【ブルゴーニュ:44】大手ネゴシアン ルイジャドの高品質ネゴスものを利く


こんにちは、HKOです。
たまに思うのが、そもそもの趣旨とはいえ淡々と記事をあげ続けているのって見てて面白いのかなーと思うのですが、どうですか?
備忘録兼データベース的な使用用途で始めたブログですが、そこそこ閲覧者も増えてきたので、ちょっと何か考えようと思います。
さて、本日はブルゴーニュ、メゾン ルイジャドの白2本と赤1本です。
これがなかなか面白いテイスティングでした。

ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。現在はしっかりとラルディエールのエッセンスを受け継いだフレデリック バルニエが醸造を行っています。

ではいってみましょう。


生産者: メゾン ルイ ジャド
銘柄: ムルソー プルミエクリュ シャルム 2002

11500円、WA88-90pt
外観は濃いイエロー、粘性は中庸。
かなり果実に対して熟成感の出てきている風味、酸や出汁の様な旨味の厚さが感じられる。
熟したリンゴやライチの旨味を感じる果実味、杏仁豆腐、甘露さは強くない。熟成シャンパーニュに似た果実味の出方に近い。徐々に核種系の蜜やシロップの香りも現れてくる。ドライハーブ、白檀、タイムなど。さほど樽ががっつり効いている訳ではなく、むしろ熟した果実味主体のワイン。マロラクティック発酵によるヨーグルトの香りも。
酸の層は厚く、旨味に満ちている。パワフルなワインで、木材やリンゴの余韻を残していく。


生産者: メゾン ルイ ジャド
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ ラ ロマネ 2009

16000円、WA92-93pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
石を砕いた様なミネラルがありながら、しっかりとシャサーニュらしい果実味が感じられる。果実味も強く、よくバランスが取れたシャルドネだと思う。若々しくありながら、意外と樽と果実味が溶け込んでいると感じさせる味わい。ライチや洋梨の様な果実味、バター、バニラが主体となり、僅かにシャンピニオンやドライハーブ、ヘーゼルナッツ、そして花の蜜の様なシロップの甘露さが感じられる。比較的バターリーでしっかりとマロラクティック発酵をしているであろう味わい。
酸は厚く、やや若いシャープさを残すものの、非常に各要素の調和が取れている。
口に含むとミントや熟したライチ、洋梨の風味が感じられ、綺麗な余韻を残して行く。
いいワインだなあ、熟成はしないだろうが。


生産者: メゾン ルイ ジャド
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2006

25000円、WA94pt(2008)
外観は澄んだルビーで粘性は高め。
全房発酵の様なスパイシーなニュアンス。野性的ななめし革。オレンジやイチゴ、ダークチェリーの様な瑞々しい果実味。スミレの華やかな香りやクローヴ、コリアンダー、八角のスパイシーさ。濡れた茎。燻製の様な燻った香りも感じられる。
全房に由縁するのだろうがDRCにも似た感触を覚える。
酸味、タンニンとも極めて穏やかで、口内でオレンジやベリー類の瑞々しい果実味とスパイシーな余韻を残していく。樽が効きすぎているわけでもなく、過剰な熟度な訳ではなく全てが適切で、妖艶な芳香を放っている。
とても優美なクロ ド ラ ロッシュだ。


まずは白から。
検証数が少ないながら、今回のテイスティングでメゾン ルイジャドに対してなんとなく思ったことがあります。
ドメーヌのワインに対してメゾンは比較的早飲み出来るように意図的に作られているのではないかと思います。
ドメーヌ ルイジャドのフラッグシップ級のシュヴァリエ モンラッシェ レ ドゥモワゼルはテロワールを考慮したとしても過剰な程、堅固でガチガチだったのに対して、今回の2本、特にシャサーニュは、2009年にしてとても樽が溶け込んでいます。既に素晴らしい味わいが楽しめるものになっていました。これは赤に関しても同様です。
また大きな違いとして、過剰な樽香を効かせたり(赤で有れば)強い抽出は行なっていない、というのもあります。
今回の3本の赤白はすべて果実味主体。無論適度な樽香はありますが、長期熟成を想定したような濃厚な樽香はありません。また強い収斂性を伴う抽出の強さ、色の濃さもありません。例えば赤であれば樽より全房のスパイシーなニュアンスや瑞々しさがあり、タニックであったりスモーキーなニュアンスはありません。濃厚なスタイルの生産者とは一線を画している部分と言えると思います。
そのため10年、20年の熟成が果たして可能なのかは結構微妙なところで、これはデメリットでもあると思いますが、現状でブルゴーニュの良さを余すことなく伝えきっている素晴らしいネゴスワインだと思います。
まずは白からいきます。
今回はシャサーニュの1級畑のラ ロマネ。そして熟成したムルソー1級シャルムです。
テロワールを考慮するとピュアな果実味が特徴のシャサーニュ、濃厚でリッチなムルソー、となりますが、メゾンの熟成はどんな感じなのか。
2009年のラ ロマネは既に樽と果実味が溶け込んでいる状態でした。
各々の要素自体が、そこまでパワフルかつ堅固でないからかもしれません、ボディや酸に若々しさを感じさせながらもクリームブリュレの様な甘露で蕩ける様なシャルドネだったと思います。
正直2009年でこれかよ!と思いました。ただどこかアンバランスなところがあるか、といえばそんな事は一切なく、極めて均整のとれたラ ロマネだったと思います。普段ならこれくらい溶け込んでるタイプであれば、酸やボディが軟化している場合が多いのですが、この若さでしっかりとしたボディとともに樽と果実味が溶け込んだニュアンスが感じ取れたのは未知の体験でした。
対してシャルムは経過年数に対して若干年をとっているな、と感じました。
赤リンゴや出汁のニュアンスなど熟成ブラン ド ブランにも感じ取れる要素が前に出ており、新樽のニュアンスは(熟成香に転化し)ほぼ感じられません。マロラクティック発酵に伴う要素、旨味は極大化しています。
若々しいシャープさを残しつつも香りはかなり熟成感を感じさせる形となっていますね。
ボディに衰えはないものの、ルフレーヴやラフォンのワインと比べると、香りに関しては若干足の早さを感じます。
次に赤。
素晴らしいクロ ド ラ ロッシュでした。
方向性としてはDRCやデュジャックのスタイルと似ていると思います。というか全房の王道的な味わいですね。こちらはまだ比較的若い感じはします。オレンジやベリー類の瑞々しい果実味とスパイシーなニュアンス、わずかな樽香がとても均整が取れています。こちらも過度な抽出や樽香は無く、バランスを大切にしているのが良くわかります。
一般的なクロ ド ラ ロッシュと比べると、かなり穏やかで軽やかではありますが、ルイジャドの他のキュヴェの方向性を知るには、なかなか良いワインだと思います。(中間がわかると他のテロワールの想像をしやすいので)

以上です。
メゾンのワインは物にもよりますが、10年以内に飲むのがいいかもしれませんね。
しっかりと熟成香を含めて味わいたいのであれば、それ以降もいいと思いますが、安定した風味を味わいたいなら、そんなもんかなと思います。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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