【シャンパーニュ:6】エグリウーリエ スタンダードキュヴェ2種とNM上級ミレジムを利く

こんにちは、HKOです。
もう12月ですね、色々とイベントが重なるこの時期ですが、やはりそんな時期こそシャンパーニュ!ということでシャンパーニュ4本。RMのスター、エグリウーリエ2本。ボランジェのグランダネ、ルグラのサンヴァンサンでお送りします。

エグリ ウーリエはアンボネイ村に拠点を置くRMのスター生産者。現在はフランシス エグリが指揮を取っている。農薬は使用せず、有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、完熟した葡萄を収穫します。
醸造後はドミニクローラン指導の新樽発酵。46ヶ月(ヴィーニュ ヴリニィは36ヶ月)の新瓶内熟成、ドサージュは僅か3~4.5g/lです。
今回の2本はいずれも2012年デコルジュマン。ブリュット ドラディションはアンボネイ、ヴージィ、ヴェルズネイの特級畑の混醸。アンボネイ南向き緩斜面に植えられた平均樹齢40年の古樹のピノ・ノワールを使用。フラッグシップはブラン ド ノワール レ クレイエール、グランクリュ ミレジム、VP。今回はスタンダードなブリュット トラディション グランクリュ、ちょっと変わり種のムニエ100%のプルミエクリュ ヴィーニュ ド ヴリニィです。

ボランジェは1829年にジャック ボランジェによって設立されたメゾン。1884年からは英国ロイヤルワラントを取得しています。
フラッグシップはグランダネ、R.D、そしてヴィエイユヴィーニュフランセーズ。
葡萄は160haの自社畑から供給。
グランダネは特級畑のアイ、ブジー、グラマン、オジェ、ルーヴォワ、一級畑のマレイユ シュール アイ、キュイの葡萄を使用。収穫された葡萄はオーク樽で一次発酵(MLFも行う)後、コルク栓をしてカーヴで最低でも5年間熟成させます。ドザージュは7~9g/L。

R&L ルグラは、200年以上続くエペルネの南東シュイィ村の老舗ドメーヌです。
シャルドネを得意とする生産者で、そのポートフォリオの全てがグランクリュであるシュイィ村から産出されるシャルドネを使用したブラン ド ブラン。フラッグシップはプレジデンス ブラン ド ブラン、そしてサン ヴァンサン キュヴェ エクセプショナル。充実した醸造設備と伝統的な手法でフレッシュさを基調にしたシャンパーニュ造りを行っています。ドサージュは6g程度。


生産者: エグリ ウーリエ
銘柄: プルミエ クリュ ヴィーニュ ド ヴリニィ ブリュット NV
品種: ピノ ムニエ100%

7000円、WA91pt
外観は淡いストローイエローで粘性は中庸、繊細な泡が立ち上っている。
トラディショナルなシャンパーニュに近い味わいだが、その実、ピノムニエ100%という変わり種。ブラン ド ブランの様にクリスピーで甘露な訳ではなく、ブラン ド ノワールの様に酸に厚みを伴う訳ではない。シャルドネの甘露さ、ピノノワールの厚さを一回り抑えてシャープな酸でまとめた感じの味わい。
しっかりとしたミネラルがあり、赤リンゴやレモン、そしてバターや焼き栗、フレッシュハーブ、リコリス、ジンジャーブレッドの風味が感じられる。
シャープな酸味が特徴的で口に含むと充実した赤リンゴの酸が余韻を残す。ピノノワールほどではないが、厚みも感じられる。


生産者: エグリ ウーリエ
銘柄: ブリュット トラディション グランクリュ NV
品種: ピノノワール75%、シャルドネ25%

8000円、WA92pt
外観はやや濃い目のストローイエロー、粘性は高く、泡も繊細に立ち上っている。
ピノノワール主体らしい強烈な甘みとボディを感じさせるアプリコットや赤リンゴなどの果実味が感じられる。火打石のミネラル、ローストナッツやドライハーブ、リコリス、木材。徐々にモカやバターなどの香りも感じられる様になる。
非常に力強いアタックで、構成されるボディの厚さはピノノワールならでは。赤リンゴの様なハツラツとした酸と旨味が感じられる。
比較的フレッシュな部類に入るシャンパーニュ。余韻は非常に長い。


生産者: ボランジェ
銘柄 ラ グランダネ ブリュット 2004
品種:ピノノワール60%、シャルドネ40%

14000円、WA93pt(2000)
外観は淡いストローイエローで粘性は中庸、泡は繊細に立ち上っている。
ピノノワールの強い旨味がしっかりと漲っている。バターや焼き栗、糖蜜などの甘露なニュアンス。赤リンゴやハチミツの果実味。フレッシュハーブ、杏仁豆腐、シナモンなどの風味が感じられる。白檀の様な木の香りも。
ブラン ド ブランの様なローステッドでふくよかな香りが主体となるが、赤リンゴの様な厚みを伴った酸味はピノノワールならではだと思う。リッチなボリューム感、引き締まった酸の厚みが非常に巧み。
酸味と泡は柔らかく、赤リンゴの果実味が口の中に力強く広がる。余韻はやや短めだがとても純粋な味わい。


生産者: R&L ルグラ
銘柄: サン ヴァンサン キュヴェ エクセプショナル グランクリュ シュイィ ブラン ド ブラン 1990
品種: シャルドネ100%

20500円。
外観は濃いイエロー、粘性は中庸だが、泡はしっかりと立ち上っている。
シャルムと似た方向性で熟成によって強烈な旨味を持ったシャンパーニュ。
ローストナッツや濡れた木材、ドライハーブ、蜜蝋。エシレバターやドライシェリーの様な塩味。カマンベール、アプリコットや熟した赤リンゴ、濃厚な出汁の様な旨味が感じられる。しっかりと熟成した味わい。
分厚くシャープな酸味があり、かなりボティはしっかりしている印象。複雑な味わい。木材、カマンベール、赤リンゴの余韻を残していく。


まず、エグリ ウーリエから。
今回のブリュット トラディション グランクリュNV、そしてヴィーニュ ド ヴリニィ プルミエクリュNVはエグリ ウーリエの中ではスタンダードなラインのシャンパーニュと言えます。しかしスタンダードなラインでもこのクオリティ!
エグリ ウーリエのスタイルから言うとリザーブワインを多めに使った(例えばジャックセロスやアンリ ジローの様な)酸化的なスタイルではなく、より若々しくフレッシュなスタイル。それはムニエ単一にもピノ&シャルドネにも当てはまります。
ではそれぞれの特徴を。
まずムニエはピノとシャルドネの中間を行く様なスタイルで、甘露さ、クリスピーさ、重厚さや厚みはそれぞれの品種に劣りますが、逆にいずれかの要素が突出せず、いずれもバランス良く包含しており、ミネラルもしっかりとあります。
ポテンシャルとしてはやはりピノノワール、シャルドネに劣りますが、言ってしまえば水増し要員のムニエ単一としては特別良く出来ているような気がします。赤リンゴやレモンのシャープな酸を感じさせる果実味、そしてバターや焼き栗などの樽やMLFの要素も感じられます。旨味もしっかりとあります。
次にブリュットトラディション。こちらはピノノワールとシャルドネの混醸。ピノノワールの割合が高めです。よって重厚なボディと甘露さが前に出ています。幾分かシャープな酸があるムニエとはかなり様子が違いますね。熟したリンゴの風味やアプリコットの果実味と共に際立ったミネラルとローストナッツの樽香が感じられます。徐々にマロラクティック発酵のニュアンスも。口に含んだ時の厚みも特徴的です。ムニエやシャルドネだと繊細な酸になりますが、ピノノワールならではのしっかりとした厚みのある酸が感じられます。樽のニュアンスが程々に効いているのがいいですね。でもドミニクローラン程ガッツリとしていない。シャンパーニュに適した使い方をしているような気がします。
流石エグリウーリエ。スタンダードなキュヴェでこれほどとは。値段を見るととてもお得な感じがしますね。

次はボランジェのグランダネ 2004、あまり面白くないチョイスですが、味わいは流石のボランジェフラッグシップ。メチャクチャよく出来ています。ピノノワールに起因する赤リンゴ様な分厚い酸と旨味と共に、焼き栗や糖蜜、バターの様なリッチな果実味が感じられます。この甘みの乗り方はシャルドネっぽいですが、セパージュは50%に満たないのですね。シナモンや白檀の様な風味が感じられます。約10年程度の熟成は既に経ていますが、まだまだ若々しく、酸化的なニュアンスは感じられません。ただ酸のシャープさは落ち着いているし、泡が溶け込んでいる部分も、有る程度の熟成を経ていないと出ないニュアンスですね。

最後はR&Lルグラのサンヴァンサン。
流石に1990と23年程度の熟成を経ていますので、酸化的な...というか熟成したニュアンスはありますね。ブルゴーニュの熟成シャルドネ(新樽が効いていないタイプの)っぽい味わいがあります。
濡れた木樽のニュアンス、ドライハーブ、そしてエシレバターやドライシェリーの様な塩味。カマンベール、アプリコットや熟した赤リンゴの果実味があります。かなり熟成感が感じられる味わいですね。複雑です。
グランメゾンのフラッグシップ級の熟成シャンパーニュはそれこそコートドールのグランクリュの様な熟成感を感じられる様なものがありますが、こちらはちょっと違うタイプですね。出汁の様なしっかりとした味わいが感じられます。

ヴィンテージも品種もそれぞれ違うので、一概には味わいの共通点は分析できませんが、今回で最もキャッチーな味わいだったのは、やはりグランダネ2004かな、と。非常にワインとしての完成度は高く、いわゆるピーキーな酸が立っていることもなく、とてもバランスが良い。
エグリウーリエやルグラは、より厚い酸や複雑なニュアンスがあり、かなりグランダネ2004とはスタイルに違いがある様に感じられます。フレッシュさを感じられるエグリウーリエに関しては熟成によって良くなってくるかもしれません(ノンヴィンテージですが、ブリュットトラディションは熟成しそうなポテンシャルがあります。)

以上でございます。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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