2013ワイン総括


※来年は午年です。

こんにちはHKOです。
いよいよ2013年も最終日となりました。
みなさん、今年も一年間ありがとうございました。

という訳で本日は年末恒例のワインは総括です。今年も様々なワインと出会う事が出来ました。特に古酒は一期一会のところが多いので、幸運にも心に残る程のワインを飲むことが出来て非常に感謝をしております。

ではいってみましょう。

◼︎赤総評
2010年、2009年とブルゴーニュにおいては良ヴィンテージか続いたが、2011年という平凡なヴィンテージを改めて検証する事ができた。また土壌、気候、日照条件の差異により踏み込んだ検証を年代を絡めて比較することにより、よりブルゴーニュへの理解を深める事ができた。
前年の目標通りロワール、アルザス、イタリア、新世界に関してはより理解を深める事ができた。特にロワールは今まで白以外は敬遠していたアンジュ エ ソーミュールエリアの赤、アルザスの冷涼なピノノワールを経験し、そのテロワールへの理解を深めることが出来た。またイタリアに関しては古典派、革新派バローロ、バルバレスコの製法の違い、新世界に関しては地域差を理解したと思う。
全体で言うと今年はテロワールの違いに加えて、製法の差異に関して大きく踏み込む事ができたと思う。
来年は今年見送ったジュラサヴォワ、ドイツの赤に加えて、新興国のワインについて深掘りして行きたいと思う。


◼︎赤(ブルゴーニュ)
今年は単純に偉大なワインと、個人的に興味深いワインの2面からランク付けをした。
去年と同様テロワールの再現を重視している。
まずはランク内にある古酒から。
基本的にはエキス感が非常に良く現れた古酒のみを選んでおり、過剰なアーシーさが出ているワインは選外としている。果実味と古酒としての複雑さ、エキス感が両立しているメオのリシュブール、フーリエのグリオットシャンベルタンを選んだ。
また最新ヴィンテージでは2011年、一部の2010年が対象になっているが、いかに2009年、そして2010年がイレギュラー的に良年か分かる結果となった。
2011年において比較的成功した生産者は下記の通り。
1: 遅摘み、かつ新樽比率が高く、抽出が強い生産者
2: 果実味を過剰に押し出さず、新樽比率と抽出が弱いシャンボールミュジニーの生産者
状況を見ながら収穫を行った生産者は概ね2009、2010年に劣る出来だった。しかしシャンボールの生産者に関してはヴィンテージの負を見事にテロワールの特徴に合致させ突出した繊細さを持つシャンボールを作っていたと思う。

1: フーリエ: グリオット シャンベルタン 1980


2: ジャック フレデリック ミニュエ: ミュジニー グランクリュ 2010


3: エマニュエル ルジェ:エシェゾー 2010


4: アルマンルソー: シャンベルタン 2010
5: ロベール グロフィエ: シャンボールミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011
6: ドメーヌ ローラン: エシェゾー アン オルヴォー 2009
7: デュジャック: クロ サン ドニ グランクリュ 2008
8: メオ カミュゼ: ヴォーヌロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 2010
9: ジョルジュ ルーミエ: ボンヌ マール 2010
10: セラファン ペール エ フィス:ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ レ カズティエ 2010
11: ジョセフ ロティ: シャルム シャンベルタン キュヴェ ド トレ 2010
12: フィリップ パカレ: エシェゾー 2011
13: メオ カミュゼ: リシュブール 1988
14: ドニ モルテ: ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2011
15: ロベール シュヴィヨン: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ヴォークラン 2010



◼︎赤(ブルゴーニュ以外)
満遍なく選んだつもりだが、今回非常にガチガチだったボルドーは自ずと選外となり、突出したローヌ、カリフォルニアなどの規模感の大きいパワフルなワインが殆どを占めている。実際、ローヌ、カリフォルニアのシラー、グルナッシュ、カベルネソーヴィニヨンは非常に良い出来だったと思う。
しかしながらこのパワフルなワインの中で健闘したのが、カーリーフラットとクロ ルジャールだった。カーリーフラットはオーストラリアのピノノワールでありながらさながらブルゴーニュのコートドールを思わせるワインで、クロ ルジャールは繊細なシュヴァルブランといった所だ。これらのワインはアルコール度数、濃度共に濃くはないが、新世界からでもここまで繊細な味わいのワインが現れたのは驚くべきことであると思う。

