【アルザス・ロワール:6】ロワール最上の生産者、ダグノーのサンセールとニコラジョリーのクレ ド セランを利く

こんにちは、HKOです。
本日はロワール、ニコラジョリーとディディエダグノーです。
ビオディナミの伝承者とランファンテリブル、ロワール最上の生産者のフラッグシップ2本となります。

ニコラジョリーはロワール サヴィニエールに拠点を置くビオディナミの第一人者で、その農法は世界中の自然派ワイナリーに広く伝播しています。
保有している畑はサヴィニエール クロ ド ラ クレ ド セラン(7ha)、サヴィニエール ロッシュ オー モワンヌ(3ha)、サヴィニエール(3ha)。樹齢は平均40年、最も高い樹齢は80年にも及びます。
1984年からすべての畑でビオディナミで栽培が行われており、いわゆる今のプリミティヴなビオディナミ...牛や羊などを飼い、ハーブを育て、そこからプレパラシオンを作る。そして家畜による除草、耕作を行っている。
発酵時も自然酵母による発酵で温度コントロールしません。デブルバージュ、コラージュはせず、古樽で数ヶ月間熟成後、瓶詰め前にフィルター処理を行い出荷されます。

ディディエ ダグノーは、1983年に様々なキャリアを経てプイィフュメにドメーヌを興します。93年から有機栽培を始め、いわゆるソーヴィニヨンブランの枠組みを大きく飛び越える卓抜したプイィフュメを一貫して作り続けています。作付面積は11haほどで、その最高の区画である「シレックス」ヴィーニュフランセーズを使用した「ピュール サン」がフラッグシップとしてリリースされています。有機農法、大人数での手摘み収穫や選果。収穫した葡萄はプレス後、ステンレスタンクで2日間寝かせた後、22度まで温度を上げながら10-12日間木樽でアルコール発酵。マロラクティック発酵はしない。新樽20%-30%程度で12ヶ月シュールリーで熟成し、更に4~8ヶ月間の間ステンレスタンクで熟成する。最長で20ヶ月程度の熟成期間を経て、瓶詰めされ出荷されます。
今回のサンセールは価格帯で言うとシレックス以上アステロイド以下のフラッグシップ級ワインとなります。単純に希少性の為、というのもあるようですが。最近リリースされたばかりのアペラシオンが何故...実際シレックス以上に力の入ったサンセールなんでしょうね。

生産者: ニコラ ジョリー
銘柄: サヴィニエール クロ ド ラ クーレ ド セラン 1997
品種: シュナンブラン100%

15000円、WA94pt(1995)
外観は濃い目のイエロー、粘性は高い。
第一印象は塩味を感じるドライシェリーの様な熟成香、濃厚なドライアプリコット、ナッツの様なアロマが全面に感じられる。徐々に焼きたてのトーストやバター、動物的なオイリーさやドライハーブの風味。
基本的には熟成による要素が強く、かなり旨みが前に出ている印象。
口に含むと干したぶどうや出汁のアフター。
酸味は柔らかく、旨みが突出している。
ボディはパワフルで厚みがある。


生産者: ディディエ ダグノー
銘柄: サンセール ル モンダネ 2010
品種: ソーヴィニヨンブラン100%

21000円、WA94-95pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
プイィフュメほどミネラリーさは感じないが、岩を砕いた様な確かなミネラル感は存在する。第一印象は強いミネラルと共に感じられるムスクやフォキシーフレーバー、熟したマスカット。シロップの様な甘露さ、それに伴うバニラや白い花のアロマが感じられる。白檀やバターなどの要素も。プイィフュメと比べるとムスクの様な風味が前に出ており、果実味が高く、冷たいタッチでありながら瑞々しい蜜の要素がある。
口に含むとムスクや強いミネラル、マスカットのアロマが広がる。酸味は控えめで繊細、
ボディは細やかで軽やか。厚みのあるタイプではないが、繊細さは突出している。
わずかにアフターはスモーキーさが残る。


まず、ニコラ ジョリーから。
流石に90年代後半ということでかなり熟成感は出ています。ドライシェリーやドライアプリコットのアロマがあり、果実の甘露さより塩っぽさ、出汁っぽさが主体となっています。ボディがそもそも分厚く、それに加えて旨みがかなり前に出ている。ボトリティスに起因する香りはありません。
現段階でも既にかなり熟成を帯びているけれども、まだ果実味はほどけていない感じ。
果たしてここから本当の果実味を見せるのか、今の状態で体躯が柔らかくなっていくだけなのかは不明ですが、まだまだ熟成するのではないかな、と思います。
いずれにせよ、現在はまだ飲み頃ではないです。

次にサンセール ル モンダネ。
サンセールの小区画構成は細かくは知らないのですが、サンセール最上の区画に当たる様です。まあ真偽を確かめる事は出来ませんが(※なにせ市場にある殆どのサンセールは名もなき小区画やそれらの混醸で生み出されたものですから、ブルゴーニュの様な小区画の味の比較で優劣を弾き出すはまず不可能だと思います)そういうことなのでしょう。
さすがはディディエダグノー、鮮麗かつ絶巧たる出来栄えだと思います。
シレックスと比較すると幾分かミネラルは控えめで、その分プィィフュメより充実した果実味とムスクの要素が突出して感じられます。なのにミネラルが少ないからか体躯はやや緻密かつ繊細に感じられるのが不思議ですね。充実した果実味がありながら、どこかピュアで透明感の感じられるワインです。
素晴らしいです。普通のサンセールも美味しいですが、明らかに出色した出来栄えでグランヴァンにふさわしい味わいに仕上がっていると感じました。

ニコラジョリーはあまり飲み頃に差し掛かっていませんでしたが、若々しい魅力のあるディディエダグノーは非常に素晴らしかったです。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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