【ブルゴーニュ:64】ブルゴーニュ2011終盤戦。プリューレロック、エマニュエルルジェを利く

こんにちは、HKOです。
大変久しぶりにブルゴーニュです。
今回はプリューレロックとエマニュエルルジェ。去年はあんなにブルゴーニュを記事にしていたのに、今年はこの体たらく。
まあ、意図的にブルゴーニュを外しているというのもあるのですが、根本はブルゴーニュなブログですので、やはり寂しいものはありますね。ではいってみましょう。


プリューレロックはDRCの共同経営者アンリ フレドリック ロックが運営する個人ドメーヌです。とても偉大な生産者で唯一無二のアンリ節を感じさせる個性的なワイン群にはファンが多いです。栽培はビオロジックで、除梗はせず房ごと木樽にて発酵、ピジャージュは人の手にて、アルコール強化の補糖は一切せず、コルヴェは新樽100%で20ヶ月熟成、スショは新樽50%と1年樽併用で18ヶ月の熟成となります。
ヴァン ド フランスはヴォーヌロマネの西側ボンクール ル ボワの0.5haの畑から取れたシャルドネを使用しています。通常はグラン オルディネールとなりますが、自然酵母の発酵時に糖分が残ってしまうことが多かった為、全房発酵によって酵母の発酵を促進。アルコール度数を12度まで上げています。
プリューレロックの1級レ スショはDRCによって所有されている畑で、DRCのエシェゾーの畑の一部(下部)と隣接しています。平均樹齢は約35年で土質は石灰岩土壌。

エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ最上の生産者である事は間違いないでしょう。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。
フラッグシップは一級レ ボーモン、特級エシェゾー。そしてアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥ。

生産者: プリューレ ロック
銘柄: ヴァン ド フランス 2011
品種: シャルドネ100%

約5000円
外観は濁った黄金色で、粘性は高い
第一印象はいかにもビオ、全房っぽい香り。ただビオのシャルドネというより、ビオのピノノワールっぽい?不思議な味わい。
シードルなどの発酵したリンゴの果実味、茎、リコリスなどのスパイス香、白胡椒、豆の様な青臭さが感じられる。甘さは特に感じられない。
口に含むとトマトやシシトウ、鉛筆の芯などの冷たいアフターが感じられる。密度はやや低めで、薄めに感じられる。
かなりクセがあり、人を選ぶワインだと思う。


生産者: プリューレ ロック
銘柄: ヴォーヌロマネ プルミエクリュ レ スショ 2011

約24000円
外観は透明度の低い赤みの強いルビー、粘性は高い。
第一印象は瑞々しいベリーの果実味とともに、存外しっかりとした樽香が感じられます。ダークチェリーやブラックベリーの瑞々しい黒系の果実味、黒糖やシロップの様な甘露さ、はっきりとした全房に起因するスパイシーさ、茎、リコリスやクローヴなどの要素が前面に現れている。スミレの華やかさ、生肉、わずかな鉄分、ドライハーブ。そして濡れた木材やワッフルなどの要素。香りとしてはプリューレ ロックらしくなかなかいいと思う。
しかしながらタンニンや酸は、あまり良くない意味で柔らかく、悪く言えばエネルギー不足か。やや繊細な密度で、鉛筆の芯やベリーの果皮などのアフターが感じられる。


生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2011

約74000円、WA93-95pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
第一印象はよく樽の効いた印象を受ける。
トースティーでコーヒーを想起させる樽香、オリエンタルスパイス、よく熟したブラックベリーやブラックカラントの濃厚な果実味、スミレの華やかさ、シナモンなど、エレガンスと密度を両立した素晴らしい味わいだ。
なめし革やバニラ、紅茶の要素や、ワッフルの香りなど。
充実した酸と旨味があり、オリエンタルスパイスやスミレ、黒系ベリーの伸びやかなで華やかな余韻が感じられる。樽がまだ強いながらも極めて均整の取れた味わいがある。さすがエマニュエルルジェ。2010、2009ほどではないにせよ手堅い味わい。


プリューレ ロックの2011年はどうやらあまりよろしくない様子。ヴァン ド フランスはかなり実験的な要素が高いので別扱いだとして、レ スショにおいてもかなり液体密度が低く感じられました。
勿論液体密度や濃度至上主義ではないのですが、密度が薄いものに関して全てがダメ、という訳ではないのですが、問題は香りと味わいのアンマッチですね。
香りは樽と豊かな黒系果実を感じる事が出来るのに、味わいがそれについてこれていないという印象です。口に含んだ時に感じられる鉛筆の芯や、際立つ果皮のニュアンス、そして密度の薄さがバランスを崩している最もたる要因だと思います。
ポジティブセレクションをしていくクロ デ コルヴェはその点安心ですが、ちょっとクロ ド ベーズやクロ ゴワイヨットが心配になる出来ですね。
お値段と比較すると、お値段なりの感動は得られないワインだと思います。
ヴァン ド フランスは白ワインで全房発酵をしているシャルドネ。飲んだ時に「これなんかビオのピノっぽいなー」と思ったのですが、通常白ワインで全房発酵をすることはないので、まあ妥当な感想だったな、と思います。色や濁りは独特で、通常のシャルドネだと思って購入すると大変痛い目に会うことは間違いありません。
個性派のワインを求めている人にはいいかもしれませんが、いわゆるコートドールのシャルドネを期待している人には決してお勧め出来ないワインです。特に美味しいとは感じませんでした。
これならシャプタリザシオンでアルコール度数上げた方がいいのでは...とも思うのですが、生産者のポリシーなので致し方なしですね。
勿論ゴワイヨット、クロ デ コルヴェ、クロ ド ベーズの3大巨塔を飲まないと判断出来ませんが、今の段階では2011年のプリューレロックは良い出来であるとは言いにくいと思います。

対してエマニュエル ルジェは非常に手堅くエシェゾーを仕上げてきています。
樽はやや強めに効いていると思いますが、果実味や液体密度も充実しているし、果皮の華やかなニュアンスもとても調和が取れていると思います。オリエンタルスパイスなどの妖艶な要素もとてもいいですね。
2009,2010の様なエネルギーを感じる事は出来ませんが、とてもエマニュエル ルジェらしいワインを作っていると感じました。
出来でいうと2007に近いかもしれません。2009年の様に凝縮した果実味があるわけではなく、2010年の妖艶さがあるわけでもなく、また2008年の様に早めに熟成する作りでもないと思います。弱めで樽香が強かった2007年が一番近い感じかも。あまりバランスの良い年ではないのですがね。
4-5年はフレッシュな飲み頃が続いて6年目くらいにガクッと落ちる様な感じかも。
まあ適当ですが。そんな感じだと思います。
ただ若いうちはいいですね。ルジェのワインとして十分楽しめると思います。
価格はお高いですが、まあまずまず納得感のある作りだと思います。

さて、そろそろ2011年も終盤戦。
グロ、メオカミュゼ、ルジェ、ルーミエ、グロフィエ、ミニュエ、ヴォギュエ、フーリエ、ドニモルテ、デュガ ピィ、クロードデュガなど、大分スター生産者の2011年が出揃って来ましたね。
そろそろ毎年恒例、来月には万を辞してアイツが来ます。さてどうなんでしょうね。
楽しみです。




エマニュエル・ルジェエシェゾー[2011]

エマニュエル・ルジェエシェゾー[2011]
価格:84,240円(税込、送料別)



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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