サンジョベーゼの本懐、モンテヴェルティネのワインたち。

こんばんは。
先日、エノテカさんでたまたまモンテヴェルティネの来日イベントが催されていたので参加してきました。

モンテヴェルティネはキャンティクラシコ中央部にあるワイナリー。現当主はマルティーノマネッティ氏。畑は標高400mに位置し、気候は冷涼。フラッグシップはサンジョベーゼ100%のレ ペルゴール トルテ。品種としては現在はキャンティクラシコの枠内に含まれますが、その名称は使用せず、1982年からはIGTとしてリリースされています。

今回は普及品のピアン デル チャンポロ、上位のモンテヴェルティネ、フラッグシップのレ ペルゴールトルテ2ヴィンテージをいただきました。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: ピアン デル チャンポロ 2010
品種: サンジョベーゼ 90%、カナイオーロ、コロリーノ10%

約3000円、WA89pt(2008)
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
全体的な印象はピノノワールに近いが、よりスパイシーでキャッチーな果実味がある。
鉄やラズベリー、スモモの清涼感のある果実味。そしてスミレの華やかな香り。ややタバコっぽいニュアンス。なめし革や濡れた樹脂、ユーカリ、クローヴなど。
酸が強く、旨味が非常に良く出ている。ややシンプルだが、価格を考えると非常に素晴らしいワイン。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: モンテヴェルティネ 2009
品種: サンジョベーゼ 90%、カナイオーロ、コロリーノ10%

約5200円、WA92pt(2008)
色調はやや淡いルビー、中間は濃い色調。粘性は高い。
同じく鉄の様な香りと凝縮感のある果実味が際立っているが、チャンポロと比較するとより力強いボディ。
ダークチェリー、アプリコットの瑞々しい果実味。
薔薇やスミレの華やかな香り。グローヴ、濡れた木材、ドライハーブ、茎っぽさ、ユーカリ。シナモンの甘みも徐々に現れる。
こちらも酸味が際立っており、溌剌とした印象。こちらも香りとしてはややシンプル。タンニンもしっかりしておりミディアムボディとしては十分に力強いといえる。
こちらも価格を考慮すると非常にお得なワインと言える。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: レ ペルゴーレ トルテ 2009
品種: サンジョベーゼ 100%

10500円、WA96pt
疑い様の無い素晴らしいワイン。
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
あくまでモンテヴェルティネの延長線上にありながら、香りが構成要素は全く異なる。
よりスパイシーで甘露な造り。ドライフルーツやダークチェリー、スモモなど干した果実の凝縮感。クローヴや紅茶、濡れた樹皮やシャンピニオンの風味を強く感じる。鉄っぽさや薔薇、茎。徐々にシナモン、バニラなどの甘やかな風味。
先述の2本と比較すると圧倒的に複雑かつキャッチー。
非常に澄んだエレガントな味わいだが、ボディも非常にしっかりとしており、酸味が充実している。
口にふくむと枯葉や梅しば、フレッシュなスモモの芳醇な旨味が広がる。とても素晴らしいサンジョベーゼだ。


生産者: モンテヴェルティネ
銘柄: レ ペルゴーレ トルテ 2006
品種: サンジョベーゼ 100%

12600円、WA96pt
色調はガーネット、やや透明度は低い。
若干茹でた野菜の様な風味。より土っぽさ、濡れた樹皮、そしてコリアンダーや生肉の香りが前に出ている。ダークチェリー、スモモの果実味、クローヴ、ドライハーブ。そして徐々にシナモンの風味。若干シラーっぽいスパイシーさがある。
酸味やタンニンはやや2009と比べると際立っている。凝縮感もあるが、ややとげとげしい印象を受ける。複雑さで言えば熟成香が混ざったこちらが勝るが、あくまで現段階でいうと2009の方が素晴らしいと思う。


ピアン デル チャンポロ、モンテヴェルティネ、そしてペルゴール トルテの間には大きな品質の差があると感じました。
今回は特に各ワインのヴィンヤードに大きな違いは無い様なので、恐らく醸造と品種が品質の違いに大きく起因しているのではないかと思います。
そして、醸造ではルモンタージュ、ピジャージュ、マセレーション、除梗有無、抽出にも言及が見られなかった為、明らかな差は樽の熟成期間と使い方の違いなのかな、と思います。
そこで下記の通りわかる情報をまとめてみました。

【新樽比率】
不明(特にこだわっていない)

【樽熟成期間】
□ピアン デル チャンポロ(合計18ヶ月熟成)
スロヴァキアンオーク(18カ月)

□モンテヴェルティネ(合計24ヶ月熟成)
スロヴァキアンオーク(24カ月)

□ペルゴール トルテ(合計24ヶ月熟成)
スロヴァキアン・オーク(18カ月熟成)→フレンチオークのバリック樽(6ヶ月熟成:こちらは必ず新樽を使用)

【瓶内熟成】
すべて6ケ月

おそらく、ペルゴールトルテとその他のワインに大きな違いを与えているのが、フレンチオークのバリック新樽を6ヶ月使用している事でしょうか。これによって他に見られないバニラのニュアンスが与えられ、モンテヴェルティネより甘露な風味が前に出ているのではないかと思います。
そして、樽内熟成期間も同様でチャンポロとモンテヴェルティネの間には樽香の強さに大きな違いかあると思います。チャンポロが清涼感のあってドライ。モンテヴェルティネはより甘みを感じる造りでした。
つまりチャンポロ→モンテヴェルティネは樽香の強さが。モンテヴェルティネ→ペルゴールトルテは樽香のタイプが違うと。
それと、特に言及はないのですが、果実味もキュヴェごとにかなり違っていて、ある程度ペルゴール用などは選定はしているのではないかと思います。
そうでないと凝縮感の違いにつながらないので。

ちなみに、ペルゴールトルテのサンジョベーゼは硬質な鉄っぽさがあるんですが旨味の出方に関してはピノノワールにそっくりですね。新樽の使い方もあると思いますが。華やかさは劣りますが、果実味や旨味、凝縮感では決して負けていない。

2009と2006のヴィンテージの差についてはかなり妥当な熟成感というか、熟成香が普通に出ているくらいで、特に目新しい事項はありませんでした。
強いて言えば、もう少し熟成させてから飲みたいかな、ということと、3年で結構変わるな、という事くらい。

何回かペルゴールトルテは飲んだのですが、こうした形で並行垂直で飲むのは始めてなので、大変勉強になりました。

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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