1:ジャン ルイ シャーヴ: エルミタージュ ルージュ 2010


2:シン クア ノン: ファイブシューター シラー 2010


3: ハーランエステイト: プロプライエタリーレッド 2009


4: ブルーノジャコーザ: バルバレスコ アルベルサンティ サントステファノ 2009
5: オーベール: UV-SLヴィンヤード 2010
6: ペンフォールズ: グランジ 1990
7: マーカッシン: ブルースライドリッジ ヴィンヤード1999
8: ドメーヌ デュ ペゴー: シャトー ヌフ デュ パプ キュヴェ ダ カポ 2007
9: フェレール ボベ: セレクシオエスペシャル
10: シャトー パルメ 2008
11: クリス リングランド: シラーズ 2004
12: エティエンヌ ギガル: コートロティ ムーリーヌ 2009
13: ガヤ: コスタ ルッシ 2006
14: カーリーフラット: ピノノワール マセドンレンジズ 2010
15: クロ ルジャール: ソーミュール シャンピニー レ ポワイヨー 2005




◼︎白総評
白、特にブルゴーニュは去年に増して経験値を多く積む事が出来た。また全ての特級畑(と一部の著名1級畑)を複数の生産者の水平を行うことで、より土地の表現、その醸造方法について、理解を深めることが出来たと思う。併せてブルゴーニュ以外のシャルドネに関しても、その醸造方法、土地を理解し違いを明らかにすることが出来た。
今年最も深く足を踏み込めたのはソーヴィニヨンブラン(セミヨン)とルーサンヌ、マルサンヌ、シュナンブラン。これらはボルドー、ローヌのフランスワインと新世界のワインを通して、その特徴差を実体験する事が出来たと思う。


■白(ブルゴーニュ)
今回の傾向として去年に比べると、多くのバックヴィンテージが含まれている。これは熟成の頂点に到達したシャルドネに出会う機会が多く、またその殆どが素晴らしいものであったからに他ならない。特に上位3位の熟成した特級モンラッシェ、特級ビアンヴニュは今まで飲んだブルゴーニュ白の最高峰と言っても過言ではないと思う。
基本的には今年も前回同様ピュリニー、シャサーニュ、ムルソーがほぼ上位となっている。しかしながら今回は2本のプイィフュイッセが含まれている。勿論上記の3大コート ド ボーヌのシャルドネと比べると品質のバラツキは否めないが、生産者によってはこれらのピュリニー、シャサーニュ、ムルソーに十分に匹敵し、凌駕するワインがある。
特にギュファン エナン、そしてシャトー ド フュイッセのそれはマコネとは思えない程の存在感を持ったシャルドネだったと思う。

1: エティエンヌ ソゼ: モンラッシェ 1994


2: マルキ ド ラギッシュ: モンラッシェ 1983


3: ラモネ: ビアンヴニュ バタールモンラッシェ 1988


4: コント ラフォン: ムルソー プルミエクリュ ジュヌヴリエール 1989
5: ドメーヌ ドーヴネイ: ムルソー ナルヴォー 1990
6: ルフレーヴ: シュヴァリエ モンラッシェ 1989
7: エティエンヌ ソゼ: シュヴァリエ モンラッシェ 2011
8: コシュ デュリ: ムルソー ペリエール 2010
9: ドーヴィサ: シャブリ グランクリュ レ クロ 2011
10: ギュファン エナン: プイィ フュイッセ トリ デ ゾー ド ヴィーニュ 2011
11: ミシェル コラン ドレジェ: シュヴァリエ モンラッシェ 2011
12: ルフレーヴ: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ ピュセル 1990
13: ルフレーヴ: ビアンヴニュ バタール モンラッシェ 2000
14: シャトー ド フュイッセ: プイィ フュイッセ レ ブリュレ 2009
15: ウィリアム フェーブル: シャブリ グランクリュ レ クロ 2011



◼︎白・スパークリング(ブルゴーニュ以外)
前回の上位の多くは新世界のシャルドネだったが、今年は重点的にテイスティングを行ったシャンパーニュ、ロワール、アルザスを多く選んだ。
ロワールであればダグノーとニコラジョリー、アルザスであればトリンパックと、取り立てて新鮮味のある選択ではないが、それぞれリースリング、ソーヴィニヨンブラン、シュナンブランの最高峰を感じさせてくれる傑出した白であった。
シャンパーニュに関してはメゾンのフラッグシップ級が多く入った。これについてはシャンパーニュの見識が広がったことにより、良し悪しをより明確に見分けることが出来るようになった事に起因している。
シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエの最高の状態を理解することで、いかにテロワールに即していながら、高い品質を保っているかを見ながら選んだ。
ボルドーに関しては多くの熟成白を飲む機会に恵まれ、熟成セミヨンの特徴をより鮮明に理解することが出来たと思う。また貴腐の熟成ポテンシャルも検証することが出来た。
非常に有意義な一年だったと思う。

