類稀なる華やかさと軽やかさ。アンリボノーのシャトーヌフデュパブ

こんばんわ。
ローヌの伝説的な生産者、アンリボノーのシャトーヌフデュパブです。
伝説的な生産者ですが、緻密に計算されたアッセンブラージュで高品質を保つボーカステルに対して、超適当にヌフを仕込むを造る事で有名です。
丁寧に、葡萄の成熟にあわせて、適度に手を加える。適当。
故に葡萄のポテンシャルを最大限に引き出していきます。

今回始めてアンリボノーのヌフに触れましたが、相当いいです。


生産者: アンリ ボノー
銘柄: シャトー ヌフ デュ パブ 2003

約10000円、パーカーポイントは91-93点
驚くくらい華やかなシャトーヌフデュパブ。色調もヌフにしてはかなり明るめな印象。透明度の高い濃いめのルビー。

(※とにかく明るいルビー)
ボディはしっかりしている。
腐葉土、畳、ブラックベリーやスモモなどのやや酸味の強い甘やかな果実味。
スミレやパチュリー、タバコ、お香やローズウッド、シナモン、ナツメグの甘やかなスパイス香り。適度に熟成感がある。
収斂性が高く、ややタニックに感じるが、酸味も強く、ボディはしっかりしている。井草の香りに清涼感があり、十分にバランスが取れていると感じる。味わいとしては熟成したピノノワールに近い作り方をしていると思う。


いや、凄いです。
ヌフではなかなか出会えないタイプの軽やかで明るいタイプ。ジュヴレシャンベルタン的というか。
重く、複雑なヌフではなく、ピノノワールが如き静けさと複雑さを構成する卓抜したシャトーヌフデュパブだと思います。
いやしかし、ここまで軽やかで華やかなヌフが生まれる一方で、ポムロールが如き重量級のエルミタージュが存在するんだから、ローヌって不思議ですね。

本当に面白いアペラシオン。
ローヌは白も赤も常に驚きがあって楽しいです。

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シャブリの枠に収まらない、ラヴノーのモンマン

こんばんわ。
先日、ラヴノーとドーヴィサのシャブリを飲んで、シャブリはここまで複雑になりうるアペラシオンのか、と認識を改めました。
以来、とても興味をもってはいるのですが、やはりこのレベルのシャブリはなかなか出てこないものですね。
仕方のない事ですが、殊更ラヴノーとドーヴィサのプレミアム感を感じてしまいます。
今回はラヴノーのプルミエクリュ、モンマンです。比較的メジャーなクリマですが、流石ラヴノーと思わせる卓抜したワインでした。


生産者: フランソワ ラヴノー
銘柄:シャブリ プルミエクリュ モンマン 2004

約15000円、パーカーポイント90点。
色調は明るいレモンイエロー、粘性は低い。
いわゆるシャブリと比較すると濃厚ではあるものの、アペラシオンのイメージは崩していない。
露骨な火打石、灯油の香り、レモンやパイナップルなどの酸味の強い果実味、わずかに洋梨の膨らみも感じられる。溌剌とした果実味を中心にフレッシュハーブ、ナッツや白胡椒、杏仁豆腐、シャンピニオンのニュアンスも感じられる。
酸味は強めでタイトな造りだが、微かにふくよかなニュアンスを感じさせる。同生産者のフォレより酸味の強い果実味に溢れ、クロより複雑味は無い。
全体的にフレッシュな印象。徐々に洋梨を感じさせるフォレに近い太い味わいになってくる。ただ、ちょっと密度は薄いかも。


ここで密度が薄いと書きましたが、数多のシャブリと比べると比較にならんくらい風味と厚みに溢れている印象です。流石ラヴノーといったところでしょうか。
ボーヌに近いニュアンスはありつつ、ここまで鋭い石灰感を感じられるのは、やはりシャブリならではで、このアペラシオンの個性であると思います。

ワインに詳しくなってくればくるほど、シャブリに見向きもしなくなりますが、一度振り返って、じっくりと鑑賞すべき、大変レベルの高いシャブリだと思います。素晴らしいです。


国産大手ブルワリーのプレミアムラインを飲み比べる。


こんばんわ。
さて、話題のプレミアムラインです。
ここらへんは日常のちょっと贅沢ブームを受けて各社かなり充実している感がありますね。
サッポロのエーデルピルス、アサヒの熟撰もありますが、いかんせん手に入りにくいので、今回はスーパーで購入(キリンはセブン限定のようですが)できるものを中心にしています。

メーカー:サッポロビール
銘柄:エビスビール
原材料:麦芽、ホップ
タイプ:ドルトムント

苦み:★★★★(アタック時の苦みではなく、じんわりと後味に広がる様な苦み。)
甘さ:★★★★★(麦芽の穏やかな甘みが広がる。フレッシュさは無い)
のどこし:★★★(やや泡は弱め)
飲みやすさ:★★★★★(苦みと甘さが高次元でバランスを取っている。喉越しは物足りないが。)
色調はやや赤みがある。泡の持続力は短め。
泡も苦みのアタックも全体的に穏やかで、丸みのある味わい。
口に含んだ瞬間に現れる引き締まった苦みではなく、じんわりと後味に広がる苦み。
甘みのタイプはアサヒ ザ マスターと同様、だがやや麦芽の甘さのニュアンスが強いか。
ボリューム感を表現する上での苦みと泡、甘さのタイプの調和が取れている。
バランスタイプ、やや鉄っぽい風味がある。


メーカー:サントリー
銘柄:プレミアムモルツ
原材料:麦芽、ホップ
タイプ:ピルスナー

苦み:★★★(フルーティータイプ。苦みはあまり感じない。)
甘さ:★★★★★(核種系のチェリーの様な甘みがある)
のどこし:★★★★★(核種系果実の風味と酸を思わせる刺激的な泡、奇麗な喉越し)
飲みやすさ:★★★★★+(完璧な飲みやすさ)
色調はピルスナースタンダードな黄金色。泡の持続力は長い。
比較的ライトな造りで、核種系のフルーティーさが強い。
エビスよりライトなレベルで、バランスがいい。
フルーティーさを助長する華やかな泡とシルキーな喉越し、主張しないほのかな甘み。
エビスがニュイサンジョルジュ的な味わいだとしたらプレミアムモルツはシャンボールミュジニーに近い。
キャッチーなピルスナーとしては完璧な造りですな。素晴らしい。


メーカー:アサヒビール
銘柄:アサヒ ザ マスター
原材料:麦芽、ホップ
タイプ:ピルスナー

苦み:★★(苦みはアタック、アフターともに僅かにある程度)
甘さ:★★★★★+(麦芽の穏やかな甘みとフルーツの甘み)
のどこし:★★★(シルキーな飲み口の為、喉越しの刺激感はやや物足りない)
飲みやすさ:★★★★★(甘さの風味の豊かさでは突出している。苦みも無く飲みやすい)
色調はやや赤みを帯びた黄金色。泡の持続力はやや弱め。
ちょっと地味な存在かも。甘みに関しては今回の4つのプレミアムビールの中では最も複雑で印象に残る。
核種系フルーツの甘みと麦芽の甘みの調和が取れている。
シルキーな飲み口。ただしやや喉越しに弱みを感じるので、グイッと飲むタイプではなく、ゆっくりと味わう
タイプの味わいだと思う。


メーカー:キリンビール
銘柄:グランドキリン
原材料:麦芽、ホップ
タイプ:ピルスナー

苦み:★★★★★(突出した苦み、ただしボディに強さと風味を与えている重要な要素)
甘さ:★★★(甘さは比較4品目の中では最もドライな造り)
のどこし:★★★★(ホップの豊かな風味が喉越しの刺激とマッチしている。)
飲みやすさ:★★★(苦みに好き嫌いがあるかな)
色調はピルスナースタンダードな黄金色。泡の持続力は長い。
4本の中では最も苦いが、以前飲んだ様な苦みは感じない。
ボディの強さは随一で、とにかくホップの風味が他の4本でもっとも鮮明。
泡は比較的穏やかながら、ずっしりとした重量感を感じる味わい。
ビールらしさとしては最も端的に表現されている。
バランスではプレミアムモルツ、ザ マスター、エビスに劣るものの、国産を感じないプリミティブな造り。


いずれもとても良い出来だったかと思います。
個人的な所感としては、スタンダードラインと比較して、より各々のメーカーの個性と方向性が強く押し出された作りになっていると感じました。
スタンダードラインの向いている方向は3社横並びでしたが、プレミアムラインは、とにかく個性が強い。
フルーティさを主張するもの、ビールとしての完成度を追求するもの。盛り沢山です。

今回いずれも非常にレベルの高い作りでありましたが、その中で最もプレミアムモルツの完成度の高さに目を引かれました。
ボディが強いわけではなく、やや薄目のきらいがあるのですが、とにかくバランスが良い。
強い目的意識の下、コクや甘み、苦味、泡が必要な分だけバランスよく配置されている感じ。過不足が無い。
なので、あくまでフルーティさの邪魔をしない程度の苦味やコク、泡の繊細さまでもが正然と調和している感じです。

いや、凄いです、プレモル。
ただし、ここは飲むシーンで他のビールに変えても十分すぎるほど全体のレベルが高いので、特にプレモルだけ推す訳ではないのですが。

結論としては優劣をつけ難い。シーン毎に楽しめるビールの選択肢が増えていると、ポジティブに捉えるのが最も適切だと思います。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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