【ブルゴーニュ: 75】2011年 ドメーヌ ルロワの村名ジュヴレシャンベルタンと JFミュニエの特級ミュジニー

こんにちは、HKOです。
本日はドメーヌ ルロワの村名ジュヴレ シャンベルタンとジャック フレデリック ミュニエの特級ミュジニーです。
ピノノワール最高峰の生産者の村名、そしてシャンボールミュジニー最上の生産者が作るブルゴーニュ随一の特級畑、畑のクラスは違いますが、どちらも極めて偉大なワインに仕上がっています。


【データ】
ドメーヌ ルロワは、マダムルロワ自身の哲学が全て詰め込まれた自社畑で作られるプレステージライン。例え下位アペラシオン...例えば広域名称ワインですら、ルロワが全力を傾け、驚異的な品質を実現しています。しかしながらメゾンに比べると圧倒的にに値段は高く、希少性も非常に高いことで知られています。目印は赤いキャップシール。髙島屋と分割所有しています。
元々の畑の所有者はシャルルノエラ、ドメーヌ レミのもの。
栽培は勿論厳格なビオディナミによって行われます。除草剤、殺虫剤、合成肥料、その他科学的処置は行われておらず。伝統的な方法で瓶詰めされます。無濾過、無清張。新樽率は100%。
超低収量で木1本あたり4房、1haあたり16ヘクトリットル。不良果以外を取り除いたのみで除梗はしません。

ジャック フレデリック ミュニエは19世紀後半にその大本となるドメーヌが設立されましたが、実際に本格的にワイン作りが行われるようになったのは1985年から。現在はシャンボールミュジニートップクラスの名手となっています。指揮は5代目のフレデリック ミュニエ。
ミュジニーは2カ所1.13ha、ボンヌマールはテールルージュ、テールブランシュ5カ所に0.36ha保有しています。
ぼぼ有機農法、グリーンハーヴェストによって収量を制限した栽培がおこなわれる。選果は収穫時に入念に行われ、除梗機で100%除梗は行われる。発酵前に2、3日低温浸漬を行なわれ、徐々に温度を上げ自然に発酵を行なうが、必要によってシャプタリザシオンも行う。発酵は18日間。新樽比率はミュジニー、ボンヌマールは20−25%で24ヶ月熟成を経て無濾過、無清澄で瓶詰めされます。
個人的に凄い好きな生産者で(ヴォギュエより好き)毎年楽しみにしています。2011年はどうでしょうか。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン 2011

54000円
外観は澄んだルビー、粘性は低い。
恐ろしい程の凝縮感があり、予想以上にトースティー。焼いたゴムや乾いた土、樹皮、タバコの様な要素が感じられる。
とにかく複雑。茎やタイム、クローヴなどの青いハーブやスパイスもあれば、瑞々しいブルーベリーやダークチェリーの要素、そしてオレンジピールの様な爽やかさ、スミレの様な華やかさ、ローズウッド、燻製肉やなめし革の様な要素など多種多様な要素が渾然一体となってグラスから溢れ出る。これが村名の複雑さか。しかも香りの立ち方も強靭でぶれがない。時間を於いてもバランスがほぼ崩れない。堅牢さ。
酸とタンニンは極めて強く、かつ凝縮感に充ち満ちている。複雑な香りが口内に広がる。外に現れている香り同様の複雑な香りが口内に広がり、長い余韻が残す。茎とともに野性的な要素とトースティーな要素も感じられる。素晴らしい。ただ熟成の後恐ろしい味わいになることは目に見えているから、それだけに複雑な気持ちになる。


生産者: ジャック フレデリック ミュニエ
銘柄: ミュジニー グランクリュ 2011

75000円、WA95pt
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
果実味は豊かで、かつどこか堅牢さがある。
シャンボールミュジニーとしてはパワフルだが、2010年のミュジニーと近い印象でしっかりとミュジニーらしさが表出している。
凝縮したアメリカンチェリーやラズベリーの様な甘露な果実味(ジャミーではない)の中にミネラル感。シロップやミルクティー、そしてコーヒーの様な樽香が感じられる。ややキャンディ香的な部分が出ている。スミレや果皮の要素も感じられる。クローヴやスーボワなどのハーブ、なめし革や燻製の様な香り、シナモン、炭焼きなどの要素が感じられる。
酸とタンニンは柔らかいが、一線引き締まったミネラル感がある。シャンボールらしい青いクローヴやスーボワなどの要素とミルクティーや樽の要素の余韻が感じられる。
やはりミュジニーとしては突出したミネラルがある。


【所感】
ルロワのジュヴレ シャンベルタンは正直かなり衝撃でした。これが村名? 凝縮感が世間一般の特級並みなんですけど。
村名でもそれだけ力を入れてるって事なんですかね...
村名クラスでもしっかりとした樽香があって、黒系の果実味がエキス感になって、とても綺麗に出ている。
それだけではなく、果皮の華やかさやハーブの様な香り、野性味が渾然一体となって立ち上がっている。
これだけ複雑な要素を包含しているのに、筋肉質かつ堅牢さがあり、グラスのなかでもそうそうダレる事がない。例えるならば完全な球体。ジュヴレシャンベルタンらしさが強く感じられる。恐ろしいワイン。
だからこそ、ここで飲んでしまうことに対して多くの人が後悔するんじゃないだろうか。例え若いヴィンテージが好きな人であろうと。
村名でこれならカズティエやマジシャンベルタン、シャンベルタンはどうなることやら...

次にジャック フレデリック ミュニエのミュジニー。これは例年、ここ3年くらい飲んでいるのですが、2011年の印象としては2010年同様、極めてミュジニーらしさが前に出ていると思いました。
2009年は果実味が極めて高くツヤツヤしていて、あまりミュジニーらしさを感じなかったんですが、2010年で若干果実味か落ち着き、その分ミネラル感、堅牢さが前面に。
それによって極めてミュジニー的な味わいを強く感じさせるタッチになりました。
今回の2011年は2010年や2009年と比べると、やや平凡なヴィンテージですが、流れとして2010年の流れを汲むミュジニーになっていると思います。
赤系果実の蜜の様な果実味や赤い花、ハーブや木材などの要素を、強固なミネラルが引き締めている。ややキャンディ香っぽい部分がある。樽香はやや強め。樽を除けばヴォギュエにもちょっと似ているかも。
2010年の方がバランスは良いですが、決して2011年も悪くないと思います。
少なくともブリブリの果実味を持った2009年のミュジニーと比べれば、より「らしい」ミュジニーに仕上がっていると思いました。


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【ブルゴーニュ: 74】ロベール シュヴィヨン 2011年 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日もブルゴーニュ、2011年です。
今回は取り扱う生産者はニュイ サン ジョルジュ最上の生産者であるロベール シュヴィヨン。
去年はニュイ サン ジョルジュ最上のクリュであるレ サンジョルジュ、ヴォークラン、カイユの3つでしたが、レ サンジョルジュ、ヴォークランと共にプリュリエ、シェニョ、ブスローの5つのキュヴェを比較します。

【データ】
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュ最上の生産者。 1977年からネゴシアンへ葡萄の販売をやめて、全てドメーヌ元詰としています。現在はドニ氏とベルトラン氏がドメーヌの運用を行っており、ニュイ サン ジョルジュの村名、一級のみ生産しています。
フラッグシップは何と言っても、レ サンジョルジュ、レ カイユ、レ ヴォークランの3兄弟。そして脇を固める様にプリュリエ、ロンシエールなど5つの一級畑を所有する、ニュイ サン ジョルジュを代表する生産者です。
収量は30-35hl/ha。カイユ、ヴォークラン、レ サンジョルジュは平均樹齢75年。カイユ80年、ヴォークランに至っては100年を超える古木を使用しています。さらに選果は畑で厳密に行い、収穫した葡萄は100%除梗。
低温浸漬は1週間、抽出はピジャージュとルモンタージュを交互に実施。キュヴェゾンは1週間から3週間と比較的長め。プルミエクリュは新樽率30%で18ヶ月の熟成を行います。
2回の澱引き後、軽く濾過して瓶詰めします。

【テイスティングコメント】
生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ プリュリエ 2011

WA94-96pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
瑞々しく冷涼だが、同時に豊かな果実味がある。徐々に甘露さが前に出てくる。
瑞々しいダークチェリーやブラックベリーの様な果実味。凝縮感のある果実味の出方はヴォークランにも近いが、こちらの方が甘露さは劣るし軽やかなタッチがある。ドライハーブや紅茶、クローヴ。口に含むとミルクティーも感じられる。わずかな燻製肉や樹皮の要素。オレンジの清涼感のある要素。
柔らかで滑らかな酸。密度にやや不足感があり、水っぽさを感じる。スミレとミルクティー、ダークチェリーの余韻が残る。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ シェニョ 2011

WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
大柄で甘露で凝縮した果実味があるが、徐々にスミレや茎の様な華やかさも伴い始める。小ぶりのレ サンジョルジュといった感じかもしれない。
バニラやシロップ、ミルクティーのまろやかな甘みがあり、徐々に引き締まったオレンジの様な風味が現れてくる。カラメルやスミレなどの要素、熟したブラックベリーやブルーベリーの要素。クローヴやハーブ。炭焼きなど。とてもバランスが良く華やかだ。
こちらも酸とタンニンが極めて柔らかで滑らか。密度はプリュリエより高いが、こちらもやや不足感。華やかなスミレやベリーの余韻が残って行く。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ブスロー 2011

WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
この中だとやや冷涼で硬質、凝縮感がある。
だが驚くことに時間経過による変化は極めて少ないようだ。
まろやかなバニラやミルクティーの要素と共に、果皮を感じさせるダークチェリーやブラックベリーの要素、ほのかなオレンジ、スミレの香り。わずかなハーブ。徐々にシナモンとシロップの様な要素。わずかに燻香。
酸とタンニンは極めて柔らかく滑らか。こちらもプリュリエと同じ印象。スミレやダークチェリーの余韻が残る。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ヴォークラン 2011

WA94-96pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
ミネラル感と共に閉じこもった凝縮した果実味がある。徐々に力強く、華やかな果実味に溢れている。甘露さと瑞々しさの並存。長く甘い果実味が維持されていく。プリュリエに果実の出方は近いがこちらの方がより甘露。
まろやかというより堅牢で筋肉質。
果実味はピュアで瑞々しく熟したダークチェリー、ブラックベリーの蜜の様な果実味がある。カラメルやハーブなどの要素、燻製肉、樹皮、わずかに土の様なニュアンスが感じられる。徐々にミルクティーや樽の要素が表出してくる。
十二分に柔らかいが、この中だとややタニックにも感じられる。酸は滑らか。
果皮やダークチェリーの余韻がある。ややMLFのニュアンスも。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ サンジョルジュ 2011

WA95-97pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
シェニョに近く、バランスの取れた甘露さ、華やかさ、ミネラル感がある。
ヨーグルトやミルクティーのまろやかな香りと溢れる様な熟したダークチェリーやブラックベリーの果実の蜜があるが、そこをミネラルとスミレの香りが引き締める。果実が凝縮している。シロップやほのかなカラメル香、樹皮やわずかな土の香り、燻製肉やシナモンやクローヴの様な風味が感じられる。ヴォークランとレサンジョルジュはなかなか甘露な香りが壊れない。
やや水っぽさはあるものの、この中では最も酸もタンニンも充実している。ダークチェリーとMLFの余韻は長く続く。


【所感】
相変わらず素晴らしい仕事だと思います。
さすがはニュイ サン ジョルジュ最上の生産者、基本的にどのワインを飲んでも驚く位高級感があります。
しかしながら2010年と比べると香りはほぼ遜色無いのですが、プリュリエとブスローに関しては、密度が少し足りていない様にも感じられます。酸とタンニンも含め、端的に言うとボディでしょうか。完全に熟した...という感じはちょっとしません。
ヴォークランとレ サンジョルジュ、シェニョに関しては100%十分かというと、ちょっとだけ不足してますが、さすがのテロワールといった感じです。酸もタンニンも充実していると思います。若干のザラつきは感じますが...

さて2011年と2010年はそんな感じですが、ではクリュ別に見るとどうでしょうか。
詳細はテイスティングコメントを参照していただきながら大体の特徴を書き出してみました。

・プリュリエ(プレモープリゼ側、ポレ サンジョルジュ上部)
ヴォークランに似た瑞々しく凝縮感がある果実味。華やかや清涼感。甘露さはヴォークランに劣る。

・シェニョ(ヴォーヌロマネ側斜面中腹)
大柄で完全に熟した様な甘露なシロップよ様な果実味、バニラなどのMLF要素、オレンジの様な清涼感。プリュリエより高密度。

・ブスロー(ヴォーヌロマネ側)
冷涼なタッチのワイン。硬質で堅牢、そして果皮に起因する華やかが先行する。徐々にバニラやシロップなどのMLF要素、徐々に甘露さが現れる。

・ヴォークラン(プレモープリゼ側 プリュリエ付近、レサンジョルジュ上部)
ボディが簡単に崩れない。
筋肉質な凝縮感のある果実味。プリュリエ同様の瑞々しく果実由来の甘露さ。トースティーで樽の要素が強い。後半MLFが僅かに混じる。香りの変動は少ない。

・レ サン ジョルジュ(ニュイサンジョルジュ最南端)
MLFのまろやかさ、樽、果実味、華やかさなどの要素を全て包含。
樽香、MLF要素にシェニョの様な強烈な甘露さが高次元で同居。凝縮感、土の要素。
香りの変動は少ない。

こんな感じです。
さらに端的に言うとプリュリエは瑞々しく、シェニョは果実味に溢れ、ブスローは堅牢、ヴォークランは筋肉質で凝縮感があり、レ サンジョルジュはそれらの要素を全て包含しているといった感じです。

急勾配と標高が高く石灰質土壌のヴォークランはマスキュランで力強く筋肉質。カイユとヴォークランの合いの子の様な特徴を持つレ サンジョルジュ。レ サンジョルジュとヴォークランの印象は2010年と変わりませんし、テロワールを再現していると思います。またプリュリエのヴォークランを思わせるスタイルは、やはりシェニョやブスロ―と比べて、ヴォークランに近い位置にあるからかもしれません。
これらの3つはすべてムザン谷より南にある畑で、シェニョとブスロは北側ヴォーヌロマネ寄りの畑になっています。
この2つの畑は概ね標高は同じですが、ただ、シェニョの方が高い標高の面積が多い様にも思えます。上部は表土が薄く、、そこに若干の差異が現れているのかもしれません。
ただその理論でいうのであれば、どちらかというとシェニョの方が堅牢であるべきですが・・・日照が若干違うのでしょうかね。

以上、5種類の比較でした。
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュの最高の生産者であると共に王道を行く生産者であると思います。
また保有している1級畑の数も多く価格も良心的ですので、テロワールの違いとは何か、というのを学ぶには最適の生産者であると思います。
今年も大変勉強させていただきました。






【ブルゴーニュ: 73】ドメーヌ メオ カミュゼ 2011年 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はドメーヌ メオ カミュゼの2011年ヴィンテージの水平です。
いわゆる王道のアペラシオンではありませんが、ドメーヌ メオカミュゼの実力を十二分に感じられるワインになっています。
王道はやはりリシュブール、クロパラントゥー、オーブリュレ、エシェゾー、コルトン ロニェ、ザルジラあたりですが...まぁ高いので中々飲む機会も無くなっちゃいましたね。
ただ今回の最上のキュヴェは2010年に取得したばかりのコルトン ペリエールなので非常に興味深くはあります。
本日は上記のコルトン ペリエールに加え村名ヴォーヌロマネ、1級レ ショームとなります。


【データ】
メオカミュゼはヴォーヌロマネに拠点を置く大手ドメーヌで、一時コンサルタントとして、分益耕作人としてアンリジャイエがいた事でも有名です。また故アンリジャイエが保有していたクロパラントゥーとオーブリュレを引き継いだドメーヌでもあります。
1985年からアンリ ジャイエの指導を受けた現当主ジャン ニコラ メオがドメーヌの指揮を取っています。醸造責任者はクリスチャン フロワが担当しています。
グランクリュとプルミエクリュを複数持つドメーヌ部門と拠点外の村名やプルミエクリュを生産するネゴシアン部門がありますが、今回はドメーヌものの方です。減農薬農法、夏季剪定や除葉によって葡萄の腐敗を防止し、健全な葡萄を手摘みで収穫します。厳しい選果した葡萄はほぼ100%除梗。コンクリートタンクでのマセラシオン ア フロワ。新樽率は特級と1級は100%、その他は約50%で18か月間熟成。ノンフィルターで瓶詰されます。新樽率は高め。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ メオ カミュゼ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 2011

約12000円、WA89-91pt(2010)
外観は赤みの強い明るいルビー、粘性は高い。 例年と比べると幾分か樽の要素が控えめではあるものの、依然強いロースト香と抽出を感じる。
オリエンタルスパイスやミルクコーヒー、スミレや花の要素が強く感じられる。そしてその奥底には甘露で丸みのあるダークチェリーやブルーベリーの確かな果実味が感じられる。そして紅茶や燻製肉、なめし革の要素。
ドライハーブ、焦げた木の香りやカラメルなどの風味が感じられる。
酸やタンニンはシルキーながらも、しっかりとした存在し、確かなボディを形成している。ダークチェリーやオリエンタルスパイス、華やかで瑞々しい余韻が感じられる。


生産者: ドメーヌ メオ カミュゼ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ショーム 2011

約19000円、WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強い明るいルビー、粘性は高い。
村名と比べ、樽、果実味、抽出、各要素がいずれも強く感じられる。外にエネルギーを放出するかの様な果実味。
オリエンタルスパイスやミルクコーヒー、カラメルの要素はより一段と強くなり、華やかなスミレや赤い花の要素。ダークチェリー、ブラックベリーのコンポートなどの風味にオレンジピールの要素が伴う。コンポートの様な甘露さがあるが、瑞々しさやフレッシュさは強い。
そして紅茶や燻製肉、なめし革の要素。コルトンよりは瑞々しくエキス感があり、村名より各要素が力強い。
酸やタンニンは柔らかで、華やかで瑞々しい味わいが感じられる。オレンジやベリー類、そしてオリエンタルスパイスの余韻が長く残る。


生産者: ドメーヌ メオ カミュゼ
銘柄: コルトン レ ペリエール グランクリュ 2011

約21000円、WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強い明るいルビー、粘性は高い。村名、1級畑と比べるとより果実味に密度がある様な気がする。
前述のワイン同様オリエンタルスパイス、ミルクコーヒーの要素が強いが、僅かに土っぽさが混じる。
よく熟したダークチェリーやブラックベリーの黒系の果実味。シロップの様な甘露さがある。土っぽさはあるものの、基本的には華やか。
なめし革や燻製肉、樹皮の風味。クローヴ、リコリスなどのハーブの要素。スモーキーで土っぽい味わいながら、バランス感のある味わいとなっている。
酸、タンニンはシルキーながら旨味もタンニンも充実している。オリエンタルスパイスやベリー類やオレンジの華やかな余韻が感じられる。充実した旨味。


【所感】
2011年を俯瞰して見てみると意外と失敗した生産者ってそんなにいないかもしれません。フーリエとジョルジュルーミエに関しては2010年ヴィンテージと比較すると差がありすぎましたが、基本的には前年を傑作と捉えるのが妥当なのかもしれません。
メオ カミュゼは2011年も大変手堅く仕上げてきていると思います。
割とどの生産者の2011年にも言えることなのですが、メオカミュゼも例に漏れず2009年、2010年と比較すると樽香や抽出はかなり抑え目に作り込んであります。勿論、そもそもそれらの要素が強い生産者ではあるので、要素としてはしっかりと包含していますが。例えばショームやコルトンはローストした様な香りと華やかさははっきりと感じられます。ただ2010年と比べると抑え目といった感じ。
次にそれぞれのキュヴェを比較します。
村名ヴォーヌロマネはロースト香と華やかさと共に、充実したエキス感がある果実味が感じられます。
村名にしてはリッチに作られている以外はヴォーヌロマネの特徴を極めて精緻に捉えた作りだと感じられました。
ショームは村名ヴォーヌロマネの上位互換で果実のエキス感はより凝縮感が高く、醸造的な部分でも新樽比率と抽出がより高くなっている印象を受けます。
ただ並み居る一級畑と比べると若干没個性の様な気もします...位置的にはラターシュとマルコンソールの下で、クロデレアの上なので決して悪くはないと思うんですが...
次にコルトン。小区画のペリエールはコルトンの丘の中腹部、クロ デ ロワに隣接する南東向きの小区画。
こちらも醸造起因のロースト香と華やかさがあり、そこにちょっとした土っぽい要素、そしてショームを超える完熟した果実味が感じられます。
正直このペリエールは最近取得した畑で、かつブレッサンドやルナルド、クロ デュ ロワなどの最高峰の小区画と比べると劣る土地ではあるので、一級ショームといい勝負かな、と思ったんですが、グランクリュを意識して作っているからかショームと比べてもかなり品質が高い様に思います。
果実味はヴォーヌロマネに見られる様なエキス感、瑞々しさではなく、より完熟した様な黒系の果実味が感じられます。それでいてなかなか凝縮している。そしてスモーキーです。ニュイのワインの中だとニュイサンジョルジュに近い印象を受けました。

個人的に好みなのはショームですが、一般的にはコルトンでしょうね。
メオ カミュゼは全体的に醸造的な要素が強く出るので好みが分かれる部分だと思いますが、僕は大変好みでございます。

2011年も良かった。



【ブルゴーニュ:72】コント ラフォン 2011年 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はコントラフォンの2011年の水平です。
といっても1級のシャルムとポリュゾしか無いんですが...極めて有意義なテイスティングになったと思います。
2011年のムルソー、ヴォルネイ、サントネイ、ポマールは激しい雹害に見舞われた年で相当数のぶどうが被害を受けたとのこと。
恐らく生産者によって大きな差異が出る事が想定される年で、被害を受けた粒を精密に取り除く膨大な工数を費やせた生産者が成功する年とも言えると思います。
そんな中ムルソー最上の生産者であるコントラフォンはどうだったのか。

では、いってみましょう。

【データ】
説明不要かもしれませんが、コントラフォンはムルソーに拠点を置くドメーヌで、ブルゴーニュ、世界の生産者の中で常にルフレーヴ、コシュデュリと共にトップドメーヌとして語られる、シャルドネのスペシャリストです。
栽培醸造に関しては全ての畑でビオディナミを実践し、収量を25-40hl/haにまで落とし栽培を行う。収穫後2回の選定を行った上で圧搾、その後ステンレスタンクでデブルバージュ。新樽と旧樽へ移し低めの温度でアルコール発酵。
マロラクティック発酵を行いながら最大40%の新樽比率で21ヶ月の熟成を経て、無濾過、無清張で瓶詰めを行っています。
赤は除梗後、ステンレスタンクで6日間程度の低温浸漬。20日程度でアルコール発酵後圧搾。ピジャージュは最後の10日間のみ1日2回ピジャージュを行う。新樽比率は30%程度で18ヶ月から20ヶ月の熟成を経て瓶詰めされます。
コントラフォンの旗艦銘柄は特級モンラッシェ、ムルソー ペリエール、ジュヴヌヴィエール、シャルム。どの銘柄も人気が高く、上位銘柄は 価格も併せなかなか入手しづらいのが現状です。

【テイスティングコメント】
生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ポリュゾ 2011

約36000円、WA90pt
外観は澄んだストローイエローで、粘性は低い。
内に凝縮していくシャルムと比較して拡散的な外に放出する柔らかいシロップや洋梨、黄桃などの果実味。バニラなどの甘露さが主軸になる。穏やかで柔らかなミネラルの層。やや塩味を感じさせるナッツ、バター、フレッシュなハーブの要素。絹の様に柔らかいタッチの香りがあり、こちらも品の良さを感じさせる。
こちらも酸は柔らか。柑橘系の旨味と酸味、そしてハーブとミネラル感が広がっていく。


生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー プルミエクリュ シャルム 2011

約36000円、WA93pt
外観は澄んだストローイエローで、粘性は低い。
ポリュゾと比べると、より芯が通った鮮明な輪郭と凝縮感がある。石を砕いた様なミネラル感を骨子として、甘いバタークリームやカシューナッツの要素、シロップや洋梨、黄桃の様な果実味。白い花の蜜。バニラ、シナモン、フレッシュハーブ。例年の様な強いオイリーさやパワフルさは無い様に思える。パワフルというより、上品で繊細。時間を追う毎にクリスピーな体躯が現れる。
酸味は柔らかく、シトラスなどの柑橘系の旨味と強いミネラル、ハーブの要素が口の中に広がっていく。


【所感】
イイ...(恍惚
結論からいきますと、すごくイイです。
しかしながら2009年や2010年と比べると、明らかに異なるスタイル、味わいだと思います。
前述のヴィンテージに見られた過剰なオイリーさやミネラル感はなりを潜め、より親しみやすく柔らかな果実味が際立っています。
そもそもラフォンのワインは長期熟成をする事で最高のポテンシャルを発揮するもので、熟成した際の濃厚なクリームブリュレの様なモンラッシェにも似た味わいを知っているだけに、若いヴィンテージの堅牢さや硬さは致し方無しだと認識しているのですが、今回は酸を包含しながらも、液体の質としては極めて柔らかく熟成時の鱗片の様なものが感じられました。
内包する果実味の凝縮感やミネラル、酸は明らかに09年、10年の方が優れているものの、11年も果実味が欠如している訳ではありません。普通の生産者であれば十分に熟度が高いと思います。
ちゃんと不良粒を取り除いて丁寧に選定したんだろうなぁ...収穫量はわかりませんが、被害状況とこのワインの品質を見るに、かなり少ないんじゃないかしらと。
こじんまりとしながらも極めて美しいバランス。繊細かつ上品。
09年、10年の様に長期熟成のポテンシャルは無いと思いますが、11年は今すぐ楽しめるラフォンとしては例外的に近づきやすいワインだと思います。
テロワールに関しては何回かやってるので、細かくは論じませんが、ポリュゾの方が高い標高にあり、シャルムと比べるとやや熟度と凝縮感に不足を感じました。恵まれたヴィンテージだったらシャルムは豊満に、ポリュゾはバランスの取れた味わいになってたでしょうねー。2011年のポリュゾは何処か儚さがあり広がりのあるワインで、シャルムは内に閉じこもって凝縮した実体感のあるワインといったところか。



【ブルゴーニュ:71】クロ ヴージョの本懐。ドニモルテとペロミノのクロヴージョを利く

こんにちは、HKOです。
肩と首が攣ってメチャクチャ痛いです。
鎮痛剤を飲んでいるので、酒も飲めず休みなのにちょっとしみったれた感じで残念です。

さて、本日はアンリ ペロ ミノとドニモルテの2生産者のクロ ヴージョを比較します。ヴィンテージと生産者が異なるので、大きな違いは覚悟の上です。
あまり難しく考えず比較して行こうと思います。


【データ】
ドメーヌ ドニ モルテはジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及するワイン作りを目指したが、その目標と裏腹に類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げた。現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級ラヴォーサンジャックは80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。

ペロ ミノはドメーヌ アルマン メルムが二つに分裂して出来たドメーヌ。現在の当主はアンリジャイエに師事したクリストフ ペロ ミノです。
ワインアドヴォケイト(パーカーポイント)高得点常連ドメーヌで華やかで濃縮感のあるピュアなピノノワールを造ります。樹齢は高く最高齢のもので100年にも及ぶ。栽培は全てリュットレゾネによって行われグリーンハーベストにも積極的に取り組み、収穫は手摘みで行います。
除梗は50%-100%。10~14日間の低温浸漬。抽出をし過ぎないようにルモンタージュは優しく行われます。
もともと新樽率は特級100%、一級50~100%、村名30%でしたが、現在はミディアムに焼いたトロンセ、ベルトランジュのオーク新樽で村名20%、特級ですら30%程度。熟成期間は12ヶ月から14ヶ月。無清澄、ノンフィルターで出荷します。
フラッグシップはシャンベルタン、クロ ド ベーズ、シャルム、シャペル、マゾワイエール、クロヴージョの特級群の他、樹齢70年以上のブドウを使用した1級コンブ ドルヴォー、リシュモーヌのキュヴェ ウルトラがある。


【テイスティングコメント】
生産者: ドニ モルテ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2011

32000円、WA94-96pt(2010)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
甘露で凝縮感がありトースティー。それでいて華やか。欲しい要素が全部揃っている傑出したクロヴージョ。
清涼感を感じさせるオレンジ、ブラックベリーやデーツのコンポートの様な甘露で豊満な黒系果実。そこにワッフルやミルクチョコレートの様なトースティーな香りが絡まる。クローヴやシナモンなどのスパイシーな香り、スミレ、焼いた樹皮や燻製肉、バニラ、わずかに土っぽさも感じられる。
非常に甘露でトースティーで有りながら外交的なキャラクターを持つ。
酸味は心地よく滑らか、タンニンも程よく混在。ミルクティーや瑞々しいブラックベリーの要素、オレンジがしっかりと余韻に感じられる。


生産者: ペロ ミノ
銘柄: クロ ヴージョ ヴィエイユヴィーニュ グランクリュ 2009

33000円、WA96-97pt(2005)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
果皮の華やかな香り。凝縮感がありエレガント。わずかな熟成感が示す紅茶やトースト、そしてマロラクティック発酵が絡まりミルクティーに昇華。ブルーベリーやブラックベリーの果実味、濡れた木材などの要素。茎やクローヴ、ユーカリの様な要素。ムスク、生肉などの野性的な要素。スミレやナツメグ、ドライハーブなどの要素も。
充実した旨味と、柔らかい酸、タンニンがある。基本的には非常に滑らかだが規模感の大きい梅しばやミルクティーの余韻が綺麗に広がっていく。


【所感】
まずはペロ ミノの方から。
2009年というのもあり、わずかに熟成感を帯びてきています。
ペロ ミノのワインはもともと強い抽出による華やかなアロマを特徴としていましたが、近年はより自然な醸造に方向性を変えています。とはいえジャングリヴォー同様、そう簡単に方向転換できる訳でもなく、柔らかくはなったものの、ブルゴーニュ全体で見た時にやはり抽出が強い部類に属すと思います。
その上で熟成を経ていて、甘露な果実味と充実した旨味とともに濡れた木材や生肉の香りが感じられます。タンニンや酸は滑らかでちゃんとバランスは取れていると思います。
ただ若いヴィンテージの強烈な華やかさが少し落ちているので若干残念でもあります。
熟成することでより良くはなって行きますが華やかさは完全にトレードオフされるかと。

次にドニモルテ。
これがなかなか凄まじいクロ ヴージョでドニモルテのフラッグシップクラスなりの偉大なワインになっています。
こちらももともと極端に豪華でリッチな作りの生産者ではあるのですが、アルノーモルテになってから、先代の志を受け継ぎながらもエレガントな方向性に転換を図っています。
とはいえ結果としては、やはりリッチな印象です。ボリューム感のある果実味、香ばしいロースト香、そして華やかさがありますが、それに加えて清涼感のあるオレンジの要素があります。そしてクロヴージョらしい土っぽさ。複雑な要素が渾然一体となって存在しています。2011年としては凝縮感も強く、かなり良い出来だと思います。
ドニモルテのクロヴージョの区画は決して恵まれてはいません。位置としてはシャンボールミュジニー側の国道沿い最下部。村名ヴージョに隣接。モーペルテュイとは対角の立地です。
日照は良いでしょうが、恐らく水捌けも悪いと思いますが、これだけのものか出来るというのは、ちょっと驚きです。
もちろん細かい機微は最上部とは異なるのでしょうけども、ドニモルテのフラッグシップを張れるレベルの極めて偉大なワインだと思いました。
これか最上部の区画になるとどうなるのか気になるところですが、これだけのクラスのものが出来るのなら、あまり気にする必要は無いのかもしれません。

素晴らしいクロヴージョでした。


おまけのチーズ。チーズははまりそうなんだけど、1個買うと全然食べなくて余る...

◼︎タレッジオ
ウオッシュでウォッシュ独特のクセがあるものの、ウォッシュの中では臭みや塩気は穏やか。

◼︎ボルボローネ
非常に食べやすいクセの無いチーズ。マスカルポーネと近い。ねっとりとした食感。味わいはコンテなどに近い。


【ブルゴーニュ: 70】ダヴィド デュパン、モレ サン ドニ3種のワインを利く

こんにちは、HKOです。
先週より夏休みを取得しておりました。
ブログ更新としてはここぞ!というタイミングでしたが、子供の面倒を見ながらブログ書くのってすごく難しいですね...結果としては殆ど更新が出来ませんでした。
そんな感じで久しぶりに大変記事が溜まっているのですが、ボチボチ消化して行こうと思います。
本日からは暫くブルゴーニュとなります。
本日はダヴィド デュバンの村名モレ サン ドニ、一級 クロ ソルベ、特級 クロ ド ラ ロッシュとなります。

【データ】
ダヴィド デュバンは1971年に設立されたドメーヌ。当代ダヴィドデュバンは19歳で学校を卒業後、アミオ セルヴィルやドメーヌ ラルロ、ジャイエ ジルに師事。
自社で保有していたぶどうは、もともと全量を協同組合に販売していたが、90年代に才能を見抜いたフランソワ フュエが自社畑をメタイヤージュ。その後2006年にはジャッキートルショーからも畑を譲り受け規模を拡大しています。保有している畑の樹齢は高く、村名は4区画の平均50年、1級クロソルベは樹齢50年、特級クロ ド ラ ロッシュは樹齢50年となっています。
栽培は有機栽培。収穫は粒単位厳しく選果を行いながら収穫。(よって100%除梗となる)
赤ワインはセメントタンク、白ワインはステンレスタンクで発酵。状態を見ながらピジャージュの回数などを確定。通常30%、一級と特級は50%の新樽比率で12~18ヶ月熟成を行う。その後白は軽く澱引き後無濾過で瓶詰め、赤は澱引きはほぼ行わず、瓶詰めされる。

【テイスティングコメント】
生産者: ダヴィド デュパン
銘柄: モレ サン ドニ 2009

4500円、WA90pt
外観は赤みの強い澄んだルビー、粘性はやや高い。この中では最も熟成感が感じられる。
プラム、紫スモモなどの強い旨みを放つ果実味。そしてパストラミハム。スミレのドライフラワー、クローヴや樹皮、茎の様なスパイシーな要素。ローズヒップティー、ドライハーブなどの要素が感じられる。旨みがしっかりある果実の香り。僅かに鉛筆の芯の様なニュアンス。
生産年に比べると、やや足の早い印象を受ける(といってももう5年前ですね...)。酸味はやや際立っており、旨みが充実している。アンズやスモモ、樹皮や茎の余韻が感じられる。


生産者: ダヴィド デュパン
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ソルベ 2011

約6000円、WA92pt(2009)
ダヴィド デュパンとしてはかなり異質な味わいで、全体的な調和ではなく果実味と獣香が前面に出ている印象。
外観は赤みの強い澄んだルビー、粘性はやや高い。クリーミーでミルクの様な風味と共に燻製肉の様な強い獣香が感じられる。
その中で瑞々しく糖度の高いイチゴ、チェリーリキュールの果実味、果皮の風味が感じられる。最も果実味が強く全面に出ている。樹皮や紅茶、トリュフ。茎、クローヴなどの要素。ローズヒップティー。やや焦げた木の様なロースト香が感じられる。
クリアで清廉なクロ ド ラ ロッシュと比べて、たっぷりとしたボリューム感がある印象。
酸、タンニンはかなり柔らかくミルクとイチゴ、紅茶の様なアフターが感じられる。こちらも密度は高いがロッシュほどではない。


生産者: ダヴィド デュパン
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2009

約14000円、WA91-93pt
最もダヴィド デュパンらしさが出ているキュヴェ。
外観はやや濁りのある赤みの強いルビー、粘性は中庸。
全体的に瑞々しい印象だが、液体の密度が非常に高く、凝縮感がある。
オレンジピールの清涼感のある香りを主体として、イチゴやブルーベリー、チェリーリキュールなどの瑞々しい果実味。焦げた木材。そして茎やスミレ、ユーカリなどのハーブの様な青っぽさ、なめし皮の風味、ローズヒップティーやジンジャーブレッド、ミルクの要素が感じられる。
酸はやや強めで、タンニンは柔らかである。
オレンジピール、チェリー、茎の様な余韻が残る。後の方に心地よい果実の甘みが感じられる。若干余韻の長さは短めだと思うが、ほぼ気にならない。


【所感】
今回は2011年の1級、2009年の村名と特級。
まず2011年は非常に特異で、他のヴィンテージのデュバンと比べると、かなり野性的で濃密な味わいのピノノワールとなっています。リキュールの様な濃い赤系果実と強めの獣香。果皮の華やかな風味が強く感じられました。2007年、2008年、2009年のスタイルはほぼ共通といって差し支えないと思うのだけど、2011年のソルベはかなり異端な作りだと思います。
果実味の強さ...というか若々しさはどことなく若いヴィンテージというのもあり納得感はあるのですが、この強烈な獣香はなんとはなく汚染を想起してしまう様な気がします...
次に2009年の村名と特級。
村名はそもそもポテンシャルがやや低いからか、足が速い印象を受けました。結構酸化が進んでいる感じ。10年はいかないだろうが6-7年くらいは歳をとっている感じ。黒系の旨味を多分に含む果実味があり、樽も溶け込んでいると思います。熟成的に半端な状態なので、なんとも微妙な時期ではあります。素直に美味いか、と言われれば結構微妙だと思います。
最後に最も従来のデュバンに近かったのはラ ロッシュかと思います。同生産者のエシェゾーや2010年当時飲んだ2007年のクロ ソルベは、まさにこんな感じの清涼感のある味わいでした。 微妙な濁りも無濾過っぽいと思います。
極めて瑞々しく清涼感のある果実味と高い熟度を感じさせる味わいで、赤黒系の果実味やオレンジの風味を強く感じさせます。
凝縮感があり、エシェゾーのエキス感のある味わいと比べると、少し力強い印象も受けますね。印象としてはデュジャックにも似ていますが、除梗は100%しているので、ちょっとそこのところが謎です。(※後で調べたところ一部房を残しているものもあるようです)
あと僅かに新樽の要素も邪魔をしない程度に感じられます。
特筆すべきはこの凝縮感と清涼感ですね。
素晴らしいと思います。

2009年は村名ヴォーヌロマネとエシェゾーを飲んだので、再検証は不要だとおもいますが、2011年はかなり謎です。
2011年ヴィンテージに関してはしっかりと再検証をする必要があるのかな、と思います。




【ブルゴーニュ:69】ブルゴーニュ グランヴァン4種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日からは貯めに貯めたブルゴーニュでございます。うわーい、みなさんお待たせしました。
過去の履歴を見ると色々寄り道をして約1ヶ月以上ブルゴーニュがなかったことになります。ちなみに前回のレザムルーズとアルマンルソーの間は実に1ヶ月半。
一応このブログはブルゴーニュ推しな訳ですが...今年に入ってからはシャンパーニュの方が多いです。ただ体系的に語れているか...というと結構微妙かも。
さて、今回はバラバラですが、良い生産者のワインを幾つか。


【データ】
ウィリアムフェーブルはシャブリの老舗ドメーヌ。アンリオ買収後は現在はブシャールで修行したディディエ セギエが指揮をとっています。
シャブリにコートドールのスタイルを持ち込み、シャブリとしては珍しい手積み、ビオロジックを導入し、旧ウィリアムフェーブルで使用していた新樽を極限まで抑え、ミネラル感を引き出すことに成功しています。
平均樹齢は30-50年、栽培はビオロジックを実践し、収穫はすべて手積み。選果台で厳密な選別を行う。
醸造はグラビティーフローを導入し、アルコール発酵はすべて樽で行います。6ヶ月の旧樽熟成の後、ステンレスタンクで更に熟成する。新樽は使用しない。
フェーブルのブーグロは16haのブーグロの中でも最も急斜面にあるコート ド ブーグロという小区画に位置しています。

リュシアン ル モワンヌは、1999年に立ち上げられた名だたる1級特級のみを瓶詰めする新進気鋭のネゴシアンです。
年間生産量は100樽以下。発酵後のワインを買い付けて瓶詰めするが、このネゴシアンの最も卓抜したところは、優れた生産者を見抜く力と、購入したバルクワインに適した樽を仕付けるセンス。
購入したワインは(当然バルクで買ったワインなので)徐梗されているもの、されていないものにバラツキがあるが、そのスタイルにあわせてシャサン社と連携を取りながら100%新樽で熟成、マロラクティック発酵を行っていく。
その評価はかなりのもので、もともとのワインの品質の良さと樽熟成の巧みさが非常に高く評価されています。
フラッグシップは白はモンラッシェ、赤はシャンベルタン クロ ド ベーズ。

アルヌー ラショー(元 ロベール アルヌー)は、ヴォーヌロマネに拠点を置く名門ドメーヌ。2008年に先代ロベールが死去したことにより、現在は末娘の夫であるパスカル ラショー、そしてその息子のシャルルが指揮を取っています。
現在はヴォーヌ ロマネを中心に、ロマネ サン ヴィヴァン、エシェゾー、クロ ヴージョ、ラトリシエール シャンベルタンを保有している。リュット レゾネによって栽培された葡萄は手摘みで収穫され、低温浸漬の後ステンレスタンクで発酵。新樽比率は村名20%~25%、一級30~50%、特級およびスショ、レイニョは100%。平均14ヶ月の熟成を行う。ACブルゴーニュは小粒のピノノワールが収穫できる優良株を使用。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はせず、セメントタンクと木製樽でアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、フランソワフレール社の焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。


【テイスティングコメント】
生産者: ウィリアム フェーブル
銘柄: シャブリ グランクリュ コート ド ブーグロ 2004

約8000円、WA95pt
外観はストローイエロー、粘性は高い。
やや熟成を帯びた旨みを感じさせる味わい。
ステンレスタンクに起因するクリアなシャブリで、充実した火打石の様なミネラル感、ドライハーブ、エシレバターや白い花の香り、白桃やネクタリンの様な果実味、ハチミツなどの味わいが感じられる。若い頃の様な硬質感は無くなり、酸も良く馴染んでいる。きめ細やか。意外とクリスピーな果実味がある。
綺麗で繊細な出汁の様な旨みが広がっていく。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ アベイ ド モルジョ 2011

約17000円、WA88-90pt
外観はやや濁りのあるストローイエロー、粘性は中庸。
いつものルシアンの絶妙なワインと比べると、ちょっとバランスの悪さが大変気になる。ルシアンらしい樽香がしっかりとあり、ともすれば麦茶の様な豊かなロースト香があるが、その下支えをする果実味であったり、構成するボディが不足している。
ナッツやバター、そして麦茶などの醸造起因のアロマはしっかりと出ており、やや細めに感じられる洋梨やカリンなどの果実味、僅かにシロップの様な甘さがある。杏仁豆腐やバニラ、シナモンなど。香りは新世界のシャルドネにも近い。
しかし酸やミネラルはかなり弱々しく、果実味に起因するボリューム感もなく、上質な香りの外観だけ演出しているが、その実は貧弱なワイン。


生産者: アルヌー ラショー
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2008

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
果皮の厚いブルーベリーやブラックベリー。鉛筆の芯や溶剤、スミレや薔薇、青い茎や土、燻製肉や焼いた樹皮。クローヴやリコリス、オリエンタルスパイスなどの風味が感じられる。
酸味と旨味がかなり現れており、やや酸化気味?黒系果実の果皮の余韻が残る。旨味が前に出ている。


生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2004

64000円、WA96-97(2005)
やや橙を帯びたルビーレッド、粘性は高い。
2004年にして樹皮や紅茶など樽の香りが非常に強く、抽出の強さも感じる。ただかなり馴染んできているのか、エレガントさも現れている。オレンジピールやスミレの花、綺麗な出汁香。茎やハーブの香りなど。華やかで青い香り、瑞々しいダークチェリーやレッドカラント。燻製肉の様なアロマ、スーボワ、ローズヒップティー、クローヴなどの風味が感じられる。
全体的にかなり瑞々しく変化している。
酸味はかなり柔らかくなっており、タンニンもしなやか。オレンジピールやベリー類のしなやかな余韻が残る。あの堅牢でパワフルなデュガピィがこんなにエレガントになるとは思わなかった..


【所感】
まず素晴らしかったのが、デュガピィのシャルムシャンベルタン、ウィリアムフェーブルのグランクリュ ブーグロ。拍子抜けだったのがルモワンヌのモルジョ、あまり状態が芳しくなかったのがアルヌーラショーのエシェゾーって感じです。
まずアルヌーラショーのエシェゾー。
熟成の間にいるのか、それとも酸化しているのか、鉛筆の芯や生肉などの過剰に酸化した様なニュアンスが感じられます。また果皮の厚さからくる華やかさも若干感じられるのが、ややちぐはぐさを感じます。旨味の出方と酸の強さから考えるとあまりよろしい状態では無い様にも思えます...なので、ちょっと判断保留といった感じでしょうか。
ただ2008年とやや古いヴィンテージでは確かにあるので、正常なのかはちょっとわかんないですね...感覚的には2000年代前半の様にも思えます。
次にルシアン ル モワンヌ。
このネゴシアンのワインはそりゃかなーりお高くて、オリヴィエ バーンスタインかルシアン ル モワンヌかって話なんですが、品質もとても高いんですよね。
薄旨とは無縁の、とてつもなく濃厚で充実した果実味、分厚いボディ、そして樽もガッツリ効いている。ともすればテロワールを尊重していないのではないか、とも取れますが彼のキュヴェの中で見れば、村や畑の個性をしっかりと差別化、表現がなされていて、それはもう素晴らしいんですけども...
今回のアベイ ド モルジョはちょっと微妙でした。アベイ ド モルジョという聞きなれない畑は正式に認定されている1級畑ではなく、3.98haのモルジョとその下部にある4.57haのラ シャペルに関しては同名称を使用できる事になっています。共に重い土壌なので、どちらかといえばピノノワールに向くのですが、モルジョ上部に限っては重厚なシャルドネを作ることが出来ます。
今回のラベイ ド モルジョは下部のシャペルも含むため、どの区画をいかほど使用しているかは不明ですが、少なくともモルジョ単体で見るより、下部が広がっている為、あまりシャルドネに適さないであろう部分を使用しているのかもしれません。
この樽のニュアンス、そして甘露な素晴らしい芳香に対して液体の濃度が全く追いついていません。極端な言い方をすれば水っぽい。引き締めるミネラルも酸も欠落しているので、締まりの無い緩い水っぽいワインになっています。
土壌や気候が悪いというよりもヴィンテージの負かもしれませんが。2011年のコート ド ボーヌはかなりダメージを受けたので。
正直同生産者のムルソーや赤の素晴らしさを知っているだけに、かなり拍子抜けしてしまいました。価格を見るとかなり残念な出来なのは間違いありません。

次はウィリアム フェーブルのブーグロ。
極めてクリーンネスなシャブリ グランクリュで、ほぼ樽の要素は出ていない様に感じます。(旧樽を使用していますが、樽の香りをつけるというより嫌気的に近い環境下ですべて熟成させるより、酸素の介在しやすい樽を選んだだけかと)それだけに果実本来のポテンシャルが存分に前に出るわけですが、これがまた凄いんですね。
熟成を帯びて旨味や塩味は若干感じさせるのですが、まずミネラル感が半端なくて熟成してなおビシバシに効いている感じ。そしてネクタリンや白桃、ハチミツ、そして白い花の香りが液面全体に漲っている。
適度な熟成要素と若々しい味わいが大変素晴らしい。わずかに樽のクリスピーな要素が絶妙で、全体的に多くの要素を包含しながらバランスを取っている感じ。いいですね。
若いフェーブルのワインはともすればミネラルと酸に彩られていますが、最初の飲み頃に差し掛かっているのでは無いかと思います。

次にデュガピィのシャルムシャンベルタン。
デュガピィのワインはいつだって濃厚で、例えば幻のシャンベルタンとかラヴォー サン ジャックにも言える事ですが強い抽出と高い新樽比率のワインで華やか、かつ重厚、そして濃厚な果実味があるわけですが、今回のシャルムシャンベルタンは恐るべきエレガンスがあります。それは熟成によるものなのか、テロワールの再現なのか、若いヴィンテージを飲んでいない為ちょっと分からないんですけども、少なくとも前述のラヴォーサンジャックやシャンベルタンには無い特徴だと思いました。
具体的には熟成した新樽要素である樹皮や紅茶、華やかなオレンジピールやスミレの花の香りが支配的。そして出汁の香り、瑞々しいベリー類の果実味。僕の中にあるデュガピィから大きくかけ離れた、華やかで清涼感、瑞々しさのある味わい。強いタンニンや酸味はなりを潜め、梅しばやオレンジの芳香が口の中に広がっていく。
このワインを飲むと、いくら若いワインが好きだと言っても「ちょっと待とうかしら...」って思っちゃいますね。熟成のピークは素晴らしいのは十分に分かってるんですが、待てないので...

以上4本です。
しばらくブルゴーニュを飲まずにいると、たまに飲んだ時に感動が増しますね...
やっぱりブルゴーニュだよなあ、ってしみじみと思ってしまいます。




【トスカーナ:8+】カーゼバッセの熟成インティスティエティ、ヴェッツォーリのゼロ ドサージュを利く。

こんにちは、HKOです。
本日はヴェッツォーリの熟成フランチャコルタ、カーゼバッセの熟成ブルネッロになります。熟成したイタリアは実はあまり経験がないので、結構勉強になりました。
しかもこれがなかなか素晴らしい。


【データ】
ヴェッツォーリは、ジュゼッペ ヴェッツォーリ率いるワイナリーでフランチャコルタのエルブスコに畑を所有おりベラヴィスタに隣接。そこには樹齢は30年~40年のシャルドネが植わっています。
製法は伝統的なシャンパーニュ製法で、アルコール発酵後オーク大樽で12ヶ月、30ヶ月の瓶熟の後ドサージュ、出荷されます。ミラノのフォーシーズンズホテル メインダイニングのハウスワインにも選ばれています。
今回のドサージュゼロはその名前の通り、ドサージュは行わず、SO2も無添加。瓶熟は82ヶ月(7年)の後出荷されます。

