【ボルドー:6】蠱惑的なボルドーブラン古酒を利く

こんにちは、HKOです。
大変ご無沙汰しております。
本日は熟成したボルドー(グラーヴ)ブラン2種類です。
ドメーヌ ド シュヴァリエ、ラヴィル オーブリオン、共にグランクリュクラッセ ド グラーヴです。

ドメーヌ ド シュヴァリエはグラーヴ特級格付シャトー。赤だけでなく非常に品質の高い白を産出する事で有名です。ちなみにグラーヴで赤白共に格付扱いのシャトーは、わずか6シャトーのみ(有名どころではブスコーやカルボニュー)。
そしてオーブリオンやド フューザル、スミス オー ラフィットは白に関しては格付け外です。まあ、品質で落ちた訳ではないです。
そんなレアな赤白格付けシャトーであるシュヴァリエ ブランの年間生産数は1000ケース。ボルドーとしては少ないですね。ただ他の地域と比べると特別少なすぎるとは思いませんし、特に手に入りにくい訳ではありません。収量は37hl/ha、平均樹齢30年で夏季選定は十分に行われ、品質がファーストラベルに満たない葡萄はレスプリ ド シュヴァリエに回される。70%新樽でバトナージュを行いながら発酵、新樽30%で18ヶ月樽熟成を行い瓶詰めを行います。

ラヴィル オー ブリオンはラ ミッション オーブリオン所有のボルドー最上の辛口白ワインの一つで1927年に、当時のシャトー ラ ミッション オーブリオンの所有者フレデリック ヴォルトナーによって設立された。追加購入したクロ ラヴェイユと含め1927~1930年はシャトー ラ ミッション オー ブリオン ブランとして販売を開始、1934年からはシャトー ラヴィル オー ブリオンとして、2009年からは元のラ ミッション オー ブリオン ブランとして、高い評価を守り続けています。
土壌はラ ミッション オー ブリオンの畑よりも砂利が少なく、粘度が高い土壌。
平均年間生産量1万200本うち95%は輸出されている。
栽培面積はわずか3.7ha、かつ平均収量35hl/haというち低収量。平均樹齢は51年。
発酵と13~16ヶ月間の熟成はオーク新樽で実施。清澄も濾過もしない。

ではいってみましょう。


生産者、銘柄: ドメーヌ ド シュヴァリエ 2003
品種: ソーヴィニヨンブラン80%、セミヨン20%

12600円、WA93pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
フレッシュな香りの奥に熟成した風味が感じられる。クリスピーな印象。
幾分かミネラリーで甘露。バニラやエシレバター、と結合したシロップ。そして白い花や白粉、ハチミツ、ドライハーブ。青リンゴやパイナップルの様なやや酸を感じさせる香り、わずかにシャンピニオンの風味も。
若干まだ若々しさを感じるものの、若い頃のフレッシュさと程よいドライハーブなどの熟成感があってなかなか良い。
口当たりとしての酸の密度は大分軽くなっているがまだまだシャープさは生きている。パインや白粉、バターの余韻を残して行く。


生産者、銘柄: ラヴィル オー ブリオン ブラン 1994
品種: セミヨン70%、ソーヴィニヨンブラン27%、ミュスカデル3%

約32000円、WA94pt
外観はやや濃い目の黄金色で粘性は高い。
クリスピーな風味が感じられ、樽と豊かな果実味、マロラクティック発酵による豊満なニュアンスが綺麗に溶け込んでいる。
樽に由縁するバニラやクリームブリュレのマロラクティック発酵を経た豊満な果実味も白い花やヘーゼルナッツ、シナモン、カマンベール。ドライハーブやリコリスの風味が強く感じられる。ボルドーブランらしい白檀や白い花のニュアンスが残りつつ、一塊となった複雑な要素が現れている。
酸味は厚く、しっかりとしたボディがある。過剰な冷ややかさやシャープさは感じられない。口の中でシナモンやドライハーブの風味が口の中に広がり長い余韻を残して行く。


ボルドー最上の白がしっかり熟成した姿を見るのは初めてでしたが、これが本当に見事。
ラヴィル オーブリオン、半端なくいいです。
品質としてはブルゴーニュ最上の白ワインにも匹敵するレベルのソーヴィニヨンブランとセミヨンだと思います。樽と果実味、マロラクティック発酵のニュアンスが綺麗に結合しており、クリームブリュレやバニラ、ドライハーブの風味、そしてセミヨン特有の白い花の香りが感じられます。ソーヴィニヨンブランらしいフォキシーフレーヴァーやシャープな酸味は感じられませんが、何処と無く感じるフルーティーさはソーヴィニヨンブラン由縁のものなのかと思います。スタイルとしてはクラランス ディロン家所有の他の白(プランティエールなど)にやはり近いものを感じますね。ただ約20年の熟成を経てここまで果実味が残っているのは、そもそものポテンシャルがとても高いからではないかと。
次にドメーヌ シュヴァリエ ブランですが、やはり2005年と比べてもさほど遜色の無い味わいだと思いました。
変わらずミネラルは充実しており、クリスピーな味わいを感じられます。
ただ若干2005年の方が樽が効き気味なのかバタービスケットの様な風味が感じられたのに対して、2003年は若干マロラクティックと果実味のニュアンスが前に出ていると思います。よりシャープで酸味を伴う果実味があります。なので一見なかなか若々しいと感じるのですが、口当たりの部分で中域が抜け始めており、密度は落ち始めていると感じられました。香りから察するあたりまだ10年近くは熟成するのではないかと思いますが、2003は既に飲み頃を迎えていると思います。
ボディ含め均整が取れた状態を楽しめるのは5年程度ではないかなーと。
ただ香りの変化がどう進むか分からないので、わりとボディが落ちてても美味しく頂けるかもしれないですね。
うーん、いいですね。ボルドー白。
このクラスなら比較的お金を出して買っても損しませんな。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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