【ニュージーランド】NZカルトの可能性、エスカープメントとドライリヴァーの偉大な赤白

こんばんわ。
本日はニュージーランドのカルトワインを幾つか。
ドライリヴァーのシャルドネ、ピノノワール、エスカープメントのピノノワール クペの3本です。

ドライリヴァーはマーティンボローに拠点を置く生産者で、ニール マッカラムとドーン マッカラムがドメーヌを指揮しています。ピノノワールがゆうめいですが、保有している11haのうちわずか25%のみ。樹齢30年のポマールクローンを使用し、エクスデンテイという光を反射するビニールシートを樹の下に設置し、満遍なく日照を与える。発酵は培養酵母とMLF用の酵母を同時に投入、プレス後ラッキングを行い1-2週間で濾過をし、そのままバリック樽で熟成。栽培から醸造まで伝統的とは程遠いですが、作られるワインは豊かな新世界的なピノノワールが産出される。

エスカープメントは高名なマーティンボローヴィンヤードのチーフワインメーカー、ラリーマッケンナが指揮するワイナリー。設立は1999年。
今回のクペは自社所有畑。土壌は沖積層の砂利。発酵は開放桶を使用し 、1日2回のピジャージュを行いながら19日間マセラシオンを行う。熟成はフレンチオークの新樽(バリック、新樽比率50%)にて12カ月の熟成。無濾過で瓶詰する。


生産者: ドライリヴァー
銘柄: シャルドネ 2009

9000円、WA92pt
とても良いシャルドネ。
外観は明るいストローイエローで、粘性は高い。
極めて新世界的なワインだが瑞々しいシャブリグランクリュの様なミネラルと味わいが感じられる。
石を舐める様なミネラル感。バターや西洋山査子の豊満な香りを主体として洋梨やライチ、トロピカルフルーツの風味。白い花やフレッシュハーブ、シャンピニオン、ヨーグルトなど。徐々に甘い蜜の様な風味が感じられる。
やや酸味が強いが、とても目の細かく、ビロードの様な口当たり。
口の中でバターとフレッシュかつ太い洋梨の果実味を感じられる。新世界的な果実味とシャブリグランクリュのミネラルや酸味を併せ持つ素晴らしいシャルドネ。


生産者: ドライリヴァー
銘柄: ピノノワール 2009

13000円、WA91pt
外観は赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。
とても濃いのだけど、瑞々しくナチュラルなアメリカンチェリーやアプリコットの酸味と甘みを併せ持った果実味。とても凝縮感がある。極限までエレガントにしたソノマヴァレーのピノノワールに近い。今の所樽もっぽさは感じられない。華やかなスミレや茎っぽさ、タバコの様なスモーキーさ。
ローズヒップティー、ハチミツ、タイム、ファンデーションなど。
別に甘みが強い訳ではないけど、核種系のシロップの味わいも感じられる。
とりわけ旨味に満ちたリッチで凝縮した果実味を強く感じる。
酸味は際立っており、タンニンもピノノワールとしては強いと思う。口に含むと茎や赤系ベリーの噛む様な果実味が広がる。綺麗な旨味が感じられる。


生産者: エスカープメント
銘柄: ピノ ノワール クペ 2011

11000円、WA90pt
外観は赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。華やかな味わい。
こちらもとても瑞々しい果実味で全房発酵っぽいオレンジやクランベリー、ラズベリーの様な酸味を伴う赤系果実の風味。やや茎や若葉の様な風味が感じられる。徐々に核種系の蜜やワッフルのロースト香の風味も現れてくる。 ややスパイシーでドライハーブやタイム、生肉、濡れた樹皮、ユーカリ、リコリスなど。
カリフォルニアの全房発酵っぽい雰囲気。
こちらは酸味やタンニンはとても穏やかで滑らか。口の中でローズヒップティーの余韻が広がる。


いや、やはりシャルドネもピノノワールもレベルが高いですね...
まずドライリヴァーのシャルドネですが、これがとてもいい。ひょっとしたらピノノワールよりいいかもしれないです。
新世界的な味わいでありながら、どこかシャブリグランクリュにも似た冷ややかなミネラル感や瑞々しさ、酸味が感じられます。
新世界とシャブリのスタイル自体真反対で本来は両立しないものだと認識していますが、なんというかこれが凄くいい具合にマッチしている。
香りの要素自体はトロピカルフルーツやバター、ナッツなどのリッチな風味。ただ新世界のワインの様なぽってりした膨らみを感じさせるアタックでは無く、ともすればシャープにも映るような酸味とミネラル感、密度のまとまりを感じさせます。重くなく、けれど凝縮感がある。この点はすごくブルゴーニュ的ですよね。果実味の要素がライチや洋梨になっていたら、結構シャブリグランクリュっぽくなるんじゃないかな、と思います。

次、ドライリヴァーのピノノワール。
こちらもかなり新世界的な味わい。
ソノマというか、ピゾーニヴィンヤードの生産者やタンタラの様な凝縮感がありながら甘さに片重しない旨味と甘酸っぱさを感じさせるピノノワールだと思いました。
ただ少なくとも冷涼地のピノノワールという訳ではありません。果実味は充実していますし、甘露さもしっかりと感じるので。こう、自然な果実味が特徴的でした。

最後エスカープメント。
個人的にはドライリヴァーの方が好きですが、こちらもよく出来ています。
風味としてややスパイシーさや青っぽい風味があり、おそらく全房発酵かそこそこ梗を残しているのでは無いかと思います。
ただデュジャックやDRCの様なタイプではなく、あくまで新世界的な、カリフォルニアのピノノワールの風味に主軸が置かれています。
ジャミーな赤系果実やオレンジの風味、茎などの風味、そして香りの瑞々しさ。そして追ってくる糖蜜の様な甘露さ。
キャッチーでありながらピノノワールの良さの部分はとても良く表現出来ているのでは無いかなと。

そもそもニュージーランドのピノノワール、シャルドネで外した事はないのですが、このカルトワイナリーの2本を飲む限り、ニュージーランドのピノノワールは今、カリフォルニアに比肩するくらいにはなっているんじゃないかなと思います。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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