【ボルドー:9】天から舞い降りた黄金の雫、シャトーディケム2001

こんにちは、HKOです。
今回から3回はボルドーのテイスティングレポートです。しかも全てWA100pt。
豪華ですね。
まず第一回はシャトーディケムの2001です。

シャトーディケムはソーテルヌに拠点を構える世界最高の貴腐ワインを産出するシャトー。現地ソーテルヌの格付けでは、ただ唯一の特別一級(プルミエクリュスペリュール)として君臨しています。
驚異的な低収量が特徴で、平均して葡萄一本につきグラス一杯のみしか取れない、これは木の樹齢の高い事、貴腐粒だけを丁寧に選別している事、そして長期間の樽熟成に伴う蒸発に起因します。100%オーク新樽で42ヶ月の樽熟成。全行程に渡って当然ながら補糖補酸は行われません。不作の年はリリースされません。(直近だと2012年ですね)

では行ってみましょう。

生産者、銘柄: シャトー ディケム 2001

126000円、WA100pt
外観は濃いストローイエロー、粘性は高い。
強烈な濃厚さ、果実味が感じられるディケム。やや熟成を帯びているのかカマンベールの様な風味も現れている。しかしヴィンテージを考慮すると驚くべき若々しさと言える。
比較的しっかりとしたミネラルがあり、かつ濃厚な桃や洋梨のコンポート、強烈な白い花やバニラの芳香、カマンベールの熟成香。時折アンズの様な香りも。ハチミツ、ドライハーブの風味。
口に含むと豊かな酸と共に、さながら桃のシロップかと思うような甘みが感じられる。ただ平面的ではなく、旨味を帯びた立体的な甘露さがあり、また他のヴィンテージ同様に香りからは想像出来ない清らかで清涼感のあるタッチを感じる事ができる。余韻も長く完璧な貴腐。


もうどの年のものを飲んでもディケムは凄まじいですね。甘口ワインの完璧な形というのはこういうワインの事を言うんでしょうね...
さて、折角なので過去のヴィンテージもちょっと比較してみますね。

◼︎1940
濡れた樹皮や腐葉土、キノコ、タール、そしてカマンベールなどの強い熟成香。若いヴィンテージに見られた清涼感や透明感は見られない。
その複雑な要素の中に核として洋梨やドライマンゴーの濃厚な甘露さが生き残っている。そして濡れた土や藺草やドライハーブ、白胡椒、香ばしいナッツなどの風味が徐々に解きほぐされていく。

◼︎1995
しっかりとしたミネラル感のベースにクレームブリュレ、熟した洋梨、黄桃の様な豊満で分厚い果実味。清涼感のある白い花、ハチミツや溶剤、出汁、ヘーゼルナッツ、カマンベール、リコリスなど複雑で深い余韻が楽しめる。バターや濡れた木材のニュアンス、リコリスの風味に熟成を感じるが、あと幾年熟成を重ねても全く朽ちる気配はない。官能的。2000年代と比べて明らかに濃厚になっている気がする。

◼︎2006
濃厚な黄桃やアプリコットのコンポート、蜂蜜、白い花、僅かに白胡椒、ややナッツっぽさ、マンゴーの様なトロピカルフルーツのニュアンスも。クリーム感も。
奇跡的な程均整の取れたボディでアタックは軽やか、要素が非常に濃縮されている。この軽量感で濃度の高さはなんなんだろうね。とろける様な香り。

この中で言うのならば明らかに2001年寄りですね。ほぼ構成するストラクチャーは老いていない。むしろヴィンテージ差か、2006年の様な軽量感は一切なく、重厚なボディだと思います。一滴に含む重量や濃度が他のヴィンテージと全く異なります。ただ僅かにカマンベールの様な香りがあるので、少し熟成感は感じられます。
2006年以上のボディ、濃度を持っていながら、熟成香が感じられるのはちょっと不思議なヴィンテージだと思います。
勿論1995年ほど円熟はしておらず、官能的なクレームブリュレの様な風味はありません。
とにかく若々しく、まるで2000年代後半のヴィンテージにわずかな熟成感を付加している感じ。なのでまだまだ硬く、更に数十年経過しないと1995の様な完璧な姿にはならないのではないかな、と思います。
純粋無垢で神々しい程の液体ですが、それゆえに他を全く寄せ付けない。容易いワインではありません。
口当たりは立体的でボディの甘露さ、香りの複雑さが複合的に絡み合い強烈な密度を構成しています。旨味は1940、1995ほどではないと思いますが、包含する豊かな酸味が円熟とともに旨味に転化していくことと思います。
ぐうの音も出ないほどの神々しいワインです。ワインを何かに例えたりするのは、あくまでイメージだけで栽培、醸造の本質から遠ざかる為好きではないのですが、さながらこの黄金の液体は、「錬金術の至高の創作物」であり「不老不死の薬」である「神の杯(エリクサー)」と呼ぶに相応しい。
末恐ろしいワインです。本当に人によって作られたものかすら怪しい。

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【シャンパーニュ:12】幻は露と消ゆ、荘厳なるアランロベール ル メニル ブラン ド ブラン 1988

こんにちは、HKOです。
今回はアランロベールのル メニル レゼルヴ ブラン ド ブランです。

アランロベールでは比較的ミドルライン(下にセレクションNV、上にトラディション ヴィンテージ)のシャンパーニュとなりますが、そもそも飲めるだけ幸運で有る事は間違いありません。

アラン ロベールはメニルに拠点を置いていたレコルタンマニピュラン。
そのクオリティの高さと生産本数の少なさ(受注生産)、反比例する需要の多さ、そして現在は生産していないことから幻の生産者と呼ばれています。現在は後継者に恵まれず、自身のル メニルはルイ ロデレールとクリュッグ(クロ デ メニル)に売却済。
17世紀から400年近く自社の畑のみでシャンパーニュを生産し、市場に出たシャンパーニュはすべて併せて11万本ほど。
グランクリュのル メニルの平均樹齢30年のシャルドネ100%を使用し、伝統的な生産手法によって生産されています。
完熟した葡萄を手摘みで収穫し、ヴァン ド キュヴェのみ使用。
大樽(デュミミュイ)にて一次発酵を行った後、ボトル キャップで栓をした瓶で二次発酵。デゴルジュマンまで、ワインは澱の上に寝かせられます。デゴルジュ後も長期熟成による安定化を行い出荷します。
フラッグシップは黄金のラベルが輝く、ル メニル トラディション。

さて、行ってみましょう。


生産者: アラン ロベール
銘柄: アラン ロベール ル メニル グランクリュ レゼルヴ ブラン ド ブラン 1988

約90000円(マグナム)、WA93pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
適度に熟成はしているものの、1988年とは全く思えない位の若さが漲ったシャンパーニュ。なんだこれ。
極めて石を砕いた様な力強いミネラル感、濡れた木や白檀、ナッツ。華やかな白い花の香り、ブリオッシュ、蜂蜜や花の蜜の様な甘露さが渾然一体となって立ち上る。赤リンゴやアンズの様な濃厚な果実味がある。
フレッシュなハーブや華やかな香りに反して、ボディは極めて重厚で濃厚。極めてパワフルな旨味と酸味を有しており、余韻は長く広がっていく。やばいこれ。


1988年のシャンパーニュとは思えない程の若々しさ。強烈なミネラル感、華やかな白い花、ブリオッシュや花の蜜などの甘やかな風味がほぼ完璧に残っている。そして絶妙なバランスで感じられる濡れた木やナッツなどの熟成香。マグナムなので熟成は緩やかではあるものの、それでもこの若さは異常とも言える。そして味わいは間違いなくブラン ド ブランなのに、全く軽さは無くて、ピノノワールが如き旨味の厚さがある。最高峰のブラン ド ブラン。
ただこれだけのシャンパーニュなのだから、あと10年近くは待ちたい。これが熟成の頂点になった時どの様な姿になるのか、是非見届けたい所...だが、それまでに玉が残っているのか...
東急東横に3本在庫があったが90000円、楽天には在庫なし。
はてさて、あと10年残るか。
それとも無くなるか。シャンパーニュラヴァーのチキンレースだ。

【ブルゴーニュ:56】デュジャック 2011。クロ ド ラ ロッシュとボンヌマールを利く


こんにちは、HKOです。
本日はドメーヌ デュジャックのグランクリュ2種類です。個人的にとても好きなドメーヌなので期待をしていたのですが、なにやら2011年はちょっと微妙そうです...

ドメーヌ デュジャックは天才ジャックセイス率いるモレ サン ドニの大スター生産者。
クレールダユやジェラールポテルの元で修行したジャックセイスが1967年に設立したドメーヌで、近年特に畑を買い足し規模を大きくしています。現在は16のAOCを保有しており、特級畑を複数保有しています。
現在は約75%は有機農法が実践されており、一部の畑はビオディナミの実験が成されています。
(程度は変化しますが)基本的には除梗は行わず、数日間の低温マセレーションを行った後、圧搾、破砕。やや高温でアルコール発酵した後、軽く焼いた新樽は一級畑で80%、特級で100%使用され、15ヶ月間熟成されます。そして無濾過、無清澄で瓶詰めされます。

さて、2011年のどうでしょうか。

生産者: ドメーヌ デュジャック
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2011

約28000円、WA92pt
外観は中庸なルビー、粘性も同じく中程度でややローステッドかつ青い風味が際立った作り。2011年はやや不振のようだ。
炭焼きのローステッドな風味や茎やスーボワ、枯葉のニュアンス、そしてクローヴやリコリスなどのスパイスの要素が強い。徐々にダークチェリーやブルーベリーの重心の低い果実味が現れるものの、極めてアーシーな印象を受ける。また燻製肉やジャーキー、焼いた樹皮などの風味も。ボンヌマールと比べるとやや硬質なタッチ。乾いた果皮の香りもある。
2010年と比べるとやはり全体の質感や香りは劣るものの、口に含んだ時の味わいは流石に素晴らしい。果皮によるスミレや豊かな果実味が感じられる。酸やタンニンでギュッと引き締まった味わい。しかし長熟はしないような気がする。

生産者: ドメーヌ デュジャック
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2011

約32000円、WA93pt
外観は中庸なルビー、粘性も同じく中庸。
こちらもローステッドかつ青い風味があるが、より抜けるような甘やかで華やかなタッチがある。基本的にはクロ ド ラ ロッシュはくぐもった硬質な質感があったが、ボンヌマールはよりしなやかに開いていく華やかな印象。こちらも全房らしいクローヴやリコリス、茎の様なスパイシーさがある。
明るいジャミーなダークチェリーやブラックベリーの黒系の熟した果実味が感じられる。そして炭焼きや燻製肉、ジャーキーのニュアンス。強めのスミレのアロマ、トースト、枯葉の風味。極めて野性的な印象を受ける。
酸味、タンニン共に豊かで、ベリーやスミレなどの明るい果実味、果皮の風味がやはり強いか。口当たりは丸みがあり穏やか。


うーん、ちょっと微妙か...
価格は高くなっているのに、この作りはちょっと好きじゃないなー。
全体的にロースト香とスパイス香が全体の要素の殆どを占めていて、果実味がやや弱めだと思う。若いヴィンテージなのに溌剌さは無い(勿論酸やタンニンは若いなりだが)
もともと全房発酵は100%除梗に対して、全体の割合に対して梗がある分、果皮や果実の要素が少なくなるのだけど(その代わり梗の複雑なニュアンスを得ることが出来る。DRCとか)今回は大元の果実味が目立たないから、樽と梗の要素がとても目立ってしまっている印象を受ける。たまに全房発酵の生産者でこういうニュアンスが出ることがあるので、なかなか難しい。(オーボンクリマのラームドグラップでもやられた。)
さて残念すぎて気は乗りませんが、ボンヌマールとクロ ド ラ ロッシュの違いについて。
テイスティングでも触れた様に、スパイシーでローステッドな部分は変わりませんが クロ ド ラ ロッシュは硬質でボンヌマールはしなやかな印象を受けます。
よりロッシュの方が樽がしっかりと効いており、スパイス感もあいまってアーシーな味わいになっています。
ボンヌマールはその点果実味がしっかりと感じられ、スミレのアロマもやや強めです。よってしなやかな印象を受けます。勿論2010年には劣りますが、こちらはブルゴーニュなりの良さがしっかりとありますね。
そもそもモレサンドニに近いテロワールですからボリューミーな味わいを強く感じます。
ただやはり2011年なりの出来栄えなので正直値段ほどの価値のあるワインだとは思いません。
個人的な感覚ではロッシュは熟成はあまり見込めないと思いますがボンヌマールはどの様に変化するか未知数です。今の段階だと5年ほど先に開くかもしれませんが、まあ何とも言えないですね。
2011年でこれだと、あまり出来が良くないことが想定される2012,2013年も厳しいかもしれません。
まあ飲んでみないことにはわかりませんけどね。好きな生産者なので来年は期待したいところです。


グルメコミックコンベンション3 一般参加レポート


こんにちは、HKOです。
1月26日に科学技術館で行われたグルメコミックコンベンション。参加してきました。
いわゆる同人誌即売会なのですが、ジャンルとしては飲食評論、グルメコミックを扱っている即売会となっています。
さてーーー


■グルメコミックコンベンションってだいたいこんな感じ。



振る舞い酒です→頂きます。
振る舞い酒です→頂きます。
振る舞い酒です→頂きます。
文化フライどうぞ→頂きます。
コンビーフどうぞ→頂きます。
餃子とかあります→頂きます。
振る舞い酒です→頂きます。
鏡割りします、樽酒どうぞ→頂きます。



アッ...アアッーーー!
飲んでばっかりだこれーーー!

えっ...これ同人誌即売会なの...?飲みイベントじゃなくって...?


■グルメコミックコンベンション、3つのポイント
このイベントを唯一無二のイベントにしているのは何と言っても以下の3点に尽きるでしょう。

・イベント会場内に調理スペースがある!
・酒の持ち込みが可能!
・場内での飲食が可能!

そんなんだから各サークルさんは必殺のお酒を持ち込む訳です。振る舞う訳です。
そんなんだから各サークルさんこだわりの料理を供する訳です。ぱないです。


■何故か800円でほろ酔い状態
参加費(カタログ代)は800円。
マジで...?
800円でほろ酔いとか正気の沙汰ではありません...いや同人誌即売会だけども。
しかも皆好きな人ばかりだから話が弾む弾む。この感覚、普通の同人誌即売会とかにはないんじゃないかな...。


■モチロンサークル参加者さんの本も凄い
参加されてるサークルさんの本がまた凄く濃い。メチャクチャマニアック。一般の書籍ではありえん様な本ばかり。
しかも凄いのが聞きかじりの知識じゃなくて、自分自身で行ったレポートや自身で料理なり酒なり作ったレポートをまとめてるから読み応えと情報量が凄い。びびる。
こういうのは個人じゃないと出せんよねえ!
まだ全ては読んでいませんが、その情報量に目眩がしそう。
ちなみに以下、私が購入した本。


こんな本を作る人たちだから持ち込む酒と作る料理がまた本当美味いんだわ...
うーん、グルメ好きとしてはメチャクチャ熱いイベントでした。


■開場前~開場

会場には10:40位に到着。武道館でやってるイベントを横目に見ながら科学技術館に。
その段階で30人くらいの待機列。尿意を抑えながら開場まで待機(その後ちゃんとトイレに行きました)

そして11:05に満を持して開場!
なにこれ会場がすごくいい匂いがする!あっこれ揚げ物とカレーの匂いだこれー!

まあ普通のイベントだと(多分)無いですよねこれ。いきなりグルメコミックコンベンションの洗礼を浴びました。

すごいです。
むしろ臭いですこれ。
しかしこれがいい。これでいいのだ。



■エンドレス酒
まずは「ホンノキモチヤ」さんと「こもれびノート」さんで升(!)と既刊を購入して、絨毯爆撃れっつスタート。

1軒目、「てふや食堂」さんでサンドイッチとコンビーフ、燻製本を購入。はい、和牛コンビーフのスペースです。頂きます。

美味い!和牛の濃厚な油と適度な塩味がたまらんですね...!ヤバイ。引き締まった旨味もあるし、これは美味い。
コンビーフ自体は買えないんですが、是非市販して欲しい...!美味い!無理か!


3軒目、「悪人酒場」さんでクラフトビールの本を購入。丁度僕の手前でビール抜栓。早速ガソリン投入と相成りました。

サーフィング ホップというクラフトビール。凄い濃厚。香りもすごくいい。アルコール度数8%だからメチャクチャガツンとくるアタック。すげーこれ。美味いよ!
...なんてことをスペース前で他の一般参加者の人と話してた。やっぱ酒は人の縁を繋ぐねえ。

たんけん文化フライ本購入して、文化フライをかじりながら、引き続き会場回り。

目ぼしい本を購入していく。

というかこの文化フライとやら、基本的に揚げ油とソースの味だよね...?貧乏くさいんだけど、普通にご飯のおかずになりそうな気がする...!超絶の炭水化物である。
ちなみに俺足立区出身だけど知らんのだけどね。

悪人酒場さんところのビールでテンションに火がついた。
まずはガソリン入れる為に準備会に振る舞い酒を貰いに行く。準備会の皆様、大変助かります。
頂いたのはシャトーブリヤン ミュール。
サドヤのシャトーブリヤンのセカンドラベルですね。ちなみにNVです。

ファーストラベルがかなり強気の価格設定なので飲まずにいたのですが、セカンドラベルはどうなのかな、と。国産カベルネソーヴィニヨンらしい華やかさと柔らかさが感じられる味わい。液体密度は低いですが上品でなかなかいい感じです。


少し飲んでいい気分になったところで、引き続き探索。
きまぐれな鮪亭×名古屋の「山」」さんで、餃子本を購入し、珍しい鶴亀諸白 古式生酛作り 純米酒を頂く。

古い製法で作っている日本酒の様で、いわゆる洗練された感じでは無いのだけども旨味とコクがすごくあって美味い。
いい意味で味醂の様な酸化ニュアンスを感じる味わいだった。
ほかにもここのサークルさん、グラッパとか凄く色々なお酒を持ち込んでいて勧めてくれたんだけど、最近あまり胃の調子が良くないので遠慮させていただいた。
うーん、残念。
それに流石にサークルさんの前で角打する訳にはいかんよねえ...

そしてここのサークルさん、必殺の餃子があるんだけど、なかなかレアものの様で3回立ち寄ったけど、結局食べられなかった。
ううむ。残念。


次に向かいの「Darimana?」さんでバリの旅行記を購入。旅行記マンガが好きなので即決。
バリのアラックというお酒が供されていたので、そちらも頂いた。ヤシの酒を蒸留したお酒でコーヒーに漬け込んでるんだけど、結構上品な甘さと風味があって美味しかった。
一緒に頂いたお塩も場所ごとにかなり味が違っていて面白い。

蒸留酒を飲んだので、この時点で結構気持ち良くなってきた。
小腹も空いたので、さてカレーでも食うかと思って飲食スペース眺めて見たらね、なんかね。

一般参加者の方たち、自分の酒とつまみ開けて飲んでるんすよ。

うわああああ!俺も持参すればよかったあああ!これは盛り上がらざるを得ない!
...次回は何かワイン持って行くかな...


■鏡割り

ホンノキモチヤさんとこもれびノートさんで鏡割りやってた。
せっかくなのでご相伴に預からせて貰った。
驚異のおめでたさ。



そして盛り塩。


美味い。おろしたての升だから、木の香りが強くて日本酒の味は分かりにくかったけど、逆に木の香りが複雑な感じになってた。
そのまま升をもったまま徘徊。


そんな中でお弁当とウコンの力の配布で、会場のテンションはマックスに。



■十分楽しんだ。
まだまだ回る。
おざわ渡邊さんで有楽町食べ歩き本を購入。
...と共にまた酒が振舞われる。ありがたい。
皆様のご好意が本当にありがたい...!


そもそも燗にお詳しいサークルさんらしく、色々なお酒を(温度管理をした)熱燗にして飲ませて頂いた。
どぶろくと諏訪泉(5年熟成)という鳥取の日本酒。どちらも最初からふくよかな味わいだったけども、純吟と比べると要素が多いから、熱燗にするとよりまろやかになるような気がした。

...しかしこんなに頂いてよろしいのだろうか。気持ちいい!最高!(酔っています)


サークル9企画」さんで「いも」を買う。
サークルスペースで食い物を買うという謎行為。でも実際にできるんだからしょうがない。

ならば、こちらも全力である。


いもはリングポテトと鳥肉にトマトソース、バジルソースをかけたもの。
ああああ、こりゃあ、すごく酒に合いそうだ。
そして、やはり例の如く酒を頂く訳である。

桜の葉を漬け込んだ梅酒、桜ほの香。
すごく綺麗な色の梅酒。甘さも控えめであと三ヶ月くらいしたら飲みたいお酒ですね!

周りを見渡してみると、隅や飲食スペースで飲んでる人やサークルスペース前で話している人が増えてきて、かなりまったりした空気になってきた。とても和やかな雰囲気。

ああ、これどっかで見たことあると思ったらアレだわ、下町の飲み屋街だわ...

こりゃすごい飲み会...いや即売会ですわ。


12:30、本当は終わりまでいたかったんだけども所用があって会場を後にした。
その後も大変盛り上がったらしく、閉場に向かうにつれてボルテージが上がっていったとか。



■終わり
グルメコミックコンベンション2のレポートを眺めていて「すごく楽しそうなイベントだな」と思っていたのですが、噂に違わぬ面白さでした。
どこかの大手飲食メーカーやイベント会社が主催している訳ではなく、あくまで好きな人達が集まってスタッフとサークル、一般参加者が一丸となってイベントを作り上げている感じ。なにかその間に介在する意図は無くて、純粋に好きな人達で集まってやってる感じ。だから面白い。ただしイベントの性質上、特に高いモラルが求められるのも事実です。
節度ある行動を心掛けないと瓦解するイベントなので十分に気をつけなくてはいけませんね。

こういうイベントがもっと増えてくれると、飲食の未来も明るいよなー、と思いました。
次回も楽しみです。


【追記】【ブルゴーニュ:38】2011年も安定の成功、セシルトランブレーのACブル&村名

こんにちは、HKOです。
はじめちゃんさんの記事に入る前に1本追加しておきます。
今日はセシル トランブレーの2011年です。
去年も2010年ヴィンテージをやりましたが、これが村名、ACブルで有りながら、とても素晴らしく感動したものです。

セシル トランブレーは2003年からメキメキと頭角を表してきている話題の生産者。
栽培は有機農法やビオディナミの手法を実践している。
一部除梗した果房を木製発酵タンクで1ヶ月ほど発酵を行い、垂直式圧搾機でプレス、新樽比率75%で18ヶ月の熟成を行う。その際に澱引きは行わない。無濾過、無濾過で瓶詰め。抽出は過度には行わないそうです。
フラッグシップはエシェゾー ドゥスュ、シャペルシャンベルタン。

さて、今年はどうでしょうかね。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: ブルゴーニュ ピノノワール クロワ ブランシュ 2011

約5000円。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
堅実で良い作りのACブルだけども村名とは明確なクラス感の差を感じる。
樽に関しては明らかに村名と比べて少ない比率。
まず感じるのが果皮成分高めのラズベリーやブルーベリーなどの果実味、そしてスミレの香り。やや強めに抽出していると思う。
そしてフレッシュハーブやミルクティー、徐々にシナモンや蜜の甘みも感じられる。
ACブルらしくアタックやパワー感は弱い。
ただその分滑らかで染み込むようなら酸味が感じられる。ミルクやスミレの余韻はなかなかいいと思うが、やはり短めか。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: シャンボール ミュジニー レ カボット 2011

約12000円。
さすがにヴォーヌロマネ、シャンボールミュジニー共にACブルとは比較にならない程よく出来ている。
カチッとしたミネラル感が根底にありながら、最初から柔らかく甘露な香りが漂っている。シナモンやカラメルの樽香、花の蜜、ベリーの詰まったフルーツケーキ。香ばしくクリスピーな味わいが感じられる。また茎やタイム、なめし革の風味も。
甘露なヴォーヌロマネと比較して、より引き締まった骨格がある。とても優美な村名ワイン。
そもそも果実味は2011としては極めて豊か。生産者の特徴なのか酸味やタンニンはしっかりと感じられるのだけど、非常に滑らかなタッチで、ミルクや果実味の豊かさの方が全面に感じられる。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: ヴォーヌ ロマネ ヴィエイユヴィーニュ 2011

約12000円。
最初は2011年らしい冷たい印象を受ける。最初から開いているシャンボールと比べると、やや厳しい印象を受けるが、それもすぐに落ち着き極端な甘露さ、華やかさが広がっていく。
華やかでありながらとても甘露。濃厚なカラメルや花の蜜、シナモンの風味、そしてスミレ、お香、八角。ドライハーブやなめし革の野性的な香りが漂う。果実味は果皮成分が強く感じられるラズベリーやダークチェリーが主体だ。
シャンボール以上に豊満でシルキー、そして甘露だが、時間が経過するに伴って、若干の緩さを感じてしまう。ボディの厚さや旨味、酸味が広がり方は申し分ない。


