【オーストラリア:3】オーストラリアのカルトシラーズ2本を利く


こんにちは、HKOです。
毎度どうもありがとうございます。
FC2酒部門のランキングで15位以内をキープできる様になりました、これも皆様の応援あってでの事でございます、これからもよろしくお願いします。
色々とゲストさんを呼んだりと趣向を凝らしてはいますが、基本的にHKOの書く記事は今までのスタンスを崩さないような形で行きたいと思います。

では昨日に引き続きオーストラリア特集です。今回はピノノワールに引き続きシラーズをテーマに2つのグランヴァンを見て行きたいと思います。

ドイツより移民したヨハン クリスチャン ヘンチキが1868年に設立した老舗家族経営ワイナリーで、シラーズの最高峰グランジと双璧を成す、樹齢130年のシラーズを使用した「ヒル オブ グレイス」がフラッグシップとなります。発酵層は全て古典的なコンクリートタンクを使用し、熟成樽は新樽90%、古樽10%(フレンチオーク67%、アメリカンオーク33%。)
今回のマウント エーデルストーンはいわばヒル オブ グレイスのセカンドワイン的なワイン。ヒル オブ グレイス程ではないにせよ、樹齢90年のシラーズを使用し、21ヶ月熟成を経たのちに瓶詰めされます。
栽培や醸造方法に関しては、あまり言及されておらず、真実は闇の中なので個人的な感覚でレポートします。

クリス リングランドはバロッサバレーに拠点を置くオーストラリア シラーズ最高のカルトワイナリーで、ワインアドヴォケイトでは100点4回、97-99点6回が献上されています。以前はスリーリバースシラーズと呼ばれていました。あまりに流通が少なすぎて(80ケースほどらしい)有名ではありませんが、まず間違いなくオーストラリア最高の生産者の一人だと思います。1エーカー1トンの低収量。所有しているシラーズの樹齢は100年近くになります。収穫したぶどうはマロラクティック発酵を行いながらフレンチオーク新樽100%で42ヶ月の熟成が行われます。その他の生産や醸造方法に関する記述は見つかりませんでした。謎めいたカルトワイナリーですが、その実力は確実に本物です。今回の2004年のアルコール度数は戦慄の17.7度。

さて、ではいってみましょう。


生産者: ヘンシュケ
銘柄: マウント エーデルストーン シラーズ 2009
品種:シラーズ100%

約18000円、WA94pt(2007)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
甘露さと酸味のバランスが良く、華やかな印象を受ける。
カシスリキュールやプラムの風味。より酸味が突出した印象。カラメル、ドライハーブや漢方、スミレや茎の風味。松の樹皮、黒胡椒などの風味が感じられる。
酸味が際立っており、綺麗な丸みのあるタンニンも豊かなミルクやプラムの余韻が広がる。凝縮した印象でありながら何処か果実の瑞々しさも感じさせる。茎など。


生産者: クリス リングランド
銘柄: シラーズ 2004
品種:シラーズ100%
約80000円、WA100pt
外観は黒に近い濃いガーネット、粘性はとても高い。とてつもなく濃厚で重量感のあるシラーズ。干したブラックベリーや煮詰めたカシスのジャム、レーズンの様な濃縮した甘露な果実味、ドライハーブ、バニラやミルクティー、パストラミハムやジビエなどの肉の香り、タバコや漢方。甘草、焼いたゴムなど。
タンニンも酸味も重く、粘性は高いが丸く重みがある。レーズンやミルクティーの濃厚な味わい、綺麗な余韻が残る。
極めて濃厚なアマローネにも近いシラーズ。


今回の中にはまろやかで果実味が爆発している典型的なオーストラリアのシラーズはありませんでした。
濃いには、それはもう途轍もなく濃いのですけれどもまろやかではないです。
ヘンシュケは凝縮感がありながら角が丸いワインだし、クリス リングランドは強烈な凝縮感とアルコール度数に裏打ちされた重厚なボディ。ちょっと感じが違いますね。
まずヘンシュケです。
マウント エーデルストーンはヒル オブ グレイスのセカンドワイン的なポジション。90年の古木から収穫されたぶどうを、乾燥させて含有水分量を減らす事で凝縮度を更に高めて醸造しています。
実際ヘンシュケは強烈な濃厚さと凝縮感を持っています。ただ干している割には瑞々しい印象は受けますけどね。カシスリキュールやプラムなどの黒系果実と風味、カラメル、ドライハーブや漢方など。酸味が際立っており、綺麗な丸みのあるタンニンも豊かなミルクやプラムの余韻が広ります。樽のロースト香りもしっかりとあります。
次にクリス リングランドですが、これが途方もなく重厚で濃厚なシラーズ。まず粘性からしてとろみがある。外観も黒に近いガーネットをしている。100年近くの古木から収穫されたぶどうを乾燥、凝縮させ、42ヶ月のフレンチオーク熟成。なるほど作りを見て納得、これは長期間熟成させないと荒々しくなりそうだ。極限まで糖度が上がっている状況で、アルコール発酵をしているので、この度数にも納得。そしてその干したニュアンスはドライブラックベリーや煮詰めたカシスのジャム、レーズンの様な濃縮した甘露な果実味にも現れている。バニラやミルクティーなど長期樽熟成による風味、パストラミハムなどの品種固有の芳香も残している。濃厚なアマローネにも近いシラーズだと思います。
なんというか、樹齢、糖度、樽熟成期間、新樽比率、アルコール度数、どれもすべてが規格外。古木の果実味を活かす為にはー、さらに糖度を上げるにはー、と考えていった結果、古木のオーバースペックに引きずられて、どれも規格外のスペックになったんじゃないかと。ただ上流のバランスを見てから下流を決めているのだろうから、しっかりと各々の要素は果実味に受け止められている。
凄まじい、圧倒されるシラーズですね、これは。

オーストラリア シラーズ。さすがに素晴らしいですね。現段階でも十分美味いんだけど、なにより熟成のポテンシャルが本当に凄い。何年持つんだ、と。
特にクリス リングランドのワインは今回2004年だったのだけど、最新ヴィンテージかと見間違うばかりの若々しさ。いつになったら飲み頃を迎えるのか想像がつかない....
球数が少ないので数十年後に検証できるかどうかわかりませんので、バックヴィンテージ探してみようかしら。


スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR