【ローヌ:11】熟成ランドンヌ、サンジョセフ ブランの真価を見定める。

こんにちは、HKOです。
今回は熟成したローヌワインです。
シャプティエのレ グラニ、ギガルのランドンヌ。サンジョセフとコートロティの単一畑です。

ブルゴーニュやボルドーの古酒は比較的飲んでいるのですが、ローヌはそこまで熟成したものは飲んでいません。今回はその穴を埋めるような形でランドンヌを飲んでみました。
若いランドンヌは濃厚でこってりしたワインですが、熟成によってどのような変化が現れるのか...!

Mシャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのローヌワインで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。すべて完全なビオディナミによって栽培がなされています。
今回のレ グラニは花崗岩質土壌の急斜面に位置する2haの畑から産出されるマルサンヌ。収穫はすべて手摘み。フレンチオークとステンレスタンクで低温で17度で30日間発酵。30%フレンチ、70%ステンレスタンクで16ヶ月間熟成させたのち、瓶詰めされる。

エティエンヌ ギガルはローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。
粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ(樹齢80-85年)」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ(樹齢30年)」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(樹齢35年)」、そしてそれらの弟分でありブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなる「シャトーダンピュイ(樹齢45-95年)」。
これらのコートロティ群と、エルミタージュの小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。アリエとヌヴェール産の新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。

ではいってみましょう。

生産者: シャプティエ
銘柄: サンジョセフ レ グラニ1996
品種: マルサンヌ100%

外観はくすんだ茶を帯びた黄金色。
熟成は進んでいるが、極めて強烈なボディと旨味を感じさせるサン ジョセフ。
しっかりとしたミネラル感とともに、強いアプリコットや熟したリンゴの様な果実味。
濃厚な蜂蜜とドライハーブ、豊かな蜜の様な風味、塩ナッツ。そしてシャンピニオンや白檀の要素も。僅かにカマンベール香がある。
多くの熟成ワイン同様、かなりの厚みのある旨味がある。酸とともに、熟した核種系フルーツ(赤リンゴ)の様な濃厚な旨味がある。余韻は長く極く厚さを感じる作りである。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ ランドンヌ 1984

WA76pt
外観はエッジに煉瓦色を赤みの強いルビー、粘性は中程度。とても官能的で非常に上品なシラー。2010年ヴィンテージのパワー感を考慮すると、エキス感に満ちた1984は不思議な感じがする。
アーシーな腐葉土、枯葉、トリュフの風味に、品種固有の黒胡椒のスパイシーなニュアンス。そしてイチジク、紫スモモなど瑞々しい果実味。そしてタバコ、葉巻、焦げた木などのスモーキーなニュアンス。熟成肉、クローヴ、ワッフルなどの要素も感じられる。
タンニンはすでに落ち着いているが、酸は際立っている。ドライイチジク、スモモの厚みのある果実味と余韻。しっかりとした熟成感がありながら密度の高い旨味が感じられる。
素晴らしい熟成シラーだと思う。


まず驚くのが、ギガルのランドンヌのエレガントさ。若いヴィンテージからは想像出来ない程の繊細さと官能性を持ったワインに熟成しています。膨大な果実味とタンニンに溢れているというより、さながらピノノワールの様にエキス感に満ちている。
その為、樽や果実味が強く感じられる若いヴィンテージと比べるとシラー固有の要素である黒胡椒の要素が、より際立って感じられます。そしてアーシーな腐葉土、枯葉、トリュフの熟成香にイチジク、紫スモモなど瑞々しい果実味。スモーキーな要素も。
これらを見るに、シラーはボルドー的な熟成の進み方というよりピノノワールのそれに近い様に思えます。グアルニル酸ナトリウムではなくグルタミン酸ナトリウム系の熟成。
群を抜いてエレガントなシラーでしたが、まあヴィンテージの特性もあるのかも。
当然ですが、1984の若い頃を知らないのですが、パーカーポイントを見る限り濃厚で濃密なヴィンテージではなさそうですからね。
ロバートパーカーは1984に関して植物的でスモーキー、幾つかのフルーツの要素があるが、早めに味わいが崩壊すると評しています。ただ個人的にはエレガントになっているだけで味わいは崩壊していないと思いますが、まあ予測値ですからね。

次にシャプティエのレ グラニ。
ACサンジョセフのセレクション パーセレールですが、こちらもなかなかいいと思います。熟成してなお強固なボディがあるし、ミネラル感も果実味も十分に残っているを塩ナッツやシャンピニオン、カマンベールなどの熟成香を感じさせるから複雑。濃厚な旨味のある熟成マルサンヌです。
値段的にもエルミタージュ ブランなどと比べると安めに値段設定がなされていますので、かなり優良な作りだと思います。

熟成ランドンヌが衝撃的でした。
今までローヌのシラーの熟成の方向性に関してキチンと追えていなかったのですが、ちょっと考え方の方向性は定まった様な気がしますね。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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