素晴らしい!村名にしてこのレベルか!
毎度の事ではあるものの、2011年というヴィンテージにしてこれだけのものを作り上げたセシル トランブレーには最大限の賞賛を送りたい。結婚してくれ!
さて、今年2011年のセシルトランブレーは例年通りエマニュエル ルジェスタイルのワインを作っている。
2010年と比較すると繊細でやや細い印象を受けるのは間違いないが、2010年にやや不足感のあったシャンボールミュジニーが2011ヴィンテージでは非常に際立って良くなっている。対して2010年ヴィンテージでは強烈な華やかさと濃密さ、伸びやかさを見せたヴォーヌロマネVVでしたが、2011年ヴィンテージに関してはやや香りが閉じこもっており、冷たい印象を受けるものになりました。
ACブルは例年通り良くできたもので、強めに抽出をしているからかボディがかなり強いのですが、タンニンと酸は柔らかめです。

さて、まずシャンボールなのですが、今回の印象として強いミネラル分と、シナモンやカラメルなどの柔らかい樽、果実味が丁度均衡が取れている状態でした。大筋にミネラルの一本筋があって、そこに甘露な香りが紐づいて行くかの様な味わい。これが非常に良い。
2010年にもミネラルは確かにあるのですが、どちらかというと果実味に寄った作りで、こじんまりとしたヴォーヌロマネVVの様な印象を受けました。2010のヴィンテージにシャンボールのテロワールがかき消されてしまった、という感じ。その分2010年のヴォーヌロマネは実に綺麗な作りで豊かな果実味と華やかさ、伸びやかさが感じられましたが。
で、2011年のヴォーヌロマネは、気候からくるドライで冷たいニュアンスが現れている。ただ硬いだけなんで開くと極めて甘露だけども、2010年ほど果実味に厚みが無いから、味わいにダレが感じられるのです。
果実味は豊かなのだけど、それを受け止める、引き締める様なボディがないと、そういう事でございますね。
そんな訳で露骨にヴィンテージの影響を受けているセシル トランブレーですが、そこは奇跡的な作りのうまさがあって、どれも堅実で美味いんですよね。恐ろしい。
正直散々言ったものの2011年のレベルではないよな、と思います。ただやはり2010年と比べるとね...

今回はシャンボールミュジニー レ カボットが最高ですね。滑らかな酸、甘露さ、やや小規模ながらもミネラルによって全体がしっかりと引き締まっている。シャンボールミュジニーらしいバランスの良いワインだと思います。

いや、血は争えないですねー。


【追記(2014年2月】
2011年の一級、特級畑も補完しました。ヴォーヌロマネ1級ボーモンと、シャペルシャンベルタンです。

生産者: セシル トランブレー
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ボーモン 2011

約19000円。
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
重心が非常に高く抜けるような華やかさを感じさせる味わい。しなやか。
糖蜜の様なチェリーリキュールやアメリカンチェリーの甘露な果実味がある。よく熟した味わいが感じられる。バニラ、クレームブリュレ。華やかで強いスミレの香り、なめし革。香水の様な花の香り。シナモン、クローヴ、八角などのスパイス香。黒糖の様な甘やかさも現れてくる。
滑らかで目の細かい酸があり、非常にしなやかな体躯のヴォーヌロマネ。メチャクチャ美味い。ベリーや赤い花のアフター。丸みのあるストラクチャー。しっかりとした密度が感じられる。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: シャペル シャンベルタン グランクリュ 2011

約22000円。
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
基本的には重心は高めだが、ボーモンと比べると重さを感じる味わい。こちらも良く熟した果実味がある。ジューシー。基本的に果実味に満ちている。
ジャミーで甘露なダークチェリーやプラム、ブルーベリーの果実味、エキス感がある。強いスミレの香りやなめし革。シナモン、クローヴ、ごく僅かに茎っぼい風味。お香。トーストやローストした木材の様な風味。味わいは極めて瑞々しい。
丸いストラクチャーはボーモン同様で、目の細かい酸とタンニンがある。こちらの方が花のニュアンスを強く感じるアフター。余韻も長い。


いや、村名も素晴らしかったけど、一級と特級は圧巻の一言に尽きますね。2011年は一般的にオフヴィンテージでしたがセシル トランブレーの前ではそんなのは無意味でした。以前書いた味わいの冷たさ、ダレは一切皆無で、ボーモンもシャペルも華やかな芳香を十分に受け入れるだけのボディをしっかりと持っていました。
去年と比較をすると2011年のトランブレーは樽がやや抑え気味だと感じます。恐らくあえて抑えているのだと思われるのですが、それが功を奏して、非常に華やかで煌びやかなワインになっている様な気がしました。
まずレ ボーモン。これは村名と如実に違っていて、しっかりとした果実味がありながら、それを受け入れる凝縮感がキチッと感じられます。高域に伸びて行くような華やかさとチェリーリキュールの様な甘露な果実味があります。またバニラやクリームブリュレ、スミレや舐めし皮のような香りが香水のように広がっていきます。
極めて滑らかで目の細かい酸と共に凝縮感があり非常にしなやかな体躯。
いささか樽でバランスを崩していた2010年と比べると今飲むのであれば大変良くできたヴォーヌロマネだと思います。
次にシャペルシャンベルタン。こちらもガチガチだった2010年と比べると、かなり近づきやすい味わいになっていると思います。
中域で引き締まった味わいで、ジューシーかつジャミー。さながらダークチェリーやプラムのジャムのような果実味。
そして抽出が強めなのか強いスミレの香りとクローヴや茎のような風味がある。
いわゆるジュヴレシャンベルタンの生産者の堅牢な作りではなく、あくまでヴォーヌロマネの生産者であることを認識させられる様な官能的な味わいです。樽はどちらかというとボーモンのほうが感じますが、シャペルシャンベルタンはより果実味が目立ちます。
ともに口当たりは丸みを帯びたしなやかなストラクチャーがあり、2011年にしてしっかりとしたエネルギーを保有したワインだと思います。
今回2010年と比較すると先述した様に村名クラスでいうならば凝縮感に劣り、一級特級クラスであれば樽の要素が落ち着いています。
村名は2010年の方が良い印象ですが、一級特級は2011年の方が過剰な要素が無く美味しく感じられますね。

さて、セシルトランブレーはここまで。
これでほぼ全てです。
その上でセシルの2011は極めて良く出来ていると思います。価格は強気ですが、レジオナルからグランクリュまで、購入してまず失望する事はないのではないかと思います。



【日本: 3】大手の底力を見た。シャトーメルシャン 勝沼甲州 シュールリー 2012

こんにちは、HKOです。
本日もデイリーラインの更新です。
山梨勝沼産の甲州を使用したシャトーメルシャンのエントリー-ミドルラインです。

シャトーメルシャンは1877年に設立された大日本山梨葡萄酒会社を源流に持つワイナリー。1949年に現在の名称であるメルシャンに変更しています。現在は日本における清涼飲料水、清酒大手メーカーとなっています。
現在のフラッグシップは1976年に栽培を開始した桔梗ヶ丘メルローシグネイチャー、1984年に栽培を開始した城の平カベルネソーヴィニヨン、1990年に栽培を開始した北信シャルドネ。そして2003年に自社栽培を開始したマリコヴィンヤード。
今回の勝沼甲州は、いわゆるエントリーライン-ミドルラインで甲府盆地勝沼地区の熟した甲州を使用。ステンレスタンク中で醸造を行いそのままシュール・リーを5ヶ月間行い瓶詰めします。

さて、行ってみましょう。

生産者: シャトー メルシャン
銘柄: 勝沼甲州 シュールリー 2012
品種: 甲州100%

約2000円
外観はやや麦わらを帯びた薄いストローイエロー、粘性は低い。
甲州としてはかなり充実した果実味があり、香りとしては樽を強く使用しないミュスカデ セーヴル エ メーヌを想起。
白い花の蜜や硬くなり過ぎない程度のミネラル、イースト、フレッシュハーブやハチミツ、カリンやライチなどの果実味が感じられる。
酸は十分にあるが、切り立った様なエッジーさはなく、ソーヴィニヨンブランに近い心地よい後味とフレッシュなライチ、ハーブの余韻がある。


シャトーメルシャンのワインは本当に何を飲んでも完成度が高い。それはフラッグシップライン、 そして長野メルローを飲んでも言えるのですが、ともかくグローバルを意識した作りになっている。
今回の勝沼甲州もそうで、通常甲州は引き締まった強い酸が特徴的ですが非常に葡萄の成熟度が高く甘露で丸みを帯びているようにも見える。またシュールリーによる複雑さがしっかりと表現されています。
ロワールのミュスカデ セーヴル エ メーヌによく似ている。(確かMLFしてなかったと思うけど)価格帯も似ているし、かなり勝負になる一本かな、と思います。
高品質な一本ではあるのですが、すぐ美味しく飲めて価格も安く、それなりにグローバルを意識した味になっているので、ワインファンには結構楽しめるワインになっていると思います。

シャトー メルシャン 勝沼 甲州

シャトー メルシャン 勝沼 甲州
価格:1,533円(税込、送料別)

【アルザス・ロワール:4】パスカルジョリヴェ、夏に飲みたいサンセール ソバージュ

こんにちは、HKOです。
本日2発連続更新でございます。
パスカル ジョリヴェのサンセール。
個人的にセントルニヴェルネのサンセール、プイィフュメは好きなアペラシオン。ここら辺のスモーキーでミネラリーなソーヴィニヨンブランは結構癖になりますね。

「ソーヴィニヨン ブランの魔術師」パスカル ジョリヴェは1982年にロワールに設立されたドメーヌ。プイィ フュメとサンセールを中心にワインを作っています。
今回のサンセール ソバージュは年間生産量6,000本。
ステンレスタンクを使用、果皮に着いた酵母で自然に発酵、澱の上で12ヶ月間熟成させたのち、ボトリングされます。

さていってみましょう。

生産者: パスカル ジョリヴェ
銘柄: サンセール ソヴァージュ 2012

6500円
外観は緑がかったイエローで粘性は高い。
果実味が豊かだったプイィフュメに対してサンセールはミネラルの塊のような味わいだ。
石灰の様なミネラル感。そして充実した果実味、フレッシュさ。これがサンセールだ。
特徴的なフォキシーフレーヴァー、青リンゴやライチの果実味、花の蜜、フレッシュハーブ、白胡椒。わずかにバター、白檀が感じられる。
酸味はシャープだがしなやかでギザギザしたような剣のきつさはない。口の中でもリンゴとミネラルの果実味が綺麗に広がっていく。

やっぱりサンセールはいいですね。
夏にちょっと冷やして飲むと最高だと思います。ただパスカルジョリヴェのソーヴィニヨンブランは香りが強く華やかで、ボディもしっかりしているので、冷やし過ぎは禁物です。ここの所の温度管理をしっかりすると本当に最高のワインになりうるんじゃないかなと!
味わいとしては先述した通り、極めてミネラリーで、清涼感溢れる青リンゴ、ライチの香り。基本的にはフレッシュですが、花の蜜の様な豊かな果実味もあり、ちょっと新世界的な風味にも感じられます。酸味はサンセールらしくシャープですが、全くマイナス点ではありません。このシャープさは果実味が活きる温度であれば、あまり問題にはならないと思います。
流石にかなり良くできたソーヴィニヨンブランですね。魔術師とかそういうのは個人的にはあんまり好きではないのですが、実際セントルニヴェルネでもかなり優れた生産者だと思います。ダグノーのワインは若い状態では(俺は若い方が好きだけど)あまり美味しく飲めませんが、パスカルジョリヴェのワインは若いヴィンテージでもかなり楽しめるので結構オススメです。
サンセールとしてはやや高めですが、ヘンなブルゴーニュ買うよりは全然安全だと思います。

【ブルゴーニュ:55】とてつもないお買い得ブルゴーニュ ブラン レア セレクション 1996

こんにちは、HKOです。
本日からちょっとずつデイリークラスのワインを更新していこうと思います。

ルーデュモンはブルゴーニュのクルティエ、仲田晃司氏が設立したネゴシアン。2000年に設立されジュヴレシャンベルタンに拠点を置き、高品質なワインを生産し続けています。今回のレア セレクション ブルゴーニュブランはネゴシアンとして生産者を回る中で見つけた優良なバックヴィンテージを買い付けたものです。生産者は非公開。

さて、いってみましょう。

生産者: ルーデュモン レア セレクション
銘柄: ブルゴーニュ ブラン 1996

4000円
外観は濃い黄金色で粘性は高い。
よく熟成したブルゴーニュブランだ。
塩ナッツやドライシェリー、濡れた木、キャラメル、バニラなどの樽香。カマンベールやきのこの風味。出汁や熟したリンゴの様な旨味が非常に際立っている。蜜の要素を包含する果実味はしっかりとあるものの、いわゆる特級一級クラスと比較すると見劣りする。その為ブルゴーニュ最上の古酒に見られるクリームブリュレの要素には至っていない。しかしながらACブルとしては極めて良好な熟成を経ていると思う。極めて旨味が前に出た熟成ブルゴーニュだ。
厚い旨味を伴った酸味はしっかりとあり、まだまだ熟成の余地はあるものの、果実味を考慮すると丁度飲み頃で以降は熟成感を楽しむ為のワインになるだろう。


まずキチッと熟成したブルゴーニュをこの価格帯で飲めることに感謝せねばならんですね。無論並み居る熟成グランヴァンと比べると間違いなく見劣りしてしまうのですが、まあ普通この価格でこれだけのものにはなかなか出会えないと思います。
ACブルゴーニュブランですから元々包含している果実味が一級、特級ほど充実しておらず、基本的には熟成香の方が際立っている形です。しかしながら、本当にあと一歩果実味があれば、あの熟成ブルゴーニュのクレームブリュレの様な、カラメルの様な官能的な味わいになれたのではないか、と思います。
樽の要素やバニラ、ナッツなどの風味は十分にあるので、本当にあと一歩...!
グランヴァンの偉大さが本当によくわかる一本ですね。各要素が丁度均整が取れた時だけに現れる味わいだから、やはりACブルには無理だったか、と言ったところ。

ただここまで良い熟成しているACブルはなかなか無いので、熟成ブルゴーニュブランが好きな人は即購入をオススメします。
私の歯がゆさと熟成ブルゴーニュの素晴らしさ、両方とも分かるかも...!

【ローヌ:11】熟成ランドンヌ、サンジョセフ ブランの真価を見定める。

こんにちは、HKOです。
今回は熟成したローヌワインです。
シャプティエのレ グラニ、ギガルのランドンヌ。サンジョセフとコートロティの単一畑です。

ブルゴーニュやボルドーの古酒は比較的飲んでいるのですが、ローヌはそこまで熟成したものは飲んでいません。今回はその穴を埋めるような形でランドンヌを飲んでみました。
若いランドンヌは濃厚でこってりしたワインですが、熟成によってどのような変化が現れるのか...!

Mシャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのローヌワインで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。すべて完全なビオディナミによって栽培がなされています。
今回のレ グラニは花崗岩質土壌の急斜面に位置する2haの畑から産出されるマルサンヌ。収穫はすべて手摘み。フレンチオークとステンレスタンクで低温で17度で30日間発酵。30%フレンチ、70%ステンレスタンクで16ヶ月間熟成させたのち、瓶詰めされる。

エティエンヌ ギガルはローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。
粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ(樹齢80-85年)」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ(樹齢30年)」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(樹齢35年)」、そしてそれらの弟分でありブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなる「シャトーダンピュイ(樹齢45-95年)」。
これらのコートロティ群と、エルミタージュの小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。アリエとヌヴェール産の新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。

ではいってみましょう。

生産者: シャプティエ
銘柄: サンジョセフ レ グラニ1996
品種: マルサンヌ100%

外観はくすんだ茶を帯びた黄金色。
熟成は進んでいるが、極めて強烈なボディと旨味を感じさせるサン ジョセフ。
しっかりとしたミネラル感とともに、強いアプリコットや熟したリンゴの様な果実味。
濃厚な蜂蜜とドライハーブ、豊かな蜜の様な風味、塩ナッツ。そしてシャンピニオンや白檀の要素も。僅かにカマンベール香がある。
多くの熟成ワイン同様、かなりの厚みのある旨味がある。酸とともに、熟した核種系フルーツ(赤リンゴ)の様な濃厚な旨味がある。余韻は長く極く厚さを感じる作りである。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ ランドンヌ 1984

WA76pt
外観はエッジに煉瓦色を赤みの強いルビー、粘性は中程度。とても官能的で非常に上品なシラー。2010年ヴィンテージのパワー感を考慮すると、エキス感に満ちた1984は不思議な感じがする。
アーシーな腐葉土、枯葉、トリュフの風味に、品種固有の黒胡椒のスパイシーなニュアンス。そしてイチジク、紫スモモなど瑞々しい果実味。そしてタバコ、葉巻、焦げた木などのスモーキーなニュアンス。熟成肉、クローヴ、ワッフルなどの要素も感じられる。
タンニンはすでに落ち着いているが、酸は際立っている。ドライイチジク、スモモの厚みのある果実味と余韻。しっかりとした熟成感がありながら密度の高い旨味が感じられる。
素晴らしい熟成シラーだと思う。


まず驚くのが、ギガルのランドンヌのエレガントさ。若いヴィンテージからは想像出来ない程の繊細さと官能性を持ったワインに熟成しています。膨大な果実味とタンニンに溢れているというより、さながらピノノワールの様にエキス感に満ちている。
その為、樽や果実味が強く感じられる若いヴィンテージと比べるとシラー固有の要素である黒胡椒の要素が、より際立って感じられます。そしてアーシーな腐葉土、枯葉、トリュフの熟成香にイチジク、紫スモモなど瑞々しい果実味。スモーキーな要素も。
これらを見るに、シラーはボルドー的な熟成の進み方というよりピノノワールのそれに近い様に思えます。グアルニル酸ナトリウムではなくグルタミン酸ナトリウム系の熟成。
群を抜いてエレガントなシラーでしたが、まあヴィンテージの特性もあるのかも。
当然ですが、1984の若い頃を知らないのですが、パーカーポイントを見る限り濃厚で濃密なヴィンテージではなさそうですからね。
ロバートパーカーは1984に関して植物的でスモーキー、幾つかのフルーツの要素があるが、早めに味わいが崩壊すると評しています。ただ個人的にはエレガントになっているだけで味わいは崩壊していないと思いますが、まあ予測値ですからね。

次にシャプティエのレ グラニ。
ACサンジョセフのセレクション パーセレールですが、こちらもなかなかいいと思います。熟成してなお強固なボディがあるし、ミネラル感も果実味も十分に残っているを塩ナッツやシャンピニオン、カマンベールなどの熟成香を感じさせるから複雑。濃厚な旨味のある熟成マルサンヌです。
値段的にもエルミタージュ ブランなどと比べると安めに値段設定がなされていますので、かなり優良な作りだと思います。

熟成ランドンヌが衝撃的でした。
今までローヌのシラーの熟成の方向性に関してキチンと追えていなかったのですが、ちょっと考え方の方向性は定まった様な気がしますね。


【ボルドー:8】シュヴァルブラン&マルゴー。1978年熟成ボルドーの饗宴。

こんにちは、HKOです。
久々にボルドー、今回は熟成シュヴァルブラン、マルゴーになります。
さて今回は1978年ヴィンテージの水平です。ボルドーの1970年代は気候の問題もありますが、どのシャトーも良作が出来にくかった年代となります。(それは所有者の努力の有無であったり、ヴィンテージの良し悪しであったり要因は沢山あります。)避けるべきワインの烙印を押された7大シャトーですが、35年経った今どのような姿になっているでしょうか?

シャトーシュヴァルブランはサンテミリオンにおける4つの第一特別級Aの一角でボルドー右岸最上のカベルネフランを生み出すシャトー(残りはオーゾンヌ、パヴィ、アンジェリス)。
1960年代、1970年代は品質が落ち込んだものの、ジャック・エブラールが就任した1980年代には品質は大きく向上した。また以降の所有者であるピエール リュルトンの手により2000年、1999年、1998年は素晴らしいヴィンテージとなった。
シュヴァルブランの畑はポムロールとの境界線にある鉄鉱石を岩床とした砂利の多い、砂礫質及び粘土質の土壌。レヴァンジル、コンセイヤントに隣接する。
栽培面積は37haで、平均樹齢45年の葡萄を35hl/haという低収量で収穫し、醸造工程に移る。醸造は温度管理されたステンレスとコンクリートタンクで発酵及びマセレーションを21~28日間実施。MLF後フレンチオーク新樽100%で18ヶ月。清澄は卵白を使用、無濾過。

シャトーマルゴーはマルゴー村に拠点を置く、メドック第一級に位置するシャトー。いわゆる5大シャトーのうちの一つ。一時期ジネステ社が所有した時期にその評価を落としたが、メンツェロプロス家に売却されてからは、エミールペイノーをコンサルタントとして迎え、急激な資本投資もあり、1980年以降その評価を回復させた。現在はポール ポンタリエの指揮の下、一級に相応しい卓抜した品質を堅持し続けている。今回はセカンド ラベルのパヴィヨン ルージュ。栽培面積は78haで平均樹齢35年程度の葡萄の収量を45hl/haに抑え収獲を行う。除梗後、温度管理された木製槽で3週間のマセレーションとアルコール発酵が行われ、オーク樽の新樽で18~24ヶ月熟成される。基本的に無濾過で瓶詰めされる。

極めてベタですが、ボルドー最上の熟成ワインの比較、行ってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー シュヴァル ブラン 1978
品種: カベルネフラン66%、メルロー34%

約40000円、WA87pt
外観は淡い煉瓦色のガーネット、粘性は中程度。
マルゴーと比べると、より動物的でスモーキーな印象を受けるワイン。35年熟成としては恐ろしい若々しさを保っている。
腐葉土や西洋杉、シイタケなどのアーシーな熟成感、タバコの様なスモーキーさ、燻製肉などの動物的な要素が強く感じられる。そしてオレンジや黒オリーブ、カシスなどの果実味。リコリスやシシトウのスパイシーさ、スミレ、ドライハーブ、ローストした木材などの要素が感じられる。ハーヴィーかつスモーキー。さながらオーブリオンの様なスタイル。
タンニンや酸は非常に生き生きしており、強いカシスとリコリスの風味が感じられる。優しい旨味があり、しっかりとしたボディが感じられる。


生産者、銘柄: シャトー マルゴー 1978
品種: カベルネソーヴィニョン 75%、メルロー 20%、カベルネ フラン、プティ ヴェルド 5%

約157000円、WA92pt
外観は淡い煉瓦色のガーネット、粘性は中程度。
1978年とは思えない若々しくかつ非常に華やかな傑出したマルゴーだと思う。場合によっては80年代よりも若々しく感じられるかもしれない。野生味に溢れたシュヴァルブランに対してより整然とした優美なスタイルを維持している。
トリュフ、油粘土。徐々に枯葉や濡れた西洋杉、ミント。そしてクレーム ド カシスやプラム、イチジクを想起させる豊かな果実味。黒砂糖。炭焼きやミルクコーヒーのニュアンス。甘草やクローヴなどの要素。スミレ、鉛筆の芯、シロップの様な甘露さがある。徐々にタバコや、生肉などの動物系の強い香り。
滑らかで華やかな酸、タンニンがあり、口に含むとクレーム ド カシスやプラム、イチジクの豊かな果実味が広がる。熟成による旨味も多分に含まれており、全体的に綺麗に熟成が進んでいると思う。70年代としては傑出したマルゴーだと思う。


はい、以上です。
シュヴァルブランも素晴らしかったですが、とてつもなく恐ろしいのはマルゴーですね。熟成したシャトーマルゴーは何本が飲んでいますが、ここまで素晴らしい熟成マルゴーは初めてですね。
何が素晴らしいかというと、強い熟成感を感じる第一印象から、急激に濃厚かつ滑らかな果実味が現れて花開いて行く所です。トリュフや枯れた葉、濡れた西洋杉、油粘土、そしてドライイチジクなどの強い熟成のニュアンスがありながら、しっかりとクレーム ド カシスやドライプルーンの果実味がある。黒砂糖やミルクティーのニュアンスすら感じさせる味わい。うねるように鉛筆の芯や生肉の要素肉変異していく。ボルドーらしい充実した果実味を残しながら極めて複雑な熟成香、そして旨味が発現している。
若々しく果実味に溢れたワインではなく、熟成香が味わいの主体となる訳でもない、きわめて均整の取れた端正なワインだと思います。
後から聞いたところ、所有者が変わってから最初のヴィンテージとのこと。なるほど、納得....。

勿論シュヴァルブランもマルゴーほどではないにせよ素晴らしかったです。パーカーポイントこそ低得点ですが、その長熟さは存分に発揮されている様子。動物的でスモーキー、かつハーヴィー。ともすれば綺麗に熟成したオーブリオンに似た味わいとも言えます。
熟成ボルドーらしい腐葉土や西洋杉、シイタケなどのアーシーな熟成感、タバコの様なスモーキーさ、燻製肉などの動物的な要素が強く感じられます。
果実味はマルゴーほど強烈ではないが、独特の清涼感や塩味をかんじさせるオリーブやカシスの風味が感じられます。やや青さを感じさせる作りであるものの十分にグランヴァンとしての風格が感じられる味わいだと思います。優雅で滑らかなマルゴーに対して、シュヴァルブランはより野生的かつ動物的なスタイル。しっかりとしたボディはあるし、個人的には酷い出来だとは思いませんでした。

やはりボルドーの真価は熟成香が出始めたあたりですね。若いボルドーも最近のヴィンテージはとても美味しいと思いますが、ヴィンテージボルドーの官能性はワインの中でもトップクラスだと思います。


1978 (750ml)シャトー・マルゴー 1978 (750ml)

1978 (750ml)シャトー・マルゴー 1978 (750ml)
価格:156,450円(税込、送料別)


【シャンパーニュ:11】熟成エドシック、ドライモノポール レゼルヴ フォー イングランド 1966。


※レスポールはやはりサンバーストよりゴールドトップ。

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュ古酒です。
エドシック ゴールドトップの1966ヴィンテージとなります。

1785年にフロレンス ルイ エドシックが創業したパイパーエドシック。現在はレジス カミュが指揮を取っています。
...実はそれ以外、あまり情報はありません。殆どがパイパーエドシックがいかに「セレブでクールなシャンパーニュ」かを切々と説いている文章ばかりです。いらねーんだよそんなん。
まあ、そういったテクニカルデータはもはや不要と、そんな感じなんでしょうね。映画やファッションブランドとのコラボレーションを行ったプロダクトもありますが、フラッグシップはやはりレアヴィンテージ。ドサージュはだいたい12g/Lくらいだそうです。
今回のドライモノポール ゴールドトップ リザーブ フォー イングランドは1966年FIFAワールドカップ英国大会で優勝したイングランドの優勝記念ボトル。記念とかは本当にどうでもいいのですが、長期熟成を経た優れたシャンパーニュ、というのが重要です。
これが誠素晴らしかったです。

銘柄: ハイパー エドシック
生産者 エドシック ゴールド トップ ドライ モノポール 1966

約130000円
外観は濃いめの黄金色、粘性は低い。
さすがに熟成はかなり進んでおり、非常に複雑な風味を放っている。ドライシェリーや塩ナッツなどの熟成のニュアンス。熟したリンゴ、柚子や濃厚な核種系の蜜などの甘露さと旨みがしっかりと調和している。そしてキノコ、バニラ、リコリスなどのドライハーブなと。熟成ピークのクリスピーな風味はないが極めて旨味と複雑さが際立ったシャンパーニュ。
熟成シャンパーニュならではの酸味と塩味が非常に強いが、併せて旨味と果実味がはっきりと残っている。柑橘系のフルーツを想起させる。とてもジューシー。
47年熟成とは思えないエネルギーを包含したシャンパーニュである。

ここまでの熟成シャンパーニュは実は初体験。かなり楽しみにしておりました。
まさに期待に十分に答える凄まじい体力を持ったワインだと思いました。
ゴールドトップ自体は比較的スタンダードなラインのシャンパーニュだと思いますが、50年近くの熟成を経ているとは思えないほどエネルギーに満ちたシャンパーニュでした。

シャンパーニュ(と白ワイン)の熟成カーブとしては、各々の要素、例えば樽とか果実に起因する甘さや花の香りが個別に存在しているのが第一段階、樽香が果実味に溶け込んでクレームブリュレなどの香りになっているのが第二段階、果実味と樽香が減衰して酸化のニュアンスと旨味が中心となった第三段階がある認識でいます。ちなみに樽と果実味が溶け込む前に果実味が減衰した場合、第二段階が飛ばされて第三段階に至るケースもあります。
今回のレゼルヴ フォー イングランドは明らかに第三段階のもので酸化のニュアンスが支配的となっています。果実味は十分にありますから、綺麗に第二段階を経て熟成をしたのではないかと想定されます。
酸化のニュアンスが支配的でありながら塩ナッツや赤リンゴと様な極めて厚いボディを持った古酒に成長しており、当時フラッグシップ級の味わいを持っていた事が容易に想像できます。クリスピーさはもう無いですが極めて複雑な構成を持ったワインとなっています。
余談ですが、海底に沈んでいたエドシックのグーアメリカン1907が10年ほど前に引き上げられましたが、塩の味がするというコメントを見かけました。
海水がコルクを通じて入っている状態では状態としては正常ではありませんが、恐らく塩のニュアンスは酸化熟成に起因するものなのではないかな、という風に思っています。

平準的なキュヴェでありながら、ここまでのクオリティがあるのはちょっと驚きですね。
40年-50年級のトップクラスのシャンパーニュも飲んでみたいですねー。

【ブルゴーニュ: 54】DRC2010年、特級ロマネ サン ヴィヴァン。

こんにちは、HKOです。
さて本日はDRCのロマネ サン ヴィヴァン 2010年です。

さてDRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
その歴史は一冊本が出来るくらいなので割愛しますが、どのワインも異常に品質が高く、そしてお値段も高い事で有名ですね。現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名です。以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。保有する畑は特級エシェゾー、特級グランエシェゾー、特級ロマネサンヴィヴァン、特級リシュブール、特級ラターシュ、特級モンラッシェ、そして特級ロマネコンティです。2009年からは新たに特級コルトンをリリースしています。また各特級の若木を使った1級デュヴォープロシェなんてのもあります。
ヴォーヌロマネの特級およびモンラッシェではいずれも区画最大所有者となっています。
ちなみに自社で瓶詰めはされませんがバタールモンラッシェと一部ヴォーヌロマネの1級畑も保有しています。
基本的にビオディナミで栽培を行い馬を使って耕作をします。除梗はせず長い期間を32度から33度のマセラシオンを行ない、新樽100%で熟成を行います。清澄は卵白を使用して行います。

さて、今回は2010年ヴィンテージです。
いってみましょう。

生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 2010

378000円、WA94-97pt(2009)
外観はやや濃いめのルビー(DRCらしい色)、粘性は中庸。DRCらしい、めくるめく芳香。
比較的しっかりと抽出はなされているようだ。
ミネラル感が突出しており、八角やオリエンタルスパイス、オレンジ、アメリカンチェリー、フランボワーズの香りが華やかに広がる。極めて凝縮した赤い小果実の風味。バラやスミレのアロマオイル、強い鉄分やなめし革、クローヴやユーカリなどの清涼感のあるニュアンス。白檀、マホガニーの木の香りが渾然一体となって立ち上る。極めて複雑な体躯を形成している。徐々に甘露なチェリーリキュールやシナモンの要素、ローストナッツなどの風味も。コーヒーやソースなどの風味も現れてくる。まるで香水のような明確で煌びやかな芳香を放つ。
液体に含まれる酸やタンニンは充実しているが、包含されるベリーの旨味と甘味が半端ない。口に含むとハーブやバラやスミレの花の香りが広がる。なんともいえない凝縮した味わい。驚異的な余韻の長さ。いつ飲んでもDRCのサンヴィヴァンは驚異的だ。


しかし高くなりましたね、DRC。恐ろしい価格です。4,5年前ならこの価格でラターシュ買えましたよ。うーん、なんだかなあ。
ただいつ飲んでもDRCはDRC。この色、この香り、そして繊細でありながら複雑、複雑でありながら鮮烈無比なこの味わいは他のブルゴーニュワインには無い物です。

【参考】
・2004年(エシェゾー2009、グランエシェゾー2008、サンヴィヴァン2004、リシュブール2008の比較記事)
hrmko.blog.fc2.com/blog-entry-222.html
・1989年、2009年(サンヴィヴァン1989、2009の比較記事)
hrmko.blog.fc2.com/blog-entry-342.html

今回の2010年は2009年ヴィンテージと比較すると幾分か柔らかい印象を受けます。

強靭なミネラル感と華やかさ、オレンジのような澄んだ清涼感、赤系小果実のエネルギーの篭ったエキス感はどのヴィンテージも共通しています。香りはさながら香水の様です。
ただ2009年が果皮の華やかなニュアンスが主体となっているのに対して、2010年はより樽や全房発酵に起因するスパイシーさが前に出ている印象です。そこに強い鉄分やなめし革。森の草花や木材が絡み合い極めて複雑な体躯を形成しています。2009年より幾分か早く開き始め、徐々に甘露なチェリーリキュールやシナモンの要素、ローストナッツなどの風味も現れてくる。
これだけ清らかで澄んでいるのにタンニンと酸は極めて力強いのもDRCの特徴。
口に含むと、ハーブやバラ、スミレのむせ返る様な華やかさを感じることが出来ます。
余韻も長く、揺るぎないDRCの品質を感じる事ができますね。
2010年のDRCも素晴らしい作りでした。
2009年より開くのが早く、ややスパイシーな2010年。他のポートフォリオも是非飲んでみたいですね。

さて、次は2011年、DRCなら心配ないと思いますが、どうでしょうね。
価格は...もう、なんとも....

【ブルゴーニュ:53 】アラン ユドロ ノエラ 2011。3つのグランクリュを利く。



こんにちは、HKOです。
最近更新が著しくチンタラしていてすみません。ネタはあるのですが、なかなかテンションが上がらず、筆が遅れる遅れる...
飲酒はちょっと先週から胃を壊しているので、自重気味でございます。
早く治んないかなー、早く酒飲みたいよー。

さて、今回はユドロノエラのフラッグシップである特級畑3種の水平です。2010年は大変すばらしかったですが、2011年ははたして...!


若干24歳(!)の美形の3代目、シャルル ヴァン カネット率いるアラン ユドロ ノエラは1964年に祖父アランユドロが起こしたドメーヌ。シャンボールミュジニーの家系ですが、ジャン ジャック コンフュロンとも類縁関係にあり、珠玉の特級、一級畑を保有しています。非常に評価の高いドメーヌです。
栽培は場合によってビオを使用する場合もありますが、リュットレゾネ中心の農法を行っています。
収穫後、除梗はせず、10日間の低温浸漬、アルコール発酵、プレス時に種子によるタンニンの抽出を避けるためバスケットプレスでプレス。
新樽比率は村名20%、一級30-50%、特級60%で12ヶ月-17ヶ月で樽熟成を行う。フラッグシップはリシュブール、ロマネ サン ヴィヴァン、クロ ド ヴージョ(小区画は上部のマレ オーとガレンヌ)。

さて、いってみましょう。


生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2011

約22050円、WA91pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
リシュブールより重心が低く、黒系ベリーの果皮の煌びやかさ、力強さを感じる事ができる。よく熟したダークチェリーやブルーベリーの果実味、なめし革やスミレの香り。糖蜜をかけたビスケットやシナモン。少しクローヴ、茎などの青っぽさ。そして鉄分の香り。燻製肉や土っぽさ。シロップやビスケットの甘露さが非常に前に出ており、
リシュブールと比べるとアーシーな味わい。
こちらもリシュブール同様、酸とタンニンは丸みを帯びている。しかし赤系果実が前に出ているリシュブールに比べると、より土っぼさや、紅茶的な要素が前に出ている。ややハーヴィー。


生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 2011

約58800円、WA93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
こちらもかなり重心が高く赤い果実味が伸びていくサンヴィヴァン。果皮のニュアンスは強いが、妖艶でリシュブールより広域に伸びていく果実味が感じられる。
綺麗なミネラルがある。
オレンジのニュアンスより、果実味高いダークチェリーやフランボワーズのリキュール、シナモンやカラメル、シロップの甘み。そしてスミレやバラ、松、茎やハーブなどの華やかで野生の森の様な香りが感じられる。鉄分、パストラミハム、ユーカリ、オリエンタルスパイス、トーストの様な風味が感じられる。ミルクティーの風味もある。
酸味はやや強めで、タンニンは穏やか。茎やスミレの強い自然の芳香。リシュブール同様エキス感があるが、より華やかな印象を受ける。華やかでしなやかな自然的なサンヴィヴァン。


生産者: アラン ユドロ ノエラ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2011

約66150円、WA93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
重心が低域にあり黒い果皮を感じる(強い抽出を感じる)クロ ヴージョに対して、より高域に伸びていく赤い果実味が特徴的。ヴォーヌロマネ的なスタイル。
オレンジや、赤系ベリーの官能的な果皮の要素が強い。そしてよく熟したアメリカンチェリーやフランボワーズ、なめし革やスミレ、茎の華やかな芳香。バニラや赤い花の蜜の甘露さがあり、トースト、鉄分、濡れた樹皮、ミルクティーなどの複雑な要素がある。
ヴォーヌロマネらしい高域に伸びていく華やかさ、梅柴のようなエキス感がある。酸やタンニンは穏やかだが、口に含んだ際赤系果実、ミルクティーの風味が口内に広がる。球体のワインでコロコロと丸いエキス感が感じられる。ジューシー。余韻も長い。
エシェゾーと比べると果実の凝縮感が高く、ボディが強い印象を受ける。


さて、アラン ユドロ ノエラ最上の3つの特級畑の2011年です。この生産者の特級を比較するのは初めてですね。

アランユドロノエラのワインは他のブルゴーニュルージュと比べると際立って華やかで力強い芳香を放つのが特徴で、それらは強めの抽出と、でしゃばり過ぎない樽香、程よく熟した果実によって実現されています。
繊細さに関しては一線級生産者のそれには劣るものの、複雑さについてはテロワールから吸収できているのではないかと思います。
アラン ユドロ ノエラの2011年について、若干のドライさは感じられるものの、個人的にはあまり大きな影響は無い様に感じられました。先述した様に華やかさに主軸を置く生産者ですので、勿論果実味があるに越した事はないのですが、例えば弱くてもその魅力をスポイルするほどのものではない、というものです。

さて、各畑ごとの比較ですが、非常に明確な差異が現れていました。

まず唯一の別の村であるクロ ヴージョ。ユドロ ノエラ保有の区画はクロ ヴージョ上部に位置する畑で、立地としてはかなり恵まれた区画となっていまさ。クロヴージョはこれらの特級畑の中では最も重心が低く、黒系の果実を思わせる果皮の要素が強く感じられます。ユドロノエラらしい煌びやかさを残しつつ、樽によるビスケットの要素や紅茶など力強さを感じる事が出来ます。また大変甘露でユドロノエラとしては重たい印象を受けるワインだと思いました。

次にサン ヴィヴァン。こちらはラ ロマネの下部に位置する比較的低標高にある特級畑になります。表土は90cmと比較的深く、粘土と活性度の高い白亜。傾斜は浅く水はけは良くはないが品質は特級随一といえます。
クロ ヴージョとは逆の性質を持っており、極めて重心が高く伸びていくような赤い小果実の要素が強く感じられました。果皮のニュアンスは強く、極めて華やかさ。
引き締まったエキス感とリキュールの様な濃密さ、濡れた草花や樹木を感じさせる清涼感のある要素とマロラクティック的な要素、トーストの様な樽香を感じさせます。全く重みを感じさせない、引き締まった体躯のワインだと言えます。広がり方はリシュブールより広域で妖艶。ヴォーヌロマネを体現したサンヴィヴァン。

最後、ブルゴーニュ最上クラスの特級畑リシュブール。標高260-280mに位置する母岩は石灰岩、表土は粘土と泥土で構成される畑で小区画はレ ヴァロワイユ、レ リシュブールの2区画。
こちらもサン ヴィヴァン同様広域に伸びていく様な赤い小果実、オレンジなどのエキス感のある果実味が特徴ですが、サンヴィヴァンに対して、より身が詰まった鋼鉄の様な密度を持っています。ゆえにスミレの要素も引き締まり、さながら香水の様な芳香が立ち上ります。鉄分やなめし革の要素もリシュブールの華やかさを引き立てています。
また濡れた草花や樽の要素もしっかりとあり、バニラやミルクティーの要素や梅しばのようなエキス感も大変強く感じられました。
リシュブールは口当たりに至るまでもう完璧。

2010年の方が好きではあるのですが、2011年もその素晴らしさは健在といったところでしょうか。
価格の高騰が著しい生産者の一人ではありますので、飲むのなら今のうちかもしれませんね。





【ブルゴーニュ:52】ヴォーヌロマネにまつわる3生産者、フラッグシップの特級を利く


※カレーは遊びじゃない。

こんにちは、HKOです。
更新が押しておりましてすみません。
いや、遊びじゃねえ事案に巻き込まれておりまして...なんとか解決出来ましたが。解決できたというかいい感じの落とし所で落としたというか...難しいですね。

さて、本日はブルゴーニュの3つの老舗ドメーヌをレポートします。
モンジャール ミュニュレは特級グランエシェゾーを、ドメーヌ アンヌ グロは特級クロ ヴージョ グランモーペルテュイを、アンヌ フランソワーズ グロは特級リシュブール。
全てがほぼフラッグシップ級になります。

モンジャール ミュニュレはヴォーヌロマネでは伝統のある老舗の大ドメーヌでリュットレゾネを1990年から実践しています。一時期評価を落とした時期もある様ですが、2000年に入ったヴィンテージで致命的にダメなワインには当たったことはありません。樹齢は大体30年から50年で、エシェゾーのVVで70年。グリーンハーヴェストを行い、30hl/haに収量を抑えます。除梗は100%。低温浸浸を4,5日と軽く行い、アルコール発酵は12日程度行われます。圧搾は空気圧で行い、過度のタンニンの抽出は抑えます。新樽比率は一級で30%、特級で100%。22ヶ月熟成後瓶詰めします。

ドメーヌ アンヌ グロはフランソワ グロの一人娘。ミシェル、ベルナール、アンヌ フランソワーズとはいとこになります。
1984年よりボーヌとディジョンでぶどう栽培学とワイン醸造学を学び、1988年にドメーヌを引き継いでいる。以降精力的に畑の拡張やワインセラーの新調を行い、革新に取り組んでいます。
アンヌが保有するクロ ヴージョの区画はシャトー ド クロ ヴージョの上部斜面にある最上級の小区画グラン モーペルテュイ。そこに植わる樹齢90年以上の古木のピノノワールによってアンヌのクロ ヴージョは作り出されます。
収穫した葡萄は100%除梗。少し濾過処理するが清澄処理せず、80~90%新樽発酵を行い瓶詰めがなされます。

アンヌ フランソワーズ グロは伝説的な生産者であるジャン グロの3人の子供(ミシェル、ベルナール、アンヌ フランソワーズ)のうちの一人。上のアンヌ グロは従姉妹となります。ドメーヌ設立は1988年。96年にはジャン グロからリシュブールを相続しています。(薄い表土の東向斜面にある0.6ha)。年間生産量約2400本~3000本程度。
収穫されたブドウは100%除梗され、コンクリートタンクとステンレスタンクを併用し発酵。熟成は複数の種類の樽で行われ、一級畑が新樽50-70%、特級は新樽100%にて約18か月間熟成を経てリリースされます。

ちなみに次男ベルナールのグロフレの特級はリシュブール、エシェゾー、グランエシェゾー、クロ ヴージョ。長女アンヌ フランソワーズはリシュブール、エシェゾー。従姉妹アンヌ グロはリシュブールとクロ ヴージョ、エシェゾー。
...リシュブールとエシェゾーはどの兄弟も持っているんだけど、なんと長男のミッシェル グロはクロ ヴージョのみ...(その代わりの単一所有畑クロ デ レアなのかもしれませんが)
なんか微妙な感じがしますなー。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: グランエシェゾー グランクリュ 2011

約20000円
やはり2009、2010に比べると若干の密度の低さはあるものの、2011年のモンジャールミュニュレは比較的堅調と言える。例年通り力強いヴォーヌロマネで、しっかりとした樽香と抽出が感じられる。
外観はやや濃いめのルビーで、粘性は高い。ダークチェリー、ブルーベリーの黒系ベリーや黒砂糖のような豊かな果実味、スミレの風味が広がる。そしてコーヒー、シナモン、トーストなどの強い樽香。燻製肉、ミルクティー、クローヴの風味など。強い抽出による赤い花の華やかさ、樽の複雑なニュアンスが顕著。
酸味は穏やかで、品のいい厚いタンニンがある。果実味自体は2011年とはいえ豊かで、シロップと果皮の風味が大変調和が取れていて心地よい。例年のモンジャールと比べると果実味に見劣りはあるものの、比較的成功した生産者と言えるかも。


生産者: ドメーヌ アンヌ グロ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ ル グラン モーペルテュイ 2007

約21000円
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
若干熟成を帯び、複雑味が増している。若いアンヌのワインに見られる強い樽香は落ち着いているものの、まだまだ果実味主体の作り。
強いアーシーさが際立っており、粘土、スーボワ、枯葉のニュアンスが現れている。また熟したダークチェリーやプラムの果実味。トリュフや燻製肉、なめし革の風味。スパイシーなクローヴ、リコリス、コリアンダーなど。そして徐々にコーヒーや黒砂糖、葉巻の様な要素も現れてくる。野生的な土の様な熟成香がしっかりと感じられる。
タンニンこそ穏やかになっているものの、酸はまだ十分にあり、ミルクティーや華やかなスミレ、プラムの豊満な果実味が口内に広がる。


生産者: アンヌ フランソワーズ グロ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2011

約56000円。
外観は赤みの強いルビー、粘性は強い。
抽出がかなり強く効いており引き締まった華やかさが全面に出ている。華やかさに主軸が置かれたユドロ ノエラと比べると断然力強くパワフルに作られている印象。
甘露で凝縮したラズベリー、ダークベリーの果実味。オレンジや濃厚な花の蜜、スミレやクローヴ、薔薇などの華やかな要素が僅かにキャンディ香を含み結合している。そして紅茶や燻製肉。そしてクローヴ、ローリエ、ジンジャーブレッドなどのハーブ感。松の木や五香粉の様な樽香が感じられる。徐々に甘露なキャラメルやオリエンタルなスパイスが感じられるようになる。
酸味、タンニンは柔らかく、穏やかに広がっていく味わい。熟したラズベリー、花の蜜の余韻が広がっていく。凝縮感があり、余韻も長い。


さて、特級グランエシェゾー、特級クロ ヴージョ(グラン モーペルテュイ)、特級リシュブールとはいきなり豪華なラインナップでした。
まずモンジャール ミュニュレのグランエシェゾー。
クロ ヴージョのプティ モーペルテュイ、グラン モーペルテュイの上部、エシェゾー デュ ドュス、レ ロアシャウスの下部にあたる区画。生産者の性質かもしれませんが力強いヴォーヌロマネのスタイルとなっています。
外観は濃い目のルビーで強い抽出を感じさせるダークチェリー、ブルーベリー、スミレの風味。樽に起因するコーヒー、シナモン、トースト、五香粉の風味。果実味も豊かで黒砂糖のような風味も感じられます。
2010年のモンジャールに比べると密度の低さや果実味の不足感があるのですが、2011年も比較的堅調な作りで、2010より抑え気味でありながら樽のロースト香はしっかりとあるし、華やかな果皮の香りも感じられ大変品良くまとまっている様に感じます。

次にアンヌグロのクロ ヴージョ。
最上の区画と言われるグラン モーペルテュイです。
この中では2007年と比較的熟成を経ている為、あまり比較にはなりませんが、ドメーヌ アンヌ グロらしい素晴らしいワインを作っていると思います。
アンヌのワインは若いヴィンテージだとかなり強い樽香があるのですが、さすがに2007年にもなると幾分か樽が溶け込んだ印象を受けます。スーボワや枯葉、トリュフを感じさせるものの、まだまだダークチェリーやプラムの様な熟した果実味が主体の味わいです。
燻製肉、なめし革の風味など官能的な要素も。そして徐々にアンヌらしい強烈なコーヒーや黒砂糖、葉巻の様な個性も現れてくる。
タンニンはわずかに穏やかさを見せていますが、全体的にはまだまだ濃厚が残るワインとなっています。どちらかというとかなり重心が低めのブルゴーニュワインですね。
ヴォーヌロマネの生産者というよりクロ ヴージョやニュイ サンジョルジュの生産者の作り方ですね。とはいえ、キッチリと生産者の中では作り分けは出来ていると思います。

最後、アンヌ フランソワーズ グロのリシュブール。ブルゴーニュ最上クラスの特級畑ですが、AFグロの作るリシュブールも最上級と言える作りだったと思います。
アンヌの重心の低いワインと比べると、華やかさ、凝縮感が主軸となったスタイルの生産者で、このリシュブールも例に漏れず極めて強い凝縮感、華やかさを感じさせるワインなっています。
強い抽出によるスミレ、薔薇などの華やかさもさる事ながら、大変成熟した果実を使用しているからか甘露で凝縮したラズベリー、ダークチェリーの果実味がしっかりと感じられます。僅かにキャンディ香も伴っています。
徐々に樽によるキャラメルや五香粉の要素、クローヴ、ローリエ、ジンジャーブレッドなどのハーブっぽさも。華やかさを主軸に置きながら高い熟度とエキス感を保持したリシュブールだと思います。ヴォーヌロマネのスタイルに則っている。素晴らしいリシュブールでした。ヴィンテージとして良い訳ではないですが、さすがのリシュブール、エネルギーに満ちた作りになっていると思いました。

ヴォーヌロマネの2011年ヴィンテージは意外とスタイルにあっていたのか、さほど悪い出来のワインに出会いませんね、そういえば...勿論2010年並ではないのですが、十分いい出来だと思います。
まあ、ただ、その、高いんですけどね...。




【ブルゴーニュ:51】コート ド ボーヌの高品質の赤白を利く


※正直正月気分が抜けない。

こんにちは、HKOです。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
実は新年一発目はコトーシャンプノワで幕を開けた訳ですけれども、去年書いた記事だったので改めて。よろしくお願いします。

