【ブルゴーニュ: 49】2011年トロ ボー、コルトンの無限の可能性を早期させる水平テイスティング


こんにちは、HKOでございます。
シンクさんから大変マニアックな記事が届きました。是非楽しみにしていてください。
では私の方は坦々とブルゴーニュやりますね。
本日は私の好きなトロ ボーの2011年ヴィンテージ3つの特級畑です。

トロ ボーは1921年に設立されたショレイ レ ボーヌに拠点を置く同村最高の生産者。
現在はアンヌ グロの夫ジャンポール、オリヴィエ、ナタリーが指揮を取っている。
保有している畑はアロース コルトン、ボーヌ、サヴィニー レ ボーヌ、ショレイ レ ボーヌの合計24ha。栽培はグリーンハーヴェストにより収量を制限、施肥は行わない。手摘みによって収穫された葡萄は除梗の後、コンクリートタンクとステンレスタンクにて発酵。ルモンタージュとピジャージュを時期によって変え、新樽率は村名25%、1級が35%、特級が50%で熟成される。(アロース コルトンは1級で50%)
コルトン シャルルマーニュ(リューディはル コルトン)は、50%新樽で樽発酵、樽熟成を行う。
フラッグシップはコルトン ブレッサンドとコルトン、そしてコルトン シャルルマーニュ(樹齢40年)の3つの特級畑。

ではいってみましょう。

生産者: トロ ボー
銘柄: コルトン グランクリュ 2010

WA89-91pt(2002)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
コルトンブレッサンドと比べるとミネラル感に不足感があるが、十分に濃密で甘露だし、華やかである。ブラックベリーさのコンポートやシロップ漬けのフランボワーズの甘露な果実味、フルーツワッフル、強いスミレの香り。豊かなシナモンやクローヴなどのスパイシーさ、スモーキーな燻製肉のニュアンス、杉など。奥の方に梗とフレッシュなエキス感のある果実味も感じられる。
全体的に果実味に主軸をおきながらも果皮のスミレやスパイシーさで妖艶さがしっかりと現れている。
酸味とタンニンはブレッサンド同様厚さを感じさせながら滑らか。スミレとフランボワーズのアフターが感じられる。こっちの方がスムーズ。液体密度はブレッサンドと比べるとやや低めか。


生産者: トロ ボー
銘柄: コルトン ブレッサンド グランクリュ 2010

WA91-93pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
コルトンに比べると幾分かミネラル感が感じられる。スパイスや果皮などの官能的な要素も感じ取れる。コルトン同様濃密で甘露な果実味だが、よりエッジが効いた鮮明な味わい。
石を砕いた様なミネラル感、ブラックベリーやフランボワーズのコンポート。それと並行するように果皮の強いスミレやシナモン、なめし革のニュアンスが強く感じられる。フルーツワッフル、バニラ。また、ユーカリやクローヴなどの要素も感じられる。甘露だが合わせて果皮成分も強く感じられる。
タンニン、酸はしっかりとあるが、タッチはとても柔らかく滑らか。フランボワーズを噛んだ様な瑞々しい酸とワッフルの様なフィニッシュ。旨味もしっかりとあり、相変わらずこの生産者は素晴らしいと思った。


生産者: トロ ボー
銘柄: コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2011

WA90-92pt(2003)
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
とても均整の取れた果実味とハーブ香、そしてコルトンシャルルマーニュとしては柔らかいミネラル感が感じられる。果実味は豊かだが、濃厚とか濃密とかではなく、あくまで自然な花の蜜やシロップの様な綺麗な果実味。
カリンや洋梨などの果実味、フレッシュハーブ、プレーンなバター、石鹸。白胡椒やヘーゼルナッツの風味が感じられる。
全体的に前にミネラルや果実味を押し出すタイプではなく、しっかりと果実味を持ちながらもハーブ香などとの整合性を意識した奥ゆかしいエレガントな味わいのコルトンシャルルマーニュ。キャッチーでもある。
その割にボディはしっかりとしており高密度でずっしりとしており、太くて厚い旨味を伴った酸がある。洋梨やカリンの旨味、強いミネラルのフィニッシュ。余韻はすこぶる長い。旨味と甘味が口の中にいつまでも残る。

なかなか2011年のコルトン、およびコルトンブレッサンドは良かったと思います。過剰な程甘露でローステッドだった2009,2010に比べると良い意味で落ち着いた、均整の取れた味わいだったかと思います。

トロ ボーのコルトンはレ コンブという南西向きのコルトンの丘最下部のリューディ(サヴィニー レ ボーヌ側)、ブレッサンドはコルトン最上のリューディで東向き斜面の中腹部(ラドワ セリニー側)に位置しています、これだけ条件が違うのに場合によってはコルトンでひとまとめされてしまうのは、なかなか不思議なものですね。無論味わいにも違いが見られました。
まず共通して感じられるのはしっかりとした抽出がなされたスミレや果皮の官能成分、黒系果実のコンポートやフルーツワッフルを早期させるリッチな果実味、バニラやワッフルを思わせる程よい樽香。ボリューム感のあるたっぷりとしたボディ。厚い酸と滑らかなタッチが特徴的でした。
では違いは何か。
コルトンはとても濃密な甘露なボリューム感を主軸に押し出したワインでした。対してブレッサンドは果実味主体のコルトンと比較すると、よりきめ細やかで複雑な構成。よりミネラルや果皮成分、スパイス香が多層的に積み重なっている。相対的に果実味が控えめにも感じられるが、それは他の要素がコルトンと比べて強い為であって、決して果実味に不足があるわけではない。より鮮明な輪郭を持ったワインだと感じました。
そもそもテロワールからしてブレッサンドの方が日照条件が良く、気候もやや冷涼、中腹部の為地層が折り重なっている為、ミネラリーで複雑、凝縮感のある均整の取れたワインが出来るのは自明の理ですね。
対してコルトンはシンプルであるのも納得です。
さて最後は唯一の白、コルトンシャルルマーニュ。こちらも赤同様たっぷりとした果実味が感じられるシャルドネ。リューディは最上部に位置するル コルトン。日照条件が良く、冷涼。かつ多層的な土壌を持っているテロワール。そしてそのポテンシャルを最大限に活かす古木から作られたコルトンシャルルマーニュ。テロワールと葡萄の木の品質に関してはほぼ最高の条件。それらの条件から導き出される品質と齟齬のない極めてエレガントでミネラリーかつ果実味に溢れた作りになっていたと思います。
このコルトンシャルルマーニュの特徴として、一見品の良い瑞々しい果実味とハーブ香が前面に出ているシャサーニュ的なワインと思ってしまいますが、徐々にミネラルが液面を満たしていきます。また花の香りや石鹸など、極めて調和の取れたストラクチャーを形成していますね。そして最も驚くべきは余韻の長さ。味わいの端正さからは想像できない、いつまでも続く様な柔らかな余韻が残る。いいコルトンシャルルマーニュだと思います。

2011年のトロ ボーはなかなかお得かもしれません。詰まった様な果実味はありませんが、適度な青っぽさが複雑味を付加していて、上手く作ってあるな、という印象を受けました。
スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR