【ボルドー: 12】ヴィンテージの性質を読む、クロワムートン2011とパヴィヨンルージュ2005を利く

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーになります。
ジャニュイクスのクロワ ムートン2011、そしてパヴィヨンルージュ シャトーマルゴー2005となります。

シャトー クロワ ムートンはポムロールの西20kmにあるボルドー スペリュールにあたるシャトー。1997年よりJ.P.ジャニュイクスが所有しています。ジャニュイクス家は1920年代からサンテミリオンでワイン作りを行っている生産者です。
作付面積は約19ha、収量は27hl/ha。平均樹齢40年。土壌は川岸にある粘土質土壌。
収穫後、コンクリートタンクで発酵を行い、40%シガー型のオーク新樽100%で9ヶ月熟成。

シャトーマルゴーはマルゴー村に拠点を置く、メドック第一級に位置するシャトー。いわゆる5大シャトーのうちの一つ。一時期ジネステ社が所有した時期にその評価を落としたが、メンツェロプロス家に売却されてからは、エミールペイノーをコンサルタントとして迎え、急激な資本投資もあり、1980年以降その評価を回復させた。現在はポール ポンタリエの指揮の下、一級に相応しい卓抜した品質を堅持し続けている。今回はセカンド ラベルのパヴィヨン ルージュ。栽培面積は78haで平均樹齢35年程度の葡萄の収量を45hl/haに抑え収獲を行う。除梗後、温度管理された木製槽で3週間のマセレーションとアルコール発酵が行われ、オーク樽の新樽で18~24ヶ月熟成される。基本的に無濾過で瓶詰めされる。

久々のボルドーです。
ではいってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー クロワ ムートン 2011
品種: メルロー85%、カベルネフラン14%、プティヴェルド1%

2500円、WA87-89pt
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
比較的ミディアムボディで瑞々しい印象を受けるボディだと思う。
プラムやブラックベリーの熟した果実味、クローヴやリコリスなどのスパイスの風味が主体として感じられ、マロラクティック発酵に起因するトースト、西洋杉の樹皮、燻製肉、スミレなど。
2009年や2010年の過熟気味なボルドーではなく、平凡なヴィンテージのボルドーらしいボルドーといった感じ。故に液体密度は低く、凝縮感はあまりないのだけれども、こぢんまりとしていながらも品がある。
酸、タンニンは豊かで。スパイスやダークチェリーやプラムの果皮の強い風味な風味が感じられる。


生産者:シャトー マルゴー
銘柄: パヴィヨン ルージュ デュ シャトー マルゴー 2005
品種: メルロ50%、カベルネソーヴィニヨン&プティヴェルド50%

約15000円、WA91pt
外観は赤みの強いガーネットで粘性は高い。
グレートヴィンテージの2005年だけありセカンドラベルにして果実味は極めて充実していて甘露な印象を受ける。
よく熟したねっとりとしたブラックベリーやカシスの果実味、ミルクティー、そしてリコリスや濡れた西洋杉、スミレのニュアンス。熟成肉や獣香、濡れた土の香りも感じられる。僅かにインクっぽさは残るが、熟成によりかなり馴染んだ印象を受ける。
とろける様な熟したベリー類にワッフルと熟成による濡れた土や生肉の風味。
ファースト程の強烈なエレガンスはないものの、基本的な骨子はいかにもシャトーマルゴーといった官能的な味わいだ。
酸とタンニンは充実。熟したカシスとハーブのアフター。セカンドとしてはかなり良い線に行っている味わいだと思う。
まだまだ熟成する。


まずはクロワムートンから。
2009年や2010年の過熟的なヴィンテージから一変、極めて繊細で細いワインとなっています。しかし品質としてはとても順当な味わいかと思われます。
ボルドーの良さはバッドヴィンテージの機微だと思いますし、それがテロワールの良さだと思います。なので、必ずしも果実が熟していれば良いという訳ではなく、ボルドーならではの巧みな技を見たいという身としては今回のクロワムートンの出来は歓迎できるものです。とはいえ果実味は十分に感じられますし、それと統制を取る様にスパイスやマロラクティック発酵の要素や燻製の風味が感じられます。決して濃いワインではないですが、綺麗に均整の取れたボルドーだと思います。

対してグレートヴィンテージのパヴィヨン ルージュはどうでしょうか。
そもそもクロワ ムートンとの手の掛け方もヴィンテージもかなり違います。
しかし同じ2009年や2010年と比べると2005年とやや熟成しているからか、新世界を想起させる先述のヴィンテージと比べると、より抑制の効いた味わいになっていると思います。果実味が主体で、ねっとりとした黒系果実が前に出ていますが、熟成によって僅かな獣香や燻製肉、濡れた木材などの要素が感じられます。まだまだ熟成ポテンシャルは残しており、若い、とも感じられますが大分こなれている印象を受けました。ファーストラベルの様な強烈なエレガンスは感じられないながらも、マルゴーらしい良い熟成を経ていると感じました。まあただ、70年代や80年代の良い出来のマルゴーも同じ様な熟成の仕方をしているので、やはりマルゴーはマルゴーなんでしょうね。
これからが楽しみなヴィンテージです。

以上です。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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