まず年明け一発目はコート ド ボーヌの重鎮、マトロ、ラモネ、メゾン ルロワの3ワイナリーです。

ドメーヌ マトロはムルソーに拠点を置くドメーヌ。現在はティエリー、パスカル夫妻が栽培醸造を行っています。
ムルソーが主軸となる生産者ですが、一部赤ワインもつくっており、そのフラッグシップとなるのが、ムルソー村に存在するACヴォルネイの1級畑ヴォルネイ サントノ。発酵、漬浸の温度は樹齢は32年の古木を使用しています。新樽比率は10-20%。澱引きは基本的に行わない。

ルロワ。マダムルロワが手がけるのは次の3つのライン、ドメーヌ部門のドメーヌ ルロワ、個人所有のドメーヌのドーヴネイ、そしてネゴシアン部門のメゾン ルロワ。目下最も手に入りやすく価格も安いのがメゾン ルロワですが、それでも並のドメーヌとは比べものにならないほど高品質かつ高額です。ブルゴーニュ最上のネゴシアンと言って差し支えないでしょう。栽培は厳格なビオディナミを行っている生産者のものから買い付けを行ない、新樽率100%で熟成、無清澄、無濾過で瓶づめが為されます。今回のボーディンヌはサントネイに隣接する高い標高に位置する1級畑です。

ドメーヌ ラモネはブルゴーニュ白においてルフレーヴ、コシュデュリ、コントラフォンに匹敵するスター生産者。ただし例の如く球数がべらぼうに少ないです。
平均樹齢はブドリオットで55年、ビアンヴニュで50年程度の古木。18年以下の葡萄に関しては除外しています。収量制限はヴァンダンジュヴェールは実施せず、春先の摘芽で代用。アルコール発酵はタンクと木樽を併用してやや低めの温度で行います。ピジャージュは1日3回程度機械で行われます。新樽比率は一般的に30%程度(モンラッシェは100%)。18ヶ月の熟成の後、軽い清澄と濾過を行い瓶詰めされる。フラッグシップは特級ル モンラッシェ、シュヴァリエ、バタール、ビアンヴニュ。特にシュヴァリエらわずか1haのにも満たない占有面積から産出されるワインで、ほぼ入手不可。

ではいってみましょう。


生産者: ティエリー エ パスカル マトロ
銘柄: ヴォルネイ プルミエクリュ サントノ 2009

約9000円
とてもヴォルネイらしいアーシーでスパイシー、そして繊細なタッチのワインだ。
果皮に由縁した華やかな薔薇やスミレ、そして紅茶や濡れた土や樹木のアーシーな香り。溶剤やタイム、コリアンダー、クローヴなどのスパイシーさ。ダークチェリーやブラックカラントなどの瑞々しい果実味が感じられる。マルキ ダンジェルヴィーユやパスカルブレに通じるヴォルネイの王道らしいピノノワールの味わい。繊細だがシャンボールほど洗練されていない牧歌的な味わい。
酸は柔らかく、タンニンは果皮のニュアンスがしっかり感じられるものの、収斂性や厳しさは感じられない。紅茶やダークチェリー、花の香りの余韻を残す王道的ヴォルネイ、王道的サントノである。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ レ ボディーヌ 2008

約15000円。
外観は浮遊物のある、やや濃い目のストローイエロー、粘性は中程度。
適度な熟成感がある。きめ細やかで繊細なタッチ、荒々しさとは真逆の味わいである。豊かなライチや洋梨の果実味、白い花、ドライハーブ、甘露な黒砂糖のニュアンスにマロラクティック発酵に起因するバターやバニラ、塩ナッツ、控えめなミネラル感がある。
ブルゴーニュブランの王道的な味わいであり、シャサーニュらしい果実味を中心に据えた味わいだ。受ける印象はルフレーヴにも近いがこちらの方がきめ細やかだと思う。
酸と旨味は分厚いが、とにかくきめ細やかでささくれだった味わいはない。カリンや柑橘系のアフターが余韻を残す。


生産者: ドメーヌ ラモネ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2011

約50000円。
外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
ミネラルが液面を漲っていた2010年に比べるとかなり柔らかい印象を受ける。確かにしっかりとしたミネラルは感じるが、果実味が主軸でボリューム感のある作り。ミシェル コラン ドレジェのシュヴァリエを想起。
濃密なシロップやバニラ、チョーキーなミネラル。カリンや洋梨のコンポート、フレッシュバター、白胡椒。素焼きのナッツやバターの風味。ハーヴィーかつシロップの風味に満ちたバタールで、バターやナッツは控えめ。
酸は穏やかで柔らかく、また厚みも中庸だが、緻密かつ高密度。バニラやカリンの豊かな風味が口に広がる。2010程の熟成は期待できないが、今飲む分としてはとても良くできている。


マトロのヴォルネイ。
以前飲んだことあるような気もしますが、まあ、改めてでもいいかと。そんな感じで購入しました。この生産者、白がとても美味いのですが、赤もなかなか良いです。
パスカル ブレやマルキ ダンジェルヴィーユの様な伝統的なスタイルのヴォルネイを作っていて、垢抜けないっちゃ垢抜けないんだけど、とても樹木や濡れた土、赤い花のアーシーさやスパイシーさが感じられる、繊細で素朴なヴォルネイだと思います。
果実味爆弾ではなく、ダークチェリーやブラックカラントなどの瑞々しい果実味があり、酸は柔らかく、タンニンは果皮のニュアンスがしっかり感じられる。やはりヴォルネイはこうでなくては、と思う味わいですね。
ラフォンやアントなどの凝縮感のあるスタイルも良いですが、ヴォルネイといったらこんな感じだよなあ。
次にメゾン ルロワのシャサーニュモンラッシェ1級。メゾンとはいえ、なんせルロワ。しかもプルミエクリュだったらそりゃあ美味いだろうと思ったのですが、果実味が過剰にある訳ではないし、樽が強い訳でも効いていたり、マロラクティック発酵のまろやかなニュアンスがあまり強く感じられないからなんですね。ごく自然な仕上がり。
ただ全体に漲る香りの強さやボディの強度は流石でしなやかでナチュラルな仕上がりだと思います。豊かなライチや洋梨の果実味があり、白い花、ドライハーブ、甘露な黒砂糖のニュアンスにマロラクティック発酵に起因するバターやバニラ、塩ナッツなどの要素。
ある種ブルゴーニュブランの王道的な味わい。ルフレーヴに近いがこっちの方がきめ細やか。ただドメーヌ ルロワのマジックを考慮するとちょっと普通な出来かな...というのも正直なところではある。
最後、ラモネのバタール。
今年もとても良い出来で一安心。ただ去年とはちょっと様子が違っていて、強固なミネラルに要素が蓋されていた2010年に比べると、より近づきやすい味わいだと感じました。ミネラルは控えめで果実味重視でしっかりとしたボリューム感がある。
感覚としてはミシェル コラン ドレジェのワインを思い出しました。2010年は明らかな長期熟成型ワインでしたが、比較的若いタイミングで飲んでも美味しいのが2011年ラモネの特徴と言えるでしょう。
ヴィンテージ特性を見ると2010年ほどの果実味がないのですが、樽やミネラルを考慮して相対的に見ると、濃密なシロップやバニラ、カリンや洋梨のコンポートなどの果実味が際立って感じられるのかもしれません。
そしてフレッシュバター、白胡椒。素焼きのナッツやバターの第二アロマ、第三アロマ。
酸のシャープさが際立った2010年に比べると穏やかで柔らかい印象を受けます。トレードオフとして厚みも失っていますが。
ただ緻密かつ高密度な作りであることは間違いないでしょう。
ワインとしての力は2010年ではあると思います。きっと熟成するとラモネの本懐である熟成ニュアンスと果実味の美しい統合が楽しめることは間違いなさそうですが、あくまでフレッシュな段階で飲むなら間違いなく2011年ですね。




【追記】【ブルゴーニュ:29】2011年グロフィエの超絶技巧。クロ ド ベーズとレザムルーズ、デュガピィのラヴォーサンジャックを利く


※高騰しまくってるロベールグロフィエの2011年ヴィンテージ。

こんにちは。
本日はベルナールデュガピィのラヴォーサンジャックとグロフィエのクロ ド ベーズ、アムルーズです。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はなしでアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。

ロベール グロフィエはモレ サン ドニに拠点を置くシャンボールミュジニーのトップ生産者の一人。レ ザムルーズ最大の所有者。現在はセルジュ グロフィエ、ニコラ グロフィエが指揮を取っている。フラッグシップはシャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌマール、1級レ ザムルーズ。
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽率は村名20%、アムルーズ40%、ボンヌマール60%で、13ヶ月程度のフランソワフレール製の樽で熟成を行う。

さて、いってみましょう。



生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2011

31500円、WA93-96pt(2009)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。抽出が強烈で樽香がかなり強い。超硬いワイン。
アーモンド、コーヒーや五香粉のロースト香。ダークチェリー、黒オリーブの果皮成分が多い堅固な果実味、紅茶の風味。スミレ、茎や煙草。なめし革、黒檀。グローヴなどの要素が感じられる。徐々に強烈なチョコレートや糖蜜の様な甘露さが感じられる。
とても複雑で濃厚。09のルソーのシャンベルタンと似ており閉じきってる印象。
このタンニンの強烈さも凄いが、どちらかというと引きしまった酸味が特徴的で、口の中にダークチェリーや五香粉の香りが広がる。2010年と比べると幾分かシャープな感じだ。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボールミュジニー プルミエクリュ レ センティエ 2011

約25000円、WA92pt(2009)
外観は紫を帯びた淡いルビー、粘性は強い。
ぶどうの凝縮度は2010年には劣るものの、非常に上手くまとまっている。
シャンボールミュジニーらしく豊かなミネラル感がある。枯葉やマホガニー、そしてクローヴ、ハーブ。マロラクティック発酵に由縁するミルクティーの要素が強く感じられる。ラズベリー、ブルーベリーの瑞々しい果実味、豊かなシロップのニュアンス。僅かに生肉や五香粉の風味もある。
果実味ではなく、アーシーな土や葉、ハーブ、そしての蜜の香りが主体となっている。
酸味、タンニンは柔らかいが際立った旨味があり、口の中で紅茶やベリーの豊かな風味が広がっていく。とても均整のとれた1級畑で余韻も長い。果実味も明確で2011年のグロフィエはやはり成功していると思う。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011

30450円、WA93pt(2009)
外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
澄んだミネラル感。
アメリカンチェリーやストロベリーの瑞々しい果実味と紅茶、ミルクポーション、シナモン、茎や葉などの森の香り。そしめキノコやハチミツをかけたチーズ、ほのかなスミレの香り。徐々にワッフルや花の蜜の様な香りが感じられる。
酸味が豊かで綺麗な旨味が広がっていく。タンニンはしっかりとしているが滑らかで、ミルクティーとストロベリーの後味が口の中に広がる。去年と比べてより瑞々しくエレガント。
うーん何故香りはこんなに伸びていくのにボディはしっかりしてるのか...素晴らしい。ボディこそクロ ド ベーズに劣るものの、全体的なバランスとしては極めて優れていると思う。


生産者: ロベールグロフィエ
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2011

33600円、WA95pt(2009)
外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
アムルーズに対してより濃厚で実態的なボディを感じる。ブラックベリーやラズベリーの瑞々しい黒系の果実味が主体となっている。そしてミルクティーや乾いた土、煙草、華やかなスミレ、僅かにスターアニスや燻製肉、シナモン、トリュフ、徐々に糖蜜の様な甘露な風味が現れる。
酸も旨味もアムルーズ同様強く感じられるが、よりタンニンが際立っている様に感じる。ダークチェリーやミルクティーの濃厚な香りが口の中に広がる。余韻は長くアムルーズと比べると密度で断然優っている。


まずデュガピィのラヴォー サン ジャックから。
タンニンと酸のスタイルや凝縮度、そして樽の強さ、抽出は2010年とほぼ同様だが、最も異なっているのは、果実味のキャッチーさだと思う。2011年は完膚なきまでに閉じ込もっている印象だけども2010年はジャミーな黒系果実やシロップの風味が最初から全面に現れている。
2011年も非常に長熟しそうだし要素自体は半端ないんだけど、美味しく飲むのにはもう少し熟成が必要かな、と。
2010年の様にヴィンテージに恵まれた年ではありませんから、強い抽出で現れた強いタンニンや酸に若いうちから対抗できる様な果実味はなかったのではないかな、と思います。ただ2010年が特殊で、本来はこういう作りのヴァンドガルドなワインなのではないかと思います。
若いうちに飲もうとするから無理が生じるだけで、今年の出来も申し分ないと思います。

次はグロフィエ。
この3本、同じ生産者ですがシャンボール1級の2種とクロ ド ベーズの間では雰囲気以外は大きな隔たりがあります。
故にクロ ド ベーズとアムルーズ、サンティエのテロワールはそれぞれ十分に尊重された作りと言えるでしょう。
さながら白ワインの様に瑞々しい風味が感じられながらも、密度は非常に高く、想起される果実や要素は全く違います。
全体的に見るとアムルーズは薄く澄んだ印象で、クロ ド ベーズは凝縮した力強い印象、サンティエはその中心ですが、アムルーズ寄りの感覚を受けます。
これはアムルーズのミネラル感、穏やかなタンニンに対して、酸が強く、赤系果実や茎などの要素が強めに感じられるからではないかと思います。香りの立ち方はベーズと遜色ないのですが、柔らかい印象を受けます。
対してクロ ド ベーズはタンニンが際立っています。酸味はありますが、タンニンが強い為、感覚的にはやや落ち込んだ様に感じられます。
また果実の熟度や樽が強めに感じられる点も力強い印象を受けますね。甘露でローステッド。
ジュヴレシャンベルタンの中でもクロ ド ベーズらしい温暖さ、ドライさを感じさせない作りだったかと思います。
サンティエはアムルーズ程のピュアさ、硬質さは無い物の、液体密度としてはアムルーズに近い性質を持っていると思います。アムルーズがピュアな果実味と瑞々しさ、ミネラルが突出しているタイプのワインでしたが、こちらはより熟した果実味の割合が高く、また枯葉などアーシーな要素が強いと思います。またアムルーズにあったミネラルの要素が落ち込み、全体的に肉付きの良いスタイルになっていると思います。

ヴィンテージという意味では2010年と比べて大きく印象は変わりません。アムルーズは2011年より2010年の方が出来が本来は良いはずなのですが、2010年の方が若干ドライに感じられました。2010年は除梗の比率が高く、全体に対して必然的に果皮の割合が高くなったからかもしれませんね。
2011年は基本的に2010年より瑞々しく澄んだ味わいだったと思います。これを果実味の欠如と捉えるかは微妙な所ですが、こちらの方がシャンボールの生産者らしいかな、と思います。
2010年はやや抽出の部分などに強めな印象を受けたので2011年の方が好きな人は多そうですね。まあ、高いですけれども。そんな感じです。




【追記】【ブルゴーニュ:46】ジョルジュ ルーミエ2011VTを検証する。


こんにちは。
今年もジョルジュ ルーミエの季節がやってまいりました。2011年ヴィンテージです。
毎年楽しみにしておる訳ですけれども、今年の出来はどうでしょうか!

ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
村名シャンボールは村名区画と一級区画のブレンド、レ クラはシャンボールミュジニーの中心部にある村の中でトップクラスの区画で、ボンヌマール寄りの土壌ではなく、ミュジニー寄りの土壌となっています。隣接する畑はレ フュエ。ビュシエールはモレサンドニの区画ですが、シャンボールミュジニーのボンヌマールに隣接する畑ですね。そして本丸ボンヌマールはテール ブランシュ、テール ルージュを等しくアッサンブラージュしたものとなります。

ではいってみましょう。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー 2011

約16000円、WA90-92pt(2009)
クロ ド ラ ビュシエールと比較すると僅かに色調が穏やかである。
他のキュヴェに比べると樽香は穏やかで、やや青い風味が感じられる。とはいえ熟度では劣るものの果実味は豊かで瑞々しくルーミエらしさはしっかりとある。
シナモンやクローヴなどのスパイシーさ、抽出はそれなりにされていて、なめし革の風味がある。マロラクティックなミルクティー、茎。シロップ漬けのアメリカンチェリーの果実味。アーシーな土の風味も感じられる。
軽やかな液体密度に対して酸味、タンニンは比較的強めで、やや未熟な赤系果実の風味と茎などのアフター。
香りは流石に強烈だがほかの上位ワインに比べると果実の凝縮度で劣る。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ド ラ ビュシエール 2011

約16000円、WA92-94pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
ボンヌマールと体躯は近いがミネラル感、複雑さで劣り、抽出はレクラよりは強い。完全に果実味が前面に出ている。
甘露なシロップやシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュールの要素が突出している。強めのなめし革、徐々に柔らかいスミレの要素や木材のニュアンスがあるが果実味が突出している。紅茶やわずかな土っぽさがある。マロラクティックのミルクのニュアンス。豊かな酸味とレクラと比べるとやや強めのタンニンがあり果皮の要素とミルクの風味が余韻を残して行く、ボディはこの中だとしっかりしている。密度はレクラにやや劣る。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2011

約22000円、WA91-93pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
複雑かつ果実由縁のニュアンスが強い。
ビュシエール、ボンヌマールと比べると体躯はややライト。花の蜜やシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュール。梗に起因するクローヴ、華やかなスミレ、芍薬の香りがある。抽出はボンヌマールほどではないにせよ、ボディがしなやかな為、相対的に華やかでエレガントな風味も醸し出している。なめし革の要素があるが、動物的な香りはあまり強くない。お香やナツメグ、ワッフルの風味。徐々に梅やハーブの香りが現れる。
口に含むと豊かな酸味と柔らかいタンニンがベリーとスミレ、ハーブの風味が綺麗に余韻を残していく。密度は高いが極めて軽やかに広がっていく。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2011

約50000円、WA95-97pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
レクラ以上に強いミネラル感があり、かつビュシエール並みのボディと果実味を有している。甘露なシロップやシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュールの果実味。そして梗に起因するクローヴ、あまりローストしていない樹皮のニュアンスが一塊となって現れている。パワフルで有りながら繊細なシャンボールの特徴も併せ持っている。芍薬や燻製肉、お香、ナツメグや若干のコーヒー香もある(2010ほどではない)レ クラと比べると果実の濃密度、抽出、ミネラルがより強い。徐々に樽やハーブの香りが現れる。
酸味、タンニンはしっかりとあり、ベリーの果皮と強いスミレ、クローヴの要素が余韻を残す。このなかでは収斂性は高く感じる。
最も高いレベルで完成しているワイン。


さすがルーミエ、期待を裏切らない出来です。別格のブルゴーニュとはこういったものの事を言うんでしょうね。
この中でカテゴライズすると「村名、レ クラ」と「ビュシエール、ボンヌマール」の2つに分けられます。ミュジニー寄りの石灰岩土壌に由縁するミネラリーなタイプ。そしてボンヌマール寄り(モレ サン ドニ寄り)の粘土質が強い肉付きの良いタイプ。この違いは様々な生産者が自身のワインを作る上で、意識的に表現を変えていますが、ルーミエも例に漏れず作り分けを行っています。
まずモレ サン ドニのクロ ド ラ ビュシエール。モレ サン ドニの一級畑となりますが、立地的にはボンヌマールに隣接しています。
それだけに体躯やスタイルはボンヌマールに近いですが、ミネラル分や複雑さにおいて劣っています。ボンヌマールのテールルージュの要素だけを抜き取った様な味わい。
肉付きはレ クラより良く果実味が全面に出ています。
対してレ クラは体躯も抽出も穏やかでエキス感を感じさせる味わいです。よってボンヌマールやビュシエールのツヤツヤした果実味と比べると、より核だけ残っている感じ。まさにエキス感といった所。果皮からの抽出は少なめだとは思うのですが、果実味が出過ぎていないから、相対的に華やかな要素が感じられます。まさにシャンボールのエレガンスが体現されています。
ボンヌマールは基本はモレ サン ドニ寄りの肉付きの良さと果実味を持ちながら、ミュジニー寄りのミネラリーな側面も包含しています。厳密に言うと土壌構成は異なりますが、テールブランシュに含まれる石灰地質が大きく影響を与えているのではないかと思います。レ クラが持つミネラル感より幾分か強い印象。また果実の肉付きだけではなく、集中力も突出しており、明らかに上位のワインであるという事がわかりますね。
これらから大きくシャンボールの特徴が理解できます。

さてでは、2010年に対して2011年はどうだったのか?
結論から言うと凝縮感が乏しく、突出した2010年に比べると幾分か物足りなさを感じる出来だったと思います。2010年の方が一回り規模感が大きい印象。
ジャミーな果実味は無くなり、より酸味を感じさせる瑞々しい果実味が前に出ています。
とはいえ、そこはジョルジュルーミエ、生半可な2010年ブルゴーニュに比べると断然良いのですが。
その中で煌めきを見せていたのはレクラでしょうか。良い意味でボリューム感が減った事でシャンボールミュジニーらしさが体現できていると思います。またボンヌマールも出来に合わせて樽の使い方を変えたのか2010年に見られたやや強めの樽香がなくなり、よりピュアな果実味が前に出ています。
しかしながらレ クラ以外は酸とタンニンがまだ立っている状態なので、やや熟成を待つ必要があるかと思います。

今回のヴィンテージはドラマチックなルーミエマジックは不完全だったみたい。2012年、2013年も不作だっていうし、2014年こそは期待したいですね。




【シャンパーニュ:10】コトーシャンプノワ最高峰、エグリウーリエのアンボネイ コート ド グランコート。


※画像は本文と関係ありません。

あけましておめでとうございます。
昨年はありがとうございました、今年もよろしくお願いします。

さて、早速今年一発目の更新です。
エグリ ウーリエの貴重なコトーシャンプノワです。

エグリ ウーリエはアンボネイ村に拠点を置くRMのスター生産者。現在はフランシス エグリが指揮を取っている。農薬は使用せず、有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、完熟した葡萄を収穫します。
シャンパーニュにおいては醸造後はドミニクローラン指導の新樽発酵。46ヶ月の新瓶内熟成、ドサージュは僅か3~4.5g/lです。
今回のワインに関してはスティルワインの為、製法は上記に当てはまらず、あくまでブルゴーニュ的な製法で作っています。収量は35hl/haと低収量。除梗は80%程度。ドミニクローラン製の新樽100%にて23ヶ月熟成を行い瓶詰めされます。またこのコトーシャンプノワはジャックセロスのロゼにも使われています。

では新年一発目、行ってみましょう。


生産者: エグリ ウーリエ
銘柄: コトー シャンプノワ アンボネイ ルージュ キュヴェ ド グラン コート 2009
品種: ピノ ノワール 100%

約12000円
外観はやや曇りのある濃いルビーで、粘性は中庸。まさにシャンパーニュのヴォルネイ1級畑、もしくはボンヌマールが如き素晴らしいピノノワール。全房のニュアンスが明確に感じられるダヴィット デュパンに似たスタイル。複雑かつスパイシー、充実した果実味が感じられる。
瑞々しいダークチェリーやブルーベリーの果実味、黒糖、シナモンなどの甘露さ、茎、リコリスやクローヴなどのスパイス香が主軸となり、燻製肉や紅茶、控えめだが明確にキャラメルの様な(ドミニクローランらしい)樽香が感じられる。スミレ、ややアーシーな雰囲気も感じられる。
酸やタンニンは比較的柔らかく落ち着いており、豊かな黒系ベリーの果実味とスミレの華やかさ、僅かに樽の苦味が感じられる。
かなりブルゴーニュに接近したスタイルのピノノワールだと思う。アンボネイ恐るべし。


新年早々素晴らしいワインを飲むことができました。GJ!
以前マリー ノエル ルドリュのノンヴィンテージ コトーシャンプノワを飲みましたが、酸化のニュアンスが強く、あまり好きになれないスタイルだったんですね。今回のエグリ ウーリエのコトーシャンプノワは非常にブルゴーニュに接近した(かつそれらの一級畑や特級畑に迫る)ピノノワールで大変素晴らしかったと思います。
シャンパーニュという冷涼な地域にして熟度が高く、全房発酵によるスパイシーなニュアンス、燻製や土などのアーシーな風味。そして最もブルゴーニュ的な特徴を表しているのは、何と言っても樽でしょう。
ドミニク ローラン製の新樽を使い23ヶ月熟成。しっかりと樽の風味はある、でも主張し過ぎない。
全房の複雑なニュアンスと十分な果実味、そして樽のローステッドなニュアンスが見事に調和している。アーシーさもあいまって、ヴォルネイ1級畑やボンヌマールの様なスタイルになっていると思う。タヴィド デュパンの様なスタイル(DRCにも繋がる味わい)。
値段もブルゴーニュ並みで、決してお得とは言い難いですが、コトーシャンプノワ、アンボネイのピノノワールのポテンシャルを感じられる良い体験だったと思います。
シャンパーニュのNM, RMが片手間で作っているとはいえ、各特級クラスの村のテロワールをスティルワインとして味わえるのは、理解を深める上で大変便利ですね。わかりやすいし。

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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