カリフォルニアのピノノワール、4生産者の個性を利く

こんばんわ。
今日はカリフォルニアのワインです。
かなり球数が少ない希少なワインが多いです。流石に少なさすぎだろ...というものもかなりあって、そこに関してはちょっと「?」という感じ。
希少価値や入手の難易度はまさに「カルト」ですが、それに比べてお値段はやや抑え気味だし、品質は本当に素晴らしいので、見つけたら買いなアイテムばかりだと思います。


フラワーズはソノマのピノノワール、シャルドネを中心としたワインを作るワイナリー。94-96にはキスラーにピノノワールを提供していた時期もあります。今回のムーンセレクト ピノノワールは、3つの自社畑であるキャンプ ミーティング リッジ(60%)、フランシス トンプソン、シーヴュー リッジ(40%)の最上のピノノワールをブレンドしたフラッグシップワイン。除梗はせず、新樽比率40%、フレンチオークで17ヶ月熟成...とのこと。

タンタラはサンタバーバラのサンタマリアに拠点を置く生産者。自社畑はビエン ナシード ヴィンヤードのみ。
フラッグシップのエヴリンの収穫は当然手積み。80%除梗。新樽比率は60%で16ヶ月熟成。(メーカーは有名なフランソワフレールほか数メーカー小樽を併用)、更に最上のロットのみを、無清澄無濾過でボトリングしています。

ピゾーニ エステートはジェフ・ピゾーニ率いるソノマのワインメーカー。
その名の通りカリフォルニアで最も優れたピノノワールを産出するピゾーニヴィンヤードを保有しており、様々な生産者に果実の提供を行っています。パッツ&ホールやコスタブラウン、タンタラ、ポールラトーなど。ちなみに使用しているピノノワールのクローンはDRCのラターシュ...
除梗はせず、全ての工程を重力を使用して行うグラビティーフローを行う 。天然酵母で発酵、フレンチオークを使用し、新樽比率70%程度。無清張無濾過でボトリングします。

最後はポールラトーのピゾーニ。
ポールラトーは96年よりセントラルコーストに設立されたワインメーカー。
もともとはソムリエでオーボンクリマなどでも修行されたようです。近年急激に評価を上げている生産者です。醸造、栽培に関しては詳しくはわかりませんでしたが、樽香はしっかりありましたので、フレンチオークの小樽で新樽比率はやや高めじゃないかなーと思います。色調的にも抽出は強そうですが、過熟感はあまりなかったです。

さて、いってみましょう。


生産者: フラワーズ
銘柄: ムーンセレクト ピノノワール 2010

10920円, WA90pt(2003)
色調がもっとも薄いが、透明度の高い濃いめのルビー、粘性は高い。どこの地域にも属さないピノノワールの味わいだと思う。(強いていえばブルゴーニュだけど、それもちょっと違う?)
クリスピーでバニラやコーヒー豆の風味が強い。蕩ける様に甘露。ただ口に含むとスパイシーでクミンの風味も感じられる。凝縮感はしっかりとしていながら果実味は軽妙。ダークチェリー、ブルーベリーの果実味。オリエンタルなスパイス、乾いた土っぽさ、スパイスに漬けた肉。スミレ、グローヴや炭焼きやゴムなど。
透明感と清涼感のある酸味が際立っており、タンニンは柔らかい。口内で複雑なオリエンタルスパイスやラムレーズンの風味が広がる。
カリフォルニアとしては過度な果実味を抑えたエレガントでスパイシーな素晴らしいピノノワール。


生産者: タンタラ
銘柄: エヴリン ピノノワール 2010

13650円、WA89pt(2009)
色調は濃いルビー、粘性は高い。
香りが既に強固な酸味と果実味を感じさせる。ピゾーニと全体的には近いか口に含むと、それと比べて柔らかなタッチ。干したプラムやアプリコットの甘露で凝縮したむきだしの果実味。薔薇やスミレの鋭い華やかさ。ドライハーブ、ヒノキ、溶剤、グローヴ、アーモンド、炭焼き、シロップなど。毛皮。
こちらも酸味とタンニンがきわだっている。パワフルな果実味重視のピノノワール。ぎゅっと凝縮した様な熱気を感じる。


