【ブルゴーニュ:18】アルマンルソー2010年水平テイスティング:序



こんにちは。
本日はアルマンルソー2010年の一括レビューです。
村名ジュヴレシャンベルタン、特級クロ ド ラ ロッシュ、特級シャルムシャンベルタン、特級マジシャンベルタン、特級リュショットシャンベルタン、一級 クロ サン ジャック、そして特級シャンベルタン。
すごいですね...!メチャクチャ豪華ですね...!こう並べて眺めてみると本当に圧巻です。しかも好きな生産者だけになんかもう...!

偉大な生産者を多く抱えるジュヴレシャンベルタンですが、その代名詞とも言える5人の生産者が居ます。デュガ ピィ、クロード デュガ、フーリエ、ドニ モルテ、そしてアルマンルソー。
いずれもブルゴーニュを代表する生産者で個性豊かな極めて高品質なワインを生み出します。
とりわけ評価が高くファンが多いのが、アルマンルソー。彼の作るシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズ、1級クロ サン ジャックはまさに別格。ブルゴーニュでも群を抜いた偉大なワインとされています。ルーミエ程では無いにせよ、旗艦銘柄は瞬殺です。
葡萄の平均樹齢45年以上。ただでさえ収量の少ない古木。かつ収量を25hl/haにまで絞った葡萄はリュットレゾネに則って栽培、熟したタイミングでやや早めに収穫されます。除梗は90%程度行われ低温浸漬を経て、アルコール発酵が行われます。ピジャージュは1日2回程度。キュヴェゾンは20日間。その後シャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ サン ジャックが100%新樽、その他の特級は80%新樽で20ヶ月程度の熟成を経たのち軽く濾過、卵白での清澄を行ったのち瓶詰めされます。

今回は銘柄数も多いので、下位クラスのテイスティングコメント、上位クラスのテイスティングコメント、比較コメントの3回に分けてレポートしたいと思います。
今回は村名と下位を固める特級畑3種をレポートします。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン 2010

約10000円、WA87-89pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
瑞々しいブラックベリーやダークチェリーなどの黒系果実の甘露な香りが感じられる。
ミルクティーの風味。落ち着いた薔薇やスミレの華やかさ、シナモン、グローヴ、タイム。ワッフルなどの風味も。
流石に他のキュヴェと比べるとシンプルだが、アルマンルソーを感じさせる最低限の要素は備えている。
酸味がもう凄く心地よく、旨味と一緒に綺麗に舌の上を駆け抜けていく。強烈な果実と糖蜜の甘露さ。タンニンも心地よく、非常に一塊となった丸みを感じさせる。よく出来た村名。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2010

約18000円、WA91-93pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
印象としては村名より密度が高く、強烈な旨味が落ち着いたリュショットと言った感じ。ブラックベリー、ダークチェリーの果実味。ミルクティーなどの風味が感じられる。やや強めの樽を感じる。コーヒーや五香粉、僅かにオレンジの清涼感や濃厚なシロップの甘みを感じる。薔薇や茎の風味も。やや野生的で燻製肉の風味も感じられる。シャンピニオン。紅茶など。
やや酸味が際立っているが、そこに乗ってくる旨味と甘みがとてもいい。タンニンは滑らかなタッチ。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2010

約19000円、WA91-94pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
クロドラロッシュと近いタイプと思いきや、やや果実味が落ちたリュショットと言った感じ。この中ではパッとしない味わい。ダークチェリーやアメリカンチェリーの瑞々しい果実味が感じられる。ミルクティー、若葉、井草、スミレの香り、やや青さが感じられる。なめし革、白マッシュルーム、シナモンなど。
液体密度は高いが甘みが薄い、伸びてこない。香りに不足を感じる。
酸味と旨味の綺麗な質感は他のワイン通り感じるもの、酸味が際立つ感じ。バランスの若干の悪さを感じる。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2010

約20000円、WA91-94pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
現状で最もバランスが良い。村名の瑞々しさにブラックベリー、プラムの甘い果実味が乗っていく。徐々にシロップやシナモンの風味が現れてくる。感覚としてはマジの上位互換的な味わい。とても甘露でスパイシー。ドライハーブやミルクティーや茎の様な香りが主体となる。スミレの華やかさはリュショット以上のキュベと比べるとやや控えめ。ややトリュフ、土っぽい。ローリエ、グローヴ、糖蜜を付けたパンケーキ。
こちらも非常に旨味と酸味が綺麗に一体化している。やや口当たりとしてはドライだが、タンニンも穏やかでベリー系の旨味の綺麗に味わいが広がって行く。


いや、もう、本当素晴らしい。
とりあえず下位部分だけ見ても大変素晴らしい。
上位と比較するとどうしても劣る部分はあるにせよ、それでもこれだけグッと来るものがあるのはアルマンルソーならではだと思います。

ちょっと驚きなのは村名がかなりいいという事です。
構造は他のワインと比べるとシンプルながらアルマンルソーらしい甘露で瑞々しい印象を受けますね。
密度や甘みの伸びは他のキュヴェと比較するとちょっと厳しいですが、価格を考慮すると十分すぎる品質だと思いますね。
対して特級クラスはローレンジとはいえ、流石にジュヴレシャンベルタン的な堅牢な姿を強く感じ取る事が出来ます。

シャルムシャンベルタンは最初はかなり冷ややかな印象を受けました。
リュショットに近いが、強烈な旨味を放つリュショットに対して、わずかに旨味の出方で劣る。エレガントなスタイル。やや樽は強めに感じる。
しかし後半から凄まじい甘みの伸びを見せはじめ、シロップやブラックベリーの自然な甘露さが現れてくる。
全体的に見ると密度は低めに見えるが、村名とは比べものにならない。
しっかりとしたポテンシャルが感じられる、いい特級畑だと思った。

そしてマジシャンベルタン。こいつがちょっと曲者で、最初こそベリーやシナモンの風味がしっかりと現れているのだけど、最終的に発露する甘露さはこの中では最も低く、やや青い風味が過剰に感じられる。
密度はシャルム以上でまずまず及第点だと思うのだけど、伸び代は少なく、酸味が際立ちバランスがやや悪く感じる。最初の瞬間最大風速は申し分ないのだけど、ちょっと継続性の無い特級畑かなと思われます。

そして最後はクロ ド ラ ロッシュ。
恐らく4本の中で最も現状でバランスが良くレベルの高いワイン。
瑞々しい黒系果実にシロップやシナモンの甘露な風味が乗ってくる。
華やかさはやや抑え気味ですがスパイシーて甘露な特徴を持ちます。
ただ甘露な香りに反して口当たりはドライで冷涼な雰囲気を感じられました。
さて全体的に今回のを分類するとこんな感じでしょうか。

■中間
村名

■冷涼、ドライ、堅牢
シャルム シャンベルタン
マジ シャンベルタン

■リッチ、甘露、堅牢
クロ ド ラ ロッシュ

次回はこれに対して上位キュべも振って行こうかなと思います。




スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR