【ブルゴーニュ:83】オークセイデュレスが産み落とす奇跡の雫

こんにちは、HKOです。
本日は最高の生産者が作るオークセイデュレスです。
オークセイデュレスはムルソー、シャサーニュ、ピュリニーの白の名産地、ヴォルネイ、ポマールの赤の名産地に紛れて今ひとつ日の当たらない地味なアペラシオン。ちょっと可哀想なくらい日の目を見ないアペラシオンですが、ムルソー、ピュリニーに近いだけに実は高い品質のワインを生み出すポテンシャルを持った村であります。
それを見事に証明したのが、ルロワのドメーヌ部門であるドーヴネと、ブルゴーニュの新星バンジャマン ルルーです。


【データ】
ドメーヌ ドーヴネは、ラルー ビーズ ルロワが100%所有し生産するドメーヌです。メゾン ルロワはネゴシアン、ドメーヌ ルロワは髙島屋と分割所有していますので、ドーヴネこそがマダムの意向が最も色濃く反映されたドメーヌと言えます。それだけに値段は高く、希少性も非常に高いことで知られています。
栽培は勿論厳格なビオディナミによって行われます。除草剤、殺虫剤、合成肥料、その他科学的処置は行われておらず。伝統的な方法で瓶詰めされます。無濾過、無清張。新樽率は100%。
超低収量で木1本あたり4房、1haあたり16ヘクトリットル。不良果以外を取り除いたのみで除梗はしません。今回はオークセイデュレスの村名指定畑名付きワイン、レ クル。

バンジャマン ルルーはボルドーのコスデストゥルネルで修行し、元コント アルマンの 醸造責任者も務めたバンジャマン ルルーが立ち上げたネゴシアン。今ブルゴーニュで最も期待されているライジングスターともいうべき生産者です。ファーストリリースは2007年。ネゴシアンですが、樽での購入はせず、何度も畑に足を運び、栽培方法含め栽培農家と協力しながら作ったぶどうを独占購入し、自社で醸造を行います。大部分をビオディナミとリュット レゾネで栽培し、残りはビオロジック。フラッグシップはボンヌマールとバタールモンラッシェ。


【テイスティングコメント】
生産者: バンジャマン ルルー
銘柄: オークセイ デュレス 2011

約4000円、WA89pt(2010)
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
ミネラル感がありながら、よく熟したシャルドネ。よく出来たシャサーニュモンラッシェ的。
オイリーなミネラル感と共にシロップやバニラの様な甘み。洋梨、白桃の様な果実味。モカや杏仁豆腐、フレッシュハーブや白い花のアロマ。わずかにナッツの様な樽香が感じられる。決して重苦しくなく濃厚な訳でもなく、極めて高いバランスで果実味とミネラルが両立している。
酸の滑らかさ、旨味の発露共に最高で、洋梨や熟したリンゴ、バニラなどの風味が感じられる。綺麗な厚みがあり、極めてよくできたシャルドネ。


生産者:ドメーヌ ドーヴネイ
銘柄: オークセイ デュレス レ クル 2002

約70000円、WA94pt
外観はやや濃いめのストローイエローで粘性は高い。複雑。
ムルソーペリエールにも似た圧倒的なミネラル感、堅牢さが感じられる。しかしながら奥の方に強烈な果実味が潜んでおり、クリームブリュレに発展しそうな気配がある。
オイルやローストナッツのようなミネラル感、樽の要素と共に、バニラやプリン、わずかなカラメルの要素が潜んでいる。果実のフレッシュさはあまり感じないが洋梨的な風味は感じられる。ドライハーブ、焦がしバター、白胡椒、シャンピニオンの様な要素がある。豊満な甘み、濡れた木の要素があり熟成を経ている。
時間が経つと強烈なカスタードの芳香。凄まじい。
豊かな酸とミネラルが口の中で広がる。熟した洋梨やカリン、ミネラル、バニラのような複雑な風味と甘みが広がっていく。
綺麗な厚みがあり、決して刺々しくなく目の細かいオークセイデュレスだと思う。


【所感】
熟成したドメーヌ ドーヴネが(例え格下キュヴェでも)凄まじいのは十分理解していましたし、まあ実感その通りだったんですが、個人的に驚いたのはバンジャマン ルルーですね。
今回白は初めてでしたし、なんせオークセイデュレスなので、さほど期待していなかったのですが、これがメチャクチャいいんですよ!一見ブルゴーニュなのにスクリューキャップなので「?」って感じなんですが、開けて飲んでみれば、ブルゴーニュのシャルドネの良さが全て包含された味わい。
ピュリニーやコルトンシャルルマーニュ、一部ムルソー程ではないにせよ、十分に張り詰めたミネラル感、そして2011年らしい酸があるし、蜜の様な品のある甘露さ、程よく効かせたフレンチオークのアロマ。
いずれかが突出する事なく各々の要素が均衡を保っている。
ただ一級並とか特級並、という事は決して無いです。一級特級はミネラルの含有量や醸造段階での樽の要素がそもそも違いますし、長期熟成を想定して作られているので、半端なく硬く酸が強いものが多いです。
そういう意味で言うとこのワインは先述した一級特級並みに熟成するとは思えないんですが、今飲んだ時に感じるのは「今飲む為に作られた若さを活かした最上のシャルドネ」といった感じです。
価格としては4000円という品質を考慮すると極めて安い金額で手に入るので、ものすごくオススメです。
赤も含めちょっと追っていきたいと思います。
次はドメーヌ ドーヴネ。
価格としてはバンジャマン ルルーの10倍以上の、他の生産者のモンラッシェが買えてしまう様な金額の「村名」ワインな訳ですけれども...まあ凄いですよね。
正直ムルソーナルヴォーを飲んだ時にも思いましたが、ブルゴーニュという枠組みを遥かに超えてシャルドネの合わせ鏡的な性質にこれでもかという複雑な要素と果実味を投影しています。
それこそ一般的なモンラッシェなんて話にならないくらい、オークセイデュレスでモンラッシェしている。
ラギッシュやソゼ程クリームブリュレしていませんが、ゆくゆくはそうなりそうですし、ミネラルや他の要素が緻密に編み込まれている。
これは単純にオークセイデュレスという見方をしてはならないワインなんだろうな、と思います。
強いていうなら熟成したシュヴァリエモンラッシェやムルソーペリエールと比較できる代物ではないかと。
それでも価格的には高いですが、感動に対する対価と考えると、決して不思議な価格ではないと思います。

オークセイデュレスのポテンシャルがーなんて言うつもりはハナからなかったですが、これだけ凄まじいアイテムが出てくると、オークセイデュレスを牽引する生産者がもっと居てもいいんじゃないかと思ってきますねえ。




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【ブルゴーニュ:82】リュシアン ル モワンヌ シャルムシャンベルタン垂直テイスティング

こんにちは、HKOです。
メチャクチャ久しぶりのバーチカルテイスティングでした。ルシアン ル モワンヌのシャルムシャンベルタン、2007~2009年です。
後述しますが、意外とこれらのヴィンテージ、既に熟成感が出ています。早いのでは...とも思いましたが良く良く考えればこの時点で既に2009年でも5年ですもんね。流石に2009年はまだまだ果実味主体でしたが2008年2007年は作柄もあるのか、強い熟成感を感じる格好となりました。


【データ】
リュシアン ル モワンヌは、1999年に立ち上げられた名だたる1級特級のみを瓶詰めする新進気鋭のネゴシアンです。
年間生産量は100樽以下。発酵後のワインを買い付けて瓶詰めするが、このネゴシアンの最も卓抜したところは、優れた生産者を見抜く力と、購入したバルクワインに適した樽を仕付けるセンス。
購入したワインは(当然バルクで買ったワインなので)徐梗されているもの、されていないものにバラツキがあるが、そのスタイルにあわせてシャサン社と連携を取りながら100%新樽で熟成、マロラクティック発酵を行っていく。
その評価はかなりのもので、もともとのワインの品質の良さと樽熟成の巧みさが非常に高く評価されています。
フラッグシップは白はモンラッシェ、赤はシャンベルタン クロ ド ベーズ。


【テイスティングコメント】
生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2007

20000円、WA92-93pt
外観はやや淡いルビーで粘性は高い。
この中では順当に最も熟成感が感じられる。
香りにしっかりとしたボディが存在するが、確かに熟成起因の燻製肉や鉄分、紅茶や枯葉の要素が主体的に感じられる。梅しばやプラムの旨味を感じさせる果実味、炭焼きのロースト香、ナツメグなどのスパイス香、アーモンドなどの要素が感じられる。
熟成はしているものの、ボディに衰えはさほど感じず、厚みがある。
旨味が潤沢にあり、クローヴ、梅しばやプラムの果実味がしっかりと感じられる。酸味、タンニンはまだ潤沢に残っており、まだ熟成する。余韻も長い。


生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2008

20000円、WA93-94pt
外観はやや淡いルビーで粘性は高い。
こちらもやや熟成感が強めに感じられるが、より果実味的な部分が表面に出ている。梅しばや果皮の厚いブルーベリー、ダークチェリーの様な果実味、それと共存するように燻製肉や血の香りも感じることができる。若い樹皮、ドライフラワー、ナツメグやアーモンド、トマトの様な風味もあり、スパイシーかつやや青さを感じる作り。樽の風味はやや控えめかもしれない。
酸とタンニンは豊かだが、2007年と比べるとやや余韻が短いように感じられる。旨味が主体ではあるが、その分どこか果実の甘みが感じられる。


生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2009

20000円、WA93-96pt
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
比較的若々しいが、少し熟成感がある。
コーヒーや黒砂糖などのトースティーさと果実の甘さを兼ね備えた上で、熟したダークチェリーの風味と鉄分となめし革の要素を感じることができる。黒土や燻製肉、紅茶やアーモンドなどのやや乾いた、焼いた様な風味がある。奥の方に果皮のニュアンスが感じられる。この中では最も強く熟した果実と樽のニュアンスを含有しており、ルモワンヌ的であると思う。
酸味、タンニン共に充実している。余韻も長いが、2007、2008年と比べると旨味の表出にかんしてはまだ控えめに感じられる。ベリー系とアーモンドの余韻。わずかに苦味が残る。


【所感】
結構ハッキリと作柄と熟成工程が見てとれた比較となりました。ネゴスにも関わらず(樽以外にも)一貫した特徴があり、熟成や作柄がとても良くわかりました。
まず2009年。2000年代の中でも突出したグレートヴィンテージであるこの年のシャルムシャンベルタンは僅かに熟成のニュアンスを漂わせながら、典型的なルシアン ル モワンヌのスタイルが維持されている。
強い樽香と豊かな果実味が分離しており、各々で強い主張をしている。旨味が僅かに表出しているが、極めて若々しい印象を受ける。
それから見ると2008年は熟成年数以上に熟成が進んでいるように感じる。やや青さを残しながら、熟成香と旨味の表出がメインになっている。燻製肉や鉄分、梅しばの要素に黒系果皮の要素とドライフラワー、トマトの要素がある。この段階では原料起因の香りや味わいを残すものの、熟成はかなり進んでいる印象です。
やや線の細さを感じるのも、果実味が落ち着いてしまった事が原因かもしれません。
2007年はより熟成が進んでいます。
樽と果実味が完全に融合し、旨味と熟成香が主体となっています。しかしながらタンニンと酸がまだ十分すぎる程残っているため、ボディ的には厚く、まだまだ熟成の余地を残している様に思えます。
円熟した熟成香が魅力的で、強い鉄分や梅しばの様な香り、ナツメグなどのスパイシーな香りが厚みのあるボディとともに迫ってくる。
若いルシアンのワインと比べるとかなり大きな差分があり、樽や果実味がもともとは存在していた、という事があまりわかりませんでした。
後味に残る苦味がローストの証跡にも感じますが、基本的には熟成途上のピノノワールといった感じです。
まだ熟成しますが、熟成した香りが好きな人には十分に楽しめる状態になっていると思います。
逆に若々しい状態が好みの人にはあまりオススメ出来ません。

今回最も驚いたのが、熟成によって、あの特徴的なルシアン ル モワンヌのワインが大きく変貌するという事です。飲んだことのある人なら、あのコーヒーの様なロースト香、シロップや黒糖を感じさせる甘露さは、ともすればオーベールの様なカリフォルニアのピノノワールを想起させますが、熟成によって一気にブルゴーニュ寄りになっていく様な気がしました。
いや、カリフォルニアもそういう熟成なのかもしれませんが、少なくともらしさはハッキリと感じましたね。
たまにエレガント派()の人達に色々言われたりする生産者ではありますが、リッチさやロースト香だけではなく、しっかりとテロワールとヴィンテージの機微を出せるネゴシアンだと思いますので、もっとみんな飲もう!?




【ブルゴーニュ:81】除梗有無でこんなにも差が。自然派生産者2つのキュヴェを利く。

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュの中でも限りなく自然派に近い2生産者、フィリップ パカレとフランソワ フュエ(ダヴィド デュバン)です。


【データ】
自然派の生産者は数多いますが、ブルゴーニュといえばなんといってもフィリップ パカレだと思います。
マルセル ラピエールの甥で、若い頃はプリューレ ロックの醸造長を務めていた彼ですが2001年から自身のドメーヌを立ち上げて、高品質なワインを送り出しています。
生産は全てビオディナミによって行われます。農薬や除草剤、化学肥料は使用せず、除梗まで完熟した健全な果実のみを使用します。
発酵は自然酵母を使用して行われ、醸造中でのルモンタージュ、温度管理は行われません。アルコール発酵及びマロラクティック発酵は木樽(新樽比率は低めです)にて行われ、澱引きをせず熟成を行います。SO2(二酸化硫黄)は添加しません。保有している特級畑はシャンベルタン クロ ド ベーズ、リュショットシャンベルタン、エシェゾー、コルトン シャルルマーニュです。
ダヴィド デュバンは1971年に設立されたドメーヌ。

当代ダヴィドデュバンは19歳で学校を卒業後、アミオ セルヴィルやドメーヌ ラルロ、ジャイエ ジルに師事。
自社で保有していたぶどうは、もともと全量を協同組合に販売していたが、90年代に才能を見抜いたフランソワ フュエが自社畑をメタイヤージュ。その後2006年にはジャッキートルショーからも畑を譲り受け規模を拡大しています。保有している畑の樹齢は高く、村名は4区画の平均50年、1級クロソルベは樹齢50年、特級クロ ド ラ ロッシュは樹齢50年となっています。
栽培は有機栽培。収穫は粒単位厳しく選果を行いながら収穫。(よって100%除梗となる)
赤ワインはセメントタンク、白ワインはステンレスタンクで発酵。状態を見ながらピジャージュの回数などを確定。通常30%、一級と特級は50%の新樽比率で12~18ヶ月熟成を行う。その後白は軽く澱引き後無濾過で瓶詰め、赤は澱引きはほぼ行わず、瓶詰めされる。


【テイスティングコメント】
生産者: フィリップ パカレ
銘柄: シャンボール ミュジニー 2011

10000円、WA89pt(2009)
外観は僅かにくすんだ外観の透明度の高いルビー、粘性は中庸。全体的な作りとしてはどこかDRCを感じさせる様なアロマが漂う。
(赤いジャムを想起させる)瑞々しいイチゴやレッドカラント、オレンジの様な果実味、鉄釘やなめし革の様な風味が主体的に感じられる。濡れた木や土の香り、炭焼きやクローヴ、スターアニスの様な風味もある。
僅かに蜜のような甘みが感じられるがどちらかといえばエキス感のワインか。
ボディは2011年なりの厚み。決して薄くはないが香りと比較するとやや細い印象がある。酸は滑らかだがやや強めの苦味が残る。タンニンは繊細で旨味も充実しており、極めて美味いシャンボールミュジニーになっている。


生産者: フランソワ フュエ(ダヴィド デュバン)
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2007

20000円、WA95pt(2008)
外観は澄んだルビー、粘性は中庸。
官能的かつナチュラルな芳香を放つシャルム シャンベルタン。ダヴィド デュパンのスタイルだ。熟成の影響は大きくは感じない。
彼のヴォーヌロマネと比べると比較的黒系果実がはっきりと出ている印象。スパイシー。かつ瑞々しいイチゴやブルーベリーの果実味、オレンジの様な柑橘の香り、茎やクローヴの要素が主体となる。そして華やかななめし革。フレッシュハーブ、わずかにミルクの風味などが感じられる。
熟成によって旨味は充実。酸味もはっきりと表出している。イチゴやブルーベリーの果実味とベリー系の旨味がしっかりと出ている。


【所感】
自然派は人によって好き嫌いありますが、個人的にはこの手の瑞々しい果実をそのまま閉じ込めた様な果実味の出方は大変好みです。なので好き嫌いの激しいスタイルで自分の好みを前に押し出すのは、アンフェアだと思うのですがご容赦ください。
ダヴィド デュバン、フィリップパカレ共に素晴らしかったです。
フィリップパカレはホールバンチ独特のクローヴやスターアニス、茎の様な風味が他の要素と極めて整合性が取れていて、村名でありながらどこかDRCのワインを想起させるワインとなっています。勿論果実の集中度や凝縮感はそれには劣るものの(シャンボールミュジニーだからかもしれません)イチゴやレッドカラントのジャミーな味わいはとてもテロワールを尊重しているし、自然派ならではだなと。
逆にエシェゾーやリュショットの様な上位クラスになると濃密さと凝縮感、複雑さが前に出すぎて、またDRCとも違った感じになるんですけどね。意外と整然としているのはシャンボールかも。ワインとしての品質は明らかにグランクリュの方が上なんですが。

ダヴィド デュバンも瑞々しい果実味が主体となるのですが、こちらは100%除梗だからか、よりクリアな液体で黒系果実の果実味とオレンジ、クローヴの要素が感じられます。酸味と旨味もしっかりとあり構造としてはかなりしっかりとしていると思います。
同生産者のエシェゾー、クロ ド ラ ロッシュと大筋は近いとは思いますが、やはりこちらの方が抽出を意図的に強くしているのか、果皮の厚いぶどうができるのかわかりませんが、ジュヴレシャンベルタンらしい堅牢さが垣間見えるワインだと思いました。個人的にとても好きな生産者なので贔屓目で見てしまう部分はあるのですが。とはいえやっぱりデュバンのワインは超いいです。

どちらも自然派らしい瑞々しさを共通項としながら、除梗有無でかなりの差が見て取れます。
面白いですね。



【カリフォルニア(ワシントン):25】カルトジンファンデル&シラー2本を利く

こんにちは、HKOです。
今回はカリフォルニア&ワシントンのジンファンデルとシラーです。


【データ】
ターリーワインセラーズは女帝へレン ターリーの弟であり、フロッグスリープの共同者であったラリーターリーが指揮を執るカリフォルニア最上のジンファンデル、プティシラーを生み出すワイナリー。ワインメーカーはアレン ジョルダン。栽培は有機栽培。
01年はワインアドヴォケイトにてジンファンデル最高点となる97点を取得しています。
今回のジュヴナイルはターリーのエントリーキュヴェとも言える1本で、6~25年の樹齢の若い木のぶどうを中心に使用しています。サルバドール、ハインヴィンヤードなど12の区画を使用。新樽25%で16ヶ月の熟成。清澄は行わない。

カユースは1996年に設立されたワシントン州ワラワラに拠点を置く生産者。ワインメーカーのクリストフ バロンはシャンパンメゾン バロン アルベールの三男でシャンパーニュ、ブルゴーニュで醸造学を、オレゴン、ワシントン、ニュージーランド、オーストラリアでワイン作りを学んだ。シャトーヌフ デュ パプ同様の小石とシルトで構成された土壌から算出されるぶどうにはワシントン初のバイオダイナミクスを実践している。今回のキュヴェはフラッグシップのバイオニックフロッグ。北部ローヌの生産者をリスペクトしたキュヴェ。アンシャンベルラン、カイユ、アーマダ、アンスリーズの単一畑のポジティヴセレクションを混醸。収量はエーカーあたり1,2トン。自然酵母にて、一部全房発酵。熟成にはルネロスタンから購入した旧樽、そして20%程度の新樽を使用し、ノンフィルターで瓶詰される。


【テイスティングコメント】
生産者: ターリー
銘柄: ジュヴナイル ジンファンデル 2012
品種: ジンファンデル98%、プティシラー2%

約7000円、WA89pt
外観は極めて濃厚な黒に近いガーネット、粘性は高い。極めて新世界的な濃厚なジンファンデル。
主体は熟したブラックベリーやプルーンの様な濃い黒系果実の風味がある。ただ決してインキーではない。しかしながら若干アルコールを感じさせる薔薇や溶剤の様な風味がある。どこかグルナッシュを想起させる。鉄や乾いた土の様な風味、切り出したばかりの杉の香り、フルーツチョコレートやコーヒーの要素もわずかに感じられるが、あくまで主体は果実味。
タンニンとともに酸がしっかりと存在しており、それでいて滑らか。いわゆる高アルコールのダレた感じはなくて、綺麗な酸にブラックベリーやプルーンの要素が追いかけてくる。ドライフルーツをかじる様な感覚。


生産者: カユース
銘柄: バイオニック フロッグ 2004
品種: シラー100%

約20000円、WA99pt
外観は濃いガーネットだがやや縁が淡くなっている、粘性は高い。
土やキノコ、焼いた西洋杉、ベーコンの様な樽や熟成を帯びた風味が主体的に感じられる。コーヒー。そして薬草や甘草、漢方などのハーブの風味も全面に出ている。黒オリーブやブラックベリーの果皮の要素。シラーズに見られる甘い果実味は感じられない。ドライフラワーやトリュフ、クルミなどの要素が感じられる。漢方やリコリス、薬草と共に表出しているロースト香に圧倒されるが、それよりも驚きなのが、アタックのタンニンは舌の上では柔らかいのに、いきなり膨らみずしっとした重みのある苦みやタンニンに変化する事だ。酸も同じくそうで、コーヒーみたいな重みのある苦みが感じられる。


【所感】
まずターリーのジュヴナイル。
若木を使用したキュヴェとの事ですが、そうはとても思えない程、アルコール度数が高く、豊かな果実味が感じられるジンファンデルです。
どこかグルナッシュにも似た、よく熟した厚みと丸みがある黒系果実の果実味やフルーツチョコレート、コーヒーの様な甘さとビターさを強く感じられます。タンニンは流石に強固で、アルコール度数と共に力強いアタックを感じます。きわめてアメリカンなバーベキューワインですが、酸の滑らかさからどこか品を感じさせる味わいだと思います。

次にカユースのバイオニックフロッグ。
このワインは(私が切り取った瞬間に関しては)結構難しいワインに感じました。
非常にローストした樽の香りが前面に出ており、全く液体に馴染んでいない印象を受けました。
基本的には樽の要素とハーブ、スパイス、土の要素が支配的で、果実味はあまり目立っていないように思えました。たた飲んだ感じ、かなりボディはしっかりと厚みがあるように見受けられるので、根底にはしっかりとした果実味はあるんでしょうね。
(ただ別の人曰くすごくいいらしいのて、ひょっとしたら時間経過でメチャクチャ良くなるのかもしれません)
そういう意味ではこのワインはシラーとしてはかなり堅牢と言えるかもしれません。
ジャストタイミングで飲んでみたいですね。
ちょっと判断しずらいワインでした。



【オーストラリア:8】最上シラーズの求心力、グランジとカレスケのシラーズを利く

こんにちは、HKOです。
やっぱりオーストラリアのシラーズはいいすね。
濃いスタイルに好き嫌いはあるでしょうが、このキャッチーさはカベルネやピノには出ない魅力だと思います。
今回はオーストラリアシラーズの最高峰グランジと、カレスケのグリーノックシラーズです。

【データ】
ペンフォールドは1844年に南オーストラリア州に設立されたワイナリー。現在は年間1400万ケースを生産する超巨大ワイナリー。大量生産のその一方でグランジというオーストラリアを代表するプレミアムワインも産出しています。設立当初こそ酒精強化ワイン造っていましたが(今でもグランド ファーザーという名前で売っています、日本未発売。グアムでは売ってましたね。)
1950年に当時の醸造長がボルドーを訪れてから、現在のスタイルに方向転換しています。
代表的な畑はカリムナヴィンヤード、グランジが産出されるクヌンガヒルヴィンヤードなど。
今回のグランジは様々な畑で作られるシラー、カベルネソーヴィニヨンをポジティブセレクションしたもの。個々の状況を見ながらブレンド、100%新樽のアメリカンオーク樽を18ヶ月間熟成。

カレスケは1853年からグリーノック地区でワインを作り続けている生産者。大きく飛躍したのは7代目トロイが醸造家となってからで、醸造学校を卒業後、ケンダルジャクソンなどで醸造経験を積み、現在の高い評価を得るに至っている。ちなみにトロイの母親ロレーヌは手摘みの速さを表彰されている。現場経験豊かなヴィニュロン。
グリーノックシラーズはバイオダイナミック農法で栽培され、手摘みで収穫されたぶどうで作られる。プレスはバスケットプレス。樽熟成はアメリカンオークとフレンチオークの新樽と古樽。約22ヶ月間熟成。
フラッグシップはヨハンゲオーク シラーズ。今回のグリーノックはミドル~ハイレンジのキュヴェとなります。

【テイスティングコメント】
生産者: カレスケ
銘柄: グリーノック シラーズ 2003
品種: シラーズ100%

20000円、WA96-100pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
むせかえる様な濃厚なシラーの香り。
極限まで糖度が上がったブラックベリーやプルーン、それをシロップに漬け込んだかの様な分厚い果実味がある。その奥に黒胡椒や黒糖の様な焦げた要素が感じられる。ドライフルーツ入りのパウンドケーキの様だ。そして溶剤や燻製肉の風味、ラベンダーや漢方などの風味、ベーコンなどの要素。
酸もタンニンも極めて若々しく充実しており、ねっとりとした重量感のある果実味と分厚いボディを感じることが出来る。いわゆるバロッサバレーのフラッグシップクラスのシラー。まるで熟成をしていないかのように若々しい。


生産者: ペンフォールズ
銘柄: グランジ 2001
品種: シラーズ87%、カベルネソーヴィニヨン13%

54000円、WA98pt
外観は赤みの強い濃いガーネットで、粘性は高い。
まだ若々しい色合いを残している。
ナツメグなどの各種のスパイスが入り混じった様なソースの様な香り、その中にプルーンやブラックベリーの煮詰めた様な果実味、生肉などの野性味がある風味に加えドライフラワー、リコリスやユーカリ、タバコや焦げた杉。オイリーな粘土の風味もある。
徐々に本来の果実味を取り戻していく。スパイスを帯びながら煮詰めた甘い果実味がより強くなっていくのを感じられる。
タンニンは未だ力強く、酸も充実している。
鉛筆の芯の要素が支配的だった余韻に、時間が経過するにつれて黒い果実味とスパイスを残していく。
素晴らしいシラーズだと思う。ボディの厚さも流石。


【所感】
やっぱりオーストラリアのシラーズはいいですねー。
繊細なピノノワールを作る一方で、極めてアルコール度数の高い特濃シラーズを作れる、オーストラリアの度量の深さは素晴らしい。
さて今回は主役級のシラーズ2本ですが、まずはグランジから。2001年という事でしっかりとした熟成感を感じる事が出来ます。生肉やドライフラワー、スパイスを思わせる熟成感の中でも、まだまだ若々しさを失っておらず煮詰めたような果実味や焦げた杉の様な樽の要素がしっかりと残っています。ボディも厚く、まだまだ熟成の余地は十二分に残っています。
当初、やや酸化のニュアンスがあったのですが、みるみるうちに復活していくその様を見る限りだと、かなり強靭なワインなんじゃないかと。少なくとも1990でも若さを感じた事から、あと20年は美味しい時期が続くのではないかと。
次にカレスケのグリーノック シラーズですが、これが11年の熟成を経ているのにも関わらず、リリースしたての様な剥き出しの濃厚シラーズにまずは面食らう。
シロップ漬けにした様なプルーンやブラックベリーの様な果実味と、黒糖、黒胡椒。シラー本来の個性を思わせる果皮の煌びやかな香りが感じられます。
何に似ているのか、といえばヌーンシラーズやランリグの様なスタイル。故にオーストラリアの最高クラスのシラーズと言った感じです。
素晴らしいワインですが、オーストラリアの枠を超えたワインではないと思います。ギガル、シャーヴ、クリス リングランド、シン クア ノンの域には到達していない印象。価格としては妥当ですし、まあ好みの問題なので、なんとも言えないんですがね。
ただ一握りの最上シラーズに含まれる事は間違いないんじゃないかと。

以上。



【ブルゴーニュ:77(改訂)】ドメーヌ フーリエ 2012年水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はフーリエの村名と一級畑です。
前回のエントリーからクロ サン ジャック、そして謎のキュヴェ、***** *******を追記しています。


【データ】
フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ品質を考慮するとまだ良心的な生産者とも言えます。
栽培はリュットレゾネ。なるべく自然に近い状態で栽培を行っている。葡萄に負担をかける摘房はせず、摘芽で収量制限をおこなっている。樹齢はいずれも高く、樹齢100年のクロサンジャック、樹齢85年のコンブオーモワンヌ、樹齢74年のグリオットシャンベルタンを保有しています。厳重に選果された葡萄は100%除梗し、半分が破砕される。低温浸漬は自然な温度によって行われ、その後アルコール発酵。空圧式のプレス機て圧搾の後、この手の生産者では珍しい最大20%という低い新樽比率で18ヶ月熟成。そして無濾過、無清張で瓶詰めされます。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: モレ サン ドニ クロ ソロン ヴィエイユヴィーニュ 2012

約12000円、WA88-90pt(2010)
外観はルビーカラー、粘性は中庸。
ジュヴレシャンベルタン同様華やかさに振れているものの、よりこちらの方が甘露さやバニラの香りが強調されている。スミレや熟したアメリカンチェリーやラズベリーの香りが感じられる。最もこの中では豊満なワインと言えるかもしれない。甘いミルクティー、シナモンの要素。トースティーなワッフルや焼栗の様な要素も。極めてキャッチー。
酸とタンニンは滑らかでありながら充実、バニラやラズベリー、スミレの華やかな香りが口内に広がる。


生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: シャンボール ミュジニー ヴィエイユヴィーニュ 2012

13000円、WA88-91pt(2010)
外観はルビーカラー、粘性は中庸。
きらびやかなジュヴレシャンベルタンと比べると幾分か落ち着いた味わい。華やかというよりまろやかな味わい。ミネラリー。
甘やかなシロップとバニラ、茎やハーブの様な青い香りが混ざり合う。ほのかにスミレの香り。ラズベリーやストロベリーのコンポートの様な果実味がある。ユーカリや白檀、ミルクティー。どこかローストしていない木材の要素を強く感じさせる。
酸とタンニンは極めて穏やかで、ジュヴレシャンベルタンほどの力強さはなく、軽やか。
ドライなラズベリーの様な要素とハーブの余韻が長く広がっていく。


生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン ヴィエイユヴィーニュ 2012

13000円、WA90-92pt(2010)
外観はルビーカラー、粘性は中庸。
極めて華やかで凝縮感がある香りが漂う。
奥底にしっかりとした核がある。
果皮のニュアンスと品の良い柑橘系の酸が立った果実味がある。
強烈な柑橘系のオレンジ。スミレの香り、そしてダークチェリーやブラックベリーの蜜の様な甘い果実味が感じられる。トースティーな焼栗、なめし革の様な要素。クローヴなどのハーブのニュアンス。ジンジャーブレットなど、全体的にやはり硬質な印象を受ける。
綺麗な酸味とタンニン、そして充実した旨味がある。オレンジやダークチェリーの果皮、甘やかさそしてアセロラの様な旨味がある。余韻も長く口内に華やかさが残存する。滑らかで華やか。


生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: ヴージョ プルミエクリュ レ プティ ヴージョ ヴィエイユヴィーニュ 2012

22000円、WA90-92pt(2010)
外観はルビーカラー、粘性は中庸。
モレより果皮のニュアンスは強いが果実味が強く、全体的に甘露な印象を受ける。より外に放出する豊満なシロップの様な果実味と果皮のニュアンスが感じられる。凝縮感のある黒系果実に起因するのか、やや筋肉質にも思える。スミレや、ブラックベリーやダークチェリーのコンポート、バニラやハーブの様な香り。焼栗やシナモン、ミルクティーの要素も。なめし革、樹皮やクローヴなども。
酸やタンニンはモレよりは弱いものの、こちらも比較的充実しており滑らかであると思う。華やかな果皮やミルクティー、ハーブの様な余韻が口内に広がっていく。


生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック 2012

約40000円、WA91-94pt
外観は濃いめのルビー、粘性が高い。
さすがドメーヌ フーリエのフラッグシップ。
村名や他の一級を凌駕する華やさ、そして瑞々しく甘露な果実味に満ち溢れている。
ミルクティーやシロップ漬けのブラックベリーやブルーベリー。もしくは蜜に溢れた瑞々しいイチゴの様な果実味。主体は瑞々しく綺麗な果実味にあるが、スミレ、なめし皮や鉄釘。カラメルの様なわずかに焦げた芳香。そして紅茶、シナモン、オリエンタルスパイスなどの芳香が感じられる。ハーブや炭焼きのフィニッシュ。
タンニンはフーリエのワインの中では強めだが、目が細かく、酸も若々しくフレッシュ。ミルクティーや瑞々しいベリーの様な果実味の余韻が残る。


生産者: ドメーヌ フーリエ
銘柄: ***** ******* ****** 2012

約48000円、WA94-96pt(2010)
謎のキュヴェ。
外観は濃いめのルビー、クロ サン ジャックより若干濃い色調で、粘性は高い。
極めて堅牢で硬くその門戸を閉ざしている。
だがその奥に確かに厚い果実味が横たわっているのが分かる。
煌びやかさを伴う位の果皮起因のなめし皮、スミレや薔薇のアロマオイルの要素を感じさせる。そして燻製肉などの要素も。果実味は果皮の厚いダークチェリーやブルーベリー。若い葉や乾いた樹皮、お香や燻製肉のアロマ。徐々に甘みが現れ、ミルクやシロップの様な風味が現れてくる。
強いタンニンと酸があり、フーリエのキュヴェの中ではアタッキーな部類に含まれる。包含している旨みは極めて充実。抽出によって香りが閉じているが、大きな果実味が潜んでいる。スミレや果皮の強い芳香が余韻として残る。


【所感】
まず結論からいくと2012年のフーリエはなかなかいいです。
傑作の2010年ほどではないですが、2011年よりはずっといい様に思えました。
2011年のフーリエは果実味を覆い隠すくらいの強烈な華やかさ、抽出の強さが感じられ、ともすればドライな印象を受けましたが、2012年は2010年の果実味と華やかさの高次元のバランスを小ぶりにした様な感じ。きっちり果実味も華やかさもあって、それでいて2010年ほど規模感が大きくヴァン ド ガルドではない、という感じ。
熟成は早く進みそうですが、現段階でとてもバランスがいい。特にジュヴレシャンベルタンVVは出色の出来。
見事に華やかで果実味の凝縮感が表現されている。
対してモレ サン ドニは華やかだが、ジュヴレシャンベルタンと比べて果実味に重きが置かれているし、シャンボールミュジニーは穏やかで柔らかい、副次的な要素に重きが置かれている。
プティ ヴージョはこの中では1級畑なだけあってモレの中間的な特徴を更に大きくした様な味わい。特に華やかさと果実の凝縮感、甘露さが強調されている様に感じました。
そういう意味では彼の1級畑の中では今ひとつ地味な存在ではあるものの、きっちりと1級なりの仕上がりを見せている様に思えました。

そしてこれらのドメーヌ フーリエの頂点に位置する1級畑 クロ サン ジャック。性質としてはジュヴレシャンベルタンの性質に膨大な果実味を織り込み蓋をしている感じです。煌びやかな印象が先行した村名と比較すると圧倒的に甘露で凝縮、その上で瑞々しさを保っている。凄まじいワインです。強めに抽出をかけているのに、それを上回る熟度、そして決してこれらの瑞々しい要素を阻害しない程度の巧みな樽の要素があります。半端ないワインです。今飲んでも熟成しても素晴らしいものになると思います。
最後は***** ******* ******。
当然ですが完全に閉じていますが、隙間から漏れ出る要素だけでも恐ろしい程のポテンシャルを持っていると思います。このワインだけはヴァンドガルド。フレッシュな状態で飲むのなら2~3年後、最高の状態になるには...ちょっと想像つきません。30年は欲しいところですね。

以上フーリエの村名から一級畑クロ サン ジャックまで。2012年はかなりいいと思います。2010年並み。
最初にフーリエを飲んだ時の感動が蘇りますね...!

また追加があり次第、こちらのエントリーに追記していきたいと思います。






【シャンパーニュ:35】熟成アランロベールとRDが織り成す清風明月な情景

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュ3種類です。何と言っても目玉はアラン ロベールのル メニル レゼルヴ1986、そしてボランジェのRD1996。RDはもう少し寝かせても美味しいんじゃないかと思いましたか、アランロベールはもう素晴らしいの一言です。同じく1988年のものを以前飲みましたが、若干若々しい印象を受けたそれと比べて、この1986年はヴィンテージの差はあれど、かなり円熟した印象を受けます。


【データ】
メゾン ミシェル ジャックは三ツ星レストラン「ラ コート サン ジャック」のオーナーであるミシェル ローランが作るシャンパーニュ。実際の醸造、栽培はシャンパーニュメゾン ジャニソンの醸造責任者であるエマニュエル ジャニソン氏の手によるもの。
栽培はリュット レゾネによって行われ、自社畑比率は約50%使用。残りの50%についてもぶどう買いを行い、圧搾済みや発酵済みのものを購入するわけではありません。ピノノワールはブージィ、ヴェルズネイ、マイィ。シャルドネはヴェルズネイ、メニル シュール オジェ。特級格付100%。熟成は最低24ヶ月以上。

ボランジェは1829年にジャック ボランジェによって設立されたメゾン。1884年からは英国ロイヤルワラントを取得しています。シェフ ド カーヴはマシュー カウフマン。フラッグシップはグランダネ、R.D、そしてヴィエイユヴィーニュフランセーズ。
葡萄は160haの自社畑から供給。最低で60%のピノ ノワールのうち2/3が自社の畑から。アイ村が中心であり、85%がグランクリュ。
グランダネは特級畑のアイ、ブジー、グラマン、オジェ、ルーヴォワ、一級畑のマレイユ シュール アイ、キュイの葡萄を使用しており、収穫された葡萄はオーク樽で一次発酵(MLFも行う)後、コルク栓をしてカーヴで最低でも8年間熟成させます。ドザージュは3~4g/L。

アラン ロベールはメニルに拠点を置いていたレコルタンマニピュラン。
そのクオリティの高さと生産本数の少なさ(受注生産)、反比例する需要の多さ、そして現在は生産していないことから幻の生産者と呼ばれています。現在は後継者に恵まれず、自身のル メニルはルイ ロデレールとクリュッグ(クロ デ メニル)に売却済。
17世紀から400年近く自社の畑のみでシャンパーニュを生産し、市場に出たシャンパーニュはすべて併せて11万本ほど。
グランクリュのル メニルの平均樹齢30年のシャルドネ100%を使用し、伝統的な生産手法によって生産されています。完熟した葡萄を手摘みで収穫し、ヴァン ド キュヴェのみ使用。
大樽(デュミミュイ)にて一次発酵を行った後、ボトル キャップで栓をした瓶で二次発酵。デゴルジュマンまで、ワインは澱の上に寝かせられます。デゴルジュ後も長期熟成による安定化を行い出荷します。
フラッグシップは黄金のラベルが輝く、ル メニル トラディション。


【テイスティングコメント】
生産者: ミッシェル ジャック(ジャニソン)
銘柄: グランクリュ ブリュット NV

6000円
外観は中庸なストローイエローで、泡は力強く立ち上る。ピノノワールの充実した旨味や力強さを包含しながら、クリスピーさやクリーミーさも併せ持っている。
カマンベールやブリオッシュの風味とともにライチや青リンゴの様な酸味と甘みが入り混じった様な風味、バターやカシューナッツ、フレッシュハーブ、チーズの様な香りが感じられる。
主だって見られるのは果実本来の旨味とマロラクティック発酵による要素が前面に見られる。甘露さというより旨味主体。ピノノワールらしい作風。
酸は豊かでシナモンやすりおろしたリンゴの様な甘みとスパイスの余韻が残る。


生産者: ボランジェ
銘柄: RD 1996

32000円、WA96pt
外観は濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
甘露なシロップの果実味が主体的ながら、複雑味に溢れ、分厚い旨味が見え隠れしている。
熟した赤リンゴやライチの様な果実味、フレッシュハーブの様な香り。樽やミネラルに起因するナッツの様なオイリーな風味。バターやチーズの様なマロラクティック発酵起因の要素。キノコなどの熟成起因の香りも。複雑でありながら繊細。徐々にカリンやチーズ、ハーブの様な香りが主体的に。
旨味がしっかりとあり、厚みと共に丸みと柔らかさがある。
口に含んだ際に繊細な酸があり、リンゴの様な果実味とチーズの風味が広がっていく。初動としては突出しているが厚みには関してはアランロベールには一歩劣る。


生産者: アランロベール
銘柄: ル メニル レゼルヴ 1986

-----円、WA93pt(1973)
やや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸。
石灰を砕いた様な強烈なミネラル感、白い花の香りが主体的。そして木材、ローストナッツ、エシレバター、ドライハーブの風味。そして共にリンゴ、カリン、ネクタリンの様な充実した旨味のある果実味、綺麗な出汁の様な味わいがある。カマンベールの様な風味も感じられる。香りの密度が非常に高く、ブランドブランとしては格別に重い。ただ極めて複雑でオイルのような重いミネラル感ではなく、華やかさを伴う石灰粉のよう拡散するようなミネラル感がある。
口に含むとアセロラを口に含んだような強烈な旨味と共に細やかで繊細な泡が感じられる。ナッツと共にレモンやグレープフルーツの要素。綺麗な味わいが感じられる。


【所感】
まずはミシェル ジャック グランクリュ。
価格的には非常に良い出来だと思います。ノンヴィンテージですが、リザーブワイン的な味わいは控えめで基本的にはフレッシュな味わいを感じることができます。メニル シュール オジェらしい目の細かい酸とミネラル感、さらにピノノワールの旨味がしっかりと併合されている。マロラクティック発酵と樽の要素がはっきりと感じられ、果実味と結合し、クリスピーな味わいに昇華されている。
香りに甘みはあるが、あくまで旨味ベースの味わいになっています。これで5000円台なら上々でしょうね。
次にRD。
ファーストノートは甘い果実の香りが大きく芳香するのですが、徐々にハーブやカリン、チーズの様な複雑な香りに変化していく。ややオイリーなニュアンスが感じられ、キノコなどの熟成起因の風味が強く芳香する。グランダネが新世界的なシャルドネを思わせるボリューム感のある果実味が前面に感じられるのに対して、より熟成によって複雑な要素が前面に出ている形になっている。果実のボリューム感はグランダネほどはないものの、旨味が綺麗に表出していると思う。
繊細な酸味と丸みがあり、舌触りも滑らかだ。
もう少し熟成して変化したものも見てみたい。まだ熟成過程だと思う。ただ1998よりは断然円熟していると思う。
最後にアランロベール。
これがものすごいブラン ド ブラン。若さ漲る1988と比較すると円熟はしているものの、引き締まったミネラル感は未だ健在だし、木材や花の香りはより力強く表出していると思う。
このアランロベールのワインのすごいところって、ミネラル感が強すぎると、かなりシャープな印象になったり、MLFと結びついてかなりオイリーな印象を受けたりするんですが、このミネラル感を華やかな要素として表している部分です。それこそ石を砕いた様なミネラル感が、樽や熟成起因の要素と綺麗な旨味溢れる果実味と一塊になって立ち上がる。クリスピーで出汁風味。そしてほのかな甘みを感じる香り。
口に含むと格別に重く凝縮感のある旨味が炸裂する。香りの華やかさと裏腹にギュッと詰まったフルーツを感じさせる。素晴らしい。

以上シャンパーニュ3本。
もう圧倒的にRDとアランロベールが素晴らしいのは、まあ当たり前なんですが、ミシェルジャックのシャンパーニュがグランクリュなのにそこまで高くないし、美味しかったです。成城石井で買えるので是非どうぞー。


クリュッグ クロ デュ メニル [1996]

クリュッグ クロ デュ メニル [1996]
価格:141,700円(税込、送料別)


【ブルゴーニュ: 80】メゾンルロワ、新旧4つのシャルドネを利く

こんにちは、HKOです。
本日はメゾン ルロワのシャルドネ4種類です。
では行ってみましょう。

【データ】
マダムルロワが手がけるのは次の3つのライン、ドメーヌ部門のドメーヌ ルロワ、個人所有のドメーヌのドーヴネイ、そしてネゴシアン部門のメゾン ルロワ。目下最も手に入りやすく価格も安いのがメゾン ルロワですが、それでも並のドメーヌとは比べものにならないほど高品質かつ高額です。
メゾン ルロワはラルー ビーズ ルロワ率いる説明不要のブルゴーニュ最高のネゴシアン。栽培は厳格なビオディナミを行っている生産者のものから買い付けを行ない、新樽率100%で熟成、無清澄、無濾過で瓶づめが為されます。


【銘柄】
生産者: メゾン ルロワ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ブラニー 2011

15000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
豊満な印象を受けるムルソー。柔らかさと厚みを感じる上白糖の様な果実味。決して突出してはいないが、程よいミネラル感。ピュリニーの様な焦点の定まった甘露さではなく、より広域に拡散していく甘露さ。
洋梨や白桃の様なふくよかな果実味。マロラクティック発酵によるバターやバニラの要素。そしてヘーゼルナッツ、フレッシュハーブ。白檀、シナモンなどの芳香も感じられる。
酸は柔らかく、瑞々しい果実味と旨味がある。
余韻には洋梨やバニラ、バターの甘露な風味が感じられる。ふくよかな味わいを持つワインだ。


生産者: メゾン ルロワ
生産者: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ モルジョ 2011

15000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
この中ではアロマティック品種の様な芳香を感じさせる特異なシャルドネ。フォキシーフレーバーがあり、温州みかんやシトラスの果実味があり、非常に若々しい印象を受ける。そこにフレッシュハーブや白胡椒。強い旨みを感じさせるリンゴ。華やかな白い花の要素が強く感じられる。徐々にハチミツなどの芳香が現れ甘露な姿が現れる。樽の要素はほとんど感じられない。
酸は比較的強く、クリアな味わいのシャルドネだと思う。シトラスや白い花、石の様なミネラル、そして後半は蜂蜜のような甘い余韻が残る。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ スー ル ピュイ 2011

15000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
この中では最もバランスが良く完成度が高いワインだと思う。洗練された純度の高いシロップや蜜の様な果実味。高域に細く凝縮して伸びる香り。砕いた石の様な極めて強いミネラル。洋梨やカリンの様な果実味。バニラ、ヘーゼルナッツ、白い花の要素が渾然一体となって凝縮されていく。瑞々しいピュアな果実味。
ミルクやモカの様な風味が徐々に現れる。クリスピーでやや焦がしたような要素。若干ハーブの様な芳香。
酸味、旨味は強く、ハチミツやバター、洋梨の様な強い余韻が感じられる。
最もバランスが良く、味わいの広がりも広い。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: リュリー 1983

23000円
外観はやや濃いめのイエロー、粘性は低い。
非常に素晴らしい古酒で、たかだか村名、しかもリュリーのポテンシャルを遥かに超えた一本になっている。濃密で果実味が充実している。熟成によって樽の要素とマロラクティック発酵の要素、そして果実味が結合し、さながらクリームブリュレの様な味わいを感じる。洋梨など潤沢な果実味が残り、バターや杏仁豆腐、ドライハーブや潤沢で複雑な味わいが渾然一体となって立ち上がっていく。
厚みのある旨味が前面に表出しており、リンゴ、クリームの様な味わいが広がる。


【所感】
メゾン ルロワの白です。
まずは2011年からなんですが、これが同じシャルドネとは思えない程にキュヴェ毎に全く違います。
(もちろんネゴスですから生産者が違うのかもしれませんが) 各々特徴を捉えた作りをしていると思います。
特にムルソーとピュリニーはとても各村の代表的な作りをしていると感じました。ムルソー ブラニーはリッチで広がりのある豊満な果実味と樽っぽさ、ピュリニー スー ル ピュイは甘露なシロップとミネラルを感じさせる引き締まったバランスの良さがあります。
ただ不思議なのが、これだけの違いがあるムルソー1級ブラニーとピュリニー 1級スー ル ピュイ、立地的にはほぼ隣接している点です。
ムルソーの中ではブラニーは特に標高が高く、どちらかといえはピュリニー的な要素がはっきりと出るはずなんですが、かなりムルソー寄りの作りだな、という感じです。確かに程よく感じられるミネラル感はあるのですが。まあ、ここは生産者の個性かもしれません。
ブラニーも高低差がある一級畑なので場所によってはこういうスタイルもあるのかもしれませんね。
さて、ここまでは個性的でありながらブルゴーニュの枠内に含まれそうなシャルドネですが、シャサーニュ モンラッシェの1級モルジョはかなり異質な存在感を放つ一本になっています。
ほぼマロラクティック発酵がなされていない様なシャープかつ純粋なぶどうらしさを感じるシャルドネで、アロマティック品種の様なフォキシーフレーバー的なアロマが感じられます。樽も殆ど感じられません。
個人的にはシャルドネではあまり経験のない味わいで、かといってヴィオニエやソーヴィニヨンでもないんですよね。なかなか不思議な味わいです。
熟成によって結構変わるのかもしれませんか、ポテンシャルは未知数です..、時間経過によってハチミツの様な濃密な果実味が徐々に出てくるので、熟成後大きく変わってくるかもしれません。

最後リュリー。
マイナーなアペラシオンです。しかしこれが素晴らしい古酒です。
認知度の低いアペラシオンとあって市場価格は極めて安いブルゴーニュワインです。というのもあり正直個人的にも熟成ポテンシャルは高くないと思ってたんですが、流石ルロワ、リュリーで1983年ヴィンテージがここまで力強い旨味と味わいを保っているとは思いませんでした。クリームブリュレの様な味わいもわずかに感じられ、コート ド ボーヌの古酒の様な雰囲気を醸し出している。ボディの密度も旨味によって高まっており、熟成こそルロワの本懐といった雰囲気があります。素晴らしいです!

以上ルロワ4種です。
新しいヴィンテージは個性的で、熟成はその本懐を表すような素晴らしいワインになる。ルロワ、素晴らしい。ただやはり熟成してから飲むのか最高ですね。
以前、ニュイサンジョルジュ、クロ デ ゾルム、ボディーヌを飲みましたが、もっと熟成させておけはよかったなあ、と思います。




[1983]メゾン・ ルロワ  リュリー  750ML

[1983]メゾン・ ルロワ  リュリー  750ML
価格:27,000円(税込、送料別)

【ブルゴーニュ:79】生産者ごとの特徴を把握する、ブルゴーニュ古酒&ニューリリース4本を利く

こんにちは、HKOです。
また結構日が空いてしまいました。(一部更新したものはありますが...)
最近仕事が忙しくなんとも口惜しいですが、やむなしですかね。勘弁してください。

今回は新しいヴィンテージだったり、古酒だったりごちゃ混ぜですが、まあ、よろしくお願いします。

【データ】
ドメーヌ ジョセフ ドルーアンはブルゴーニュ最大級のネゴシアンのドメーヌ部門。
ジョセフドルーアンは1880年にワイントレーディングハウスを購入した時に設立され、二代目モーリスが経営を引き継いだ後にボーヌ付近に葡萄畑を購入し事業を拡大、三代目ロベールはミュジニー、グリオットシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌ マール、グランエシェゾーなどの特急畑を購入し世界的な名声を得るに至りました。現在の代表的な銘柄は幾つもありますが、何と言ってもマルキ ド ラギッシュのモンラッシェ、そしてパリスの審判でラモネやルフレーヴの銘柄を凌ぎ5位に付けた(でもモンテリーナにボロ負けた)伝説的な13.4haの自社畑 クロ デ ムーシュ(蜂蜜の畑)。
クロ デ ムーシュの土壌は石が多く、石灰岩や泥灰土で構成される畑。
新樽25%フレンチオークで115ヶ月熟成。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はなしでアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。

ユベールリニエはモレ サン ドニの代表的な生産者。ユベールが高齢の為、息子のロマン リニエが畑を引き続いだが、34歳にして他界。現在は引退したユベールとロマンの弟ローランがドメーヌを運営しています。代表的な畑はクロ ド ラ ロッシュとシャルム シャンベルタンの2枚看板。
樹齢は30年から40年ほどの古木が中心。栽培は有機農法。収量を抑えて収穫されたぶどうは100%除梗。低温浸漬を、1週間弱。アルコール発酵は2~3週間程度。ピジャージュ回数も比較的多めに行い、しっかりと色素、構成要素の抽出をおこなう。
新樽の割合は1級、特級で50%で熟成する。無濾過、無清澄で瓶詰めを行う。

