【ブルゴーニュ:15】フィリップパカレ2011年特級水平テイスティング

こんにちは。
本日はブルゴーニュ自然派の代表格、フィリップパカレです。

自然派の生産者は数多いますが、ブルゴーニュといえばなんといってもフィリップ パカレだと思います。
マルセル ラピエールの甥で、若い頃はプリューレ ロックの醸造長を務めていた彼ですが2001年から自身のドメーヌを立ち上げて、高品質なワインを送り出しています。
生産は全てビオディナミによって行われます。農薬や除草剤、化学肥料は使用せず、除梗まで完熟した健全な果実のみを使用します。
発酵は自然酵母を使用して行われ、醸造中でのルモンタージュ、温度管理は行われません。アルコール発酵及びマロラクティック発酵は木樽(新樽比率は低めです)にて行われ、澱引きをせず熟成を行います。SO2(二酸化硫黄)は添加しません。保有している特級畑はシャンベルタン クロ ド ベーズ、リュショットシャンベルタン、エシェゾー、コルトン シャルルマーニュです。


生産者: フィリップ パカレ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2011

約20000円、WA92-94pt
外観は濃いルビー、粘性は高め。
綺麗なミネラル感もある。
鼻腔をくすぐる強い花と梅しばの香り。若干奥の方にキャンディ香が見え隠れするものの、基本的には濃密で強い薔薇とスミレの香りとラズベリージャムやストロベリーの様な果実味が液面を覆う。タイムや樹皮、リコリス、茎の様な風味が感じられる。
酸味は柔らかく、タンニンも比較的穏やか。丸みを感じる味わい。
分厚い果実味と紫スモモなどのフルーツ系の旨味に覆われている。
あくまで澄んだ伸びやかな味わいを感じられるものの果実が醸し出すボディの厚さはルーミエにも近い。
全房発酵の中でもかなり完成された味わいだと思う。


生産者: フィリップ パカレ
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ 2011
約25000円、WA94pt(2009)

外観は濃いルビー、粘性は中庸。
エシェゾーと比べると骨格と外観共に冷ややかで硬質な風味を感じる。
比較的強いミネラル感と、分厚い薔薇やスミレや樹皮、酸味の強いラズベリーやダークチェリーの様な風味が主体となる。
エシェゾーにも見られたキャンディ香は変わらず感じるが、外側を覆う要素が強すぎてより目立たなくなっている。
エシェゾーほどでは無いにせよ、リコリスやタイム、茎のスパイシーな風味を感じ取る事が出来る。
熟成した生ハムの様な香りも。
タンニンは穏やかながら、酸味はやや際立ち、香りの硬質な印象を際立たせている。
こちらも際立った旨味が特徴的で厚みのあるスモモの様な果実味が感じられる。素晴らしい。


全体的に非常にビオっぽいというか全房発酵の要素が感じられますね。
あと厚い果実味の奥にキャンディ香など、これは多分極端に若いからかもしれませんが。若干青い風味や薔薇などの華やかでスパイシーさを感じられるのは全房発酵起因ですね。
そして何よりすごいと思ったのはエシェゾーにもリュショットにも感じられた瑞々しく分厚い果実味。濃いというか果実そのものの風味を強く感じられます。果実味の厚さはさながらルーミエの様。
このえも言われぬ風味がフィリップパカレっぽさなのかもしれませんね。
所謂ビオディナミでありながら酒質の緩さや弱さを一切感じないという。完成されたワインだと思います。
さて、リュショット、エシェゾーそれぞれの違いを書いていきます。
イメージでいうとエシェゾーはとても華やかでジャムの様に厚い赤系の果実味、そして旨味が際立っています。丸みがあり、滑らかなタッチ。
今まで飲んだエシェゾーとは全く異なるのですが、リュショットと対比した時に非常に伸びやかで、極めて華やか。それでいてとてもキャッチーな味わいを感じさせる所は「ああ、エシェゾーだな」と感じさせるものになっています。
対してリュショットはミネラル感とやや酸味が際立っており、それに硬質な黒系果実の厚い風味が感じられます。
タッチや香りが極めて硬く堅牢。
こちらも今まで飲んだリュショットと比べてイメージは異なりますが、彼のエシェゾーと比べると、とてもジュヴレシャンベルタンのグランクリュっぽい味わいだと思います。
カチッとしてるんですよね、ちょっと飲みにくい部分(と言っても、現状でも十分に美味いですけど)はあるのだけども熟成のポテンシャルはとても高い。
いわゆるヴァンドガルドなワインだと思います。
これらを見るに大まかに村が与えるイメージと合致していますね。
エシェゾーはヴォーヌロマネっぽいし、リュショットはすごくジュヴレシャンベルタンっぽい。テロワールを尊重した素晴らしいワインでした。
なおプリューレロックとの共通点はあるといえばありますが、どちらかというとプリューレロックはDRCっぽさがある様な気がしますね。
フィリップパカレはもっと清濁併せ呑んだ雑っぽさがある様な気がします。
悪い意味ではなくて、より果実とその梗、酵母を尊重している様な気がします。

人によってはこのパカレっぽさ、ビオっぽさがダメという人も結構いるみたいですが、個人的にはとても好きなタイプですね。
プリューレロックもDRCも好きですが、パカレのこのスタイルも個人的に凄くハマりますね。
うーん、割と全房発酵のワイン、好きなのかも。デュジャックとか...




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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