【イタリア(フリウリ・モンテファルコ):10】ミアーニの超絶メルローとパオロベアの土着サグランティーノを利く

こんにちは、HKOです。
iPhone6に機種変してきました。
このブログはほぼiPhoneのテキストエディタとFC2 Blogのアプリで出来ているので、環境激変です。
PCは好みのテキストエディタが無くて(この長文をブラウザ直打ちはさすがに無い...)、かつ単純に文章を書き連ねるだけならQWERTY物理キーボードよりフリックの方がミスタイプ少なく、結果早いし、場所を問わないのでどうしてもこっち寄りに。
ただ今回iOS8になって虎の子のテキストエディタがプレーンテキストのみじゃ無くなったので、かなりがっくりきてます。これじゃevernoteとかpagesとかとさほど変わらんやん...
なので暫定的にプレーンテキストエディタのアプリを噛ませてます。うーん...でかいし生産性が著しく落ちたぞ...

さて、今回はイタリアのピエモンテとトスカーナ以外の優良生産者です。


【データ】
ミアーニは1980年代に設立されたイタリア フリウーリに拠点を置くカルト的存在の生産者。創設者兼醸造家はエンツォ ポントーニ。
ミアーニの生産本数は極小で多くても12000本程度。
剪定とグリーンハーヴェストによって収量を徹底的に下げ、さらにバレルセレクションを行う事で、最高クラスのブドウのみがミアーニの名前を冠して瓶詰される事となる。作付面積は好条件のブットリオとロザッツォ含む13ha。栽培はすべてビオディナミ。
シャルドネ バラッカはブットリオ単一畑の樹齢35年のシャルドネを使用。ホールバンチでステンレスタンクでデブルバージュ、バリック樽でアルコール発酵、マロラクティック発酵を行った後、新樽50%のバリックで10ヶ月熟成させる。年間900本。
ロッソはミアーニメルローのセカンドワインでメルローを基調としながら複数品目のセパージュとなる。
畑はブットリオとロザッツォから選定。ホールバンチで木製解放桶でアルコール発酵、マロラクティック発酵。無濾過。熟成期間および新樽比率は不明だが、ファーストラベルは新樽100%で23ヶ月熟成。

パオロ ベアは1980年代に設立されたイタリア ウンブリアにあるモンテファルコ サグランティーノ最上の生産者。
限りなく自然に近い方法での栽培を行っており、ビオディナミを実践。醸造においては野生酵母の使用し、42日間のマセレーション。温度コントロールを一切せずにアルコール発酵。42日間もの長いマセレーションののち、ステンレスタンクにて24ヶ月、さらに大樽へと移され24ヶ月熟成させる。ノンフィルターでボトリングする。


【テイスティングコメント】
生産者: ミアーニ
銘柄: シャルドネ バラッカ 2012
品種: シャルドネ100%

12000円、WA92pt(2010)
外観は淡いストローイエローで粘性は高い。
オイリーな充実したミネラル感とナッツの様な油膜っぽい香り、バターの要素が前面に出ており、その奥に新世界にも似たよくフレッシュな黄桃や洋梨、果実の蜜の様な充実した果実味が感じられる。フレッシュハーブ、バニラなどの要素が感じられる。
酸は穏やかで、僅かにやや残糖を感じられる甘やかさがある。ボディは厚めでグレープフルーツの皮の様な僅かな苦味が感じられる。
豊満でボリュームのあるシャルドネ。


生産者: ミアーニ
銘柄: ロッソ 2010
品種: メルロー85%、レフォスコ15%

11000円、WA92pt(2009)
外観は紫を帯びた黒に近いガーネット、粘性は高い。こちらもシャルドネと同じく新世界にも似た重厚で重みがある赤。
乾いた土や熟したブラックベリー、プルーンの様な果実味、小豆の様な風味。メロン、トリュフ、スミレの風味。ミルク。燻製肉、コーヒーなどのトースティーな香りが感じられる。
酸もタンニンは柔らかいが、僅かにタンニンが際立っている。乾いた土やブラックベリーの余韻が感じられる。


生産者: パオロ ベア
銘柄: モンテファルコ ディ サグランティーノ パリアーロ 2006
品種: サグランティーノ100%

7000円、WA94pt(2005)
ややオレンジを帯びた黒に近いガーネット、粘性は高い。
鉛筆の芯や煮詰めたソースの様な香り、果皮の厚い紫スモモ、ブルーベリー。メロンを感じさせるフルーツ香。薔薇の様な要素もある。血の様な香り。僅かに生肉、獣香がある。樹皮。リコリス。
酸は穏やかだか、タンニンは豊か。
果皮の厚い紫スモモ、ブルーベリーなどの風味が感じられる。


【所感】
まずミアーニから。
フリウーリは主に白ワインに適した土地と言われます。ポーラという冷たい突風が吹き比較的冷涼な土地と言えます。
それでいてこのロッソやバラッカの過熟感、それでいて白には不思議と冷涼感も感じられます。
バラッカはよくマロラクティック発酵と樽の要素がはっきりと現れています。また果実味も高い為、どこか新世界的な印象を受けるのですが、その根本を引き締めるのは何と言っても、この強烈なミネラル。この部分がいわゆる新世界的な味わいに冷涼さを加えている原因ではないかと。そして残糖を感じさせるほのかな甘さ、わずかなグレープフルーツを思わせる余韻があります。
ロッソも新世界メルローのグランヴァンたる味わいがあります。セカンド的な立ち位置のワインではあるものの、リッチでローストした様な樽香と凝縮した果実味が感じられます。やや土っぽさや燻した様なタッチもあり、むしろポムロールあたりのメルローを想起させる感じ。重厚で重みがあり、その分酸はトレードオフされていますが、十分に素晴らしいメルローと言えるのではないかと思います。
最後にパオロ ベアのサグランティーノ。
この中でも比較的熟成が進んでいるように見えるワインです。熟成というより酸化のニュアンスでしょうか。こういうものなのかな。
鉛筆の芯やソースの様な香りを主体として獣香や果皮の香りが感じられる。
ボディは重く若いヴィンテージにおいては、カリフォルニアのローヌ品種の様なアロマだったのではないかと思います。ただ丁度熟成の狭間というか、現段階では純粋に楽しめるかといえば、まだ微妙のような気がしますね。

以上イタリア3種類でした。
毎回土着は新たな発見があって面白いなー。



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【シャンパーニュ:34】夏頃から飲んだシャンパーニュ3本

こんにちわ、HKOです。
本日はシャンパーニュです。ものすごくベタなヴーヴクリコのローズラベルからBBRのプライベートブランドまで、幅広いラインナップでございます。
今回の最も驚いたのはヴーヴクリコ ローズラベルの品質の高さでしょうか。

【データ】
ヴーヴクリコはルイヴィトン モエ ヘネシー社が保有するシャンパーニュ有数の大規模メゾンです。
1772年にフィリップ・クリコ=ムーリオンがランスに設立し、後の1810年に「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」と改名しています。現在の醸造責任者はジャック ペテルス。著名なRMであるピエールペテルスは彼の甥に当たります。フラッグシップはラ グランダム。

ゴッセは1584年にアイ村に設立された老舗極小メゾン。創立者はピエールゴッセ。シャンパーニュでも最も古い歴史を持つメゾンです。
今回のグランレゼルヴはシャルドネ46%、ピノノワール38%、ピノムニエ16%のスタンダードなセパージュのキュヴェで、平均格付98%の特級畑・1級畑の葡萄から作られます。リザーヴワイン比率は平均2年間熟成を13%。一番搾りのみ使用。

ベリーブラザーズ&ラッド1698年に設立された英国最古のワイン・スピリッツ商。ロンドンの地下には300年前から存在する巨大なワインセラーを保有しています。またベリーブラザーズ&ラッドは世界に約300人しか存在しないマスターオブワインの有資格者を8名も属しており、その調達能力は世界最高とも言われています。
今回のル プレステージュはベリーブラザーズ&ラッドのプライベートブランドで、生産は全てマイィ社が行っています。セパージュはピノノワール60%、シャルドネ40%。


【テイスティングコメント】
生産者: ヴーヴクリコ
銘柄: ブリュット ロゼ NV
品種: ピノノワール50%、シャルドネ33%、ピノムニエ17%

約5300円
外観は淡いオレンジに近いピンク色、粘性は低い。
ブリオッシュや、熟したイチゴやチェリー、洋梨の豊かな果実味。シロップの甘露さ。スミレの様な華やかさ。フレッシュハーブ、クローヴやカシューナッツ、バターの風味。わずかになめし革の要素がある。
非常にボリューム感のあるブリオッシュやシロップの様な風味と、瑞々しく官能的な果実味がある。
酸味は柔らかいが、発泡はしっかりとしている。瑞々しい赤系果実の余韻が感じられる。
凄い。ベタだけどよく出来ている!


生産者: ゴッセ
銘柄: グラン レゼルヴ NV
品種: シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエ

約8300円
外観は濃いイエロー、粘性は中庸。
ハツラツとした旨味と酸味が特徴的で酸味と旨味を伴うリンゴやアプリコットの豊かな果実味、乾いた木材、ローストナッツ、フレッシュハーブの要素がある。果実味のフレッシュ感と果実味が際立っている。
酸味は豊かだがえぐりこむ様な切れ味がなく、非常に旨味が凝縮している。


生産者: ベリーブラザーズ アンド ラッド
銘柄: ル プレステージ ミレジム 2006
品種: ピノノワール60%、シャルドネ40%

約12000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
白檀やローストナッツと共に旨味に満ちた熟したリンゴやライチ、パッションフルーツの様な果実味がある。バターやナッツ、ドライハーブや、わずかなバニラの風味、シナモンの様な要素。しっかりとしたミネラル感がある。
若々しく華やかでフレッシュなタイプのシャンパーニュ酸味は十分にあり、適度に落ち着いており、パッションフルーツとハーブの余韻が残る。


【所感】
まずはヴーヴクリコのローズラベル。
スタンダードなキュヴェにはなるのですが、イエローラベルを最初に飲んだ時はそのレベルの高さに結構驚いたものです。
誰が飲んでも美味しいと感じる瑞々しく豊満なスタイル。ブリオッシュやカシューナッツ、赤系小果実、洋梨の豊満な果実味。そしてフレッシュハーブなどの要素。極端に強い酸やミネラルはない為、熟成に向くか未知数だが、開けて飲んですぐに感動できる一本だと思います。一般的に良く飲まれるシャンパーニュのうちの一本ですが、ファンも軽視をしないで飲んでみると良いのでは。素晴らしく安定したシャンパーニュだと思います。
次にゴッセのグランレゼルヴ。
驚く程豊かな酸味と旨味が感じられるシャンパーニュ。若々しいリンゴやアプリコットの様な果実味とほのかに伴う樽香、フレッシュハーブの様な要素がある。甘露であったりトースティーであるかというとそんな事はなく、ドライでシャープな印象。
清涼感のある、例えるならばメニル シュール オジェの様な雰囲気を醸し出している。ミネラルもしっかり存在している。熟成によってどう変化するか未知数ではあるものの、きっと旨味突出型の熟成シャンパーニュになるんじゃないかしら...
最後にBBRのル プレステージュ 2006。
この中ではお値段が張りますが、品質としてはかなり高いと思います。新樽の要素と共に熟したリンゴやライチ、パッションフルーツなどの果実味、完熟と酸味を思わせるハチミツの様な甘露さもあります。
若々しく華やかな味わいで、ミネラルも充実しています。過度のリッチさや豪華さはなく、またミネラルや酸に偏る事がないバランス感覚に満ちたシャンパーニュだと思います。

この3本、夏から秋口にかけて飲んだシャンパーニュですが、やはりシャンパーニュが醸し出すリッチなアトモスフィアは稀有なものだと思います。意外と他のスパークリングだとそういった感じって出ないもんです。




【カリフォルニア(オレゴン):24】熟成ハーラン&ベルスール、その真価を検証する。

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニアのハーラン エステート、オレゴンのボーフレールです。
ハーランはまだボンドも含めて6回くらいしか飲んだことがないのですが、何回飲んでも、その素晴らしさに驚かされます。
ボンドのヴィンヤードごとの差別化。プロプライエタリーレッドの全能感。
いずれも素晴らしく感動的でした。
今回は初めて熟成を帯びたものを飲みます。

【データ】
ハーランエステートこそカリフォルニア最高峰のカルトワイナリーと言って差し支え無いでしょう。
もともとハーランエステート1種類のみのワイナリーでしたが、95年にはセカンドワインの「ザ メイデン」を、99年にはハーランの別プロジェクトであるボンドエステートから単一畑の「メルバリー」「クエラ」「セントエデン」「ヴェシーナ」「プリュリバス」そしてマルチヴィンヤードの「メイトリアーク」がリリース。それらのいずれも驚く程評価が高くワインアドヴォケイトでは5回(94,97,01,02,07)、ボンドを含めると7回(01セントエデン、07ヴェシーナ)の100点を取得しています。
もともと不動産業界に活躍していたウィリアム ハーランが1980年代半ばにオークヴィルの西に位置する標高100~180mの丘陵(裾野にはモンダヴィのト カロンがあります)を購入。ロバート レヴィを栽培責任者・醸造長に、ミシェル ロランをコンサルタントに迎え、カリフォルニア最高峰のワイナリーはスタートしました。その後高い評価を受けていきますが、99年には別プロジェクトのボンドエステートを立ち上げています。マルチブレンドのハーランに対して、ナパのテロワールを緻密に再現したシングルヴィンヤードのボンド。基本的には製法は畑に合わせて行われています。
ブドウの栽培は徹底した収量の抑制が成され、収穫はタンニンと糖度が上がりきった遅い時期に手作業で(小さいトレイに入れながら)行われています。 収穫した後、除梗(完全除梗)と手作業による3回の厳しい選果を実施。ステンレスタンクとオーク製のバリック樽を併用し、基本的に高い温度で1ヵ月以上発酵を行います。そしてフレンチオーク新樽(ミディアム ロースト)100%にて25ヶ月程度熟成。マロラクティック発酵は熟成過程で実施。清澄、濾過せずに瓶詰めする。
ハーランエステートのプロプライエタリーレッドのセパージュの比率は不明。品種はカベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン、プティ ヴェルド。ヒルサイドに密集して植樹されており、土壌はフランシスカン頁岩(粉砕された岩石)。1/3が堆積土壌、2/3が火山性土壌。
全体生産量の30%はハーランエステートとして、20%はセカンドラベルのザ メイデンとしてリリースされる(残りはバルクとして売却されます)。

ボー フレールは1986年に設立されたオレゴン ウィラメット ヴァレーに拠点を置くワイナリー。初ヴィンテージは1991年り
南東、南西向きの急斜面の約30エーカーの畑を保有。砂石を含む堆積土壌。収量を極力制限、自然酵母中心で発酵。新樽比率は高め。無清澄、無濾過で瓶詰め。SO2添加は最低限に抑えられています。
ちなみにワインメーカーのマイケル エッツェルはロバート パーカーJrの義弟。
テンペランスヒルは2000年にのみリリースされた貴重なピノノワール。
ちなみにワインメーカーのマイケル エッツェルはロバート パーカーJrの義弟です。


【テイスティングコメント】
生産者: ボー フレール
銘柄: ベル スール テンペランス ヒル 2000
品種: ピノノワール100%

約10000円
外観は濃いめのルビー、粘性は高い。
比較的濃いタッチのピノノワール。
土や下草の香り、トリュフ。そしてミルクティーや熟したダークチェリー、ブラックベリーの果実味。黒オリーブ、クローヴなどのスパイスの要素。ローストした肉やシロップをかけたワッフル。わずかな消毒液。シナモンの要素もある。
土の様なクロヴージョに似た香り、熟した果実味は新世界を感じさせる。
タンニン、酸は潤沢にあり、それでいてなめらかな舌触り。土やベリーの綺麗な余韻が残って行く。


生産者: ハーラン エステート
銘柄: プロプライエタリー レッド 1993
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン8%、プティヴェルト2%

WA95pt、65000円
ややオレンジを帯びた明るいガーネット、粘性は高い。
強固なハーランの輪郭が程よく解けてきている。適度な熟成香を放ちながら潤沢な果実味を維持している。
トリュフや湿ったオーク、土の香り、タバコを放ちながら、強靭なカシス、ブラックベリーの熟した果実味を放っている。リコリスやよく燻製した肉、ドライフラワーの様な香りが渾然一体となって立ち上っていく。やや焦げた様なロースト香もある。
柔らかい酸や滑らかなタンニンを球体となっており、球体が解けて旨味が立ち上がってくる。極めてスムーズで柔らかい。土や消毒液、ブラックベリーの余韻が残っていく。
クリーミー。


【所感】
生産年は異なりますが、どちらも「すごく若い!」と感じました。
ただ硬さが残って飲みにくい、という否定的な面ではなく、若々しい果実味を残しながら綺麗に角が取れている、という印象。
ボーフレールに関しては比較的濃いスタイルのカリフォルニアピノノワールといった風体。僅かに熟成の香りを纏いながら、あくまで主体はミルクティーや熟したダークチェリーやブラックベリーの様な果実味が感じられる。クローヴやスパイスなどの要素もあり、極端に果実味が際立ったクロ ヴージョといった感じ。酸もタンニンも潤沢にあり、まだまだ熟成しそうな感じです。
エキス感や強烈な旨味が表出するまで至っていないので、もう少し熟成を待っても良いかもしれません。角は取れています。
次にハーランエステートのプロプライエタリーレッド1993。
リリースしたてのハーランは極めて堅牢で、その爆発的な果実味を鋼の鎧で覆い隠すが如きタンニンや樽、抽出の要素があります。
さながらシャトーラトゥールの様な堅固さ。
ただ熟成を経て鋼の鎧はシルクに、熟成によって彩を纏いながら、なお若々しく豊満な体躯を保っています。しかも数年で朽ちるとは全くもって思えない。悠久を超えてその姿を保ちそうな気すらしてくる。
約21年の熟成を経ていることとなりますが、この若々しさは一体なんだっていうんだろうか。
濡れた土や木材、タバコ、ドライフラワーの要素と残留する果実味と燻香が渾然一体となって立ち上がり、球体のタンニンと酸が口の中を滑り抜けていく。神懸かり的な熟成カベルネだと思う。
こちらもボーフレール同様にまだまだ熟成する余地を残しており、現在は若い状態での飲み頃と言えると思う。本懐はあと20年くらいは続くのではないかと思う。

いやー、熟成ハーラン凄かった...圧巻という他ないですね。ボーフレールもよかったです。


【ローヌ:16】本能に訴えかける、考えうる最上のエルミタージュ3種。

こんにちは、HKOです。
昨日に引き続きローヌでございます。
今回はタン エルミタージュ周辺のアペラシオンとなります。
コンビエのクローズエルミタージュ、シャプティエのブラン ド ロレ、ル パヴィヨン、シャーヴのエルミタージュ ルージュです。


【データ】
ドメーヌ・コンビエはローヌに拠点を置く自然派生産者。現当主はローラン コンビエ氏。1970年代からビオロジーに傾倒しており、葡萄畑のみならず、周辺を取り巻く環境を視野に入れビオを実践。当代から醸造所をリニューアルし、温度調節装置付きステンレスタンクなどの最新の設備が備わっています。高低差を利用したグラビティーフローを採用し、葡萄に負担をかけない醸造を行っています。
収穫された葡萄は100%除梗。マセラシオンの期間を長めに行い、温度調節装置付きステンレスタンクで約25日の発酵、その後、80%は新樽もしくは5年以下の樽で熟成される。

Mシャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのローヌワインで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。すべて完全なビオディナミによって栽培がなされています。
パヴィヨンは樹齢70-140年のシラーの古木を使用し、手摘みにて収穫した葡萄は木製開放桶で野生酵母でアルコール発酵。毎日1-2回程度ピジャージュを行います。発酵温度は20-32度とやや高めで、キュヴェゾンは3-4週間。新樽100%で20ヶ月の熟成を行った後、無濾過、無清澄で瓶詰め。
ロレ ブランはビオディナミで栽培したマルサンヌを手摘みしフレンチオークとステンレスタンクで30日間17度で発酵。 フレンチオークの新樽30%、ステンレスタンク70%でMLFを行いながら16ヶ月間熟成の後無濾過、無清澄で瓶詰めされる。

ジャン ルイ シャーヴをエルミタージュ最高の生産者と呼ぶ事に異論が出ることは無いでしょう。シャーヴのエルミタージュルージュは9つのリューディから成り(その中にはシャプティエのレルミット、ドゥラスのベッサールも含まれています)基本的に単一畑で醸造することは無いようです。シャーヴの芸術的な所はそれらの個性のブレンド技術に起因するものだと言われています。これらはまさにローヌ北部のトップワインと言って差し支え無いだけに値段も高く、それでも引く手数多なので入手しにくいのが現状です。生産本数は30000本程度、平均樹齢は60年程度。収穫された葡萄は10%新樽で1年間熟成させたのちに、大樽に移し替えさらに18~24ヶ月の熟成をかさねてから瓶詰めし、最低12ヶ月は瓶熟してから出荷されている。
ちなみに最良ヴィンテージのベッサールは100%新樽でひと樽のみ熟成されキュヴェ カトランという名前でリリースされている。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ コンビエ
銘柄: クローズ エルミタージュ 2012
品種: シラー100%

5000円、WA88-90pt
いわゆるクローズエルミタージュと比べるとはるかにエレガントで、ブルゴーニュにも通じるニュアンスがある。
シラーらしい濃いガーネットの色調で、粘性は高い。鉄釘やなめし革の様な強い果皮のニュアンスと、黒胡椒や燻製肉の様なスパイシーさがある。ダークチェリーやブラックベリーの果実味や薔薇の様な華やかさ、炭焼きなどの要素が強く感じられる。果皮と冷涼な果実味からブルゴーニュらしさも垣間見れる。
スパイシーなキャラクターは間違いなくシラーだけど、ローヌっぽい過熟感が無い。酸味と旨みを前に出したスタイル。硬質感があり冷涼。
酸味は力強く、またタンニンも溌剌としている。スパイシーな茎や胡椒、そして黒い果実の余韻が長く残る。酸が際立っている。
若干マロラクティックな要素もあるか。エレガントでクリーンなシラー。華やかさと酸。かなり官能的なワインだな...。ギガルの様に甘くない。シャーヴを淡く小ぶりにした様な感じだ。


生産者: シャプティエ
銘柄: エルミタージュ ブラン デ ロレ 2011
品種: マルサンヌ100%

約30000円、WA100pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
極めて新世界的な甘露で濃厚な味わい。
バターやヘーゼルナッツなどの風味と共に、濃厚で甘露な洋梨や黄桃の様なアロマが感じられる。
杏仁豆腐やドライハーブ、白胡椒、ブリオッシュのアロマ。極端に厚みがありボリューム感たっぷり。甘さはオーベールに似るがどこか感じるハーブっぽさが特異性を感じさせる。
酸味は滑らかで柔らかい。甘い花の蜜やハチミツ、バニラの様な甘露さが余韻として広がる。ボディが圧倒的に厚く、わずかに苦味を感じる余韻がある。


生産者: シャプティエ
銘柄: エルミタージュ ル パヴィヨン 1989
品種:シラー100%

WA100pt、約90000円
外観は橙を帯びたガーネット、粘性は強い。
穏やかになりつつも獣香がしっかりとあり、かなり熟した果実を感じさせる印象。
獣香、濡れた土や葉、熟したブラックベリーやシロップ漬けのプルーンの様な果実味。ミルク。キノコや生肉の様な風味、非常に出汁様の香りがある。ムスクやジビエ、シナモンや黒胡椒の風味。よく焼いた牛脂の様な香りもある。
口に広がる血液や獣香、黒胡椒の様な風味。
酸味、タンニンは柔らかく滑らかで突出した旨味がある。わずかな井草の様な渋み。素晴らしい。


生産者: ジャン ルイ シャーヴ
銘柄: エルミタージュ ルージュ 2011
品種: シラー100%

約30000円、WA95-98pt
外観は紫に近いガーネットで、粘性は高い。
強烈な凝縮感があり内外にそのエネルギーと果実味を振りまいている。単にパワフルなだけではなく突出して目が詰まっている。
ジャムの様なプルーンやブラックベリーの様な果実味、ワッフルやミルクコーヒーの濃厚さ。乾いた土やタバコ、生肉の様な野性味があるが果実味には劣る。徐々にスミレやフレッシュなベリーの様な強烈な華やかさが現れる。
酸はなめらかで、タンニンは潤沢が、目が細かく、切り立ったような部分がない。
ミルクチョコレートや黒系果実のコンポートの様な余韻が残る。まろやかかつ重厚。素晴らしい。


【所感】
さて、エルミタージュです。
個人的にはエルミタージュよりコート ロティ派なのですが、そうはいっても最上のエルミタージュはえもいわれぬ魅力があります。
ことシャーヴのエルミタージュに関してはどのコートロティよりも好みです。
今回はそんなシャーヴのエルミタージュをはじめとして、大御所シャプティエのセレクション パーセレール2種といった、まさに最高のエルミタージュ、そして周辺地域のクローズエルミタージュを追って行きました。
まずは周辺地域のクローズエルミタージュから。
ドメーヌコンビエはエルミタージュこそ保有していませんが、周辺地域のクローズエルミタージュで非常にレベルの高いワインを作っています。
スタイルとしては鋭角的でエレガント。
荒削りで野性的な果実味が魅力のエルミタージュと比べると、よく言えば洗練された雰囲気。悪く言えば果実味がエルミタージュに比べると少なめである事が言えます。
シラー由来の燻製肉や黒胡椒の様なアロマはそのままに果皮に起因する華やかさが前面に出ていて、ブルゴーニュ的な雰囲気を纏っている様にも思えます。冷涼な雰囲気があります。ジュヴレシャンベルタンの特徴に近いです。かなり官能的なクローズエルミタージュでなかなかいいと思います。
次にブラン ド ロレ。
これが凄まじいエルミタージュ ブランで一部のスキも無い。想起させるのはオーベールのリッチーヴィンヤード。極めて濃厚で重量感のあるマルサンヌで香ばしい樽の風味と過熟した果実味、ブリオッシュ。そして白胡椒とハーブの要素が特異性を際立たせる。
口に含むとシロップや花の蜜、バニラが球体となって膨らんで行く。
その分酸はトレードオフされているものの、日照条件か良いテロワールを極めて精緻に映し出している様にも思えます。
後味に僅かな苦味があり、その苦味すら全体を引き締める役割を担っており、1つの世界観として完全に確立されている。
新世界的だけど、ローヌらしさがしっかりと存在し、それでいて隙がない。
今飲んでも美味しいけれども、きっと熟成ポテンシャルもとても高いと思う。最上のマルサンヌ。
次にエルミタージュ パヴィヨン。
このパヴィヨンはシャプティエの単一畑としては初のヴィンテージで、かつパーカーポイント100点というなかなか無いレアな代物。
まず思うのが、若い。80年代のワインにも関わらず、この果実味の充実度よ。
熟した黒系果実やシロップ漬けのプルーンが詰まったジャムの様な香りを骨子にエルミタージュ独特の強い獣香、熟成による濡れた土や葉、生肉、血液の要素。シナモンや黒胡椒などの複雑な要素が一塊となって立ち上がって行く。
これだけ複雑な熟成起因の香りがありながら、充実した果実味が存在する奇跡。
タンニン、酸は滑らかでフルーツ、獣香、黒胡椒の余韻が残る。
元のタンニン、パワフルさは推して知るべし。今なお良好のバランスを見せるパヴィヨン。素晴らしい。まだまだ熟成の伸び代がある。若いヴィンテージからの変移としては順当。しかしながら力強いタンニンと強烈な果実味はそのままに熟成を纏うのは、やはり奇跡的だよなあ。
最後、シャーヴのエルミタージュ。
もはやこれば説明不要。今回も本当にグウの音が出ないほど素晴らしい。
やはりシャーヴの凄まじいところって、この果実味の目の詰まり方、凝縮感、それとシルクの様な質感を高レベルで両立してるところだよなあ。あるときはジャミーで、あるときはフレッシュな果実味が優美に変遷する。
甘露でありながら、緻密。果実味と他の要素、口に含んだときの滑らかさとのバランス感の絶妙さは本当に凄い。毛羽立ちがない。
2011年のシャーヴも極めて安定のクオリティと言って過言ではないかと思われます。
ただ2010年と比べると密度や口に含んだ時の質感がちょっと違う感じがしますね。
2010年はより引き締まっていて、球体の印象のあるアタックだったと思います。
2011年も比類なきエルミタージュだとは思いますが、2010年の奇跡の様なエルミタージュと比べるとほんの僅かの不足感を感じるかもしれませんね。
とはいえ、このクラスのワインには、もう平伏するばかりです。本当に毎年感動させてくれます。

以上、ローヌでした。
やはりシャーヴは最高ですな...シャプティエも凄かったし、凄い幸福な気分になれるワインでした...






【ローヌ:15】最上クラスのシャトーヌフ デュ パプ3種類を利く

こんにちは、HKOです。
またもや間が空いてしまいまして申し訳ありません。
本日はローヌ、シャトーヌフ デュ パプの3生産者のワインです。
やはりラヤスは素晴らしい...


【データ】
ボワ ド ブルサンは現当主の祖父がピエモンテからローヌに移住した1950年代に設立されたドメーヌ。現在の責任者は3代目ジャン ポール ヴェルシノ。ピエール ユッセリオの従兄弟にあたります。保有面積は樹齢の高い葡萄が植わる27区画18 ha。生産量は55,000本。フェリックスは樹齢100年の古木が植わる土壌の異なる二つの区画を(ラヤス付近の砂質土壌、粘土+大振りの石の区画)使用。標高は100mの南向き斜面。 有機栽培で、9月に収穫を行い、収穫された葡萄は全房でコンクリートタンクで自然酵母を使い発酵。ルモンタージュは毎日短く行い、最低限の抽出を実施。醸造期間は25日。バスケットプレスでプレス。フレンチオークの古い小樽を用い22ヶ月熟成。 無濾過、無清澄で瓶詰め。

ドメーヌ ド ラ ジャナスは1973年にエメ サボンがローヌに立ち上げたドメーヌ。
現在は醸造学を学んだ息子のクリストフが指揮を取っています。畑はシャトーヌフ デュ パプに15ha、その他レジオナルに40ha保有。平均樹齢は60-100年。区画ごとに細分化して醸造、ブレンドを行います。
収穫は9月中旬~10月初旬まで順次。除梗80%程度行い、75%は大桶で熟成、残り25%は樽熟。新樽比率は40%。

シャトーラヤスは偉大なるジャック レイノーの息子、エマニュエル レイノー率いるシャトーヌフデュパプ最高の生産者。いわゆる最新のニューワールド的なシャトーヌフではなく、古典的で、かつ(アンリ ボノーの様な)独創的なワインを作っています。ポートフォリオはシャトーラヤス、そしてセカンドのピニャン、シャトー ド フォンサレットのコート デュ ローヌが瓶詰めされます。
平均樹齢はいずれも50年。わずか15hl/haという徹底した収量制限を行い、丁寧に栽培を行っています。おそらく除梗はしず、全房発酵を行っていると思われる。
近代的な醸造(ステンレスタンクや温度管理、オーク新樽使用など)を嫌い、自然のまま醸造を行っています。
シャトーラヤス、ピニャン共にセメントタンクにて発酵を行い、10年来の旧樽を使用して22ヶ月の熟成を行っています。


【テイスティングコメント】
生産者: ボワ ド ブルサン
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ キュヴェ デ フェリックス 2010
品種: グルナッシュ65%, ムールヴェードル、シラー、テレノワール、ミュスカルダン、ピクプール、クノワーズ、ヴァカレーズ合計35%

12000円、WA95pt
外観は濃いガーネットで粘性は強い。
ボーカステルにも似たトラディショナルなヌフ。それでいて幾分かのエレガントさが感じられる。いわゆる過熟的な作風のペゴーや自然派的なアンリボノーの様なスタイルでは無い。エレガントでスパイシーなヌフだ。
表に程よい獣香があり、野性的な印象を受ける。熟度は高く、紫スモモやプラムの熟した甘露な果実味。焼いたゴムや炭焼きの香り、黒胡椒のニュアンスやナツメグやコリアンダーなどのオリエンタルなスパイス香、ユーカリや薔薇の様な華やかさを感じる。
タンニンと酸は充実しているが、ローヌとしては比較的柔らかいタイプである。野性的な獣香とスモモなどの旨味を感じさせる果実味かある。


生産者: ドメーヌ ド ラ ジャナス
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ ヴィエイユヴィーニュ 2012
品種: グルナッシュ80-85%、ムールヴェードル10%、シラー10-5%

16000円、WA95-98pt
外観は小豆の様なガーネットで、粘性は高い。適度な酸味を感じさせる。
古典的なシャトーヌフ。干したプルーンやブラックベリーを思わせる凝縮した糖度が感じられる。ミルクティーやブリオッシュ、黒胡椒、徐々にアプリコットの様な酸味が現れてくる。土っぽさ、燻製肉、プーアル茶。ワッフルの様な甘さもある。わずかにハーブの要素も。
酸味もタンニンも柔らかく滑らか。それでいてしっかりとしたボディがある。ブラックベリーやミルクティーの様な甘やかでハーブの様なアロマが一体となって余韻に残る。
やや田舎的ではあるが適度な重さと凝縮感と果実味がある素晴らしいシャトーヌフ。


生産者: シャトーラヤス
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ レゼルヴ 2005
品種: グルナッシュ100%

約38000円、WA97pt
外観は淡いオレンジを帯びたルビー、粘性は低い。
熟成ブルゴーニュの様な旨味に満ちた香り。
程よく熟成した味わいで、タイムや濡れた土や木材の香りと共に黒胡椒や生肉、そして紫スモモや梅柴の様な果実味がある。徐々に甘みを増し、ベリーのほのかな甘みを纏う。ドライフラワーや漢方、コリアンダーなどの要素がある。わずかに燻香が感じられるが、全体的にエレガントでバランス感の良い熟成をしている。
ドライハーブ、果実の蜜やタイムの余韻が長く残る。果実味ではなく旨味の爆弾。
開いてきていつものラヤスらしい強烈なハーブやオレンジ香、強烈な甘草風味が出てきた。凄い。

【所感】
まずはボワ ド ブルサンのフェリックス。
この中だと最もトラディショナルなシャトーヌフだと思う。比較的目立つ獣香が感じられ、かつ熟度の高い果実味、スパイスの要素が感じられる。ただモダンなローヌと比べるとかなり柔らかくボディはミディアム~フルボディに感じられる。シラーの特徴が結構前に出ているかもしれない。全体を引き締めるエレガントな酸や野性的な獣香など。
こちらも古典的なシャトーヌフ、ドメーヌ ド ラ ジャナスのヌフ VV。ただ酸が際立つボワ ド ブルサンと比べると、より黒系果実味が前面に出ている。どちらかといえばこちらは干した様なドライフルーツ。加えてMLF起因の要素が前面に出ている。プーアル茶やワッフルなどの要素も。
ボワ ド ブルサン同様、洗練された近代的なシャトーヌフとは異なり、ともすれば田舎的な雑然としたヌフにも見えるが、堅実に作られたワインにある凝縮感や充実した果実味が感じられる。
最後はシャトーラヤス。
グルナッシュの可能性と多様性を感じられる一本。
ラヤス含めアンリボノーやラウル ペレスなどのどこか冷涼感を感じられるグルナッシュはまあ貴重なのですが、これが凄い好みで熟成による深みがより一層表層化している。
ラヤスのヌフは2008年と1992年を飲んでいますが、その間を埋める様な形で2005年を飲めたのは良かった。熟成の香りと若々しさが結合してどこか熟成ブルゴーニュを思わせる香りを感じさせる。
ただ根底にあるのはシングルグルナッシュの乾いた草やタイム、甘草の独特の要素。と共に熟成の濡れた土や生肉、ドライフラワーの風味。そしてスモモや梅柴の様な旨味に満ちた果実味、ベリーの甘露さ、わずかな燻香が感じられる。極めてエレガントで冷涼。


シラーも冷涼ならスパイシーで、過熟ならキャンディの様な香りを放つので、かなり熟度によって多様性が生まれる品種ではあると思うのですが、たまにエルミタージュなどにも現れる現れる獣香はなんなんでしょうね。
グルナッシュ100%だとそう言ったものはあまり無い様にも見受けられるので、多分シラーの個性なんでしょうね。
いやしかしヌフのセパージュだとシラーの特徴が意外とハッキリと出るもんですね。ローヌのこうしたスタイルはなかなか特徴があっていいと思います。



【南アフリカ:2】脅威のワイナリー、ブーケンハーツクリーフのフラッグシップ3本を利く

こんにちは、HKOです。
本日は前回に引き続き南アフリカのワインを追って行きます。
今回はブーケンハーツクリーフ。南アフリカ最上の生産者のフラッグシップ3本をいただきます。
後述しますが、これがいずれもメチャクチャ凄い、見つけたら即購入余裕です。
ローヌはフランスの中では比較的高騰が緩やかですが、それでも高騰が続いているのは間違いありません。それならばこちらを選ぶのも一つの手かもしれません。


【データ】
ブーケンハーツクルーフは南アフリカのフランシュック地区に1776年に設立 された最古のワイナリーの一つ。醸造は南アフリカの天才ワイン醸造家と称されるマーク ケント。エレガントで力強いローヌスタイルを目指しています。
ワイナリーはフランシュック地区の山々に囲まれた谷にあり、東向き斜面の25haのブドウ畑。日照時間が少なく生育が遅いため、長い成熟期間により複雑なテクスチャを生み出します。
フラッグシップは7つの椅子が並ぶラベルのブーケンハーツクルーフシラー、カベルネソーヴィニヨン、セミヨンの3種類。
シラーは選果、破砕、発酵前に低温保管。大部分を除梗し、4日間の低温浸漬。1週間半程度の発酵を行い、ピジャージュはわずかに行います。マロラクティック発酵を行いながら、2、3年の中古樽で27カ月熟成。
カベルネは5日の低温浸漬。日当たり3回のルモンタージュを2週間行う。シラーより若干高い温度で発酵。スロベニアンオーク新樽100%で27カ月熟成。
セミヨンはローム含有率の高い土壌に1902年に植えられた古木と砂が多い土壌に1942に植えられた古木を使用。葡萄は全房でプレスの上24~48時間静置される。MLFは実施。 100%フレンチオーク新樽を使用しているが低温の為、要素の抽出は最低限に抑えられる。13カ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: ブーケンハーツ クルーフ
銘柄: セミヨン 2010
品種: セミヨン95%、ソーヴィヨンブラン5%

約4200円、WA90pt
外観は明るいストローイエローで粘性は高い。
ややオイリーでミネラリーなタッチがあるセミヨン。熟度は非常に高い。
シトラスやライムの様な果実味とともにパッションフルーツの様な甘さがある。酸と新世界的な果実味。白い花やバター、ドライハーブなどの要素。樽の要素はあまり感じない。
酸は豊かでミネラルもあり、パワフルでありながらエレガントな味わい。凝縮感があり、心地よい酸が楽しめる。


生産者: ブーケンハーツ クルーフ
銘柄: カベルネ ソーヴィニヨン 2011
品種: カベルネ ソーヴィヨン 100%

約6500円、WA92pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
ロイヤルミルクティーや乾いた土の様な香り、熟したブラックベリーやブルーベリーの果実味、西洋杉。それらと共にリコリスやハーブなどの要素と生肉などの風味。
非常に滑らかで品がある。
滑らかなアタック。タンニン、酸味のバランスが取れている。ベリー類の果実味や西洋杉、ミントやミルク、土の様な余韻が残る。


生産者: ブーケンハーツ クルーフ
銘柄: シラー 2011
品種: シラー100%

約7000円、WA93pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
キャンディの様に高域に伸びる様な甘露さ。
凝縮した果実味、プルーンやブルーベリーのコンポートの様な甘露さ。僅かなスモーキーさ。ヨーグルトやミルクの様な酸味を感じさせるまろやかさ。ジビエや樹皮の様な香り、ワッフルなど。溢れ出る果実味。エレガントで香り高い。
酸もタンニンも非常に滑らかで、カベルネ系と比べると、落ち着いた密度を感じる。
チェリーリキュールやヨーグルトなどの瑞々しい余韻が残る。最高。


【所感】
うーん、凄い生産者です。
赤が素晴らしいのも勿論ですが、白もかなりいいですね。
まずセミヨンですが、果実味の熟度が高く、新世界的な甘露な香りを感じさせながら、シトラスやライムなどのピュアさや清涼感、ミネラルを感じさせる作りになっています。新樽100%とありますが、ほぼそれを感じさせる樽香はありません。
新世界的な果実味はあるものの、これは全体に言えることですが、酸とミネラルがしっかりと立っている。そのため熟度は高くても全体的に引き締まった印象を受けます。
次にカベルネソーヴィニヨンですが、MLFと樽の要素が結合し、紅茶や土の香りを前面に出しながら黒系果実の果実味や甘草な生肉の要素が感じられます。
タンニンや酸は際立ちながら極めて滑らかでスムーズ。非常に酸、タンニンのバランスが取れています。新世界的なカベルネのボディをしなやかで柔らかくして、酸を際立たせた様な味わいです。
最後はシラー。これが私の好みに凄く合っていてマジでヤバイ。
高域に伸びる様な甘露さ、高い凝縮感。黒系果実のコンポート、MLFの角の取れたテクスチャー。それでいてスモーキーさや樹皮の様な複雑な要素を包含している。一切の引っ掛かりが無く、美しい酸とタンニンを伴いながら高域に官能的な味わいが広がっていく。
細かい要素は違えど、ギガルのコートロティやシャプティエのエルミタージュではなく、シャーヴのエルミタージュをどこか感じさせますね。これらやシンクアノンのシラーと比べると、密度は少し低いですが、その分伸びて拡散して行く様な香りの立ち方。
この価格を考えると突出した品質と言えるでしょう。

いやー、このワイナリーものすごく品質高いですねー。これからも追って行きたいですがいわゆるブティックワイナリーですから、なかなか手に入らない...
見つけたら買いです。




【南アフリカ:1】銘醸ワインを思い起こさせる超高品質キュヴェ4本

こんにちは、HKOです。
本日は南アフリカのスパークリングと赤ワインです。
しかし南アフリカのワイン、メチャクチャ熱いです。価格自体はそんなでもないのにフランスの銘醸ワインを思い起こさせる様な高品質のワインが沢山。
それでいて新世界ならではのキャッチーさもあり、個人的にはとても熱い地域です。
今回は4本です。


【データ】
トゥエー ヤンガ ゲゼレンはケープタウン北東トゥルバッハ地区最古の家族経営ワイナリー。シャンパーニュのMumm社と提携し高品質なスパークリングを作っています。
栽培は雇用創出の為、機械は使用せず手摘みによって夜間と早朝に収穫が行われる。約500l/1tのフリーランのみを使用。酸化防止剤を一切使用せず、ステンレスタンクで低温発酵。その後マロラクティック発酵。瓶詰め後、約3ヶ月間の瓶内2次発酵。24ヶ月~36ヶ月瓶内熟成(ルミアージュは手動)。

ルパート&ロートシルトは、ウェスタンケープに拠点を置くワイナリー。エドモン ド ロートシルトとレンブラントグループのオーナーであるアントン ルパートが、1997年にフレデリックスベルク農園を購入し、ルパート&ロートシルトを創業、現在は息子のヨハン ルパートとバンジャマン ロートシルトが運営しています。ワインコンサルタントはミシェル ローラン。醸造責任者はオーパスワンなどで修行を積んだスコーク ヴィレム ジュベール。
南アフリカの6地域に自社畑と契約畑を所有し様々な気候、地形の土地を有しヴィンテージによる影響を最小限に抑えています。
摘葉、摘房から収穫まで手作業、収穫後も極めて厳しい選定をおこなっています。
バロンエドモンは彼らのフラッグシップワイン。最良のブドウを使用し、ステンレスタンクでスキンコンタクトのまま18~30日かけて発酵。樽に移してマロラクティック発酵を行い、その後225リットルのフレンチオーク新樽で約22ヶ月熟成させます。

ネイピアは1989年にケープタウン付近ウェリントンに設立されたワイナリー。創業者はマイケル ラウブサー氏。作付面積は40ha。
ローム質のオークリーフ土壌の樹齢16年~20年の果樹から産出されたぶどうは区画ごとに貯蔵。温度管理可能な冷蔵室と貯蔵庫で保管されます。全房でステンレスタンクで25℃で低温発酵。フレンチオークの30%新樽で24ヶ月熟成。さらに瓶内で24ヶ月の熟成を行いリリースされる。
レッドメダリオンはボルドーブレンドのフラッグシップワイン。

ハーテンバーグは南アフリカ、ステレンボッシュに1692年に設立されたワイナリー。
醸造責任者はカール。所有畑の標高は最大で280m。熟成は60%新樽と40%2回使用樽(フレンチオーク)で17ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: トゥエー ヤンガ ゲセレン エステート
銘柄: クローヌ ボレアリス ブリュット 2010
品種: シャルドネ50%、ピノノワール50%

約3000円
素晴らしい。まるでプレステージシャンパーニュの様な味わい。これが3000円とは本当に恐れ入る。
ブリオッシュやバター、バニラなどのクリスピーな味わい。そしてシトラスや白桃などの豊かな果実味がある。フレッシュハーブや蜂蜜、ローストナッツの様な風味が感じられる。各要素のバランスが著しく良い。
強烈な酸味は無く、どちらかといえば繊細な酸味で、綺麗な旨みが充実している。
とにかく香りが華やかで果実味が充実。でもポッテリしていなくて繊細。


生産者: ルバート & ロートシルト
銘柄: バロン ド エドモン 2010
品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー35%、カベルネフラン 25%?

約3500円、WA87pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
よく熟したブラックベリーやプルーンの様な果実味。西洋杉。ミルクやバニラの香りなど。
濃厚というよりボルドーに似た品のある甘露さがある。燻製肉、リコリスやワッフルや炭焼きの様な香り。
香りはボルドーブレンドなのにも関わらずタンニンよりも酸と旨味がずっと際立っている。ミルクやハツラツとしたブラックベリーの様な果実味が感じられる。ミントの香りが鼻に抜けて行く。ムートン

生産者: ネイピア
銘柄: レッド メダリオン 2007
品種: カベルネソーヴィニヨン34%、カベルネフラン32%、メルロー30%、プティヴェルト2%、マルベック2%

約4300円
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
燻製の様なスモーキーさ、乾いた土の様なアーシーさの要素。そして熟したブラックベリーやカシスの様な豊かな果実味。凝縮感がある甘露さ。炭焼きや燻製肉、胡椒やリコリスの要素、カカオなどの要素がある。
こちらも酸が立っている。タンニンも充実しているものの、どちらかというと酸味が強くミルクや鰹だしや果皮の強いブラックベリー、ビターな余韻が残る。ラトゥール。


生産者: ハーテンバーグ
銘柄: ザ ストーク シラーズ 2007
品種: シラーズ100%

8000円、WA91pt
外観は輝きのある赤みの強いガーネット、粘性は高い。
ややアルコール感のある強烈なボディを感じさせるシラー。非常にスモーキーでオイルや炭焼きの様な香り。熟したブラックベリーやダークチェリーのリキュールの様な果実味。オリーブや杉の様な香り。鰹出汁や毛皮などの要素。黒胡椒などの要素が感じられる。
アタックは強いながらも酸味とタンニンは柔らかく、滑らかで鰹出汁の余韻やブラックベリーの余韻が残る。オイルの様な味わい。


【所感】
想像以上にどのワインも素晴らしかった!
今回はワイナリー別で幾つかの赤と泡を飲みましたが、それぞれに個性があり、品質が非常に高い。それでいて共通しているのが、強烈な果実味を維持しながら、決してタンニンに偏重する事無く、豊かな酸を含有しているという点。チリやアルゼンチンは強烈な果実味と共に強いタンニンがありますが、南アフリカはその点、やや控えめだと思います。
裏を返せば、その分長熟しないのではないか、という見方もありますが、ボディはしっかりとありますし、あくまでニューワールド的にやや早めの熟成をする、という事なので、ボルドー並には熟成するんではないかな、と思います。

まず泡からですが、これが早速良いです。
味わいは完全にプレステージシャンパーニュ。樽とマロラクティック発酵起因の要素が絡み合いクリスピーな要素が全面に出ている。下支えする酸を十分に含んだ甘い果実味、ハーブや蜂蜜の要素など、バランス感が非常に素晴らしい。酸のザラつきもなく、あくまでスムーズで突出した高級感が感じられるスパークリングです。セパージュはピノノワール、シャルドネ半々。クリスタルにも似たこの味わいが3000円ってのが凄いですね。南アとしてはいいお値段ですが、品質を鑑みると十二分にお買い得です。

赤はボルドーブレンド2本とシラー。
ボルドーブレンドの2本は驚くほどボルドーしている。先述した様に新世界なりの果実味もありながらしっかりとした酸を含有しており、バロンエドモンはラフィットというよりムートン、ネイピアはラトゥールを思い起こさせました。(ネイピアはケープのラトゥールという叩きがあり「またまたぁ」とおもったんですが存外イメージとしては似ています)
まず、バロンエドモンは熟した果実味と樽とマロラクティック発酵の要素が前面に感じられます。香りにせよ果実味にせよ、甘い香りが前面に出ているというより、各要素のバランスがとても尊重されていて、やはりボルドーを思わせる品の良さを感じます。リコリスやミントの要素などもあります。ボルドーの中でも際立ってキャッチーな味わいはまさにムートンロートシルトに近いと感じました。

次にネイピアですが、こちらはどちらかというとしっかりとローストした樽に起因する土っぽさやスモーキーさが突出して感じられます。熟したブラックベリーやカシスの様な果実味とスパイス、カカオの要素があります。
タンニン、酸も際立ってしっかりと存在しており、極めて堅牢。このボディの強さや堅牢さはやはりラトゥールを思い起こさせるところであります。

最後、ハーテンバーグの ザ ストーク シラーズ。アルコール度数16%程度の濃厚シラーズで、どちらかというと広域に伸びて行くような甘露なタイプではなく、スモーキーかつオイリーで炭焼きの様な風味が感じられます。
アルコール感が強く、タイプとしてはクリス リングランド型でしょうか。
熟した黒系果実のリキュールの様な風味と、黒胡椒、鰹だしの様な風味があります。
アタッキーで超フルボディながら酸やタンニンの要素が柔らかく、引っかかりなどは感じさせません。クリス リングランドのあの超重厚ワインが好きな人は結構合うかもしんないです。

うーん、南アフリカいいですね...
フランスの銘醸地が軒並み高騰している事を考えると、庶民的にはこっちの方が好感度高いかもしれないですねえ。







【アルゼンチン:1】アルゼンチン フラッグシップ級の2本を利く

こんにちは、HKOです。
本日はアルゼンチンのワインです。
アルゼンチンは稀に濃いワインが飲みたくなった時に手に取るのですが、どうにも自分の嗜好にあったワインがなかなか見つからない国です。なかなかもどかしい感じで色々探している最中。こうして飲める機会があるのは大変ありがたいことです。
さて、シュヴァル デ アンデス、そしてカテナサパタのワインはどうでしょうか。


【データ】
シュヴァル デ アンデスは、アルゼンチンのトップワイナリーであるテラザス デ ロス アンデス、シャトー シュヴァルブランのジョイントベンチャー。
アルゼンチン中西部のメンドーサにあるアンデス山脈の斜面にあるシュヴァル デ アンデスの畑はマルベックは1067m、カベルネは980mと非常に高い標高に位置している。
寒暖の差が極端に激しい土地でつくられたぶどうは手摘みで収穫。手作業で選定、除梗した後、更に粒ごとに選果。28日間の発酵期間中に、4回のデレスタージュと8回のルモンタージュを行う。フリーランのみ。フレンチオーク新樽100%18ヶ月熟成。無濾過で瓶詰めされる。

カテナ サパタはアルゼンチンのメンドーサに1902年に設立された老舗ワイナリー。ロバートパーカーをはじめとして世界から非常に高い評価を受けています。現在の当主は3代目であるニコラス カテナ サパタ。醸造責任者はホセ ガランデ氏。
ポートフォリオは、カジュアルラインのアラモス。ラフィットロートシルトとのジョイントベンチャーであるアマンカヤ。そしてカテナサパタのフラッグシップであるニコラス、アルヘンティーノ。シングルヴィンヤードのアドリアーナ ヴィンヤード、ニカシア ヴィンヤードなどがあります。
今回のアドリアーナは1994年植樹をした畑で、標高はなんと1500m。当然寒暖の差は激しい。
醸造には最新鋭の設備を投入し、フレンチオーク新樽60%で24ヶ月もの長期熟成でリリースされます。


【テイスティングコメント】
生産者: テラザス & シャトー シュヴァルブラン
銘柄: シュヴァル デ アンデス 2008
品種: マルベック60%、カベルネソーヴィニヨン35%、プティヴェルト、メルロー5%

8000円、WA91pt
外観は紫に近い濃いガーネット、粘性は高い。
ミルクコーヒーや、リコリスなどのドライハーブの香り、生肉や強い燻香が感じられる。濡れた土や粘土の要素。完熟した紫スモモやブラックベリーの果実味。僅かに熟成を帯びた新世界カベルネの風味がある。ミント、油分などの要素や、タバコや炭焼きの様なスモーキーさ、トリュフの風味が強く感じられる。
こちらもタンニンと酸は強くパワフル。
重厚感がありブラックベリーや紫スモモの余韻が残る。ややタニックすぎる様な気もする。


生産者:カテナ サパタ
銘柄: アドリアーナ ヴィンヤード マルベック 2009
品種: マルベック100%

約11000円、WA97pt
外観は紫に近い濃いガーネット、粘性は高い。
焦がした西洋杉やコーヒー、ドライハーブの香りが混じる。どっしりとしたプルーンやブラックベリーの熟した果実味、甘いシロップ。土のニュアンス、高域に伸びていく果実味が感じられる。徐々にミルクやバターの様な風味。スミレやミント、燻製肉、樹皮や茎などの風味。
リコリスなどのスパイスの要素も感じられる。
強烈に濃厚でパワフル。酸とタンニンも超充実している。どっしりとしたボディは南アフリカとはまた違ったスタイル。余韻も長くプルーンや果皮のニュアンスが残る。


【所感】
ここのところブルゴーニュが多かったので殊更タニックに感じたのかな、とも思ったけれども南アフリカなんかと比べても強いので、やはりアルゼンチン固有の特徴だったりするのかも。
という訳でかなりタニックな2本でした。
各々の特徴を見ると、やはりカテナサパタの良さが際立ちました。香りの骨格としてはローストした樽と熟した黒系果実、そして土の香り。トースティーで濃厚、どっしりとしたボディを持つワインですが、非常に高域に伸びて行く様な香りがある。重々しさを感じない。ともすればエレガントとも取れる様な広がりがある。華やかな果実味というべきか。
勿論その他の要素は新世界なりのパワフルなタイプではあるのですが、極めて鮮明な香りを持つワインです。抽出による恩恵か高い標高によるエキス感か。
やや洗練さに欠けるマルベックの真価を見せてくれる一本であろうと思います。
次にシュヴァル デ アンデス。
こちらは2008年という事もあり、やや熟成を帯びた印象を受けます。
マルベック品種特性や樽の要素が熟成した粘土や灯油の様な要素。生肉や燻香が感じられます。ただ要素の比率としてはまだまだ果実味とマロラクティック発酵起因のニュアンスの方が先行しており、黒い完熟した果実のアロマとスモーキーさ、ハーブやスパイスの要素を感じる事が出来ます。
ただアルゼンチンっぽい濃厚さ、豊満さがあるかと言われれば、どちらかというと堅牢で重厚、といった表現の方が近いかも。
しかし品種が異なるからか、ボルドーらしさはあまり感じられず...
ワイルドな所はサンテミリオンっぽくはあるのですが。

総じて凄いレベルは高いと思いますが、ややタニックすぎて個人的にはもう少しタンニンが丸かったらいいなあ、と思います。
そもそもマルベックがあまり合わないのかしら...
ただ10000円を切る値段でこの品質で有ればコストパフォーマンスはなかなかいいと思います。



【日本:7】国産の希少ワイナリー5種類を利く



こんにちは、HKOです。
本日は国産の希少なワインです。
長野県のファンキーシャトーさん、滋賀県のヒトミワイナリーさん、山梨県のドメーヌミエ イケノさんの3ワイナリーです。
飲んでみて思うのが、決してボルドーやカリフォルニアに追従せず、独自の冷涼さやエレガントさをカベルネやメルローにおいても追及されている様に思えます。
勿論気候的な面もあり過熟した様なカベルネやメルローは出来にくいのかもしれませんが、別の方向性で高品質なワインを作ろうという意思が感じられるのが素晴らしいと思います。

では国産5連発です。


【テイスティングコメント】
生産者: ファンキー シャトー
銘柄: ルージュ メルロー 2013
品種: メルロー100%

3200円
淡いが赤みの強いガーネット、粘性は高い。
トースティーかつ僅かな土っぽさを感じさせる果実味がある。熟したカシスやブラックベリー、砂糖で煮詰めた小豆の様な香りと共に、タバコや焼いた木材の様な風味をが感じられる。燻製肉、西洋杉、ドライハーブなどの要素。
ドライハーブや若々しいカシス、小豆の風味が感じられる。タンニンはしっかりと存在しているが、どちらかといえば酸が際立って感じられる。タッチとしてはロワールのカベルネフランを想起させるミディアムボディ。


生産者: ファンキー シャトー
銘柄: ラ プルミエ フォア カベルネ 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン75%、カベルネフラン25%

5200円
濃いガーネット、粘性は高い。
充実した酸味と旨味、甘みは無いが、どこかピノノワールを思わせる繊細さと凝縮感のある果実味がある。
ダークチェリーやブルーベリーの様な強い旨味を感じさせる果実味、燻製肉、西洋杉や鰹節、タバコやスミレの含み香、土っぽさ、鉛筆の芯、リコリスなどの風味。
香りのミディアムさはピノノワールっぽさあるが、後味は確実にカベルネのそれ。
タンニン、酸味は極めて充実。ダークチェリーの果皮と西洋杉、タバコの様なスモーキーな余韻が残る。


生産者: ドメーヌ ミエ イケノ
銘柄: 八ヶ岳 メルロー 2012
品種: メルロー100%

5500円
外観は濃いガーネットで粘性は中庸。
新世界?イタリア?少なくともボルドーでは無いよく熟したメルロー。
極めて華やかでスミレや薔薇、溶剤。ややインクの様な風味。カシスやブラックベリーのリキュール。バニラやカラメルの風味。かなり甘みが強い。香ばしいナッツ類。
土っぽさ、タバコ、リコリスなど。わずかに青さはあるものの、焦がした西洋杉、ミントの様な風味。甘露でリキュールっぽい純度の高い味わい。
香りから感じられるタッチはカリフォルニアのカルトワインに似ている。それと裏腹にボディは極めて軽やかで重量感は無く、酸味は豊か。凝縮感と旨味に満ちた味わいがある。
素晴らしい!


【所感】
まず、ファンキーシャトー。
先日グリ ド グリを飲んだ時からその品質の高さは何と無く感じていたのですが、メルローとカベルネソーヴィニヨンも、ものすごくいい。
まずメルローですが、ボディこそミディアムボディですが、結構リッチな作りをしていて、トースティーかつ熟した果実の香りが存分に楽しめます。また少し土のニュアンスや小豆の風味が感じられます。
どこかロワールの良く出来たカベルネフランを飲んでいる様な感覚を受けます。
次にカベルネ。こっちはボルドーやニューワールドの様な大柄なカベルネではなく、瑞々しく繊細なカベルネソーヴィニヨン。黒系のベリーの香りはどこかピノノワールの様な印象を受けます。酸味と旨味を楽しむ、ややドライなカベルネ。黒系のベリー類や燻製肉、西洋杉の様なアロマ。 ミディアムなボディですが、口に含んだ時の印象はカベルネソーヴィニヨンそのもの。
充実した酸味、タンニンと黒系果実とタバコの余韻がいいですね。
価格はややお高めですが、丁寧に作られたカベルネって感じがします。香りがピノに似てるのはコールドマセレーションと新樽の影響かしら。

次にミエ イケノ。
これがものすごいメルローで極めて熟度が高い。香りから受ける印象は例えばスーパートスカーナやニューワールドのメルローっぽいんですよね。ただボディ自体はあそこまでツヤツヤコテコテしてないので、前述の地域で無いことはわかるんですが、すごく世界標準に近い様な作り方をしているなあ、という印象。
ややインキーな印象は受けるものの、華やかかつチェリーリキュールの様なボリューム感のある果実の香りを感じます。また焦がした西洋杉の様な風味がしっかりとある。
それでいてボディは軽やかですが酸味が豊かで凝縮感がしっかりあります。
樽はミディアムローストのフランソワフレール社製を使っているらしく、香りの感じはどことなく納得しました。

結実や収穫の時期に襲い来る台風や降雨量の多さなどの天候的な面、そして製造コストから見て日本は一般的にワインに向かない土地と言われていますが、これだけのワインが出来るというのは、嬉しいもんですね。商業ベースに乗った時に如何程の利益を創出するかはさておき、消費者としては楽しみな限りでございます。


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さて番外です。
なんで番外かっていうと普通のワインの評価軸ではちょっと正しい感想が伝わらない様な気がしてます。ヒトミワイナリーです。
というのは使われてるぶどうが食用ぶどうなんですよねー。
一般的に食用ぶどうはフォキシーフレーヴァーが強く、ワインから敬遠されがちです。
ただそれって本当に美味しくないの?


【テイスティングコメント】
生産者: ヒトミワイナリー
銘柄: ソワフ ブラン 2013
品種: デラウェア&ナイアガラ

1500円
濁って発泡しているストローイエロー。
すごいフォキシーでマスカテル。
それ以外の要素があるかっていうとあんまり無いのだけど、かなりアロマティックでラムネの様な芳香やシトラスの様な果実味がある。
酸味は際立ち心地よい発泡、極めて爽やかな味わい。なるほど、これはあまり深く考えないで飲んだ方が美味しいかもしれない。


生産者: ヒトミワイナリー
銘柄: h3 パピヨン NV
品種: 国産キャンベルス&巨峰

1700円
外観は明るいルビー。微発泡していて、粘性は低い。
いわゆるグレープ。風味はファンタ。
巨峰の味が濃い風味で、フォキシーフレーバーが感じられる。イチゴの様な風味があり、シロップの様な風味がある。
非常にシンプルで複雑性のあるワインでは無いが、極めて軽快で単純に楽しむためのワインといった感じ。酸味とわずかなタンニン。バランスは良い。


【所感】
正直僕はすごく好きですし、なかなかに新鮮な体験でした。
一般的なワインの複雑さや難解さといったものから無縁の、ひたすら楽しむだけのワインといった感じ。
味わいはシンプルで、デラウェアやナイアガラ、キャンベルス、巨峰そのもの味がする。
清涼飲料水的な味わい。微発泡も爽やかでいい。
じゃあグレープサワーやラムネサワーを飲めばいいじゃんと言われたら何とも言えませんが、サワーにはワイン特有の酸とかないしタンニンもないし、瑞々しさがないし、ぶどうそのものって感じがするんだよ。
合わない人は本当に合わないタイプのやつなんだけど、一回飲んでみて気に入れば、今後つい買ってしまいそうなタイプのワイン。
なかなか最高です。








【日本酒:7】路上有花と清泉川、好対照の2本


※在庫一覧

こんにちは、HKOです。
本日は日本酒、オードヴィ庄内の清泉川 銀の蔵 純米吟醸、西川酒造の路上有花 桃花 純米大吟醸の2本です。
ちなみに路上有花はワインアドヴォケイトで91ptを獲得しています。
まあ、あまり当てになりませんが...


【テイスティングコメント】
生産者: オードヴィ庄内
銘柄: 清泉川 銀の蔵 純米吟醸
品種: 出羽燦々100%
精米歩合: 50%
アルコール度数:15%

純米吟醸クラスながら吟醸香が全体のかなりの割合を占めている。よって非常にクリアで華やかでフルーティーな味わい。
メロンや水飴、マシュマロやクリームチーズ、洋梨などの純度の高いフルーティーな味わい、徐々に米っぽさ。キンモクセイ、ダイコンやグレープフルーツなど。
酸味はきめ細やかで水飴などの含み香が残る。純米吟醸にして純米大吟醸の味わいを持つ高品質な日本酒。


生産者: 西山酒造場
銘柄: 路上有花 桃花 純米大吟醸
品種: 兵庫北錦100%
精米歩合:50%
アルコール度数:17%

外観は薄い黄色がかった透明色、粘性は高い。
日本酒度は+に触れているが、甘い酒だ。
水飴や桜餅の様な甘露な甘みがあり、ショートブレッドや木材、マンゴーや洋梨の様な果実味、ラディッシュやレモングラスの様な風味が感じられる。
酸味は柔らかく、ボディの厚みは充実。やや重みを感じさせる味わい。


【所感】
なかなか好対照の2本だったと思います。
個人的に好みなのは清泉川ですかね、これは「良くぞ見つけたぞ!」と自分を褒めたい位ハマりました。
重厚さや厚みはあまり無いのですが、驚きなのはこの清廉さ。精米歩合50%にして極めてピュアでしなやかな味わい。出羽桜を飲んだ時にも思いましたが、このクリアさ、雑味の少なさは出羽燦々の特徴なのかも。
米の旨味や大吟醸の厚みを愛する人には物足りないかもしれませんが、まるで上質なピノノワールを飲んでいるかの様なピュアさ、エキス感。極めて冷涼感がありエレガントです。酸もどこか際立っている様にも感じます。よって花冷えや雪冷えでその個性が強烈に生きてくる。山田錦、美山錦、雄町には無い特徴だと思います。
日本酒の良さを論じる時にこのスタイルはどうなのか、というのはありますが、エレガントなワインを好む人にはハマるかも。素晴らしい!
対して路上有花は丸さや重さが強調されたワインになっています。米を感じさせない出羽燦々とは異なり、米の特徴を強く感じさせるねっとりとした旨味や甘み、ボディの厚みがとても特徴的です。
純米大吟醸的な純度はさておき、内包するフルーティーさと旨味は出色もの。享楽的な日本酒だと思います。ただスタイルではあまり好みではないかも。
桃花が良かったら葵も検討していたのですが、葵はどこかでグラスで出てたら飲むにとどめようかしら...といった感じ。
さて次は何を飲もうかしら。無作為に飲んでいるので、何かテーマを決めて飲んでみても面白いかもしれませんね。




プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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