China Blue(チャイナブルー/汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
またもやコンラッドです。チャイナブルーです。

評判が良かったモダンチャイニーズなので、前からちょっと行ってみたかったのです。
シェフはシンガポールで活躍したアルバート ツェ氏。

静謐なコンラッドの1Fエントランスを抜け、28Fロビーへ。そのまま直進。


ドドーン!
すごい重厚でゴージャス。

チャイナブルーです。


廊下長っ。



長い廊下を抜けると、これまたゴージャスで洗練されたフロアが現れる。ほぼ窓際席に隣接する席か、一段高くなったソファー席。



まずはお茶から注文。


◼︎白茶 月光美人 ミディ 2013年中秋節摘み

香りはダージリンみたい。


◼︎アミューズ: 燻製卵(★)

半熟。オリエンタルスパイスと燻した様なスモーク香がいい。一口とアミューズだけど、もう少し欲しい所。おにぎりにしたい...


◼︎点心: 料理長オススメ点心2種(★★★)

小海老と蟹のプリプリ感、筍のサクサク感が楽しい点心。蟹と海老のギュッと詰まった旨味と甘みがすごい。海老の頭の鷹の爪のふりかけがちょい辛香ばしくクリティカルマッチングです。
鶏肉の肉感とキノコの食感が美味い点心。生姜とニンニクにオリーブオイルを合わせたスパイシーなソースとのマッチがすごくいい。この2つだけで結構な食べ応えがある。


◼︎シンガポール風スペアリブの土鍋スープ&細麺の和えそば(★★★★)



うおおお、これは滋味深い!滋味深いぞ!
すごい薬膳食べてる感じがする。優しいお出汁。
良く煮込まれたスペアリブ、マッシュルーム、朝鮮人参、昆布、油揚げで取られたであろう、滋味深く旨味の塊が如き白湯。それにクコの実、わけぎなどの薬味が散らされている。
朝鮮人参は流石に残したけど、油揚げは薬膳&牛骨エキスをしっかりと吸っているし、マッシュルームも非常に面白かった。
そして別皿に供されたシンガポール風チリソース、溜まり醤油。
これに旨味を出したスペアリブを浸して食べると、スペアリブが柔らかいまま蘇った!
シンガポール風チリソースはフルーティーかつ強い辛味があって、溜まり醤油は濃厚で少し甘みを感じる醤油。いずれもスペアリブにとてもよく合った。


そしてここに麺をドボンすると、優しい出汁とクセのある牛骨ラーメンが出来上がる。これがまた絶品なのである。細麺のモチモチ感もハンドメイドっぽくてとても良い。


◼︎料理長のオススメデザート(★)

・パッションフルーツのジュース
パッションフルーツの甘さと酸味。
・オーギョーチー
愛玉子という植物のゼリーらしい。
個人的にはふつうのゼリーの様に感じたので、特段驚きはなかった。
・ふわふわの白い砂糖に砕いたピーナッツを閉じ込めた砂糖菓子。
唇に含んだ瞬間に崩れる砂糖の衣。フワフワ。食感が楽しい。


ちなみに森覚さん、また居ました。
ひょっとしたら昼からフロア全体を見ているのかな、そうだとしたらすごいなあ...

今回は土鍋スープが最高でした。
寒いし風邪長引いてるし、すごく体に染み入る味わい。ただ滋味深いだけではなくて牛骨のエキスが染み出していてしっかりとしたコクがある。こういうものが美味しく感じるなんて、10年前は思わんかっただろうなぁ。

非常に楽しませていただきました。


◼︎頼んだぶどうジュース
生産者: ドメーヌ アントワーヌ アレナ
銘柄: ミュスカ デ カップ コルス 2012
品種: ミュスカ100%

フランスのコルシカ島で取れたミュスカを使ったフォーティファイドぶどうジュース。
味わいはアロマティック品種の様な爽やかなマスカット、シトラスなどの果実味、残糖分はぶどうジュースなので非常に高く、ねっとりとしている。糖度が高い。樽などの風味は無くクリーンでぶどうそのものの味わい。
フォーティファイドの為、わずかに分離したアレっぽい風味が前に出ているものの、清涼感との致命的な乖離は無いと思う。




住所: 東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド汐留28F
店名: China Blue(チャイナブルー)
電話番号: 03-6388-8000
営業時間:

11:30 ~ 14:00(月~金)
11:30 ~ 16:00(土・日・祝)

17:30 ~ 21:00
※ランチ営業、日曜営業
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【ニュージーランド:11】意外な多様性を見せるニュージーランドのピノノワール。

こんにちは、HKOです。
今回はオーストラリアに引き続きオセアニア、ニュージーランドのピノノワールです。
ニュージーランドのピノノワールといえば、クリーンで瑞々しい凝縮感のあるタイプが多いですか、今回のマウントフォード、キムラセラーズはどうでしょうか。果たして。


【データ】
マウントフォードエステートは1991年にキャサリン ライアンによってノースカンタベリー ワイパラに設立されたブティックワイナリー。 年間生産量は3000ケース。
マウントフォードはヴィラージュを除いた全てのピノノワール、シャルドネをワイパラ オミヒロードの東にある自社畑から生産。斜面西側に位置する石灰岩を含む粘土質土壌。
栽培はビオディナミ、収穫は全量手摘み。
収穫後の破砕は足踏みで圧搾。
低温浸漬後、除梗。開放式発酵槽で発酵。ブルゴーニュ産100%新樽で15ヶ月間熟成。
フラッグシップは0.4haの単一区画から作られる全房発酵のグラディアント。

キムラ セラーズは2009年に木村滋久氏によってニュージーランド マールボロに設立されたワイナリー。
木村滋久氏はキャピタル東急ホテルを退社後2004年、ニュージーランドへ渡りワイン醸造・葡萄栽培学を学び、ナタラワワインズ、クロ アンリで栽培を、ヴィラマリアとオレゴンのエルク コーヴで醸造を経験しました。収穫は手摘み。収穫したぶどうは選果台で粒単位で選定。発酵後、プレス。フレンチオーク新樽30%で10ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: マウントフォード エステート
銘柄: ワイパラヴァレー ピノノワール 2008

6400円、WA92pt
外観はやや茶色を帯びた澄んだルビー、粘性は高い。
わずかに熟成した新世界的で、ややMLF的な甘さがあるタイプ。焦げた木や黒砂糖、キャラメル、土の様なアロマと共に、燻製肉やクローヴの要素。チェリーリキュール、ブルーベリーなどの果実味が感じられる。
溶剤の様な風味もある。
若々しい果実味や甘い黒砂糖などの風味と熟成による旨味がバランスよく含まれている。
酸は生き生きとしておりタンニンもふくよかに含まれている。ヨーグルト、わずかに鉛筆の芯などの余韻もある。


生産者: キムラ セラーズ
銘柄: マールボロ ピノノワール 2013

5500円
外観は若々しさを感じさせる赤みの強いルビー、粘性は中庸。
キャンディ香とヨーグルトなどのMLF香が強く前に現れている。イチゴやラズベリーの様な赤系果実とバナナの様なセミマセラシオンカルボニックの要素、スミレや薔薇の華やかな風味、ほのかな焼き芋の要素、なめし革、焼き栗、ローズヒップティー、ドライハーブなどの風味。
酸味は生き生きとしており、タンニンは緻密で柔らか。明るい、若々しいピノノワールの風味が感じられる。華やかなで飲みやすいタイプの味わい。


【所感】
個人的な感覚ではNZピノって品質は高いんだけど、なんとなく同じ様な感じがちょっとしてました。
クリーンで瑞々しくて、果皮のニュアンスと酸がしっかりあるエレガントなピノノワール。ともすればブルゴーニュ以上にクリーンな味わいですが、何本か飲んでると流石に飽きてくるもので。まあこんな感じだろうな、っていうのがなんとなく分かってきてしまうのですが、今回の2本は全く違いますね。
まずマウントフォードですが、受ける印象はNZというよりソノマピノっぽいです。
熟した甘やかな果実味とオーク樽のトースティーな香り、MLFのミルキーな香り、それらが熟成によって結合されて繋ぎ目が無くなっている。黒砂糖が如き果実味。グラデーションの様な味わい。これが本当に素晴らしく、意外と濃厚ピノのお手本の様な味わいだと思います。オーベールほど濃くはないですが、それをちょっと想起させる味わいではあると思います。
キムラセラーズは極めて若々しく、フレッシュでクリーンなピノノワールだと思います。
ニュージーランドの典型ですが、そこにMLF的な要素が加わりよりキャッチーな味わいになっています。酸味は生き生きとしており、タンニンは緻密。薄くは無く、凝縮したピノノワール。
ある意味マウントフォードとは好対照のワインだと思います。ジューシーなピノノワール。

しかしニュージーランドのピノノワールって素晴らしいとは思うものの版を押したかのように似たスタイルが多く、たまに飽きてくるのですが、こうしたスタイルの違いがあるピノノワールが出てくるあたり懐は深いのかもしんないですね。



Oregon Bar & Grill(オレゴンバー アンド グリル/汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。

