【日本: 6】休日を山梨のテロワールと共に過ごす。

こんにちは、HKOです。
先日1年半にも及ぶ長期のプロジェクトかひと段落しまして、ちょっとリフレッシュも兼ねて山梨の石和温泉に行ってまいりました。

何分7ヶ月の娘もいるので、あまり遠出もできず、また色々な観光名所を巡る様な事もまだ出来ないので、基本的にはゆっくりと酒を飲みながら温泉に入ると、そんな感じ。



なかなかの広さ。


和室。


床の間。


なんかカッコいい部屋がある!照明も洒落ています。
部屋食用だそうで。結局ワイン飲むときしか使いませんでした。


お部屋から見える庭園。


檜のお風呂(温泉)


からの部屋に付いてる半露天風呂。


かなり余裕があって、居心地の良い空間でした。露天風呂も部屋にあるので、安心して引きこもれるし、酒も飲める!
最高。

そしてワインです。


生産者: 丸藤葡萄酒
銘柄: ルバイヤート 甲州シュールリー 2012
品種: 甲州

シャープでレモンなどの柑橘系のアロマ。果実味は充実しており、過剰な酸は感じなかった。


生産者: 勝沼醸造
銘柄: アルガーノ クラン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ブラッククイーン

エレガントなカベルネソーヴィニヨン。軽快でいて、ドライ。やや熟度が低めにも感じる。


生産者: アルプスワイン
銘柄: プラチナ コレクション シラー 2012
品種: シラー

外観は明るいルビー、粘性は低い。
ピノノワールの合いの子のような、極めて冷涼で酸の立つスタイルのシラー。(※前提として冷涼地域のシラーは未体験)
全体的にスパイシーかつスモーキー。果実はやや熟していない印象。ACブルゴーニュ的。ミディアムボディ。
スモーキーなタバコ、鉄分、クローヴ、わずかな黒胡椒。瑞々しいアメリカンチェリーやフランボワーズのような果実味、白檀など。
酸と旨味は強く出ており、タンニンは最小限に抑えられている。
ローヌとニューワールド(オセアニア、北米)の間自体かなりの違いがあるが、日本のシラーは抑制された熟度に起因するフレッシュ感がある。


一気に日本ワインを飲めて良い体験になりました。本来なら1週間くらい居て数十種類飲み比べてみたかったところですが、そうもいかんのがサラリーマンの定めですなあ。

今回興味深かったのが冷涼地域でのシラーの生育です。品種自体暖かい地域を好むというのもあり、そもそも日本でシラーをあまり生育していないのですけど、今回特殊な環境のシラーを飲む事で見えてきたものがあります。
ひょっとして根本はシラーとピノノワールはかなり近いのではないか、という事。
例えば熟成したローヌのシラーを例に取ってみると、かなり熟成したピノノワールに酷似した形になっていきます。これは熟成してタンニンが丸みを帯びていく、あるいは無くなった際に残る旨味成分が、同年熟成をしたカベルネソーヴィニヨンなどに見られるグアニル酸ナトリウムではなく、グルタミン酸に近いのではないか、という理解なのですが、じゃあ若い時がどうなのかは全く不明瞭でした。
基本的に対比できるシラー種としては新世界とローヌが代表的なものとなると思いますが、ローヌのシラーは野性的でスパイシーですし、オーストラリアやカリフォルニアとシラーは果実味が前面に出過ぎています。
よってその段階では熟成によって現れる根本にのみピノノワールと同様の個性が現れるという事しか証明が出来ません。
そもそも若いヴィンテージでの単純比較をする為には、同様、またはやや厳しい生育条件の元育てられたシラー種の比較が必要となります。
今回の国産シラーは生育条件としては、ブルゴーニュと比べてもかなり厳しいものであることは概ね間違いないと思います。(降雨量も多いので)
冷涼地域で作られたシラーはミディアムボディで酸が立っており、かなりピノノワールに近い体躯のワインになっていたと思います。
ただし偉大なワイン、という訳ではなく、ACブルゴーニュの様なタイプですけども。
またスペインのメンシアも近いものを感じます。あれも冷涼地域だとピノノワールに近いタッチのワインができますが、スペインの気候で通常成熟を経たものはグルナッシュやシラーの様なビッグワインになります。
ピノノワールはそもそもビッグワインにはなりにくいので、そういう意味では幅の狭いワインです。よって温暖な気候、冷涼な気候共に個性的なワインが作れるシラーはピノノワールというより、むしろシラーの懐が深く、メンシアもシラー寄り、という事が言えるかもしれません。なかなか勉強になりました。


【料理】
◼︎すずき南蛮漬け、茄子胡麻餡掛け、田舎煮


◼︎甲斐サーモン、芦川蒟蒻、ホロホロ鳥湯引き、湯葉


◼︎みかん鯛のコンフィ 彩野菜寄せ 2色のソースと共に


◼︎甲州富士桜三枚肉醤油焼き ホロホロ鳥笹身 アスパラ 新じゃが 梅醤油ソース


◼︎若鮎唐揚げ 甘長唐辛子 酢味噌


◼︎唐土豆腐 トマト餡


◼︎ホロホロ鳥すき焼き




ルバイヤート 甲州 シュール リー

ルバイヤート 甲州 シュール リー
価格:1,960円(税込、送料別)




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【スペイン:6】テロワール アル リミット、カリニェナ100%のレス トッセスとディッツ デル テラを利く


こんにちは、HKOです。
引き続きスペイン新潮流。本日はテロワール アル リミットのフラッグシップの1本であるレス トッセスと、同じくカリニェナを100%使ったディッツ デル テラの2本です。


【データ】
テロワール アル リミットはドミニクフーバーとイーベン サディか運営するDOCaプリオラートに拠点を置く新進気鋭のボデガ。
南アフリカのサディファミリーのイーベンサディと共に2001年よりワインを作りはじめ、試行錯誤の末、2005年より現在のエレガントなスタイルに変更している。SO2添加は最小限、極力自然な形での栽培、醸造を実施しています。
今回のディッツ デル テラは南向き斜面の単一畑で樹齢は80年。レス トッセスは標高600mにある北向き斜面に位置する畑で樹齢は90年以上。収穫したカリニェナは共に大樽、小樽併用で24ヶ月の熟成を経てリリースされます。



【テイスティングコメント】
生産者: テロワール アル リミット
銘柄: ディッツ デル テラ 2009
品種: カリニェナ100%

約8000円、WA94pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
芯の通ったピノノワールの様なエレガンスさがある。酸を感じる熟したダークチェリー、ブルーベリーの果実味。そしてスミレや溶剤、茎の様なやや青い香り。徐々にアプリコットの様な果実味も。なめし革や鉄っぽさ、燻製肉、漢方や鉄観音などの木のアロマ。インク、リコリスやクローヴなどのスパイスなどの要素がある。
非常に酸が突出しており、綺麗にタンニンは抑えられている。冷涼感がありエレガント。
ダークチェリーなどの果皮を感じさせるアロマや燻製肉を感じさせるアフター。


生産者: テロワール アル リミット
銘柄: レス トッセス 2009
品種: カリニェナ100%

約33000円、WA90-93pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
ディッツ デル テラ同様エレガントだが、より果実味に集中力、凝縮感がある。鉄分を感じるようななめし革や燻製肉、溶剤などの華やかかつ野生的なのアロマと共に、松の様なアロマが感じられる。熟したブラックベリーやダークチェリーの果実味、熟度は高いが、強い酸も感じられる。インキーな感じは全く無く、漢方や鉄観音などの木材の要素とクローヴやリコリス、茎などのスパイスの要素が非常に均整が取れている。炭焼きなどのニュアンスも。
果実味が主体となっていたディッツ デル テラと比較すると、より他の要素との均整が取れて大きな規模感を演出している様に感じる。
タンニンはディッツ デル テラよりも滑らかで穏やかに感じる。その分旨味と酸が充実していてダークチェリーの果皮と出汁の様な旨味が広がる。


【所感】
ディッツ デル テラの方が果実味が前面に出ていて、レストッセスは果実味が凝縮しミネラルなどの他の要素との調和がより取れている様に感じました。
最初に飲んだ際は「あれ?ディッツ デル テラの方がパワフルだな、こっちがレス トッセスだっけ」と思いましたが、データを見て納得。レス トッセスの方が冷涼な気候で作られていたんですね。
ディッツ デル テラの様に外に剥き出しになっている果実味ではなく、もっと凝縮度は高く、塊感があり、他の要素とガッチリハマっている。
冷涼な気候であるからか、古木であるからか、あるいはその両方なのか。
テロワールや果皮起因の鉄分やなめし革の要素、鉄観音や炭焼きのアロマの中に厚みを持たせるように、互いに融和し反応しあいながら高い凝縮度と複雑さを兼ね備えている様に感じました。
ディッツ デル テラはその点シンプルではありますが、エレガントでありながら果実味が良く出ており、これはこれでかなり高いレベルのワインだと思いました。
両方とも完全除梗の様な澄んだ味わいだと思いましたが、その、実全房発酵のようです。ううむ。


【スペイン: 5】ラウル ペレスのレアキュヴェ2種類を利く。



こんにちは、HKOです。
本日はスペインの天才醸造家ラウル ペレスの極めてレアなピノノワール主体のテンタシオン。そしてメンシア&ガルナッチャ ティントレラのペニテンシアを頂きます。


【データ】
ラウル ペレスはガリシア州に拠点を置くメンシアの生産者。ポートフォリオはウルトレイア サン ジャック(3000円程度)からトップキュヴェのウルトレイア デ バルトゥイエ(13000円くらい)まで。
今回はテンタシオンとペニテンシアですが、これが驚くほど情報がない。そもそもテンタシオンが545本、ペニテンシアも限られた数しか無いみたいだし、情報がある所がインポーターさんしかないわけで。海外のサイトで調べました。ペニテンシアはDOリベイラ サクラ産でフレンチオークで12ヶ月熟成、100年以上の樹齢の葡萄を使っているみたい。テンタシオンはDOビエルソ。フレンチオークの2年樽を使用し12ヶ月熟成。...だと思います。


【テイスティングコメント】
生産者: ラウル ペレス
銘柄: ラ テンタシオン 2010
品種: ピノノワール100%

約14000円。
外観は濁ったルビーで、粘性は中庸である。
自然派っぽいピノノワール。
茎、クローヴなどのスパイシーなニュアンスがあり、鉄分や燻製肉などの野性的な面が見られる。ダークチェリーや紫スモモの様な酸味に溢れる果実味。ホールパンチプレスを想起させる瑞々しい味わい。ドライハーブ、ローズヒップティー、紅茶、クローヴ、リコリスなど。樽の影響はあまり感じない。ピュアな造り。
酸やタンニンはかなり柔らかく、瑞々しい味わいに感じられる。ダークチェリーやスパイシーな余韻が感じられる。華やかかつ滋味溢れる味わい。


生産者: ラウル ペレス
銘柄: ラ ペニテンシア 2011
品種: メンシア85%、ガルナッチャ ティントレラ15%

約15000円。
外観は黒に近いガーネット、粘性は強い。
極めて野性的なワインだと思う。
濃厚なベーコンや燻製肉などの旨味が溢れた香り。溶剤、シロップや焼き栗の様な華やかでありながら甘露なアロマ。
紫スモモやブラックベリーの果実味。タバコやトリュフ、西洋杉。リコリス、クローヴなどのスパイシーさが感じられる。
タンニンが十分にあるが、基本的には酸が際立ち、中心に立つような味わい。
野生的でベーコンや燻製、紫スモモの様なアフターが長く続いて行く。


【所感】
以前ウルトレイア サンジャック、ウルトレイア バルトゥイエを飲んだ時にも思いましたが、相変わらず素晴らしいワインでした。
スペインにおけるシャトーラヤス、アンリボノーみたいな存在ですね。例えが正しいか分かりませんが、少なくともグルナッシュという品種を限りなくエレガントに作り出す最上の生産者だと思いますし、パワフルな品種をエレガントに仕上げる、という点ではあながち間違っていないと思いますが、いかがなもんでしょうかね。(他の生産者のメンシアも飲んでみましたが、全く別の品種みたいですね)
さて、今回の2本に関して。
ラ ペニテンシアはラウル ペレスの他のワインと比べると、やや濃い様にも感じられました。ただこれが物凄い良くて、濃さを残しつつラウル ペレスのエレガントさがしっかりとある。野生的な鉄分や燻香を漂わせつつ、甘露な果実味があり、それでいてとても節制の効いた味わい。共通するスパイシーさもあり、垢抜けなさを残しながら、非常に高いレベルでバランスを取っている様に感じました。バルトゥイエの様に洗練はされていませんが、これから更に良くなって行きそうなワインです。
まあ、次に飲めるかっていったら無理なんでしょうけど。
次にラ テンタシオン。
冷涼さかつ自然派の様な味わいのワイン。
自然派というか、全房発酵のニュアンスが凄くあるピノノワール。シルヴァンパタイユとか日本だとドメーヌタカヒコなんかにスタイルが近いかも。もともと彼のメンシアがピノノワールに近い味わいを感じさせるので、完全にフィットした作りだと思いました。
派手なワインではなく、滋味に満ちた味わい。黒系果実のアロマと紅茶、クローヴなどの風味がある。酸やタンニンも柔らかく、とてもスペインから生まれたとは思えないワインです。
価格は若干張りますが、品質に対して妥当な価格ではないかと思います。素晴らしい。

さすがラウル ペレス。
何を作っても基本的にはすごいですね...今度は中級キュヴェも飲んでみたいです。

【カリフォルニア:22】華やかさ際立つ、レアなピノノワール2種

こんにちは、HKOです。
ちょっと更新まで間が空きましたね。
本日はカリフォルニアのピノノワール2種類。シースモークのサウジング。そしてコスタブラウンの新プロジェクト、サークです。


【データ】
シースモークは企業家のボブ デイビズ氏によってサンタリタヒルズに1999年に興されたワイナリー。ファーストヴィンテージは2001年。現在のワインメーカーは元カンブリア エステートのクリスカーラン。
保有する畑は全て霧の立ち込める南向きヒルサイド(23区画10種以上のディジョンクローン)で、完熟した果実のみを手作業で収穫。除梗の後、2-4日の低温浸漬を経て、16日間2~3回/1日あたりのピジャージュを行う。フリーランとプレス後の果汁は分けられる。70%のフレンチオーク新樽で18ヶ月間熟成された後に無濾過で瓶詰めされる。

サークはコスタブラウンのワインメーカーであるマイケルブラウンの新プロジェクト。
コスタブラウンの権利の売却資金を元に、ロシアンリヴァーヴァレーに自社畑を購入し、コスタブラウンの醸造設備で最上のピノノワールを作る事を目標としている。
自身の保有するトゥリーハウス ヴィンヤードはロシアンリヴァーヴァレーの西端に位置する標高230mの日照条件の良い畑(霧よりも高い位置にある)。最高29℃、夜間は10℃と寒暖の差は激しく、果実の熟度と酸を共に確保できる。土壌は鉄分を多く含んだ火山性土壌、粘土も含む堆積土壌。
醸造等は不明ですが、ワインメーカーを務めるコスタブラウンでは100%除梗。フレンチオーク100%(新樽比率50%)で16ヶ月の樽熟成を行っています。


【テイスティングコメント】
生産者: シー スモーク
銘柄: サウジング ピノノワール 2011

約11000円、WA91pt(2009)
外観はやや濃いめの澄んだルビー、粘性は高い。力強い旨味を感じさせる様な瑞々しいアプリコットなどのアロマが感じられる。
ダークチェリーのリキュール、ブルーベリーの瑞々しい果実味。枯草や藺草、ユーカリなどのアロマ。その中に果皮に起因する華やかなスミレ、なめし革の香り。トーストやクローヴなどのニュアンスも。ややアルコール感があり溶剤など風味もある。
基本的に瑞々しく、ほのかに果実の甘さを感じさせる。わずかに青さも。酸は溌剌としており、ピノノワールとしてはしっかりとしたタンニンを感じる。しっかりとしたボディがあり、チェリーリキュールや藺草、ユーカリの様なアロマが広がる。


生産者: サーク
銘柄: トゥリーハウス ルシアンリヴァー ピノノワール 2011

約18000円
外観は濃い目の澄んだルビー、粘性は高い。
しっかりとした樽の香り。基本的にシースモーク同様華やかなピノノワールだが、ボディはより力強く、ややアルコールっぽさが感じられる。
なめし革やスミレ、ダークチェリーやプラムの果実味など、全体的に果皮起因の華やかさが前に出ている。そして炭焼きの様な樽香、魚介出汁、クローヴや茎っぽさ。溶剤やナツメグの様なアロマが感じられる。
基本的には華やかでありながら内にエネルギーを秘めた味わいだと思う。
タンニンと酸はとても力強くピノとしては際立ってパワフル。旨味も極めて強い。ダークチェリーやプラムなどの黒系の果実味が広がっていく。


【所感】
共に新世界らしい素晴らしいピノノワールでした。ブルゴーニュっぽさや、カリフォルニアの過熟感は無い、ソノマらしいピノノワール。
ただ、今回共通して感じられたのが、僅かなアルコールっぽさ。
今回の2本はとてもエレガントに仕上げられていました。例えば果実の過剰な甘露さや樽香が際立つ事は無く、緻密なピジャージュや醸造による果皮の華やかさや瑞々しさが前に押し出されています。しかし、これらの要素を前に押し出した結果、本来の14.5%という高いアルコール度数が包み隠さず現れてしまっている。
これが、オーベールやリヴァースマリーの様なスタイルであれば全く気にならなかったと思いますが、今回の様な、ブルゴーニュの繊細な部分を押し出してしまうと、繊細ゆえにアルコールのニュアンスが顔を覗かせてしまう。
勿論決してアルコール臭い訳では無いのですが、ともすればブルゴーニュですらあまり見られない位の緻密さ、繊細さ故に、僅かなニュアンスが気になってしまうんですね。
基本的には同一のスタイルでありますが、サークの方が新樽のニュアンスは強く感じました、それと共にアルコールっぽさもやや際立っていて最終的には力強いワインの様に思えました。シースモークはそこから見れば、バランスは良かったとは思いますが、先述の感覚はやはりある様に思えますね。
個人的には甘いピノノワールも好きなので、その方向でもいいじゃない、と思うのですが、これだけ繊細に作れるのであれば、カリフォルニアよりニュージーランドで凄まじい力を発揮するんではないかな、と。
ちょっと否定的な見方をしましたが、素晴らしいピノノワールであることは間違いないとは思います。ボディが強いエレガントなピノノワールなら、間違いなくオススメです。
ただ私はボディも香りも濃いピノノワールか、ボディも香りもエレガントなピノノワールの方がなんとなくバランスが良くて好みでございます。


【カリフォルニア:21】SQN ダークブロッサム、ボンド メイトリアーク。カリフォルニアカルト代表格を利く

こんにちは、HKOです。
毎度お世話になっております。
今回はシン クア ノンのダークブロッサムとボンド エステートのセカンドワイン、メイトリアークの2本です。
このクラスのワインを飲むのは大変久しぶりです。たまに飲むカルトワイン、じっくりと味わわせて頂きました。特に後述しますがシン クア ノンのダークブロッサムは正に圧巻...

【データ】
シン クア ノンはマンフレッド クランクルが運営するサンタバーバラの生産者。ポートフォリオはコロコロ変わるので、イマイチ掴み難いんですが、僕の知ってる限りだとグルナッシュ、シラー、シャルドネ、ルーサンヌ、ヴィオニエ、それらの混醸。(ワインアドヴォケイトもバレルテイスティング時のものは名称を明確に書いていませんでしたね。「まだ名前がない白ワイン」...とかそんな。)南仏の匂いのするカリフォルニアカルトの生産者ですね。
初リリース以降キュヴェ別にラベルは毎年異なるデザインが用いられ、同じラベルは二度と使用されません。
今回は2011年リリースされたダークブロッサム。品種はそれぞれシラー主体とグルナッシュ主体となっています。
畑の内訳は91%がイレヴン コンフェッション エステート、ザ サード ツインエステート、キュムラスエステートの自社畑、その他はホワイトホーク、ビエンナシッドから収穫されたぶどうを使用。フレンチオーク樽にて22ヶ月(新樽率50%)。ファイヴシューターと比較すると15%自社畑の比率が増えています。

ハーランエステートこそカリフォルニア最高峰のカルトワイナリーと言って差し支え無いでしょう。
もともとハーランエステート1種類のみのワイナリーでしたが、95年にはセカンドワインの「ザ メイデン」を、99年にはハーランの別プロジェクトであるボンドエステートから単一畑の「メルバリー」「クエラ」「セントエデン」「ヴェシーナ」「プリュリバス」そしてマルチヴィンヤードの「メイトリアーク」がリリース。それらのいずれも驚く程評価が高くワインアドヴォケイトでは5回(94,97,01,02,07)、ボンドを含めると7回(01セントエデン、07ヴェシーナ)の100点を取得しています。
もともと不動産業界に活躍していたウィリアム ハーランが1980年代半ばにオークヴィルの西に位置する標高100~180mの丘陵(裾野にはモンダヴィのト カロンがあります)を購入。ロバート レヴィを栽培責任者・醸造長に、ミシェル ロランをコンサルタントに迎え、カリフォルニア最高峰のワイナリーはスタートしました。その後高い評価を受けていきますが、99年には別プロジェクトのボンドエステートを立ち上げています。マルチブレンドのハーランに対して、ナパのテロワールを緻密に再現したシングルヴィンヤードのボンド。基本的には製法は畑に合わせて行われています。
ブドウの栽培は徹底した収量の抑制が成され、収穫はタンニンと糖度が上がりきった遅い時期に手作業で(小さいトレイに入れながら)行われています。 収穫した後、除梗(完全除梗)と手作業による3回の厳しい選果を実施。ステンレスタンクとオーク製のバリック樽を併用し、基本的に高い温度で1ヵ月以上発酵を行います。そしてフレンチオーク新樽(ミディアム ロースト)100%にて25ヶ月程度熟成。マロラクティック発酵は熟成過程で実施。清澄、濾過せずに瓶詰めする。
今回のメイトリアークは、ボンドの中で唯一マルチヴィンヤードのアッサンブラーシュを行っているキュヴェで、5つの単一畑のセカンドラベル的な立ち位置のワインとなっています。


【テイスティングコメント】
生産者: ボンド エステート
銘柄: メイトリアーク 2010
品種: カベルネソーヴィヨン100%

約16000円、WA89pt(2008)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
素晴らしいカベルネソーヴィヨンであることは間違いないが、ボディの液体密度はハイエンドのハーランやボンドヴィンヤードと比較するとやや低く、球体には至っていない。
果実味と樽香は融合している。甘露なシロップや果皮の要素を強く感じるカシスやブラックベリー、スミレの要素。そして西洋杉やバニラ、タバコ。リコリスやベーコンなどの燻した様な香りが感じられる。
先述の通りボディがやや弱い為、タニックで酸も突出している様に感じられる。熟したブラックベリーやスミレ、アーシーな余韻を残して行く。やや尖ったワイン。


生産者: シネ クア ノン
銘柄: ダーク ブロッサム シラー 2011
品種:シラー 84%、グルナッシュ8%、プティシラー4%、ルーサンヌ4%

約32000円、WA96-98pt
外観は濃いガーネット、粘性が高い。
相変わらずもの凄いシラーだが、香りの表出に関してはやや落ち着いた印象も受ける。ファイブシューターの様な派手な印象は無い。
充実した果実味があり、とても甘露で丸みがある。それでいてシラーズではなくシラーを体現したワインと言える。よく熟したドライプルーン、ブラックベリー、デーツ。チョコレート、バニラ、ワッフルなどの樽香。スミレの様な華やかな香り、スパイシーな黒胡椒の風味、リコリスや燻製肉などのアロマが感じられる。
非常に厚いボディで重量感がある。しかしながら受ける印象は柔らかい球体のワインといった感じ。タンニン、酸は豊かだが、きめ細やかでとても滑らか。プルーンやブラックベリーの濃厚な黒系果実の果実味が感じ、またそれに伴う素晴らしい旨味がある。


【所感】
さて所感です。
まずはメイトリアーク。これは正直な話ボンドエステートに求めるレベルにはやや達していなかった様に感じました。勿論素晴らしいのは間違いないのですが、去年のプロプライエタリーレッドやセントエデン、ヴェッシーナは勿論の事、ザ メイデンにも届いていなかった印象。
何故か。
果実味と酸、タンニンのバランスが、前述の4本に対してあまりにも悪すぎる事。
ハーランとしては液体の密度と果実味が低いにも関わらず、前述のワインと同等の抽出を行っているからかタンニンと酸が強烈に舌に刺さる。収斂性も高く、香りこそグランヴァンそのものなのですが、口に含んだ時の荒々しさや質感部分でどうしても飲みにくく感じてしまう。それなりの期間は熟成すると思いますが、おそらくこの強烈な酸とタンニンがこなれるまでには果実味を失ってしまうのではないかな、と思いました。
難しいワインです。ハーランの特徴は確かに備えているのですが、始めて飲む人にとっては、やや厳しく感じるかもしれません。飲んだ事がある人は私と同じ感想を抱くんじゃないかな、と思います。
勿論ヴィンテージによって差はあると思いますけども。

次にSQNのダークブロッサム。
これは逆にぐうの音も出ない程に素晴らしいシラーでした。去年のファイヴシューターに比べると外交的ではなく、また開くまでにある程度の時間を要するワインではあるのですが、SQNシラーの特徴的な熟した黒系果実と豊かな樽香、そしてえもいわれぬスパイシーさと華やかさを当たり前の様に備えたワインである事は間違いありません。
恐らくファイヴシューターは充実した果実味と共に強い抽出も行なっていて、果皮成分に起因するかなり華やかな要素が前に出ていましたが、今回のダークブロッサムは十分な果実味を保持しながら過剰な抽出を抑えエッジーな点をそぎ落とした堅実的な味わいになっていると思います。
球体の果実味が発散するわけではなく、静かにその場にとどまっているような、そういうイメージ。エネルギッシュさを纏った動のファイブシューター、エネルギーを奥に潜めた上質な質感を持つダークブロッサム。
好みだと思いますが、まず間違いなくニューワールドのシラーの最高峰であることは間違いないんじゃないかと思います。価格と入手難度はさておき...ですが。

メイトリアークには期待値の裏返しで結構手厳しくいきましたが、どちらも素晴らしいカリフォルニアワインであることは間違いありません。どちらも購入して損をするようなものでは無いと思います。





【ボルドー:17】シャトークレールミロンの最新ヴィンテージを利く

こんにちは、HKOです。
今回はボルドーでございます。


【データ】
キュヴリエ ルージュはレオヴィル ポワフィレのオーナー及び醸造チームがネゴシアンとして購入したプルミエ コート ド ブライ(右岸)のぶどうを使用して作られるデイリーワイン。AOCはACボルドーとなっています。

シャトー クレール ミロンはポイヤックのメドック格付5級シャトー。所有者はフィリッピーヌ・ロートシルト男爵夫人。
ムートンとラフィットに隣接した畑を保有している。作付面積は30.0ha、平均樹齢51年。平均収量は55hl/ha程度。
ステンレスタンクで15~22日間の発酵を行い、新樽約30%で16~18ヶ月熟成を行う。

【テイスティングコメント】
生産者: キュヴリエ ファミリー
銘柄: キュヴリエ ルージュ 2010
品種: メルロー40%、カベルネ・ソーヴィニョン30%、カベルネフラン30%

外観は澄んだガーネット、粘性は高い。
2010年としては液体密度はかなり薄く、いわゆるデイリーワイン的な味わい。
紫スモモとダークチェリーのフレッシュな果実味と、スミレやなめし革、リコリス、クローヴなどのスパイス。シンプルなボルドーの味わい。
タンニンというより、幾分か感じる苦味があり、酸の方が際立つ。旨味は感じるものの、苦味と抉る様な酸を伴う余韻。
デイリークラス。

生産者、銘柄: シャトー クレール ミロン 2011
品種:カベルネソーヴィニョン46%、メルロー35%、カベルネフラン15%、プティヴェルド3%、カルメネール1%

約8200円、WA89pt-91pt
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
2010や2009年に比べるととてもボルドーらしいボルドーだと思う。
カシスやブラックベリーの熟した果実味に、トーストや西洋杉、ビターチョコやコーヒーなどの樽起因のアロマ、シロップ、リコリス。スミレや燻製肉などのアロマが感じられる。グレートヴィンテージにみられる、発散して行く様な香りはないが、十分に丸みを感じられる香りだ。
酸が強めで、ややシャープな印象を受ける。液体密度は先述のヴィンテージには劣るものの、パワフルなタンニンと旨味を包含しており、十分に熟成するのではないかと思う。

【所感】
本来でいうと良ヴィンテージである2010年の方が果実味が充実するはずですが、流石にポワフィレが片手間で作るデイリーと、5級とはいえムートンが作るグランヴァンだと全くもって違いますね...圧倒的にクレールミロンの素晴らしさが際立ちました。
キュヴリエは、あくまでデイリーワインとして手堅く纏まっていますが、いわゆるボルドーの官能とは全く無縁のワインだと思います。それこそACボルドーの居酒屋ワインって感じ。
クレールミロンは2010年に比べると悪い年とはいえ、基本2009-2010年の流れを汲む充実した果実味と複雑さを与える樽香、発酵起因のニュアンスがしっかりと現れている様に感じました。勿論ヴィンテージ特性で酸は強めに感じられるんですけど、その姿は偉大なボルドーを垣間見せる様な素晴らしい味わいとなっています。とてもポイヤックらしい肉感的で力強い骨格を持ったワインに仕上がっていると思います。そして同じムートンファミリーであるダルマイヤックとも似た方向性であると感じました。ダルマイヤックの方がストレートに果実味が前に出ている様な気がしますが、流石に同じノウハウを持つだけあってボリューミーなタイプであることは変わりありません。
とても贅沢なワインであると思います。
ただコストパフォーマンス的にはダルマイヤックの方が高く、十分にグランヴァンの良さも感じられるので、個人的には代替の利く存在ではあるのかな、と思います。


【日本酒:5】ここ最近で飲んだ日本酒、4種類。

こんにちは、HKOです。
今回は節目節目にたまーにやる日本酒レポートです。
最近日本酒にも力を入れていきたいので、ゆるく見守ってくださいまし。
今回は山形の出羽桜、石川の天狗舞、愛知の義侠、広島の花鳩の4つ。東北、北陸、東海、中国の4つの地域を手広く書いていきたいと思います。


生産者: 出羽桜酒造
銘柄: 出羽桜 雪漫々 大吟醸
品種:美山錦100%
精米歩合:45%
アルコール度数:15%

3800円。
色調は透明色、粘性は中庸。
甘露だが爽やかな印象を受ける香り。
水飴、バター、洋梨、シクラメン、竹の様なアロマが感じられる。
基本的には甘露だが穏やかだが締まった酸が良いのではないかと思う。
酸は穏やかだが、凝縮感というか、芯の厚みがある。千歳飴やバターの様なアフターが感じられる。


生産者: 車多酒造
銘柄: 天狗舞 中三郎 大吟醸 生
品種: 山田錦100%
精米歩合:50%
アルコール度数:16%

5400円。
色調は透明色、粘性は中庸。
芳香性は高く、極めて甘やかな香りを放つ日本酒。
水飴やバター、生クリーム、メロンの様な吟醸香が主軸となり、洋梨やシロップ、金木犀などの雑味がほとんど無い、純度の高い丸みのある味わい。
酸は極めて柔らかで丸みを帯びた体躯。クリームや熟した洋梨の様なアフター。


生産者: 山忠本家酒造
銘柄:義侠 純米吟醸 30% 15BY
品種: 兵庫県特A山田錦
精米歩合:30%
アルコール度数:16%

約5000円。
外観は濁った黄色を帯びた透明色、粘性は高い。熟成期間から考えて比較的若い味わい。桜餅や蒸した米、月桂樹の葉、そしてカッテージチーズ、和紙、杉の熟成した風味。白桃や洋梨のアロマが感じられる。
酸味はきめ細やかだが、シャープで米や木材の余韻を残す。


生産者:榎酒造
銘柄:華鳩 貴醸酒 オーク樽貯蔵 NV
品種:こしひかり
精米歩合:65%
アルコール度数:17.3%

3000円。
28年古酒を使用した貴醸酒。
外観は濃い黄金色、粘性は高い。
ドライシェリー、味醂、出汁香などのやや塩気を感じる熟成香、濡れた木材、アーモンドなど。
かなりクリスピーで酸化のアロマが感じられる。ややトースティーな風味。
長期熟成のワインの様な濃厚な熟成香が感じられる。
酸は柔らかく、そのくせ旨味は超充実。
甘い残糖感と塩味が大変心地よい。


どれも大変素晴らしい酒でした。
最も素晴らしかったのは天狗舞の中三郎、最も面白かったのが華鳩 貴醸酒。
花鳩は味醂の様な味わいが骨子にありながら、驚くべきは熟成貴腐の様な味わいかあることですね。例えばアーモンドや濡れた木材などの樽熟成の味わいと、ドライシェリーなどの醸造酒の経年変化(酸化系)に起因する熟成のニュアンスが綺麗に液体に溶け込んでいます。糖度が高い為、ボディは非常に重厚で樽のニュアンスを十分に受け止められていますし、これから長期の熟成にも耐えうるポテンシャルを持っていると思います。お値段も安価ですし、まあ酒精強化の様な意味合いで楽しめる日本酒だと思います。

次に天狗舞の中三郎 生。これが凄かった。
供出温度的にはやや低めなのに、香りの立ち方が凄まじく、メロンや生クリーム、水飴の様な甘露な香りを放っていく。
酸は柔らかく、極めて滑らかで球体の味わいを感じられます。引き締まった味わいでは無いですが、いわゆるワインの新世界的な立ち位置の味わいだと思います。味わいは全く違いますが、オーベールのリッチーヴィンヤードにも似た印象を受ける日本酒だと思います。

出羽桜は銘柄固有の爽やかさを保ちながら、大吟醸酒の充実した旨味があると思います。
中三郎ほどの香りの立ち方はしないものの、十分にフルーティーなアロマ。力強い酸が全体を引き締めており、旨味が充実した厚みを表現しています。若干アルコール香があるのが気になりますが...
義侠はボトル詰めから時間が経っているものの、フレッシュかつシャープな酸が特徴的です。そこにカッテージチーズや木材のニュアンスが僅かに混じり合い、熟成したニュアンスも僅かに感じられる。
ワインの瓶内熟成年数に対して、かなり熟成自体はゆっくりと進んでいる様に感じました。ボトルの密閉度が高いからなのか...

しかし中三郎は美味しかった...
今度買おう...




原初の喜び、コノスル ゲヴェルツトラミネール

こんにちは、HKOです。
本日は困った時のコノスルです。
今回のエントリーは余談多め。そのかわりいつもの所感とデータは省いております。今更このワイナリーについて語ることもないワイナリーですので。

さて、コノスルはほぼ説明不要の自転車マークが印象的なお買い得ワイナリーであります。
この様なブログをやっていると、元々は自分で見返す為のメモとはいえ、1本1本に対して非常に集中してテイスティングをする事となります。
あとで見返した時に訳の分からん文面になっていないか、同じ生産者の別の銘柄との差異は何なのか、同じ銘柄で年によってどう異なるのか、熟成時どういう形になるのか。醸造はどうなっているのか、栽培はどうしていたのか、などなど。さまざまな要素を考えながらのテイスティングは想像以上に疲れるものです。

そんなテイスティングが鬱陶しくなった時や単純にアルコールを楽しみたい、となった時に選ぶのは、やはり国民酒であるビール。
そんな中大手国産ブルワリーのビールはなかなかに心を癒してくれるものです。
美味しいですし、安いですし、どこでも手に入るし。
(本当は日本酒も同じ様なポジションだったのですが、最近このブログでも取扱はじめているので、油断の置けないものとなりました。)

そんな中で、唯一気楽に飲めるワインがコノスルです。ビールと同様、品質がそこそこ高く、値段も安価で、どこでも手に入る。大変助かります。

先述しましたが、ブログを書いていて、すごく面倒臭くなる時があります。酷い時はワイン自体嫌いになりかける時もあります。
まさに本末転倒ですが、実際問題、いくら趣味とはいえ、自分自身に何かを強制する様なものになってくると、かなーり鬱陶しく感じてくるのは事実です。(勿論素晴らしいワインが与えてくれる愉悦は他の酒類には無いものだと思います)

コノスルは、ワインを楽しむ、という事を思い出させてくれるワインだと思います。
何故なら何度も飲んでいるから、コスト的に気負う必要がないから、どこでも手に入るから。単純に美味しいから。
幾ら安くて美味しくてもネットでしか手に入らないのは面倒だし、安くて何処でも手に入るものでも美味しくないのは飲みたくない。美味しくて何処でも手に入るものでも、流石に3000円を超えてくると気負ってしまう。
それらが全部ちゃんと備わったワイン。

特に私が気に入っているのは、このゲヴェルツトラミネールです。
シャルドネや赤ももちろん美味しいと思うのですが、醸造技術がものを言うシャルドネより、そもそも品種自体が個性的で香り高いゲヴェルツトラミネールやソーヴィニヨンブランなどのアロマティック、セミアロマティック品種の方が安定して高品質に感じられます。
これは基本的にどの生産者でもそう思うのですが、あまりこれらの品種でハズレを引いたことがありません。

特にコノスルはもともと品質が高いですから。手堅いながらも素晴らしいワインを作っていると思います。

ことワインに関してはコノスルですが、趣味にはどこか安心出来るような逃げ場所が必要だよなあ、と思った次第です。


【テイスティングコメント】
生産者: コノスル
銘柄: コノスル ゲヴェルツトラミネール 2013

外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
極めてベタだが、間違いのないゲヴェルツトラミネール。アロマティック品種らしい強烈な芳香が魅力的だ。ほのかなミネラル、ライチやシトラスなどの清涼感のある豊かな酸を持った果実味、熟したリンゴの様な甘露さ、フォキシーフレーヴァー、フレッシュハーブや白胡椒。
酸とボディは豊かで、凝縮感があり、シトラスやライチのアフターが残る。
シンプルだが、味わいや密度に隙が無く、手堅く纏まった良質なゲヴェルツだ。


【ドイツ:4】エゴンミューラー、シャフツホーフから生み出す高品質トロッケン&カビネット

こんにちは、HKOです。
本日はエゴン ミューラーのシャルツホーフベルガーのトロッケンとカビネットの2種類です。

【データ】
エゴン ミューラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。
保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有。

【テイスティングコメント】
生産者: エゴン ミューラー
銘柄: シャルツホーフ トロッケン 2011
品種: リースリング 100%

3000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
カビネットだが、僅かに残糖が乗っている。
石を砕いた様なミネラル感、リースリング特有のペトロール香、そしてキノコの香りが感じられる。レモンやグレープフルーツの様な酸味を帯びた果実味があり、フレッシュハーブや白い花、白胡椒、バターの様なアロマが感じられる。
酸味は豊かで、微細な残糖感があるものの、ミネラルと共にかなり引き締まった印象を与えている。味わいにしっかりとした凝縮度があり、カビネットほどではないにせよ十分な味わい。


生産者: エゴン ミューラー
銘柄: シャルツホーフベルガー カビネット 2012
品種: リースリング100%

8500円、WA91pt
ヴィンディンゲンのシャルツホーフベルク(オルツタイルラーゲ)単一。
外観は薄いストローイエロー、粘性は中庸。
石を舐める様なミネラル感。
日本酒の吟醸香みたいなアロマが感じられる。わずかなペトロール香。マンゴーと洋梨のトロピカルフルーツのアロマ。アカシア、フレッシュハーブ、メロン。徐々に白トリュフ、白檀など。ほのかな残糖感とパワフルな酸味、豊かなミネラル感があり、それらのバランスが良い。
酸味はきめ細やかだが力強い。ほのかに残糖分があるが、酸のパワフルさが際立っており、あまり甘さは感じない。柑橘やリンゴのような余韻が残る。特に酸の出方が素晴らしい。


【所感】
まずシャルツホーフですが、辛口と言ってもアルザスのリースリングなどと比べると、若干残糖が乗っている様に感じます。
フランスワインのセックとドイツワインのトロッケンの規定に関しては、前者は残留糖度0~9g以下、後者(セレクション)に関しては糖度0-15g程度となっています。ドイツワインの指し示す辛口は、フランスワインで言うとドゥミセックくらいまでは包含する様です。シャルツホーフの残留糖度が如何程かは不明ですが、フランスワインの辛口と比べると甘さが乗っているのは、ひょっとしたらドゥミセックあたりの糖度感なのかも。
辛口のシャルツホーフとカビネットのシャルツホーフベルガーについて、実は残留糖度に関してはさほど大きな差を感じませんでした。勿論カビネットの方が粘度がやや高く糖度も含め厚みを感じたのですが。
どちらかというとカビネットに感じられた吟醸香(酵母起因?)が気になりました。
これは偶発的に発生したものなのか、そういうものなのか分からないのですが、この部分か、他に飲んだカビネットとの大きな差異だったと思います。ペトロール香は穏やかで、熟した核種系果実の果実味、白トリュフやアカシアのアロマが感じられ、力強い酸とミネラルでリンゴや柑橘の様なアフターを残して行きます。
対してシャルツホーフはあくまで一般的なラインを外れない高品質なリースリングになっています。ミネラルは変わらず充実しており、糖度とボディがやや低めに抑えられ、フレッシュな印象を感じます。僅かに発砲しており、豊かな酸味とともに引き締まった印象を受けます。
やや冷やして飲むととても素晴らしく、かなりお得感のあるワインだと感じました。

うーん、本当はシュペトレーゼやTBAも飲んでみたいですが、価格的に無理でしょうな...
まあドイツは気長に付き合っていこうと思います。



【ドイツ:3】モーゼル生産者のリースリング上位ラインを利く

こんにちは、HKOです。
本日もドイツワインです。
今回はモーゼルの3種類、JJプリュムのシュペトレーゼ、ペーター テルゲスとドクターローゼンのアイスワインです。

【データ】
ヨハン ヨゼフ プリュムはモーゼルに設立されたモーゼル最上級クラスの生産者。
現在のオーナーはマンフレッドとカタリーナ。作付面積は21ha。保有する単一畑はヴェレナー ゾンネンウーア、グラーハ、ツェルティンゲン、ベルンカステル。
収穫は果実が十分に熟すのを待ち、遅摘み。発酵は夜間に冷気を取り込みながら低温で2~3週間。今回のヴェレナーゾンネンウーア シュペトレーゼはプリュムとしては中上位ラインとなります。糖度は60.2g/l、酸度7.6g/lです。

ドクターローゼンはベルンカステルのモーゼル付近に拠点を置く老舗生産者。その歴史は約200年にも及び、現在はエルンスト ローゼンが指揮をとっています。エルンストはこの老舗醸造所を次々と改革しています。
収量の半減、有機的な農法などを実践しています。ミクロクリマに恵まれた畑は彼自身の基準で特級畑、一級畑に分類し、それぞれのテロワールでカビネット~TBAを生産しています。土壌はスレート地質で、樹齢は60~100年。接木されていないぶどうの木を使用しています。今回は彼の醸すアイスワインです。

ペーター テルゲスはモーゼルはトリヤーに拠点を置く家族経営の小規模生産者。トリエラーブルクベルク、ドイッチェヘレンベルクに5ha保有し、シュペトレーゼやベーレンアウスレーゼを中心に産出しています。
こちらも今回はアイスワインとなります。


【テイスティングコメント】
生産者: ヨハン ヨゼフ プリュム
銘柄: ヴェレーナー ゾンネンウーアー シュペトレーゼ 2009

品種: リースリング100%
6000円、WA92pt
ヴェーレンのゾンネンウーアー(アインツェルラーゲ)単一。
外観は淡いストローイエロー、粘性は高く、やや微発泡。やや甘口のワイン。
リースリングっぽいペトロール香や樽香はあまりなく、クリーンな造り。しっかりとしたミネラル感と共に、白トリュフや抑制の効いたペトロール香、洋梨やシトラスの果実味、フレッシュハーブ、バターなど。(ちょっとフェルトリーナーに似てる?)
全体の主軸を置くのが白トリュフとペトロール、果実味が前面に現れており、複雑なアロマを構成している。
豊かな果実味とはっきりとした酸(ただしギザついた所はない)によって、残糖分が引き締められていて、甘酸っぱい豊かなボディを形成している。


生産者: ペーター テルゲス
銘柄: トリエラー イェズイティンヴィンゲルト リースリング アイスワイン 2012

品種:リースリング100%
約5000円。
外観はやや濃い目のイエロー、粘性は高い。
華やかかつ爽やかな印象を受けるリースリング。品種独特のペトロール香はあまり感じられない。
強固なミネラルと共に、ジャスミンや白い花。トロピカルフルーツ、アプリコット、白桃のシロップ漬けの様な果実味があり、フレッシュハーブやほのかなチーズの様な香りを包含している。
当然ながら糖度が高いが、極めて酸が力強く全体の印象を引き締めている。粘度か高く、重量感のあるボディだが、いわゆる貴腐の様な溶ける様な甘さはない。


銘柄: リースリング アイスワイン ゴールドカプセル 2009
品種: リースリング100%

約11000円、WA90pt(2008)
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
ペトロール香があり、液体にミネラルが漲っている。ライチやカリンの果実味が最前面に出ている。バターやドライハーブ、キノコ、リコリスの様なアロマが感じられる。
綺麗で豊かな酸があり、やや微発泡のニュアンス。滑らかで甘露なアプリコットの果実味のアフターが感じられる。残糖分は高く、ボディはしっかりとしている。
余韻は長い。


【所感】
まずはゾンネンウーアーシュペトレーゼ。単一畑のやや甘口ワインです。
基本的に樽はあまり感じないクリーンな造りをしています。アルザス最上のリースリングに現れる強烈なペトロール香は控えめです。
甘口でそれなりの残糖分は感じるのですが、ミネラルがしっかりと存在しており、酸も充実。わずかに微発泡しており舌にチリっとした刺激がある。それらが甘口の残糖分をキリッと引き締めている様にも感じます。
全体的な印象はやはりリースリング固有の特徴か目立つには目立つのですが、より統制が取れた味わいに仕上がっている様に感じます。ボディは当然ながら豊かで、シュペトレーゼにして長期熟成が期待できそうです。

次はTBA並の糖度を残すアイスワイン。トリエラー イエズイティンヴィンケルト(長い...)。こちらはアイスワインとしてはかなり爽やかで清涼感があります。
恐らく強いミネラル感、そしてジャスミン、白い花、フレッシュハーブのアロマがそういった印象を与える一助になっていると感じます。例えばアロマティック品種のワインの様な爽やかさですね。
ただそんな甘露でありながら爽やかさを放つ香りとは裏腹に甘露さに厚みがあります。アプリコットやトロピカルフルーツの様な力強い酸を伴う果実味、甘露さ。
重量級ですが、保有する酸の強さから、こっちも引き締まった感じがしますね。

次もアイスワイン。ドクターローゼン。
特に畑表記は無いですが、高品質を示すゴールドカプセル。
こちらは強い品種特性が前面に出ている。ミネラルが漲っておりペトロール香も強く感じられます。ライチやカリンの清涼感のあるアロマがあり、バターやドライハーブ、キノコ、リコリスの様なアロマがある。
酸味は豊かですが、ペーターテルゲスの様な清涼感はなく、より重みのあり丸みのあるオイリーな甘露さを感じます。

個人的に感じたのは、これらのいずれのワインも突出したミネラル感があるということです。
どれも基本甘口なので残糖分を強く感じるのですが、そこに伴う酸だとかミネラルによって、それらの糖分が引き締まって感じます。そもそも酸の強い品種ではあるので、こういうスタイルが得意かなのでしょうかねー。
この中だとJJプリュムがやっぱり好きかな...

グラッヒャー・ヒンメルライヒSPA 白 [2011]年

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価格:5,400円(税込、送料別)




【ドイツ:2】ゲオルク ブロイヤーの創る辛口リースリング2種を利く

こんにちは、HKOです。
本日はゲオルク ブロイヤーのリースリング2種類です。驚くべきドイツ最上レベルの辛口リースリングを産出しています。

【データ】
ゲオルク ブロイヤーはドイツ、モーゼル地方に拠点を置く醸造所。現当主はまだ20代のテレーザ ブロイヤー。醸造学校で醸造学を学び、ゲオルク ブロイヤーを切り盛りしています。スタイルとしては有機栽培で作られたリースリング100%のトロッケン。
収穫時には酸を活かす為、過熟したぶどうも含め厳しく選定しています。
フラッグシップは特級畑ベルク シュロスベルク。最大斜度は60度を越える南向き急傾斜の畑で、ライン河からの照り返しも含め、非常に好条件の日照を得ています。土壌は粘板岩土壌。
独自のクラス付であるⅣ~Ⅰの4段階ではベルクシュロスベルクはⅠ、テラモントーサはⅡに位置づけられています。


【テイスティングコメント】
生産者:ゲオルク ブロイヤー
銘柄:テラ モントーサ トロッケン 2011
品種:リースリング100%

4500円、WA89pt(2009)
複数の単一畑の混醸。
やや淡めのストローイエロー、粘性は中庸。
リューデスハイムベルクと比べると、やや華やかで白い花や豊かなミネラル感、ペトロール香が感じられる。ライムとカリンの果実味、フレッシュハーブ、白胡椒、バター、キノコの様なアロマが感じられる。
ミネラルとペトロール香は感じられるがシュロスベルグほどではなく、全体的にやや緩めに感じられる。
酸味は豊かで(跳ねるほどではないものの)柑橘のアフターが感じられる。綺麗でシャープな味わいのリースリング。


生産者: ゲオルク ブロイヤー
銘柄: リューデスハイム ベルク シュロスベルグ トロッケン 2011

品種: リースリング100%
11000円、WA91pt
リューデスハイムのベルク・シュロスベルク(アインツェルラーゲ)単一。
やや淡めのストローイエロー、粘性は中庸。
テラモントーサと比べると重厚で重みがある。超硬質なミネラル感、白トリュフの濃厚な風味、ペトロールのニュアンス。熟したライチやカリンの果実味、白胡椒、バターの様なアロマが感じられる。樽の要素は感じられない。ドライでミネラリーなリースリングで、ペトロールとミネラルが強く表出している印象。
酸は極めて豊かで、イキイキとした跳ねる様なパワフル。ギュッと引き締まった体躯でエネルギーに満ちている。柑橘とミネラルの余韻が残る。


【所感】
この2つのワインに存在する共通点としては力強いミネラルと極めてシャープでイキイキとした酸。ベルク シュロスベルクとテラモントーサで明らかな差異はありながら、基本的に堅牢なリースリングであるという印象は変わりません。
これはまさにデータに記載されている通り、粘板岩土壌と過熟した果粒の除外により突出したミネラル、酸であると思います。
これらは生産者のスタイルですね。
次に各ワインの差異ですが、テラモントーサと比較すると、ベルク シュロスベルクの方が圧倒的にミネラル感が強く、白トリュフ、ペトロール。ライチ、カリンの果実味があり、全体的に引き締まった印象を受けます。
テラモントーサはどちらかといえば、より華やかで白い花のアロマが感じられるのですが、ミネラルは柔らかく液体密度はやや緩さを感じさせます。どちらが長期熟成するかといえば、間違いなくシュロスベルクでしょう。

いずれも世界的に見て非常に高いレベルにいるワインだと思います。


【ドイツ:1】ベルンハルトフーバー、熟成したピノノワールの実力。

こんにちは、HKOです。
今日から暫くドイツレポートです。
基礎知識は序章にありますので(といってもメモ程度で、わかりやすくまとめてあるわけじゃないんですが)、併せてお楽しみに下さい。
個人的にもあまり詳しくなかったので、とても勉強になりました!
まずスタートは赤ワイン。ベルンハルト フーバーのシュペートブルクンダーです。

【データ】
ベルンハルト フーバーはワイン生産地帯の最南端に地位するバーデン地区に拠点を置く醸造所。 設立は1987年。
生産量の70%強はピノノワールの赤ワイン。
今まで日の目をあまり浴びる事の無かったマルターディンガー ビーネンベルク畑を復権した生産者でもあります。土壌はブルゴーニュに酷似した貝殻石灰岩の風化土壌。
マルターディンゲン村の樹齢20-30年のピノノワールから産出され、2-3年の小樽で熟成されます。


【テイスティングコメント】
生産者: ベルンハルト フーバー
銘柄: マルターディンガー ビーネンベルク トロッケン 2000
品種: シュペートブルクンダー(ピノノワール)100%

約8000円
マルターディンゲンのビーネンベルク(アインツェルラーゲ)単一。
外観はエッジがオレンジがかった淡いルビー、粘性は低い。
2000年としては良く熟成した素晴らしいピノノワールで、鉄分やローストした木材の香りが特徴的に感じられる。
ダークチェリーやドライイチジクなどのやや熟成を帯びた様な果実味、焦げた木材、強い鉄分やなめし革、生肉の様なアロマ。ドライフラワー。漢方、コリアンダー、ナツメグなどのスパイス香。程よく熟成しはじめた最上クラスのオーストラリアピノノワールにも感じられる。
良く熟成した香りだが、酸とタンニンは非常にしっかりとしており、鉄分や肉の旨みが充実。イチジクの果実味のアフターが感じられる。


【所感】
これは特別凄い様な気がしますね。
鉄分の包含量が多く、スパイシー。適度な熟成香を纏っています。ブルゴーニュ的な観点で見るとジュヴレシャンベルタンに近いかもしれませんが、どちらかというと熟成したビンディやカーリーフラット。
強烈な凝縮感やモダンな果実味、樽香があるタイプではなく、エレガント。かといってクリーンすぎるわけでは無い。
特異な特徴があるピノではなく、極めて標準的なスタイルを良質にまで高めたワインでしょう。
やや熟成感の表れが早い気もしますが、タンニンと酸はまだまだ生き生きしており、あと十年は熟成すると思われます。
数える程度しかドイツのピノは飲んでいませんが、大衆然としたアルザスに比べるとグランヴァンの風格は感じられますね。
素晴らしいピノノワールです。



【アルザス・ロワール:7】不朽のリースリンク、フレデリック エミール2002

こんにちは、HKOです。
本日はアルザスの大手生産者トリンパックの上位キュヴェであるフレデリック エミールです。


【データ】
トリンパックはアルザスに1626年に設立された老舗ドメーヌ、現在の名声を確立したのは9代目フレデリックエミール時代。(現在は12代目)
45haの自社畑の1/3は特級畑、すべて有機栽培を実践しております。
今回のキュヴェ フレデリックエミールは特級ガイスベルグとオステルベルグの区画で作られたリースリングです。
フラッグシップは白ラベルのクロ サンテューヌ、ヴァンダンジュ タルティヴ、セレクション グランノーブル。
上位キュヴェとして金ラベルが、そしてネゴスラベルとして黄ラベルがあります。

【テイスティング】
生産者: トリンパック
銘柄: リースリング キュヴェ フレデリック エミール 2002
品種: リースリンク100%

WA92pt
外観は明るいストローイエロー、粘性は中庸。
アルザスらしい力強いミネラル感とリースリンク固有の個性的なペトロール香がある。極めて冷涼で引き締まった味わいがありながら、しっかりとしたボディが感じられる。カリン、ライチなどの旨みと酸味を感じさせる果実味、そしてドライハーブや白胡椒。ナッツやシナモンなどの芳香。
一番的なアルザスと比べると、ボディは厚めで、酸は柔らかく感じられる。極めて旨みのある味わい。アフターはカリン、ライチのエキゾチックな果実味が感じられる。


【所感】
より重厚なミネラルとペトロール香が存在していた2008年に比べると穏やかになっていると思います。とはいえ、依然強烈なペトロール香があることは間違いありません。
ヴァン ド ガルド型のワインである事は分かっていましたが、2002年ですら全体的な印象に変化がないのは驚きました。白胡椒やハーブのアロマはあまり変わりません。
果実味に関しては、もともとは熟したフルーツのアロマや味わいがありましたが、より、こなれた旨みが前に出ています。
ボディは穏やかになっていますが、依然力強いワインだと感じました。

しかしフレデリックエミールの飲み頃っていつ来るんだろうか...
クロ サン テューヌもそうなんですが、強固すぎて飲み頃の予想が全くつかねえ...

【ヨーロッパその他:1】現代の錬金術、生命の水 トカイ エッセンシア 1999

こんにちは、HKOです。
本日はボデガス オレムスの作るトカイの最上グレード、エッセンシアです。
トカイのエッセンシアはこれが初めてですが、あまりにも強烈でした...


【データ】
ボデガス オレムスは1993年からベガ シシリア傘下のとなったハンガリーのワイナリー。
作付面積は115ha。厳格な収量制限が行われ、葡萄の木1本あたり4房まで切り詰める。醸造技術は最新のものを使用している。
最上キュヴェのエッセンシアは100%貴腐ぶどうのみを使用。圧搾機は使用せず、自然の重みで搾り出された果汁を自然発酵。
生産本数はごく少量で、なんとヘクタールあたり1リットル程度した生産されない。
リットルあたり800gと糖度が高いため気の遠くなるくらいの熟成が可能。
ポートフォリオは世界3大甘口ワインのトカイ アスー。今回はその最上たるエッセンシアの1999年ヴィンテージ。


【テイスティング コメント】
生産者: ボデガス オレムス
銘柄: トカイ エッセンシア 1999
品種: フルミント、ハーレシュレヴェリュ、マシカット ルネル、ゼッタ

外観は淡い茶色で、粘性は極めて高い。
やや熟成香が感じられる。
ミントやドライアプリコット、熟したリンゴの様な濃厚なアロマ、やや酸化を感じさせる旨みの突出した熟成香、豊満な旨み成分、白胡椒。オイリーなニュアンスがある。シナモンや濡れた西洋杉や土の要素。濃厚なシロップ。
酸味と旨みが極めて充実しており、強烈な粘土がある。ドライアプリコットや梅、ミントなどのハーブの余韻を残していく。
残糖分は極めて凝縮しており、ボディは濃厚。ディケムの飛んで行く様な軽やかさとは真逆の地に足がついた重厚さ。
糖度は高いが酸も豊かなのでべったりとした印象はない。余韻は極めて長く続く。


【所感】
額面の糖度は非常に高く、実際その通りなんですが、基本的にべったりとした甘さは感じません。というのも高い糖度と共に強烈な酸と旨みが表出しており、それらが全体の印象を引き締め、地に足がついた味わいを実現しています。ソーテルヌの様な概念的な味わいではなく、より物質的、実体的な味わいですね。単純な葡萄本来の味わいに加え、ややミントやオイリーなニュアンスが感じられます。(もちろんフルミントという名前とは関係なく...)
そして熟成による濡れた木材や土のブーケも感じられます。やや熟成香が現れるのが早い様にも感じられますが、それとは全く関係なく、ボディは長期間維持され、以降半永久的に熟成するだろうことは容易に想像がつきますね。
貴腐の別の側面として大変勉強になりました。

【日本: 5】ファンキーシャトー グリグリ2012、まさかの葡萄品種に驚き。

こんにちは、HKOです。
本日は長野はファンキーシャトーのグリグリです。
グリグリしちゃうぞー!(?)

結構身内で話題の生産者て結構楽しみにしていたんですけれども、これがかなり良い。
全房発酵、無濾過、無清澄。ネゴスものですが、かなりいい線行ってるワインでした。


【データ】
生産者さんのHPをご参照ください。


【テイスティングコメント】
生産者: ファンキーシャトー
銘柄: グリ グリ 2012
品種: 巨峰90%、長野パープル4%、ピオーネ4%、ピノ グリ2%

外観は淡いピンク、粘性は中庸。
爽やかなロゼシャンパーニュの様なアロマ、香りの方向性としては白ワインに近い。
赤系のフレッシュベリー、カリンやライムの様な爽やかな果実味。フレッシュハーブ、白い花、白胡椒、リコリスなどのアロマ、シナモンやラムネの様な甘露さが感じられる。クローヴなど。
酸味は柔らかく、瑞々しく、華やかなワイン。リコリスやカリンなどのアフターが感じられる。


【所感】
シャルドネ比率の高いロゼシャンパーニュブレンドと思ったのですが、なんと巨峰...!
食用葡萄でこんなに美味しいのできるんだ...
ワイン用葡萄品種とはいったいなんだったのか...確かにピノノワールほど厚みは無いし、シャルドネにしてみても瑞々しすぎる。
もともと巨峰は果粒における果皮の割合は少ないから、マセレーションを十分にしたとしても瑞々しくなるのは道理ですなぁ。
値段的にも2000円と良心的。
話の種にもなりますし、かなりいい感じですね。
しかし巨峰か...うーん。

【ドイツ: 序章】ドイツワイン概要

【どんどん追記してきます。】

苦手分野だったドイツワインの概要をちょっとまとめてみました。


◎ざっくりと
・生産量世界10位(2009年)
・プリティカーツワイン内の等級はエクスレ度によって決まる。
・主要品種はリースリング、ミュラートゥルガウ。赤はシュペートブルクンダー(ピノノワール)
・近年は辛口も盛り上がってきている。


◎概要
ワイン生産量:世界10位(2009年)

◼︎ドイツワインの等級
Deutscher Tafelwein(Vin de Table)
Landwein(Vin de Pays)
Qualitatswein bestimmter Anbaugebiet(Q.b.A)
Pradikatswein

■プレディカーツヴァイン (2007年まではQ.m.P)内の等級(エクスレ度(重量―果汁1000ml)によって等級が変化する。)
カビネット(良質ワイン):70-80
シュペトレーゼ(遅摘み):76-95
アウスレーゼ(房選り):83-105
ベーレン アウスレーゼ(粒選り):110-128
アイスヴァイン(完熟した果粒を樹に付けたまま氷結させ搾汁したもの):110-128
トロッケン ベーレン アウスレーゼ(貴腐葡萄を粒選りしたもの):150-154
※最低alcはアウスレーゼまで7.0%、以降5.5%

■畑の種類
アインツェルラーゲ(単一畑)・・・2715
グロスラーゲ(総合畑)・・・163
オルツタイルラーゲ(特別単一畑)・・・5
(モーゼル ヴィルティンゲン)シャルツホーフベルグ
(ラインガウ エーストリッヒ)シュロス・ライヒャルツハウゼン
(ラインガウ ハッテンハイム)シュタインベルグ
(ラインガウ ヴィンケル)シュロス・フォルラーツ
(ラインガウ ヨハニスベルク)シュロス・ヨハニスベルク


■指定栽培地域(アンバウゲビード)概要
・アール(10)
主要品種:シュペートブルクンダー、ポルトギーザー
特徴:90%赤ワイン

・モーゼル(5)
有名生産者:
エゴン ミューラー、カルトホイザーホーフ、ドクターローゼン、ドクトール ターニッシュ
フォン シューベルト、フリッツ ハーク、ヨハン ヨゼフ プリュム
主要品種:リースリング、ミュラートゥルガウ、エルプリング
特徴:白ワイン90%
銘醸畑:ヒンメルライヒ(ツェルティンゲン)、ゾンネンウーアー(ツェルティンゲン)、ゾンネンウーアー(ヴェーレン)
ヒンメルライヒ(グラーハ)、ドクトール(ベルンカステル)、ゴルドトレプフェン(ピースポート)、
シャルツホーフベルグ(ヴィルティンゲン※オルツタイルラーゲ)

・ナーエ(7)
有名生産者:ヘルマン デンホフ
主要品種:リースリング、ミュラートゥルガウ

・ラインヘッセン(1)
主要品種:ミュラートゥルガウ、ドルンフェルダー、リースリング
特徴:リープフラウミルヒなど大量消費用ワイン

・ファルツ(2)
有名生産者:ドクトール ビュルクリン ヴォルフ
主要品種:リースリング、ドルンフェルダー、ミュラートゥルガウ、ポルトギーザー
銘醸畑:イェズイーテンガルデン(フォルスト)

・ミッテルライン(11)
主要品種:リースリング
特徴:発泡酒が多い

・ラインガウ(8)
有名生産者:
ゲオルグ ブロイヤー、シュロス ヨハニスベルグ、シュロス ラインハルツハウゼン
クロスター エーベルバッハ、ロバート ヴァイル
主要品種:リースリング
銘醸畑:シュロス・ヨハニスベルグ(ヨハニスベルグ※オルツタイルラーゲ)
シュロス・フォルラーツ(ヴィンケル※オルツタイルラーゲ)
シュロス・ライヒャルハウゼン(エストリッヒ※オルツタイルラーゲ)
シュタインベルグ(ハッテンハイム※オルツタイルラーゲ)
マルコブルン(エルバッハ)、ドームデヒャナイ(ホッホハイム)


・ヘッシェ ベルクシュトラーゼ(13)
主要品種:リースリング、シュペートブルクンダー、ミュラートゥルガウ
特徴:最少面積

・バーデン(3)
有名生産者:ベルンハルト フーバー
主要品種:シュペートブルクンダー
特徴:40%が赤ワイン、ロゼワイン(白も産出)

・フランケン(6)
有名生産者:ユリウスシュピタール
主要品種:ミュラートゥルガウ、シルヴァーナー
特徴:ボックスボイテル瓶
銘醸畑:シュタインハルフェ(ヴェルツブルグ)

・ヴュルテムベルク(4)
主要品種:トロリンガー、リースリング、シュヴァルツリースリング
特徴:ドイツ最大の赤ワインの産地

・ザーレ ウンストルート(9)
主要品種:ミュラートゥルガウ、ヴァイザーブルグンダー
特徴:最北の生産地

・ザクセン(12)
主要品種:ミュラートゥルガウ、リースリング、ヴァイザーブルグンダー
特徴:生産量最少

◼︎名称ルール(地域名 or 村名)er + 畑名
※特別単一畑のみ地域名、村名は省略可能。

指定栽培地域>(地区=村名)>単一畑、総合畑、特別単一畑

【イタリア:9】ヴェネト、シチリアの赤白を利く

こんにちは、HKOです。
本日はイタリアのシチリアのチェラズォーロ、ヴェネトのガルガーネガです。

【データ】
ニコシアはシチリア エトナ山ほど近くに畑を所有する老舗ワイナリー。 伝統的でありながら、現代的な醸造技術を併用、非常に高いコストパフォーマンスのシチリアワインを造りだしています。

アンジョリーノ マウレはヴェネトに拠点を置く自然派生産者。ラ ビアンカーラとしては1988年が初ヴィンテージ。フラッグシップはサッサイア。イ マシエリはサッサイアのセカンド的な立ち位置。
栽培は 完全ビオディナミ。自家製の純植物性の完熟堆肥を使用。除草剤は使用しない。
収穫した葡萄はプレス後、醗酵の初期段階や1~2日間だけマセレーション。野生酵母で醗酵後、翌年春までステンレスタンクで熟成。ごく少量の二酸化硫黄添加し、ボトリング。


【テイスティングコメント】
生産者: ニコシア
銘柄: チェラズオーロ ディ ヴィットリア 2010
品種: ネロターヴォラ60%、フラッパート40%

約2000円
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
溌剌としていながら、イーストや干したダークチェリーやドライプルーンなど果実味、干草、イタリアの土着品種らしい味わい。血液の様な鉄分、スミレ、漢方などのアロマ。クローヴやリコリス、生肉など。
ボリューミーという訳ではなく、適度に洗練された果実味と酸があり、タンニンは柔らかめに感じられる。ネッビオーロとアマローネの合いの子の様な味わい。


生産者: ラ ビアンカーラ
銘柄: マシエリ 2012
品種: ガルガーネガ80%、トレビアーノ20%

約2000円
外観はストローイエロー、粘性は高い。
自然派らしい香り、独特のビオ香。
シードルの様な熟したリンゴやライム、カリンの様な果実味、ハチミツ、白胡椒、フレッシュハーブ。白い花。
酸味は柔らかく、滑らかでリンゴやハーブの余韻が残る。


【所感】
まずニコシアのチェラズォーロ。
新世界の様なフルボディな味わいではなく、イタリアらしいミドル〜フルボディの果実味。イーストやドライプルーンや鉄分などのアロマが感じられる。
古典的なネッビオーロにも近いエッセンスを持ちながら、根本に流れるのはネロターヴォラの乾いて糖度が上がった様な果実味の香りがある。もちろん甘いワインではないが、甘さを想起させるニュアンスは確かにある。また鉄分が極めて高く、引き締まった様な印象を受ける。凝縮度は高くはない。

ビアンカーラのイ マシエリは、いわゆる自然派らしい味わいが前面に出ている。プリューレ ロックほど露骨ではないものの、シードルの様な熟した果実が発酵した様な酵母的なニュアンスが出ている。ハチミツの様な甘露さやフレッシュハーブなどの複雑さも感じられる。
例の如く好き嫌いのあるタイプの味わいだが、このタイプが好きな人にとっては、この価格で買える事はとても喜ばしい事なのではないかと。個人的には普通...あえて買うかと言えば微妙。チェラズォーロも同じ。


【余談】
◼︎イカスミパスタ


◼︎クラテッロ ディ ジベッロ


美味しかった!



プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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