カーゼ バッセ ディ ジャンフランコ ソルデーラは、モンタルチーノ地区の南西部に拠点を置くワイナリー。作付面積は23ha。
栽培は全てビオロジック。標高320mの南西向きの斜面に位置し雨の少なく霧が発生しない日照条件の良い気候。気候収穫したぶどうはオーク大樽で温度管理はせず発酵。酵母の添加やバリック樽は使用しない。
熟成はブルネッロで4年、リゼルヴァで5年熟成させた後、瓶で9ヶ月熟成。
リゼルヴァは上質なぶどうが収穫された年のみに作られます。醸造所は最適な熟成環境を確保するために騒音 温度変化 臭気から遮断されています。
ニュースにもなりましたが元従業員が2006~2012までのバレルの栓をすべて開けて逃げた事によってこれらのヴィンテージは全滅してしまっています。
よってほぼこれらのヴィンテージは手に入らない状況です。
ベネッセの例もありますが、従業員の反逆は怖いですね...まあ、この生産者、相当な頑固親父っぽいので無きにしも非ずか。1992年のインティスティエティはインティスティエティ畑とカーゼバッセ畑のブレンドで、本来はブルネッロ ディ モンタルチーノとなるべき葡萄を使ったワイン。ヴィノ ターヴォラにデクラッセされ、熟成期間を延長しリゼルヴァにした一品です。


【テイスティングコメント】
生産者: ヴェッツォーリ
銘柄: ゼロ ドサージュ 2005

約8000円、
外観は濃いイエローで粘性は高い。
ほのかに熟成感があり、極めて旨味が突出、ドサージュゼロだが柔らかくなっている。
ややミネラルを感じる。
塩ナッツ、カリンやアプリコットなどの充実した旨味を擁する果実味。バニラやイースト、ドライハーブ。濡れた木材。ほのかにドライシェリーの風味が感じられる。
ドサージュゼロだが、かなり酸味はこなれてきており、充実した旨味を感じられる。
綺麗に熟成したシャンパーニュにほぼ近い。素晴らしい味わい。


生産者: カーゼ パッセ
銘柄: インティスティエティ ヴィノ ダ ターヴォラ 1992
品種: サンジョベーゼ グロッソ 100%

20000円、WA98pt(1995)
外観は橙を帯びたガーネット、粘性は中庸。
良い出汁の様な香り、新世界の様な味わい。
紫スモモやドライアプリコットの様な旨味が充実した果実味、濡れた木材、濡れた土、梅しばの様な旨味。燻製肉や生肉、紅茶、ハーブティー。ナツメグ、ソースの様な濃厚な風味。腐葉土やアーシーで濃密な味わい。しかしながらミディアムボディ。
非常に充実した果実味、酸は穏やか、タンニンは柔らかい。ソースや旨味が充実した味わいがある。


【所感】
ヴェッツォーリのゼロ ドサージュは、ノンドゼの部分よりも、綺麗に熟成を経ていたことに驚いた。約10年程度の熟成ではあるものの、旨味系シャンパーニュと同等クラスの味わいを4000円で実現しているのは驚嘆に値する。塩気のあるナッツや、旨味を感じさせるカリン、そしてその中にイーストやドライハーブ、濡れた木材の要素。ゼロドサージュによる鋭い酸味の相当量は旨味に転化され、滑らかに、それでいて規模感の大きい旨味を実現している。
マロラクティック発酵の要素はなく、果実味もシャープ。グランメゾン的な熟成シャンパーニュではなく、より酸やミネラルを美しく活かす為の熟成を経ている。
4000円代でこれが買えるのは、ほぼ奇跡に近いだろう。2005年にしてここまでこなれてきているのも貴重。
次にカーゼバッセ。
今回カーゼバッセは初めてで、元の姿がわからないから何とも言えない。
ただ目の前の液体を元に語るのであれば、少なくともサンジョベーゼ グロッソの厚みではない。熟成を経て厚みを増しているとはいえ、強靭な旨味がある。フレッシュさは既に皆無。熟成したニューワールドの様な土っぽさ、そして紫スモモやアプリコットの旨味溢れる果実味、ソースの様な熟成に起因する要素が強烈な旨味を放っている。やや酸化的だが、ブルネッロ最上クラスの生産者の熟成の味わいの一端を感じることが出来る。

今まで熟成イタリアワインはピエモンテや一部のトスカーナくらいの経験しかしていなかったのですが、飲んでみるものですね、ビックリしました。
別に食わず嫌いしてた訳では無いんですが、これだけいい感じになるとは。
カーゼバッセは高いしそもそも手に入りにくいので、別としてフランチャコルタはかなりオススメです。



【シャンパーニュ:33】ハイエンドシャンパーニュの愉悦。アルマンドブリニャック、ベレッシュのクラマン2002

こんにちは、HKOです。
最近更新頻度が低く大変恐れ入ります。
今回は前回に引き続きシャンパーニュです。
内一本はあのド派手なボトルが目を引く、アルマン ド ブリニャック。誰もが目にしたことがあるんだけど、ワイン好きから見るとなかなか怪しくて、値段的にも手を出しにくい、あのシャンパーニュ。
そもそもグランメゾンのシャンパーニュって、セレブがどうだとか、誰々がレセプションでどうだとか、そんな宣伝文句が味わいや技術情報より多く文字数を費やされている訳ですが、まさにアルマン ド ブリニャックはその最もたる1本です。
対してベレッシュは質実剛健なRMですが、地味すぎる...
今回はそんな対比が面白いテイスティングレポートです。


【データ】
アルマン ド ブリニャックは、キャティアが製造するプレステージシャンパーニュの別ブランドで、元はアンドレ クレージファッションハウスの祭典のために手がけたボトルです。アルマン ド ブリニャックといえば、豪華な装丁とゴールドボトル。派手な外見からビヨンセやJay-ZなどのHipHop/R&Bアーティストにも愛されています。目立つ錫のラベルはコニャックの装飾業者が手作業にて貼っています。
手摘みで収穫されたぶどうは伝統的な垂直式プレス機で圧搾され、その果汁のキュヴェのみを使用。手作業でのルミアージュを行い、ドサージュ後に出荷されます。
ゴールドのアッセンブラージュはピノ ノワール、シャルドネ、ピノムニエを1/3ずつ。

ベレッシュは1847年より続く老舗生産者。当主は1982年生まれの5代目のラファエル ベレッシュ。新世代ヴィニュロンとして注目されている一人です。
2004年より始めたビオロジック農法(6haはビオディナミ)にて栽培、収穫されたぶどうはDRCやピエール イヴ コラン モレで使われた樽を使用し、天然酵母で1~1.5ヶ月発酵、シュールリーを行い樽熟成(比率は25%~50%程度)。マロラクティック発酵は行わない。
瓶熟成には王冠ではなくコルクを使用しています。
今回のクリュ セレクショネはベレッシュのネゴシアン部門であるヴァンサン エ ラファエル ベレッシュによるもので、生産者蔵元に保管されている澱抜き前の一級、特級村ヴィンテージ シャンパーニュを購入、自社でエレヴァージュ、デゴルジュマンとドザージュを実施しています。クリュ セレクショネ コート 2002はクラマン村のシャルドネ100%で、ドザージュは2g/L。


【テイスティングコメント】
生産者: ヴァンサン エ ラファエル ベレッシュ
銘柄: クラマン グランクリュ コート ブラン ド ブラン 2002

品種: シャルドネ100%
14000円
外観はやや濃いめのストローイエローで粘性は高め。
かなり良いシャンパーニュ。熟成感が結構出ており出汁様な香りが感じられる。
香りは柔らかいのに、非常に硬質で酸が際立っていてシャープ。
豊かなミネラル感。アプリコットやレモンの様な果実味、クリスピーなバターやヘーゼルナッツの風味、白檀、ドライハーブやふかした栗、バニラなどの香り。わずかにシェリーを感じさせる。ブリュレ的ではないが、熟成に起因する旨味やハーブ、旨みが充満している。
酸は極めてシャープでエッジが効いている。旨みの厚みも厚くアタック感は恐ろしいくらい強い。柑橘系などの強烈な酸が襲いかかってくる。



生産者: アルマン ド ブリニャック
銘柄: アルマン ド ブリニャック NV



外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
比較的スタンダードなフラッグシップシャンパーニュ。ボリューム感のあるタイプではなく、繊細かつシャープでミネラリー。一本しっかりとした芯の入った酸味が際立つ。
リンゴやシトラスなどの柑橘系の果実味、そてフレッシュハーブや白胡椒、わずかにカシューナッツやブリオッシュの風味も。基本的にドライと言うべきシャンパーニュだが、わずかに蜜のようなほのかな甘みを纏っている。
徐々にお出汁のいいところの様な上品な様な旨味が現れてくる。酸味は極めて豊かで、ミネラル感が全体を引き締めておりシャープ。充実した旨味とリンゴの余韻が残る。


【所感】
V&Rべレッシュのクラマン。
香りはやや熟成感が感じられ、ブラン ド ブランらしいクリスピーさがあります。
クラマンは豊満なシャルドネを作るテロワールですが、エクストラブリュットならではの強烈な酸とシャープ感を感じます。これは味も香りもそうで、香りに関しては出汁やクリスピーな樽の香りの奥に柑橘系の果実味が隠れています。熟した果実というより冷涼な果実味ですね。
味わいに関してはヒリつく様な極めてエッジの効いた酸味が特徴的です。
熟成による旨味成分が多く、熟成してなお酸が力強いので、非常に複雑かつ強固なテクスチャーを形成している。逆に酸が立っていないと、緩めに感じてしまうかもしれないので、エクストラブリュットはとても良い選択だと思いました。
これが1万円なら結構お買い得かもしんないです。
次にアルマン ド ブリニャック。
なかなかいいんですが、正直な話、4万円の価値の殆どは豪華なボトルとケース、そして小冊子かと思われます。
中の液体自体は4万円の同クラスと比べると明らかに複雑さに劣る様な気がします。
豊満な訳でもなく、硬質なミネラルがある訳でも、熟成感があるタイプでもなく、モエ エ シャンドンやヴーヴクリコの様なスタンダードなノンヴィンテージシャンパーニュ。
個性はあんまりないです。
派手なルックスはとてもボリューミーな感じがするんですがねー、その実は繊細で清涼感のあるシャンパーニュで、柑橘系の味わいと品の良い蜜の様な香りを放っています。
口当たりは出汁の様な旨味と酸味が入り混じった味わいで、目の細やかな酸がなかなかいいですね。
決して悪くないのですが、値段を考えるとかなーり厳しいかも。
10000円までなら嬉しいシャンパーニュです。まあ、このシャンパーニュの価値を考えた時、割と液体なんでどうでもいいのかもしれませんが。
Jay-Zの件があるのでクリスタルと良く比較されますが、僕はクリスタルの方か好きですねー。





【シャンパーニュ: 32】お手軽だけど高品質ブラン ド ノワール、ドラピエのゼロドサージュとミシェルアルノーのヴェルズネイ。

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュです。あまり高額ではなく、比較的お手軽なものを。(といっても4000~7000円するのだから、やっぱり高級嗜好品ですね...)
ドラピエ、ミシェルアルノーの2生産者のブラン ド ノワールです。


【データ】
ドラピエは1808年から続く老舗シャンパンメゾン。現在は8代目のミッシェルが栽培醸造を手がけています。1989年から自然に近い無農薬の栽培方法に転換しています。
有機栽培で作られたピノ ノワールで使用するのはキュヴェ100%。SO2無添加、発酵時にシャプタリザシオンはしない。ノン フィルターで瓶詰め。瓶内熟成期間は24ヶ月~36ヶ月。ノンドサージュで出荷されます。

ミシェル アルノーは1970年代に設立されたヴェルズネイに拠点を置くドメーヌ。12haの畑をヴェルズネイに保有しグランメゾンにもぶどうの提供を行っています。現在はミシェルと息子のパトリスが指揮を取っています。
空気式圧搾機や斜面を利用したグラヴィティシステムを採用し、清潔なセラーで丁寧な醸造を行い、テロワールをそのまま映し出した様なシャンパーニュを生産しています。


【テイスティングコメント】
生産者: ドラピエ
銘柄: ブリュット ナチュール ゼロ ドサージュ ピノノワール NV
品種: ピノノワール100%

約5000円、WA89pt
外観はやや麦わら色のイエロー、泡は力強く立ち上る。粘性は中庸。
充実した旨みが感じられるライムの様な柑橘系のニュアンス、そして旨味を強く感じさせるアンズ、リンゴなどの果実味。フレッシュハーブやシナモン、ハチミツの様な香りが感じられる。わずかに塩ナッツの様な要素も。味わいは極めてドライで柑橘系果実味とともに豊かな旨み、そして刺す様なシャープな酸味が感じられる。柑橘系のニュアンスと力強いミネラルのような硬質感が感じられる。


生産者: ミシェル アルノー
銘柄: ヴェルズネイ グランクリュ ブラン ド ノワール NV
品種: ピノノワール100%

7000円
外観は濃いストローイエロー、粘性は高い。
かなりしっかりとしたミネラル感がある。
洋梨や熟したリンゴの豊満な果実味、シロップのような洗練された甘露さが感じられ、溌剌とした果実味がある。そしてフレッシュハーブ、香ばしいナッツや木材の香り、ハチミツ、白い花の様なニュアンス。
酸はやや強めだが、旨味や甘露さの発露が強い。強いリンゴやミネラルの余韻が残る。
極めてキャッチーなシャンパーニュだと思う。


【所感】
ドラピエの方は恐ろしく酸がシャープ。
これは本当に毎度の事なのですが、ノンドゼは香りは普通のシャンパーニュとそう変わらないのに、口に含んだ時の舌を突き刺してくる酸や一塊化したミネラルのギャップが結構辛いんですよね。ドラピエに限った話では無いのですが、まあこれは好みの話で。
しかしながら、個人的な好みは一旦切り離してみると、お値段としてはかなりよく出来ていると思います。ミネラルの硬質感やブラン ド ノワールの厚み、ノンドゼのシャープさが絡み合い、氷山の様な鋭さを包含している。まあ、半端な甘さは一切無い、ある種振り切れたシャンパーニュだと思います。
次にミシェルアルノー。
こっちのブラン ド ノワールは豊満でとても好みです。ピノノワールらしい厚みがあり、そして高い熟度がある。
樽材の香りもほのかに香り、フラッグシップの様な趣こそないものの、手堅く纏まった良いブラン ド ノワールだと思います。
ヴェルズネイのピノノワール自体が充実したミネラルかありますが、硬質な印象はあまりありません。どちらかというとしっかりと果実味が現れたスタイルとなっています。
どちらも低価格ながらハッキリとしたスタイルが出ていて個性的だと思いました。


【ボルドー: 18】シャトー ピジョン ロングヴィル バロン 2003

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーの2級シャトー、ピジョン ロングヴィル バロンです。
たまに飲むとボルドーもいいですね。まあ、これも毎度言ってるんですが...

【データ】
シャトー ピジョン ロングヴィル バロンは
コンテス ド ラランドもラトゥールに隣接するメドック格付け2級シャトー。
1980年終わりにAXAへ売却された後、ランシュ バージュのジャン ミシェル カーズを監督として雇用し、新たに導入された厳しい選別、収穫時期を遅らせる、セカンドワイン導入、新樽比率の向上によって劇的に品質が改善した。作付面積は68ha、平均樹齢は35年。収量は45hl/ha。
砂利質で生育したブドウは手摘みで収穫。100%除梗。ステンレスタンクで通常15~17日間発酵、マロラクティック発酵も一部行われる。3ヶ月後樽に移され、新樽は70%で12~15ヵ月熟成。清澄処理も濾過処理も実施。


【データ】
生産者、銘柄: シャトー ピジョン ロングヴィル バロン 2003
品種: カベルネソーヴィニヨン65%、メルロー35%

約10000円、WA94pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
熟成によるニュアンスがはっきりと現れ始めているが、ボディはまだまだ若々しく、若干の収斂性を残す。
炭焼きや燻製肉の香りとともに西洋杉、甘草やナツメグなどのスパイス、トリュフなどの土っぽい香り。熟したブラックベリーやカシスの果実味と共に薔薇やタバコなどの香りが感じられる。ガッシリとした男性的な体躯のワインで、香りもアーシーな要素が際立って感じる。
タンニンや酸は力強く、収斂性は高い。
ブラックベリーや土のニュアンスが色濃く感じられる。イメージとしてはラトゥールに近いが、あそこまで堅牢ではないか。


【所感】
ボルドーの中でもポイヤック、サンジュリアン、サンテステフのみ例外的に良い年になった2003年のロングヴィル バロンです。
流石に11年も経過しているわけですから、熟成香は現れて始めているものの、ボディが極めて若く力強い。熟した黒系果実の果実味やタンニン、酸はまだまだ力強く残っている。
兄弟のピジョン ラランドに比べると、より堅牢でラトゥールに近い。アーシーで重厚感がある。典型的なポイヤックのスタイルだと思う。
まだまだあと20年くらいは熟成しそうな感じ。
ボルドーのグランヴァンたる味わいを持っている。

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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