フランソワラマルシュ、果実のありのままを映し出すグランエシェゾー、ラ グラン リュー

こんにちは。
いよいよ期末も迫ってまいりました。
営業の人は数字が迫り、経理の人は締めの業務で手いっぱい。IRは決算資料を追われ、物流は棚卸と、だれも旨味の無い時期であります。
そんな中でこそ良いワインを飲みたくなるものですね。
ちょっと前の話になりますが、フランソワラマルシュのワインを飲んできました。
フランソワラマルシュといえばヴォーヌロマネの特級モノポール、グランド リュー。(僕は知らないですが)元々は一級畑だったようですね。
目下ヴォーヌロマネの一級畑の筆頭といえばクロ パラントゥやクロ ド レア、オー マルコンソールとかになりますかね。過去にこのトップにグランドリューがあったと考えるとなかなか不思議なもんですな。
特級だとちょっと目立たない畑ですが...品質は流石の一言につきますね!生産者もトップクラスとは言えないまでもかなり優良ですから、非常に楽しめました。ちなみにグランドリューとともにグランエシェゾーも頂きましたが、こちらもかなり大したもので、どちらも抽出の強さはあまり感じないのですが、口の中で揺蕩う様なエレガントなエキス感がとても好みです。


生産者: フランソワ ラマルシュ
銘柄: グラン エシェゾー グランクリュ 2007

約13000円、WA90-92pt。
色調はやや淡いルビー、粘性は低い。エキス系の味わいだが、酒質はしっかり。
フレッシュな果実の香り。ややドライ系だが果実所以の甘みもしっかりと存在している。
ダークチェリーやブルーベリーのやや果皮を感じる果実味と果肉の甘み、生肉や土や松の樹や薔薇、スミレなどの官能的な芳香が中心を据える。香水の様なとても華やかで大地を感じさせる印象。ローズヒップティー、アニス、焼いたゴムなど。
非常に王道的で伝統的な作りで、果実の凝縮感が素晴らしい。
目の詰まったフレッシュな果実味。
アタックは果実元来の酸味とタンニン
そして甘みに満ちており、ごく自然な無理を感じない作りだ。
時間が経つとビターチョコの様な甘みを放ち始める。
流行りの強烈な抽出と甘みを感じる流行りの作りではなく、薄旨系。このジャンルでは突出していると思う。


生産者: フランソワ ラマルシュ
銘柄: ラ グラン リュー グランクリュ 2007

約26000円。WA92-94pt。
さて、ラ グラン リュである。
色調はやや濃いめのルビー、粘性はやや高め。僅かな浮遊物。
全体的な方向性はやはり近くエキス感のある作りだが、グランエシェゾーと比較した時にまず更に果実の凝縮感、目の細かさに驚かされる。繊細であり凝縮感に満ちており隙が無い。
同じく果皮の厚いダークチェリー、ブルーベリー、梅柴の果実味。
果皮由来のエレガンスが増していて、更にイチゴの溌剌とした明るい芳香も包含する。また果実味が突出していたグランエシェゾーに対して、こちらは香水の様な薔薇、スミレ、燻製肉、腐葉土や生肉と言った華やかで官能的なアロマが同等に主張をしている。茎、ローズヒップ、焦げたオークのニュアンスもある。
エキス系であることには変わりなく濃くはないが、密度が非常に高い。
グランエシェゾーと比べると意外とタニックで酸味も強く、その部分は果実の由来以上のものを感じるが、口の中はで果実の官能的な部分だけを抜き取った様な香りに。全体的に高密度でドライ系。時間が経つと樹皮とシロップの様な甘みを放ち始める。


いや、この手のエキス感のあるブルゴーニュは、やはり右脳を刺激されますよね。幸福感があるというか。
今回は素晴らしいグランクリュ、グランエシェゾーとラ グラン リューを頂きましたが、よりグラン リュの方が趣向を凝らして造っている感じがしましたね。
テロワールより作り手の意思が介在して、意識的に偉大な作りに仕上げていると感じられるワインでした。
恐らくノンフィルターだと思いますが、その部分でも果実を引き出してあげようという意思が感じられました。
結果、グランエシェゾーより偉大なワインになっていると思います。グランエシェゾーも当然素晴らしいんですが、本当にラ グラン リュの目の細かさと凝視感は特筆ものです。ポンソの状態の良いシャンベルタンを飲んだ時の様な塊感。ああ、ポンソはもうちょっと派手ですかね。
飾り気の無いところがいいんです。
ド派手で力強い迫力のあるブルゴーニュも好きですが、グランクリュでありながら尊大なところはあまり感じない親しみやすく優しさを感じる、良質なグランクリュでした。

 
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ルネロスタン、元来の偏屈さが無い素直なコートロティ


こんばんわ。
本日は北部ローヌ特集です。
北部ローヌは庶民的な南部ローヌと異なりシラーを主体とした偉大なワインを生み出しています。例えばエルミタージュ、例えばコートロティ、例えばコルナス。白ならばコンドリュー、シャトーグリエあたりが有名だと思います。
有力な生産者はエルミタージュであればシャプティエ、シャーヴ、ここ最近であれはパーカーポイントで高得点常連のドゥラス。コートロティならエティエンヌ ギガル、それとこのルネロスタンでしょうか。
特にコートロティはギガルの単一畑「ランドンヌ」「トゥルク」「ムーリンヌ」、その弟分である「シャトーダンピュイ」、普及銘柄である「ブリュヌ エ ブロンド」が有名です。エルミタージュならシャーヴのそのもの「エルミタージュルージュ」、シャプティエなら単一畑「レルミット」。
殆ど市場に出回らない上にお高いのでなかなか飲む機会は訪れてくれませんが、そこでこのルネロスタンです。
赤はランドンヌ、コートブロンド、白はコンドリューを作っています。普及銘柄としてコートロティ キュヴェクラシックなど。
最初に彼のランドンヌを飲んだ時はいたく感動しました。果実味は強いのに官能的でインセンスやスパイスが溢れ出す、どこか異国の香りを感じさせる創り。個性でいうのならコントリジェベレールのワインにも似ている個性的なワイン。
今回のヴィンテージ2010は素晴らしいながらも、ちょっと方向性が違うようです。
あの頑固親父はどこへ行ったのでしょうか...


生産者: ルネ ロスタン
銘柄: コンドリュー ラ ボネット 2010

約10000円、2009年のパーカーポイント93~95点
ロワールのソーヴィニヨンブランの様な清涼感ありながら、セミヨンの様な香味がある。素晴らしい。
色調は淡いストローイエローで粘性は高い。
カリンや赤リンゴ、アンズの清涼感のある果実味、ヨーグルトや白い花の蜜、白胡椒、杏仁豆腐の様なナッティーなニュアンスもある。フォキシーフレイバー。
ややミネラリー。僅かに灯油のニュアンスも感じ取れる。意外とシンプルな構成。
アタックは酸味が強めだが、しなやかな構成。穏やかで心地よい造り。


生産者: ルネ ロスタン
銘柄: コートロティ コートブロンド 2009

約13000円、2009年のパーカーポイントは92~95点。
色調は濃いガーネット、粘性は高め。意外や意外、ボルドーの様な甘い樽香が感じられる。
以前感じたワインの特異性は僅かに落ち着いているような気がする。
コートロティらしくスパイシーな黒胡椒のニュアンスがメインにはなるのだけど、果実味の方が主張している。ラベンダーやスミレ、ジャミーなカシスやプルーン、なめし革、漢方、焦げたゴム、ややバニラの様な香りも。
アタックは柔らかく豊満なプルーンの酸味と果皮のタンニンが心地よく味わえる。ボリューム感がある。スパイシー。


生産者: ルネ ロスタン
銘柄: コートロティ ラ ランドンヌ 2009

約13000円、2009年のバーカーポイントは91~93点。
色調は同様に濃いガーネットで粘性は高い。こちらもややボルドーを感じさせる香味。
ややランドンヌの方が整然としている印象。一塊感がある。
やはりコートブロンドと同様、果実が目立つ。カシス、ブラックベリー、ドライプルーンの甘みを感じる果実味、少しずつ黒胡椒のスパイスが現れてくる。スミレやタバコ、ややスモーキー、芍薬、鉄釘や漢方、炭焼きのニュアンス。
こちらも以前の突出したスパイス感はなく落ち着いており、豊満な果実味が目立っている。やや期待していた方向と違う。
黒胡椒とプルーンの豊満な果実味に満ち溢れておりキャッチー。口に含むとより味わいが強固に感じる。僅かに柑橘系のニュアンスも。


ランドンヌ、コートブロンドの全体的な印象としては、シラーのエッジーな部分かややソフティケイトされて角がなくなった印象。その分黒い豊満な果実味が全面に出ており、力強くキャッチーな印象を受けました。
黒胡椒やスパイスが全面に出ていない分よりわかりやすいものの、官能性に関してはちょっと後退していますね。
こう、どこか影のある感じが良かったのですが...
ただ、やはり品質はべらぼうに高くて、言うてもランドンヌ、そしてコートブロンド。恵まれたテロワールから生み出される味わいはひょっとしたらこっちが正しいのかもしれません。
これはこれで非常にシラーのウマさがしっかりあって好きです。
コンドリューの方は割と普通ですね、レビューでも書きましたがソーヴィニヨンブラン主体のプイィフュメに重めのボディを持たせた感じです。
果実味は清涼感があって爽やかなんですが、こう、そこにしっかり豊満さがあるんですね。良質のプイィフュメはよりエッジーで神経質な感じがしますが、こっちはよりふくよかです。
ただ味わいの方向性的には9000円は出し惜しみしちゃうなあ。美味いんだけどねえ。

まぁやはりルネロスタン。いずれのワイン、コートロティのスタンタードラインであるキュヴェクラシックでも途轍もなく美味いので、コートデュローヌにはまりこみたい人にはかなりオススメです!

 

アミオ セルヴェル、2010年一級畑並行テイスティング。



こんばんわ。
本日はアミオ セルヴェルです。

アミオセルヴェルはシャンボールミュジニーに拠点を置く生産者で、品のあるエレガントで旨味を最大限に活かした「シャンボールミュジニーらしい」ワインを作る生産者です。
ビオロジックを採用しており収穫は手摘み、その後100%除梗、新樽率は15%から50%で18ヶ月の熟成を行います。
比較的新樽率が低く(これを低いと見るか高いと見るかは人それぞれだと思いますが...)ボリューム感こそないですが、丁寧でエキス感のあるシャンボールミュジニーに仕上げています。
シャルムはややボリューム感あったかな。

今回はレアなデリエールラグランジュと比較的メジャーな一級シャルム、そしてフラッグシップの一級レ ザムルースを頂きました。


生産者: アミオ セルヴェル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ デリエール ラグランジュ 2010

約10000円、WA90-92pt(1996)
僅か0.45haから作られる貴重なプルミエクリュ。
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
プチトマトやダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果皮を感じる果実味、茎や若葉、松の樹皮、土っぽさ、薔薇やスミレなどの華やかさや、シロップ、ローズヒップティーのニュアンスが感じ取れる。
やや(野菜の様な)青っぽさが目立つ作りだが、芳香は鮮明でクリア。やや濃いめの作りで、甘露なタイプではなく華やかな印象を受ける。ファンデーションやトーストの風味も。
酸味は穏やかで甘みもあり旨味が豊か。やや後味に苦味を感じる。タイプの事なる味わい。ベーシックなブルゴーニュの風味とは乖離していて、瑞々しく青っぽく優しい雰囲気が感じられる。


生産者: アミオ セルヴェル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ シャルム 2010

約13000円、WA88-90pt(1996)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
こちらもデリエールラグランジュ同様やや青っぽい風味を感じるが、より力強い、直接的なパワー感がある。
プチトマトやアメリカンチェリーの様な溌剌さを感じさせつつ、ダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果実味。そして茎、若葉、土っぽさ。果実の蜜やシロップのニュアンスや、スミレや薔薇のエキス感がより強く現れており華やかで甘露な味わい。なめし革。ファンデーション。
瑞々しさに関していえば先述のラグランジュと比較すると濃厚な印象でボリューム感を感じる。
やや強めの抽出に由縁するものだろうか。果実味が強く出ている。
タニックで酸が際立っており、凝縮している。非常にパワー感がありデリエールラグランジュとはまた印象が異なった作り。


生産者: アミオ セルヴィル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2010

約20000円、WA91-93(1996)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
シャルムほど濃厚ではない。よりクリアで透明感のあるダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果実味。果実の蜜やシナモン、シロップ、薔薇やスミレのエキス感が構成の中心となっている。ローストしたヒノキ、スーボワやシダ、なめし革、鉄っぽさ、お香の様な香りも感じられる。
対してプチトマトや茎、若葉、松の樹皮のニュアンスは、確かに存在するものの、先述の2本と比べるとやや弱め。
非常に透明感と清潔感の溢れた作りで過剰な青さは存在しない。
凝縮した果実と、華やかな赤い花、鉄分、果皮の香りが一塊となってエレガンスを作り出している。
柔らかな甘み、驚異的なバランス感。
丁度シャルムとラグランジュの中間を行く作りだが、その完成度は群を抜いている。先述の2本と比べると圧倒的に洗練された印象。素晴らしい。


なかなか良かったですね。
どれもエレガントで上品な作りだったかと思います。
割と抽出は強めだと思うんですが、濃厚さはあまり感じなくて、どのワインもピュアなエキス感を持っていた様な気がします。軽やかというのかな。
唯一シャルムだけ強めの印象はありましたが、それでもブルゴーニュを見渡すとやや薄い印象ですね。
んで畑なんですけども意外や意外、デリエールラグランジュはレ クラやフュエの下に位置するモレサンドニ寄りの畑で土壌も粘土質。本来は力強い果実味溢れる作りになるはずですが、何故か最も薄めの作りに。そして最大面積を持つシャルムはミュジニー寄りの石灰岩...だけども最も濃厚な果実味を持つシャルムに。日照条件もあるんでしょうが、ちょっとイメージと違いましたね。そもそもデリエールラグランジュなんて飲んだの始めてだし。
こう見ると畑で勝手にイメージを作れないですね、位置関係と味わいが逆転してる。畑の性質は味わいの一要素でしかないという...ううん、難儀ですね、わからなくなってきた。
そしてアムルーズは...なんかもう流石でした。クロサンジャックといいアムルーズといい生産者の気合の入れ方が違うからか滅多にハズレに当たる事はないんですが、これは大当たりですね。
ミュジニーみたいに一見軽やかなんだけど、奥に凄い圧縮された果実味が潜んでいて...透明感があってすごくピュアな作り。
澄んだ水の中にある真珠みたいなイメージ。かなりすごいですよ。

いや、いい経験できました。
次はボンヌマール、ミュジニー、アムルーズと比較してみたいですね!
機会があれば!


  

マルセル ダイス、驚異的な凝縮感を見せるアルザス グランクリュ

もう先週の事ですがね...
ちょっと忙しい時期で丁度今日はそのスキマの土曜日といったところです。
明日からまたバタバタなので更新止まります。
お前ら全力でいくぞー!

という訳で今回はアルザスです。
またもやマルセルダイス。この生産者のワインを飲むと、いかにアルザスが素晴らしいか、そして過小評価されてるかがよくわかりますね。
特にアルテンベルク ド ベルクハイムはわずか5haの土壌から生み出される古木のリースリングのみを使ったワインで、蕩ける様に甘露で高貴さに満ち溢れています。(現在は混醸のようです。マンブールと同じですね)
フランスワインよりドイツ的で、ドイツワインよりフランス的な哲学を感じる本当に素晴らしいリースリングでした。


生産者: マルセルダイス
銘柄: アルザス グランクリュ アルテンベルク ド ベルクハイム リースリング 1998

約10000円、WA94pt。
やや甘口ワイン。色調は濃い黄金色、粘性は低め。
うおお...すげえなこれ、すげえ。
リースリング由来のヨード香、石油。凝縮したアプリコット、ライチ、桃などの濃厚で凝縮感がある果実味。
蜜蝋、シナモン、生クリーム、ドライハーブ、ヨーグルトなど。やや土っぽさも感じる。ボリューム感があり、非常にエレガントな甘みと香りを感じる。方向性はトロッケンベーレンアウスレーゼに近い。
口に含んだ時の強烈な灯油やヨード香、そこから後追いする蕩ける様な豊満なフルーツの果実味。アタックの酸味も十二分。高貴さと甘露さに溢れた素晴らしきアルザス。


このワインは結構な古酒ですが、なかなか頑丈のようで、僅かに熟成感は感じるものの、基本的には果実味がかなり凝縮しており、痩せた感じは全くしませんでしたね。
基本的なリースリングの甘口ワインを踏襲しつつ、ただ甘いだけに終わらない充実した酸味と複雑な芳香のワインでした。
デザートワインだけじゃなく食中酒でも十分に使えそうですね、これは。

カリフォルニアカルトワイン、熟成の可能性を再考する

久々のカルトワイン特集です。
前回、前々回の特集はこちらこちらです。

さて、今回はケイマスのスペシャルセレクションとリッジのモンテベロの古酒です。
ケイマスのトップキュべといえばスペシャルセレクション カベルネソーヴィニヨンですが、今回はピノノワール。
そしてリッジはパリスの審判レッドワイン部門で5位に着けたリッジのトップキュべ、モンテベロ。
新世界は比較的グランヴァンでも早飲みタイプが多いですが、果たして熟成すると如何様になるのか...楽しみです!


生産者: ケイマス ヴィンヤード
銘柄: ケイマス スペシャル セレクション ピノノワール 1989
産地: ナパヴァレー

約12000円。
色調は澄んだ濃いルビー、粘性は高い。
紅茶や腐葉土、イチジク、キノコなどの綺麗な熟成香、それを伴った綺麗な紫スモモや梅の果実香が現れる。スミレのドライフラワー、ローズヒップ、ムスクやベーコンなどの野生的な香りを主軸に、クローヴ、バニラの複雑な芳香が一塊となって漂う。
野生的で動物的なニュアンスが現れながら、綺麗な透明感を伴う芳香で密度も高い造り。
アタックは酸味は滑らかな、タンニンも柔らかく非常にピノノワールらしい造り。新世界的な暑苦しさを感じさせない涼しげな味わいだ。


生産者: リッジ ヴィンヤード
銘柄: モンテ ベロ 1985
産地: セントラルコースト

約27000円、WA 94pt。
色調は濃いガーネット、粘性は中庸。
こちらも熟成感が主軸になっており、煙草や葉巻、濡れた土、燻製肉などの熟成香、焦げた西洋杉、小豆、甘草、グローヴなどのスパイスや木材の香りを中心にコーヒー、果皮の厚いカシス、ブラックチェリーの果実味。スミレのドライフラワーなども。
全体的に果実味は落ち着き、全体的に熟成香が中心を据えており、かなり複雑な香味を放っている。
アタックは酸味もタンニンも生き生きとしており強固。
ここまで状態の良い古酒になるとかなり複雑さを感じられるなぁ。


素晴らしい、まさに馥郁たる香りとはこのことですな。
今回面白いのはカリフォルニアのカベルネソーヴィニヨンの聖地ナパヴァレーのピノノワール、良質のピノノワールを生み出すセントラルヴァレーのカベルネソーヴィニヨンってところですね。特にナパヴァレーのピノノワールは一見「??」と思ってしまいますが、箱を開けたら過熟気味でもなく、冷涼さすか感じる透明感のあるピノノワールでした。
流石だよ、ケイマス ヴィンヤーズ。
カベルネソーヴィニヨンの方程式でピノノワールを作っているわけではない、というのは非常によくわかった。
味わいはコメント通りで非常に綺麗に熟成を経ていて、リシュブールの古酒に骨格と液体を与えた様な、液体に力が漲る安定感のある古酒でしたね。
しかもバランスの悪い雑味が無いから透明感を感じるという。
ブルゴーニュの古酒は一塊でグラス内に留まるタイプではなく、周囲に官能性を発散させるイメージなんだけどどうかなわからん。
そして、リッジのモンテベロ。
これも綺麗に熟成されていましたね、スモーキーで動物的な香味が主軸になっています。こちらもボルドーの古酒と比較すると熟成香のバランスがカッチリまとまっていました。
果実香自体は落ち着いていますが、その分熟成香の主張が強く、そこらへん上手くバランスが取れているような気がします。やや熟成香主軸かな?
大元の熟成前をちょっと飲んでみたいですな。

やはりカリフォルニアは面白いですのう。


頂点に至るは必然か、神に祝福されたラトゥール、オーブリオン、ディケムを利く。


こんばんわ。
本気で首が回らなくなる前に更新します。
今回は前回同様ボルドーです。ただポムロールではなくメドックとソーテルヌになります。
両方ともジロンド川の左岸に位置していて、メドックはカベルネソーヴィニヨンとメルローで造る重厚な赤が、ソーテルヌはセミヨンで造る気品ある貴腐が有名ですね。
今回は左岸メドックの格付け一級シャトー ラトゥール、シャトー オーブリオン、ソーテルヌの特別第一級であるシャトーディケムを頂きます。


生産者、銘柄: シャトー オーブリオン2006
品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー37%、カベルネフラン18%

価格は103000円、WA96pt。
色調は黒に近いガーネット、粘性は高い。シェリーの様なやや熟成感の感じるニュアンス。
燻製肉や葉巻のスモーキーな香りと大地香、ブラックチェリー、カシスの香り、ミント、薔薇、西洋杉、シダの野生的な香り。僅かにピーマン香りが残留するが、インクっぽさはないと思う。炭焼きなどのニュアンスも。時間が経つと甘草や沢庵香が主軸となってくる。
タンニンは未だ強固で、酸も強い。スモーキーで複雑だが、ミディアムボディにも感じる軽妙さがある。


生産者、銘柄: シャトー ラトゥール 2006
品種: カベルネソーヴィニヨン80%、メルロー15%、カベルネフラン&プティヴェルト5%

約100000円、WA95pt。
色調は濃い黒に近いガーネット、粘性は非常に高い。
やはりラトゥールは強固だ、そして期待を裏切らない。異常な程のバランス感、甘露さ。
クレーム ド カシスやプラムのジャムの様な優美な果実味。やや柑橘の様なニュアンスやミント、ハーブの香りを主軸に、スミレや芍薬の華やかなアロマ。また西洋杉や炒ったカカオ、クローヴ、スーボワなどのスパイスや大地香を感じ取る事が出来る。
ややインクっぽく僅かにピーマンっぽい青っぽい香りも。しかしこのワイン時間が経ってもなかなか形が崩れない、徐々にイチゴなど軽やかな果実味も現れ、時と共に綺麗に変化していく。
アタックはやはりタンニンも酸味も強い。しかしエレガントなプラムの果実味の広がり(鉛筆の芯を伴いながら)が非常に素晴らしい。


生産者、銘柄: シャトー ディケム 2006
品種: セミヨン80%、ソーヴィニヨンブラン 20%

約90000円、WA96~98pt。
色調は濃い黄金色、粘性は高い。
ああ!すごいなこれ。
濃厚な黄桃やアプリコットのコンポート、蜂蜜、白い花、僅かに白胡椒、ややナッツっぽさ、マンゴーの様なトロピカルフルーツのニュアンスも。クリーム感も。
その残糖量としては奇跡的な程均整の取れたボディでアタックは軽やか、要素が非常に濃縮されている。この軽量感で濃度の高さはなんなんだろうね。とろける様な香りだ。


まずは赤から。流石にメドック一級ですね、一部のスーパーセカンドを除いて、他の格付けシャトーの一切を寄せ付けないクオリティだと思います。
一級随一の強固さと力強さを持つラトゥールと、ややミディアムボディ気味で神秘的なオーブリオン、この2本を平行出来たのは、その差異を理解する上でとても勉強になりました。
ラトゥールはポイヤックの王道とも言うべき造りを極限まで作り込んでいった極限に至ったポイヤック、そしてオーブリオンはグラーヴだけではなくボルドー全域を見渡した時にその特異性が際立つワインだと認識しました。
テロワールとしては隣接しているラ ミッション オーブリオンとも大きな違いがあり、こちらはどちらかというとポイヤックかサンジュリアンタイプだと思います。
なのでどちらかというと造りやアッセンブラージュに大きな違いがあるのかな、と勝手に理解してます。
ボルドーらしさを感じるのはやはりラトゥールでしょうか。卓抜した果実味や西洋杉、ハーブのアロマと強固で力強く、エレガンスも感じさせるボルドーとして最も心落ち着くタイプの造り。
対してオーブリオンは一見近寄り難く、排他的で内向的な性格が見られますが、神秘的でスモーキーな好きな人にはたまらないタイプのワインだと思います。
一級でもここの差異は大きいと思っていて、ムートンはややキャッチーながら完全にラトゥール寄り、マルゴーも同様ですが、滑らかさや軽妙さが突出している事を考えると中間、ラフィットはやや内向的な性格ながらポイヤックらしさを残している様に感じました。同じ一級でもかなり大きな差異がありますね。面白い。

次に今回特筆すべきワインだと感じたディケムですが、これは本当に凄いですね。
凡百の貴腐、レイトハーヴェストとは明らかに一線を画す存在だと思います。貴腐やレイトハーヴェストは所感では残糖に合わせて全体的に重さが伴いますが、まずディケムにはそれが無くて、非常にピュアで清涼感と軽やかさを伴います。
しかしながら、そこに内包する要素は非常に膨大で、さながら世界中の幸福の雫を集めて不幸の一切を拒絶した純水。ボトルの一滴一滴が幸福の顕現。

いいすぎかもしれませんが、それだけ感動したわけですよ。
これは値段つけられませんね。値段がついてるだけで安いと思います。

いやいや、貴重な体験をさせてもらいました。

  

(問)豪華で輝かしいペトリュスと生来の気品漂うコンセイヤント、どちらを選ぶべきか (答)どちらも正解。

こんばんわ。
サンテミリオンの新格付けが発表されましたね。
ヴァランドローは2段階昇格のプルミエグランクリュクラッセへ。
そして最大のトピックとしては、約半世紀破られることのなかったプルミエグランクリュクラッセA、オーゾンヌ、シュヴァルブランの独占体制が崩れた事じゃないかと思います。
風穴を開けたのはパヴィとアンジェリス。これでプルミエグランクリュクラッセAは4シャトーでの体制になります。
いやー、サンテミリオンは熱いですね!


さて今回は右岸繋がりという訳ではないのですが、ポムロールのシンデレラワインに焦点を当ててテイスティングしてみましたよ。
ラ コンセイヤントとペトリュス。
贅沢すぎる組み合わせですね。
当然ながら一緒にテイスティングする機会もなかなかありません。
なのでかなり集中してテイスティングしてきました。



生産者、銘柄: シャトー ラ コンセイヤント 2009
品種: メルロー 45%、カベルネフラン45%、マルベック 10%

約38000円、パーカーポイント95~98点。
色調は濃いガーネット、粘性は非常に高い。
濃縮したカシスリキュール、ドライプルーンの濃厚な果実味を主体に、スミレの華やかな香り、茹でた小豆、甘草、鉄釘ややインクっぽさがある。徐々に土っぽいニュアンス、コーヒーやワッフルなどの樽由来の甘露な芳香。
酸味もタンニンも豊かで口に含むと濃厚なプルーンが広がる。
ただパワー感が突出してるわけではなく、何処か濃厚なピノの面影がチラッと見えるのが面白い。とてもエレガントなスタイルだ。


生産者、銘柄: シャトー ペトリュス 2006
品種: メルロー 95%、カベルネフラン 5%

約180000円、パーカーポイント93点。
色調はやや濃いガーネット、粘性は中庸。
強烈な小豆香やタバコ、葉巻、焼いたオーク樽のロースト香が目立つ。
プルーン、ドライアプリコット入りのパウンドケーキ、果皮の厚いカシスの豊かな果実味を感じる。
またスミレの華やかな香りやトリュフの様な大地香。毛皮や鉄釘、インク、クローヴや炭焼きのニュアンスも。バニラや生クリームなどの甘やかなアフターノート。
香りの複雑さ、濃厚さ、パワー感も当然の様に卓抜している。しかしこのワインの本当の凄い所は神懸かり的なアタックだ。非常に柔らかくしなやかなタンニンと酸。
シルキーという言葉はこのワインの為にあるのかも。口に含んだ時に僅かな小豆と果皮の厚いプラムやスミレの華やかな香りが漂う。
非常にリッチなポムロール。


素晴らしい体験でした。
今回のペトリュスとラ コンセイヤント、どちらが好みかと問われれば僅差でコンセイヤントでしょうか。
ポムロールはぽってりしていて柔らかいボリューム感とエレガンス...豪奢なイメージがありましたが、コンセイヤントはちょっとタイプが違いますね。
勿論ボリューム感があって果実味も豊かななんだけど、他のポムロールと比べると、もっとスレンダーというか、濃さをあまり感じないんですよ。
より瑞々しくて、折り目正しい作り。
全ての要素が膨大な質量とパワー感で押し寄せてくる感じは全くなくて、乱暴に言うとブルゴーニュのような端正なワインだと思います。
当然ですがペトリュスも凄かったです。こちらもコンセイヤント程ではないですが、決して濃いタイプではないんですね。
ただボリューム感と膨大な構成要素、しなやかさ、柔らかさ、全てが突出していて、非常にリッチで豪華に感じました。
飾り気はないけれど、生まれ持った端正さと気品を纏うコンセイヤント、豪華な宝飾品とシルクのドレスを身に纏う輝かしいペトリュス。
同じポムロールでもタイプは違いますが、どちらが好きかは、それまでの好みによるかもしれませんね。

 

フェブレイ、若き当主エルワン主導の3種の特級。



こんばんわ。
2010年のフェブレの特級3種を比較テイスティングしてきました。
かなりいいですね。フランソワ フェブレが指揮を取っていた頃より格段にいい。抽出は穏やかになったとはいえ幾分強いですが、嫌な渋みは全体的に減ったと思います。
さて、今回はクロ ヴージョ、エシェゾー、クロ ド ベーズです。
フェブレはWA(というかパーカー)とモメていた為、WAポイントはなしです。


生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2010

約16000円。
色調は赤みの強いルビー、粘性は低め。フルーツの濃厚な甘さや花の香りが力強くゆっくりと立ち上る。
イチゴ、ダークチェリーやブルーベリーなど果皮の厚い甘露な果実味(抽出はやや強め)、黒糖、シナモンなどのスパイス、薔薇やスミレのアロマオイル、僅かに燻製肉や紅茶、焼き栗、茎など。
全体的にローストした甘やかさがある様な気がする。
アタックは酸味、タンニンはしなやかで柔らかい。口の中でフレッシュなイチゴの風味が広がる。黒糖的な甘みが強く、丸みのあるしなやかな体躯のクロ ヴージョ。骨格はしっかり整っている。ぼんやりとはしていない。


生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2010

約17000円。
色調は赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。
石の様なミネラル感やシナモンのスパイシーさ、薔薇、スミレの華やかな中心とした官能的な伸びのある香り。
プラムやブルーベリー、ダークチェリーの溌剌とした果実味。なめし革、ローズヒップティー、青っぽい茎や香水、樽のロースト香りが現れる。
全体的な方向性はフェブレの枠内に収まっているけど、クロ ド ベーズやクロ ヴージョと比べるとより先鋭的で硬質なテクスチャ。
溌剌とした鮮明な果実味を感じる。
アタックは酸もタンニンもしなやかで引き締まっている。黒糖やバニラの甘みを伴う明るい溌剌としたキャッチーなキャラクター。
果実の味わいが強く華やか、非常に官能的な作りの王道的エシェゾー。


生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2010

約30000円。
色調は赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。
前述二つのグランクリュと比較すると
、より強固な骨格とエレガントさを感じる。中域にボディ感があり、非常に安定感のあるワイン。
熟したダークチェリー、プラムの果実味にシナモン、黒糖などの甘やかなニュアンス。松の木、茎の青っぽさ、薔薇やスミレなどの野生の香りを中心に燻製肉、ローズヒップティー、焦げたフレンチオーク樽に所以するバニラの様な香り。エシェゾー同様、さながら香水の様な香りの伸びを感じる
アタックはしなやかなタンニンとキュッと引き締まった酸味。蕩ける様な果実と黒糖の甘みが口内に広がる。
エシェゾーの様に高域に伸びる形でもなく、クロ ヴージョの様に低域で丸みを帯びるわけではなく、中域で終始安定した芳香を放つ。もっともバランスの良さが際立ったグランクリュ。


この3本、かなりテロワールの個性がキチンと表現されている様に感じました。畑ごとはさすがにエシェゾーくらいしか、らしさを感じる事は出来ませんでしたが(クロ ヴージョは生産者によってスタイルが全然違うし、クロ ド ベーズは畑の個性が理解できるほど飲んでない...) こと村の個性で考えると、非常にわかりやすく差別化されていました。
王道的な作りのエシェゾーもとても素晴らしかったですが、やはり今回はシャンベルタン クロ ド ベーズでしょうか。
シャンベルタンと隣接していながら(かつ稀にシャンベルタンを名乗る事もある)シャンベルタン クロ ド ベーズですが、よもやここまで違うとは。
個人的なシャンベルタンのイメージではとにかく要素が全方位(例えば華やかさであったり、果実味であったり)強固な作りなのですが、クロ ド ベーズはよりミニマムに要素を中間域に持ってきているような気がします。
ええと、すごいわかりにくいですね。
擬音をつかうとシャンベルタンはドシッとしていてドスンと香るんですけど、クロ ド ベーズはもっとこうズズズッと香ってくるんですよ。要素はほぼ同じ。シャンベルタンは鉄っぽさがあるんですよ、香りのトラック正面衝突。クロ ド ベーズは同質量の鉄が溶け込んでくるイメージ。そう、はんだ付けや溶接に近い。おっ、これいい感じに言い表せた様な気がするぞ。
まぁどちらが...って話だと割とクロ ド ベーズのスタイルの方が好みかもしれません。どちらかといえばですよ?
シャンベルタンも相当好きなんですけどね。

なかなか機会がなくて実現出来てませんが、クロ ド ベーズとシャンベルタンの平行とかやってみたいものだね。
出来ればアルマン ルソーとかで!

  

傑作エシェゾー、モンジャールミュニュレの特級

こんばんわ。
久々に大当たりを引きました、嬉しくて仕方ありません。
ヴォーヌロマネの名家、モンジャールミュニュレの特級エシェゾー。
これが本当に素晴らしい。どこらへんが素晴らしいかは後述しますが、とにかくエシェゾーとしての個性がありつつ卓抜した作りなんですよ。
正直エシェゾーで美味しくないワインに当たった事はないのですが、特に素晴らしいと思いましたね。
それに対してルイラトゥールのコルトンのガッカリ感はすごかった。こちらも後述します。

では行ってみましょう。


生産者: ルイ ラトゥール
銘柄: コルトン グランクリュ 2006

約7000円、96のWAは89点
色調は中庸なルビー、粘性もやや強め。あまり魅力的な香りではない。
僅かに熟成感。ブルーベリーやラズベリーのやや青っぽい香りだが徐々に果実の甘みが現れる。
なめし革、スミレ、クローヴ、オーク香。トリュフ、生肉などの野性味のあるブーケ、シナモンスティックのアロマが漂う。ブリオッシュ。
やや硬めのピノノワールで、充実した酸があるが、アタックは柔らかで、未熟な果実の青い味わいと苦味が後味に残る。
スタンダードとは言わないが凡庸なピノノワールか。



生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2009

約15000円、06のWAは91点。
こういうエシェゾーが飲みたかったのだ!
色調はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。熟したアメリカンチェリーやイチゴ、デーツの極めて甘やかでフルーティなアロマ。野生の茎や土っぽさ、華やかなスミレや薔薇、ローズヒップティー、シナモン、スターアニス、カカオなどのスパイスが伴う。
甘やかでフレッシュな果実味に満ちたピノノワールの官能性が凄く感じ取れる。
アタックは酸は柔らかく、ややタンニンを感じさせる。フレッシュなイチゴやアメリカンチェリーの心地よいアロマが口の中に広がる。余韻も長い。素晴らしい!
アルマンルソーのワインにも通じる素晴らしさがあるねえ。柔らかいデュージェニーとも言えるかも。


モンジャール ミュニュレの2009年ヴィンテージのエシェゾーは本当に良いですね!アルマンルソーのマジシャンベルタンにも匹敵する卓抜した出来ですわ。
ヴォーヌロマネとしては若干抽出強めではあるのですが、これくらいが一番心地よい。
それにくらべてルイラトゥールのコルトンはちょっと凡庸な作りでした。
ルイラトゥールといえばコルトンかコルトンシャルルマーニュ!なんだけど一度も彼らの特級であたりを引いた事がない...むむむ。デイリーのアルディッシュは美味いのにおかしい。
なんというか地味なんだよなー、綺麗なピノノワールじゃなくてなんか安いピノノワールの雑っぽさがあんだよね。時間が経つとマシにはなるけど期待には大きく及ばないんすよね。
コルトン&コルトンシャルルマーニュならボノーデュマルトレイが堅いんだよね。他は今ひとつニュイに劣る特級が多い。おいおい、コート ド ボーヌ唯一の赤の特級どうしたよ、と言った感じ。悪いけどポマール村名やヴォルネイ一級に全然負けてるよ。

コルトンの優良生産者ってそういえば誰だろう。ボノーと(俺はそう思わないけど)ルイラトゥール、あとルロワ...はなんでも美味いか。割と得意な村の片手間で作ってる優良生産者の方が上手い様な気がするな。
あとあそこめっちゃ畑広いし生産者も多いからムラがあるのかな。広いと言われるクロ ヴージョ47haを余裕で凌駕する100haだからな...コルトンシャルルマーニュだけ見ても50ha。さもありなん。

そんな感じです。

 

砂漠に咲く大輪の花々、ガヤのスペルス、ブルーノジャコーザ アジリ リゼルヴァ。

こんばんわ。
先週の話ですが、素晴らしいイタリア ピエモンテワインを飲んできました。
ガヤの2つのバローロ単一畑のうちの一つスペルスと、巨匠ブルーノジャコーザのバルバレスコ単一畑アジリ、そのトップキュヴェのリゼルヴァ。共にイタリアを代表すると言っても差し支えない素晴らしいピエモンテです。


生産者: ガヤ
銘柄: スペルス 2007

約25000円、WA97点。
色調は黒に近い深いガーネット、粘性は高い。
ドライシェリーの様な塩分を含んだ芳香、非常に強靱な体躯。
ややインキーでありながら、濃厚な無糖ジャムのようなドライプルーン、ブラックベリー、紫スモモの様な分厚い果実味。溶剤、薔薇やカカオ、クローヴ、杉の様な木材。やや硬めかな、と思うが時間が経つとドキッとする。驚愕する。ムスクの野性的で官能的な香りが全面に現れる。凝縮した複雑味。
口に含むと凝縮した果皮の厚いプルーンの強靱なアタック。パワフルで収斂するタンニン。バカみたいに力強い。



生産者: ブルーノ ジャコーザ
銘柄: バルバレスコ アジリ リゼルヴァ 2007

約40000円、WA97点。
色調は済んだ深いガーネット、粘性は中庸。
華やかで深い果実味、ドライフルーツの官能的な味わい。
甘やかなドライプルーンやブラックベリーのジャム、アプリコットの果実味、薔薇とシロップ漬けのスミレ、溶剤、ドライシェリー、シシトウ、タイム、シナモン。
タニックで強靱な体躯ではあるもののスペルスと比較すると謎めいたところはなくキャッチーな味わい。余韻は長い。
時間が経つとよりスミレの香りが前に現れる。野生的になるスペルスに対してより華やかにキャッチーになっていく。


個人的に印象に残ったのはやはりスペルスですね。ファーストノートでは他人を寄せ付けない内向的な雰囲気に満ちていますが、時間が経つに連れ次第に筋肉質で野性味に溢れる芳香が現れてきます。そこまで甘露ではありませんが、複雑で哲学的なワインだと思います。
ブルーノジャコーザはネッビオーロの素晴らしさを具体的な形で表現してるな、と感じました。
スペルスに見られた内向的な雰囲気や野性的な部分はなくて、甘露で華やか。華美で官能的なワインでした。
ワインとして非常に完成度の高い卓抜した最高のバルバレスコといった風体。
同じバローロとバルバレスコという違いはあれど、ピエモンテという風土でここまで味わいの差異が現れるのは不思議ですね。勿論パーセルごとに味わいが違うブルゴーニュにも同じ事が言えますが、事イタリアでパーセルの概念を持ってワインを作っている生産者がいるのはとても心強く感じますね。

 

まだ若いか。可能性を感じさせるヴァンサンジラルタン、コルトンシャルルマーニュ2009

どうもご無沙汰でございます。
ご無沙汰と書こうとして昆布沙汰と変換されて驚きを隠せません。昆布沙汰とは...すげえな...(ゴクリ

今日はブルゴーニュです。
お馴染み古酒コレクターのルモワスネのマジ シャンベルタンと、ブルゴーニュの若き新星ヴァンサンジラルタンのコルトンシャルルマーニュです。
マジシャンベルタンは好きな特級畑のうちの一つです。シャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズに次ぐクリマだと思っていて、シャンベルタンの様に緻密で強固ではないんだけど、野性的でちょっと粗野な感じがとてもいいですね。フェブレイのマジは失敗しましたが、それ以外のマジシャンベルタンで失敗した事はあまりありません。
コルトン シャルルマーニュはピュリニー、シャサーニュ、ムルソーの特級、一級クラスと比べるとやや玄人好みのワインですが、ピュリニーを凌駕する石を舐める様な強固なミネラル感、分厚い果実味、そして急激に現れる黒糖の様な甘みは本当にたまらない。
今回のワインも例に漏れず各テロワールを再現した素晴らしいグランクリュでした。


生産者: ルモワスネ
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 1997

約12000円。
色調はややエッジが淡いルビー、やや透明性は低い。粘性は低い。
かなり熟成感を経ており、香りも心持ち弱め。
果実味は上品な甘やかさで、イチジクやダークチェリーの芳香もあるが、シベットやジビエなどのクセのある芳香を感じる。薔薇や茎、腐葉土、藁の様な野生の香りも。アニス、ナツメグ、燻製の香り。
柔らかでシルキーなアタック、藁や木材やスパイスの複雑な香りが口の中で漂う。


生産者: ヴァンサン ジラルタン
銘柄: カンテサンス ド コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2009

約18000円、WA 92Point
色調は淡いストローイエロー、粘性は高い。
強靭なミネラル感、濃厚なバターやアプリコット、オレンジピールの酸味のある果実味。ナッツや白い花、フレッシュハーブ、白檀の香り。清涼感のあるタッチ。
そして、白胡椒のニュアンスも。
やや酸味が際立つアタックだが、素姓の良さが非常に良く表れていて、綺麗な柑橘系の酸味が味わえる。
数分で非常にシロップを感じさせる甘露な味わいに。シャープなボディは落ち着きを見せ始め、温州みかんなどの甘やかな風味も。


ルモワスネのマジシャンベルタンはアルマンルソーのマジ シャンベルタンの様に緻密で繊細な作りな訳でも、ルシアン ル モワンヌの様にねっとりとした過熟している果実の味わいが強い訳でもなく、より粗野で荒々しいマジシャンベルタンだと思います。
そもそもマジシャンベルタンの特徴としてシャンベルタン直系の味わいではあるものの、ややエレガンスに欠けるグランクリュなのですが、よりそれが強く出ている感じでしょうか。
かなりブーケが目立っているのでそのせいかもしれませんが・・・。
コルトンシャルルマーニュは若めながらも突出したミネラル感と凝縮した果実感がキッチリとあって、かなり楽しめました。ルイラトゥールの2000年代前半のコルトンシャルルマーニュの味わいを考慮すると若い方が個人的には楽しめるのかも…。
ボノーデュマルトレイやジャンフラマンの2009や2010を飲むと、やはり若い方が…と思ってしまいますね。
出来れば2000年代中盤のコルトンシャルルマーニュも飲んでみたいもんですね。
流石に若手生産者、これからに期待できる作りでした。

 

鳥ふじ(とりふじ:日本橋)

こんにちわ。
ワインの飲み過ぎて血圧急上昇中のサラリーマンHです!えへっ!
現在ダイエット中故に更新が滞っております。
今までが快速急行だったので、まぁ各駅停車くらいの更新頻度でお送りします。

ダイエット中なのでフレンチは控えめに、でも美味しいものを食べたい欲求は止められず・・・
日本橋の「鳥ふじ」さんに親子丼を食べに行ってきました。

メニューは鍋から一品料理まで揃っているのですが、自慢は親子丼だそうで。
自ら究極とまで言うからには相当なもんでしょ、ということで親子丼セットを頼んできました。

ちなみに親子丼セットの内訳は下記の通り。お値段は2800円
・枝豆(付き出し)
・鳥スープ
・鳥サラダ
・鳥の竜田揚げ
・究極の親子丼


■鳥サラダ

スタンダードなサラダに鳥刺しと醤油ベースっぽいドレッシング。
この鳥刺しが超美味い。まず鳥の筋っぽさが全く無くてビントロの刺身の様にサクッと噛みきれる。
鳥の味も濃い。


■鳥スープ

かなり濃厚な鳥の出汁!
そしてべらぼうに熱い!ガラだけじゃなくてちょっと鳥の皮っぽい感じがするんだよなぁ。
やや脂っぽいですが、その分すごい旨味が!これは期待できそう!


■鳥の竜田揚げ

北海道産知床鳥を使用している竜田揚げ。
醤油やみりんの衣の味はほどほどにこちらも鳥の味が引き立つような作り。
噛み切るとじわっと鳥の脂が。美味い・・・至福。


■究極の親子丼

さてどんなもんじゃい。
ちなみにお店のホームページによると、
「稲垣種鶏場の名古屋コーチンと千葉県産の水郷赤鶏、2種類の肉をお楽しみいただけます。卵は「日本一こだわり卵」、三つ葉は茨城県産切り三つ葉、割下には養命酒造の家醸本みりん」を使用。素材の一つひとつにまで、とことんこだわりました。」
とのこと。ふむふむ。
ちなみに注文を受けてからシェフが丁寧に脂と皮を取り除いて調理してました。
供された親子丼を見ると意外と構成はシンプル・・・でも卵がめっちゃオレンジ。卵の味が濃そう・・・。
いやー、美味しいですね。
こちらも竜田揚げとかのスタンスと同じなのかな。すごい鳥と卵の素材の味がする。
割り下は濃いめの味なんだけども、そんなに量を使ってないのか、というかこの場合適量ってのかな、すごい自然なバランスなんですよね。
全然邪魔にならないっていうか、割り下の味が卵と鳥の味とマッチングしてるんすよね。
鳥と卵の味がかなり濃いめ(別に味付けしているわけじゃなくてそのものの味)だからかな。
鳥は2種類。たしかに比較的な淡泊なのとやや野性的な味の鳥の2種類があったような気がする。
うーん美味い、美味いね。


久しぶりに肉とか味の濃いもの食ったからか殊更美味しく感じましたね。
店内の雰囲気もちょっと不器用なシェフと気の良い女将さんのバランスが良くて、「味だけじゃなくて人のバランスもとれてるな、この店…」と思いました(笑)
今度は鍋も食べてみたいな。
玉ひでは当然美味しいですが、こちらも相当美味いですよ。

ポムロールの真髄、シャトートロタノワ1994を利く

こんばんわ。
幾分か更新頻度が落ちてきましたが、まぁこれが正常なんだろうなぁと勝手に納得しています。
来月は更に更新頻度が下がる見込みです。まぁあんまり見てる人もいないと思うのですが!アハハッ!

さて、今回は久々にボルドーでございます。しかもポムロール。
シャトー トロタノワです。
ワインエキスパートの教本にもポムロールの代表的なシャトーとして載っていますね。
シャトーペトリュスに似ているということですが、まぁペトリュスの方は飲んだ事が無いのでわかりませんが、流石にポムロールでも抜きん出たシャトーだけあって美味しかったですね。
濃厚でふくよかで芳醇。メドックの筋肉質なエレガンスとはちょっと違う享楽的なワインだと思います。

生産者、銘柄: シャトー トロタノワ 1994
品種:メルロー90%、カベルネフラン10%

約17000円、WA88Point
色調はかなり濃いめのガーネット。粘性は非常に高い。
やや熟成感は感じるが、若々しい強靭さ、力強さに満ちている。
ガムの香料やジャムやコンポートのプラムやブラックベリーの香り。
それに野生的な腐葉土、タバコ、華やかな芍薬。燻製、西洋杉、ロースト香。コリアンダー、クルミなどのスパイス。
僅かにシシトウっぽさがある様な気がします。
まだ幾分か熟成の余地を残しており、ボディは力強くタニック。豊満な口当たり。
濃厚な果実の香りが楽しめる。


流石に凄いですね、このパワー感。
ポムロールならではだと思います。
新世界ほどごり押しじゃなくてフィネスを伴う統制の取れたボリューム感というか。
非常に良く出来たポムロールだと思います。ガムっぽい果実の濃厚さも特徴的で、多分若い時分は爆発する様な果実味があったんじゃないかな。
いや、ガザンも美味しかったですが、やはりトロタノワは別格ですね。
素晴らしい。ラ コンセイヤントとかレヴァンジルも飲んでみたいな!

レベルの高さに舌を巻いて鼓を打つ。ドメーヌソガ 4種テイスティング。

どうもおつかれさまです。
いやいや、先週の話にはなるのですが、ドメーヌソガのワインをまとめて飲んでみました。
本当に素晴らしいですね。

ここ最近国産ワインの品質は著しく上がっています。
私のワイン歴はたかだか3年か4年程度なのですが、その中でも十分に品質の向上を感じ取る事が出来ます。
シャトーメルシャンやサントリー登美ケ丘ワイナリーの様なグランメゾンのレベルの高さは言うまでもないですが、比較的小さいワイナリーでも先鋭的な若い醸造家の活躍が目覚ましく、フランス産やイタリア産のワインを凌ぐ様な素晴らしいワインを醸しています。
今回はその国産ワイナリーでも今特に勢いがある小布施ワイナリーを飲んでみました。
ちなみにグランメゾン(登美、桔梗が原メルロ、城の平カベルネソーヴィニヨン)の感想はこちらです。

それでは気合い入れて行ってみます!!


生産者: 小布施ワイナリー
銘柄: ドメーヌソガ プライベートリサーブ シャルドネ 1er

色調は淡いストローイエロー、粘性は低め。
意外な濃厚さを持ってはいるが、基本的には爽やかでハツラツとした果実味がメイン。オイリーなイメージ。
やや新世界的というか、イタリアのシャルドネに近いニュアンスを感じる。
バターやモカ、ローストナッツなど香ばしい香り。白い花、ハチミツ、フレッシュハーブなど、石鹸の様な清涼感のある香りを中心に、桃や洋梨の濃厚でふくよかな果実味も。
柔らかい酸味と清涼感のあるアタック、余韻も長く、非常に素晴らしいシャルドネ。
所感ではガヤのシャルドネと通じるものがある様な気がする。


生産者: 小布施ワイナリー
銘柄: ドメーヌソガ カベルネフラン 1er 2010

色調は透明度の高いガーネット、粘性は高い。
ボルドーの風を思わせる華やかなニュアンス、但しインクっぽさはなくて、ボルドーの綺麗な部分を抜き出したような造り。素晴らしい。
とても甘やかで、ドライプルーンやブラックベリーの様な濃厚な果実味が楽しめる。
チョコレートや杉の木、シロップのような甘さ。シナモンやトースト、アーモンドなど。
アタックは酸味とタンニンのバランスが非常に良く滑らかで甘露。
口に含むと凝縮したはっきりした果実味が感じられるが、シルキーで重さは感じない。


生産者: 小布施ワイナリー
銘柄: ドメーヌソガ カベルネソーヴィニヨン 1er

色調は濃い透明度の高いガーネット、粘性は高い。
カベルネソーヴィニヨンのピーマン香や青っぽさ、ビターなエレガンスが感じられる。
熟したカシスやドライプルーンの果実味、芍薬やタバコ、西洋杉、ミント、ややスパイシーなニュアンスも。
ローストしたカカオの香りも。
アタックは柔らかでタンニン、酸も滑らかで甘やか。
フランと比べるとよりビターで青っぽく重厚感があり、ボディも強固。
官能的な甘みが時間が立つと現れる。


生産者: 小布施ワイナリー
銘柄: ドメーヌ ソガ メルロー1er 2010

色調は濃い透明度の高いガーネット、粘性は高い。
どちらかというとカベルネフランに近い凝縮した甘みを感じる味わいだけれども、全体的にはカベルネソーヴィニヨンに近いかな。
ドライプルーンや熟したブラックベリーのコンポートの果実味、芍薬、シナモン、ローストした杉の木材、チョコレート、溶剤、ややクローヴっぽさも。
カベルネより分厚く甘みが強い。カベルネにあったシャープ感は消えてボリューム感が強い。
より明るく濃厚な味わい。
タンニンも酸もやや強めの印象だが、アタックの味わいは豊満で、果実の甘やかさを強く感じる。


うーん、素晴らしいですね。
これだけのものが国産で造られているってのを考えると嬉しくなってしまいますね。
どれも非常に高級感のある造りなんですよね、赤は強固な骨格ではなく全体的に滑らかで柔らかい造りでありながら、格付けボルドーに接近したワインだと思います。
白もドライなワインではなく、新世界やイタリアを思わせるボリューム感や清涼感を感じる造り。しかもそれらに勝るとも劣らない様な品質の高さであると感じました。
いやー、国産、素晴らしいです。今後もいろいろ試してみたいですね!
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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