カリフォルニアのピノノワール、4生産者の個性を利く

こんばんわ。
今日はカリフォルニアのワインです。
かなり球数が少ない希少なワインが多いです。流石に少なさすぎだろ...というものもかなりあって、そこに関してはちょっと「?」という感じ。
希少価値や入手の難易度はまさに「カルト」ですが、それに比べてお値段はやや抑え気味だし、品質は本当に素晴らしいので、見つけたら買いなアイテムばかりだと思います。


フラワーズはソノマのピノノワール、シャルドネを中心としたワインを作るワイナリー。94-96にはキスラーにピノノワールを提供していた時期もあります。今回のムーンセレクト ピノノワールは、3つの自社畑であるキャンプ ミーティング リッジ(60%)、フランシス トンプソン、シーヴュー リッジ(40%)の最上のピノノワールをブレンドしたフラッグシップワイン。除梗はせず、新樽比率40%、フレンチオークで17ヶ月熟成...とのこと。

タンタラはサンタバーバラのサンタマリアに拠点を置く生産者。自社畑はビエン ナシード ヴィンヤードのみ。
フラッグシップのエヴリンの収穫は当然手積み。80%除梗。新樽比率は60%で16ヶ月熟成。(メーカーは有名なフランソワフレールほか数メーカー小樽を併用)、更に最上のロットのみを、無清澄無濾過でボトリングしています。

ピゾーニ エステートはジェフ・ピゾーニ率いるソノマのワインメーカー。
その名の通りカリフォルニアで最も優れたピノノワールを産出するピゾーニヴィンヤードを保有しており、様々な生産者に果実の提供を行っています。パッツ&ホールやコスタブラウン、タンタラ、ポールラトーなど。ちなみに使用しているピノノワールのクローンはDRCのラターシュ...
除梗はせず、全ての工程を重力を使用して行うグラビティーフローを行う 。天然酵母で発酵、フレンチオークを使用し、新樽比率70%程度。無清張無濾過でボトリングします。

最後はポールラトーのピゾーニ。
ポールラトーは96年よりセントラルコーストに設立されたワインメーカー。
もともとはソムリエでオーボンクリマなどでも修行されたようです。近年急激に評価を上げている生産者です。醸造、栽培に関しては詳しくはわかりませんでしたが、樽香はしっかりありましたので、フレンチオークの小樽で新樽比率はやや高めじゃないかなーと思います。色調的にも抽出は強そうですが、過熟感はあまりなかったです。

さて、いってみましょう。


生産者: フラワーズ
銘柄: ムーンセレクト ピノノワール 2010

10920円, WA90pt(2003)
色調がもっとも薄いが、透明度の高い濃いめのルビー、粘性は高い。どこの地域にも属さないピノノワールの味わいだと思う。(強いていえばブルゴーニュだけど、それもちょっと違う?)
クリスピーでバニラやコーヒー豆の風味が強い。蕩ける様に甘露。ただ口に含むとスパイシーでクミンの風味も感じられる。凝縮感はしっかりとしていながら果実味は軽妙。ダークチェリー、ブルーベリーの果実味。オリエンタルなスパイス、乾いた土っぽさ、スパイスに漬けた肉。スミレ、グローヴや炭焼きやゴムなど。
透明感と清涼感のある酸味が際立っており、タンニンは柔らかい。口内で複雑なオリエンタルスパイスやラムレーズンの風味が広がる。
カリフォルニアとしては過度な果実味を抑えたエレガントでスパイシーな素晴らしいピノノワール。


生産者: タンタラ
銘柄: エヴリン ピノノワール 2010

13650円、WA89pt(2009)
色調は濃いルビー、粘性は高い。
香りが既に強固な酸味と果実味を感じさせる。ピゾーニと全体的には近いか口に含むと、それと比べて柔らかなタッチ。干したプラムやアプリコットの甘露で凝縮したむきだしの果実味。薔薇やスミレの鋭い華やかさ。ドライハーブ、ヒノキ、溶剤、グローヴ、アーモンド、炭焼き、シロップなど。毛皮。
こちらも酸味とタンニンがきわだっている。パワフルな果実味重視のピノノワール。ぎゅっと凝縮した様な熱気を感じる。


生産者: ピゾーニ エステート
銘柄: ピゾーニ ピノノワール 2010

12600円、WA91pt(2009)
色調が最も濃いガーネット、粘性は高い。
非常に酸味の強いアプリコットやシロップ漬けのダークチェリー、ラムレーズンの風味。凝縮度は最も高くブルゴーニュと似た部分はほとんどない。むしろパワフルとも言える強烈な果実味。薔薇のドライフラワー。ドライハーブ、焼いた木材や角砂糖、毛皮、やや土っぽいニュアンス、アーモンドなど。
タニックで酸味も際立っている。
ボディは非常に強く果実味を全面に押し出している。アプリコットの強烈な酸味と旨味が素晴らしいカリピノ。


生産者: ポール ラトー
銘柄: ピゾーニ ピノノワール 2010

13650円、WA94pt(2009)
色調が濃いルビー、粘性は高い。
新世界のジュヴレシャンベルタンチックな作り。
ややミネラリー。最も優れている。華やかな印象。
比較的樽が効いている。線香や五香粉。そしてダークチェリーやアプリコットのやや酸味の強い凝縮した果実味。(ピゾーニエステートほどではない。)、バニラやシナモン、シロップ漬けのフルーツ、スミレやスイセン、グローヴ、甘草。毛皮や黒檀、焦げた木材など。
一見ブルゴーニュっぽいが、その実、作りは驚くほどカリフォルニアでピゾーニと同様溌剌した酸味と、強固なタンニン、アプリコットの凝縮した果実味が主体となる。パワフルだが樽が綺麗に効いていてピゾーニの様な濃厚さはあまり感じられない。エレガント。


いや、生産者ごとにかなりスタイルが違うんで、結構戸惑いますね。
ただいずれもしっかりした濃厚な酸味(ブルゴーニュは酸味に重みが無いんですよね)と旨味が漲っていて、熟した果実の味わいが感じられました。
ただ熟したといっても、タンニンがキツくて酸が弱い感じでは全くないです。気候や日照に過度に影響された雑っぽさではなくて、ちゃんと手が入っている感じでした。
その中で、特にブルゴーニュ的な側面を見せたのはポールラトーのピゾーニ、洗練したカリフォルニアを感じさせたのはタンタラのエヴリンとピゾーニエステートのピゾーニですかね。
フラワーズに関しては果実味でいうとブルゴーニュっぽいんですが、全体でいうとやっぱりカリフォルニア?みたいな感じです。
これらはどこから来ているんだろう、と考えた時に「やはり醸造かな」と思ったのですが、新樽比率が低めだと思ったピゾーニエステートとタンタラが結構高めだったので(タンタラは微妙に感じられましたが、ピゾーニの樽香の目立たないこと...)正直???です。
ポールラトーは明らかにフレンチ小樽新樽比率高めな風味でしたから、これはわかりやすいですけど(外してたら恥ずかしいですが)、恐らく同じくらいの新樽比率のピゾーニピゾーニとエヴリンはポールラトーと何が違うのかと。
果実味の強さが突出してる事と外観が明らかに濃い事を考えると...

1:抽出(ルモンタージュ、ピジャージュ、マセラシオン ア フロワなど)
2:収穫時期の違い

これらによって強く抽出された果実味が新樽比率による影響を軟化させているのかな、と思います。ポールラトーも風味自体はほぼ同じですから...
果皮成分が強く出ているのでヴァンダンジュ ヴェールトやヴィエイユヴィーニュに起因するものでは多分無いとは思います。多分。
もしくはポールラトーの新樽比率がやたらと高いとかですかね。100%とか。

ちなみに今回のピゾーニヴィンヤードはサンタルチア高地の山麓に広がるピ畑で、異なる土壌タイプとミクロクリマ毎に区分けされているようです。気候は昼夜の寒暖の差が激しく、冷涼な霧も発生するようです。標高は270~400m。クローンはラターシュクローン(大元はディジョンクローンですかね)。標高といい、気候といい、霧といい、ちょっとブルゴーニュ的ですが、大分違うものが出来上がるんですね...

色々思考を巡らせたものの、答えが出ないのでここらへんでやめときます。
飽きたし。

そんな感じです。



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メオカミュゼF&S、ニュイ サン ジョルジュ2008-2010を利く

こんばんは。
今日は久々にブルゴーニュです。
...そうでもない??

メオカミュゼ フレール エ スールの ザルジラ3ヴィンテージを利いてみました。

メオカミュゼはヴォーヌロマネに拠点を置く大手ドメーヌで、一時コンサルタントとして、分益耕作人としてアンリジャイエがいた事でも有名です。
1985年からアンリ ジャイエの指導を受けた現当主ジャン ニコラ メオがドメーヌの指揮を取っています。醸造責任者はクリスチャン フロワが担当しています。
グランクリュとプルミエクリュを複数持つドメーヌ部門と拠点外の村名やプルミエクリュを生産するネゴシアン部門がありますが、今回はネゴシアンものの方です。減農薬農法、夏季剪定や除葉によって葡萄の腐敗を防止し、健全な葡萄を手摘みで収穫します。厳しい選果した葡萄はほぼ100%除梗。コンクリートタンクでのマセラシオン ア フロワ。新樽率は特級と1級は100%、その他は約50%で18か月間熟成。ノンフィルターで瓶詰されます。新樽率はやや高めです。ネゴシアンものは決まった生産者からの買い葡萄で作られ、一級以上の栽培は全てドメーヌ部門の管轄で行われます。

さて、今回はネゴシアン部門のニュイ サン ジョルジュ一級、オー ザルジラの3ヴィンテージを利きます。


生産者: メオ カミュゼ フレール エ スール
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ オー ザルジラ 2008

外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。他のヴィンテージと比べて非常にスパイシー。熟成に起因するものだろうか。
アセロラやレッドカラントの様な酸味と塩味が際立った果実味。やや果皮のニュアンス。
青っぽい茎、若い薔薇やスミレの華やかな香り。クミン、なめし革。松や濡れた樹皮、シナモンの様な甘み。ちょっと鉄っぽい冷ややかなタッチ。
液体はやや密度に欠く造りで、タンニンはかなり柔らかい。対して酸味は強く、アンバランスさを感じる。その分冷涼な果実味を感じると言えば感じるのだが。
価格見合いを考慮するともう少し抜きん出たものが欲しかった。


生産者: メオ カミュゼ フレール エ スール
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ オー ザルジラ 2009

2008よりみの強いルビー、粘性は高い。
果実味は強く、最も目の詰まったボディ感。2010ほどでないが、わずかに五香粉などの焼いた樽のニュアンスが感じられる。そして甘露なシナモン、アメリカンチェリー、ダークチェリーなどのやや果皮の厚さを感じる果実味。青っぽい茎の香り。2009はギラギラとした華やかさも目立つ。スミレや薔薇、なめし革。そしてミントやクローブなど。
酸味は2008同様際立っており、タンニンは柔らかい。しかしながら薄まった感じは全くなく、液体は十分目が詰まっており果実の凝縮した酸味か感じられる。2008と比べると、明らかに成熟度の異なるピノノワールである。


生産者: メオ カミュゼ フレール エ スール
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ オー ザルジラ 2010

2008と同程度の濃いめのルビー、粘性は高い。
非常に強い木材のロースト香が感じられる。ドメーヌ メオ カミュゼの若いフラッグシップに通じる、強烈なお香や五香粉の香り。
そしてその中に華やかな薔薇やスミレなどの果皮由縁のニュアンス。ダークチェリー、ラズベリーなどの酸味とタンニンを感じられる果実味。甘露なシナモンや赤い花の蜜が主体となる。
松の木の皮、なめし革、クローヴなど。やや青っぽさも感じられる。
2009ほどでは無いが、十分に凝縮した果実味があり、酸味はしっかりとしている。2008,2009と比べると、ややタニック。口に含むとダークチェリーの果実味が溢れる。液体は十二分に目が詰まっている。


全体的にメオカミュゼの特徴はしっかり出ていたと思いました。
オーザルジラはニュイの市街地から北のムーザンの谷に面した粘土土壌の一級畑。


谷から流れる風が冷涼。やや青っぽいニュアンスを感じられるのはその為かもしれません。ただ、果実味は08以外はしっかりしていた印象ですので、十分に力強い土壌だと感じました。
今回のメオカミュゼ、オーザルジラ3ヴィンテージを俯瞰してみると2009が最もブルゴーニュとしてバランスが良く、2010は樽香によってテロワールの特徴がわからない(ただ、これから樽が溶け込んで行くと偉大な出来になる可能性が大いにありますが。)。08は液体が薄めでもう一押し欲しい。
こんな所でしょうか。

2008年...2000年代では平凡なヴィンテージ。(90年代と比較すると非常に良いヴィンテージ)
2009年...並外れた偉大なヴィンテージ
2010年...(メディアのポイント評価は今の所なし)夏場まで天候が悪かった為、収量は30%程度2009年と比較すると落ち込む。夏場も7月前半を除いては芳しくなかった。生産者のスタイルによる。

なるほど、2008年が2009年に比べて密度が低いのは理解できる。
では「2010はどうなのか」と言った場合、2009年同様、甘露でしっかりした果実味があった様に感じます。
これは生産者のスタイルで比較的抽出が強めである事が幸いしているのかな、と。(低温浸漬してますし)
※ただヴォギュエやルーミエなどの生産者のものも非常に素晴らしい印象でしたが...あまり抽出は関係なくて、そもそも低収量によって、葡萄が凝縮していると考えるべき?
私は樽のニュアンスも好きなので、個人的な好みで言うならば2010が最もいいと思いました。樽はともかくとして酸とタンニンのバランスは良かったと思います。完成度なら2009年ですかね。
ただやはり根本はどのヴィンテージも華やかで非常にブルゴーニュらしいブルゴーニュ。全体的に茎っぽさはあるのですが、個人的にはどれも美味しかったと思います(※高いのでそれだけのものを求めてしまうのです)

しかし追い求めていくと、この素晴らしいワインでさえ、「ここがどうで、あれがどうで」とか言う様になってしまうのが、ちょっと怖い...
リセットしたい。


高品質な国産白。品種別3種類を利く。

こんにちは。
本日は前回に引き続き、日本のワイナリー特集です。
小布施ワイナリーのプティマンサンと城戸ワイナリーのプライベートリザーブ シャルドネ、プライベートリザーブ ピノグリです。

生産者の特徴はこちらをご覧ください。
小布施ワイナリー
城戸ワイナリー

さて、今回はプティマンサンというレアな品種が含まれています。
プティマンサンはフランス南西部で栽培される品種で発芽から成熟まで長い期間を必要とします。
もともと降雨量が多く小石の多い土壌で育てられてきた品種なので、灰色かび病にも強く、収穫時期を冬前まで延ばす事ができます。これにより高い酸度を保ったまま糖度を凝縮する事が可能となります。
降雨量が多く灰色かび病のリスクの高い日本に適した品種とも言えますね。

その他は国際品種ですが、こちらも赤同様、海外とはちょっと異なった毛色になっていました。


生産者: 小布施ワイナリー
銘柄: ドメーヌソガ プティマンサン 2011
品種: プティマンサン 100%

4200円
色調はやや濃いめの透明度の高いイエロー、粘性は高い。
フレッシュで酸味の強い、レモンやいわゆる日本のドライアプリコット(アルザスに見られるタイプに近く甘くない)など。ドライハーブ、塩ナッツ、ドライシェリー、割とミネラル感が強い。果実の凝縮感があり酸味の中に旨味が充満している。口の中でほのかな苦味と、強い酸味、アンズの旨味が広がる。


生産者: 城戸ワイン
銘柄: プライベートリザーブ ピノ グリ 2010
品種: ピノグリ 100%

3500円くらい。
色調は薄目のイエロー、粘性は低め。
ヴィオニエの様なフレッシュな風味。白い花の蜜、カリンや青りんごの爽やかな果実味、フレッシュハーブ。石を砕いた様なミネラル感、白胡椒。柔らかい酸、ボディはシャルドネより柔らかい。
爽やかな青りんごなどの果実味が楽しめる。


生産者: 城戸ワイン
銘柄: プライベートリザーブ シャルドネ 2010
品種: シャルドネ 100%

3500円くらい。
色調は薄目のイエロー、粘性は低め。甘露なバニラ、白檀、フレッシュハーブの爽やかな風味。ミネラル。白い花やお香。カリンや青りんごの爽やかな果実味。ややバターの様な風味も。
酸味も柔らかく、果実味が溢れている。軽やかなボディのシャルドネ。プチピュリニーの様な風味。


まず城戸ワイナリーさんのピノグリですが、結構ヴィオニエの様な風味があって、非常に清涼感のある味わいでした。
意外と酸度も柔らかくて(もっと酸度は高いと思っていました)非常に癖の無い味わいでした。
プライベートリザーブ シャルドネの方は意外とブルゴーニュっぽい感じ。ややボディは軽くて、個性を主張しすぎないのがいいですね。とはいえ程よく樽も効いていて、果実味もしっかりあるので不足感は感じないという。
最後にプティマンサン。いままでこの品種のワインを飲んだ事が無かったのですが、非常にいいですね。
干しあんずの様に旨味を伴なう強い酸味があり、この中ではとりわけボディがしっかりしている感じ。
この酸味の出方や旨味は凄く日本っぽいんですよね。辛口ですが意外と茶菓子とかにも合いそうな感じですね、みつ豆とか。国際品種でいうとグリューナーフェルトリーナーやゲヴェルツトラミネールに近い様な気がします。

かなり良かったです。
全体的にボディは軽めなんですが、ワインとして必要な要素はすべて含まれていて、これはこれで完成しているなと思いました。近年は本当に良い生産者が多くなってきたと思いますので、もっと選択肢が増えてくると消費者としては嬉しいですね!

高品質な国産赤、生産者別の3種を利く

こんばんわ。
今日は日本のワイナリー、小布施ワイナリー、城戸ワイナリー、高畠ワイナリーの赤です。

今回は国内のワイナリーさんなので、特にこのブログで栽培や醸造方法を書きません。ホームページもあるので、是非そちらをご覧ください。こだわりの製法がしっかりと書いてあります!

小布施ワイナリー
城戸ワイナリー
高畠ワイナリー

ひょっとしたらワイナリーさんの目に付いてしまうかもしれないので(FC2のSEOは凄いです...)、少し恥ずかしいですが、まあ素人らしくいつも通り行こうかと思います。


生産者: 小布施ワイナリー(長野)
銘柄: ドメーヌソガ ピノノワール クレレ 2011
品種: ピノノワール 100%

非常に透明度の高い淡いルビー、粘性は低め。
恐らくは低温浸漬はしていない。レッドカラントやストロベリーなどの穏やかな果実味。チーズやスミレ、なめし革、紅茶、大地香。シナモン、グローヴなどの風味。
軽やかな酸味と柔らかいタンニンと果実味の優しいピノノワール。透明感がある。


生産者: 城戸ワイン(長野)
銘柄: プライベートリザーブ メルロー 2010

色調は透明度の高い濃いガーネット、粘性は高い。
メルローらしい茹で小豆やブラックベリーやカシスのエレガントな果実味。シシトウ、西洋杉、甘草、乾いた土や毛皮の香り。
香りはいわゆるメルロー。ただタンニンが柔らかく、酸味が非常に充実しているのが特徴的。ポムロールの分厚いワインとは異なる優しい味わいのメルロー。


生産者: 高畠ワイナリー(山形)
銘柄: アルケディア セレクトハーヴェスト 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン、メルロー、プティヴェルト

色調は濃いガーネット、粘性は高い。木材、甘草、タバコなどの風味とブラックチェリーやカシスの酸味を伴う溌剌とした果実味。ミント、ピーマン、小豆、徐々にチョコレートや燻製肉などの風味。
ボルドーを想起させる甘やかさがあるが、その中にシラーがブレンドされた様な酸味があり、研ぎ澄まされた印象がある。


全体的に国際品種のメルローやカベルネソーヴィニヨンでも、酸味がやや強くシャープな印象を与える所が非常に個性的ですね。
アルケディアにせよプライベートリザーブにせよ、どのワインもボルドーや新世界のカベルネメルローの様に重くせず(ならず)、酸味と軽やかさを押し出した作りになっていました。これは土壌、日商条件、高温多湿の気候に由縁するものであると共に、きっと生産者の意向もあるんでしょうね。日本食と合わせる事を想定すると海外のカベルネソーヴィニヨンやメルローは重すぎますしね。
ピノノワールはそもそもタンニンより酸味が前に出やすい品種なので比較的軽やかさとシャープさが出やすいのですが、それを考慮しても小布施のクレレは液体に濃度や重さを感じません。ブルゴーニュのピノノワールは凝縮感や密度を感じるのですが、こちらはその部分が意図的に切り抜かれているのかな。凝縮感や密度がない事で非常に澄んだ綺麗な印象を受けますねー。
こういうタイプのピノノワールもエレガントでいいですね。

無理にブルゴーニュやボルドーに追従しようとする訳ではなくて、ちゃんと産地の個性や日本食とのマッチングまで考慮してワインを作るきめ細やかさが「ああ、日本だな」という感じがしますね。

サンジョベーゼの本懐、モンテヴェルティネのワインたち。

こんばんは。
先日、エノテカさんでたまたまモンテヴェルティネの来日イベントが催されていたので参加してきました。

モンテヴェルティネはキャンティクラシコ中央部にあるワイナリー。現当主はマルティーノマネッティ氏。畑は標高400mに位置し、気候は冷涼。フラッグシップはサンジョベーゼ100%のレ ペルゴール トルテ。品種としては現在はキャンティクラシコの枠内に含まれますが、その名称は使用せず、1982年からはIGTとしてリリースされています。

今回は普及品のピアン デル チャンポロ、上位のモンテヴェルティネ、フラッグシップのレ ペルゴールトルテ2ヴィンテージをいただきました。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: ピアン デル チャンポロ 2010
品種: サンジョベーゼ 90%、カナイオーロ、コロリーノ10%

約3000円、WA89pt(2008)
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
全体的な印象はピノノワールに近いが、よりスパイシーでキャッチーな果実味がある。
鉄やラズベリー、スモモの清涼感のある果実味。そしてスミレの華やかな香り。ややタバコっぽいニュアンス。なめし革や濡れた樹脂、ユーカリ、クローヴなど。
酸が強く、旨味が非常に良く出ている。ややシンプルだが、価格を考えると非常に素晴らしいワイン。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: モンテヴェルティネ 2009
品種: サンジョベーゼ 90%、カナイオーロ、コロリーノ10%

約5200円、WA92pt(2008)
色調はやや淡いルビー、中間は濃い色調。粘性は高い。
同じく鉄の様な香りと凝縮感のある果実味が際立っているが、チャンポロと比較するとより力強いボディ。
ダークチェリー、アプリコットの瑞々しい果実味。
薔薇やスミレの華やかな香り。グローヴ、濡れた木材、ドライハーブ、茎っぽさ、ユーカリ。シナモンの甘みも徐々に現れる。
こちらも酸味が際立っており、溌剌とした印象。こちらも香りとしてはややシンプル。タンニンもしっかりしておりミディアムボディとしては十分に力強いといえる。
こちらも価格を考慮すると非常にお得なワインと言える。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: レ ペルゴーレ トルテ 2009
品種: サンジョベーゼ 100%

10500円、WA96pt
疑い様の無い素晴らしいワイン。
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
あくまでモンテヴェルティネの延長線上にありながら、香りが構成要素は全く異なる。
よりスパイシーで甘露な造り。ドライフルーツやダークチェリー、スモモなど干した果実の凝縮感。クローヴや紅茶、濡れた樹皮やシャンピニオンの風味を強く感じる。鉄っぽさや薔薇、茎。徐々にシナモン、バニラなどの甘やかな風味。
先述の2本と比較すると圧倒的に複雑かつキャッチー。
非常に澄んだエレガントな味わいだが、ボディも非常にしっかりとしており、酸味が充実している。
口にふくむと枯葉や梅しば、フレッシュなスモモの芳醇な旨味が広がる。とても素晴らしいサンジョベーゼだ。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: レ ペルゴーレ トルテ 2006
品種: サンジョベーゼ 100%

12600円、WA96pt
色調はガーネット、やや透明度は低い。
若干茹でた野菜の様な風味。より土っぽさ、濡れた樹皮、そしてコリアンダーや生肉の香りが前に出ている。ダークチェリー、スモモの果実味、クローヴ、ドライハーブ。そして徐々にシナモンの風味。若干シラーっぽいスパイシーさがある。
酸味やタンニンはやや2009と比べると際立っている。凝縮感もあるが、ややとげとげしい印象を受ける。複雑さで言えば熟成香が混ざったこちらが勝るが、あくまで現段階でいうと2009の方が素晴らしいと思う。


ピアン デル チャンポロ、モンテヴェルティネ、そしてペルゴール トルテの間には大きな品質の差があると感じました。
今回は特に各ワインのヴィンヤードに大きな違いは無い様なので、恐らく醸造と品種が品質の違いに大きく起因しているのではないかと思います。
そして、醸造ではルモンタージュ、ピジャージュ、マセレーション、除梗有無、抽出にも言及が見られなかった為、明らかな差は樽の熟成期間と使い方の違いなのかな、と思います。
そこで下記の通りわかる情報をまとめてみました。

【新樽比率】
不明(特にこだわっていない)

【樽熟成期間】
□ピアン デル チャンポロ(合計18ヶ月熟成)
スロヴァキアンオーク(18カ月)

□モンテヴェルティネ(合計24ヶ月熟成)
スロヴァキアンオーク(24カ月)

□ペルゴール トルテ(合計24ヶ月熟成)
スロヴァキアン・オーク(18カ月熟成)→フレンチオークのバリック樽(6ヶ月熟成:こちらは必ず新樽を使用)

【瓶内熟成】
すべて6ケ月

おそらく、ペルゴールトルテとその他のワインに大きな違いを与えているのが、フレンチオークのバリック新樽を6ヶ月使用している事でしょうか。これによって他に見られないバニラのニュアンスが与えられ、モンテヴェルティネより甘露な風味が前に出ているのではないかと思います。
そして、樽内熟成期間も同様でチャンポロとモンテヴェルティネの間には樽香の強さに大きな違いかあると思います。チャンポロが清涼感のあってドライ。モンテヴェルティネはより甘みを感じる造りでした。
つまりチャンポロ→モンテヴェルティネは樽香の強さが。モンテヴェルティネ→ペルゴールトルテは樽香のタイプが違うと。
それと、特に言及はないのですが、果実味もキュヴェごとにかなり違っていて、ある程度ペルゴール用などは選定はしているのではないかと思います。
そうでないと凝縮感の違いにつながらないので。

ちなみに、ペルゴールトルテのサンジョベーゼは硬質な鉄っぽさがあるんですが旨味の出方に関してはピノノワールにそっくりですね。新樽の使い方もあると思いますが。華やかさは劣りますが、果実味や旨味、凝縮感では決して負けていない。

2009と2006のヴィンテージの差についてはかなり妥当な熟成感というか、熟成香が普通に出ているくらいで、特に目新しい事項はありませんでした。
強いて言えば、もう少し熟成させてから飲みたいかな、ということと、3年で結構変わるな、という事くらい。

何回かペルゴールトルテは飲んだのですが、こうした形で並行垂直で飲むのは始めてなので、大変勉強になりました。

アルフレッド グラシアン2種とテタンジェ コレクションを利く。

こんにちわ。
今日はテタンジェのコレクションと、アルフレッドグラシアン2種をレポートします。

テランジェは1734年より続く老舗NMで1930年からテタンジェの名称でシャンパーニュを販売しています。自社畑は288ha。今回のコレクションは優良な年だけに生産される特別アートボトルで、世界の著名なアーティストが参加しています。1981年はアルマン フェルナンデス氏の手によるもの。同じ年のムートンのラベルも手掛けています。

アルフレッドグラシアンは1800年代からエペルネに本拠を構えるメゾンで、ブジー、アンボネイ、レ・メニル・シュール・オジェなどの自社畑1.73haと60を超える契約農家から葡萄を購入して醸造するネゴシアンスタイルをとっています。契約農家のものは試飲して品質チェックしています。樽内熟成はシャブリの生産者が使用した228リットルの旧樽を再利用する。バトナージュやマロラクティック醗酵は行わない。
フラッグシップのパラディはアヴィーズ、クラマンのシャルドネを65%使用しています。今回はブリュットミレジメ、パラディの2種です。


生産者: テタンジェ
銘柄: テタンジェ コレクション ブリュット 1981
品種: ピノノワール 60%、シャルドネ40%

約40000円、WA平均94点
色調は濃い茶がかった橙色。粘性は高く、泡は殆ど残っていない。
泡は抜け切っているものの、非常に甘露でコクのある味わいで、強烈なモカやシナモンの芳香と凝縮したドライアプリコットの果実味、塩で炒ったナッツや白檀の風味が際立つ。
アタックは甘露でアプリコットの心地良い旨味と酸味がある。
凝縮感があり、極めて品質の高い白ワイン。甘口のゲヴェルツトラミネールの様にアロマティックな熟成シャンパーニュ。


生産者: アルフレッド グラシアン
銘柄: アルフレッド グラシアン ミレジメ 1999
品種:シャルドネ63%、ピノノワール17%、ピノムニエ20%

約8000円、WA90pt
色調は輝きのある済んだストローイエロー、粘性は高め、泡は細かく立ち上る。
熟成シャンパーニュに見られる、焼き芋の様な甘いニュアンスが主体となっている。凝縮した旨味のある出汁、レモンや赤りんごや白い花の蜜、バニラ、バター、ドライハーブ、リコリス、ジンジャーブレットなど。
全体的に酸味の強い溌剌とした果実味が漲っており、その中に旨味や甘露さが包含されている感じ。
良く出来たシャンパーニュで繊細な味わい。深みのある複雑さが特徴的だ。


生産者: アルフレッド グラシアン
銘柄: キュヴェ パラディ 2005
品種:シャルドネ65%、ピノノワール35%

約15000円、WA92pt
外観は明るい黄金色、粘性は高く、きめ細やかな泡が力強く立ち上る。
ほのかに熟成した香りが感じられるが、やはりまだまだ若々しく溌剌とした印象。
しっかり筋の通ったミネラル。
レモンやグレープフルーツなどの清涼感のある果実味。旨味成分が漲っている。少しずつ、白い花の蜜やバター、バニラなどの甘みも現れてくる。フレッシュハーブ、石鹸の様な香り。
最初はやや酸味が強くフレッシュに感じるが、少しずつ柔らかになっていく、旨味やオレンジの様な旨味に切り替わる。ブラン ド ブランが如き風味。


さて、テタンジェですが、これはもうさすがという出来で。
経年によって泡は抜け気味ですが、その分非常にスティルワイン的なボディをしていると思いました。
ただ味わいは熟成したブラン ド ブランそのもの。アロマティックなモカの香りと豊満な甘みが特徴的でした。
やはりシャルドネはクラマンかアヴィーズあたりなのかしら。
熟成したシャルドネ主体のシャンパーニュはかなり注目ですね。
もともとシャンパーニュは熟成したものの方が好きなので、今後はもっと熟成ブラン ド ブランに注目して行きたいと思います。
次にアルフレッド グラシアンのミレジメ1999とパラディ2005。
ミレジメはヴィンテージシャンパーニュとしては比較的手に入れやすい価格帯でありながら、品質はかなり高いと思いました。全体的に溌剌した酸味がありながら、シャンパーニュのシャルドネ主体らしい甘露な味わい。
ヴィンテージの特性もあるかと思いますが、熟成を経ていながらも非常にしっかりした造りでいい感じ。
パラディは更にその上を行きますね。これが私が若いヴィンテージの方が好きっていうのもあるんですけど、ピュリニー的というかムルソー的というか、コント ド シャンパーニュの様なブラン ド ブランの様な風味があるんですよね。
これがフレッシュでありながら結構甘露で濃厚な味わいで非常に良い。
とりわけシャルドネが良く出来た年であるのと、アッセンブラージュがクラマンとアヴィーズである部分が大きいんでしょうかね。バタールモンラッシェにも似た特徴を備えているな、と思います。

シャンパーニュのヴィンテージの特徴としては99と05は下記の通り。
1999年、シャルドネ、ピノノワール共に良く出来た年。
2005年、フレッシュで伸びやかなシャルドネが良く出来た年。

だいたい特徴が合っていて安堵しました。
アルフレッド グラシアンはそこまでメジャーでない生産者ではありますが非常に品質自体は高いですね。
テタンジェは...まぁ手に入りにくいので、タイミングがあったらというところでしょうか。






新樽の魔術師の現在。エレガントで艶やかなエシェゾー、クロ ヴージョを利く。

こんばんわ。
ここのところ古酒ばかりを扱っていましたが、本日は新しいヴィンテージで。ドメーヌローラン、メチャクチャ美味かったです。


新樽の魔術師、ドミニク ローラン。
彼とその息子のジャンが指揮するドメーヌ ローラン ペール エ フィスのクロ ヴージョ、そしてエシェゾーの2銘柄です。
この2つの特級畑はエジュラン・ジャイエから譲り受けたもの。クロ ド ヴージョは最上の小区画と言われるグラン モーペルテュイとミュジニーに近い2ヶ所の計0.5ha。エシェゾーは小区画アンオルヴォーの単一小区画(0.26ha)のワインとなります。
2006年が初ヴィンテージ。
ドミニクローランを語る時「新樽の魔術師」「新樽200%」と枕詞がつく事が多いですが、現在は新樽比率を抑えたエレガントなワイン造りを行っています。栽培はビオディナミを用い、除梗なし、SO2は瓶詰め時にわずかに用いる程度、補糖なし等。より自然な造りを心がけているようです。
ちなみに新樽に拘らなくなった理由として、理想とする樽を自身で作り出す事に成功しているから、という話もあります。


生産者: ドミニク ローラン
銘柄: クロ ヴージョ シ ジェネリ グランクリュ 2009

約13000円、WA94-95pt
構成要素自体は似ているがエシェゾーと比べるとやや果皮成分が重い。
鉄っぽさやダークチェリー、ブルーベリーのやや果皮のタンニンを感じる果実味とスパイス。五香粉やオリエンタルなインセンス、シナモンが前に出ている。エシェゾーほど前に出ていない。薔薇やグローヴ、茎、シナモンやキャラメル、ローズヒップティーなど。
ややタンニンと酸が充実していてパワフルな感じ。エシェゾーと比べるとやや重めだが、非常に華やかである事は変わりない。


生産者: ドミニク ローラン
銘柄: エシェゾー アン オルヴォー グランクリュ 2009

約13000円、WA92-93pt(2008)
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。ベリーの伸びやかで煌びやかで強烈な芳香を放つ。
五香粉やオリエンタルなインセンス、シナモン。伸びやかなチェリーリキュール、ラズベリーの濃縮感のある果実味。ややミネラル感。スミレや薔薇の煌びやかな香り。キャラメルトースト、茎やグローヴ、やや鉄っぽさ、ローズヒップティー、シナモン。
タンニンは柔らかく、酸は充実している。樽香は徐々に落ち着いてきて、急激にベリーの果実の華やかな風味が現れる。
凝縮感はあまり無いが、しっかりした旨味を感じさせる目の細かい繊細なエシェゾー。


ちなみにアン オルヴォーは一級畑のオルヴォーの下部に位置するエシェゾーの小区画、岩の上に乗っている為ミネラルの風味に富むワインが作られます。
シ ジェネリは畑最上部グランエシェゾーの北側に位置するグランモーペルテュイの端と、グランエシェゾーの下部の区画(クロ ヴージョの中でもほぼ最上の区画と言って差し支えないレベル)をアッセンブラージュしています。
いやー、改めて地図を見ると本当に良い区画を持ってます...!
どちらも非常に優れたグランクリュですが、やはりエシェゾーの素晴らしさが際立ちますね。これは本当に美味しい。
こう、煌びやかに伸びていく果実味と華やかさはヴォーヌロマネならではですね。そしてオルヴォーならではのミネラルっぽさもしっかりあって、キチンと特徴を捉えた造りをしているな、という印象。
シ ジェネリは、煌びやかさやミネラルでいうとややエシェゾーに劣るのですが、その代わりに重々しさというか、濃さを感じる造りだと思います。

面白いのが立地ですね。
元エジュランジャイエ保有のグランモーペルテュイはグランエシェゾーに隣接しつつ、オルヴォーにも隣接しています。なので限りなくワインとしての質は近くなりそうなもんですが(日照条件、土壌など)、ワインのタイプとしては大分違う様に感じます。
これは幾つか予想ですが...

1:標高の差。
アンオルヴォー標高300m、グランモーペルテュイ標高260m。この40mの差によりアンオルヴォーの方がやや冷涼な気候となり凝縮感を生み出している。

2:グランモーペルテュイにアッセンブラージュされたクロ ヴージョの中腹の葡萄によるもの。
上部(石灰質)と土壌が異なる中腹(粘土質)の区画から取れた葡萄に起因するミネラル感の減少。保有区画の占有面積を見る限り50:50っぽいので大きな違いは出てくるかも。

3:生産者のテロワールの理解力
区画によって、わずかに仕込みを変えている?
個人的にはこの3つの要素が大きな違いを生み出しているのではないかと考えます。特に2。

もう少し突っ込んでいけば、もっと内容がわかるかもしれません。
しかし、本当に両方とも美味い。
ドメーヌローランのエシェゾーは本当に素晴らしいワインです。
今後もドミニクとジャンのドメーヌは注目ですね!



超絶古酒を味わう。(ブルゴーニュ白90年代)

こんばんわ。
休日はもっぱら酒を飲みながら3DSのブレイブリーデフォルトばかりやってます。この古い感じがいいですよね。FF3から6っぽくてしっくりくる。

今回も引き続き、ブルゴーニュの古酒です。ドメーヌ ドーヴネのムルソー ナルヴォー 1990、ルフレーヴのピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ ピュセル 1990の2本でございます。

ルフレーヴは言わずと知れた、世界で最も偉大なシャルドネの生産者。
フラッグシップの特級モンラッシェ、特級シュヴァリエモンラッシェ、特級バタールモンラッシェはさながらシャルドネの王たる風格と威厳を漂わせる。厳密なビオディナミ、収穫用具の醸造設備の徹底したクリーン化を行い、醸造における新樽比率は特級でも25%と抑え気味。1997年より全面的にビオディナミを採用し、丁寧に栽培された葡萄は1年の樽内熟成後、ステンレスタンクで熟成をしています。
今回は以前テイスティングレポートを書いたピュセルの1990年です。

ドメーヌ ドーヴネは、ラルー ビーズ ルロワが100%所有し生産するドメーヌです。メゾン ルロワはネゴシアン、ドメーヌ ルロワは髙島屋と分割所有していますので、ドーヴネこそがマダムの意向が最も色濃く反映されたドメーヌと言えます。それだけに値段は高く、希少性も非常に高いことで知られています。
栽培は勿論厳格なビオディナミによって行われます。除草剤、殺虫剤、合成肥料、その他科学的処置は行われておらず。伝統的な方法で瓶詰めされます。無濾過、無清張。新樽率は100%。
超低収量で木1本あたり4房、1haあたり16ヘクトリットル。不良果以外を取り除いたのみで除梗はしません。
今回はムルソーの村名指定畑名付きワイン、ナルヴォー。

さて、いってみましょう。


生産者: ドメーヌ ルフレーヴ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ ピュセル 1990

約41000円、WA88pt
外観は輝きのある中庸なイエロー、粘性は低め。熟成してなおミネラルは鋭く残っている。
出汁や塩ナッツ、ドライシェリーなどの風味が強い。カリン、ライチなどの酸味と旨味を感じる果実味。そして数分置くとその真価が現れる。バターやメイプルシロップの様な濃密な甘やかさ。蜜蝋。キノコなどの風味も。
ボディは軽めなのに、膜を貼るかの様に分厚い香りを持っている。
淡い色調とボディの軽さとあいまって、ルフレーヴならではの自然な凝縮感、密度、目の細かさが感じられる。かなり良い。


生産者: ドメーヌ ドーヴネ
銘柄: ムルソー レ ナルヴォー 1990

約63000円、WA88pt
流石はルロワ。半端なく素晴らしい。村名にしてこれだけのレベルに仕上げてくるとはため息しか出ない。
外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は高い。ミネラルはとても柔らかい。ムルソーの特徴を再現したとてもリッチでボリューム感のあるシャルドネ。
甘露なバニラやシロップ。そして完熟したマンゴー、黄桃。ハチミツなどの甘露な果実味、クレームブリュレ、ドライハーブ、白い花、白檀など。
すさまじく綺麗でエレガント。
香りは本当に凄まじいが、それに対して口当たりは羽が生えた様に軽やかで柔らかい。酸味も落ち着いておりバニラや豊満な果実味を楽しむ事が出来る。スター生産者の一級畑に肉薄する最高クラスの村名畑名ワイン。
感服致しました。


はい。
白はとても飲み頃でした。
まずルフレーヴですが、2000年代とはさすがに初動の熟成香と果実味は大きく違いますね。
若いヴィンテージはサーヴ直後はフレッシュな風味が主体で、徐々に甘くなるのですが、90年代は旨味や熟成香の後、甘みが来る感じ。
時間経過後のニュアンスの方向性は似ていますが、90の方が酸が落ち着いているだけに果実味や甘みは際立っている様に感じる。軽やかでクリーミー。そして熟成香による複雑味もあります。

ドーヴネのナルヴォーは驚異的な若々しさとリッチさ、ボリューム感。甘露で近づきやすい造り。果実の膨大な規模感。
果実味は突出している。
コシュデュリ90年代の村名ムルソーはより複雑で様々な要素が絡み合っていた。それに比べるとシンプルといえばシンプル。
ただ恐ろしいのが、グラスの中でいつまでも持続する所。コシュデュリも持続力があるといえばあるけど、精々40分程度。これがナルヴォーは1時間過ぎても形を崩さない。すごい。
恐らくは驚異的な低収量と古木に由縁する果実味によるものなんでしょうね。酸も柔らかくなっていて、こちらも丁度飲み頃といった感じ。

両方とも素晴らしい古酒でした。
ちなみにヴィンテージの1990年は90年代としては平凡な年ですから、より良いヴィンテージなら、この状態になるまでもっと時間がかかりそうですね。
そういう意味でいうと偉大な生産者の1990は今丁度いい感じかもしれません。




超絶古酒を味わう。(ブルゴーニュ赤70年代、80年代)


こんにちは。
本日も引き続きブルゴーニュの赤古酒で。前回は90年代のワインでしたが、今回は80年代と70年代を比較しています。
銘柄はフーリエのグリオットシャンベルタン1980、ドメーヌ ド ラ ロマネコンティのエシェゾー1972です。

フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ、品質を考慮すると、まだ良心的な生産者とも言えます。特にフラッグシップの一級クロ サン ジャック、そして特級グリオットシャンベルタンは毎年争奪戦です(手に入った事ありません)。
リュットレゾネで自然のまま栽培、摘房はせず摘芽で収量制限を行い、厳重に選果を行った葡萄を100%除梗、この手の生産者では珍しい20%の新樽比率で熟成させます。そしてノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め。いかに自然な果実の風味を大切にしているかわかりますね。今回はフラッグシップのグリオットシャンベルタンの1980年の古酒です。

DRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
その歴史は一冊本が出来るくらいなので割愛しますが、どのワインもブルゴーニュ最高の品質。お値段も高い事で有名ですね。現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名です。以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。保有する畑は特級エシェゾー、特級グランエシェゾー、特級ロマネサンヴィヴァン、特級リシュブール、特級ラターシュ、特級モンラッシェ、そして特級ロマネコンティです。2009年からは新たに特級コルトンをリリースしています。また各特級の若木を使った1級デュヴォープロシェなんてのもあります。
ヴォーヌロマネの特級およびモンラッシェではいずれも区画最大所有者となっています。
ちなみに自社で瓶詰めはされませんがバタールモンラッシェと一部ヴォーヌロマネの1級畑も保有しています。
基本的にビオディナミで栽培を行い馬を使って耕作をします。除梗はせず長い期間を32度から33度のマセラシオンを行ない、新樽100%で熟成を行います。清澄は卵白を使用して行います。
今回は特級としては最も安価なエシェゾー(小区画はレ プレレールとクロ サン ドニに約4.7ha)の古酒。


生産者: フーリエ
銘柄: グリオット シャンベルタン グランクリュ 1980

約58000円、WA91-93pt(2000)
凄まじい。これだけ素晴らしい熟成ブルゴーニュは今の所味わったことがない。
色調は非常に澄んだ輝きのある明るいルビー、粘性は高い。
香りは熟成感が強い。腐葉土や濡れた樹皮、トリュフなどの土っぽい香り。燻製肉、ベーコンなどの野生的な風味。そして驚くべきレッドカラント、サクランボ、梅柴の目の詰まった球体の果実味。
ドライフラワー、茎、グローヴ、甘草などのハーブや乾いた花。
ジュヴレとしての特徴は残っておりミルクティー、シロップ、ワッフルなどの甘やかさもほのかに感じる。
非常に複雑だが、突出した要素は少なく、全てが渾然一体となって芳香に現れている。
とてつもなく凝縮した旨味、目が詰まっている。
アタックは柔らかくシルキー。酸とタンニンがまさに旨味と完全に調和している。そして永遠に続きそうな余韻。神懸的である。
完璧に熟成した、完璧なグリヨット シャンベルタン。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 1972

約130000円、WA91-93pt(1978)
外観はやや橙がかったルビー、粘性は高め。
長期に渡る熟成によるものか、非常に複雑で難解なワインとなっている。
焼いた帆立、シャンピニオンを強く感じる。剥き出しの旨味。
やや落ち込んだ紫スモモの果実味。沢庵、かつお節、燻製肉の熟成香が中心となって構成されている。ドライハーブ、オリエンタルスパイス。そして炭焼きなど。
酸とタンニンは穏やかで、すべて旨味に溶け込んでいる。口の中でほっこりとした帆立の旨味が広がる。ワインというよりスープを飲んでいる感覚に陥る一本。余韻は長い。最新ヴィンテージとは全く印象の異なるワイン。


前回のポストから何度も同じ発言をしていますが、生産者の個性やヴィンテージ、畑のポテンシャルが違いますので、一概にこれと断定する事はできません。
その上でこの2回のエントリーをまとめてみます。



■90年代 (17年-18年)
熟成香主体で旨味も良く出ているが、酸、タンニン共に果実味に対して突出しているため、やや刺々しい印象を受ける。
ジョルジュ ルーミエ クロ ヴージョ 1995
エマニュエル ルジェ ヴォーヌロマネ プルミエクリュ クロパラントゥー1996

■80年代(33年)
熟成香主体で旨味がより強く現れている。果実味はより落ち込んでいるが、タンニン、酸は旨味に転化しきっているので、ざらつきや刺々しさはなく。
旨味の詰まった液体に。
フーリエ グリオット シャンベルタン 1980

■70年代(41年)
果実味、タンニン、酸はほぼ残っておらず、熟成香と旨味の柔らかいスープの様な状態。
DRC エシェゾー 1972

生産者的にはいずれも優れた生産者であり、また畑としてもポテンシャルとしては大きく違いはないのかな、と思います。(特徴は違います)
その上で、優れた生産者のフラッグシップである前提で、上記のグラフの様な経年変化となるのかな、と思いました。
00年中盤以降はまだ若々しくフレッシュな楽しみ方が、90年代は熟成始めでやや飲みにくく、80年代は旨味と果実味、そして熟成香の複雑さが絶妙なバランスで現れて、70年代はやや枯れ始める、という。
あくまで主観ですし好みにもよるので、あまり参考にしないでいただきたいのですが、やはりリリース5年以内、そしてリリース後30年前後の2回飲み頃が来るのかな、と思っています。
その間何回か飲み頃は来ているのかと思いますが、まあ、そこはちょっとわかりませんね。パターンが多すぎて。

ちなみに今回は個々の村の特徴は熟成香で覆い隠されてしまっているので、テロワールはあまり重要視していません。
またヴィンテージの特性に関しては、下記の通り。

1996年→95年には劣るが80年より良年。
1995年→90年代としては90,99に次ぐ良年
1980年→80年代としては85,89に次ぐ良年。
1972年→言及なし

という事を考えると今回パッとしなかったクロパラントゥーやクロ ヴージョは、もっと良くなる可能性は全然あるという事ですかね。
ちょっと今の時期に飲んでしまった事は残念でしたか、また次に機会があったらより熟成を経たものを飲んでみたいですね。

最後にあくまで個人的な感想。
フーリエのグリオットは本当に凄かった!これだけの品質の古酒はなかなかないんじゃないかな、と。
澄んだ綺麗なルビーカラーもあいまって、本当に宝石の様な古酒だったと思います。DRCも決して悪かった訳ではなく、旨味の詰まった滋味溢れる素晴らしい古酒だったと思います。
今まで古酒より断然新しいヴィンテージのフレッシュな果実味や官能的な樽香が好みでしたが、古酒の良さにハマってしまいそうですね。
素晴らしかったです。

長い文章お付き合いありがとうございました。





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超絶古酒を味わう(ブルゴーニュ赤 90年代)

こんにちは。
今回はブルゴーニュ赤古酒、ジョルジュルーミエのクロ ヴージョ1996、エマニュエル ルジェのクロパラントゥー1995です。

ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限、そして無清張、無濾過で果実本来の力を引き出す造りをしています。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率となります。フラッグシップは幻とも言えるミュジニーグランクリュを筆頭にボンヌマール、レ ザムルース。今回は1995年以降ローランルーミエに譲渡した為現在のポートフォリオには含まれていないクロ ヴージョです。

エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ トップクラスの生産者である事は間違いないでしょう。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。
フラッグシップはエシェゾーと一級レ ボーモン。そしてまさに旗艦銘柄に相応しいアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥー。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 1996

約63000円、WA89-91pt。
色調はエッジに橙を帯びたルビー、粘性は中庸。
香りは大きくは立っていない。
綺麗な熟成香が強く出始めており、クロヴージョとしてのキャラクターは弱くなっている。
ベーコンや生肉、沢庵。トリュフや濡れた樹木、腐葉土、タバコの香りを主軸として、グローヴ、リコリスなどのスパイス。ドライフラワー、焼いた藁などのアロマ。紫スモモの果実味がある。白カビやドライハーブの風味も。
タンニンも酸も共に力強く若干トゲトゲした感覚がある。
やや果皮の厚い紫スモモの旨味が口の中で広がる。
エレガントだが、更なる熟成によって素晴らしい味わいに転化するだろう。


生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 1995

約130000円、WA93-95pt(1996)
色調は澄んだ濃いルビー、粘性は高め。
こちらもやはり熟成香が中心となっていて、先日のメオカミュゼのクロ パラントゥーとは全く異なる印象を受ける。
コリアンダーやシベットの強烈なインパクトを感じる芳香。
そしてドライハーブやグローヴ、スパイシーな燻製肉など野生的なアロマ。ドライフラワー、梅柴、紫スモモなどの凝縮した果実味がある。枯葉、腐葉土、トリュフなどの大地香はやや控えめ。時間が経過するとシナモン、チョコレート。そして乾いた藁、粘土、紅茶、コンソメが現れる。
凝縮感と熟成香は強烈で、酸とタンニンが堅固。口の中でやや荒っぽい梅柴風味と旨味を感じられる。こちらもクロ ヴージョ同様、更なる熟成が必要となるだろう。


(熟成的な観点)
ともに熟成過程で未だ本領が発揮されていない感じ。
タンニン、酸ともに荒々しく、ボディはしっかりしていたので、あと5~10年は待たないといけないかもしれません。タンニンと酸が旨味と熟成香に転化して果実味がまだ残っている状態になればきっと美味しいのだろうな、と思いました。
現状としては熟成香とタンニンの刺々しさ、酸のキツさがやたらと目立つワインだと思いました。ただその中にあるエネルギーや複雑さは、やはり他のブルゴーニュとは群を抜いている感じはしましたね。


簡単にブルゴーニュピノノワール限定で熟成チャート作ってみた。
もちろん生産者、ヴィンテージ、畑によって全然違うんだけど、なんとなくこんな感じの推移で、こんな感じの時が飲み頃的な感じ?的な所をまとめてみました。割と適当なんですが...。


(畑の立地的な観点)
熟成香が強く出ていた為、あまり畑の個性は感じ取る事が出来ませんでした。
ちなみにルーミエのクロ ヴージョの立地はフラジェエシェゾー寄りで海抜240m~260m(下部、中部)に0.53ha畑を所有しています。立地としては結構平凡な立地になります。とはいえかなり力強い骨格を持っていて、荒いタンニンは現在のルーミエからはちょっと想像しにくいなぁ、という気がしました。現当主のクリストフは92年からジョルジュルーミエの指揮をとっていますから、このクロ ヴージョもクリストフの手によるものでしょう。
そもそもこの頃の若い状態でのルーミエのワインを飲んだ事が無いので何とも言えませんが、強いて言えばクロ ド ラ ブシェールに近いでしょうか(ただタンニンはもっときめ細やかだし、酸も奇麗です。)
クロ パラントゥは説明不要ですね。リシュブールの上部、プティモンに隣接している畑です。
こちらでも詳しく書きましたのであまり言及はしませんが、元々比較的冷涼な気候でミネラル分が豊富な立地の為硬い印象を受けますね。ただメオカミュゼとエマニュエルルジェではタイプが全く異なるし、ルジェの1995の若い状態のワインを飲んだ事がないので何とも言えない・・・

正直な気持ちとしては美味しいか美味しくないかと言われれば「ううん?」としか答えられないですね。とても偉大なワインである事は良くわかるのですけど、まだ、全貌は表してない感じですね。
もう少し時間を置かないと奇麗な形にはならないかもしれません。

超絶古酒を味わう。(カリフォルニア)

こんばんわ。
今回から連続3回で古酒特集です。
一回目は新世界カルトワイン、シネ クア ノンの白とマーカッシンのピノノワールです。

シネ クア ノンはマンフレッド クランクルが運営するサンタバーバラの生産者。ポートフォリオはイマイチ掴み難いんですが、僕の知ってる限りだとグルナッシュ、シラー、シャルドネ、ルーサンヌ、ヴィオニエ、それらの混醸、そしてフラッグシップのイノーギュラル。南仏の匂いのするカリフォルニアカルトの生産者ですね。
初リリース以降キュヴェ別にラベルは毎年異なるデザインが用いられ、同じラベルは二度と使用されません。
しかもそのラベルがまたカッコいいんですよね。スクリーモとかメタルコアバンドのジャケットデザインっぽい。
今回はシネ クア ノンの白。品種はルーサンヌ、ヴィオニエ、シャルドネの混醸。

マーカッシンは女傑ヘレン ターレイ、ハイジ パレットが運営するワインメーカー。ソノマからカリフォルニア最高のピノノワールを送り出す。ワインジャーナリスト山本昭彦氏曰く、その佇まいはラルービーズルロワに似ているという。なるほど、このカリスマ性は確かにその通りだと思う。
ビオ、新樽、抽出度合は不明ですが、ヴァンダンジュヴェールトはしっかりと行われているようで、収量を極端に制限し糖度の高い葡萄を作っています。その制限によって生産できるケースにして2500cs以下。
どことなく抽出は強めで、樽はあまり使っていないのかな、という印象です。ソースが無いので微妙なんで誰か教えてください。樽は多分40-50%くらいかしら。
今回はソノマで最高の畑に数えられるブルースライドヴィンヤードを。


生産者: シン クア ノン
銘柄: バックワード アンド フォワード 1998
品種:ルーサンヌ 30%、シャルドネ 40%、ヴィオニエ 30%

約27000円、WA89-92pt
色調は濃い黄金色、粘性は高い。
こちらも焼き帆立や出汁の風味が強い。
バニラの風味や石灰っぽい強烈なミネラル感、粘土、カリン、マンゴーの豊満な果実味が渾然一体に立ち上る。白い花、蜜蝋、ドライハーブの熟成香。バター、白檀、あとから甘露なシロップ香が現れる。風味や味わいはルーサンヌやシャルドネが強く、ギガルのエクスヴォトを想起させる。
酸味は際立っており溌剌としている。濃密感がありエレガント。口の中で凝縮した果実味と旨味が現れる。


生産者: マーカッシン
ブルースライド リッジ ピノノワール 1999
品種:ピノノワール 100%

約37380円、WA98pt
澄んだ橙を帯びたルビー、粘性は高い。
いわゆるカリフォルニアのピノノワールだが、過熟的な所は無くてネガティブな要素は排除されている。
強固なミネラル感。
オレンジピールのニュアンス、溌剌としたアメリカンチェリー、ブルーベリーの凝縮した果実味。黒オリーブ、煙草や乾いた土の大地香。シナモン、ドライフラワー、なめし革。グローヴや茎、焼いた藁など。
ブルゴーニュを想起させるエレガントさがあるが、ウィリアム セリエムと異なり基本的にはカリフォルニアのピノノワールの構成要素。果実の豊満な甘やかさがある。
しかしながらしっかりした酸味が際立っており、シャープでミネラリーな印象を受ける。酸味が柔らかいカリピノと一線を画す。


さて、まずシネ クア ノンのバックワード アンド フォワード。
ギガルのエルミタージュ ブランにそっくりの甘露な白でした。そしてとにかくびっくりするほど若い。
ギガルのルーサンヌ、マルサンヌはそれこそシャルドネを想起させるような風味でしたが、こちらは本当にシャルドネが入っています。
それと甘露でありつつ酸味がしっかり前に出ているのは、おそらくヴィオニエ由縁でしょうか。ルーサンヌはあまり酸味が強く出た経験はないですし、サンタバーバラのシャルドネも同様に気候的に酸味が強く出る事は無いと思いますので。
しかし驚きなのが、このとろみと濃縮感、果実味ですかね。この点に関してはよく出来たバタールモンラッシェみたい。あくまでリッチさがメインでありながら、酸とミネラルが屋台骨を支えています。詳しい醸造テクニックや栽培方法は不明ですが、偉大なワインである事は間違いないと思います。
まだまだ熟成しそうですね。

マーカッシンのピノノワールも非常に素晴らしかったです。熟成香はありますが、こちらもかなり若い印象。
あくまで主軸はカリフォルニアのピノノワールでありつつ、悪い部分は排除し、溌剌とした果実味と甘露さ一辺倒にならず、しっかりした酸味とミネラルが存在している。
むしろ、これぞカリフォルニアピノノワールと言っていいと思う。こういう産地に個性が欲しかったんだよ!と唸ってしまった。
コスタブラウンなどと同じタイプの素晴らしいカルトピノノワール。

うーん、こんなに美味しいのだから正直醸造や栽培に迫って行きたいのですが、残念ながらどこにも記載が無いので感想だけに止めます...
いやー、両方とも本当に良かったっす。美味いわ...




ロシアンリバーから生まれる超絶ピノノワール、ウィリアムズ セリエムのシングルヴィンヤードを利く。

こんばんわ。
本日は人間ドックいってきました。
人生で始めてバリウムなるものを飲みましたが、アレはイカンですね。
それに酒も当日翌日は飲めなくなるとか...イヤイヤ、ホントカンベンしてください。この二日間何を楽しみにすりゃいいんですか。

さて、今回はウィリアムズ セリエムのバーチカルテイスティングです。

ウィリアムズ セリエムはいわゆるカリフォルニアカルトの生産者、そしてカリフォルニアピノノワールの先駆者です。冷涼でピノの栽培に適したロシアンリバーバレーを拠点として、ピノノワールとシャルドネの傑作ワインを作り続けています。
フラッグシップはシングルヴィンヤードシリーズ。
抽出はやや強めで新樽は60%程度、残りは旧樽を使用しています。
栽培に関しては特に言及されているソースはありませんが、自社畑と買い葡萄の2パターンがあるようです。

しかしウィリアムズ セリエム。
とてつもなくデリケートでエレガントなブルゴーニュらしい作り。
驚くくらい素晴らしいピノノワールです。
正直最初に口に含んだ時に「ニュイ サン ジョルジュみたい!」と思いました。ではいきましょう。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1993

約17000円、WA87pt
色調は淡いルビー、粘性は高い。
一番綺麗に熟成している。しっかりしたミネラル感もある。
最初からフルパワーで綺麗な香りが充満している。
土っぽい香り、腐葉土、トリュフ。
梅柴、紫スモモの凝縮した旨味と果実味。そしてドライフラワー、紅茶などの枯れた風味と燻製肉の熟成香、微かにローストしたカカオ豆。
これらの要素がいずれも突出することなく、整合性を保った状態で芳香する。
茎、グローヴ、甘草、ローリエなどのアロマがある。
酸味もタンニンも柔らかい。
だがしかし強烈な熱量を核に持った凝縮感。素晴らしい古酒。熟成感はかなりあるんだけど、この力強さはなんなのか。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1994

約26000円、WA87pt(1993)
色調は淡いルビー、粘性は高い。
こちらもしっかりとした熟成香。やや粘土の様な香り。
最初はやや熟成香が過剰だったが、時間を追うにつれて凄く良くなった。
熟成香は落ち込んでバランスが取れて来る。ミネラル感はボチボチ。
甘やかな果実味とほのかなキャラメルやシナモンのロースト香があり、梅柴、紫スモモの凝縮感がある果実味。やや枯れたスミレや薔薇。腐葉土、紅茶、燻製肉、ローズヒップティー、グローヴ、くきっぽい香り。
やや果実味の香りが前に出ている。
酸とタンニンは比較的柔らかいが03と比べるとタンニンがやや強めだけど、核にある凝縮感はやや抜け気味。
それでも十分に凝縮した果実味と酸味を感じる。こちらもパワフルで心地よい作りだが93のバランス感と凝縮感と比べると劣るか。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1995

約26000円、WA87pt(1993)
色調は93,94と比べると濃いルビー(それでも薄い)、粘性は高い。
力強く果実味が残留しており、僅かにローストしたような果実味がある。
シナモン、チョコレート、キャラメルなどの甘やかな心地よいロースト香。
より果実の香りが鮮明で、紫スモモとダークチェリーの深みのある果実味。凝縮感も03同様に強い。
萎れたスミレや薔薇。03ほどではないが腐葉土、トリュフなどの大地香。
燻製肉、濡れた犬。ローズヒップティー、シナモン、グローヴ、ナツメグなどのスパイス。
タンニン、酸ともに柔らかいが、他のヴィンテージと比べると酸とタンニン、アタックは強めに感じられる。
こちらも卓抜した凝縮感のある果実味。アルコール度数もあいまって、最も大きなスケール感を持った「ブルゴーニュ的な」ワイン。


いやいや何度も言いますが、本当にブルゴーニュと見間違うばかりのエレガントで綺麗に熟成した素晴らしいピノノワールでした。
普通にブラインドで利いたら確実にブルゴーニュと回答しそうな出来。
過熟感や豊満なリッチさではなく、一本筋の通った凝縮感を感じる作りでした。

ヴィンテージで言うのであればノースコーストとしては93が素晴らしく、94、95が同程度で93と比べるとやや見劣りするというレベル。
しかしながらそんなヴィンテージ比較とは関係なく95が最もビッグなワインの印象を受けました。これはこの3本の中で最もアルコール度数が高い(14.0%)ことに起因しているのだと思います。(ヴィンテージとしては良くないが、糖度の高い葡萄が出来たのだろうか)
ヴィンテージが一番若いのもあると思うのですが、しっかりと果実味が残っているし、樽のロースト香もしっかりと効いています。ただしタンニンも酸もやはり強めの印象で、若干熟成が足りないのかな、と思います。
また...94は3本の中でもちょっと異質。
液体の密度は95,93と比べるとやや薄く、ミネラル感も希薄なので、ややぼんやりとした印象のワインになっています。ちなみに94は最もアルコール度数が低く13.0%となっています。
最後に93。こちらは極めてすべての要素のバランスが良く、最もブルゴーニュ的と言える作りとなっていました。
シルキーな口当たり、芳醇な大地香、香りの複雑さ。ブルゴーニュのスター生産者が作る特級や一級クラスの液体のきめ細やかさや凝縮感。アルコール度数は94に違い13.2%だけど、こちらは本当に綺麗に熟成を経ている印象。
これらから行くと、現段階では93>95>94ですが、俯瞰してみるといずれのヴィンテージも安定して素晴らしかったと思います。

マーカッシンもカレラもコスタブラウンもピノノワールとしては素晴らしいですが、最もブルゴーニュ的である、という側面で語るのであれば、間違いなく、ウィリアムズ セリエムがそれに当たると思います。

ニュイ サン ジョルジュ、全く特徴の異なるグリヴォーの村名とシュヴィヨンの一級を利く

こんばんわ。
雪すごいですね、こんな寒い日は家でゆっくりテレビでも見ながら酒でも飲むのが一番ですね。
本日はニュイ サン ジョルジュの比較です。生産者はジャン グリヴォとロベールシュヴィヨン。
今回は理論に裏付けが出来たので非常に有意義だったと思います。

ジャン グリヴォーはヴォーヌロマネに拠点を置く、近年評価が高まっているドメーヌ。一時期ギィアッカをコンサルタントに迎え強すぎる抽出で評価を落としたものの、現在はリュットレゾネでの栽培や、一部の畑は馬での耕作を行いながら、収量を引き下げ続け、2000年半ば以降は品質を高め続けている。除梗は100%、新樽率は40%-70%。樽業者は4社を利用している。
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュに拠点を置く老舗ドメーヌで、1977年からネゴシアンに販売していた葡萄を全てドメーヌ元詰に切り替えています。
リュットレゾネ、ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、80-100%の除梗を行い、低温浸漬は行わない。一級の新樽率は30%と低め。ノンフィルターで瓶詰め。


生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ レ シャルモワ 2005

約8000円、WA87-88pt
色調は濃いルビー、粘性は高い。
燻製肉、ローストした樫やシナモン、シャンピニオンや過ぎた抽出を行った紅茶。そしてダークチェリーやブルーベリーの黒い果実味が主体となる。スミレ、ドライハーブの様な香り。グローヴや
黒系果実の瑞々しさを垣間見せるが、基本的には非常に力強いボディのワイン。タンニンは充実しているし、酸も力強い。
村名としては十分に及第点となる、良き村名ワイン。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ロンシエール 2010

約7000円、WA90-91pt
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。どこかヴォギュエっぽいタッチの味わいがする。
スミレや薔薇の香りが強い。アメリカンチェリー、フランボワーズの深く濃い果実味。グロセイユなど基本的には赤い果実の味わいを感じる。やや茎や若葉、土の香りも感じる。甘やかなシロップ、なめし革、松、後追いで強烈な甘みが来る。樹皮、シナモン、グローヴ、甘草など。
酸もタンニンも強いが、とにかく華やかで果皮のエレガンスを強く感じる。スミレの香りが口内に広がる。


村名畑と一級畑の違いもありますが、今回は何よりも新樽率と低温浸漬の有無が大きな違いを産んでいると考えます。方やギ アッカがコンサルタントをしていた時ほどではないにせよ、比較的抽出の強いジャン グリヴォと低温浸漬をそもそも行わないロベールシュヴィヨン。
グリヴォーは抽出が強い事により比較的黒系果実の渋みや煌びやかさ(リッチな感じ)が出ていて、シュヴィヨンはより赤系果実とスミレっぽさが強く出ているような気がします。
これは同じく低温浸漬を行わないヴォギュエや他のガメイなどにも見られる特徴だと思いました。
畑の特徴としては...まあ、いいですかね。比較出来ませんし。
プリュリエやアンリ グーシュのポレ サンジョルジュに挟まれた立地なんで、かなり良い立地ではありますね。土壌も近いでしょう(投げっぱなし)

とりあえず今日の所の整理としては...
1: 古木、収量、日照条件...果実の甘みや凝縮感、タンニンなど
2: 新樽率...ロースト香、樽の甘み、えぐみなど
3: 低温浸漬...果皮成分の違いによる果実の風味の違い。タンニンやリッチさ。
4: 土壌、地層、気温...ミネラル、複雑さ、酸など。
こんな感じかな、と。間違っているかもしれませんが、実体験に基づくレポートなんでそう大きく外してる事は無いかと...今度飲む前に生産者の醸造とかを先に見ておいて答え合わせでもしましょうかねー。

しかしワインエキスパート関係ないのばっかりですねー。ちゃんと勉強しないとな...実はあまりやる気が起きない...

毛並みの良さとセカンドらしい穏やかさが同居したシャペル ド ミッション 2006

こんばんわ。
今日は古酒を沢山飲んで来ました。
ブルゴーニュとカリフォルニア中心で。非常に貴重な銘柄も飲めたのでとてもいい経験になりました。
追ってブログでも書いて行こうと思います。本日飲んだ分に追いつくまで3エントリーくらいストックがありますので、ゆっくり更新していきたいと思っています。

さて、今回は久々のボルドーです。
年末にセラーから引っ張り出して開けたもの。

シャペル ド ミッション オーブリオンはラ ミッション オーブリオンのセカンドラベル。ファーストラベルはグラーヴの特級銘柄で、オーブリオンに隣接するシャトーで超近代的な生産、醸造を行っています。コンピュータプログラムで管理する発酵タンク、瓶詰めラインを導入して品質を保っています。新樽率は100%。
このセカンドラベルは1992年からラ ミッション オーブリオンの品質を保つ為にポートフォリオに加えられました。
所有者はクラレンス ディロン。


生産者、銘柄: シャペル ド ミッション オーブリオン 2006
品種: メルロー 60%、カベルネソーヴィニヨン 40%

約9000円、WA89pt
色調はやや橙を帯びたガーネット、粘性は高い。
西洋杉や濡れた土を感じさせるかなり良質のボルドー。きめ細やかな芳香。
ブラックベリーやクレーム ド カシスの甘やかな果実味と西洋杉や腐葉土、タバコなどの大地香やミント、ラベンダー、カカオやコーヒーなどの樽香、リコリス、ゴムなど。
タンニンや酸味はかなり柔らかく、シルキーな口当たり。野生的な味わいだが、パワー感よりエレガンスが強く感じられる。

メドックのグランクリュクラッセの様な良いグラーヴでした。パワー感に若干不足はありますが、要素がエレガントなんで、あまり不満足は感じないですね。
グラーヴは表土が砂利質で、粘土、石灰で、普通に考えるとカベルネソーヴィニヨン主体になりそうなもんですが、意外と砂利質以外の土壌も多いらしく、メルローの作付け面積も広いみたいです。
ボルドーのわからないところは各々のシャトーの敷地内でML,CS,CF,PVが好き勝手作られてる所ですよね...土壌にあまり関連してこないという...。多分シャトーの土壌ごとに得意な品種はあるんでしょうが、あんまり表に出てこないんですよね。右岸は砂礫か砂利でカベルネソーヴィニヨン、左岸は粘土でメルロー。そんな感じで単純に割り切れないんですよね。
いっそカベルネソーヴィニヨンだけにしちまえよとか思うんですが、そこらへんはリスクヘッジというか、カベルネソーヴィニヨンがダメな年でもメルローが上手く出来る時もあるんで、まあ、つまりはそういうことなんでしょうね。
色々調べても結局シャトーの手腕に全てを覆されてしまうんですが、それはそれでアッセンブラージュの妙が見れて面白いですね。天候とアッセンブラージュを注視していればボルドーも理解しやすいのかな。


フランソワ フュエ、安定した品質のヴォーヌロマネ村名とエシェゾー。買収前のジャッキー トルショー クロ ソルベも利く。

こんにちわ。
今回はフランソワ フュエの村名ヴォーヌロマネと特級エシェゾーです。
ここ4回のドニモルテ!ヴォギュエ!ドメーヌ メオカミュゼ!ルイジャド!コシュデュリ!そのフラッグシップ!
...みたいな豪華さはありませんが、個人的にとても気に入っているドメーヌです。ダヴィッドデュパンが作ってるというのもあるし、あとお値段が比較的良心的なのがいいですよね。

フランソワフュエ。
醸造責任者は若き天才醸造家ダヴィッド デュパン。アミオ セルヴェル、ラルロ、ジャイエ・ジルで修行後、協働組合に葡萄を売りながら、メタイヤージュとしてフランソワフュエのワインも任されています。ラベルは異なりますが、中身は一緒です。(ポンソとシェゾーみたいな関係ですね。)
フランソワ フュエは2006年から有機栽培を始めており、ビオロジックを実践。デュパンならではのペディセル処理(大きな茎は取り除くが、小さな軸はそのまま使用する)で自然で高品質なワインを作ります。フラッグシップはクロ ド ラ ロッシュとエシェゾー。

ちなみに余談ですが、ドメーヌを調べている中で、先日飲んだジャッキー トルショーのクロ ソルベが、現在はフランソワ フュエが保有しているというに驚愕...たまたま4月ごろに飲んだんだけど...おお、偶然にも程がある。感じは全然違うんですけどね...。


生産者: フランソワ フュエ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 2009

色調はやや濁った明るいルビー、粘性高め。
抜栓直後はブレタノ系の強い刺激臭があるが、徐々に香りが現れ始める。
この生産者特有の非常に華やかで瑞々しいストロベリー、アメリカンチェリーの果実味と薔薇やラベンダー、茎、若葉の芳香。そして甘やかなシナモンやなめし革、グローヴ、シロップの様なほのかな甘やかさを感じる。
タンニンより酸味が際立っている。エレガントで華やか。
非常に綺麗な旨味とバランス感がある。この生産者のエシェゾーはとても美味いが直系の旨さか村名にある様な気がする。


生産者: フランソワ フュエ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2009

色調は透明度の低いルビー、粘性は高い。無清張かも。ややミネラル感。
澄んだ凝縮感のあるダークチェリーやラズベリーの果実味。タイプとしてはルソーなどの果実味に重点を置いた作り。そして茎、若い葉、樹皮。
やや大地香。ベーコン、生肉などの野生的な香り。グローヴ、甘草。華やかな薔薇、スミレなど。僅かにシナモンやバニラの風味。
酸味やタンニンは柔らかく、果実味に寄った味わい。

フランソワ フュエのエシェゾーはレ ルージュ デュ バに0.5ha保有しています。エシェゾー デュ ドスュの上部に位置する小区画で表土が薄いプレモー石灰岩。メオカミュゼが保有している小区画と同じですね。
村名も個人的感覚からいうと非常に良くできているのですが、エシェゾーは流石にいいですね。
村名もエシェゾーも共に明るく柔らかい果実味があるのですが、エシェゾーの方がよりタンニンが強めですね。強めと言ってもさほどではないのですが。グッと落ち着いた感じで、より果皮の風味が前に出ているかな、と。
樽は弱いし全体的にとても瑞々しくてエレガントなワインだと思いました。
例年エシェゾーの方が甘いのですが、以外にも09は、村名の方が甘みを感じました。


...ちなみに折角なんでジャッキー トルショーのクロ ソルベも入れときます。(※フランソワ フュエのクロ ソルベはこちらをご覧ください。)

生産者: ジャッキー トルショー
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ソルベ 1983

色調は意外と若々しいルビー、エッジは橙を帯びている。粘性は高め。
歴然とした古酒だが、香りは非常に強い。沢庵、紅茶や腐葉土、梅柴、紫スモモなどの強い果実味。オリーブ、ドライフラワー、トリュフ、ニンニクで炒めたベーコン、生肉、グローヴ、オリエンタルなインセンス、ゴムなど。
酸味、タンニンともに流石に穏やかで柔らかい。
かなり熟成感があるが旨味が鮮明でなかなか良い出来だと思う。


こちらは畑も木も全く一緒とはいえ、生産者も古酒とヴィンテージも大きく違うので、比較は出来ませんね。
ただ、両方ともとても良い出来で、フランソワ フュエのワインはやっぱり瑞々しくて明るい果実味のあるモレ サン ドニを作っていると思います。
ジャッキートルショーは30年経過してもこれだけの果実味を残している事から、大元はかなり強い酒質だったんじゃないかな、と思います。
こちらは古酒としても非常に複雑な要素を持っていて、熟成香が主体とはいえ、よく重さと複雑さのバランスが取れているんじゃないかなーと。
正直この生産者、私あんまり知らないんですが、かなり品質の高いワインを作る生産者だったんじゃないかな、と推測しています。

そんな感じです!

 


ボーヌ頂上決戦、ジャドのシュヴァリエ、コシュデュリのペリエールを利く。


こんにちわ!
本日はブルゴーニュ白、ルイジャドのシュヴァリエ モンラッシェ レ ドゥモワゼルとコシュ デュリのムルソーペリエールです。

ドメーヌ ルイ ジャドは1859設立老舗ネゴシアンのドメーヌ部門。1970年から現在に至るまで天才ジャック ラルディエールが醸造責任者として指揮を取り、その評価を非常に伸ばしている。
葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為マセラシオン ア フロワも、ルモンタージュも行わない。プレス後、果皮や種子の果帽が崩れるまで発酵を行い、新樽率は平均30%-40%前後とやや低め。今回のシュヴァリエ モンラッシェ ラ ドゥモワゼルは、ルイジャドの通常のシュヴァリエ モンラッシェと比べると遥かに優秀な1ha程度の小区画でルイ ラトゥールとともに占有している。
フラッグシップは枚挙に暇がないが、強いて言うならクロ ド ベーズ、シャペル、クロ サン ドニ、ミュジニー、ボンヌマール、クロ ヴージョ、エシェゾー、アムルーズ、クロ サン ジャック、レ ドゥモワゼル、コルトンシャルルマーニュ。

またコシュ デュリはブルゴーニュ白において最高の品質を誇るドメーヌ ルフレーヴ、コントラフォンと並ぶ大スター生産者。
この生産者の最大の特徴は「ブルゴーニュ白の最高品質」と「希少性」です。まず、普通にショップを見て回ってもまず見つけられない、ネットでもプレミア価格でべらぼうな金額で無いと手に入れる事が出来ない...(ちなみにブル白で10000円でした、ありえない。) 希少性だけだったら正直どうでもいいのですが、品質もブルゴーニュ白のトップクラス。こんなに美味いのに手に入らないのはもう拷問。
ちなみに栽培や除梗有無はあまりよくわかりませんでした(というか特別な事はしていない様です)
強いて言うなら畑は鋤で耕す。白葡萄はしっかりと破砕する。新樽率は25%以外。無濾過。こんなとこです。
フラッグシップはコルトンシャルルマーニュ、ムルソー1級ペリエール、ムルソー一級ジュヌヴリエール。今回はペリエールを頂きました。

