左岸サンジュリアン、マルゴー、右岸ポムロールの銘醸を探る


こんばんは。
最後はボルドーです。比較的説明不要な3本かと思います。

流石に美味しかったですが、目の覚めるような値段にちょっと「うーん」と首を捻ってしまいますね。
ラフィットやラトゥールにも言えますが、正直セカンドまで高騰しているのは異常事態です。

今は少し落ち着いたようですが、中国市場での需要の伸びや、ここ最近のヴィンテージの良さで、ただでさえ高騰するボルドーが、2005年から飛躍的に高くなっています。2004年のプリムールから考えると、最新ヴィンテージで大体倍になっています。
こうなるともう手が出せません。
ただ、いいニュースもあって、2011年の作柄が今ひとつだったことからラトゥールを除く5大シャトーは、最大で45%プリムール価格を値下げしています。小売にどれだけ影響するかは不明ですが、蔵出し価格が下がるのはいい傾向かと思います。

話は逸れましたが、デュクリュボーカイユとマルゴーセカンド、そしてポムロールのメルローです。


生産者、銘柄: シャトー デュクリュ ボーカイユ 2008
品種: カベルネソーヴィニヨン85%、メルロー15%

価格は約17000円。パーカーポイントは95点。
ボルドーはサンジュリアンのメドック2級シャトー。スーパーセカンド。
色調は濃いめの澄んだガーネット、粘性は中庸。
さすがにまだ若すぎるか。インクの様なベッタリとした濃さ。カシスリキュールやブラックベリーの甘やかな果実味。芍薬、わずかにタバコ、ミントやハーブ、鉄釘、コーヒーやモカの樽香。
かなり清涼感があり、果実の豊満さ、甘みがが感じられる。
かなり強固なタンニンと収斂性。酸もやや強い。ちょっとギスギスしている印象。しかしながら余韻は綺麗な豊満で甘やかなカシス。
ややキツメであるものの、これこそボルドーの心地よさ。流石に美味い。


生産者、銘柄: パヴィヨン ルージュ シャトー マルゴー 2008
品種: カベルネソーヴィニヨン75%、メルロー20%、カベルネフラン・プティヴェルト5%

価格は約30000円。パーカーポイントは88点。
高騰著しいシャトーマルゴーのセカンドラベル。
やや濃いめの澄んだガーネット、粘性は高め。
セカンドとはいえ、流石にシャトーマルゴー。コーヒーを想起させる強い樽香をベースに、クレームドカシス、ブラックベリーの果実味。芍薬や松の木。ミント、クローヴ、甘草のニュアンス。
口当たりはシルクの様なソフトなアタック。タンニンも酸も羽が生えた様に軽く感じられる。
鼻を抜けるミント、クレームドカシスの香り。グレープフルーツやキャラメルも現れてくる。これも個人的に非常に懐かしい味わい。
さすがに立派にデュクリュボーカイユについていけている。非常に完成度の高いセカンドラベル。しかしながら難点はとてつもなく価格が高い事か。セカンドラベルの分際で30000円って気が狂ってるとしか思えない。グレートヴィンテージの2005だってハーフで8000円で買えたのに。2005は今は高いだろうが、2004あたりのバックヴィンテージを買うのがベストか。


生産者、銘柄: シャトー ラフルール ペトリュス 2008
品種: メルロー95%、カベルネフラン5%

価格は約14000円。パーカーポイントは95点。
メルローの魔術師、クリスチャンムエックスがコンサルタントするパチモンくさい名前のシャトー。最近中国資産家に買収されるなど、ネタに事欠かない。
ただし品質は確かで、いかにもポムロールといったメルロー。
インキーでフルーティ。
ドライプルーンやカシスの濃厚な果実味とローストした杉の香りが支配的で、芍薬やタバコ、ベーコン、お香や甘草、クローヴも。ドライイチジクっぽさもある。時間が経つと血液の様なニュアンスが出てくる。
タンニンは例に漏れず強固だが、アタックは滑らか。そして綺麗な酸味が残る。ボディは強い。余韻は木製樽の心地よい香り。流石にいいな。


個人的にボルドーは最初にワインにのめり込むきっかけとなったワイン(レ フォールド ラトゥール)があるので懐かしさを感じてしまいます。
だからこその飲みたいと思う機会が多いのですが、ここの所の高騰で、特に人気のあるシャトーは買いにくくなりました。
繰り返しになりますが2011年プリムールが小売価格にも大きく影響することを切に願うばかりですな。

シャトー・デュクリュ・ボーカイユ[2008]750ml

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価格:12,800円(税込、送料別)



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ニコラ ポテル、レアな特級ビアンヴニュ バタールモンラッシェを利く

こんばんわ。
レアな一本を飲みました。
優良ネゴシアンの特級ビアンヴニュ バタールモンラッシェ。
ピュリニーモンラッシェのグランクリュ密集地帯にある、わずか3.7ヘクタールのグランクリュ。
これとシャサーニュ寄りのクリオ バタールモンラッシェは栽培面積が狭い為、あまり市場でお見かけする事はありません。特段ビアンヴニュとクリオがバタールやシュヴァリエに優ってるという事はないんですが...まぁ珍しいのです。

ちなみにニコラ ポテルは元々はヴォルネイのプスドールの系譜の人。リュットレゾネの葡萄か減農薬の葡萄しか買わない事でスタンスを保っています。


生産者: ニコラ ポテル
銘柄: ビアンヴニュ バタール モンラッシェ グランクリュ 2002

約30000円、パーカーポイントは不明。かなりレアなワイン。
やや浮遊物のある、かなり濃いめの黄金色。粘性は中庸。
香りは熟成感ありありだが、口に含んだ時の爆発力が本当にすごい。
石を噛む様な強烈なミネラル、ヘーゼルナッツ、キャラメリゼしたアーモンド、焦がしバターの香ばしく甘やかな香りに、洋梨、アプリコットの豊満な果実味が加わる。
ドライハーブや西洋サンザシ、リコリス、白胡椒のスパイシーなニュアンスもある。
酸味はざらついていて、まだまだ若々しく、強固な骨格であることがわかる。
コーヒーの様なニュアンスも現れてくる。余韻は長い。
官能的なロースト香りと果実に溢れた濃厚系シャルドネの最終兵器。


本当に濃くて、キャラメルやバターの様な濃厚な甘みがあるんですよ、これ。クリスピー。
毛色は違いますがモエ エ シャンドン グランヴィンテージにも似ていると思います。
価格帯はやや高めですが、なかなか妥当な価格設定ではないでしょうか。
いや、高いけども!

特級クロ ヴージョ4種類、生産者毎に比較する。



こんにちは。
昨日に引き続き、ブルゴーニュ特集です。昨日は単一生産者で特級畑毎の違いを追いましたが、本日は特級クロ ヴージョに絞って生産者毎の違いと、畑の特徴を眺めていきたいと思います。

以外、生産者の詳細?です。
「ドメーヌ デュージェニー」は2007年がファーストヴィンテージとなるシャトーラトゥール支配人フランソワ ピノー氏率いるドメーヌ。拠点はヴォーヌロマネで、特級クロ ヴージョ、特級グランエシェゾーをはじめとした一級、村名を保有しています。

「ドルーアンラローズ」はジュヴレシャンベルタンに拠点を置く6つの特級畑を持つ老舗ドメーヌ。抽出はしすぎない造り。価格帯は良心的。

「ドメーヌ ポンソ」はモレ サン ドニに拠点を置くスター生産者。
旧樽使用し、長時間の高温発酵、SO2をなるべく添加しない。収量はグリーンハーヴェスト以外で抑えるなど技術革新と葡萄にキチンと手を入れる事が出来るドメーヌです。ただ全体的にお値段は高め。

「ジャン グリヴォ」はヴォーヌロマネに拠点を置く、近年評価が高まっているドメーヌ。一時期ギィアッカをコンサルタントに迎え評価を落としたものの、現在はリュットレゾネを使用し、自然な造りをしています。

それではいきます!


生産者: ドメーヌ デュージェニー
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2009

価格は32000円、パーカーポイント92-94点
透明感の高い濃いルビー、粘性は高い。
力強いパワー感、最も香りに甘やかさがある。樹皮やシナモン、ナツメグなどのスパイスを中心に、ラズベリー、ブルーベリーの果皮の厚い黒い果実味。華やかな薔薇やスミレの花の香り。松やコリアンダーなど。香水の様に華美な香り。
タニックかつ酸味が強いものの、甘みが強い為、さほど気にはならない。余韻は長く、トーストの様な余韻が現れる。


生産者: ドルーアン ラローズ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2008
価格は15000円、パーカーポイント88-89点

透明感の高い濃いルビー、粘性は低い。
最も華やかなで軽やかなタッチ。
シャンボール的な赤い果実の凝縮感と、果皮の深さが同居している。重厚さはあまり感じられない。
ブルーベリーやダークチェリーなどの果皮の厚い果実の凝縮感。薔薇やゼラニウムのアロマオイル。
茎や腐葉土、なめし革、松やローリエなど。甘草やシベットなどの動物的なアフター。
酸味が際立った造りで、収斂性もそれなりに高いのだか、香り自体が華やかで瑞々しい果実を感じるものなので、さほど気にならないかも。
ブルゴーニュにハマりたての頃に、このワインを飲んで華やかで複雑な味わいに驚いた事がある。懐かしい。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: クロ ヴージョ ヴィエイユヴィーニュ グランクリュ 2008

価格は25000円、パーカーポイント93-94点
透明感の高く赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。
こちらも塩味が高い。やや熟成したニュアンス。
従来のポンソの華やかな雰囲気はあまり感じられない(とはいえこの中だと十分に花の香りが強い。)
スモモやアセロラの酸味の強い赤い果実や、薔薇の香水、ローズヒップティー、杉の木材、クローヴ、甘草っぽさがある。燻製肉の野生的な香り、大地香も。
ジャングリヴォーに比べると幾分か野生的だが、基本的な骨子は変わらず。
タンニンはやや穏やかながらかなり充実した酸味がある。苦味は弱め。


生産者: ジャン グリヴォー
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2008

価格は12000円、パーカーポイント93点
澄んだ淡いルビー、粘性は低い。
やや塩味の強いスモモ、ダークチェリーの果実味、動物性のなめし革、薔薇やスミレ、ローズヒップティーなどの華やかな香りと焦げたゴム、鉄釘、腐葉土、濡れた樹皮の大地を想起させる香り、ナツメグなどのスパイス香。凝縮感はある。
とにかく梗っぽいタンニンと、酸が荒々しく収斂性が高い。押しの強いパワフルさ。
もう少しタンニンが柔らかくなれば良かったのだが...グレープフルーツや線香のアフター。


いずれもタニックで酸味も強く、かなり強固な酒質でした。香りも全体的大地香(茎や樹皮など)や花の香りが強く、ニュイサンジョルジュの特徴にやや近いかな。
生産者としては、ジャングリヴォとポンソは未だ抽出強めの印象がありましたね、他は割と妥当かなと。
ポンソは多分ボトルがあまり良くなかったかもしれません。個人的にはかなり期待していただけに残念...
ただ、いつも通りではないにせよ華やかさは確かにあって、それは生産者による違いだったのは間違いなさそうですね。
ドルーアンラローズは酒質の強いクロ ヴージョにあって抽出を少なめにしている部分が上手くバランスが取れていると思います。
ただテロワールと照らし合わせるとやや弱めかも。

いやー、勉強になりました。




プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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