アーサーバロレは、著名なドクターバロレコレクションに関連する銘柄。バロレコレクションはボーヌ生まれのアルバート バロレが生産者から直接買い集めた良質なワインの総称。バロレ亡き後ヴィラロン社に買い上げられ、以降オークションなどで高額で取引される様になっています。今回のクロ ヴージョは、ラベルからも分かるようにオークションに出品されるようなバロレコレクションではないです。ただバロレ存命中のものになりますし、一部アーサーバロレ名で出していたものもあるらしいので、多分ご自身で購入したものになるのかな? 真偽の程は不明ですが、貴重なものであることは間違いないと思います。

【テイスティングコメント】
生産者: ジョセフ ドルーアン
銘柄: ボーヌ プルミエクリュ クロ デ ムーシュ 1999

約10000円、WA90pt(1998)
外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸。
若干柔らかくなっているもののオイルのようなミネラル感が残存。洋梨やシロップ漬けのパイン。バターやバニラの様な要素がある。白檀やシナモン、華やかな白い花やフレッシュハーブ。極めて若々しい。徐々に完熟した風味が現れ、グラスの中で結合し、ショートケーキの様な風味が感じられる。酸は柔らかく口の中で酸から旨味を伴う甘みが綺麗に膨らむ。洋梨、バニラ、ハチミツが官能的な余韻を残していく。
エレガントでありながら中庸、熟した果実味が感じられながら繊細。針の糸を通すような極めて高レベルのバランスが維持された素晴らしいシャルドネ。


生産者: ベルナール デュガピィ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2012

約43000円、WA93-95pt(2010)
外観は濃い色調のガーネット、粘性は高い。
土や炭焼き、燻製肉、タバコの様なロースティーな樽の香りが強く感じられる。果実味は大きく表出していない。奥の方に果皮の厚いブラックベリーやダークチェリーの風味が感じられる。徐々に甘い香りも。五香粉、オリエンタルスパイス、クローヴの要素。口に含むと強い旨味とスミレの花、燻製の香りが広がる。
酸とタンニンは充実し、幾分か粉っぽい要素も。
それと共に強い旨味の発露と華やかがあり、極めて強いボティを持った堅牢なラヴォーサンジャックだと思う。
まだまだ時間のかかりそうなワイン。


生産者: ユベール リニエ
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2011

約40000円、WA95pt
外観は透明感のある赤みの強いルビー、粘性は低い。
全体的に瑞々しくも熟した果実味がある印象。
熟した黒系果実(ブラックベリーやラズベリー)のコンポートの様な果実味と共に果皮起因の華やかな赤い花の香り、ミルクティーの要素が感じられる。香りからみると極めて過熟している印象。若い葉やクローヴ。なめし革、スミレのアロマオイルの様な香り。
瑞々しくエキス感のある酸と旨味があり、合わせてマロラクティックなミルクティーの余韻が残っていく。ベリーや血液の要素もある。


生産者: アーサー バロレ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 1959

価格は不明。
外観は橙を帯びた淡い茶色、粘性は低い。
とても50年代とは思えないピノノワール。
熟成したブルゴーニュ白にも似たクリスピーかつ甘露な香りを感じさせる。非常に強いバニラやクリームブリュレの様な甘露な香り、炭焼きやわずかな帆立の要素。土や葉、葉巻の様な要素。燻製した肉の香り。驚くべきことにシロップの様な甘みとクリームブリュレにも似た味わいがあり、リリース直後はよほど長期熟成型に作ってあったのではないかな、と思う。
タンニンはわずかに感じる程度で、酸味も柔らかい。口に含むと土、バニラの香りとともに、キノコ系の膨大な旨味の奔流。


【所感】
まずはクロ デ ムーシュから。
ボディは繊細で厚みこそ無いものの、酸や旨味は充実しており水っぽい感じはしない。
ミネラルは充実、果実味は最初はドライな感じだが、徐々ブルゴーニュ的な熟したシャルドネを想起させるシロップの様な果実味が現れる。前面に出過ぎない均整の取れたマロラクティック発酵の要素があり、シナモン、花
、ハチミツやバニラの要素もそれに伴う。いずれかの要素が突出するワインではなく、緻密に構成されたバランスによって一体感を感じられるワインだった。特徴としてはピュリニー寄りだと思うけどどうだろうか...
しかし15年熟成していて、かなりいい感じになってる様な気がする。元々は結構ミネラリーでドライなワインだったのではと予想。
あと数年は熟成しそうだが、飲み頃だと思う。

次にアーサーバロレのクロ ヴージョ。
タンニンはほぼ抜け切っており、わずかな酸が残る。不思議な事に極めて熟成したブルゴーニュ白を思わせるクリームブリュレの様な甘露な香りを感じさせる。
そもそもこの年代のブルゴーニュ赤で出汁以外の要素を感じられるのは驚きだし、しっかりワインとして存命している。長期熟成によるホタテや葉巻、濡れた土、熟成肉の要素もある。
50年単位の経年変化は元の姿は読めないがなぜこうなったのか...タンニンが凄まじくて、それでいて果実味も新世界並みだったとか?
んー、なんかしっくりこないな...
ピノノワールの果皮を考えた時にここまで生き残っているワインって結構ホラーの様な気がしますね...

さて、気分を変えて次はリリースしたてのワインです。
デュガピィのラヴォー サン ジャック。
彼のワインは基本的に樽と抽出を強烈に効かせた作りが特徴的で、それが熟成を帯びて瑞々しい果実味が表出し、全体のバランスを取って行く、という作風です。
例年のワインもそうで、基本的にリリースしたては樽と抽出に覆われていて、膨大な果実味が横たわっているという状態なのですが、2012ヴィンテージに関しては極めて極端にその特徴が現れています。
トースティーな樽の要素が天面にぎっちりと敷き詰められていて、その奥を掻い潜った先にあるのは、抽出の壁。
ボディは重く果実味の気配は感じるものの、全く甘露さが表に漏れ出ていない。よって樽とタンニン、花の香りが強く感じられるのみで、ほぼ果実味は感じられない状況。
時間経過とともに徐々に和らぐが、それでも今飲んで楽しめるかといえば、非常に回答に困るところ。ただポテンシャルは感じるので、あと10年もすればいい感じになるんじゃないかと思います。

かなりの硬さを感じたデュガピィのラヴォーでしたが、ユベールリニエのクロ ド ラ ロッシュは始めからブリブリでツヤツヤした素晴らしいブルゴーニュでした。
ユベールリニエの特徴でもある瑞々しさを感じる果実味がこれでもかという程敷き詰められており熟した様なベリーの風味が感じられます。花のアロマオイルやミルクティーの要素もある。このシャンボールとジュヴレシャンベルタンの合いの子の様な要素を爆発的な果実味を付加して極めて精緻に捉えているな、という印象を受けます。
この生産者の村ごとの差別化は極めて極端に行われていて、たとえばシャンボールであればピノとしては最も薄い部類の外観とブルゴーニュの白の様な繊細な味わいを感じさせるし、シャルムは果皮起因の堅牢さと共に充実した果実味も併せて感じられます。ニュイ サン ジョルジュは黒系果実を主体としつつ極めてエキス感の強い味わいとなっています。今回のクロドラロッシュはユベールの虎の子とも言えるフラッグシップキュヴェとなっていて、華やかさと膨大な果実味を包含したものとなっています。

以上4種類。
この中だとユベールリニエとアーサーバロレがやっぱり良かったですね。クロ デ ムーシュは別のヴィンテージであれば、デュガピィはもう少し熟成すれば好みにストライクするかも。




【ブルゴーニュ:76(改定)】ロベール グロフィエ 2012年 水平テイスティング

【アムルーズを追記しました】

こんにちは、HKOです。
ジム帰りで体がバッキバキです。運動不足って恐ろしいなあ。
さて今回は2012年新ヴィンテージのロベール グロフィエです。
今回は村名ジュヴレシャンベルタンとシャンボールミュジニー1級ゾードワ、サンティエしかないですが、徐々に飲んだものから追加していこうと思います。


【データ】
ロベール グロフィエはモレ サン ドニに拠点を置くシャンボールミュジニーのトップ生産者の一人。レ ザムルーズ最大の所有者。現在はセルジュ グロフィエ、ニコラ グロフィエが指揮を取っている。フラッグシップはシャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌマール、1級レ ザムルーズ。
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽率は村名20%、アムルーズ40%、ボンヌマール60%で、13ヶ月程度のフランソワフレール製の樽で熟成を行う。


【テイスティングコメント】
生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン レ スーヴレ 2012

9000円、WA89pt(2009)
鋭角的な果実味、クリアさ、透明感。堅牢な体躯。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
スミレや果皮の厚いブルーベリーやダークチェリーの果実味、徐々に上白糖の様なクリアな甘露さが現れてくる。キャンディ香的。シナモンやバニラ、紅茶やなめし革の要素。香水などの風味。
酸とタンニンは柔らかく、ベリーや旨味、スミレの様な華やかで堅牢な余韻。冷涼な風味が残る。折り目正しいエッジの効いた味わい。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ゾー ドワ 2012

17000円、WA92pt(2009)
シャンボールの典型。ミネラル感と軽やかな果実味、自然の風味が際立つ味わい。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
エッジの効いた堅牢なスーヴレと比べると、強いミネラルと共にミルクティーの様な風味が混在して感じられる。スーヴレと比べるとややマイルドさがある果皮の要素。ラズベリーやアメリカンチェリー。そしてスミレの花を思わせる。徐々に茎やクローヴの様な瑞々しい青さ、樹皮を感じさせる風味が現れる。
スーヴレが果実味に寄ってくるが、こちらはどんどん華やかになっていく。なめし革やベリーの旨味が前に出る。溶剤の様な風味。
酸味もタンニンが柔らかく、ミルクティー、ラズベリー、梅柴などの旨味と余韻が充実している。茎や樹皮の余韻が残っていく。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ サンティエ 2012

22000円、WA92pt(2009)
豊満で充実した果実味、ふくよかで広がりのある体躯。充実した樽香。シャンボールの一側面的。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
よりミルクティーの要素が強く感じられる。この中では最も豊満で肉厚。果実味が最も強く甘みを伴う熟したダークチェリーや若いプラムの果実味が感じられる。ワッフルの様なロースティーな樽と果実味が混じった香り。シナモンや濃厚なシロップ、紅茶やバニラの風味が感じられる。スミレの風味も上記の2本と比べると少なめ。
酸味もタンニンが柔らかく、旨味は充実していて梅柴やダークチェリーなどの強烈な旨味がある。わずかな塩味が感じられる。華やかさと梅柴の余韻が綺麗に広がっていく。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボールミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2012

約43000円、WA93pt(2010)
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は低い。
ミネラルを帯びながら、赤系果実(クランベリーやラズベリー)の強いエキス感が感じられる。それでいて凝縮した果実味がある。例年に比べても、富にエキス感と瑞々しさが際立っている様に感じられる。華やかなスミレの香り、土、そしてクローヴや濡れた草の要素。わずかにバターや白檀の様な香りが感じられる。主張は少ないが皮の要素も。
タンニンより酸が際立っていて、エキス感がある。
それでいて酸はマロラクティック発酵で滑らかになってくる。ベリーの様な風味が要素がある。


【所感】
やっぱりロベール グロフィエいいですね。
2009年、2010年、2011年、そして2012年いずれも期待を裏切らない。
2009年、2010年は過剰な程の煌びやかさと共に凝縮した果実味がどのワインからも感じられましたが、2011年は煌びやかさ=果皮の華やかさはかなり抑制されていて、どちらかというと果実味とマロラクティック発酵に起因するミルクティーの様な木と土の要素が前に出ている様に感じました。
2012年はシャンボールミュジニーに関してはほぼ2011年を踏襲したを作りと言えます。
これは単純に方向転換によるものなのか、ヴィンテージを考慮した醸造方法の変化なのかはわかりませんが、煌びやかさや華やかさを過剰に前に出す様な事はしていません。
その結果、シャンボールミュジニーだけではなくブルゴーニュとしても稀有な味わいを持つピノノワールになっています。(ジュヴレシャンベルタンはそれに対して2010年以前の様な味わいだと思います。華やかで堅牢。)
個人的にはよくシャンボールミュジニーを表しているな、と思いました。一般的なイメージのシャンボールはもっと瑞々しいかもしれませんが、この充実した果実味と共に森を想起させる木や土、スミレのアロマが広がっていくのは中々特異なものです。果実味の充実度や樽の要素はさておき、ことゾードワとアムルーズに関しては間違いなく「静」のシャンボールミュジニーだと思います。
特にレザムルーズは、ゾードワに近い味わいでありながら、ミルクティーの要素は落ち着き、ミネラル感がより先鋭化、より凝縮感とエキス感を感じる味わいを感じます。ゾードワと比べるとより内向的に凝縮している印象。よりピュアさが感じられる味わいでした。
サンティエはその点華やかさは抑え気味でより果実味と樽香に寄っています。こちらは「動」のシャンボールだと思います。
そもそもサンティエとゾードワはシャンボールの北と南にそれぞれ位置する畑で、ボンヌマール寄りの特徴を持つサンティエとミュジニー寄りのアムルーズ、アムルーズ寄りのゾードワだとやはりメインとなる要素が異なるのは自明の理ですね。よりシャンボールらしさでいうとゾードワですが、サンティエもシャンボールが持つ可能性の一側面であると思います。
いずれにせよ、特質的でありながら、他のシャンボールの生産者とは別の方向から「らしさ」に迫った素晴らしいワインだと思います。

しかしグロフィエ高くなったな...若干引きますね...




【ブルゴーニュ:78】袖ものでも美味しいのに当たると嬉しいよね、というブルゴーニュルージュ2本

こんにちは、HKOです。
本日はACブルゴーニュてす。袖ものですが、いやいやフレデリックマニャンのACブル、なかなかいいじゃないですか!
結構な掘り出し物かもしれませんよ!

【データ】
ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。現在はしっかりとラルディエールのエッセンスを受け継いだフレデリック バルニエが醸造を行っています。

フレデリックマニャンはミシェルマニャンの父に当たるベルナールマニャンの孫のネゴシアンラベル。
カレラで修行を積んだフレデリックマニャンは93年から自身の名前を冠したネゴシアンワインを市場に送り出しています。2000年代初頭は樽をしっかりと利かせたモダンな作風でしたが、近年はテロワールを尊重した造りを行っています。このネゴシアンの選定スタイルは実にユニークで古典的。自転車で気に入った区画を見つけたら、直接所有者に交渉を持ちかけて高い金額で購入する。(アップルのサプライチェーンみたいですね。)
40年程度の古木を中心に選定、100%除梗を行ないグラヴィティフローで破砕、圧搾、発酵までを行う。
ピジャージュは18日程度、樽はフランソワフレール社のみを使用。村名は30%新樽比率で14ヶ月熟成の後、無濾過で瓶詰めされる。


【テイスティングコメント】
生産者: ルイ ジャド
銘柄: ソンジュ ド バッカス ブルゴーニュ ルージュ 2011

3100円
ACブルが50%、マランジェ、サントネイ、モンテリー、オークセイ デュレス、ペルナン ヴェルジュレス、ショレイ レボーヌの村名区画、ボーヌとサヴィニー レ ボーヌの1級畑の混醸ピノノワール。
外観は透明感のある明るいルビー、粘性は低い。
瑞々しいクランベリーやアメリカンチェリーの果実味。鉄やなめし革の要素、濡れた土や葉、鉄観音。シナモンやクローヴ、ほのかなお香の様な香りも感じられる。
凝縮度は低く軽やか。タンニンより酸味が際立っているが、基本的にはいずれかの要素が際立つのではなく、瑞々しく穏やかな味わい。イチゴや赤いベリー類の余韻が残る。
自然のままの作りを行ったらこんな感じになるであろうACブルゴーニュ。若々しい果実と自然抽出的な風味。新樽の要素はない。


生産者: フレデリック マニャン
銘柄: ブルゴーニュ ピノノワール 2012

2500円
飾らないエキス感のあるいいブルゴーニュピノノワールだと思う。
イチゴやフランボワーズの赤系小果実の瑞々しい果実味と共に鉄釘やなめし皮の様な風味、スミレの香り。クローヴ。トーストの様な香りも若干あるが、相対的に見て樽の要素は極めて控えめ。ジンジャーブレッドの様な要素も。
酸味やタンニンは非常に細やかにまとめられており、突出する様な目の荒さは感じない。
全体的にどの要素も控えめだが、極めて高レベルのバランスを維持している。その結果極めてキュートでエキス感溢れる瑞々しいピノノワールになっていると思う。


【所感】
意外にも似た特徴を持つACブルでした。
瑞々しい果実味となめし革や鉄の様な果皮の香りを主体的に感じます。またほぼ樽の要素は感じない、極めてナチュラルに作られた2本だと思います。
この2本に関してはACブルとして結構良くできていると思っていて、ブルゴーニュの本来の姿に近いワインなんじゃないかと思います。
各々の差異に関しては、ルイ ジャドの方がより強い抽出を感じます。華やかで鉄の香りを強く感じ取る事が出来、またボディもこちらのほうが厚いと思います。
フレデリック マニャンはより瑞々しくエキス感に溢れています。例えるならばルイ シュニュ的な癒し系のピノノワール。このワインのいいところは香りから酸に至るまで一貫した世界観があり、極めていい感じのバランスを維持しているところでしょうか。
例えば樽や果実味、抽出まで、いずれも特筆すべき部分はないですが、小さいながらも綺麗にまとまっている。その点でいうとジャドより個人的には好みです。
いずれも複雑さには欠けますが、純粋なピノノワールの本来の姿を感じることができます。

いいですね。背伸びしたACブルではなく、等身大のブルゴーニュを表現したワインだと思います。
高名な生産者のものは悉く価格の高騰をしていますが、その中でも比較的安価ですし、結構オススメかも。


プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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