【ブルゴーニュ:56】デュジャック 2011。クロ ド ラ ロッシュとボンヌマールを利く


こんにちは、HKOです。
本日はドメーヌ デュジャックのグランクリュ2種類です。個人的にとても好きなドメーヌなので期待をしていたのですが、なにやら2011年はちょっと微妙そうです...

ドメーヌ デュジャックは天才ジャックセイス率いるモレ サン ドニの大スター生産者。
クレールダユやジェラールポテルの元で修行したジャックセイスが1967年に設立したドメーヌで、近年特に畑を買い足し規模を大きくしています。現在は16のAOCを保有しており、特級畑を複数保有しています。
現在は約75%は有機農法が実践されており、一部の畑はビオディナミの実験が成されています。
(程度は変化しますが)基本的には除梗は行わず、数日間の低温マセレーションを行った後、圧搾、破砕。やや高温でアルコール発酵した後、軽く焼いた新樽は一級畑で80%、特級で100%使用され、15ヶ月間熟成されます。そして無濾過、無清澄で瓶詰めされます。

さて、2011年のどうでしょうか。

生産者: ドメーヌ デュジャック
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2011

約28000円、WA92pt
外観は中庸なルビー、粘性も同じく中程度でややローステッドかつ青い風味が際立った作り。2011年はやや不振のようだ。
炭焼きのローステッドな風味や茎やスーボワ、枯葉のニュアンス、そしてクローヴやリコリスなどのスパイスの要素が強い。徐々にダークチェリーやブルーベリーの重心の低い果実味が現れるものの、極めてアーシーな印象を受ける。また燻製肉やジャーキー、焼いた樹皮などの風味も。ボンヌマールと比べるとやや硬質なタッチ。乾いた果皮の香りもある。
2010年と比べるとやはり全体の質感や香りは劣るものの、口に含んだ時の味わいは流石に素晴らしい。果皮によるスミレや豊かな果実味が感じられる。酸やタンニンでギュッと引き締まった味わい。しかし長熟はしないような気がする。

生産者: ドメーヌ デュジャック
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2011

約32000円、WA93pt
外観は中庸なルビー、粘性も同じく中庸。
こちらもローステッドかつ青い風味があるが、より抜けるような甘やかで華やかなタッチがある。基本的にはクロ ド ラ ロッシュはくぐもった硬質な質感があったが、ボンヌマールはよりしなやかに開いていく華やかな印象。こちらも全房らしいクローヴやリコリス、茎の様なスパイシーさがある。
明るいジャミーなダークチェリーやブラックベリーの黒系の熟した果実味が感じられる。そして炭焼きや燻製肉、ジャーキーのニュアンス。強めのスミレのアロマ、トースト、枯葉の風味。極めて野性的な印象を受ける。
酸味、タンニン共に豊かで、ベリーやスミレなどの明るい果実味、果皮の風味がやはり強いか。口当たりは丸みがあり穏やか。


うーん、ちょっと微妙か...
価格は高くなっているのに、この作りはちょっと好きじゃないなー。
全体的にロースト香とスパイス香が全体の要素の殆どを占めていて、果実味がやや弱めだと思う。若いヴィンテージなのに溌剌さは無い(勿論酸やタンニンは若いなりだが)
もともと全房発酵は100%除梗に対して、全体の割合に対して梗がある分、果皮や果実の要素が少なくなるのだけど(その代わり梗の複雑なニュアンスを得ることが出来る。DRCとか)今回は大元の果実味が目立たないから、樽と梗の要素がとても目立ってしまっている印象を受ける。たまに全房発酵の生産者でこういうニュアンスが出ることがあるので、なかなか難しい。(オーボンクリマのラームドグラップでもやられた。)
さて残念すぎて気は乗りませんが、ボンヌマールとクロ ド ラ ロッシュの違いについて。
テイスティングでも触れた様に、スパイシーでローステッドな部分は変わりませんが クロ ド ラ ロッシュは硬質でボンヌマールはしなやかな印象を受けます。
よりロッシュの方が樽がしっかりと効いており、スパイス感もあいまってアーシーな味わいになっています。
ボンヌマールはその点果実味がしっかりと感じられ、スミレのアロマもやや強めです。よってしなやかな印象を受けます。勿論2010年には劣りますが、こちらはブルゴーニュなりの良さがしっかりとありますね。
そもそもモレサンドニに近いテロワールですからボリューミーな味わいを強く感じます。
ただやはり2011年なりの出来栄えなので正直値段ほどの価値のあるワインだとは思いません。
個人的な感覚ではロッシュは熟成はあまり見込めないと思いますがボンヌマールはどの様に変化するか未知数です。今の段階だと5年ほど先に開くかもしれませんが、まあ何とも言えないですね。
2011年でこれだと、あまり出来が良くないことが想定される2012,2013年も厳しいかもしれません。
まあ飲んでみないことにはわかりませんけどね。好きな生産者なので来年は期待したいところです。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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