【オーストリア:1】プラーガーの突出したリースリングを頂く。

こんにちは、HKOです。
ようやくワインに戻ってまいりました。
この1~2週間の日本酒蒸留酒漂流を無駄にしてはいけない。でもやっぱりワインはワインで、あまり関係の無い話だとは思います...。
さて今回はプラーガーのヴァックストゥム ボーデンシュタイン リースリングでございます。長いし一生覚えられなさそー。


【データ】
プラーガーはオーストリアのヴァッハウ地域に拠点を置く生産者。現在の醸造責任者は元果樹園芸科学者のトニー ボーデンシュタイン。銘醸畑「リツリング」「ヒンター デア ブルグ」「レーバー」そして自身で開拓した畑「ボーデンシュタイン」含む15haの自社畑を保有しています。作付比率はリースリング70%、グリューナー フェルトリーナー30%。土地の個性をワインに刻み込む様な、テロワールを尊重したワイン作りを基本哲学とし、土地の自然酵母を使用、発酵および熟成はステンレスタンクで行っています。
今回のヴァックストゥム ボーデンシュタインは、標高450mかつ北から冷たい風が吹く冷涼な気候の畑「ボーデンシュタイン」から作られたプラーガーのブラックシップワイン。


【テイスティングコメント】
生産者: プラーガー
銘柄: ヴァックストゥム ボーデンシュタイン リースリング スマラクト 2007

外観は淡いストローイエロー、粘性は高め。
強固なミネラル感があり、表層に強いペトロール香が現れている。グレープフルーツ、白桃、洋梨などのフレッシュさとボリューミーな果実味が同居する。白い花、フレッシュハーブ、ヨーグルトなどの風味を感じられる。
フレッシュな酸味を伴う厚みのあるボディ。ほのかな残糖感。旨味と甘味が充実。
グレープフルーツ、洋梨、ミネラルの余韻が残る。


【所感】
残糖を残しながらも、確かに冷涼なタッチが感じられるリースリングです。
例えばその強固なミネラルや冷涼な柑橘系の果実味、フレッシュハーブのニュアンスは、過熟した果実からは決して現れません。
ただその一方でボディの厚みはしっかりとあり、密度の薄いワインではありません。ローヌのマルサンヌやルーサンヌの様な厚みも持ち合わせています。
極めて完成度の高いリースリングだと思います。



そして酢飯と驚異的なマリアージュ。
寿司を飲み込んだ後に残る酸味と旨み、米の甘みを、リースリングの酸味が引継ぎ、果実味と華やかさが昇華していく。
口の中で混ざって互いの旨さを引き出すわけではなく、UnderWorldのBorn Slippy NuxxのアウトロからStudio ApartmentをLife From The Sunを繋ぐ様な、タイプの異なるアンセムを同じBPMで繋げる様な、寿司から旨みと酸をリレーションにして果実味を繋ぐ。
そんな感じ。

いいですね、機会があればプラーガーを何本か買ってみよう。

スポンサーサイト

【ウイスキー:2】ボトラーズ、オフィシャル、メーカーブレンデッドの希少ウイスキー5種を利く

こんにちは、HKOです。
本日こそワインです...と思わせてウイスキーです。焼酎、日本酒ときてウイスキーと、本当にこのワインブログはワインをやる気があるのでしょうか...
割とやる気はあるんですが、ネタが揃わないので...今のところ3記事くらい?
まあボチボチやってきたいと思います。
今回はボトラーズとメーカー、ディスティラリーの貴重な銘柄5種を頂きました。


【データ】
ダンカン テイラーはアベ ロッセンベルグ、チャーリー グットマンによって1938年にアメリカで設立された独立瓶詰業者。スコットランド全域の数多くの蒸留所のニューフィリングの樽を購入。2000年にユアン・シャーンがそれらのコレクションを購入し、アラン ゴードンと共に運用しています。1960年代の古酒樽のトップクラスの保有数を誇っています。 それらの中から熟成の一番良い状態を見極め、冷却濾過、カラーリングを一切行わずにボトリング。今回のブラックブル スペシャルリザーブは長期熟成原酒と若い原酒、モルト50%グレーン50%のブレンドしています。ボトル数は871本。ピアレスコレクション グレンマレイ1990はマレイ州のグレンマレイ蒸留所の樽を購入、熟成したもの。ボトル数は256本。
ケイデンヘッドは1942年にエディンバラ創業、現在はスコットランドのキャンベルタウンに拠点を置く最古の独立瓶詰業者。J&Aミッシェル社と同資本の会社です。
自らもボトラーズでありながら多くのボトラーにも樽を供給しています。
ボトルの大半はカスクストレングス。
着色やフィルタリングを行わず、樽同士のブレンドも行わないシングルカスク。
今回のグレングラント24年は10樽以内を選定しブレンドされたスモールバッチシリーズ。シェリー系のカスクではなく、バーボン樽で熟成したグラングラントです。
J&Aミッチェルはキャンベルタウンに拠点を置くケイデンヘッドやスプリングバンクを所有するメーカー。今回のキャンベルタウンロッホ21年はJ&Aミッチェルがプロデュースする世界限定6000本のブレンデッドウイスキー。プロダクション ディレクターであるフランク マッカーディーが最上の原酒が手に入った時にスモールバッチで作るプレミアムブレンド。原酒はモルト60%、グレーン40%の割合で、12種のシングルモルトを使用。
ロングロウはキャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所で作っていたウイスキー。スプリングバンクでは3つのタイプのウイスキーを作っており、うち2つは閉鎖した蒸留所を引き継いだもの。ピートを適度に焚き2回半蒸留のスプリングバンク、ヘビーピートで2回蒸留のロングロウ。ノンピートで3回蒸留のヘーゼルバーンを作り分ける。
製麦からボトリングまでのすべての工程を蒸留所で管理する。
今回のテイスティングはダンカンテイラー社とJ&Aミッチェル社、そしてその資本の影響下にあるケイデンヘッド、スプリングバンク蒸留所のウイスキーでした。
J&Aミッチェルの影響度強いですね...


【テイスティングコメント】
瓶詰業者名: ダンカン テイラー
銘柄: ブラックブル スペシャルレゼルヴ
アルコール度数:50度

23000円
ブレンデッド。
グランマレイ同様ローステッドな香りが感じられる。ただこちらの方がピート香りが強めに感じられる。
ややビターなカラメルやメイプルシロップ。
ドライレーズンやヨード、スモークチーズ、エナメルリムーバー、ドライハーブ、オークやアーモンドの香りが感じられる。
アタックは滑らかでエッジを感じさせない丸みがある。口に含むと華やかな香りが広がる。


瓶詰業者名: ダンカン テイラー
生産者: グレンマレイ蒸留所
銘柄: ピアレスコレクション グレンマレイ 1990(23年)

23000円
シングルモルト。
極めて甘露なロースト香を感じさせる。
カラメルをかけたチョコレートの様な風味。
トフィー、メイプルシロップ、レーズンやドライプルーン、エナメルリムーバー、オーク樽、クリームや和紙の様な風味。
アルコールのアタック感は香りに似合わず極めてエッジが効いておりパワフル。口内を焼き払うアルコール度数55.3%。そう考えると穏やかにも感じられるか。


生産者: スプリングバンク蒸留所
銘柄: ロングロウ 18年

19000円
シングルモルト。
ラフロイグの様な強烈なピートやヨード香、塩味を感じる。黒土やエナメルリムーバー、ハーブオイルなどの風味が強い。乾いたオークの香り。基本的にピーティーな香りを強く放つウイスキー。最後にようやくトフィーの様な余韻を残す。
ただアタックは柔らかく、丸みがある。アルコールのアタック強いが棘があまり感じられない。

瓶詰業者名: ケイデンヘッド
生産者:グレングランド蒸留所
銘柄: グレングラント 1989(24年)

19000円
シングルモルト。
今までの中だと丁度合いの子の様なピーティーさとローステッドさを両立した味わい。ヨード香と共に、トフィー、カラメルなどの風味、ドライレーズン、フレッシュハーブ、メープルシロップ、ミルクなど、オーク樽。
アルコールのエッジのあるあじわいだが、そこまで鋭くは無く柔らかいタッチ。


生産者: J&Aミッチェル社
銘柄: キャンベルタウン ロッホ 21年
アルコール度数:46度

16000円
ブレンデッド。
トースティーな甘い香りが感じられる。
トフィーやカラメルの甘露さ、上質紙、レーズンやドライプルーン、オークやシナモン、アーモンドなどの風味が感じられる。
ハーブ感は少ないが、カラメル香寄りの味わい。併せてアルコールのアタックも穏やかで柔らかい。滑らかな味わいのウィスキーだ。


【所感】
ざっくりとこんな感じです。

・ロングロウ
強烈にピーティー、スモーキー。ハーブの香り、トフィーのフィニッシュ。香りと裏腹にアタックに丸みがある。

・グレングラント
ややピーティー、ヨード香と共にトフィーやレーズンのフィニッシュ。アタックはエッジー。

・ブラックブル
ややピーティー。ビターチョコレートやカラメルの様な甘い樽の香り。アーモンドやレーズンなど。アタックは丸く柔らかい。

・キャンベルタウンロッホ
カラメル、レーズン、シナモンなどの甘露さ。上質紙やナッツなどの香りが主体。
全体的に丸みがあり、タッチは柔らかい。

・グレンモレイ
極めて甘露。キャラメルチョコレート、メイプルシロップ、ドライプルーン、和紙などの風味。アルコールが高めの為、アタック感は極めてエッジが効いておりパワフル。

やっぱりブレンデッドは全体的に口当たりがまろやかで柔らかいですね。香りもどちらかというとカラメルっぽさが前に出ていて極めて飲みやすく仕上げられています。とてもキャッチーというか。
対してシングルモルトは結構ブレがあって、グレングラントやグレンモレイは口内を焼く様な強烈なアタックがあります。その理由の大半は55%中盤というカスクストレングスによる高いアルコール度数に起因するものだとは思います。加水されて46%まで落ちているロングロウの口当たりは柔らかかったので、まあアルコール度数でしょう。
グレングラントやグレンモレイ、ロングロウの香りの違いについては、基本的には樽剤とピートの炊き方、蒸留方法に起因すると思っています。
ロングロウとグレングラントはシェリー樽、グランモレイはバーボン&ポートワイン樽ですが、グレンモレイはカラメルやメイプルシロップの様な甘露な香りが主体ですが、ロングロウとグレングラントは違いはあれどやはりピーティーでナッティーだと思います。
蒸留回数については少ないほど麦芽に付けたピート香が残りやすくなる、という認識です。ロングロウとグレングラントは2回。グレンモレイは回数多いのではないかと思います。実情はわかりませんが...あまりピートが残っている様にも思えないので。
熟成期間についてはグレンモレイとグレングラントにアルコール度数も含めあまり差が無いですが、...グレンモレイの方が柔らかく感じました。
モレイが前半に、グラントは後半に飲んだのでアルコールに舌まがなれたのかもしれません。ちょっと怪しいですね。

今回は色々比較テイスティングをしてみましたが、それぞれ醸造、蒸留方法によって大きく味わいが異なるもんですね。
原料に大きな差が無い分、わかりやすく思えます。

そんな感じです。






【日本酒:6】純米大吟醸2本、久保田と綿屋

こんにちは、HKOです。
焼酎の次は日本酒でございます。
今回は純米大吟醸2本、久保田 碧寿と綿屋 黒澤米 山田錦です。

ワインブログとは一体なんだったのか...
そもそも最近あんまりワイン飲めてない...ううむ。


【テイスティングコメント】
生産者: 朝日酒造
銘柄: 久保田 碧寿 山廃 純米大吟醸
品種:新潟産五百万石
精米歩合:35%
アルコール度数:16%
約2500円

澄んだ透明色で粘性は高い。
清涼感がありクセの無い均整の取れた純米大吟醸。華やかでフルーティー。
米の旨味を維持しつつ、桜餅や水飴の様なフルーツの香り、カッテージチーズ、メロン、洋梨、白桃などの甘い香りが漂う。キンモクセイ、青竹の様な風味。
口当たりも柔らかく、羽の様に軽いボディ。
熟した梨を想起させるフルーティーな口当たりが口内に広がる。


生産者: 金の井酒造
銘柄: 綿屋 純米大吟醸 黒澤米 山田錦
品種:宮城県産山田錦100%(黒澤米)
精米歩合:45%
アルコール度数:16%
2000円

外観はやや黄色を帯びた透明色で粘性は高い。
清涼感がありフルーティー、優美で華麗な風味が感じられる。水飴や葛、メロン、洋梨のフルーティーな香り。アカシアの花や、クレソン、月桂樹の青い風味、ショートブレッドなどの要素が感じられる。
ボディがしっかりとあり、それでいて軽やかにも感じられる。柔らかに水飴と葛の余韻を残す。


【所感】
共に純米大吟醸らしく、雑味のない透明感のあるフルーティーな吟醸香が主軸となっています。いわゆる米糠の様な香りはなく、研ぎ澄まされたタッチの味わいでした。
そんな中で綿屋と久保田の違いはどの様なものがあるのか、というと、綿屋の方が圧倒的にボディが暑く重みがあります。
吟醸香と共に米の甘み、旨みがたっぷりと含んでいます。粘度も何処と無く高い様な印象を受けますね。香りは華やかなのにボディは強い。やや風味の強い日本食とも良く合いそうです。
久保田はその点華やかさに特化していると思います。綿屋ほどボディは重くなく羽の様な軽やかさがある。香りから受ける印象と同じで滑らかな味わいだと思います。
香りもより純度が高く水飴やメロンの様な熟したフルーツのアロマが感じられます。
どちらも優れた大吟醸だと思いますが、ちょっと方向性が違いますね。


綿屋 純米大吟醸山田錦黒澤米 1.8L

綿屋 純米大吟醸山田錦黒澤米 1.8L
価格:5,400円(税込、送料別)


みちま

【焼酎・第四回】伊佐美、天使の誘惑、野うさぎの走り

こんにちは、HKOです。
本日は焼酎最終回です。前回が最後だと思いましたか?そんなことないんだなこれが!
最後はややグレードが落ちますが、天使の誘惑と野うさぎの走り、伊佐美を頂きます。

【データ】
天使の誘惑は鹿児島県日置市に拠点を置く西酒造が作る芋焼酎。代表銘柄は薩摩宝山。樫樽、シェリー樽で10年熟成させた焼酎です。
伊佐美は鹿児島県伊佐市に拠点を置く甲斐商店が作る元祖プレミアム焼酎とも言える銘柄。
野うさぎの走りは宮崎県児湯群に拠点を置く黒木本店が醸す米焼酎。代表銘柄は麦焼酎 百年の孤独。長期間保管された古酒ともち米の米焼酎をブレンドした逸品。


【テイスティングコメント】
生産者: 西酒造
銘柄: 天使の誘惑 芋焼酎

7000円
華やかで先鋭的な香り。
フェノールやカラメル、シロップなどの芳香、スイートポテトの様な風味もある。ラベンダーや幾種ものハーブ、クローヴ、白胡椒などの香りを強く感じることができる。
甘露かつアロマティックなハーブが前面に出ており、鋭角的な味わいだと思う。
高アルコールに起因するアタックの強さ。口に含むとフェノールとハーブ、木材の香りが力強く広がっていく。


生産者: 甲斐商店
銘柄: 伊佐美 芋焼酎

4500円
優しく穏やかな丸みを帯びた芋焼酎。
印象としては佐藤系の風味が感じられる。
ふかした薩摩芋、白胡椒、わずかなアルコール感、和紙やお香の様な香りを感じさせる、極めて上品な味わいだと思う。滑らかでシルキー。とげとげしさを一切感じない。
ライトなアタックで、余韻に心地よい芋とスパイスの香りを残していく。


生産者: 黒木本店
銘柄: 野うさぎの走り 甕仕込 米焼酎

9000円
十四代と異なり高アルコールに起因するエッジの効いた風味。吟醸香は感じられない。
フェノール、クルミ、餅の様な米の渇いた風味と、噛み締めた時のシロップの様な甘さ、デンプン的。桜餅やシクラメン、土の香りが感じられる。
こちらも高アルコールに起因するアタックが極めて力強くパワーに満ちている。
口に含むとクルミや餅の風味、時折白胡椒の様な風味が混じり合い余韻を残して行く。

【所感】
今回はそれぞれ毛色が変わった3本です。
伊佐美はアルコール度数25%、野うさぎの走りは39%、天使の誘惑は40%。
前回までの3回は芋も米も20%台でしたが、全く違う焼酎の様な印象を受けました。
例えば野うさぎの走り。
これは十四代が日本酒的な味わいを目指して醸造した焼酎であるという部分を差し引いたとしてもかなり様子が異なります。
十四代秘蔵はそれこそ大吟醸の延長の様な吟醸香を醸し出していましたが、こちらはよりナッティーでクルミや渇いた餅の様な風味が強く前に出ている印象です。
そして和紙の様な要素があり、米を噛み込んだ際に現れる甘みを感じることができます。

また天使の誘惑に関しては、よりブランデーに接近した味わいで、魔王の冷たさ、百年の孤独の様な甘さを感じさせます。
ふかした芋などの芋焼酎ならではの要素というのは、一見あまり感じることが出来ませんでした。(クセは芋焼酎そのものですので、そこは良くわかります。)ただ徐々にスイートポテトの様な甘みも出てきます。
これは天使の誘惑ならではかもしれませんが、極めてハーヴィーで華やか。
ラベンダーやクローヴ、そして幾つものハーブの要素が華やかさを助長しています。
所謂芋っぽさから抜け出した洗練された蒸留酒であると思います。

最後に伊佐美ですが、こちらもなかなか素晴らしい出来ではあるのですが、3Mや佐藤黒に比べると今ひとつ抜きん出た所が少ない様にも思えます。3Mはそれぞれに独自性があり、例えるならば5大シャトーの様な明確にそれぞれ抜きん出た部分が際立っていたのですが、伊佐美に関しては芋焼酎の延長上にある味わいだと思いました。ただ完成度は高く、味わいに関しては文句は全くありません。値段も他のプレミアム焼酎に比べるとお手頃なので、決して悪くはないと思います。

さて、今回で焼酎編は最後となります。
所謂プレミアム銘柄をワイン的な視点で見てみましたが、想像以上にそれぞれに独自性が楽しいテイスティングとなりました。
勿論アルコール度数が高いので、あまり飲めませんが、自身の視野を広げる事は間違いなく出来たと思います。
もし今後飲む機会があるとすれば接待か...あとは古酒は可能であれば抑えておきたいと思いました。
九州に訪れる際の楽しみも増えました。
有意義だったと思います。

【焼酎・第三回】森伊蔵 & 森伊蔵 極上の一滴

こんにちは、HKOです。
今回は焼酎編ラストエントリーです。
そもそもプレミアムな森伊蔵ですが、その上を行く焼酎が存在します。森伊蔵 極上の一滴です。今回はその2つを比較してみます。


【データ】
森伊蔵は鹿児島県垂水市に拠点を置く森伊蔵酒造が作る芋焼酎。原料には契約栽培のさつま芋である黄金千貫のみを使用。フラッグシップは「森伊蔵 極上の一滴」。相違点は熟成期間。極上の一滴は36ヶ月の洞窟内での甕熟成を経てリリースされます。


【テイスティングコメント】
生産者: 森伊蔵酒造
銘柄: 森伊蔵 芋焼酎

25000円
熟成したブランデーのようなカラメルを想起させる香り。焼き栗、スイートポテト、長期熟成を経たシャルドネの様に香り高い。シロップ、ドライハーブ、白胡椒の様なスパイシーな風味。飲む人が飲んだら100%熟成シャンパーニュを想起させるだろう。バターやリコリスなどの要素も感じられる。
アルコールのアタックは極めて柔らかく白檀や樹皮、焼き芋の様な余韻を残す。極めて高品質な焼酎だ。高いのも納得。


生産者: 森伊蔵酒造
銘柄: 森伊蔵 極上の一滴 長期洞窟熟成酒 甕壺 芋焼酎

50000円
森伊蔵のフラッグシップ。
まさに極上といって差し支えない香り高さ。
正直焼酎舐めてたと言わざるを得ない。
基本的な骨子は森伊蔵と同様で、極上の熟成シャルドネにも似た香りを纏う。とはいえ森伊蔵は実態的な姿で迫ってくるが、極上の一滴はより官能的で冷涼だ。マニュキアの様な華やかな芳香を骨子にしてブランデーの様なカラメルや焼き栗、バターやリコリス、スイートポテト、白胡椒の様なアロマが迫ってくる。豊満さとは一線を画していてワインで言うミネラルのような引き締まった一本線を感じる。先述の伊蔵と比べるとアルコールのアタック感はやや強く感じるものの、切れ味鋭くそれでいてスパイシーで焼き栗の様な豊満な余韻を残していく。さながら魔王との合いの子の様な印象を受ける。好みは人によりけりだが偉大さでいうのであれば間違いなくこっちだろう。


【所感】
森伊蔵も焼酎の既成概念をぶち壊す素晴らしい味わいでしたが、極上の一滴は更にその上を行く。いや、上を行く、という表現はちょっと違うかも。
前回記載した様に森伊蔵はブランデー感と共に熟成ブラン ド ブランの様なクリスピーで甘露な味わいを強く感じました。言い換えればある種豊満でリッチさも併せて感じたのですが、極上の一滴はもっと鋭角的で官能的。骨子は変わらないながら、マニキュアや溶剤の様な冷たさ、華やかさがある。
まるでミネラルで引き締まったシャンパーニュの様に芯の力強さを感じる。クリアで透明感があるが、その中にしっかりとスイートポテトや焼き栗、カラメルの様な甘露さが凝縮されて包含されている。冷ややかなタッチは魔王を、全体的な骨子は森伊蔵を踏襲。
なるほど、極めて偉大な焼酎だと思う。
焼酎というより、むしろ最上のブランデーの様な扱いの方が正しいか。
ただ前回のエントリーでも書いたとおり、熟成によって、なぜこうなるのか。そこがちょっと不明ではある。
熟成によって丸みが出るというよりも、より鋭角化している様な気がする。
そもそも骨子が段違いに森伊蔵より強く、熟成を帯びてなお、この形なのか。それとも熟成によりアルコール感が突出して感じられる様になったのかは分からない。
偉大さとともに謎を残す焼酎だな、と思った。


【焼酎・第二回】 3M(森伊蔵、魔王、村尾)+佐藤黒



こんにちは、HKOです。
本日も焼酎、佐藤黒をはじめとして、森伊蔵、魔王、村尾などのプレミアム芋焼酎を集中してテイスティング致します。


【データ】
佐藤黒は鹿児島県霧島市に拠点を置く佐藤酒造が作る黒麹を使用した芋焼酎。3Mに着いで有名なプレミアム焼酎です。
村尾は鹿児島県薩摩川内氏に拠点を置く村尾酒造が作る芋焼酎。当代は村尾寿彦氏。こちらも黒麹を使用しています。
魔王は鹿児島県肝属郡に拠点を置く白玉醸造が作る芋焼酎。
森伊蔵は鹿児島県垂水市に拠点を置く森伊蔵酒造が作る芋焼酎。
これらは色々と入手困難であり、プレミアムであるということは多くの言葉を費やして語られているのですが、具体的な醸造方法に関してはあまり...うーん。

ではいってみましょう。


【テイスティングコメント】
生産者: 佐藤酒造
銘柄: 黒 佐藤 芋焼酎

7800円
かなりワイルドで大柄な芋焼酎。それでいてタッチは丸みがある。
ふかした薩摩芋や白胡椒、マニキュア、和紙やドライハーブ、乾いた木材の豊かな香りがある。
ウッディで丸みがあり太い香りがある。
3Mの様に洗練された香りであったり、特別な個性はないが、完成度の高い焼酎だと思う。アタックは柔らかく、木材の様な余韻が残る。


生産者: 白玉酒造
銘柄: 魔王 甕壺 芋焼酎

12000円
最も冷涼で堅牢な引き締まった香り。マニュキア、アルコールっぽさ。フラワーオイルの様な風味。ハーブや青草の香りが強く感じられる。白胡椒やハーブ、樹皮の香り。芋のふくよかな部分はあまり感じられず、清涼感のある潔癖な味わい。最もシャープで線が細くエッジー。貫く様なアルコール感と共にハーブや木材、白胡椒の余韻を残して行く。


生産者: 村尾酒造
銘柄: 村尾 甕壺 芋焼酎

13000円
丸みがありシルクの様な口当たり。
シャトーヌフの様な獣香、出汁。スイートポテトの豊満さ。石鹸やフレッシュハーブ、白胡椒、和紙や白檀の香り。鼻に抜ける華やかな香り。アタックはシルキー。柔らかく過剰なアルコールっぽさがない。アルコールのアタックはそれなりに感じるが、基本的にはクリーミーで白胡椒とスイートポテト、フレッシュハーブの豊満さを感じることができる。


生産者: 森伊蔵酒造
銘柄: 森伊蔵 芋焼酎

25000円
熟成したブランデーのようなカラメルを想起させる香り。焼き栗、スイートポテト、長期熟成を経たシャルドネの様に香り高い。シロップ、ドライハーブ、白胡椒の様なスパイシーな風味。飲む人が飲んだら熟成シャンパーニュを想起させるだろう。バターやリコリスなどの要素も感じられる。
アルコールのアタックは極めて柔らかく白檀や樹皮、焼き芋の様な余韻を残す。極めて高品質な焼酎だ。高いのも納得。


【所感】
まず今回の4本の印象を分けると下記の通り。勿論味は全然違いますが、ワインでいうと近い印象はなんなのか、というのを書いてます。

佐藤 黒...パワフルでリッチなボディ、タッチ。一塊感は無いが力強く、丸みがある。
原料起因の甘露さと木材の風味。Pommard。
魔王...硬質で堅牢なタッチ。一塊感があり華やか。ハーブやスパイスの要素が前面に出ている。Gevrey-Chambertin。
村尾...シルキーで丸みのあるタッチ。獣香があり野性的で甘露。木材やハーブ、素材本来の味わいが残るChateaunuf-du-papeあるいはMargaux。
森伊蔵...完璧な完成度。規模感は大きいが一塊感のある球体のボディ。甘露でカラメルや焼き栗、スイートポテトなどの素材本来の味わい。白胡椒やドライハーブ。熟成したBlanc De Blanc、そしてNapa ValleyのChardonney。

同じ芋の蒸留酒ですが、かなり個性が違いますね。例えば魔王と森伊蔵なんか、方向性が真逆ですし、村尾と佐藤黒は大枠でのタイプは似ていると思いますが、やはり細かく見ていくと村尾の方が野性的であるとか、佐藤黒の方が豊満であるとか、そういった違いは確かにあります。
それでいて、それぞれフラッグシップたる素晴らしさをしっかりと持っています。
先述した様に、これらの焼酎について、醸造手法について細かく触れられていません。
よって、一体何がこれらの違いを生み出しているのかもわかりません。
ただ、何となく思うのが、魔王は極力余計な風味を排除したクリーンな手法ではないか、とか、村尾は結構特殊な酵母を使っているのではないか、とか、森伊蔵のロースト香は何処から来ているのか、とか、甘さの原因は芋のデンプンの含有率が違って糖化する際に糖分を強くし、アルコール発酵時に全発酵させないのではないか、とか。
そういった憶測しか出来ません。
仮説に対して実証が無いのが歯がゆいですね...

それと熟成も味わいの違いに影響しているとは思うんですが、何分蒸留酒の熟成による違いが検証出来ておらず、何とも言えません。

酸化により角が取れる、丸みが出る、そして熟成容器によって...例えばカスクならロースト香が付きやすいなどの変化は想像しやすいのですが、じゃあ甕ってなんだ。陶器は何が香り付くのか?そんなわけはない。いわゆるステンレスタンク熟成に近いんじゃないか。
それならば酸化による影響だけなのか。ただステンレスタンクに近いが密閉性は甕の方が低いから、酸化のスピードは早いはずだ。

じゃあ蒸留酒の酸化って具体的にはどうなることなんだろうか。
アルコール度数が高ければ基本的には熟成は緩やかだけど熟成曲線がわからん...

謎が謎を呼ぶ焼酎の味の差異。
誰かプレミアム感だけでなく醸造も教えてくれる人はいないのか...
今度詳しい人に聞いてみたい。

なんにせよ、美味しかったのは目の前にある純然たる事実ではあるのですが。
そこを気にするのは無粋か。




【焼酎・初回】百年の孤独と十四代 秘蔵

こんにちは、HKOです。
最近、自身の見識を広げるために、今まで触れる事の無かったお酒にも積極的にトライしています。
元々日本酒、ウィスキー、ビールは好きで飲んでいたのですが、焼酎やフォーティファイドワインは全くの門外漢。今回はそんな事情もあり、焼酎を幾つか頂いてみました。
折角体験するのならば、まずは誰もが知っている有名なプレミアム銘柄からいきたい。
という訳で、芋焼酎は森伊蔵、森伊蔵 極上の一滴、魔王、村尾、佐藤 黒。麦焼酎は百年の孤独。米焼酎は十四代 秘蔵を同時に飲んでみました。
今回から3回に渡り焼酎を取り扱って行きたいと思います。初回は麦焼酎「百年の孤独」、米焼酎「十四代 秘蔵」となります。

百年の孤独は宮崎県の黒木酒造が作る麦焼酎で、ホワイトオークの樽で3年・4年・5年熟成した焼酎をブレンドしたもの。
十四代 秘蔵 乙焼酎は日本酒の酒蔵十四代がごくわずかな数量だけ作る米焼酎となります。

ではいってみましょう。


【テイスティングコメント】
生産者: 高木酒造
銘柄: 十四代 秘蔵 米焼酎

12000円
びっくりするほど日本酒。力強い吟醸香を感じる。素晴らしい。
メロンや水飴、カッテージチーズやショートブレッドの風味。ほぼ日本酒の様子を呈している。かつ吟醸香が素晴らしく立っている。白桃や梨、クレソン、杉、ヨーグルトの要素など。ややアルコール的ではあるものの、ほぼ日本酒といって差し支えないタイプの焼酎だと思う。
日本酒的な酸味も充実しており、プレーンヨーグルトが如き、綺麗な酸味に満ち溢れている。素晴らしい。蒸留しているとは思えないほどの豊かな味わいとアルコールの皆無さに驚きを隠せない。


生産者: 黒木本店
銘柄: 百年の孤独 麦焼酎

16000円
ほぼ極上のウィスキーに近い芳香。ローステッド。強烈なメープルシロップやトフィー、エナメルリムーバー、レーズンやバニラ、アーモンドやペッパー、クリームなどのアロマが感じられる。
アルコール度数40%。圧倒的な度数で迫り来るアタックは他の焼酎と比較すると強烈無比で焼け付く様なアタックとともに甘露なシロップの様な余韻を残していく。圧倒的な鋭さ、ボディ感があり、この中だと異質な存在と言えると思う。


【所感】
まず十四代 秘蔵 乙焼酎。
これ、焼酎っていうより日本酒だよね?
吟醸香が半端ない。日本酒の華やかな吟醸香、フルーティーな果実香、はたまたはヨーグルトなどの複雑な香りなど、日本酒の全てを包含した焼酎だと思います。
勿論焼酎だからアルコール度数は25度と高いですが、それでもなおアルコール香はほとんど無く、日本酒の機微を完全に再現しています。それでいて高アルコールなりの分厚いボディがしっかりとある。
正直これだけのアルコール度数で日本酒としてのスタイルを完全に保っているというのが不可解ですが、とてつもなく素晴らしい味わいになっていると思います。酸味も充実しており、本当に焼酎とは思えない程の豊かな香りを有しています。もともと十四代だからこそ成せる技なのかもしれません。
次は百年の孤独。
こちらも焼酎というよりはむしろ極上のウィスキーに近い。
最もウィスキーに近いと感じた部分はやはり樽によるロースト香。トフィーやメイプルシロップ、レーズンやアーモンドの様な甘い香りが極めてウィスキーと酷似しています。
また当日飲んだ焼酎の中では突出してアルコール度数が高く、なんと40度近くあるわけですが、それもウィスキーっぽさに拍車をかけているかもしれません。
ウィスキーに似ているだけだったらウィスキーを飲めばいい話ですが、ここで素晴らしいのはそれらの香りの立ち方が顕著で変な雑味を含まない事でしょうか。上品で洗練されている。素晴らしい。
確かに品薄になるのも頷ける一本であると思います。

さて、そんな感じで第一回完了でございます。焼酎と一括りにしましたが、当然ながら原材料によって味わいは大きく変わります。
今回の2本はそれぞれの原材料を使った別の酒と酷似しながらも、焼酎である必要がキチンとある酒になっていました。
焼酎、なかなかに奥深い。
まだまだ試してみる余地はありそうです。


十四代 秘蔵 乙焼酎 25度 720ml

十四代 秘蔵 乙焼酎 25度 720ml
価格:5,800円(税込、送料別)

【メキシコ:1】メキシコの安旨スパークリング、サラビベを飲む

こんにちはHKOです。
僕の行きつけのお店のひとつにまいばすけっとというお店があります。
基本的に普段質素な生活をしている私としてはとてもお世話になっている都市型小型スーパーマーケット(イオン資本)なのですが、そこで売っていたワインをレポートします。
お気に入りは280円のおにぎりセットです。

【データ】
サラビベはスペインの大手酒販メーカー フレシネがメキシコで作るスパークリングワイン。名前はフレシネ創業者の奥様の名前から取られています。
安い割にとても作りにこだわっており、キュヴェを50%使用する他、シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵で18ヶ月熟成、ルミアージュは人の手によって行われます。
フレシネ自体は巨大な資本を持っているため、そこらへんの自動化はお手のものですが、それをあえて行わない所に尋常ならざるこだわりを感じますね。


【テイスティングコメント】
生産者: フレシネ
銘柄: サラビベ ブリュット

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ブリュットだが、ややドゥミセックの様な残糖分が感じられる。熟したリンゴ、カリンの果実味。フレッシュハーブ、ハチミツ、ナッツなどの風味。
シンプルなスパークリングだが、ハチミツや柔らかい果実味や甘露さがある。
非常にキャッチーで、シャンパーニュに似ているかは別として、非常に飲みやすいスパークリングだと思う。

【所感】
香りや味わいは異なりますが、なんとなくバルティピエゾと同系統のスタイルを感じます。というのはシンプルな果実味を前に押し出ており、非常にわかりやすい味わいになっているから。ややセックが乗っているのが特徴です。熟成による厚みは増しているものの、基本的にはクリーンな作りは変わらず樽の影響は見られません。キャッチーな骨子は変わらず、誰でも楽しめる良い味わいになっていると思いました。ここはフレシネとあまり変わりませんね。

ここを見られている方にはあまり縁のないワインかもしれませんが、ワインを飲まない人と楽しく飲む際に一本あると、便利なワインだと思います。アンダー1000円と値段も安いので騙されたと思ってぜひ飲んでみてください。


【オーストラリア・NZ: 7】NZ、オーストラリアの驚愕の高CPワイン2本

こんにちは、HKOです。
本日はオーストラリアのリースリング、ニュージーランドのピノノワールです。
オセアニアということで一括りにしてしまいました...すみません!ただ共に一筋縄ではいかない、極めてレベルの高いワインです。
一つはエゴン ミュラーがオーストラリアで作るカンタ リースリング、そして日本人醸造家がニュージーランドで作るフォリウム ピノノワールです。


【データ】
フォリウム(ラテン語で葉) ヴィンヤードは2010年にニュージーランド マールボロのブランコット ヴァレーに設立したワイナリー。栽培面積は6ha。樹齢は10年程度。
栽培醸造はアンリブルジョワがニュージーランドで手がけるクロ アンリで醸造責任者として腕を振るっていた岡田岳樹氏が手がけています。
冷涼で乾燥しており、昼夜の温度差が大きいマールボロにおいて、徹底した収量制限を行い、丁寧にキャノピーマネージメント。完熟した果実を全て手摘みで収穫。
収穫後、5日間程度の低温浸漬、野生酵母でステンレスタンク発酵。発酵後100%フレンチオークにて熟成。新樽率は25%。

エゴン ミューラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有しています。
今回はオーストラリア、アデレードヒルズ地区にあるエチュンガ ヴィンヤードにフィールドを移し、リースリング100%のワインを作っています。除梗は100%、 12-18時間低温浸漬の後、100%ステンレスタンクにて野生酵母による発酵。6ヶ月間澱と接触させた後、12ヶ月間瓶内熟成させリリースされる。
残糖度4g/L。生産本数はわずか2000本。


【テイスティングコメント】
生産者: フォリウム ヴィンヤード
銘柄: ピノノワール 2012

外観は濃い澄んだルビー、粘性は高い。
ややトースティーでローストした炭焼きやコーヒーの様な香りがあり、果実味の出方としてはとてもニュージーランドらしく作られている。 ダークチェリーやブラックベリーの様な果実味。華やかなスミレとリコリス、ナツメグなどのスパイス香、やや茎などの青っぽいニュアンスも感じられる。なめし革や鉄分の要素も。
ドライで華やかなスタイルの生産者のピノノワールといった感じ。
酸、タンニンともしっかり主張しているが、さほど棘は感じられない。旨味はしっかりとありエキス感と樽を両立した味わいと言えるだろう。かなり好きなタイプで、ルイ シュニュにも似たピノだと思う。


生産者: カンタ(エゴン ミューラー)
銘柄: リースリング 2010

約2800円、WA92pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
エゴン ミューラーのシャフツホフベルガーとはまた別のスタイルの味わいではあるものの、リースリングの最良をまた別の形で表現している。
ドイツやアルザスを凌ぐ様な石を砕いた様な強烈なミネラル感、そして強いペトロール香(例えばクロ サン テューヌにも似た)が最前面に存在し、そこからシロップの様な甘い果実香、ヘーゼルナッツの香り、フレッシュハーブ、キノコ、白胡椒なども感じられる。
酸味は十分にあるものの、シャフツホフベルガーと比べると幾分か穏やかで、その分カリンやライチなどのフルーツの旨味がたっぷりとある。


【所感】
なんというか、ぐうの音も出ない程凄いです。特にエゴン ミュラーのカンタ リースリング。なんだこれ。
勿論虎の子のシャルツホフベルガーとは全く違うワインだけど、爽やかで熟した一般的なオーストラリアのリースリングとも全く違う。例えるならばアルザス、それも有名生産者の特級クラスのリースリングに似ている。
ドイツやアルザスを思わせるその強烈なミネラル感、ペトロール香。そして恐るべき凝縮感、充実した熟度。
除梗をしないそのスタイルは、梗による複雑さを前に押し出さず、ミネラル感を際立たせる為だろうか。
個人的な感覚としてはクロ サン テューヌやキュヴェ フレデリック エミールを飲んだ様な感覚。
本家のエゴン ミュラーとはそもそも糖度が全く違いますね。エゴン ミュラーのトロッケンでもやや甘口だと思うので、このワインが如何にドライでか良く分かります。
これが2000円台から3000円台ならば、優に4倍以上の価値があるリースリング。これは今まで飲んだリースリングの中で最もコストパフォーマンスが高く、優秀なワインだったと思います。

フォリウムのピノノワールは癒し系ピノですね。ブルゴーニュでいうとルイ シュニュの様な角がなくて旨味がじんわり広がるエキス系ピノノワール。
液体自体はそんな感じなんですが、ルイシュニュと違う所は、しっかりとロースト香が付いている所と果実味が黒系果実寄りの部分でしょうか。
一見ロースト香と黒系果実と聞くと比較的強い酒質の、たとえばジュヴレシャンベルタンの様なワインを字面からは想像してしまいますが、ボディのタイプでいうのであれば、どちらかといえばシャンボールミュジニーだと思います。そこに果皮の華やかさと樽を前に押し出したスタイルが加わると。低温浸漬と新樽25%結構効いてますね。本来の液体が柔らかいからかしら。甘みはないのですが、梅柴の様な旨味がじゅっと広がる様な良いピノノワールだと思います。
まあ、これは私の好みのスタイルってだけで人にいかほどオススメできるかわかりませんが...ただ私はかなりリピートしたいワインでございます。

今回は値段的にも品質的にもべらぼうに最高なオセアニアワインでした。はあ、こういうのにごく稀に出会えるから、本当にワイン最高だと思うわ...

ケースで買うべきワインですが、無くなるのでやめてください。






【カリフォルニア:23】別れのロゼ、再開のルージュ。キスラーRRV、ケンゾー 結。

こんにちは、HKOです。
ワインはインパクトのあるお酒です。
よって人生のシーンを色濃く投影し、思い起こさせる事が出来る稀有な飲料だと思います。
今回の2本はかたや別れを、かたや再会を強く思い起こさせるワインとなりました。
別れといってもネガティブなものではなく、予め予定されていた終わりですし、ポジティブな一側面を残しての別れですから、そんなに重いものではないのですが。

でも、そういう記憶を先まで味わいと共に残せる酒って貴重ですよねえ。

【データ】
ケンゾーエステートはカプコン会長 辻本憲三氏がナパヴァレーに拠点を置くワイナリーです。
栽培家デビット アブリュー、醸造家ハイディ バレットとパートナーシップを組み生産を始めています。
デビットアブリューはハーランやコルギン、ハイディ バレットはスクリーミングイーグルを経てケンゾーエステートに参加していますので、その品質たるや推して知るべしでしょう。
生産は入念な選果の上、グラビティフローを採用した醸造を行ないます。ステンレスタンクで20度~30度でアルコール発酵を行ない、キュヴェゾンは2週間。新樽比率60%で20ヶ月の熟成とMLFを経てリリースされます。今回の結は生産量2000本の希少なロゼ。

キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。
ルシアンリヴァーヴァレーはフレンチオーク新樽60%旧樽40%て14ヶ月の熟成(MLFの記載はありませんでしたが、赤ですし、まず間違いなく行っているでしょう)させる。
すべて無濾過、無清張で瓶詰め。
ブラックシップはキュヴェ キャスリーン(Ch100%)、キュヴェ エリザベス(PN100%)。


【テイスティングコメント】
生産者: ケンゾーエステート
銘柄: 結-yui- 2013
品種: メルロー68%、カベルネフラン32%

9300円
外観は淡いピンクで粘性は高い。
ロゼとはいえナパヴァレー産、プロヴァンスのそれより充実した果実味がある。
熟したストロベリーやサクランボの果実味の中に蜜の香り、フレッシュハーブやクローヴ、キノコ。わずかにミネラル感もあるが、大仰に前に出ているわけではない。
酸は充実だが滑らかで、僅かに残るタンニンと苦味が全体を引き締めている。イチゴとサクランボの瑞々しい余韻が残るが、高アルコールに裏付けられたアタックの力強さ、重さも感じる。余韻にカベルネフランの梗にも似た風味がある。


生産者: キスラー
銘柄: ルシアン リヴァー ヴァレー ピノノワール 2012

約13000円、WA91-93pt(2009)
外観は澄んだルビー、粘性は中庸。
鉄分やなめし革、スミレのオイルの華やかで瑞々しい香りが主体となるピノノワール。繊細なタイプだが、ブルゴーニュ的なスタイルではなく、エキス感がメインでありながら良く熟したタイプのピノノワール。わずかなアルコール感があり、熟したダークチェリー、ストロベリーの様な果実味が感じられる。クローヴや茎、シナモンなどのアロマ、そしてあまり影響は強くないものの、樽に起因する紅茶の様なアロマがある。
酸は滑らかで、タンニンも強くないが、非常に果実味が豊かで、明るいベリー類の甘い余韻が感じられる。


【所感】
両方ともなかなか良かったです。
結は丁度、その前に何本かプロヴァンスのロゼを試してた(話題のミラヴァル ロゼなど)のですが、さすがナパヴァレー、ロゼにしてこの果実味の厚さとアタック。素晴らしい。
ミラヴァルもペランファミリーが作っているだけ、極めて素晴らしいのですが、事果実味でいうのであれば、こちらかな、という気がします。赤系果実の熟した風味とフレッシュハーブの風味、苦味。果皮の要素は僅かに感じられる程度ですが、タンニンも意外としっかりとあります。
価格的にはお高いのでミラヴァルで十分かなという気もしますが、素晴らしいワインである事は間違いないと思います。
次にキスラーのスタンダードなピノノワール。フラッグシップのキャサリン2010が今ひとつ不調だったので多少警戒していましたが、なかなかどうして良い出来のピノノワールになっています。2012はそう思うとかなり良く出来ているんじゃないかと。
あくまで骨子はカリフォルニアのエキス感を強く出す生産者のスタイル。ブルゴーニュで近しいスタイルだとエキス感と共に花の様な華やかさ、ややシャープな酸、ハーブを伴う赤系果実が前にでるけど、こっちは出汁の様なエキス感がありエレガントでありながら、熟した赤系果実の太い果実味がある。
ブルゴーニュ的な方程式にカリフォルニアのテロワールを当てはめた様な味わいがあります。強めに抽出をしていると思しき2010年に比べるとバランス良くまとまっているヴィンテージだったと思います。ハーブ香も控えめですし。
という意味で2012年のキャスリンもかなり期待出来るんじゃないかと。


【シャンパーニュ:31】お手軽シャンパーニュ3種テイスティング

こんにちは、HKOです。
今日はアンダー6000円のお手軽シャンパーニュ3本を利きます。この3本のうち実に2本はレコルタンマニピュランのもの。
シャンパーニュといえば大手メゾンのものが目立ちますが、単純に地酒という立ち位置でACシャンパーニュを見ると結構お手軽なシャンパーニュも散見できます。
大手メゾンのものは品質が高い代わりに、若干お値段も張りますので、全体的に高額な印象のあるアペラシオンですが、結構探していくと安くて品質の高いシャンパーニュもあるものです。今回は値段がお休めのシャンパーニュです。

【データ】
ミッシェル ゴネはアヴィズに1802年に創業した生産者で、アヴィズ、オジェ、メニル シュール オジェなど6地区に40haに畑を保有者、作付の割合としてはシャルドネ8割、ピノノワール2割となっています。今回のブラン ド ブランはグランクリュのシャルドネ100%で作られたシャンパーニュ。

ペルトワ モリゼは1951年に設立されたドメーヌで現在はドミニク ペルトワがその指揮を取っています。また2002年からは娘のセシルが参画し、徐々に経営を引き継いでいます。栽培、収穫、醸造、熟成は一族で管理されており、全て自社畑(18ha)でのぶどうとなります。平均樹齢は30年となっています。
今回のキュヴェ セレクションはシャルドネは全てメニル シュール オジェを、ピノノワールはコート デ セザンヌを使用。リザーブワインは全体の10%程度を使用したシャンパーニュとなります。瓶熟成20ヶ月、ドザージュ9~10g/l。生産量は2万本です。

アヤラは1860年にアイとマレイユ シュール
アイを取得したことにより設立されたネゴシアンマニピュラン。ボルドーではメドック3級のラ ラギューンを保有しています。
30haの自社畑のほとんどはグランクリュで全生産量の20%となります。購入するぶどうに関してもグランクリュかプルミエクリュのものを購入しています。年間生産量は約90万本。今回のロゼはシャルドネ51% ピノノワール30% ピノムニエ10%のアッセンブラージュ。リザーブワインの比率は9%程度で、マレイユ シュール アイ産ピノノワールを使用しています。瓶内二次醗酵の前に、シャンパーニュ産の赤ワインを少量ブレンドし、瓶熟成を実施します。


【テイスティングコメント】
生産者: ミッシェル ゴネ
銘柄: ブラン ド ブラン グランクリュ NV
品種: シャルドネ100%

6000円
外観はストローイエロー、粘性は中庸。
酸はフレッシュでありながら、やや酸化起因の充実した旨味を感じさせる風味が感じられる。ローストした塩ナッツ、ニンニク、熟したリンゴやレモンなどの果実味、フレッシュハーブやリコリス、わずかなシェリー香が感じられる。
酸味は豊かで、合わせて旨味も充実しておりリンゴのような旨味が感じられる。余韻は意外と長い。


生産者: ペルトワ モリゼ
銘柄: ブリュット キュヴェ セレクション NV
品種: ピノノワール50%、シャルドネ50%

5000円
外観はストローイエロー、粘性は中庸。
こちらも旨味が強いタイプ。ピノノワールに起因するボディの厚みが感じられる。出汁や燻製肉、カリンやレモンなどのやや強い酸味が感じられる果実味。ドライハーブやローストナッツ、シェリーの様な風味が感じられる。
充実した酸味と旨味に起因するボディは極めて力強く、厚みがある。レモンやグレープフルーツなどの柑橘系の余韻が残る。
余韻に関してはメニルらしさが感じられる。


生産者: アヤラ
銘柄: ロゼ マジュール NV
品種: シャルドネ51%、ピノノワール39%、ピノムニエ10%

5000円
外観は淡いピンクで、粘性は低い。
香りはやや弱めだが、アメリカンチェリーや酸味の強いイチゴのような果実味、華やかでスミレの香りがある。瑞々しくミネラリー、リコリスやフレッシュハーブの要素もある。酸味は穏やかで、凝縮感やパワー感はやや不足しているものの、エレガントなしなやかさ、軽やかさがある。
しかしながら、もう一押し欲しい味わいでもある。


【所感】
大手メゾンやレコルタンのスター生産者ほどのインパクトがあるシャンパーニュは無いですが、どれも手堅く纏まっていると思います。(※とはいえクレマン ド リムーやアルザス、ブルゴーニュに対して優位性があるかというと、そうでもないです。)
生産者個別で言うと、まずはミッシェル ゴネ。ブラン ド ブランらしくボディは繊細ですが、結構しっかりとした旨味がある様に感じました。酸化的な熟成に起因する旨味の様な気がしますから、恐らくリザーブワインを潤沢にブレンドしているんじゃないかな、と思います。酸は若々しいと思います。
ベルトワ モリゼは強烈な酸味、旨みが特徴的です。例えるならばエリックロデスの様な旨みの出方(=ピノノワール的)をしている。
これは品種特性の厚みもあるし、リザーブワインによる酸化的な厚みもある様な気がします。ただそこに切り込む様にシャープな酸味がある事もポイントで、恐らくメニル シュール オジェのシャルドネに起因するものではないかと思います。酸の切れ味の鋭さが全体を纏めている印象。酸味が強い料理にも競りあえるくらいのパワフルさがありますね。
最後にアヤラのロゼ マジュール。
この中だと群を抜いて繊細なシャンパーニュで、ともすれば力不足の印象が拭えないのですが、赤系果実の穏やかな果実味や花の香りは決して悪くはないですし、瑞々しく、ミネラリー。これはこれで楽しめるシャンパーニュになっています。酸や旨み、香りの立ち方は不十分にも思えますが、値段相応かもしれません。(逆にこの値段でロゼ シャンパーニュを飲める事自体凄いと思います...)
感動を呼び起こす様なシャンパーニュはありませんでしたが、どれも手堅く値段なりのらしいシャンパーニュを作っていると思いました。





【シャンパーニュ: 30】グランメゾンシャンパーニュ2種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はグランメゾンのシャンパーニュ2種類です。アンリオのブリュット ヴィンテージ、ポール ロジェのサー ウィンストン チャーチルとなります。


【データ】
アンリオは1808年から200年以上続く老舗メゾン。現在の当主はシャルル エドシック、ヴーヴ クリコの社長も務めたジョゼフ アンリオ氏、実務は次期当主トマ アンリオ氏が中心となり運営しています。
27haの自社畑を所有。アンリオのシャンパーニュはほぼプルミエクリュ、グランクリュで生産されており、シャルドネはコート デ ブランのグラン クリュ、ピノ ノワールはモンターニュ ド ランスのグラン クリュを使用しています。
収穫したぶどうは、区画毎に別々に圧搾、発酵。オリと触れ合った状態で72ヶ月瓶熟成。ドサージュは10g/l以下で出荷される。

ポールロジェはエペルネに本拠地を置くグランメゾンで、エペルネとコート デ ブランに87haの自社畑を保有、モンターニュ ド ランス、ヴァレ ド ラ マルヌ、コート デ ブランのグラン クリュとプルミエ クリュ、合計20の小区画の葡萄を使用。 フラッグシップのサーウィンストンチャーチルはすべて特級のシャルドネとピノノワールを使用している。
単一年のヴァン ド キュヴェのみを使用、清澄後、温度管理を行いながらステンレスタンクにて発酵。地下セラーで最低7年間熟成、その間手作業でのルミアージュを実施。ドザージュは8g/l。一時保管の後、出荷される。



【テイスティングコメント】
生産者: アンリオ
銘柄: ブリュット ミレジメ 2003
品種: シャルドネ52%、ピノノワール48%

10000円、WA92pt(2005)
外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
甘露で旨味に満ちた味わいながら、グランメゾンとしては極めて平均的なヴィンテージシャンパーニュ。
白い花やミネラルを感じさせる華やかな味わいで、ネクタリンやリンゴの様な酸味を帯びた果実味、焼き栗の様な甘露なアロマが中心となって、ハチミツ、フレッシュハーブやバター、カシューナッツの要素。若々しい印象を受ける。
酸は穏やかだが、極めて旨味は充実していて熟したリンゴを頬張った様な瑞々しい旨味が余韻として残っていく。


生産者: ポール ロジェ
銘柄: キュヴェ サー ウィンストン チャーチル 2000
品種: ピノ ノワール50%、シャルドネ50%

20000円、WA94pt
外観は濃いストローイエローで粘性は中庸。
熟成期間は長いものの、旨味と酸味が充実した、極めて強い若々しさを感じさせるシャンパーニュ。クリスピーで繊細なシャルドネの要素と厚みのあるボディのピノノワールをやはり感じさせる。
ミネラル感は柔らかく、どちらかといえば豊満なスタイルのシャンパーニュで、熟したリンゴやカリンのシロップの様な果実味。ミルクポーションや焼き栗、バターやナッツ、キノコやフレッシュハーブ、そしてハチミツの様なアロマが感じられる。
口に含むと酸の力強さと生き生きとした泡に驚かされるが、クリスピーな樽と果実味が余韻でわずかに結合し、飲み頃を感じさせてくれる。あと数年で最も良い状態になりそうな気がする。


【所感】
どちらもいいですね。アンリオは平均的だと書きましたが、さすがに良いシャンパーニュだと思います。どちらも一貫してしっかりと果実味があり程よい熟成感がありますね。
そしてピノノワール起因の旨味もしっかりとある。繊細なブラン ド ブランとはまた違った味わいが感じられます。
サー ウィンストンチャーチルに関してはブラン ド ブランの様な極端な甘露さはないのですが、熟した核種系果実の様な旨味があり、かつ焼き栗の様な甘露さ、バターやナッツの要素が感じられる、比較的豊満なスタイルだと思います。ただポッテリと重いタイプではなく、イキイキとした酸味があり、かなりバランスが取れているように感じました。
飲み頃まではあと10年くらいは熟成すると思います。やや切れ味鋭くシャープにしたクリスタルといった感じでしょうか。
アンリオはスタンダードなミレジムシャンパーニュといった感じでしょうか。
こちらも旨味と甘露さが同居する味わいのシャンパーニュとなっています。ただウィンストンチャーチルと比べるとやや小ぶりで酸も穏やかです。若々しくまだ熟成の余地はありますが、これからの可能性で言えば、ピークに大輪の花を咲かせる様なシャンパーニュではないのかな、と思います。
方向性としては似た系統で、あくまでスタンダードなスタイルを貫いていると思います。


【ブルゴーニュ: 68】レ ザムルース3種類テイスティング

こんにちは、HKOです。
ここ数ヶ月はスペインやシャンパーニュ、新世界の記事がやたらと増えましたが、たまにはブルゴーニュで。
しかし暫くブルゴーニュのピノノワールから離れてみて思うのが、本当にブルゴーニュのピノノワールって比類無くエレガントだなあ、と思いました。
今回のテーマがレ ザムルーズというのもあるけど...

というわけで、今回はシャンボールミュジニー村最高の1級畑レザムルース3種類をテイスティングしました。


【データ】
ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。現在はしっかりとラルディエールのエッセンスを受け継いだフレデリック バルニエが醸造を行っています。

ロベール グロフィエはモレ サン ドニに拠点を置くシャンボールミュジニーのトップ生産者の一人。レ ザムルーズ最大の所有者。現在はセルジュ グロフィエ、ニコラ グロフィエが指揮を取っている。フラッグシップはシャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌマール、1級レ ザムルーズ。
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽率は村名20%、アムルーズ40%、ボンヌマール60%で、13ヶ月程度のフランソワフレール製の樽で熟成を行う。

ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。栽培責任者はエリック ブルゴーニュ、醸造責任者はフランソワ ミレが担当しています。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。
収穫したブドウは100%破砕除梗。低温浸漬は行わない。木の発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は村名15%、特級で30%。
なお、ミュジニー畑に植わっている25年未満の若木に関しては、赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしており、このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。
今回は0.5haの1級畑レ ザムルースです。


【テイスティングコメント】
生産者: メゾン ルイ ジャド
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2008

約40000円、WA92pt
やや熟成した旨味が前面でており、かつ甘露で丸みのあるアムルーズ。
外観は中庸なルビー、粘性は中庸。
旨味を感じさせる風味がメインで、充実した鉄分(燻製肉の様な)やスミレの花の要素、そしてダークチェリーやブルーベリーの様な果実味、溶剤や茎の様な要素、クローヴやリコリス、樹皮の様な自然な要素が感じられる。
わずかにトースティーな要素も感じられる。
極めて酸味と旨味は充実しており、またタンニンもこの中では比較的強く感じられる。このレザムルースもジャドらしい溶剤やスミレの余韻を残していくのが特徴的だ。とはいえ適度に力強いワインを作り出すジャドにおいて群を抜いてエレガントてあることは間違いない。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2011

約41000円、WA93pt(2009)
エレガント、ちょっもDRCみたいな雰囲気を醸し出している。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
オレンジや鉄分などの要素に、華やかなスミレやハーブの香り、瑞々しいイチゴやラズベリーの様な果実味がある。ミルクティーや樹皮、クローヴや花の蜜の様な溌剌とした甘露さが内包されている。青い葉やタイム、軽くローストした木材の香りと華やかな果実の風味が結合し広がっていく。
酸味とタンニンはかなり穏やかで、非常に軽やかなシルクの様なタッチ。ミルクティーとラズベリーの果実味の余韻を残していく。


生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: 銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2011

約73000円、WA94-96pt(2010)
エレガントだが極めて凝縮感のあるエネルギーに満ち溢れた香り。
外観は輝きのある赤みの強いルビー、粘性は中庸。スミレや薔薇のエキスが凝縮した香水みたいな華やかさ、ミルクティーのまろやかさ、ブルーベリーやブラックカラントの様な凝縮感を感じる果実味。なめし革、枯葉、クローヴやナツメグの様な要素もある。たまにワッフルの様な香ばしい甘露さも感じられる。徐々にキャンディ香に帰結する。そのキャンディの甘露さ、凝縮度は非常に高いが、華やかな印象は一切崩れていない。
酸が際立っているが極めて滑らか。タンニンはシルキーでほぼ感じられない。さも実態を持たないかの様な軽やかさで、旨味とキャンディ香が同居し、クランベリーとミルクティーの様な余韻を残していく。


【所感】
前提として。
レザムルースといえば特級畑ミュジニーに隣接するヴージョ寄りの5.4haの1級畑です。コンブラシアン石灰岩が母岩となっており、その下には魚卵状石灰岩がある。表土が薄く小石が多い。その為水はけも良く石灰地質の影響を強く出やすいテロワールです。
肉付きの良いモレ側の1級畑とは異なり、よりソリッドなミネラル感と軽やかさと並存する凝縮感が現れるするスタイルになります。

今回は生産者とヴィンテージが異なります。

・ルイ ジャド 2007年
100%除梗を行ない、低温浸漬、発酵温度管理、ルモンタージュも行わない。オーク新樽比率は最大で50%程度。

・ロベール グロフィエ 2011年
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽比率は40%で13ヶ月熟成。

・コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
100%除梗。低温浸漬は行わない。木製発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は30%で12ヶ月熟成。

グロフィエだけ低温浸漬してますね。
新樽比率はどの生産者も低めに抑えています。
故あってどれも瑞々しいのですが、併せて低温浸漬なしであるものの華やかさがあり、一貫してミネラルによって引き締まった感じがあります。またタンニンも柔らかだとおもいます。
ヴォギュエはその中でも突出して華やかで凝縮感があり、グロフィエは瑞々しく華やか、軽やかで新樽のニュアンスが比較的出ています。ルイジャドはやや熟成を経ているからか、旨味を感じさせる要素が強く、それでいて華やかなスミレの要素を強く感じさせます。
この中だとヴォギュエとルイジャドの酸が強く、グロフィエがその点柔らかですね。
どのワインも比較的生産者のスタイルがはっきりと出ています。
例えばヴォギュエであればミュジニーやシャンボールミュジニー プルミエクリュのスタイルにやはり似ていますし(ボンヌマールは全く別のワインとして捉えて良いと思います)、グロフィエであればクロ ド ベーズも同一の方向性であるように感じます。
勿論生産者のテロワール別の比較であれば違いは明白なのですが、生産者の違いから見ると、あくまで同一の方向性を見ている、というのが良くわかります。
ジャドもそうですね。クロ ド ラ ロッシュと同一のスタイルだと思います。
ただ先述した様にどれも瑞々しく華やかでミネラルによって引き締まっている共通点があり、これは生産者ごとのテロワールの比較でも明白になっています。
レザムルースとはどの様な畑なのか。
生産者ごとの別テロワールの比較、生産者違いの同一テロワールの比較によって明らかになったと思います。




【スペイン:7】酒精強化集中テイスティング シェリー編

こんにちは、HKOです。
今回はフォーティファイドワイン、シェリーを集中的に飲んでみました。
フォーティファイドワインは実はさらっとしか飲んでいなくて、弱点とも言える部分なのですが、ちょっとこれから勉強していこうと思っています。
マデイラやポートなど、ちゃんと抑えないといけない部分だと思うので。

ではいってみましょう。
生産者はボデガス ヒダルゴ、バルバディージョ、サンデマンをタイプ違いで飲んでみます。


【テイスティングコメント】
生産者: ボデカス ヒダルゴ
銘柄: ラ ヒターナ マンサニージャ

外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
塩を振ったカシューナッツ、醤油、イーストの酸化のニュアンス。焼きホタテの様なアロマがある。最もトースティーなアロマが強い。
充実した旨味と酸味があるが、基本的にはボディは軽め。この中だと最も軽やかなシェリー。


