ロシアンリバーから生まれる超絶ピノノワール、ウィリアムズ セリエムのシングルヴィンヤードを利く。

こんばんわ。
本日は人間ドックいってきました。
人生で始めてバリウムなるものを飲みましたが、アレはイカンですね。
それに酒も当日翌日は飲めなくなるとか...イヤイヤ、ホントカンベンしてください。この二日間何を楽しみにすりゃいいんですか。

さて、今回はウィリアムズ セリエムのバーチカルテイスティングです。

ウィリアムズ セリエムはいわゆるカリフォルニアカルトの生産者、そしてカリフォルニアピノノワールの先駆者です。冷涼でピノの栽培に適したロシアンリバーバレーを拠点として、ピノノワールとシャルドネの傑作ワインを作り続けています。
フラッグシップはシングルヴィンヤードシリーズ。
抽出はやや強めで新樽は60%程度、残りは旧樽を使用しています。
栽培に関しては特に言及されているソースはありませんが、自社畑と買い葡萄の2パターンがあるようです。

しかしウィリアムズ セリエム。
とてつもなくデリケートでエレガントなブルゴーニュらしい作り。
驚くくらい素晴らしいピノノワールです。
正直最初に口に含んだ時に「ニュイ サン ジョルジュみたい!」と思いました。ではいきましょう。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1993

約17000円、WA87pt
色調は淡いルビー、粘性は高い。
一番綺麗に熟成している。しっかりしたミネラル感もある。
最初からフルパワーで綺麗な香りが充満している。
土っぽい香り、腐葉土、トリュフ。
梅柴、紫スモモの凝縮した旨味と果実味。そしてドライフラワー、紅茶などの枯れた風味と燻製肉の熟成香、微かにローストしたカカオ豆。
これらの要素がいずれも突出することなく、整合性を保った状態で芳香する。
茎、グローヴ、甘草、ローリエなどのアロマがある。
酸味もタンニンも柔らかい。
だがしかし強烈な熱量を核に持った凝縮感。素晴らしい古酒。熟成感はかなりあるんだけど、この力強さはなんなのか。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1994

約26000円、WA87pt(1993)
色調は淡いルビー、粘性は高い。
こちらもしっかりとした熟成香。やや粘土の様な香り。
最初はやや熟成香が過剰だったが、時間を追うにつれて凄く良くなった。
熟成香は落ち込んでバランスが取れて来る。ミネラル感はボチボチ。
甘やかな果実味とほのかなキャラメルやシナモンのロースト香があり、梅柴、紫スモモの凝縮感がある果実味。やや枯れたスミレや薔薇。腐葉土、紅茶、燻製肉、ローズヒップティー、グローヴ、くきっぽい香り。
やや果実味の香りが前に出ている。
酸とタンニンは比較的柔らかいが03と比べるとタンニンがやや強めだけど、核にある凝縮感はやや抜け気味。
それでも十分に凝縮した果実味と酸味を感じる。こちらもパワフルで心地よい作りだが93のバランス感と凝縮感と比べると劣るか。


生産者: ウィリアムズ セリエム
銘柄: オリヴェット レーン ヴィンヤード ピノノワール 1995

約26000円、WA87pt(1993)
色調は93,94と比べると濃いルビー(それでも薄い)、粘性は高い。
力強く果実味が残留しており、僅かにローストしたような果実味がある。
シナモン、チョコレート、キャラメルなどの甘やかな心地よいロースト香。
より果実の香りが鮮明で、紫スモモとダークチェリーの深みのある果実味。凝縮感も03同様に強い。
萎れたスミレや薔薇。03ほどではないが腐葉土、トリュフなどの大地香。
燻製肉、濡れた犬。ローズヒップティー、シナモン、グローヴ、ナツメグなどのスパイス。
タンニン、酸ともに柔らかいが、他のヴィンテージと比べると酸とタンニン、アタックは強めに感じられる。
こちらも卓抜した凝縮感のある果実味。アルコール度数もあいまって、最も大きなスケール感を持った「ブルゴーニュ的な」ワイン。


いやいや何度も言いますが、本当にブルゴーニュと見間違うばかりのエレガントで綺麗に熟成した素晴らしいピノノワールでした。
普通にブラインドで利いたら確実にブルゴーニュと回答しそうな出来。
過熟感や豊満なリッチさではなく、一本筋の通った凝縮感を感じる作りでした。

ヴィンテージで言うのであればノースコーストとしては93が素晴らしく、94、95が同程度で93と比べるとやや見劣りするというレベル。
しかしながらそんなヴィンテージ比較とは関係なく95が最もビッグなワインの印象を受けました。これはこの3本の中で最もアルコール度数が高い(14.0%)ことに起因しているのだと思います。(ヴィンテージとしては良くないが、糖度の高い葡萄が出来たのだろうか)
ヴィンテージが一番若いのもあると思うのですが、しっかりと果実味が残っているし、樽のロースト香もしっかりと効いています。ただしタンニンも酸もやはり強めの印象で、若干熟成が足りないのかな、と思います。
また...94は3本の中でもちょっと異質。
液体の密度は95,93と比べるとやや薄く、ミネラル感も希薄なので、ややぼんやりとした印象のワインになっています。ちなみに94は最もアルコール度数が低く13.0%となっています。
最後に93。こちらは極めてすべての要素のバランスが良く、最もブルゴーニュ的と言える作りとなっていました。
シルキーな口当たり、芳醇な大地香、香りの複雑さ。ブルゴーニュのスター生産者が作る特級や一級クラスの液体のきめ細やかさや凝縮感。アルコール度数は94に違い13.2%だけど、こちらは本当に綺麗に熟成を経ている印象。
これらから行くと、現段階では93>95>94ですが、俯瞰してみるといずれのヴィンテージも安定して素晴らしかったと思います。

マーカッシンもカレラもコスタブラウンもピノノワールとしては素晴らしいですが、最もブルゴーニュ的である、という側面で語るのであれば、間違いなく、ウィリアムズ セリエムがそれに当たると思います。
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ニュイ サン ジョルジュ、全く特徴の異なるグリヴォーの村名とシュヴィヨンの一級を利く

こんばんわ。
雪すごいですね、こんな寒い日は家でゆっくりテレビでも見ながら酒でも飲むのが一番ですね。
本日はニュイ サン ジョルジュの比較です。生産者はジャン グリヴォとロベールシュヴィヨン。
今回は理論に裏付けが出来たので非常に有意義だったと思います。

ジャン グリヴォーはヴォーヌロマネに拠点を置く、近年評価が高まっているドメーヌ。一時期ギィアッカをコンサルタントに迎え強すぎる抽出で評価を落としたものの、現在はリュットレゾネでの栽培や、一部の畑は馬での耕作を行いながら、収量を引き下げ続け、2000年半ば以降は品質を高め続けている。除梗は100%、新樽率は40%-70%。樽業者は4社を利用している。
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュに拠点を置く老舗ドメーヌで、1977年からネゴシアンに販売していた葡萄を全てドメーヌ元詰に切り替えています。
リュットレゾネ、ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、80-100%の除梗を行い、低温浸漬は行わない。一級の新樽率は30%と低め。ノンフィルターで瓶詰め。


生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ レ シャルモワ 2005

約8000円、WA87-88pt
色調は濃いルビー、粘性は高い。
燻製肉、ローストした樫やシナモン、シャンピニオンや過ぎた抽出を行った紅茶。そしてダークチェリーやブルーベリーの黒い果実味が主体となる。スミレ、ドライハーブの様な香り。グローヴや
黒系果実の瑞々しさを垣間見せるが、基本的には非常に力強いボディのワイン。タンニンは充実しているし、酸も力強い。
村名としては十分に及第点となる、良き村名ワイン。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ロンシエール 2010

約7000円、WA90-91pt
色調は赤みの強いルビー、粘性は高い。どこかヴォギュエっぽいタッチの味わいがする。
スミレや薔薇の香りが強い。アメリカンチェリー、フランボワーズの深く濃い果実味。グロセイユなど基本的には赤い果実の味わいを感じる。やや茎や若葉、土の香りも感じる。甘やかなシロップ、なめし革、松、後追いで強烈な甘みが来る。樹皮、シナモン、グローヴ、甘草など。
酸もタンニンも強いが、とにかく華やかで果皮のエレガンスを強く感じる。スミレの香りが口内に広がる。


村名畑と一級畑の違いもありますが、今回は何よりも新樽率と低温浸漬の有無が大きな違いを産んでいると考えます。方やギ アッカがコンサルタントをしていた時ほどではないにせよ、比較的抽出の強いジャン グリヴォと低温浸漬をそもそも行わないロベールシュヴィヨン。
グリヴォーは抽出が強い事により比較的黒系果実の渋みや煌びやかさ(リッチな感じ)が出ていて、シュヴィヨンはより赤系果実とスミレっぽさが強く出ているような気がします。
これは同じく低温浸漬を行わないヴォギュエや他のガメイなどにも見られる特徴だと思いました。
畑の特徴としては...まあ、いいですかね。比較出来ませんし。
プリュリエやアンリ グーシュのポレ サンジョルジュに挟まれた立地なんで、かなり良い立地ではありますね。土壌も近いでしょう(投げっぱなし)

とりあえず今日の所の整理としては...
1: 古木、収量、日照条件...果実の甘みや凝縮感、タンニンなど
2: 新樽率...ロースト香、樽の甘み、えぐみなど
3: 低温浸漬...果皮成分の違いによる果実の風味の違い。タンニンやリッチさ。
4: 土壌、地層、気温...ミネラル、複雑さ、酸など。
こんな感じかな、と。間違っているかもしれませんが、実体験に基づくレポートなんでそう大きく外してる事は無いかと...今度飲む前に生産者の醸造とかを先に見ておいて答え合わせでもしましょうかねー。

しかしワインエキスパート関係ないのばっかりですねー。ちゃんと勉強しないとな...実はあまりやる気が起きない...

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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