュアンスを感じる。カンヌビに比べてより甘みを感じる造りで、ややシンプルだと思うが香りの立ち方はこちらの方が一級ボルドーに近い。酸味は穏やかで、よりタンニンが際立つ形だが滑らかで上品。古典派らしからぬキャッチーな造り方をしている。マイルドで優しい造り。余韻は長い。


所感としてルチアーノはよりバルバレスコに近いテクスチャを持っていて、樽香は抑え気味、綺麗な酸と花の香りがある非常にネッビオーロらしい造りと言える。
対してチカーラは樽香が強く、キャラメルやチョコレートの甘みやじわっとしたタンニンが目立つ。ボルドーの上品な香りと新世界の様な甘やかさがあった。
共にテロワールというより作り手の個性がより強く出た格好。
想定外だったのはルチアーノサンドローネの方が新樽比率やバリック樽の使用から樽香が強く、全体的に甘みの強い傾向が見られるかと思ったが、結果としてアルドコンテルノの方がより樽香が目立つ格好となった。果実味もアルドコンテルノの方が凝縮感が高かった。
しかしながらエレガンスはルチアーノのカンヌビが優っていたとは思う。サーブ直後の粗野なイメージから時間を追うごとにネッビオーロの色っぽい部分が現れてくる。対してアルドコンテルノのチカラはボルドーっぽい上品さはあるものの、あまり品種特性は感じなかった。
とはいえ取っ付きやすさは圧倒的にチカラ。しかも小売価格で3分の1の15000円。価格帯も選ぶならこちら。

ルチアーノサンドローネは高すぎる。
もう少し安くはなってくれないものだろうか。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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