それではいってみましょう。


生産者: ドメーヌ ルイ ジャド
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ レ ドゥモワゼル グランクリュ 2010

53000円、WA89pt(2009)
色調は淡いストローイエロー、粘性は非常に高い。
石油を思わせる様な超強固なミネラル。その点で言うならばペリエールを優に超える。
石油、塩ヘーゼルナッツ、シャンピニオン、エシレバターの強烈な芳香が漲っている。そしてシャサーニュの様に豊満でふくよかで酸が豊かなリンゴやカリンの果実味。甘露なシロップや杏仁豆腐、シナモン。フレッシュハーブ、白胡椒、ジンジャーなど。
切り立った酸味とミネラル感が特徴的でそれと同時に清涼感のある液体。濃度も高くミネラル感も半端ないのだが爽やかなカリンとリンゴの風味が際立っている。
素晴らしいシュヴァリエモンラッシェ。

生産者: コシュ デュリ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ
ペリエール 2010

58000円、WA94-97pt(2009)
澄んだ濃いめのストローイエロー、粘性は低め。
石灰を砕いた様な強烈なミネラル感。そしてローストナッツ、焦がしバター、杏仁豆腐。洋梨、青りんご、ライチの甘やかな果実味のニュアンスか強く現れる。徐々にシロップ、花の蜜。脇を固める様にフレッシュハーブ、イースト、アスパラガス、シャンピニオン。白い花、ミント。
とにかくムルソーとしては異質な程、酸味とミネラルが鋭くシャープ。半端なく果実味が濃縮している。
しかしながらムルソーとしての個性はしっかりと残っておりオイリーで豊満を残す。さすがコシュデュリ。熟成をして本当の個性を表すが、若くてもそのポテンシャルは十二分に現れている。



ルイ ジャドのシュヴァリエ モンラッシェ レ ドゥモワゼル、コシュデュリのムルソーペリエール。何れもコート ド ボーヌのシャルドネとしては硬質なミネラル感を表す畑ですね。
ムルソーはミネラル感よりリッチさやボリューム感が現れるワインですが、ペリエールのみ抜きん出たミネラル感が見られる様な気がします。
ドゥモワゼルがあるピュリニーは、そもそもミネラル感が強く、中でもシュヴァリエは特にそうした傾向が強く現れるようです。


ムルソーも表土が薄く泥炭石灰岩が母岩になる。共にミネラルを抽出しやすい土壌。
その中でペリエールはペリエール、ペリエール ドゥスュ、ペリエール ドゥスーの3つの小区画なり、いずれも東南東向きの傾斜。日照条件はとても良い。白色泥灰土壌の表土は粘土質。小石が多い。


位置的にはモンラッシェの上部に位置する。モンラッシェとシュヴァリエの間に断層が走っており傾斜はやや急。
斜面上部は冷たい風が吹き込み冷涼な気候となる。
またバタールが粘土質主体に対して、シュヴァリエは泥炭岩が複雑に交差する白色魚卵状石灰岩とピエール ド シャサーニュという石灰岩が母岩。石が多くミネラル分に勝る。また表土は底部が赤く鉄分が豊富。

そんな中でペリエールのミネラルはまだ常識的な範囲だったと思います。ムルソーとしてのリッチな個性を残しつつ、澄んだミネラル感と溌剌とした酸味が現れてましたね。リッチな果実味が予想外に出ているのは、日照条件に恵まれている事によるのでしょうか。

対してシュヴァリエの方はもうコントレックスの様な強烈なミネラル感。果実味は豊富なんだけど、それを遥かに超越するくらいカッチカチで超オイリー。これは半端じゃない。
確かに豊満でリッチなモンラッシェとは個性が全く異なりますね。要素のバランスが全然違うという。モンラッシェはやや中腹で日照条件も良く比較的温暖。土壌も全く違うとここまで違うんですね...
という事は冷涼で鉄分と石灰土壌であればやや冷ややかな印象を受ける、とてつもなくミネラリーなシャルドネが出来ると。

さて、所感。
とりあえずコシュデュリは古酒で真価を発揮するドメーヌなんで現状はわかるけど、ルイジャドもなかなか開きそうに無いんですよねー。これはラモネのシュヴァリエにも感じた事で。
ミネラル感に所以するものなんですかね。
ポテンシャルは凄まじく感じたんですが、開き切るまですごい時間かかりそうですね、これ。

 

メオカミュゼ、クロヴージョをも超越する最上級の一級、オーブリュレ、クロパラントゥ

こんにちわ。
本日はメオカミュゼのフラッグシップのテイスティングレビューです。

メオカミュゼはヴォーヌロマネに拠点を置く大手ドメーヌで、一時コンサルタントとして、分益耕作人としてアンリジャイエがいた事でも有名です。
1985年からアンリ ジャイエの指導を受けた現当主ジャン ニコラ メオがドメーヌの指揮を取っています。醸造責任者はクリスチャン フロワが担当しています。
グランクリュとプルミエクリュを複数持つドメーヌ部門と拠点外の村名やプルミエクリュを生産するネゴシアン部門がありますが、今回はドメーヌものの方です。減農薬農法、夏季剪定や除葉によって葡萄の腐敗を防止し、健全な葡萄を手摘みで収穫します。厳しい選果した葡萄はほぼ100%除梗。コンクリートタンクでのマセラシオン ア フロワ。新樽率は特級と1級は100%、その他は約50%で18か月間熟成。ノンフィルターで瓶詰されます。新樽率はやや高めです。

しかし、今更ですがメオカミュゼのポートフォリオの序列って不思議ですね。
あくまで彼のフラッグシップの中で言うと普通のドメーヌの序列としては...

1: リシュブール グランクリュ
2: プルミエクリュ クロ パラントゥー
3: エシェゾー グランクリュ
4: クロ ヴージョ グランクリュ or コルトン ロニェ グランクリュ
5: プルミエクリュ オー ブリュレ

...となると思いますが、どっこいドメーヌ メオカミュゼの序列は...

1: リシュブール グランクリュ
2: プルミエクリュ クロ パラントゥー
3: プルミエクリュ オー ブリュレ
4: クロ ヴージョ グランクリュ or コルトン ロニェ グランクリュ
5: エシェゾー グランクリュ

...なんですね。何故オー ブリュレが序列3位なのか...一説には単純にアンリジャイエから受け継いだ畑だから、という話は聞いた事あるんですが...。

まあ、それは袖に置いておいて、いってみましょう。


生産者: ドメーヌ メオ カミュゼ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ オー ブリュレ 2010

42000円、WA90pt(2009)
色調は黒に近いガーネット、粘性は高め。
クロパラと同様、非常に樽が強く深みのある重厚な印象だが、こちらの方がややバランスが取れているかもしれない。
五香粉、八角、ムスク、ローストしたコーヒー豆など野生的で宗教的なニュアンスを強く感じる。そして野生的な燻製肉。ドライハーブやお香、黒檀、グローヴなどのアロマティックなスパイスや木材香が主体。
カシス、ブラックチェリーの濃厚な果実味アーモンド、トリュフ、グローヴなど。
酸味とタンニンのバランスは取れている。しかしながら共に非常に重厚で重々しいタッチ。
こちらも凝縮感があるがクロパラの様にスモモを感じさせる酸が引き締まったボディではなく、とにかくパワフル。ダークチェリーや炭焼きの香りを強く感じさせる。


生産者: ドメーヌ メオ カミュゼ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 2010

63000円、WA93-95pt(2009)
色調は非常に濃いルビー、粘性は高め。
樽がかなり強めで濃厚で重々しい印象、密教的とも言える。五香粉、八角、ローストしたコーヒー豆、インセンス、タバコの香りが主体的。
野生的な毛皮や燻製肉、ムスクのニュアンス。そしてスミレ、薔薇の華やかな香り。トリュフなどの土っぽさ。カシス、ブラックチェリーの果実味。そしてゆったりとシナモン、アーモンド、リコリス、ワッフルの甘やかな香りが現れる。
徐々に多種多様な要素が液面を彩っていく。
タンニンより酸が際立つ。引き締まった凝縮感のあるスモモの果実味が際立っている。パワフルで幻想的、そして宗教的な芳香。甘露で怪しく、言いようがない程に妖艶だ。


現段階だと相当樽がブリブリ言ってますね。勿論トロッと甘い風味の樽の効き方じゃなくて、強烈にオリエンタルな風味を想起させる妖艶な効き方。
ここらへんの樽の効かせ方は最上のブルゴーニュ生産者には良く見られるタイプだと思います、ジュヴレシャンベルタンならドニ モルテやクロードデュガ、ミュニレ ジブール。ヴォーヌロマネならリジェベレール、セシル トランブレーとか。
恐らく長期熟成でバランスを取る為の手法だと思いますが、かなりオーブリュレ、クロ パラントゥ共にこれらの要素が目立ちます。

さてその上で


オーブリュレとクロ パラントゥ、等高線としては何か近い感じがします。


が、ややクロパラントゥの方が傾斜がキツく高い位置にあるみたい(10mくらい?) その上で北東を向いている斜面でブリュレの谷から風が吹き抜けるので気候は冷涼と。オーブリュレは北半分と南半分が向かい合わせの谷みたいになってますね。ただすべて南に向かっているので日照時間は村の中で最も長いらしいです。向かい合わせの谷から風が吹くのでこちらも気候としては冷涼ですね。
ここから見るに気候としてはほぼクロパラントゥとブリュレは違いはなく、日照時間だけがブリュレの方が長いと、そういう事でしょうか。
で、土壌を見てみると、クロパラントゥは表土が薄く小石が多い粘土質石灰+泥土、オーブリュレは...えー、アンリジャイエはブリュレのテロワールを「クロパラントゥとブリュレは見た目似てるが、傾斜を1,2メートル下っただけで表土と下層土が違う」としか言及してません(ジャッキーリゴー著 Henri Jauer, Vigneron a Vosne Romaneeより)。なのでわかりません。

で、結論としては土壌=ほぼ同じ?クロパラントゥの方がミネラル多め? 気候=ほぼ同じ。日照時間=オーブリュレの方が長い。

つまりはクロパラントゥのテイスティングに感じた酸や引き締まった感じは土壌と過剰すぎない日照条件によるもので、オーブリュレに感じたタンニンや酸のがっしりした果実味は日照時間の長さに伴う果皮の厚さによるものだと認識しました。はい。

で、考察はここまでにして、シンプルな感想はというと、もう感無量ですね。
若いヴィンテージのメオカミュゼでしたが、クロパラントゥを飲むという感動がすごい。DRCのリシュブールより感動している。
すっごい美味しいのは異論無いんですが、単純に好みで言うとルーミエやDRCの方が好きなタイプです。
ただ、クロパラントゥを飲めた、ってのは本当に感動です。
やったね!次はエマニュエル ルジェのクロパラントゥも飲んでみたいな!
アンリジャイエは...まあ、無理っしょ。

 

ヴォギュエ、最上ミュジニーの若木と古木を利く。

こんばんわ。
今回はシャンボールミュジニーを代表する生産者、コント ジョルジュ ド ヴォギュエの特級ミュジニー、シャンボールミュジニープルミエクリュです。

ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。新樽率は村名15%、特級で30%。低温浸漬は行わない。
なお、25年未満の若木を赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしている。
このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。

生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ 2010

27000円、WA94pt(2009)
色調は淡いルビー、粘性は高め。
明るく溌剌とした香り。樽はあまり感じない。
華やかな薔薇、スミレ、そしてアメリカンチェリー、フランボワーズの溌剌とした果実味、そして赤い花の蜜やシロップ、シナモン、マルコポーロ(マリアージュフレール)が主体。青い茎、若葉、ハーブ。ほのかになめし革やカカオ、クルミのロースト香。
酸もタンニンも柔らかくしなやか。徐々に凄い甘露さが現れてくる。
酸味やタンニンはしなやかで柔らかく口に含むとチェリーリキュールなど明るいチェリーの風味が楽しめる。
ややミュジニーより酸味とタンニンが弱め。


生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: ミュジニー ヴィエイユヴィーニュ グランクリュ 2010

64000円、WA94-97pt(2009)
プルミエよりやや色調は濃いめ。粘性は同じくらい。
一級と比較すると、より華やかで重厚さ、濃密さが現れている。
薔薇やスミレの華やかな芳香と、より凝縮感のあるアメリカンチェリーやフランボワーズの果実味が感じられる。シナモン、赤い花の蜜、シロップ、マルコポーロの甘露な味わい。白檀、茎、青草、なめし革、クルミ、フレッシュハーブ、グローヴ。一級と比較してよりビターなコーヒー豆のロースト香を感じられる。
鼻腔の上側を走り抜ける軽やかさ、そして華やかさが同居する。酸やタンニンはやや強め。酸の方が強いかもしれない。非常に丸みがある。極めて濃密。
香りや口当たりは爽やかだけど、奥に非常に大きな要素を包含していると思う。あとからプルミエとの差異が現れる。


ご存知の通りプルミエクリュは特級ミュジニーの若木をデクラッセしたもの。特級ミュジニーは古木でのみ作られる。
今回のテイスティングを通じて強く感じた事は、若木と古木の違いとして収量の多寡による果実の糖度、そして深くまで張った根から吸収される養分の多寡なのかな、と。
これらは味わいとして果実の凝縮感、そして異なる地層から吸い出す成分の種類からの複雑さとして跳ね返るという。
ミュジニーという、もともとの地質は変わらない為、全体的に似た味わいにはなるのだけど、実感として酸やタンニン、果実味の濃さは古木の方が充実していた。
その為熟成ポテンシャルは古木の方が断然高いはず。現段階(2010)では非常に似通った味わいだが、これが長期間の熟成を経た時に大きな違いを見せるんではないかと。
酸、タンニンは長期の熟成を受け止める度量となり、果実味は熟成後の香りとのバランサーの役割をしている。
若木はその部分が細い為、真価を出し切ることは出来ず、熟成を終えるはず。
特にヴォギュエのミュジニーはただでさえ真価を表さない事で有名なので、プルミエクリュにデクラッセする事は妥当な選択なんじゃないかな、と思います。

さて、最後に、現段階だと特級ミュジニーとシャンボールミュジニー一級畑の間に酸、タンニン、果実味の凝縮感以外に大きな差は無かったと感じています。この2本、本当にタッチもミネラルの出方もよく似ている。
熟成により大きな差は付くでしょうが、おそらくこの価格差を考えたら間違いなく「今飲むのなら」シャンボールミュジニープルミエクリュでしょうね。
エレガントで落ち着いた純粋な赤系果実の風味、ただ軽やかでは無く、奥底に非常に高密度なエネルギーの核を持った凄まじいミュジニーでした。
これはもう、すごいですよ。
比較すると本当に色々と見えてくるものですね!


■おまけ
生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2010

念願のボンヌマール!
流石に飲めはしなかったですが、ちょっと舐めさせて貰いました。
以下加工前の生コメント。
樽が一級畑と比べて強め。
タンニン、酸は滑らかだけど芯がある。果実味も強い。ダークチェリー、ブラックチェリー、八角、五香粉などやや樽香が強めに出ているが、メオカミュゼなどと比べると全然果実味を重視している印象。
レ クラなどと比べると異質な作りのワイン。

 

ドニ モルテ、エレガントな一級シャンポーと脇を固める村名の2ヴィンテージを利く



こんばんわ、正月休みもほとんどの人は今日で終わりでしょうか。
※勿論4日から出勤されている方もいらっしゃるかもしれません、お疲れ様です。

さて、本日はドニ モルテの09、10の村名ジュヴレシャンベルタン、09の一級シャンポーです。
93年から類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げたドメーヌ。
しかしながら故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及したかった様で、現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。
そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。
樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級シャンポー 80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?(ソースはないです。)
フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。一応ラヴォー サン ジャックも入るのかな?


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン 2010

7200円、WA89pt(2009)
色調は済んだルビー、粘性は中庸。
村名からして既に素晴らしい香り。
五香粉、八角のオリエンタルな芳香とデーツ、アメリカンチェリーの濃縮された甘露な果実味、線香、シナモン、カカオなどの甘やかな芳香。
ほのかに薔薇や茎、燻製肉、グローヴなど。
全体的に樽の香りが前に出ているが、果実味も凝縮している。
酸味、タンニンともに柔らかで、オリエンタルな芳香が口内に溢れていく。ややボディがふんわり柔らかなのは気のせい?


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン 2009

7900円、WA89pt(2009)
色調は済んだルビー、粘性は中庸。
10と比べると若干樽は弱めで果実味が前に出ている印象。五香粉と八角の香りは若干弱めで、カカオや黒檀、チェリーリキュールやデーツの甘やかな果実味と、燻製肉の香りが主体的に現れている。ブリオッシュ、茎。薔薇、スミレの華やかな香り。バニラ、燻製肉、シナモン、グローヴなど。
他のワインに比べて華やかさが強く、どっしりとした感覚はない。
酸味、タンニンは柔らかく、ボディとしては10の印象と近いかもしれない。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ レ シャンポー 2009

17000円、WA93pt(2009)
色調は澄んだルビー、粘性は中庸。
明らかに数段濃厚でパワフルで凝縮感がある。09の村名より10の構成要素と近く、それを先鋭化させたかの様な作り。
炒ったコーヒー豆、五香粉、八角、カカオの濃厚な樽香、ブラックチェリーやデーツの凝縮した果実味、こちらも控えめながら薔薇や茎などの青っぽいニュアンス、トリュフ、燻製肉、線香、シナモン、クローヴ、リコリス、アーモンドなど。複雑で全体的にエネルギッシュで力強く、筋肉質。
果実の凝縮感も村名と大分異なっていて、明確な輪郭のある味わい。
酸味、タンニンはやや強く残るが、その分凝縮感を助長しているような気がする。液面にパワフルな凝縮感が漲っている。タイプとしてはクロードデュガと比較したい。


いや、村名からして素晴らしいワインでした。では比較。
村名比較で言うと09よりも10の方が樽を強く感じました。
これは単純に09の方が果実味を活かしただけなのか、それとも10のヴィンテージ特性、ボディを補うために樽を強くしているのか?
新樽率は10村名と09一級とほぼ同等。もしくは若干村名の方が少なめかも。ジュヴレシャンベルタン的ではある。

で、09比較でいうと圧倒的に一級の方が樽を感じるのと、果実味の輪郭の鮮明さが際立っているように思えた。
やや膨れた印象の村名に対して一本筋が通っている。これは酸とミネラルによるものだろうか。ボディがしっかりしている印象。複雑さも感じる。

シャンポーの立地的にはジュヴレシャンベルタンの最北部に位置する一級畑なんですね。カズティエに隣接している果実味の豊かな土壌らしいので、多少樽が強めの方がバランスが取れるのかもしれません。
うーん、ここら辺の年ごとの新樽率ってどこにも載ってないんですよね。
だれかわかる人いないかなあ...教えてもらいたいなあ。

あ、ちなみに個人的にシャンポーはべらぼうに好きなタイプで、ウハウハでした。思わず笑いがこみ上げてきてしまいました...村名も良かったし。
プティットシャペル、シェルボド、ベレール、シャンポネのアッセンブラージュの一級も素晴らしいと思いましたが、やっぱシャンポーだなあ。私的には。

 

マルセル ダイス、アンダーラインでも流石の品質のゲヴェルツトラミネール

こんばんわ。
今年2回目の更新、マルセルダイスのデイリー(というにはやや高めですが)、ゲヴェルツトラミネールです。
ちなみにマルセルダイスの過去のエントリー、特級マンブール特級アルテンベルクド ベルクトハイム一級ビュルレンベルクはリンクをご参照ください。

マルセルダイスはご存知の通り、アルザスで最も著名で素晴らしいワインを生み出す生産者です。
アルザスにおいて既存の品種重視ではなくテロワールの概念を強く押し出し、(未だドメーヌ内でしか使用されていませんが)プルミエクリュなどの格付けを自ら行っています。勿論公的なアルザス グランクリュも保有してます。
栽培はクローンをなるたけ使用しないビオディナミを実践、天然酵母のみで発酵。ピノ系品種以外はマロラクティック発酵は行わない。赤は木製開放槽。白は大樽で発酵、シュール・リーにて熟成を行っています。

さて今回のゲヴェルツトラミネールはサン イボリットとベルクハイムのアッセンブラージュで...と言ってもアルザスの畑は全然分からないのでインポーターさんの資料をコピペ。(すみません。)
■サン・イポリット・・・1ha。平均樹齢30年。砂質、花崗岩質主体の軽めの乾燥土壌。酸がきりりと立ちしっかりとした構造を持つワインを生むテロワールで、特にリースリングとゲヴュルツトラミネールに向きます。
■ベルグハイム・・・2ha。平均樹齢30年。ドメーヌ所在地でもある地元村。粘土石灰質主体で、溶岩質、泥灰岩質、シストなどを含む複雑な土壌構成。レモンジャムのような濃密な風味が特徴です
サンイボリットの花崗岩質主体ときくとちょろっとコート ロティやボージョレを思い出しますね...ベルクハイムはブルゴーニュっぽいですね。


生産者: マルセル ダイス
銘柄: ゲヴェルツトラミネール 2007

この価格帯にして恐るべきワインの登場だ。
色調は黄金に近いルビー、ディスクは厚く、非常にねっとりとした液体。
やや甘口のワインでライチや黄桃、マンゴーなどの豊満で甘露な果実味、清涼感のある白い花、バニラのニュアンス、リコリス、シャンピニオン、黒檀。ややスパイシーなニュアンスも感じる。
強い粘性を伴ったアタック、柔らかな酸と、香りの印象と変わらず非常に濃厚さと豊満さが際立ったボディだが、意外としっかりしたミネラル感があるのに驚く。
官能的な香りと豊満なボディの非常に卓抜したゲヴェルツトラミネール。


かなり濃厚でいい感じのゲヴェルツトラミネールですな!ヒューゲルのさっぱりしたのもかなり美味しいですが、こういうねっとりした感じのもいいっすなあ。
品質を考えると妥当な価格だけど、単純に値段としてはちょっと高め。
あまり売ってる所もないので簡単にはオススメできないですが、ハレの日に是非飲んでみてもいいんではないかと!


セシル トランブレー、セクシーな村名とレジオナル。


あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
さて、新年2013年を迎えましたが、そんな事は全く関係無く平常運行でテイスティングレポートしますね。
あ、ちゃんとお節も食べましたし、ワインも飲んだし、福袋も買いましたよ。
ちなみに中身はルロワの村名ニュイ サン ジョルジュとモレ サン ドニ一級、村名オーセイデュレス、シャサーニュモンラッシェ一級です。まずまず納得のいくラインナップでしたので、こちらもゆくゆくはレポートしたいと思います。

さて、今回はセシル トランブレ。
セシル トランブレは2003年からメキメキと頭角を表してきているルーキー生産者。有機農法やビオディナミの手法を実践している。
一部除梗した果房を木製発酵タンクで1ヶ月ほど発酵を行い、垂直式圧搾機でプレス、新樽比率25%-75%で18ヶ月の熟成を行う。その際に澱引きは行わない。フラッグシップはエシェゾー ドゥスュ、シャペルシャンベルタン。

今回はACブルとシャンボールミュジニー、そしてヴォーヌロマネ ヴィエイユヴィーニュ。
以前、この生産者のヴォーヌロマネ 一級 レ ルージュを飲んだ事があるんですが、これがもう本当に美味しくてね。メチャヤバイ超注目の生産者です。価格はちょい高めですが(村名で9000円くらい)それくらいの価値はちゃんとある生産者だと思います!


生産者: セシル トランブレ
銘柄: ブルゴーニュ ピノノワール 2010

4700円、WA88-80pt(2009)
色調は深い赤みの強いルビー、粘性が強い。
若干ミネラル感を感じる。果実の凝縮度はシャンボールやヴォーヌロマネと比べるとやや低め。やや中抜けした味わいではあるものの、バニラ、シナモンの樽香。アーモンド。スミレ、チェリーリキュール、茎、ラズベリーなどの果実味など複雑な要素が楽しめる。スタイルは近いがやや軽めの味わい。
口当たりは村名と同様だが、若干タンニンの荒さが目立つかも。酸味も際立っておりバランス感は、完成度の高い村名と比べると今ひとつかも。


生産者: セシル トランブレ
銘柄: シャンボール ミュジニー レ カボット 2010

約10000円
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
軽やかで強固なミネラル感を感じさせる冷ややかな印象、それでいて樽や果実の甘やかさがしっかりとある。
カカオ、シナモン、バニラの甘露さ。フランボワーズ、ダークチェリーの目の細かい果実味。オリエンタルなインセンス、華やかなスミレ、薔薇などのニュアンス。なめし革、ナツメグなどのニュアンス。
華やかで柔軟、ミネラリーな作り。
酸味、タンニンとも軽やかで柔らか。しなやかでフワリとした華やかな味わい。シャンボールらしいしっかりしたミネラル感を感じられるのも素晴らしい。


生産者: セシル トランブレ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ ヴィエイユヴィーニュ 2010

約10000円、WA88-91(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
カカオ、シナモン、バニラの甘露な樽のニュアンス。
オリエンタルなインセンス(線香の様なニュアンス)、そして伸びやかで華やかなスミレ、クローヴなどのスパイス。チェリーリキュール、ラズベリージャムの果実味が主軸となっている。なめし革、クルミ、ナツメグ、焦げたゴムのニュアンス。
ミネラル感はシャンボールほど強くないが、その分濃縮感があり密度の高い果実味と、華美な花の香りが印象的。
酸味、タンニンは柔らかく、濃厚な果実と樽の甘やかさを強く感じる。口当たりも非常に滑らか。
濃密で華やかなヴォーヌロマネ。


いやー、素晴らしいですね。
村名でここまでとは正直恐れ入りますよ!全体的な印象としてはフーリエ的ですよね。しかもよく村ごとの特徴が出ていると思います。シャンボールはミネラル感に溢れているし、ヴォーヌロマネは濃密で伸びやか。
個人的にはこれからの伸び代を考えると末恐ろしい生産者かな、と思います。
ACブルに関しては芳香的に本当に素晴らしいんですが、やや水っぽさを感じるかな。
ボディはシャンボールがもっともしっかりしていると感じました。
エシェゾーやシャペルシャンベルタンはまだ飲んだ事はないですが、きっと素晴らしいんでしょうね!期待してます!
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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