生産者: ピゾーニ エステート
銘柄: ピゾーニ ピノノワール 2010

12600円、WA91pt(2009)
色調が最も濃いガーネット、粘性は高い。
非常に酸味の強いアプリコットやシロップ漬けのダークチェリー、ラムレーズンの風味。凝縮度は最も高くブルゴーニュと似た部分はほとんどない。むしろパワフルとも言える強烈な果実味。薔薇のドライフラワー。ドライハーブ、焼いた木材や角砂糖、毛皮、やや土っぽいニュアンス、アーモンドなど。
タニックで酸味も際立っている。
ボディは非常に強く果実味を全面に押し出している。アプリコットの強烈な酸味と旨味が素晴らしいカリピノ。


生産者: ポール ラトー
銘柄: ピゾーニ ピノノワール 2010

13650円、WA94pt(2009)
色調が濃いルビー、粘性は高い。
新世界のジュヴレシャンベルタンチックな作り。
ややミネラリー。最も優れている。華やかな印象。
比較的樽が効いている。線香や五香粉。そしてダークチェリーやアプリコットのやや酸味の強い凝縮した果実味。(ピゾーニエステートほどではない。)、バニラやシナモン、シロップ漬けのフルーツ、スミレやスイセン、グローヴ、甘草。毛皮や黒檀、焦げた木材など。
一見ブルゴーニュっぽいが、その実、作りは驚くほどカリフォルニアでピゾーニと同様溌剌した酸味と、強固なタンニン、アプリコットの凝縮した果実味が主体となる。パワフルだが樽が綺麗に効いていてピゾーニの様な濃厚さはあまり感じられない。エレガント。


いや、生産者ごとにかなりスタイルが違うんで、結構戸惑いますね。
ただいずれもしっかりした濃厚な酸味(ブルゴーニュは酸味に重みが無いんですよね)と旨味が漲っていて、熟した果実の味わいが感じられました。
ただ熟したといっても、タンニンがキツくて酸が弱い感じでは全くないです。気候や日照に過度に影響された雑っぽさではなくて、ちゃんと手が入っている感じでした。
その中で、特にブルゴーニュ的な側面を見せたのはポールラトーのピゾーニ、洗練したカリフォルニアを感じさせたのはタンタラのエヴリンとピゾーニエステートのピゾーニですかね。
フラワーズに関しては果実味でいうとブルゴーニュっぽいんですが、全体でいうとやっぱりカリフォルニア?みたいな感じです。
これらはどこから来ているんだろう、と考えた時に「やはり醸造かな」と思ったのですが、新樽比率が低めだと思ったピゾーニエステートとタンタラが結構高めだったので(タンタラは微妙に感じられましたが、ピゾーニの樽香の目立たないこと...)正直???です。
ポールラトーは明らかにフレンチ小樽新樽比率高めな風味でしたから、これはわかりやすいですけど(外してたら恥ずかしいですが)、恐らく同じくらいの新樽比率のピゾーニピゾーニとエヴリンはポールラトーと何が違うのかと。
果実味の強さが突出してる事と外観が明らかに濃い事を考えると...

1:抽出(ルモンタージュ、ピジャージュ、マセラシオン ア フロワなど)
2:収穫時期の違い

これらによって強く抽出された果実味が新樽比率による影響を軟化させているのかな、と思います。ポールラトーも風味自体はほぼ同じですから...
果皮成分が強く出ているのでヴァンダンジュ ヴェールトやヴィエイユヴィーニュに起因するものでは多分無いとは思います。多分。
もしくはポールラトーの新樽比率がやたらと高いとかですかね。100%とか。

ちなみに今回のピゾーニヴィンヤードはサンタルチア高地の山麓に広がるピ畑で、異なる土壌タイプとミクロクリマ毎に区分けされているようです。気候は昼夜の寒暖の差が激しく、冷涼な霧も発生するようです。標高は270~400m。クローンはラターシュクローン(大元はディジョンクローンですかね)。標高といい、気候といい、霧といい、ちょっとブルゴーニュ的ですが、大分違うものが出来上がるんですね...

色々思考を巡らせたものの、答えが出ないのでここらへんでやめときます。
飽きたし。

そんな感じです。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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