【追記】【ブルゴーニュ:46】ジョルジュ ルーミエ2011VTを検証する。


こんにちは。
今年もジョルジュ ルーミエの季節がやってまいりました。2011年ヴィンテージです。
毎年楽しみにしておる訳ですけれども、今年の出来はどうでしょうか!

ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
村名シャンボールは村名区画と一級区画のブレンド、レ クラはシャンボールミュジニーの中心部にある村の中でトップクラスの区画で、ボンヌマール寄りの土壌ではなく、ミュジニー寄りの土壌となっています。隣接する畑はレ フュエ。ビュシエールはモレサンドニの区画ですが、シャンボールミュジニーのボンヌマールに隣接する畑ですね。そして本丸ボンヌマールはテール ブランシュ、テール ルージュを等しくアッサンブラージュしたものとなります。

ではいってみましょう。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー 2011

約16000円、WA90-92pt(2009)
クロ ド ラ ビュシエールと比較すると僅かに色調が穏やかである。
他のキュヴェに比べると樽香は穏やかで、やや青い風味が感じられる。とはいえ熟度では劣るものの果実味は豊かで瑞々しくルーミエらしさはしっかりとある。
シナモンやクローヴなどのスパイシーさ、抽出はそれなりにされていて、なめし革の風味がある。マロラクティックなミルクティー、茎。シロップ漬けのアメリカンチェリーの果実味。アーシーな土の風味も感じられる。
軽やかな液体密度に対して酸味、タンニンは比較的強めで、やや未熟な赤系果実の風味と茎などのアフター。
香りは流石に強烈だがほかの上位ワインに比べると果実の凝縮度で劣る。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ド ラ ビュシエール 2011

約16000円、WA92-94pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
ボンヌマールと体躯は近いがミネラル感、複雑さで劣り、抽出はレクラよりは強い。完全に果実味が前面に出ている。
甘露なシロップやシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュールの要素が突出している。強めのなめし革、徐々に柔らかいスミレの要素や木材のニュアンスがあるが果実味が突出している。紅茶やわずかな土っぽさがある。マロラクティックのミルクのニュアンス。豊かな酸味とレクラと比べるとやや強めのタンニンがあり果皮の要素とミルクの風味が余韻を残して行く、ボディはこの中だとしっかりしている。密度はレクラにやや劣る。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ クラ 2011

約22000円、WA91-93pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
複雑かつ果実由縁のニュアンスが強い。
ビュシエール、ボンヌマールと比べると体躯はややライト。花の蜜やシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュール。梗に起因するクローヴ、華やかなスミレ、芍薬の香りがある。抽出はボンヌマールほどではないにせよ、ボディがしなやかな為、相対的に華やかでエレガントな風味も醸し出している。なめし革の要素があるが、動物的な香りはあまり強くない。お香やナツメグ、ワッフルの風味。徐々に梅やハーブの香りが現れる。
口に含むと豊かな酸味と柔らかいタンニンがベリーとスミレ、ハーブの風味が綺麗に余韻を残していく。密度は高いが極めて軽やかに広がっていく。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2011

約50000円、WA95-97pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
レクラ以上に強いミネラル感があり、かつビュシエール並みのボディと果実味を有している。甘露なシロップやシナモン、ラズベリージャム、チェリーリキュールの果実味。そして梗に起因するクローヴ、あまりローストしていない樹皮のニュアンスが一塊となって現れている。パワフルで有りながら繊細なシャンボールの特徴も併せ持っている。芍薬や燻製肉、お香、ナツメグや若干のコーヒー香もある(2010ほどではない)レ クラと比べると果実の濃密度、抽出、ミネラルがより強い。徐々に樽やハーブの香りが現れる。
酸味、タンニンはしっかりとあり、ベリーの果皮と強いスミレ、クローヴの要素が余韻を残す。このなかでは収斂性は高く感じる。
最も高いレベルで完成しているワイン。


さすがルーミエ、期待を裏切らない出来です。別格のブルゴーニュとはこういったものの事を言うんでしょうね。
この中でカテゴライズすると「村名、レ クラ」と「ビュシエール、ボンヌマール」の2つに分けられます。ミュジニー寄りの石灰岩土壌に由縁するミネラリーなタイプ。そしてボンヌマール寄り(モレ サン ドニ寄り)の粘土質が強い肉付きの良いタイプ。この違いは様々な生産者が自身のワインを作る上で、意識的に表現を変えていますが、ルーミエも例に漏れず作り分けを行っています。
まずモレ サン ドニのクロ ド ラ ビュシエール。モレ サン ドニの一級畑となりますが、立地的にはボンヌマールに隣接しています。
それだけに体躯やスタイルはボンヌマールに近いですが、ミネラル分や複雑さにおいて劣っています。ボンヌマールのテールルージュの要素だけを抜き取った様な味わい。
肉付きはレ クラより良く果実味が全面に出ています。
対してレ クラは体躯も抽出も穏やかでエキス感を感じさせる味わいです。よってボンヌマールやビュシエールのツヤツヤした果実味と比べると、より核だけ残っている感じ。まさにエキス感といった所。果皮からの抽出は少なめだとは思うのですが、果実味が出過ぎていないから、相対的に華やかな要素が感じられます。まさにシャンボールのエレガンスが体現されています。
ボンヌマールは基本はモレ サン ドニ寄りの肉付きの良さと果実味を持ちながら、ミュジニー寄りのミネラリーな側面も包含しています。厳密に言うと土壌構成は異なりますが、テールブランシュに含まれる石灰地質が大きく影響を与えているのではないかと思います。レ クラが持つミネラル感より幾分か強い印象。また果実の肉付きだけではなく、集中力も突出しており、明らかに上位のワインであるという事がわかりますね。
これらから大きくシャンボールの特徴が理解できます。

さてでは、2010年に対して2011年はどうだったのか?
結論から言うと凝縮感が乏しく、突出した2010年に比べると幾分か物足りなさを感じる出来だったと思います。2010年の方が一回り規模感が大きい印象。
ジャミーな果実味は無くなり、より酸味を感じさせる瑞々しい果実味が前に出ています。
とはいえ、そこはジョルジュルーミエ、生半可な2010年ブルゴーニュに比べると断然良いのですが。
その中で煌めきを見せていたのはレクラでしょうか。良い意味でボリューム感が減った事でシャンボールミュジニーらしさが体現できていると思います。またボンヌマールも出来に合わせて樽の使い方を変えたのか2010年に見られたやや強めの樽香がなくなり、よりピュアな果実味が前に出ています。
しかしながらレ クラ以外は酸とタンニンがまだ立っている状態なので、やや熟成を待つ必要があるかと思います。

今回のヴィンテージはドラマチックなルーミエマジックは不完全だったみたい。2012年、2013年も不作だっていうし、2014年こそは期待したいですね。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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