生産者: アントニオ バルバディージョ
銘柄: ドライ オロロソ

外観は濃い茶色、粘性はやや高め。
ロースト香が極めて強く前面に出ている。
キャラメルやコーヒーリキュール、干した葡萄の果実味、イースト香がある。香りは甘やかだが、実際の残糖感はほぼない。
ボディは豊かで、その分酸は落ち着いている。コーヒーリキュールの余韻が残る。


生産者: サンデマン
銘柄: ミディアム ドライ

外観は明るめの茶色で粘性は中庸。
香りのロースト感は穏やかで、どちらかというとドライシェリーに近い香りを感じる。
醤油やナッツの香りとともにドライプルーンの様な果実味がある。
やや残糖が感じられるが、非常に骨子に力強い旨味がある。干した葡萄の果実味とナッツの様な余韻が残る。カビネットと同じ位の甘さか。ボディは力強い。


生産者: アントニオ バルバディージョ
銘柄: ペドロ ヒメネス

外観は黒に近い濃い茶色で、ボディは力強い。
極めて濃厚な干しぶどうやドライプルーンのアロマ。香りとしてはイタリアの土着品種に近い。鉄分や果皮のアロマ、シナモン、樽香はあまり感じられない。とにかく濃厚で糖度の高さが際立つ。糖度としてはTBA,、トカイ、ソーテルヌを超える糖度かある様に感じる。酸もあるが、糖度の厚みの方が気になる。


さて、ここでシェリーについてちょっとおさらいです。


【シェリーのおさらい】
◼︎生産地
スペイン アンダルシア地方 カディス県で作られる酒精強化ワイン。
※ワインと同様の原産地呼称制度(デノミナシオン デ オリヘン)の適用範囲内。

◼︎基本的なぶどう品種
パロミノ、モスカテル、ペドロ ヒメネス

◼︎醸造等による分類
・辛口(ビノ ヘネロソ)
熟成によって「フィノ」か「オロロソ」に大別。
フィノ…酒精強化時にフロールの成育限界(アルコール度数18%)を超えないように調整。フロールを残したまま熟成。
生産地域はヘレス デ ラ フロンテーラ、エル プエルト デ サンタ マリア。

マンサニージャ…酒精強化時にフロールの成育限界(アルコール度数18%)を超えないように調整。フロールを残したまま熟成。
生産地域はサンルーカル デ バラメーダ。

オロロソ…酒精強化時にフロールの成育限界(アルコール度数18%)を超える様に調整。フロールを残さず酸化熟成。樽と直接接触。

アモンティリャード…
フィノとして途中までフロールを残したまま熟成し、途中からアルコール添加しオロロソと同様の熟成を行う。

・甘口(ビノ ドゥルセ ナトゥラル)
品種(「モスカテル」「ベドロヒメネス」)によって大別。天日干しをしたぶどうで発酵、アルコール添加によって酒精強化。

・混合(ビノ ヘネロソ デ リコール)
ミディアム→ アモンティリャード+ペドロ・ヒメネス
クリーム→ オロロソ+ペドロ ヒメネス
ペールクリーム→ フィノ+MCR(濃縮葡萄果汁)

◼︎熟成
ソレラシステムを使用する。熟成期間は3年以上。
最終出荷樽:ソレラ
熟成途上樽:クリアデラ


【所感】
上記の醸造分類によってかなり味わいが違うのが印象的でした。
例えばマンサニージャであれば、かなりライトボディでドライ、スティルワインの熟成古酒に見られる塩ナッツや醤油の様なニュアンスが感じられます。
オロロソはそれに比べると、樽のロースト香と甘い果実の香りを感じることが出来ます。マンサニージャほど軽くはないですが、こちらも味わいはドライだと思います。
いわゆるドライシェリーのスパイシーさはあまりなく、どちらかというとニューワールドの過熟したシャルドネの様な味わいでした。スティルワインファンにはオロロソの方が入りやすいかもしれません。フロールの膜が無いので、より樽の影響が強く感じられるかも。
次にペドロ ヒメネス。
こちらは甘口なので先述のドライシェリーとは全く異なっています。
アルコール度数は19.5%と極めて高く、それでいて糖度が群を抜いて高い。ちょっと飲み物としては常識外の濃さと甘みがある。
トロッケンベーレンアウスレーゼやソーテルヌ、トカイのある種の清廉さ、クリアさとは程遠い濃いぶどう汁を飲んでいる感じだ。
個人的にはアルコール度数も高く、なかなか飲みきるのはしんどかった。
ミディアムは極めてバランスが良かったと思います。アモンティリャードとペドロヒメネスのアッセンブラージュ。
香りはフィノやマンサニージャの様にドライですが、ほのかに残糖が乗る感じは最もバランスが取れているんじゃないかな、と思います。だいたいカビネットと同じ位の残糖分なのかな。
食後酒に飲むのはこれくらいがちょうどいいかな、と。ペドロヒメネスはちょっと濃すぎるので。

ワインファンなのであれば、この中だとオロロソが一番親和性が高いかもしれませんね。
基本的にはブドウの醸造酒なので、同じ方程式で考えられてわかりやすいですね。
とはいえ、分類は面倒ですが。

生産者ごとの差異はまだまだ先ですね。
地道に勉強していこうと思います。






グルメコミックコンベンション4 一般参加レポート



こんにちは、HKOです。
今回もグルメコミックコンベンションに参加してきました。
会場は前回の日本武道館横ではなく、若干規模を拡大してサンシャインホール文化会館D1ホールです。
大学時代はよく来ていた場所ですが、会社員になってめっきりとご無沙汰の場所でした。



■気づいたこと箇条書き
・17スペースから70スペースに大幅拡大、参加者は見た感じ3倍増くらい。
・っていうのもあり会場にかなり手狭感あり。前回が余裕すぎたというのもあるが。
・キッチン側スペースと真ん中列の通路が非常に狭く、前回と同様角打ち感覚でサークルさんとお話してると通路が塞がり結構周りの迷惑になってしまう。
・前回はゆっくりとサークルさんとコミュニケーションが取れたが、今回はそう言った理由もあり基本的には本と振る舞い酒を渡して終わり、といった感じ。
・キッチン使用のサークルさん達が必至で料理を調達するが、集客のペースが速すぎて追いつかず、待ちが発生した際にちょっと混乱が起こった。
・ただ基本的には想定以上の集客によるもので、サークルさんもスタッフさんも必死で良い環境を作ろうとしてくれていた。
・そのおかげで我々一般参加者も大変楽しくイベントを過ごせたと思う。


■会場まで
サンシャインシティと言っても、実際に会場になっているのは奥のほうにある文化会館という所。
11:00くらいについたものの、文化会館なのかワールドインポートマートなのかわからずちょっと迷ってしまった。
4Fのワールドインポートマートで催されているタイガー&バニー展を横目に見ながら奥に進み、2Fまで潜る。
ようやく会場に到着だ。


・・・待機列がディズニーランドみたいになってる。
前回の2列数メートルの列ではなく、折り返しを何回もしていた。
カタログ代は1000円、年齢認証バンドが500円。後者は前回はなかったが、ごみ処理やキッチン調達等でコストが嵩んだため追加になったとのこと。
まったくもって納得できる理由だと思う。逆に今まで1000円でやれていたのは結構すごいことなのかもしれない。
やや遅れて開場。あいかわらずいい匂いのする会場だった。



■開場後

ホンノキモチヤさんとこもれびのーとさんは前回同様長蛇の列が。
それに加えて、前回やや控えめだったほかの料理スペースさんにかなりの列ができる。例えばてふや食堂さんなんかはなかなかすごい列で、最初は近づくことさえ出来なかった。
基本的には(例えば貴重な銘柄が出る試飲会のような)特に焦るようなイベントではないので比較的落ち着いているサークルさんから攻めていく。


まずは「標本製麺」さん。

異様に力のこもった鋳物の家庭用製麺機のグラビア(?)&レシピ本を購入。
強烈な製麺機へのこだわりと、いちいちカッコよく映した写真にイカしたキャプションが面白い。スープのレシピも大変参考になりそう。
マジでキャプションがイカしているので、是非ご覧になられては如何か。

自慢の自家製麺はモチモチスベスベしていて大変美味しかった。ツルツルといった感じではない。ちゃんと麺に味がある。堪能しました。


次に「うどん会」さん
前回うどんと共に懐かしの文化フライ本を出しておられたが、今回はいもフライだそう。
ちなみに私はあまりうどんは好みではないので、そちらはパスをした。
たんけん いもフライは文化フライ同様レトロなイラストで描かれた解説本。レシピも載っていて参考になった。

いもフライはいもを揚げたもの以外のなにものでもないな・・・当たり前の様においしいんだけど。不味いわけないよね、これ。



■お酒解禁
11:30からお酒解禁になった。会場から大きな拍手が起こる。
うむ、なるほど、みんなこの為に来ているようなもんだよね。僕もです。
続々と今まで息を潜めていたお酒系サークルさんが活気づいてくる。
次に伺った「2015年紀解読委員会」さんもそんなサークルさんの一つ。
個人的にワインの延長で日本酒の古酒について非常に興味深く当ブログでも一部取り扱っているのだけど、今回購入した「日本酒古酒長期熟成酒への誘い」という本はストレートに日本酒から古酒に迫っているのがとても興味深かった。
ご自身の経験から、楽しみ方や古酒を取り巻く環境、肴とのマリアージュ、購入方法などが書かれていて大変参考になりました。

頂いたのは平成9年醸造の「純米大吟醸 甕貯蔵酒 榮一 BY09」。17年熟成。
瓶詰直後の日本酒と比べると色がかなり黄金を帯びており、味醂の様な熟成起因の風味がしっかりと感じられました。ただ熟成が甕なので、ボディは柔らかく、比較的クリアな味わいだったと思います。

サークル主催さんの興が乗ったのか、「華鳩 貴醸酒 8年」を文明堂のカステラに併せたものも頂けた。


カステラのカラメルのトースティーな風味に貴醸酒のアルコール感、古酒の深い風味がマリアージュし、まるで熟成したブランデーをかけた様な大人の味わいになっていた。
素晴らしい、今度自分でも試してみよう。


と、ここで準備会からのアナウンスで生ハム切り落としが始まった様子。
生ハムを切り落とす即売会って・・・なにそれこわいでもビクビクン。




■さらに周っていく。
カタログを見ていてとても気になっていたのが「かりふぉるにあろーる」さん。
なんでかっていうと、遺産相続した金を高級寿司に全額投資するという、とてつもなく罰当たりなコンセプトの本にとても惹かれたから。そして個人的にも寿司が好きで(というか嫌いなひとはいないと思うが)名店の雰囲気をレビュワーからではなく、素人の視点で書かれたものを読んでみたかったから。かなり内容が充実していたのでまだすべて読めてないのだけども、マジで名店ばっかだな・・・
価格帯を見るとひとり頭20000~30000円と妥当な金額かな、と思ったんですが、フレンチでもそんな店はそうそうないですね。何をもって妥当と思ったんだろうか・・・
そして本を買ったら何故かプレミアム焼酎を頂いてしまった。「魔王」と「村尾」があり、これもおばあちゃんの遺産から出ているかもしれないという事を考えると涙が止まりません。

「村尾」、確かに美味しかったような気がしますが、あんまり焼酎はわかんないので何ともいえませんです。
プレミアム焼酎や日本酒に定価の数倍は払えませんが、ルーミエのミュジニーなら言い値で買おうじゃないか。


次に「てふや食堂」さんへ。
前回は自作コンビーフの本でしたが、今回は自家製麺の特集でした。
自家製麺の製作工程などはとても面白かったですが、パスタマシンなんて普通の家には無いのですが話の種にはなりそうです。
しかし、このサークルさんの本のデザインと写真の撮り方、うまいですね・・・
コンセプトに合わせ、こちらも自家製麺を使った汁なし坦々麺を頂きました。

お隣の「標本製麺」さん同様モチモチとした食感がとても自家製っぽく、辛味の効いたパンチのある味わいがとても良くてボリュームがあり、大変美味しく頂けました。
ジャンキーですが、やっぱりこういうのは文句なしに美味いですよね。
また私の隣にいた男子3名、女性1名のグループで坦々麺をシェアしており、男子3名が女子をチヤホヤしていたのを見て「オタサーの姫とはいったい何なのか」というのを理解することができました。
ああいうのもきっと愛のかたちなんでしょうね、頑張りたまえ若人よ。


次に「テンタイ→カンソク」さん「版元ひとり」さんで孤独のグルメ二次創作、そして角打ち本を購入。
「七味唐辛子」さんのマグロの頬肉が気になりながらも、見込みが立たなさそうなので、スルー。


バーレイワインを取り扱っている「福交感神経」さんへ。
ワインと聞いては黙っていられないHKOですから、当然寄るわけですが、バーレイワインってビールなのね・・・
「ああ、なるほどなるほど、テキストにも出てこないし、そんなワインないよねー」と納得しながら、折角なので1部本を頂いた。
ニッチなビールのスタイルのうちの一つで、アルコール度数はワイン並、瓶内二次発酵、ミレジムと「おおなるほど、確かにワインに近いかも」と思った。
というのも酵母香というかワインでいうビオっぽいニュアンスがどこかあって、かつ単一収穫年と。
基本的に麦は一度デンプンを糖に変えて発酵させますから年ごとの作柄の差(例えば年によって糖度が違うなど)の要因は無いと思います。
しかしあえてヴィンテージを表記するのは熟成を考慮においているからなんでしょうかね。

「呉ビール バーレイワイン」と「ロコビア一周年 2013ヴィンテージ)を飲みましたが、両方ともクラフトを基本にしてより香り高く作っている様な印象を受けました。

バーレイワインを味わっている頃、準備会が振る舞い酒を始めた様です。
前回のグルコミでもなかなか良いお酒が出ていたので結構楽しみ。


「怪楽集団」のかかしさんの所に。
以前より日本酒会でたまにお世話になっており、大変見識の深い方なのですが、今回はサークル参加をしていらっしゃって、ちょっと寄ってみました。
日本酒の素晴らしい解説書を購入し、また、振る舞い酒として「まんさくの花 純米吟醸 生原酒 二十五酒造年度 七号仕込み」を出していらっしゃいました。
ここでやっぱりすげえなぁと思うのが「まんさくの花 純米吟醸 生原酒 二十五酒造年度 七号仕込み」なんだけど、「荒走り」「中汲み」「責め取り」の3種類の水平テイスティングになっていて、かなり勉強になりました。

荒走りは酸が強く、責め取りは旨みに厚みがある、フルボディ的な味わいです。中汲みはちょうどその中間でしょうか。
正直あまりここらへんの圧搾濾過の工程はあまり気にしたことはなかったんですが、かなり違いが出ますね。ちょっと驚きました。


■終わりに
実は嫁との待ち合わせがあり、撤収しなければいけない時間になってしまった。
この後は「孤独のグルメ」「花のずぼら飯」「野武士のグルメ」の久住先生のトークショー、ライブがあり、とても興味があったのですが、後ろ髪を引かれる思いで帰宅・・・
・・・の前にせめて準備会の振る舞い酒だけでも飲んでいこうと事務局に立ち寄る。


昼前に配布が始まっていた生ハムは既に無残な姿と化していた。
あなおそろしや。


振る舞い酒は「久保田 萬寿 純米大吟醸」。ベタではありますが、なかなか飲める酒ではないので・・・

純吟らしいシャープさというより、クリアさを残しつつ極めて丸みを感じさせる良い日本酒でございました。終わりとしては上々だな、と思い退場。


今まで以上に混んでいたり、混乱はあったものの、全員参加型のとても良いイベントだったと思います。
これだけの規模になり、かつイレギュラーな運用を要求されるイベントを主催されるのは大変骨が折れると思います。
スタッフやサークルの皆様の準備や対応には本当に頭の下がる思いでございます。

飲食というイベントの性質上、極めて危うく、モラルの欠如&衛生環境の維持ができなかった場合、いとも簡単に壊れてしまうイベントなので、みんなで大切にしていければ、と思います。(一般参加ですけども。)



以上、レポっす!

【シャンパーニュ:29】期待のRMパスカルドケ、老舗メゾン アンリジローのスティルワインを利く

こんにちは、HKOです。
本日はアンリジローのスティルワインとパスカルドケのメニルの2本です。
共に大変素晴らしい点があり、一歩及ばない点もあり、まあ一長一短だったのですが、押し並べてみると、さすがグランメゾン、さすが期待の新星といった感じでした。
なるほど完成度が上がると大変なことになりそうなワインばかりでした。

【データ】
アンリ ジローはアイ村に拠点を置くネゴシアンマニピュラン。フランソワ エマールによって1625年設立されました。
以前から非常に高い評価を受けていたNMですが、ここのところ日本向けにも解禁されたようで、たまに見かけるようになりました。
フラッグシップはこのアルゴンヌとフュ ド シェーヌ。共に単一ヴィンテージとなります。(噂ではフュ ド シェーヌは単一からMVになり、2002年以降のミレジメはすべてアルゴンヌになるとか)
アイ村で産出されたブドウは完熟するのを待って全て手摘みし、果汁の圧搾後は低温浸透法が行われ、清澄されて瓶詰めされる。瓶内発酵時に生じた澱は手作業でが取り除かれます。アルゴンヌ産木樽12ヶ月熟成+6年瓶内熟成。今回のコトーシャンプノワはアイ村のシャルドネ100%のスティルワイン。世界で1260本の貴重な1本です。

パスカル ドケはコート デ ブラン南部ヴェルチュ村に拠点を置くレコルタンマニピュラン。栽培はビオロジックを実践しており、天然酵母で発酵(30%は樽で発酵)、シュールリーで熟成をしています。マロラクティック発酵は実施していません。
今回は先代からの代替わりの年に生産されたミレジム1995です。


【テイスティングコメント】
生産者: アンリ ジロー
銘柄: コトー シャンプノワ グランクリュ アイ ブラン 2007
品種: シャルドネ100%

約15000円
ほぼ完璧なシャルドネで、熟成したブラン ド ブランに近いクリームブリュレの様な雰囲気を感じる。2007年にして樽と果実味が溶け込んでいる感じだ。
香りに関してはほぼ完璧で傑出したバニラや焦がしバターの風味や熟度の高い洋梨やライムの様なシロップを感じさせる甘い香り、ドライハーブやヘーゼルナッツ、白い花のアロマが渾然一体となって立ち上がる。
極めてクリスピーな樽使いと熟した果実を感じさせる香りはドメーヌ ド シュヴァリエやっぽくも見える。ミネラル感も充実している。
しかし香りは凄まじいが、口に含むと酸とボディの緩さが若干気になる。やや水っぽく、バニラやナッツ、ライムやシトラスの様な余韻を残していく。口当たりの部分だけ残念だが、香りは凄まじいと思う。


生産者: パスカル ドケ
銘柄: グランクリュ メニル シュール オジェ 1995
品種: シャルドネ100%

13000円、WA94pt
外観は明るいストローイエロー、粘性は中庸。
熟成によるものかミネラル感は柔らかく、バニラ、花の蜜の様な甘露さが感じられる。果実味はどちらかというと充実した旨みが前に出ており、順当に熟成したシャンパーニュに発現する、リンゴや洋梨の豊かな果実味。
そして清涼感のある白檀や白い花、そしてカマンベールチーズ、わずかにナッツ、ハチミツなどの要素が感じられる。突出した甘露さは無いものの、目の細かい高密度に凝縮した果実味が感じられる。熟成感ははっきりと出ており、酸味は豊かできめ細やか。リンゴの旨みと酸味があり、アフターは綺麗に広がっていく。


【所感】
まずはアンリジローのコトーシャンプノワ。
香りが凄まじい。ほぼ完璧な形のブラン ド ブラン、あるいは完熟したシャルドネが樽と融合した際に現れる最高の状態の香りを放っている。もともとシャンパーニュの中でも良く熟すテロワールなので、さも当然か。素晴らしい。
...と思ったのですが、どうにも香りから想起されるボディの厚みと官能的な余韻がどうにも薄い。アルコール度数は常識的な範囲ですが、コート ド ボーヌのシャルドネと比べても酸に今ひとつ力強さを感じない。
香りで大いに期待していただけに、ちょっと不足感が感じられるものとなっています。
アンリジローのアルゴンヌやフュ ド シェーヌはシャンパーニュの中でも力強いボディを持っているのですが...
香りはすでに完全な状態にあると思うので、もう少し若いヴィンテージであれば、もっとバランスが取れてくるのかなと思います。
パスカルドケのミレジムはまだまだ熟成の余地はありそうです。
ミネラルはやや穏やかになっていると思いますが、酸は充実。
豊かな甘露さがあるタイプのブラン ド ブランでは無いのですが、充実した旨味があり、凝縮感があると思います。
酸味は力強いですが、きめ細やかで、これといったスキは無い素晴らしいシャンパーニュになっていると思います。メニルらしいシャープさがあるワインだと思います。樽はやや分離感はあるのですが、単純にそういう作りである、というだけだと思います。
どちらかというと、やはりパスカル ドケですね。スパークリングとスティルの違いはありますが...ほぼ同一の価格帯であればこちらかも。
アンリジローの方は酸を発泡で補っている部分はありそうですね。

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR