ブルゴーニュの熟成シャルドネ、シュヴァリエモンラッシェを含む4種テイスティング。

こんばんわ。
今日はブルゴーニュの白ワインです。
生産者はジャイエの弟子シャルロパン、一時ルフレーヴの醸造長を務めたピエールモレ、コルトン随一の生産者マルトレイ、そしてビオ専門のネゴシアン、ニコラポテルです。
アペラシオンはシャブリ一級、村名ムルソー、特級コルトンシャルルマーニュ、そして特級シュヴァリエモンラッシェです。



生産者: シャルロパン パリゾ
銘柄: シャブリ プルミエクリュ フルショーム 2010

約6500円。
色調は淡いストローイエロー、粘性は低い。
大元にシャブリらしい火打石の様なミネラル感と酸のシャープさを感じさせつつ、コート ド ボーヌの白が如きカシューナッツやバター、そして洋梨やアプリコットの力強い果実味が感じられる。フレッシュハーブ、白胡椒、杏仁豆腐や果実の蜜やシロップのようなボリューム感のある味わい。
コルトンシャルルマーニュとタイプが似ているが、よりドライでミネラルが強い。レ クロやブランシュと比較するとより酸味が強くシャープな印象を受けるがよりブルゴーニュ白に近い味わいだと思う。
アタックの酸味は強く熟した果実のボディ感を感じさせつつ、シャブリっぽさを味わえる良作。


生産者: ピエールモレ
銘柄: ムルソー 2004

約8000円、WA88pt
色調は淡いストローイエロー、粘性は低め。
いいムルソー。ミネラルが強固。シャンピニオンとナッツ、バターの香り。とてもオイリーな作り。洋梨やライムのやや酸味の強い風味、杏仁豆腐、バニラ、ヨーグルトのニュアンス。
レモンの様な溌剌とした酸味は際立っているものの、全体的にはふくよかなボディ感がありボリューミー、キッチリと王道的ムルソーしている。口内でオイルとレモン、シャンピニオンの風味が漂う。


生産者: ボノー デュ マルトレイ
銘柄: コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2000

約19000円、WA94pt
色調はこちらも明るいストローイエロー、粘性は高い。
流石にかなり熟成感が良く出ている。
漲る切れ味の鋭いミネラル感と白い花などの清涼感の溢れる香り。トリュフやライム、マンゴーの濃厚な果実味、蜜蝋、ドライハーブ、ヘーゼルナッツ、リコリス。熟成感によるヴィネグレットソースの様な風味も。
酸味が強く、ムルソーの様にボリューム感のある作りではない。だからミネラルの強固さを強く感じる。若干日本酒っぽさも。
やや硬さを感じるコルトンシャルルマーニュ。この生産者のコルトンシャルルマーニュは若い方が美味しいね。


生産者: ニコラ ポテル
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2000

約30000円。
色調はかなり濃い黄金色、粘性は高い。
こちらは色調から既にかなりの熟成感を感じる。
トリュフや出汁の熟成したニュアンスと、火打石の如きミネラル、キャラメル、白い花、桃や洋梨の凝縮感のある果実味。そしてドライハーブ、白胡椒、ヨーグルト、リコリス、シナモン、ヒノキなどのスパイシーなニュアンスを感じられる。
通常のピュリニーやシャサーニュと比較すると群を抜いて複雑で強固な骨格を感じる。作りの確かさかな。
口当たりにやや後味に苦味を感じるが果実の凝縮感と大元の力強さを感じられる。酸味はやや落ち着いている。
熟成感はあるが果実味はしっかりと存在しておりワインのパワーを感じる。
さすがシュヴァリエモンラッシェ。


まずシャルロパンですが、レビューでも書きましたが、非常にボーヌの白に近いシャブリでした。とても良くできています。シャブリの要素を保ちつつふくよかさが目立ちます。
ただラヴノーやドーヴィサほど鋭さや複雑さは無いので、そこらへん若干緩い感じはしますが、シャブリというアペラシオンに求められるレベルを考慮すると十分に素晴らしい作りだと思います。値段を考えても安いと思います。
ピエールモレのムルソーはいかにも村名といったシンプルさですが、イメージ通りのムルソーを作っていて、タイプとしてはラフォンやアルヌーアントなどに近い非常に魅力的な作りです。
そこらへんに作りの妙が出ているなと感じます。ペリエールやジュヴヌヴィエール作らせたら最高でしょうね。
上手い生産者だと思いました。
次はコルトンシャルルマーニュ。ボノーデュマルトレイは名手だし、一度2000年代後半のシャルルマーニュを飲んでいるので安心していましたが、ちょっと違いましたね。かなり熟成感が出ていてミネラル、酸味、果実味のバランスがちょっと個人的には「?」といった感じでした。
若い時分はフレッシュかつ濃厚で美味しいんですが...今ひとつでした。
よく出来てはいると思うんですが、これは好みですかね。
最後はニコラポテルのシュヴァリエモンラッシェ。初シュヴァリエモンラッシェです。個人的にブルゴーニュは生産者とテロワールの妙を感じたいので熟成感による旨味とか完成度をあまり求めていません。熟成を減ると、熟成感がワインに出ますんで相対的にテロワールや生産者の妙が目立たなくなるんですよね。
プロならともかく素人にはよりわかりにくくなる事必至です。
で、シュヴァリエですが、非常に複雑で力強い作りでしたが、かなり熟成感が出ていてバタールやビアンヴニュに比べてどうとかは全くわかりませんでした。また新しいヴィンテージを飲んだ時に改めて、という感じでしょうかね。

そんな感じです。

  
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アミオ セルヴェル、2010年一級畑並行テイスティング。



こんばんわ。
本日はアミオ セルヴェルです。

アミオセルヴェルはシャンボールミュジニーに拠点を置く生産者で、品のあるエレガントで旨味を最大限に活かした「シャンボールミュジニーらしい」ワインを作る生産者です。
ビオロジックを採用しており収穫は手摘み、その後100%除梗、新樽率は15%から50%で18ヶ月の熟成を行います。
比較的新樽率が低く(これを低いと見るか高いと見るかは人それぞれだと思いますが...)ボリューム感こそないですが、丁寧でエキス感のあるシャンボールミュジニーに仕上げています。
シャルムはややボリューム感あったかな。

今回はレアなデリエールラグランジュと比較的メジャーな一級シャルム、そしてフラッグシップの一級レ ザムルースを頂きました。


生産者: アミオ セルヴェル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ デリエール ラグランジュ 2010

約10000円、WA90-92pt(1996)
僅か0.45haから作られる貴重なプルミエクリュ。
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
プチトマトやダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果皮を感じる果実味、茎や若葉、松の樹皮、土っぽさ、薔薇やスミレなどの華やかさや、シロップ、ローズヒップティーのニュアンスが感じ取れる。
やや(野菜の様な)青っぽさが目立つ作りだが、芳香は鮮明でクリア。やや濃いめの作りで、甘露なタイプではなく華やかな印象を受ける。ファンデーションやトーストの風味も。
酸味は穏やかで甘みもあり旨味が豊か。やや後味に苦味を感じる。タイプの事なる味わい。ベーシックなブルゴーニュの風味とは乖離していて、瑞々しく青っぽく優しい雰囲気が感じられる。


生産者: アミオ セルヴェル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ シャルム 2010

約13000円、WA88-90pt(1996)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
こちらもデリエールラグランジュ同様やや青っぽい風味を感じるが、より力強い、直接的なパワー感がある。
プチトマトやアメリカンチェリーの様な溌剌さを感じさせつつ、ダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果実味。そして茎、若葉、土っぽさ。果実の蜜やシロップのニュアンスや、スミレや薔薇のエキス感がより強く現れており華やかで甘露な味わい。なめし革。ファンデーション。
瑞々しさに関していえば先述のラグランジュと比較すると濃厚な印象でボリューム感を感じる。
やや強めの抽出に由縁するものだろうか。果実味が強く出ている。
タニックで酸が際立っており、凝縮している。非常にパワー感がありデリエールラグランジュとはまた印象が異なった作り。


生産者: アミオ セルヴィル
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2010

約20000円、WA91-93(1996)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
シャルムほど濃厚ではない。よりクリアで透明感のあるダークチェリー、ブルーベリーの凝縮した果実味。果実の蜜やシナモン、シロップ、薔薇やスミレのエキス感が構成の中心となっている。ローストしたヒノキ、スーボワやシダ、なめし革、鉄っぽさ、お香の様な香りも感じられる。
対してプチトマトや茎、若葉、松の樹皮のニュアンスは、確かに存在するものの、先述の2本と比べるとやや弱め。
非常に透明感と清潔感の溢れた作りで過剰な青さは存在しない。
凝縮した果実と、華やかな赤い花、鉄分、果皮の香りが一塊となってエレガンスを作り出している。
柔らかな甘み、驚異的なバランス感。
丁度シャルムとラグランジュの中間を行く作りだが、その完成度は群を抜いている。先述の2本と比べると圧倒的に洗練された印象。素晴らしい。


なかなか良かったですね。
どれもエレガントで上品な作りだったかと思います。
割と抽出は強めだと思うんですが、濃厚さはあまり感じなくて、どのワインもピュアなエキス感を持っていた様な気がします。軽やかというのかな。
唯一シャルムだけ強めの印象はありましたが、それでもブルゴーニュを見渡すとやや薄い印象ですね。
んで畑なんですけども意外や意外、デリエールラグランジュはレ クラやフュエの下に位置するモレサンドニ寄りの畑で土壌も粘土質。本来は力強い果実味溢れる作りになるはずですが、何故か最も薄めの作りに。そして最大面積を持つシャルムはミュジニー寄りの石灰岩...だけども最も濃厚な果実味を持つシャルムに。日照条件もあるんでしょうが、ちょっとイメージと違いましたね。そもそもデリエールラグランジュなんて飲んだの始めてだし。
こう見ると畑で勝手にイメージを作れないですね、位置関係と味わいが逆転してる。畑の性質は味わいの一要素でしかないという...ううん、難儀ですね、わからなくなってきた。
そしてアムルーズは...なんかもう流石でした。クロサンジャックといいアムルーズといい生産者の気合の入れ方が違うからか滅多にハズレに当たる事はないんですが、これは大当たりですね。
ミュジニーみたいに一見軽やかなんだけど、奥に凄い圧縮された果実味が潜んでいて...透明感があってすごくピュアな作り。
澄んだ水の中にある真珠みたいなイメージ。かなりすごいですよ。

いや、いい経験できました。
次はボンヌマール、ミュジニー、アムルーズと比較してみたいですね!
機会があれば!

  

なぜかハズレる可能性が高いんだけど...納得いかない、ジョルジュリニエのモレサンドニ一級クロ デ ゾルム

こんばんわ。
ジョルジュリニエは僕の中では、優良生産者だったのですが、やや評価を見直した方がいいのかな、という気持ちになってきました。ううん、ままなりませんな。
そもそも「これはすごいな!」と思ったのがこの生産者の村名モレ サン ドニで、エキス感のある自然な美味しさが魅力的だったのですが、特級クロ サン ドニ、特級クロ ド ラ ロッシュがことごとくアウト。パッとしない。
セラーに放置してあった一級クロ デ ゾルムをダメもとで空けましたが...まあ、ダメでしたね。
一応テイスティングコメントは残しておきますが、個人的にはあまり良くありませんでした。


生産者: ジョルジュ リニエ
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ デ ゾルム 2006

5000円、WA83-86(1995)
色調はややオレンジがかったルビー、粘性は低い。
干したダークチェリーやイチゴなどの果実味やクローヴ、茎や若葉、鉄分、甘草など。ちょっとヨレた香味、腰が折れている印象。青臭い。
タンニンや酸は標準的だが、香りに魅力がないため、ややキツ目に感じる。
あまり魅力的に感じないワインだった。


抜栓3日目からやや酸化による熟成感が出て、やや飲めるかな、といった程度にはなりましたが、抜栓直後は割と地獄です。
熱浴びかな...と思いましたが、特段吹いてる様子もないんですよね、味わいが平坦。ボトル差とも考えられますが、まあともかく微妙な出来でした。

いや、美味しいのばかり飲んでいても仕方ないですしね、たまにはこういうのもありかも。
個人的に僕のストライクゾーンはかなり広いので(別に地域がどこであろうが、濃い薄い関係なく)どんなタイプでも好きになれるんですがね...平坦な味わいはちょっとダメです。

まあ、たまに美味しいのもきっとあるはずなんで、試してみてもいいんではないでしょうか。


天上に至る美酒、クロードデュガ シャルムシャンベルタン、ルフレーヴ バタールモンラッシェ


※ぱっと見キャップシールと背景がおめでたい色合いだが、その実、とても偉大なワインたち。

こんばんわ。
前回、前々回に引き続きブルゴーニュでございます。
今回はクロードデュガとルフレーヴです。
説明不要な生産者ですが、クロードデュガはジュヴレシャンベルタンで最も偉大な生産者の一人で、良く言われるのが「全盛期のDRCを超える生産者」。私はヴィレーヌとアンリフレデリックロックのDRCしか飲んだ事無いので何とも言えませんが...
自然農法、馬での耕作、徹底した除芽、選果を行った平均樹齢は40年以上、最古の樹齢で80年から産出される凝縮感の高い葡萄を高い新樽比率で仕上げる(特級、一級が100%)ノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰め。フラッグシップはシャペル、シャルム、グリヨットの3つのグランクリュ。生産量は非常に少なく、グリオットは2樽、シャルムで4樽程度。

そしてルフレーヴは正真正銘シャルドネ世界トップの生産者といっても過言では無いでしょう。そして白ワインにおいて最も有名な生産者でもあります。厳密なビオディナミ、収穫用具の醸造設備の徹底したクリーン化を行い、醸造における新樽比率は特級でも25%と抑え気味。複雑で強固な骨格を持ちながらクリアで透明感のあるワインを生み出します。フラッグシップはヴィアンヴニュバタール、バタール、シュヴァリエ、そして0.5haのモンラッシェ。

今日はフラッグシップのシャルムシャンベルタン、バタールモンラッシェ。
楽しみです。

生産者: クロード デュガ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2010

約47000円、WA95点(2009)
色調は黒に近いガーネット、粘性は高い。
クロードデュガ最高!!べらぼうにいい。
以前飲んだジュヴレシャンベルタンプルミエクリュの感動を思い出した!
この野性味ですよ、このスタイルですよ!
仏教的なインセンス(というか川崎大師の線香ですかね、よくある線香じゃない)や炒ったコーヒー豆とムスク、焼いたゴムから生み出される脅威の色気ですよ!プラム、ダークチェリーの自然な果実味と伴って、スミレ、薔薇のアロマオイル、燻製肉や舐めし革、カカオが少しずつ香る。葉巻、八角などひたすら妖艶に力強く香る。
リジェベレールにも似ているけどベレールは中華料理のスパイスが強いですが、こちらはより線香っぽさやムスクが強い。
流石に抽出が強いだけに、ややタニックだが、酸味もタンニンに負けないくらい充実しており強烈なパワー感が感じられる。色っぽく宗教的な香りがするシャルムシャンベルタン。素晴らしい。感動した。


生産者: ドメーヌ ルフレーヴ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2010

約50000円、WA96点(2009)
非常に薄いレモンイエローの色調、粘性は高い。
「想像していたより香りは爽やかで軽やかだな」...と思った直後に強烈に芳香が伸びていく。際限なく複雑に香りを変えながら芳香が伸びて行く。流石にすごいな、ルフレーヴ。
透明感を保ちつつバタールらしい白い花、ヘーゼルナッツやバター、しなやかで柔らかいミネラル感、そして濃厚な洋梨、アプリコットの風味が伸びてゆく。
奇を衒った造りではなく、コート ド ボーヌの王道的な造り。むしろルフレーヴこそコート ド ボーヌのアイコンであり模範だからか。
その王道的なスタイルの中でも驚異的な余韻と複雑さを見せていく。フレッシュハーブ、杏仁豆腐、徐々にバニラ、シナモン、リコリス、徐々に温州みかんや黒糖の様な風味も。あくまでスタイルとしては透明感のあるシャルドネだが、内包している要素は非常に多く複雑だ。すこしずつ灯油やムスクも現れてくる。
酸はしっかりしていて骨格がしっかりしているが、タッチは柔らかで軽やか。この造りで重くならないのは...不思議!
味わいは勿論タイプもスタイルも品種も甘辛すら全く違うけど、その不思議な感覚はシャトーディケムに似ている。内包する要素、複雑さ、凝縮した果実の香りから想像される重さが全く無い、軽やかで透明感のあるタッチ。

はい。
やはりクロードデュガはべらぼうにいいですね。
私がブルゴーニュを飲み始めた時に感動したワインが2本あります。
1本目はコントラフォンのヴォルネイ一級サントノ ディ ミリュー。そして2本目はクロードデュガのジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ(クレピヨとペリエールの区画のアッセンブラージュ)。シャルムシャンベルタンはまさにプルミエクリュの延長線上にある驚愕のグランクリュでした。
自然な果実味と香水の様な芳香、インセンス、ムスク。筋肉質でしなやかなボディ。大きな規模感。
単純な果実味とは一線を画す、強烈で個性的な芳香。素晴らしい!
価格が高いのは些か残念ではありますが、クロードデュガのワインはクロードデュガのワインだった。
美味しく飲めるというタイプではなく恍惚に浸る、というのが正しいワインですね。
で、ルフレーヴのバタールモンラッシェもべらぼうに素晴らしいです。
ムルソーほどペトッとはしていないながらもピュリニーにおいてはかなり濃厚で豊満なボディのワインだと思います。ただそこにはビシッとミネラルが漲っていて、全体的な印象ではしなやかなんだけれども、しっかりした骨格が感じられるのですよね。
透明感、清涼感も伴いますので豊満でパワフルなだけではなく、キチッとバタールのテロワールを表現していると思います。

この2本、完璧ですよ。いずれはボトルで飲みたい!

 

超絶のフーリエ、2010年1級畑水平テイスティング。


今日もブルゴーニュです、こんにちわ。さて、フーリエです。

フーリエは実は1度飲める機会がありました。2010のシェルボード、クロ サン ジャック、そしてフラッグシップのグリオット シャンベルタン。
正直ただでさえ手に入らないフーリエの、しかもグリオットが飲めるという事で非常にワクワクしてたのですが、あえなく定員オーバー。期待していたので非常に残念な気持ちになったのですが、運良くまた2010年を飲む機会が!
グリオットは流石に無理でしたが、クロ サン ジャックを飲めるだけでも、とても運がいい!神に感謝しなければ!

フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ、品質を考慮すると、まだ良心的な生産者とも言えます。特にフラッグシップの一級クロ サン ジャック、そして特級グリオットシャンベルタンは毎年争奪戦です。僕の知ってる酒屋でもグリオットは辛うじて一本。
なんて厳しい...!
リュットレゾネで自然のまま栽培、摘房はせず摘芽で収量制限を行い、厳重に選果を行った葡萄を100%除梗、この手の生産者では珍しい20%の新樽比率で熟成させます。そしてノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め。いかに自然な果実の風味を大切にしているかわかりますね。
そんなこだわりのフーリエの3つの一級畑を利いてみました。



生産者: フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ シェルボード ヴィエイユヴィーニュ 2010

約12000円、WA92点(2009)
色調は黒に近い濃いルビー、粘性は高い。
十二分に濃厚で力強い作りではあるものの、他の2本の一級畑と比べるとほんの僅かに果実の凝縮度が弱めで、球体を感じる他の二本と比べると、酸味が際立っており、ややシャープな印象を受ける。
果皮のエレガントな風味を伴う甘露で濃厚なブルーベリー、ダークチェリーのリキュール。薔薇やスミレのエキス感。バニラの樽香、大きく静かに果実のリキュールの風味が広がる。強い松の樹皮、シナモン、クローヴ、やや野性的で燻製肉の様な香りも。梗や果皮の風味が甘みに対して強い。
コンブオーモワンヌと比べてやや華やかで軽く、果実味に次いで薔薇やスミレのアロマが目立つ。2本に比べると線が細くエレガントな印象を受ける。
力尽きるのが他のキュヴェに対してやや早めで、酒質としてはコンブオーモワンヌ、クロサンジャックに比べると弱い印象だ。ただ他の生産者と比較した時、それが弱いかと言われれば間違いなくNo。
酸味とタンニンはシルキーで口に含むとドライな果実の果皮の味わい。余韻は長い。


生産者: フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ コンブ オー モワンヌ ヴィエイユヴィーニュ 2010

約15000円、WA93点(2009)
色調は黒に近い濃いルビー、粘性は高い。
ほぼクロ サン ジャックと同等の果実の凝縮感と高級感がある。こちらも非常に甘露で濃厚なダークチェリー、ブルーベリー、カシスリキュールの凝縮した果実味が主軸となっている。そして果実味に伴ってスミレや薔薇の香水の様な香りが強い。バニラやチョコレートの樽香も心持ち強めか。クローヴ、オリエンタルスパイス、松の樹皮、紅茶、シナモン、クローヴ。
梗や若葉の風味はシェルボードよりは弱めでその分果実の甘さが突出している。
構成としては広がりのある果実味からスパイス、バニラの樽香。そして少しずつ梗が現れて行く。その中で一貫して集中した果実の風味がある。
タンニンも酸もとてもシルキーで口に含むと凝縮した果実味が口内で弾ける。しかしシェルボードと比較するとコンブオーモワンヌは全く衰えない、なんなんだこれ。暫く果実の凝縮感と甘さが感じられるし余韻も抜群に長い。


生産者: フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック ヴィエイユヴィーニュ 2010

約23000円、WA96点(2009)
さて、グリオットに次ぐフラッグシップ、クロ サン ジャックである。
色調は濃厚なルビー、ガーネットにも近く、粘性も高い。
抽出は強めかな、豪奢なエレガンス。違いは僅かだが、全体的にコンブオーモワンヌの規模感を大きくした印象。
甘みを伴うブルーベリーやダークチェリーリキュール。非常に凝縮度の高い濃厚な果実味、突出している。そして香水の様な薔薇のエキス、バニラの芳香が特徴的である。カラメルの様な甘さではなく、より自然な果実の甘み。
松の樹皮、スミレ、トリュフ、紅茶、そしてオリエンタルなスパイスやクローヴなどスパイスのニュアンスも際立ってくる。炒ったカカオの豆の香りも。
タンニンも酸は凄まじくシルキーで、球体感がある。シェルボードやコンブオーモワンヌと比較して非常に果実味が強く花の香りが塊となっている押し寄せる。素晴らしい。



流石でしたね。もう完璧です。
シェルボードを飲んだ時から既に「凄すぎる!」と思いましたが、コンブ オー モワンヌ、そしてクロ サン ジャックは凄まじい完成度の高さで、完璧なブルゴーニュだったと思います。
後で調べたのですが、他のヴィンテージと比べても2010年のフーリエは相当良くできているみたいで、「なるほど、これが本気のジュヴレシャンベルタンか」と見本を見たような気がします。実際デュガピィの2010年シャンベルタン、クロードデュガのシャルムシャンベルタンも素晴らしかったですが、個人的な感覚としてはブルゴーニュを逸脱してしまったワインだと思うのです。
それらと対比すると、このフーリエの一級はまさにブルゴーニュにおいて最高のワインだと。そう思います。
さて、これら3本は正に個性を映し出している気がします。
同じ丘陵にあるクロサンジャック、コンブオーモワンヌは同程度の凝縮感があるのですが、シェルボードだけシャンベルタンのある丘陵の下部にあるんですね。クレピヨやコルヴォーの脇、クロドベーズの下部です。やや標高が低いからか果実感より華やかな印象でした。
やはりクロサンジャックとコンブオーモワンヌはその点、ギチッと果実味が詰まってて果皮のエレガンスが良く出ていると思います。濃密で凝縮感が半端ない。いかにも丁寧に作った、という印象です。
タイプとしてはデュガピィのラヴォーサンジャックであるとか、濃いめのアルマンルソーという印象を受けました。(アルマンルソーのクロサンジャックも果実味に溢れていますが、もう少し透明感があるような気がします)
いずれにせよ、ハンパなく素晴らしい作りでした。さすがフーリエ。

来年もまた飲みたいですね。
あとバックヴィンテージも。

 

Azur(アジュール:横浜)



毎年結婚記念日に行ってます、横浜グランドインターコンチネンタルのフレンチレストランです。

こんばんわ。
今月初旬は結婚記念日でレストランに行ってきました。いつものアジュールなんですが、ちょっとメニューが変わっていてプリフィクスのコースになってました。
個人的には選べる方が好きなので大歓迎なんですけれども。
ここのフレンチはなかなか好きで華やかなルックスと繊細な味付けがとても好みです。



■ワイン: コート ロティ レ ベカス 2005(Mシャプティエ)

スパイシーで果実味溢れるコートロティ。インクの様な重厚感。
シラーはジビエが合いますが、この際ボトル2本も開ける余裕がないので、シラーで通します。



■前菜1: チーズのスフレ、オニオンのムース

前菜はジャブ程度なんですが2品でます。一つはこれ。
オニオンのムースがすごいクリーミーで美味しかった。濃厚なホワイトソースをたべてるみたい。これでパンをムシャムシャいけます。
チーズのスフレはそのまま塩味のチーズケーキです。


■前菜2: ウニとズワイガニ入り蕎麦粉のクレープ ロックフォール風味

これは美味しい。
クレープはかなり柔らかい記事(ガレットよりふんわりしていて、どちらかというと本当に日本のクレープの生地)にこってりしたウニとロックフォールチーズが入ってます。この2つが個性強くて凄まじく濃厚なんで、ややズワイガニの風味が弱く感じてしまうのですが、キッチリズワイガニの風味が感じられてGJ。


■スープ: 牛蒡のクリームスープ トリュフの香り

去年と同じですが牛蒡フライがなくなっとる...繊維っぽさが全くないのは舌触りが良くていいですね。ここまで全て濃厚。


■魚料理: チョリソを挟んだ鯛のポワレ ローリエの香り

身のほぐれがとても良くてホロホロしてていいですね。アスパラとローリエがまたいいんですよ。
チョリソーの辛さもいい感じ。別に食べたけれども。



■肉料理: 子羊背肉のロティ フランス産茸のソテー添え 2種のソース

パセリ、エシャロットのソースと羊肉のグレーピーソースが子羊のロティとキノコにかかっていました。
ここまで比較的濃いのを食いましたが、ラストにまた濃いのを。
まず外見が非常に綺麗、品良く盛られています。オザミ程のボリューム感はないけど、今までの量を考えると十分な程の量。
子羊の脂を殺さないややレア気味の火入れ。ソース含めて全体的に濃厚な仕上がりでした。さっぱりとかは一切していない。
美味い、これだよこれ。


■デザート

ちなみにデザートはこんなワゴンに乗ってきます。

さすがにここまでで胃が疲れ切っているので「ヘイオヤジ、ここからここまで全部2つずつくれ!」とはまかり間違っても言えませんでした...
選ぶと皿に綺麗にデコレーションして持ってきてくれます。


いや、やっぱり年一回しか来ませんが、このレストランはいいですね。
干渉しすぎない適度な接客、美味い料理と。ワインリストも品の良いワインが揃ってますし、値段もホテルの値段ほど高くはありません。あとハーフボトルがあるのがいいですね。
出来ればハーフボトルでグランヴァンが欲しいですが。

多分これから一生お付き合いしそうなレストラン。ここでよかったかも。

素晴らしきお家ワインを楽しむ(ロベール グロフィエ、ジュヴレシャンベルタン レ スーヴレ)

こんばんわ。
突然ですが今日は余談多めで。

個人的な話で、お家ワインは非常に鬼門だったりします。
今までマジシャンベルタン、シャルムシャンベルタン、エシェゾーに村名と幾度となくピノノワールを開けているのですが、試飲やテイスティングで飲むような煌びやかなピノノワールに出会ったことがありませんでした。

おかしい、温度管理もグラスもヴィンテージも完璧なはずなのに、なぜあの香味が出ないのか...!
きっと状態が悪かったんではないか、色もくすんでいるし...

それは丁度モンジャールミュニュレのエシェゾーを飲んだ時ですかね。おかしいと思いました。
丁度同じ週にモンジャールミュニュレの一級畑とリシュブールをテイスティングしたのですが、あまりにも自宅で飲むエシェゾーと違いがありすぎると、そう感じたんですよ。

※問題の特級エシェゾー。

まるでモンジャールミュニュレこ朗らかに伸びて行く官能的な高域をカッターで雑に切り抜いた様な不自然感。くぐもったようなニュアンス。それは熟成による変化や温度変化による酸化、はたまたはコルクによるブショネとは全く違う違和感。
なんなんだと。一体なんなんだと。

ボトルが古いからか?と思い、2007年のアラン ユドロ ノエラのシャンボールミュジニーを開けましたが、同じく高域を切ったような平坦な味わい。

※問題の村名シャンボールミュジニー。
共通の不自然感がある。

悩み悩んだ挙句、今回のグロフィエのジュヴレシャンベルタン レ スーヴレ2010を一回ベランダで開けました。

するとなんてことでしょうか。

正に私が望んていた、期待していた味わいと寸分の狂いのない、ひたすら華やかで艶やかなジュヴレシャンベルタンが現れましたよ、と。
そして、いつもテイスティングしているキッチンでテイスティングをするとくぐもった香り。


....これだ!


原因が特定出来ました。
以下恥ずかしいのであんまり言えません。セラーの温度管理、保管状態、グラス、ワインの温度、品質には問題ありません。
それ以外の意外な外的要因があったのです...

現にベランダだとフルパフォーマンスが出ていて、キッチンだと香りが変わるという状況から見て多分間違い無いという。

※寒い中屋外でワインを楽しむ図

最高パフォーマンスのグロフィエはとても素晴らしいですね。感動的です。
村名ですがすごくいい。
という訳で、フルパフォーマンスを出したお家ワインのレビューいきます!



生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン レ スーヴレ 2010

約6000円。WA89pt(2009)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
果皮の厚いダークチェリーや溌剌とした甘みのストロベリージャム、薔薇、梗や茎などを感じる透明感のあるニュアンスから、急激に開き始めスミレのキャンディの華やかな芳香。徐々デーツやシロップ、シナモンの甘露なニュアンス、舐めし革、樹皮、モカ、トーストなどの芳香が力強く溢れる。
ビターでドライな果実味から急激に濃厚な甘やかな側面を見せ始め香ばしいトーストに帰結して行く。
タンニンや酸はシルキーである種、シャンボールミュジニー的な森っぽさ、自然っぽさを感じさせる。しかしながらクロ ド ベーズ同様、一本筋の通った骨格でシャンボールの様な良い意味での軽やかさはなくジュヴレシャンベルタンの力強さを感じ取れる。
甘やかな芳香と口に含んだ時の野生の官能は何にも変え難い。
圧倒的素晴らしさを感じさせる村名ワイン。

2日目。
やや獣っぽさ、甘草、鉄の香りが現れ始める。昨日見られた伸びのある甘みが弱くなっているが、未だにギチギチに詰まった果実味があるのは凄いなぁ。

3日目。
まだいける。
やはり酸化のニュアンスが出てきていて目の荒い酸とタンニンが目立つ。果実味としては甘みを伴うところは1日目と変わらないが、ややその部分は落ち込んでダークチェリーの果皮の強さとスミレの香りが前に出ている。2日目の野性味を感じる造りではなく弱さを感じる1日目といった感じ。薔薇やトーストの要素もちゃんと現れている。
ううん、香りは弱くなっているけどなかなかいいね。ちゃんとブルゴーニュしてる。線は細いけど。


しかし村名でこれとは本当に恐れ入ります。
ほぼ一級レベルの厚みや複雑さですよ。
2010年は所感(というか好み)では2009年同様とても良く出来た年だと思っていたのですが、やっぱり覆される事なく2010年のグロフィエはとてもいいです。
アムルーズやボンヌマールシャンベルタン クロ ド ベーズも頂きましたが、村名がこれだけ素晴らしいのですから当然圧倒的な造りでした。
いやいや、恐れ入ってしまいますね。

これだけ楽しめるんですからブルゴーニュルージュ幾つか買っておこうかしら。

  

難解で複雑なクロ ド ゼプノー含むポマール3種テイスティング

こんばんわ。
今日はブルゴーニュのコート ド ボーヌのポマール縛りです。

コート ド ボーヌはやはりピュリニー、シャサーニュ、ムルソーと白の産地が超有名ですが、素晴らしい赤も産出します。コート ド ボーヌ唯一の赤の特級コルトンを産出するアロースコルトン、ペルナンヴェルジュレス、ラドワ セリニー。もっとも女性的で優美で繊細なスタイルを主とするヴォルネイ、そして最も骨格が強く男性的な印象を受けるポマールです。
ヴォルネイ、ポマール共に白の名生産者が赤を作っており、ニュイの村ほど有名でないながらも匹敵する一級畑を産出しています。ヴォルネイならムルソー村にあるサントノ ディ ミリュー、シャンパン、カイユレ、ブスドール。ポマールならゼプノ、グラン ゼプノ、リュジアンが最良の畑とされています。

今回は男性的で力強いポマールを中心に。オリヴィエルフレーヴはドメーヌルフレーヴの類縁のドメーヌで高品質な白を生産しています。
そしてコント アルマンはポマールで最も有力な生産者の一人で看板銘柄である単一畑「クロ ド ゼプノー」が非常に有名です。99年より完全ビオディナミで生産をしており、新樽(バリック)は積極的に使用せず大きな樽で熟成します。



生産者: ヴァンサン ダンセール
銘柄: ポマール レ ペリエール 2006

約7000円、WA90pt(2002)。
色調は彩度の低い淡いルビー、粘性は中庸。
若干酸化(熟成)のニュアンスが感じられる。ダークチェリー、プラムの果皮や梗に由来するエグミのあるニュアンス。熟成感のある鉄分、ベーコン。そして僅かにシナモン、スミレの花の香り、トーストの甘みのあるニュアンス。
アタックの酸味、タンニンは果実味の薄さからやや目立つ。腰が弱く、若干弱々しい印象のポマール。


生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: ポマール プルミエクリュ レ リュジアン 2006

約8000円、WA89-91pt(2003)
こちらは堅実な作り。
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。やや熟成感を感じる。
イチゴやチェリーリキュールの豊富な果実味、熟成による落ち着いた印象があるが、溌剌とした赤い果実がキッチリと感じられる。シナモンやシロップの甘露さ、薔薇やドライなスミレのほのかな芳香。熟成に由来する生肉、鉄観音。そして僅かにオリエンタルスパイス、樹皮や炭焼きの香り。
果実味は先のダンセールと比べて力強く、やや酸味とタンニンが際立っているものの割とバランスが取れていると思う。
但し今ひとつ感は否めない。


生産者: コント アルマン
銘柄: ポマール プルミエクリュ クロ ド ゼプノー 2004

約14000円、WA88-90pt。
色調は黒に近いガーネット、粘性は高め。2004年だが、かなり熟成感があり、果実味は大分弱くなっている。
まず主軸となるのは甘草、クローヴなどのスパイス類、そして腐葉土、ヒノキの樹皮、ドライフラワー。野生的な生肉、血液、シベットの香りが非常に強い。
そして申し訳程度のプラム、ダークチェリーの果皮の果実味が感じられる。
酸、タンニンは柔らかく、しなやかで全体的な構成は非常に複雑。熟成によってかなり難解な作りになっている。ルロワのブルゴーニュルージュやルモワスネのリシュブールは90年代中盤から2000年のものでも十分に果実味が残っていたが...これはこういう作りなのだろうか。


ヴァンサンダンセールは2006年ということでかなり熟成感が出てきており、ちょっと果実味が負けてる印象...あまり好みではありませんでした。
オリヴィエルフレーヴのリュジアンも基本的には同様で、果実味はペリエールと比較するとかなり良く出ていましたが、やはり熟成香に負けてしまっている様な気がしますね。ただ、こちらは比較的綺麗に熟成しているので、熟成ワインが好きな人には好まれるタイプかもしれません。
そして本命クロ ド ゼプノー。
こちらはさらに古い2004ということでかなり熟成香が満ちているのですが、元々のワインのパワー感というか、性質かもしれませんが、変なエグミや苦味はあまり感じられず、複雑さや熟成香にワインのボディが負けていない印象です。
果実味はかなり薄れているのですが、その代わりハーブやスパイスが主張していて熟成香とあいまってなんとも言えない味わいになっていました。
僕はピュアな果実味、重厚な果実味どんとこい!果実味は正義!だと思っているので、これはエライ複雑なのきたな...と。
ただ俯瞰して見た時に、全く枯れてる印象は無いし、強固な骨格の中でただひたすら多くの要素が絡まりあっている、なかなか素晴らしいワインであることがわかります。
そう、美味しいというか、なかなかに偉大なんですね。
まあ古いワインとともに若いワインを飲まないことには本質は掴めないと思っているので、以降飲むであろう06,07,10の並行を期待したいですね。
さすがにそれだけ飲めばポマール...というかクロ ド ゼプノーの本質は理解出来そう。

とりあえず今の段階で最も好みなのは、コシュ デュリのヴァーミュリオン(村名畑)かな、と。果実味も豊かでしたし、なにより凄まじい地力を感じましたよ。
それから比べるとクロドゼプノーはちょっと気取ってるなあと思いますね。

  

ローヌの最高峰、ギガルとシャーヴを利く(白)



こんばんわ。
先日に引き続きローヌ北部、ギガルとシャーヴです。今度は白ね。

いずれの生産者もメインは赤ですが、白も評価が高く、人気があります。
ギガルは2本。
コンドリューの酸化鉄を含む花崗岩、石灰土壌で構成された自社畑4区画合計3haからリュットレゾネ、新樽100%で生み出されるヴィオニエ主体のドリアーヌ(生産本数20000本)。
エルミタージュのシルト、玉砂利、氷河の堆積土で形成された、僅か1.8haのパーセルからリュットレゾネ、新樽率100%で栽培醸造を行い、限られた年にだけリリースされるエクス=ヴォト ブラン(生産本数7000本)。

そしてシャーヴは1本。
エルミタージュブラン。
エルミタージュ最上の区画(パーセルの詳細はよくわかりませんでした)からビオロジック、低収量、遅い収穫により凝縮感を高めて上で新樽で2年間の熟成を経てリリースされる最上のエルミタージュ ブランです。

では、まずはコンドリュー ドリアーヌから。



生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: コンドリュー ラ ドリアーヌ 2010
品種: ヴィオニエ100%

約10000円、2009年のWAは95点。
色調は濃い黄金色、粘性は高い。
ヴィオニエならではのタッチなのか、構成要素がロワールのソーヴィニヨンブランに近く清涼感があり核種系の香りが目立つ。芳香性はプイィフュメやサンセールと比較すると、こちらの方が強い。
赤りんごや洋梨の溌剌とした果実味と果実の蜜、石を砕いた様なミネラル感がメインとなり、フレッシュハーブ、バニラ、杏仁豆腐、トースト、リコリスのニュアンス。
爽やかで清涼感のあるアタックでリンゴのほのかな甘みと切り立った酸味、僅かに苦味を感じる。しかしながら骨格とボディは強固で意外に複雑な骨格が垣間見れる。素晴らしい。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: エルミタージュ エクス ヴォト ブラン 2009
品種: マルサンヌ90%、ルーサンヌ10%

約23000円、WA94-98点。
色調は濃い黄金色、粘性は高め。
イタリアや新世界のシャルドネっぽいタッチで清涼感のある花の香りとバター、ヘーゼルナッツ、白胡椒の風味。ややオイリーさも伴う。カリン、洋梨のやや酸味のある果実味。新世界ほど重くはないがタッチは近い。豊満で丸みのあるバター、ナッツの果実味。フレッシュハーブ、黒糖、リコリス、シャンピニオンなど。
口当たりはマイルドでこちらも濃厚ながらどこか爽やかさも感じる。豊満で豊かな果実味とともに充実した酸味と複雑さ。


生産者: ジャン ルイ シャーヴ
銘柄: エルミタージュ ブラン 2009
品種: マルサンヌ80%、ルーサンヌ20%

約25000円、WA94-98点。
シャーヴ安定の果実味。
色調は黄金色、粘性は高い。
オレンジピールやアプリコット、カリンなどの目の細かい凝縮した果実味にフレッシュハーブ、白胡椒、杏仁豆腐、ヨーグルト、リコリス、塩で炒ったアーモンドなど。強固な骨格、パワー感、全てが完璧な味わい。
凝縮感があり、果実味とスパイシーさが際立った造り。滑らかで果実由来の豊富な酸味、瑞々しさとともに複雑なスパイシーさがある。



やはりコンドリューとエルミタージュだと作りに大きな隔たりがありますね。コンドリューはどちらかといえば最良のソーヴィニヨンブランとセミヨンに近いし、エルミタージュは非常に新世界の最良のシャルドネにミネラルと清涼感を施したものに近いと思います。(個人的にはコート ド ボーヌっぽさはあまり。辛うじて近いのはピュリニーでしょうか)
ローヌ北部という狭い括りで品種が違うとはいえ、これだけの幅の広さは中々に興味深いですね。しかもどっちもとてもいい。
さて、生産者にまで落とし込んでいくともう少し違いがありました。
ドリアーヌとエクス=ヴォトは先述したので相違無いのですが、シャーヴとはもうひとひねり。
シャルドネらしさというか、こちらはアルザスの最高のゲヴェルツトラミネールの様な印象を受けました。ただライトなのではなくて、より凝縮感があるドライアプリコットの様な凝縮した芳香とねっとりとした密度の高い質感がありました。ドライな甘口ワインの様な質感。
非常に濃厚で厚みの感じられる造り。ボディが半端なく強い。
ギガルと同じエルミタージュ ブランなのに、ここまで違いがあると戸惑いますね。

個人的には清涼感がありつつキッチリ複雑味と甘みを見せるコンドリューが一番気に入りました。
エルミタージュブランはいずれも非常に素晴らしいワインでした。ある種ブルゴーニュ最上の特級クラスや新世界のキスラーの単一畑ものやコングスガードに比類する出来ではあるのですが、唯一無二の感覚は希薄で、上記に挙げたワインで感動を代替できてしまうんですよね。
これをルーサンヌとマルサンヌの可能性の極地と考えると「すごいな!」と思えるんですが、他の地域と並列でみた時に入手難度、価格を考慮すると、やや?かな、と。
対してコンドリューはソーヴィニヨンブランっぽいとはいえ、ボディは強いしその芳香の強烈さと一本筋の通った強固さは中々に探せないタイプだと思いました。ソーヴィニヨンブランだけだと軽いタッチになっちゃうし、ボディを付与するためにセミヨンを入れるとちょっとシャルドネに似た強さになっちゃうという。
ヴィオニエ素晴らしいですね、個性的ですし、品質的にも驚かされました。値段的にもまぁ、まずまず買えない価格ではないですしね。

ヴィオニエは他の生産者のコンドリューでも美味しいので是非試してみてください。

 

ローヌの最高峰、ギガルとシャーヴを利く(赤)



こんばんわ。
仕事の方もちょっと落ち着いて堅実に更新できてるような気がしますね。
みんな!待たせたな!お前ら全力でかかってこーい!(ジャーン!)かかってこーい!(ジャーン!)いーくぞー!(※前提は自分の備忘録用のブログです)

さて、今日はローヌです。
なんとギガルのコートロティ単一畑とジャン ルイ シャーヴのエルミタージュです。毎度豪華ですね、こんなんで嫁に咎められないのが不思議です。

ギガルの代表的なコートロティとして粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(ブランド名でありリューディ名ではないです)」、そしてそれらの弟分である「シャトーダンピュイ」、これはブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなるキュヴェになります。そしてこのキュヴェらは新樽で40ヶ月以上にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされます。
「エルミタージュの魔術師」シャーヴのエルミタージュルージュは9つのリューディからなり(その中にはシャプティエの「レルミット」、ドゥラスの「ベッサール」も含まれています)基本的に単一畑で醸造することは無いようです。シャーヴの芸術的な所はそれらの個性のブレンドに所以するものだと言われています。
これらはまさにローヌ北部のトップワインと言って差し支え無いだけに値段も高く、それでも引く手数多なので入手しずらいのが現状です。

今回はそんなギガルの「トゥルク」「シャトーダンピュイ」そしてシャーヴの「エルミタージュルージュ」です。



生産者:エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ シャトー ダンピュイ 2008
品種: シラー95%、ヴィオニエ5%

約20000円、WA90-92点
色調は濃いガーネット、粘性は中庸。
シラー特有の強い黒胡椒のニュアンス。甘酸っぱい紫スモモ、ダークチェリー、カシスの濃厚な果実味。百合やスミレの強い花の香りとともに、野性的なパストラミハム、生肉、ムスクと、松の木、甘草、コリアンダーなどのスパイス、炭焼き、焼いたゴムが混じる。
全体的にローストした風味とスパイス、カシスが全面に出ている。
ポムロールの様に濃厚で、ボディも強靭だが、充実した酸味やスミレの香りが伴い華やかな印象。
凝縮したパワー感。タニックだが酸味も強く、ボルドーの様な重厚な印象は無い。
ジャミーで濃縮した果実味と華やかさ、スパイシーさが伴う素晴らしいシラー。


生産者:エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ ラ トゥルク 2008
品種: シラー93%、ヴィオニエ7%

約34000円、WA90-94点。
色調は濃いガーネット、粘性は中庸。
ダンピュイと比べるとより立体感があり、黒胡椒のニュアンスがより前に出てきている。また果実の甘みや酸味もより鮮明に現れている。
濃厚だが清涼感を感じさせるダークチェリー、カシス、紫スモモ、どこか柑橘系の風味。そして華やかな薔薇やスミレ、芍薬、マニキュアのニュアンス、野性的な生肉、パストラミハム。漢方、キノコっぽさ、ファンデーション、焼いたゴム、ややワッフルの様な樽の甘みを伴う。
全体的にダンピュイより、要素に立体感があり、鮮明。その中でバランスを重視している造り。
よりタニックで強い酸味を伴いながら黒胡椒と果実がクリアに広がりを見せる。こちらも濃厚だが、骨格がしっかりしており、構造美を見せる。余韻は非常に長い。


生産者:ジャン ルイ シャーヴ
銘柄: エルミタージュ ルージュ 2009
品種: シラー100%

約25000円、WA95-100点
色調は黒に近い濃いガーネット、粘性は高い。
ネゴスものと比べるとキャッチーさは減退しているものの、圧倒的に複雑で、それぞれの要素がよりリアリティを持っている。
やはりシラーの特徴であるスパイシーさが前に出ている。
濃厚な黒胡椒と溌剌とした紫スモモ、ブルーベリー、カシスの濃厚な果実味がメイン。ギガルのスタイルと比較すると、若干果実味に重きが置かれているが、基本的には各要素が満遍なく鮮明に現れている様に感じる。
華やかな薔薇、スミレの花の香りとトリュフ、生肉の野性味、ユーカリなど清涼感も感じる。そして官能的な黒糖、ワッフルの甘み。
こちらもギガルのロティと同様、タニックで酸味も強い。ゆえに濃厚で奥から湧き上がってくる力強さを感じる。
そしてジャムの様な果実味とスパイスが口内で官能的に現れる。



いやー良かったです。流石ですね。
まずギガルのコートロティなんですが、やっぱり超濃くて果実味強いです。ただ新世界の様に果実味に寄りすぎている訳ではなく、スパイシーでシラーの品種個性も含め、とてもバランス良く複雑さが出ていると思います。
ダンピュイとトゥルクは同じ生産者だけあって基本的な骨子や要素は変わりませんが、印象はかなり違いますね。
ダンピュイは強固で果実味が最も前に出ていて一塊感を感じますが、トゥルクは各々の要素がより鮮明で、特定の要素が突出している訳ではなくてバランスを全体でとっている印象。丁寧というか緻密。この濃さの中で緻密さを感じられるのは凄いな...
ただダンピュイと価格を比較した時には...僕ならダンピュイですね。並べて比較しないと多分わかんないです。

シャーヴのエルミタージュもピノに慣れた身としてはやはり濃厚に映りましたが、要素は異なりながらも、鮮明さではギガルのトゥルクと近いものを感じました。ただ果実味がより健康的で溌剌としていて重厚感より優美さが目立ちますね。やや閉じ気味の印象を受けましたが、それでもポテンシャルが推察出来る程度には驚きに満ちた味わいでした。

ローヌはどんな価格ラインでも美味しいですが、流石にここまでくると超絶という言葉がふさわしいと思います。

  

女傑ジスレーヌ バルトのシャンボールミュジニー レ クラ、3ヴィンテージを利く。


こんばんわ。
今日もブルゴーニュです。

本日はジスレーヌバルト縛りです。
ジスレーヌバルトは個人的にはブルゴーニュファン心をくすぐられるんですよねー!
シャンボールミュジニーの生産者ですがフラッグシップにお決まりのボンヌマールやミュジニーがありません。
全て一級畑。しかも普通シャンボールのプルミエクリュはサンティエ、アムルーズ、シャルム以外はあまり単一で醸造されることはなくて、大抵一緒くたの「プルミエクリュ」で醸造販売される事が多いのですが(例えばジョセフドルーアンとか...)このドメーヌは小さい一級畑でもそれぞれのテロワールの個性を尊重して単一で醸造します。
なので、本来あまり目を向けないオーボーブランやヴァロワーユ、シャトロなど、土壌の違いを感じやすいのですね。ちなみに新樽率は20-35%とのこと。プルミエクリュにはちょうどいいくらいでしょうかね?

今回はレ クラに絞って3つのヴィンテージを頂きます。レ クラはメオカミュゼのワインしか飲んだ事がありません。
さてどうでしょうか...?


生産者: ジスレーヌ バルト
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2007

約14500円、WA91-93点。
やや淡い色調のルビー、粘性は中庸。
08より自然なイチゴやダークチェリーの溌剌とした果実味、わずかにカラメルの様な甘みが混じる。若葉、茎、スミレや薔薇のオイルなどのやや野生の香り、石鹸、なめし革、紅茶など。
時間の経過と共に2008程明確ではないがスミレの香りや、カラメルなどの果実の甘露な香りが主張する。基本的にはやや青みがある造りで、2009と比べるとどちらかというと花や草の香りが強い。
2008同様こちらもややドライな印象のシャンボールミュジニー。
香りの自然さと比べて、アタックにややえぐみがあり酸味も強く、この中ではやや厳しい部類かも。


生産者: ジスレーヌ バルト
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2008

約13500円、WA94点。
最も色調の濃い澄んだルビー、粘性は中庸。
2008年で最も特徴的なのは、鮮明でキャンディの様なスミレの香り。これは他のヴィンテージには見られない特徴。
果実味は溌剌としたイチゴやアメリカンチェリー。
スミレの他にドライな薔薇の香りが目立つ。またシャンボールらしい、松や茎や若い葉の青っぽさ。タバコや葉巻、紅茶、なめし革、シナモンなどの芳香。
2008も2009同様に凝縮感のある作りだけども、果実味の甘さが際立つ2009に対して、ややドライで華やかな印象。スタイルとしては2007に近い。
最も私が考えるシャンボールミュジニーっぽい印象。
酸味が強く、口の中でスミレの華やかな香りが楽しめる。貴重な体験。


生産者: ジスレーヌ バルト
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2009
約14500円、WA92-94点。

赤みの強い濃いルビー、粘性は中庸。
今回の07,08,09の中で最も果実味が強く凝縮感があり、甘露。これだけ生産者が違う様な大きなスタイルの違いが感じられる。
カラメルの様なねっとりとした濃厚な甘み。
抽出が強めなのか果皮の厚いブルーベリーやダークチェリーの果実味、デーツの様な甘みが感じられる。最も骨格が強固でジュヴレシャンベルタンを想起させる印象。ただその中にもシャンボールらしさはしっかりと残っていて、森の下草、若葉、控えめなスミレなどの野生を感じさせる作り。
僅かになめし革、砂糖漬けのスミレ、ローズヒップティー、松、下草、シナモンなど。
酸が他のヴィンテージに対してやや穏やかだが、その分タニック。そして甘露さが前に出ている。
口内でシナモンやシロップの様な甘さが楽しめ、余韻も長い。


ザッと利いてみてテロワールの特徴よりもヴィンテージの特徴がよく出ていると感じました。垂直だからかもしれませんが....多分水平で利いたら別の感想になるかも。
際立って明らかな違いを見せたのは2009ですかね、とりあえず2008、2007と比べると、かなり果実の甘さや果皮や梗のタンニンなど、全体的に日照条件の良さが際立った味わいと感じました。
ワインアドヴォケイトのヴィンテージチャートを見る限りだと2005年以来のグッドヴィンテージの様なので、やはり果実の凝縮度によるものなんでしょうか。他の生産者の2009もかなり頂きましたが、同様の凝縮度でしたしね。
逆に2007,2008は過熟してる感じはなくてややドライな作りになっているのもヴィンテージの特徴なんですかね。エレガントで酸味が際立っていました。
2008年はエレガントながらキチンと花の香りもありました。2007は全体的な特徴は2008と同様で、やや2009年の様なやや甘めのニュアンスはありました。基本ドライですが。
ヴィンテージの状況と同期がキチンとなされていて無理の無い作りになっている訳ですね。
正直土壌、畑の位置、生産者は相当意識して利いていましたが、ヴィンテージは意識できませんでした。実際の所作る生産者によって当然スタイルが違いますし、畑、村によっても味わいが異なるのでヴィンテージを理解するにはヴィンテージ以外をほぼ同条件にしないとわからないんですよ。。
そうすると自ずと機会も減りますし、比較対象がないので特徴を捉えることができないと。

あと古いヴィンテージだと熟成香が出るので、それでわかりにくくなりますね。なので若い方がいい。

そういう意味では比較に使った生産者も良かったですし、かなり良い機会になりました。少なくとも2007,2008,2009のヴィンテージはちゃんと感じ取れたかなあ、と思っています。

モンジャール ミュニュレ、エレガントで華やかな一級、そして鮮烈のリシュブール


※残念ながら今回は不健康な状態であったエシェゾー。ちなみにこの生産者だと最も好きな畑。残念....

さてこんばんわ。
さて、ブルゴーニュです。しかもモンジャールミュニュレ縛り。
それってだれうま?もちろんおれうまです。

モンジャールミュニュレはヴォーヌロマネの中でもかなり好きな生産者の一人で、濃すぎず薄すぎず絶妙なバランスでヴォーヌロマネのテロワールを再現していると思っています。

モンジャールミュニュレはヴォーヌロマネでは伝統のある老舗の大ドメーヌでリュットレゾネを1990年から実践しています。一時期評価を落とした時期もある様ですが、2000年に入ったヴィンテージで致命的にダメなワインには当たったことはありません。樹齢は大体30年から50年、エシェゾーのVVで70年くらい。新樽比率はプルミエで30%、特級で100%。除梗は100%、低温マセラシオン後22ヶ月熟成後瓶詰めします。
今回は一級のレ オルヴォー、プティモン、レ スショ、そして特級リシュブールの4本です。本当はお家で2005年のエシェゾーも飲んだのですが、ちょっと保管状態も悪かったのか不健康な状態でしたので今回は記載していません。
残念...ぐぬぬ。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ オルヴォー 2010

約9000円。
色調はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
色調同様香りにも透明感を感じる。
アセロラ、イチゴ、クランベリーなどの溌剌とした赤い果実とダークチェリーの果皮の香り。
全体的にエレガントでしなやかな、所謂ヴォーヌロマネらしい芳香を放つ。
スミレのアロマオイルや紅茶、森の下草、燻製肉の華やかでありながら野性的な香り。徐々にシロップやシナモンの程よく甘い果実味も現れる。
スパイシーなローヌの後だからかもしれないが、特別赤い果実の溌剌とした甘みと、広がりのある透明感が目立つ。
アタックにタンニンはほとんど感じられずストロベリーやダークチェリーの果実の酸味と梗の苦味が感じられる。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ プティ モン 2010

約9000円、WA94-95点(05')
色調は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
膨らみと穏やかさを感じるオルヴォーと比べると、やや複雑で塊感がある造り。
基本的な骨子は近いが、イチゴの溌剌した果実味はやや減退し、よりダークチェリーやブルーベリーなどの果皮の華やかさが前に出ており、風味に厚みが出ている印象。
燻製肉、土の香りや茎、そしてスミレのキャンディ、薔薇のアロマオイルなどの華やかで野生的な香り。松の木、ローズヒップティー、シナモン、アニス、クルミなどのスパイスや木材も感じられる。
この生産者のワインは華やかさに主軸を置いている様な気がする。ややドライなタッチでありながら、とてもバランスがいい。メオカミュゼのワインを思い出す。
オルヴォーと比較すると塊感はあるものの、依然しなやかで柔らかなアタックの印象は変わらない。
非常に華やかで溌剌とした果実味に溢れている。チェリーやイチゴなどヴォーヌロマネの妖艶さ、優美さがすべて凝縮された一級畑だと感じた。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ スショ 2010

約9000円、WA88-91(97')
色調は濃いルビー、粘性は高い。
ぶっ飛んだ。素晴らしいレ スショ。
プティモンの複雑さや塊感、オルヴォーの穏やかで明るいタッチではなく、強固で力強い味わい。デュジャックやデュガピィなどのパワフル系のブルゴーニュに近くなった。非常に目が細かく隙の一切無い、素晴らしい一級畑。
イチゴの芳香が完全に無くなり、ダークチェリー、ブルーベリーなどの黒い果皮の果実味と、デーツの様な濃厚な甘みを感じる。
透明感のあるスミレや薔薇、アイリスのエレガントな芳香も同居し、美しいコントラストを描いている。
オルヴォー、プティ モンと比較すると土の香りはやや減退し、茎や若葉、僅かに生肉、ローズヒップ、紅茶などが目立つ。徐々にキャラメルの様な濃厚な甘みが感じられる。
全体的に見てぶ厚い果実味と樽がきいている印象で、しっかりした芯のあるバランスの良い味わい。
アタックはややタンニンを感じる様になったが、基本的には先述のプルミエクリュ同様花の香りと果実、樽が渾然一体となった味わいが特徴的だ。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2010

約37000円、WA92-93点(05')
色調は濃いルビー、粘性は高い。
紅茶の風味やダークチェリー、ブルーベリー、プラムの流麗な果皮の複雑な香味、スミレや薔薇のアロマオイルなどの非常に強い花の香りを感じる。
茎、ベーコン、ローズヒップティー、シナモン、焼き栗など複雑な芳香が渾然一体に現れる。
プティモンの直系にある味わいだが、より緻密な複雑味を感じる。
華やかで豪奢なスタイルは変わらないが、複雑でスショと比べると落ち着いた造りとなっている。全体的に目の詰まり方がプルミエクリュと異なり繊細で強固な骨格がある。
口当たりは華やかで深みがありシルキーの様な滑らかさは一級畑には無いもの。蕩ける様なエレガンス、これがリシュブール。


いや、本当にいいです、この生産者。
何飲んでも基本的には超美味い。

ちなみに一級オルヴォーは、エシェゾーのアンオルヴォーというリューディの上部に位置していて、やはり何処かエシェゾーを感じさせる造り、華やかでエレガントでしなやかなイメージ。

プティモンはリシュブールの上部に位置するかなり傾斜がきつい畑。石灰多めの粘土石灰質土壌。日照条件がいいからか、溌剌さよりも濃厚さが目立ちますね。割と果皮の厚い黒い果実も塊感が結構あります。

スショは...もう最高でしたね。サンヴィヴァンとエシェゾーに囲まれている粘土質石灰岩と泥炭質の南東向きの畑で、パワフルさと豊富な果実味、そして濃厚な樽香が目立ってました。
スショは広いので場所に所以するイメージはあまり無いのですが、スショでハズレを掴んだ事ってあんまりないです。大抵凝縮感のある果実味が特徴的なような気がします。

そして特級リシュブール。個人的にはレ スショが一番好きなんですけど、やっぱり複雑味だと群を抜いていると思います。そういう所はやっぱりプティモンとよく似てる特徴だと思うし、この複雑味にあって素晴らしいバランスは特級の所以ですかねー!

個人的な感覚としてはスショ>リシュブール>オルヴォー>プティモンといったところでしょうか。
多分スショは一級の中でも新樽率は高そうですが、カラメルの様な甘みと豊富な果実味がたまらんですよね。
勿論ピノノワールとしてのエレガンスを保った上なので特段濃いわけじゃないですが(むしろクロードやデュガピィに比べると全然薄め)キャッチーな魅力があります。

改めてヴォーヌロマネの中でさえ凄まじく違いがあるなあと認識した次第でございます。
まったく、ブルゴーニュは最高だぜ。

   


オーストラリア、高品質のシラーズ。ミシャック、プロヴィダンス。

こんばんわ。
最近はやや仕事が落ち着いたかな、と思わせつつくだらない事に手を取られて微妙に早く帰れない系男子のKです。
今回は新世界繋がりでオーストラリアのワインを。
グランドバージのミシャックシラーズとプロヴィダンスの2本です。


生産者: グランド バージ
銘柄: ミシャック シラーズ 2006
品種: シラーズ100%

価格は16000円。
低価格帯からハイエンドまで幅広く揃えるバロッサヴァレーの老舗ワイナリー、グランドバージのフラッグシップワイン。樹齢100年の古木から作られる濃厚なシラーズです。
色調は濃いガーネット、粘性は高い。
やや濃厚でインキーなタッチ。
カシスやアメリカンチェリー、ドライアプリコットなどの干して凝縮させた様な果実味を感じる。華やかなスミレ、煙草、燻製肉、小豆やクローヴ、甘草などのスパイス類、コーヒーの樽香などが感じられる。
カベルネフランが混醸されていない為かプロヴィダンスと比較してボディが強い印象で酸味が際立つ造り。
アタックには引き締まる様な酸味と、強めのタンニン。
凝縮した果実の甘みがあり、ドライフルーツの甘みを楽しめる。
ローヌのシラーの様な露骨な黒胡椒香はなく、より果実味に寄った造り。


生産者: プロヴィダンス
銘柄: プロヴィダンス フォー アポッスルズ 2008
品種: カベルネフラン36%、メルロー35%、シラー20%、マルベック9%

価格は18000円。06のWAは94点。
年間生産量わずか800ケースのニュージーランドのシンデレラワイン。マタカナという町の2haの畑から作られているようです。栽培、収穫、選果は全て手作業、有機農法(リュットレゾネやビオディナミまでは行かない程度)で栽培しています。
色調は濃いガーネット、粘性は高め。ボルドー右岸タッチの造りで、スミレ、小豆やブラックベリー、プラムなどの果皮の厚い酸味の高い果実味が感じられる。
全体的にかなり華やかな印象で、右岸のテイストを残しながら重さを感じない、ミディアムボディ。
西洋杉、ビターチョコレート、タバコ、甘草、バニラ、シシトウなど。
木材のニュアンスと品種の個性が良く出ている。
全体的にボルドーらしい甘やかさ、エレガンスがあるのだけども、シラーに所以するものか、先述のミシャック同様酸味が際立っており、重厚さよりクリアさが表現された造りになっている。アウトラインは完全にボルドー右岸だが、タッチはロワールのカベルネフラン、ソーミュールなどのそれと近い。冷涼な果実味を感じる。


グランドバージはバロッサヴァレーのワイナリー、プロヴィダンスはマタカナというマイナーな土地で作られています。
バロッサヴァレーはオーストラリアの高級シラーズが生産される土地で有名ですね。地中海性気候で昼と夜との寒暖差が激しい。日照時間が長い。最高気温は高め。湿度は低い。なるほど遅熟のカベルネソーヴィニヨンやシラーズに適した土地ですね。(カベルネなら砂利質の方がいいんだろうか...)
また同じバロッサに標高の高いイーデンヴァレーがあるのがいいですね。こちらはリースリングがメインで栽培されてるようです。
ミシャックはまさに日照条件の良い土地から出来た豊満な果実味のあるシラーズで、シラーズの典型とも言える酸味と果実味の際立った味わいだと思いました。


マタカナのプロヴィダンスは比較的ボルドー右岸、サンテミリオンに近い造りを感じます。これはカベルネフランのアッセンブラージュによるものかもしれません。
華やかさ、小豆の香りなど風味の部分はサンテミリオンのフラン。ボディの軽やかさはソーミュールシャンピニーのフランを感じました。
ただボルドー右岸やロワールのフランには無い力強い酸味はシラーズによるものだと思います。多分。
ロワールのカベルネフランに出る酸はもっとシャープな気がする...
メルローはあんまりよく分からなかったですが、多分サンテミリオンっぽさに包含されてるんじゃないかと。マルベックはさすがに分からなかったです。

予想外のセパージュですが、それはともかくとしてかなり良いバランスに仕上がっていると思います。
品種の特徴もよく出ているんですが、足りない部分を補い合っているボルドーの様な整合性の取れた味わいだと思いました。

価格的にはオーストラリアとしては高いと思いますが、なかなかコストパフォーマンスに優れたワインだとおもいます。安いっちゃ安いし高いっちゃ高い。

新世界: カレラ ジェンセン09、マイケルモンダヴィ エム 07。

こんばんわ。
この四連休で一週間分以上のネタを仕入れる事ができました。ありがたやありがたや。
ローヌとブルゴーニュ、ニュージーランドは一旦袖においておいて、まずはカリフォルニア、セントラルヴァレーとナパヴァレーから行きます。


生産者:カレラ ワイン カンパニー
銘柄: ジェンセン 2009
品種: ピノノワール 100%

約14000円。2008年のWAは94点。
セントラルヴァレーのピノノワールとシャルドネで非常に有名な生産者ですね。単一ヴィンヤーズ、単一パーセルのワインを数多く作っていますが、ジェンセンはそのフラッグシップです。
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。
甘く煮たラズベリーやイチゴのジャムペースト、濃厚で甘みの強い果実味。僅かに黒胡椒。スミレのアロマオイルや若い葉、茎、舐めし革を中心に、濡れた樹皮、トリュフ、クローヴなどのスパイスの香りも。
全体的にカリフォルニアの日差しではなく、ブルゴーニュの匂いを感じさせる造り。アメリカ的な甘ったるさは無く、どちらかといえば華やかさや複雑さを主軸にしている。しかしながら果実の凝縮感は非常にアメリカ的。
ぎゅっと目の詰まった果実味が素晴らしい。ブルゴーニュと比べるとタンニンはやや強め。ただし、抽出の強いタイプではなく、果実による豊富なタンニンと酸が特徴的だ。
ブルゴーニュの良さとカリフォルニアの濃厚さを折半した非常に出来の良いカリピノ。


生産者: マイケル モンダヴィ ファミリー エステート
銘柄: エム バイ マイケル モンダヴィ 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン 100%

価格は25000円、WA94点。
色調は濃いガーネット、粘性は高い。果皮の厚いカシス、ブラックベリーの果実味。そしてピーマン、ミント、西洋杉、インクなどのカベルネソーヴィニヨンの特徴的な味わいが主軸となる。炭焼き、煙草、シダや生肉、ユーカリ、僅かに胡椒、甘草など。
所謂ボルドーの若いカベルネソーヴィニヨン的な味わいをベースとしながら、果実由来の酸味とドライフルーツの様な甘みが主張するの新世界的な味わい。
ナパとしてはベーシックなスタイルだが、非常に丁寧に作りこまれており、パワー感だけではなくエレガントなしなやかさがある。
アタックは力強くタニックだが、酸味は弱め。口内で木材とカシスの豊かな味わいが広がる。



セントラルヴァレーは標高が低く気温が高い海洋性気候ですが、(花ぶるいや結実不良の原因となり)最も雨を嫌う春場はあまり雨は降らない、寒暖差が激しい等、葡萄の育成には良い条件が揃っています。(セントラルヴァレーと一口に言ってもサンタバーバラやモントレーなどの沢山のAVAが入って条件も違うんですが...)
ただ全体的に温暖な気候なので早熟のピノノワールの育成はどうなんだろうと思ったんですが、カレラのマウントハーランは冷涼な土地みたいです。標高高いからかな?
ニュージーランドやカリフォルニアなどの新世界のピノノワールはどちらかといえば果実味が豊かな造りですが(ケイマスやコスタブラウンはそんな感じかなと。)その中でかなりブルゴーニュに近い造りの部類に入ると思います。
前提として果実味の方向性は新世界なんですが、その他の要素はブルゴーニュに見られるものが多いと思います。
ボディも軽めで、抽出の強いブルゴーニュの生産者なんかはカレラのワインよりボディが強いものもある様な気がします。ニュイ サン ジョルジュあたりに近いかも。非常によくできています。

次、マイケルモンダヴィ。
これはナパヴァレーですし、そのもののスタイルなんで細かい所はいいですね。ロバートモンダヴィのプライベートリザーブとかと比べても、かなり濃いカベルネソーヴィニヨンだったと思います。それ以外だと本当によく似ているワインでした。
ややタニックすぎると思いますが、多分経年でかなり良くなってくるのではないかと。新世界らしい甘みもありましたが、造りを考えるともう少し果実味が欲しかったなーとも。
個人的には2万円を払うのはちょっと躊躇してしまうタイプのワインですかな...

 

至高のブルゴーニュ特級畑を望む(ヴォーヌロマネ、ニュイサンジョルジュ、ピュリニーモンラッシェ)

こんにちは。
今日も昨日に引き続きブルゴーニュ特集です。


生産者: ヴァンサン エ レシュノー
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ プリュリエ 2010

8000円、2008年のWAは90点。
2002年のクロ ド ラ ロッシュでWA100点を取った事で有名な自然派生産者の一級畑。以降そこまでの高得点を獲得する事はまだ無いようですが、ブルゴーニュに非常に辛いWA誌でDRCとルロワ以外で100点を取れる生産者はあまり見かけないですね。
色調は濃いめのルビー、粘性は高め。
とても華やかで濃厚なピノノワール。
初動に甘めのニュアンスを感じるが、少しづつ果実原初の風味に切り替わっていく。
果皮の厚いダークチェリー、チェリーリキュール、イチゴのクリアな果実感、ドライだが濃厚なノンシュガージャムの様な味わい。果実感は高い。
華やかなスミレ、薔薇、茎や土、樹皮などの野生の味わいが満ちている。スパイスや燻製肉など。
全体的に果実感が高いが、それに伴う甘みの主張より華やかさを重視している様に感じる。
口に含むと心地よい果皮の渋みと華やかな果実感。クリアで雑味が無く、アタックに心地よい果実由来の酸味とタンニンがある。
果実を大切にした造りだ。


生産者: アンヌ グロ
銘柄: エシェゾー レ ロアシャウス グランクリュ2010

19000円。2009年のWAは93点。
ベルナール(グロフレール)、ミシェルらグロ一族唯一の女性醸造家。ヴォーヌロマネを代表する生産者で、ジャンから特級銘柄リシュブールをベルナールとともに引き継いでいます。
膨らみのあるレシュノーのプリュリエと比較するとより先鋭的で鋭さが目立ち、やや硬質感。
むせかえる様な薔薇とスミレがメインとなりデーツ、フランボワーズ、イチゴなどの小粒ながら凝縮した旨味のある果実の味わいがある。複雑な香り。薔薇やスミレ、果実の華やかな香りの裏に茎やシナモン、クローヴなどのスパイス、なめし革などのニュアンス。
他の2つと比較するとより花の香りがメインとなっている。
ヴォーヌロマネのイメージにあるしなやかさはあまり感じないが、とにかく華やかさでは突出している。
ややタンニンが目立つが、酸味は果実程度でここちよい。いかにもエシェゾーといった華やかで果実の美しさに満ちた味わい。


生産者: ポール ペルノ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2010

約19000円
色調は淡いレモンイエロー、粘性は高め。
2010年と若いヴィンテージにも関わらず凄い良い香味が出ている。石を砕いた様なミネラル感に、バターやカシューナッツ、白い花の香りを中心に、洋梨、カリン、白桃のやや酸味を感じる綺麗な果実味がある。白胡椒、キノコなど。
バターやカシューナッツの香りがあるものの清涼感のある造りでムルソーのようなこってりタイプでは無い。ただ非常に要素は分厚くラモネに似たピュリニーの綺麗なニュアンスがある。
酸味は溌剌としており果実を噛むような味わい。後味にやや苦味。
ややシロップの様な甘さも後味に現れる。スタンタードなピュリニーのテロワールが表現されていると思う。


レシュノーのプリュリエ、アンヌグロのエシェゾー共に大変素晴らしかったです。
特にアンヌのエシェゾーはヴォーヌロマネの華やかさの部分を端的に示している印象でした。
エシェゾーは華やかで温かみがありながらも先鋭的である印象でしたが、アンヌのそれは、他のエシェゾーと比べるとやや冷淡というかひんやりとしたタッチ。生産者の個性によるものかもしれませんが、広がりのあったエシェゾーの香りを一本たりとも逃さずに束ねて一本のピアノ線にした様な感覚。無機質でありながら有機的な音を出すイメージ。
その点プリュリエは果実や自然の香りが拡散していて、こちらの方が果実元来の芳香に近いかな、と感じます。
アンヌのエシェゾーは果実の素晴らしさを引き出すための手が明らかに入っている印象。

そして唯一の白、ポールペルノのバタールモンラッシェ。
バタールとしては若さからかややミネラリーで硬質な印象を受けました。もちろん根本はバタールでナッツやバター、そして花の香りと基本的なテロワールに即した味わいではありますが、このミネラル感と後味の苦味は個性でしょうか。
良い造りのバタールモンラッシェではあると思います。

いや、毎度のことですが、ブルゴーニュのワインを一気に飲んでいくと僅か十数kmの中にどれだけの差異を秘めているのか...
ちょっと驚いてしまいますね。

  

至高のブルゴーニュ特級畑を望む(レジオナル、シャンボールミュジニー、ジュヴレシャンベルタン)

こんにちわ。
やっと記事を描く時間ができました・・・
そんなわけで、僕の大好きなブルゴーニュ特集です。

今回は2回に渡ってレジオナル、シャンボールミュジニー、ジュヴレシャンベルタン、ヴォーヌロマネ、ニュイサンジョルジュ、ピュリニーモンラッシェの1級、特級を優良生産者のワインと共に巡ります。
生産者はメゾンルロワ、ユドロバイエ、ロベールグロフィエ、ベルナールデュガピィ、アンヌグロ、ヴァンサンレシュノー、ポールペルノと超豪華生産者です。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: ブルゴーニュ ルージュ 2000

約5000円。
言わずと知れたDRCと並ぶブルゴーニュ最高の生産者、ルロワのネゴシアンもののブルゴーニュルージュ。
色調は赤みの強いルビー、粘性は高め。
イチゴ、ダークチェリーやブルーベリーを主軸にした香味でありながら、濃厚さとは全く無縁で、ひたすら華やかに芳香を放つ。薔薇、スミレ、クローヴ、茎、ラベンダー、生肉、シナモン、僅かに炒った栗の香り。
酸もタンニンも際立っている訳ではなく、ただ絶妙なバランスで表現されている。
まさにブルゴーニュの体現。抽出が強いタイプではなく、薄旨系の味わいではなく中庸で、けれど完成度は高く、これぞブルゴーニュの赤ワインといった味わい。
無論並み居る優良生産者の一級特級とは比べられないが、レジオナルとしての味わいと村名クラスの完成度を感じさせる超優良ブルゴーニュルージュだ。


生産者: ユドロ バイエ
銘柄: ボンヌマール グランクリュ 2010

約15000円。
評価急上昇中の厳格なリュットレゾネを実践する今最も注目すべきドメーヌ。
その旗艦銘柄ともいえるボンヌマールの生産量は僅か2樽、600本。
色調は濃いルビー、粘性は低め。
焼いたゴム、スモーキー、果皮の厚いダークチェリーやブルーベリーのジャムの様な果実味、スミレのシロップ漬け、薔薇の華やかな香り。ドライで果実感を強く感じる。まさにボンヌマールらしさを端的に表現した骨格。
テロワールに則した強固なボディがありながら、シャンボールらしい森の中で佇むようなドライハーブ、松の果皮、土の香り。ピノならではのなめし革、バニラ、シナモンなどの香りも。
果実感が強いタイプながらドライでこちらもメオや最近のペロミノタイプ。
アタックは華やかで果実の酸味とタンニンに満ちており、かつボディもしっかりしている、いかにもボンヌマールといった味わい。
口に含むと果実と茎、土の味わいが満ち溢れる。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2010

31500円。09はWA95点。
シャンボールを代表するグロフィエが造る、ジュヴレシャンベルタンの最高の畑の一つクロ ド ベーズ。
色調はやや彩度の低い濃いルビー、粘性は低い。
一般的なシャンボールのグロフィエの造りに対して、ややシナモンや黒糖の様な甘みを強く感じるのがジュヴレシャンベルタンらしさを感じる。
やや果皮の厚いダークチェリー、ラズベリーの濃密で凝縮感がある味わい。そして華やかなスミレや薔薇の香水の様な香りが伴う。茎、森の下草の香りはシャンボールっぽさも垣間見せる。
野性的なパストラミハム、ファンデーション。
花の香りが主体的だが、果実の甘さが同生産者のシャンボールと比べるとやはり強く、内包するエネルギー感もジュヴレシャンベルタンっぽさが確かに表れていると思う。
酸味もタンニンも果実由来程度で心地よく、微風の様なアタック。しかしながらその核はエネルギー感が満ち溢れており、永久機関と言うべき核から尽きる事のない流麗なエレガンスが拡散していく。
グロフィエの描くシャンボール的な作りと、特異なクロドベーズのテロワールが奇跡的に合致した、クロドベーズらしさが再現されたワイン。


生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2009

157500円。09のWAでは92-95点
ジュブレシャンベルタン、ひいてはブルゴーニュを強力に牽引する、最高の生産者ベルナールデュガピィが描き出す貴重な旗艦銘柄シャンベルタン。素晴らしいワインであるが投機的な価値も含め値段が非常に高いのも特徴。
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
まずもって動物的なムスク、生肉、なめし革の強烈に野性的なニュアンスが姿を現す。同生産者の1級ラヴォーサンジャックの求心力のある味わいと異なり内向的で強固な一塊が感じられる。
徐々に華やかな薔薇のアロマオイル、スーボワ、クローヴ、甘草などのスパイス類。スモーキーな烏龍茶。枯葉、松の樹皮、タールなど複雑な骨格と膨大な要素が解き放たれていく。
そして核に迫ると紫スモモのダークチェリーの強烈な果皮の味わいがその姿を現していく。
抽出の強さが醸し出す超絶の凝縮感、全体的な野性味と塊感がシャンベルタンの厳格さと荘厳さを表現している。
ラターシュにも感じられた難解さを。
若いこともありやはりアタックも強烈でタニックで酸味も強いのだが、果皮の味わいとムスクの野生的な香りが口の中で広がる。圧倒的な規模感。
膨大。余韻も凄まじい。穏やかさや柔らかさといった要素は皆無の超絶のシャンベルタンである。


いや、どうにも素晴らしいですね…!
ルロワのブルゴーニュルージュはブルゴーニュの基準を限界にまで引き出した超絶のレオジナルだし、ユドロバイエのボンヌマールもボンヌマールを作る生産者の中ではグロフィエ、ジャックフレドリックミュニエ、ヴォギュエ、ルーミエに次いで最上級に該当すると思います。ドライで華やかな所はメオカミュゼとも通じるものがありますね。

…がしかし真に恐ろしいのはグロフィエのクロドベーズとデュガピィのシャンベルタンでしょう。
もっともテロワールが厳密に精彩に表現されてると思います。「鉄の鎧の中の鉄の拳」シャンベルタン、「ベルベットの中の鉄の拳」シャンベルタン クロ ド ベーズ。それらの言葉がぴったり当てはまる。
クロ ド ベーズの生産者が元来はシャンボールの生産者である事、デュガピィが抽出の強い生産者である事が幸いしてか非常に2者のコントラストが鮮やかに表されていたと思います。


いや、素晴らしい体験でした。

   
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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