1: シャトー ディケム 1940


2: ボランジェ: ヴィエイユヴィーニュ フランセーズ ブラン ド ノワール 2004


3: ビルカール サルモン: グランキュヴェ 1996


4: ラヴィル オー ブリオン 1994
13: クリュッグ: クリュッグ コレクション 1989
5: ディディエ ダグノー: ブラン フュメ ド プイィ ピュールサン 2010
6: ディディエ ダグノーブラン フュメ ド プイィ シレックス 2010
7: トリンパック: クロ サン テューヌ 2006
8: ジャック セロス: リューディ アイ コート ファロン NV
9: オーベール: シャルドネ リッチーヴィンヤード 2011
10:ニコラジョリー: ロッシュオーモワンヌ クロ ド ラ ベルジュリー 2002
11: シャトー リューセック 1959
12: シャプティエ: エルミタージュ レ ロレ 1992
13: ピーターマイケル: ソーヴィニヨンブラン ラプレミディ 2011
14: シャルルエドシック: ブラン ド ミレネール 1995
15: アグラパール エ フィス: ブラン ド ブラン ミネラル グランクリュ エクストラブリュット 2005



◼︎総評
赤白共に去年同様ブルゴーニュを中心としながら、赤であればローヌ、スペイン、ニューワールドを、白であればロワール、アルザス、ニューワールドを深掘り出来たと思う。
また前年は地域差を重点的に比較してきたが、今年はより栽培技術、醸造技術か味わいにどのような影響を与えるのかを検証し、またヴィンテージ(良年と平凡な年)ごとの生産者の作風、対応方法にも迫ることが出来た。
結果として、どんな年であれ、各テロワールを表現する方法は醸造に肝があり、生産者のポートフォリオの中には明確に差異が存在していた。ゆえに生産者のスタイルを抜きにしてテロワールを論じる事は不可能であり、生産者の醸造方法がどのようにテロワールを再現していくのか、というのを根底においた上で語られるものであると思った。
来年はヴィンテージに関しては温度、降雨量および収穫時期、醸造に関してはピジャージュ、ルモンタージュの回数、栽培については収量制限と古木の凝縮度の違いなど、よりそれぞれの要素にミクロに迫っていきたいと思う。
そしてそれらの結果を可能な限り、このブログで書いて行きたい。
エリアに関しては赤はボルドーのサンテミリオン、ポムロール。ジュラサヴォワ、アルゼンチンを、白は引き続きロワール、アルザスの他に新世界を検証したいとは思います。
余裕があれば物流に関しても迫れたらと。


以上2013年に総評でした。
皆様、今年も一年間、ありがとうございました。来年もひとりぼっちたちのテイスティング勉強会をよろしくお願いいたします。



最後にアグラパール エ フィスのミネラルのテイスティングレポートで締めたいと思います。

アグラパール エ フィスは1894年にアヴィズに設立されたレコルタン マニピュラン。現当主はパスカル アグラパール。
若手生産者、新進気鋭のRMが重視するテロワールの表現。アグラパールも例に漏れず、畑仕事を最重視し、醸造には極力手を加えない。アヴィズ、オワリィ、オジェ、クラマン。コート・デ・ブランの特級4ヶ村を含む10haを所有し、その武道の平均樹齢は約40年。馬を用いた耕作やこまめな摘房を行う事で、潜在糖度の高い武道が出来上がります。
収穫した葡萄は天然酵母による発酵を行い、25%木製樽で発酵、醸造を行う。リザーブワインの保管も木製樽を使用。澱との長い接触により複雑な酸化のニュアンスが生まれます。
今回のミネラルは特級のアヴィズ、クラマンの葡萄を使用し
36ヶ月の瓶熟成の後出荷されます。ドサージュは5g/l。

生産者: アグラパール エ フィス
銘柄: ブラン ド ブラン ミネラル エクストラブリュット グランクリュ 2005
品種: シャルドネ100%9

11000円、WA93pt(2004)
外観は中庸なストローイエローで粘性は高く、泡も溌剌と立ち上っている。
驚嘆に値する凄まじいブラン ド ブラン。
NMのフラッグシップ級のブラン ド ブランに匹敵する味わいや複雑さ。
その名の通り石を砕いた様なミネラル感があるが、シャープさや硬質さは無く、どちらかというとリッチでありながら繊細な印象を感じさせる。
ミネラル感と共に感じられるのは、軽くローストした樽の香り、果実味やマロラクティック発酵の要素。さながらブリオッシュや焼き栗、モカを思わせるバターや甘露なシロップ、カシューナッツの様な風味が主軸となり、ハチミツや白トリュフ、そしてカリンやリンゴの様な果実味が感じられる。フレッシュハーブやリコリスなどの要素も。ボディや旨味成分はピノノワールを使用したキュヴェと比べると控えめ。より繊細でリッチなスタイル。
特にその違いは口当たりに顕著で、噛むような肉厚さはないが、シャルドネらしいきめ細やかなフレッシュさ、エクストラブリュットならではのエッジの効いた酸味、豊かなナッツやフレッシュハーブの風味が口内に広がる。余韻も長く、卓抜したブラン ド ブラン。


年末らしい良いシャンパーニュで締められました。では良いお年をお過ごしください。
また2014年にお会いいたしましょう。







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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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