スペインのフラッグシップ、アキロンとエル ニド

こんにちわ。
関東は雨でしっとりジトジトです。
夏は嫌いですが、こんな気候が続くと早く夏でもいいので晴れて欲しいと思わずにはいられませんね。
さて、本日はスペインワイン。
恥ずかしながら、スペインワインは不勉強で、やたらと濃いだけの大量生産の安ワインのイメージしかなかったのですが、イメージが根本から覆されました。
リーズナブルなワインならラングドックとイタリアがあるし別にスペインじゃなくても...と思っていたのですが、確かにスペインの料理にバッチリマッチしそうな味わい。確かに美味い!
今回のは値段が高めですが、丁度新世界とイタリアの中間を行くような濃厚ながら素晴らしい味わいでした!
生産者: エル ニド
銘柄: クリオ 2009
品種: モナストレル 70%、カベルネソーヴィニヨン 30%

約7000円。
2008年のパーカーポイントは94点。
ほぼ黒に近い濃い色調のルージュ。粘性は高い。
熟したプラムやアプリコットの甘やかで濃厚で豊満な噛むような果実味を中心に、芍薬、チョコレートボンボンやコーヒー。スイセン、甘草など。
動物っぽさは全くない。タンニンは穏やかで、果実を潰したような心地よい酸味がエレガント。
アタッキー。これは美味い。エルニドのフラッグシップと比較すると、よりしなやかで飲みやすい。余韻も長く完成度のやたらと高い味わい。
生産者: エル ニド
銘柄: エル ニド 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン 70%、モナストレル 30%

約22000円。
2008年のパーカーポイントは96点。
クリオよりかなり濃厚で、果実が閉じているものの、ポテンシャルの高さはよく分かる。
果実味がメインを占めるクリオに比べると他の要素も突出しておりバランスが良い。そして要素継ぎ足しなのでよりパワフル感がある。
黒に近い濃いガーネット、粘性は非常に高い。
チョコレートの樽香と、ドライプルーン、カシス、ブラックベリーの酸味がやや低い凝縮した甘みのある果実味、スキが無く、密度が高い。クローヴのスパイス香、燻製や焦がしたオーク樽の香り。
クリオほどではないにせよちょっとだけ酸味が目立つ。マルセイのバターサンド?
分かりづらい表現ですが、フェンダージャズマスターの様なカンッとインパクトのあるアタックに、太くてじわっと広がるような味わい。やや薄めタンニンと濃厚な黒系の果実味。素直な甘みがあり非常に美味しいワイン。
価格的には標準的なブルゴーニュのグランクリュ並。ここは個人的な趣味でこの価格帯ならブルゴーニュですが、人によっては価格に見合った品質じゃないかと。
生産者: アルト モンカヨ
銘柄: カンポ デ ボルハ アキロン 2009
品種: ガルナッチャ(グルナッシュ)

約14000円。
2007年のパーカーポイントは95点。
色調はエルニドの2本と比べると薄いものの、やや濃いめのガーネット。粘性は高い。品種はガルナッチャ。
全然想定外の香りと味わい。
果実味は確かに強いのだが、それに負けじとスミレやラベンダー、溶剤の華やかな香りを中心に、キャンディの様な酸味のあるブルーベリーやスモモ、プルーンの果実味がある。ロー、ミドルのどしっとした果実味じゃなくて、ハイに伸びて行くような綺麗な果実味。ややなめし革っぽさも?
なんかちょっとだけブルゴーニュっぽい。ナツメグ、燻製っぽさも。
アタッキーながらこちらも酸味が強くエレガントな造り。口の中で華やかなスミレと果皮の厚い果実の香りが口の中に広がる。余韻も長い。
いや、どれもとてつもなく美味しかったです。いずれにも共通しているのが、素直な果実味と心地よい酸味でしょうか。ともすれば溌剌としていて、飲んでいて気持ちよくなれる造り。
なるほど、キャッチーで美味いスペイン料理向けであるのは間違いないですね。
今回特に突出した個性がありエレガンスを感じたのはアキロン。
グルナッシュを主体としながらもブルゴーニュワインの様なエレガンスや複雑性があり、かつ新世界の様なキャッチーさをも内包している。価格的にもまずまず手を出せないレベルではないし、非常に優れたワインだと思う。
今度は1000円台でいいの探してみようかな。新たな価値観が開けました。
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