今日はここです。


はい。オレゴンバー&グリルです。
前回の反省を踏まえまして複数皿を避けて、3皿にまで抑える形で選びました。

場所は少し歩いたシティセンタービルの42Fにあります。以前訪問したフィッシュバンクの上ですね。
そもそもあれが全ての元凶の様な気がします。

今回のオレゴンバー&グリルはチャコールグリル(炭火焼き)で有名なお店らしく、前々から少し気になっておりました。ステーキだけではなくシーフードもやってるみたいです。
ワインブログなんで、やはりワインリストが気になりますが、まあお昼なんで。
オレゴンワインが多いらしいので、今度ちょっと見てみたいですね。セリーヌとかドメーヌ ドルーアンとかはラインナップしてるんでしょうね、いいなあ。

ちなみにランチは幾つかパターンがあり、全てにサラダとデザートのビュッフェがつきます。
超お得ですね!
・パスタ or トルティーヤ 1300円
・ハンバーガー or シーフードプロシェット or チキン or ポーク 1600円
・ステーキ 2100円
・スペシャリテ 3100円~
詳細はぐるなびやホットペッパーを見てください。

今回注文したのはイベリコ豚の炭火焼きです。

◼︎サラダバー&パン ※ビュッフェ (-)


でもフラポがお腹に溜まるので、確実にお腹に一杯にできるのがいい。
サラダも野菜不足には助かる。


◼︎メイン: イベリコ豚の炭火焼き(★★)

イベリコ豚のチャコールグリル。
ハーブ(ローズマリー?)とハニーマスタードの酸味の強いソース。
肉質はとても柔らかくてプリプリ。炭火のほのかな苦味。
どっしりとした豚肉の脂に清涼感のあるソースがとても合う。シンプルでプリミティブな味わい。当然美味い。


◼︎デザート ※ビュッフェ (-)

ムースや牛乳の味がしっかりするプリンなど。既にお腹いっぱいであんまし覚えてない。


今回はとりあえずスペシャリテを食べたかったので3100円のやや高めのメニューにしましたが、多分これ1000~1500円の安めのメニューがすごくお得感ありますね。
人それぞれの見方に寄るのですが、3100円にになってくると、ちょっと渋るなあというのが本音の所。別の料理ならまた印象が変わるかもしれないです。
ただ当然ながらイベリコ豚も最高だし、ソースも美味いです!
ミスジとかめっちゃ美味そうだし。


ここらのランチでは最高に美味いので、また行きたいです。


住所: 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティーセンタービル42F
店名: Oregon Bar & Grill(オレゴンバー アンド グリル)
電話番号: 03-6215-8585
営業時間:
月~日
11:00~23:00
ランチ 11:00~15:30(L.O.14:15)
ディナー 17:00~22:00(L.O.22:00)

【オーストラリア:10】実は共通点は高品質。品種のサラダボウル オーストラリア。

こんにちは、HKOです。
別にサボっている訳ではないのですが、更新が遅れておりまして、すいません。
少しずつ更新速度を上げて行きたいと思います。

今回は前回に引き続きオーストラリア。前回は自然派の2生産者にフォーカスしましたが、今回は何の共通点もない、単純に好みで選んだだけの3生産者となります。

いやあ、やっぱランリグ最高ですよね...はぁ。


【データ】
ステファノ ルビアナ ワインズはスティーヴと妻のモニークによって1990年にタスマニア州ダーヴェントヴァレーに設立されたワイナリー。
ダーヴェントヴァレーは穏やかな海洋性気候で、日中は豊富な日照があり、また夏から秋にかけて晴天日が続きます。海抜100mの緩やかな傾斜面の上の方は主に細かいシルトの砂礫層で、傾斜面の下の方では主に水捌けの良い、栄養分と保水力は少ない土壌。南北向き、北北西に風除け。
剪定から収穫まですべて手作業。有機農業を徹底。収穫したぶどうは85%除梗。その後破砕機で破砕され、最新技術の設備で醸造される。フレンチオーク新樽35%で熟成。ポートフォリオはシャルドネ、ピノノワール、リースリング、ピノグリなど。

スモール フライ ワインズはウェイン アーレンズによってオーストラリア バロッサヴァレーに2005年設立されたブティックワイナリー。年間の生産量はわずか1600ケース。
バロッサ北部のヴァインヴェールに18ha(樹齢125年を超えるものを含む)、ハイイーデンに12ha、自社畑を保有しています。
生産は有機農法で、現在はビオディナミに転向中。すべて手摘みでの収穫。今回のロゼはヴァインヴェールから収穫したサンソー、グルナッシュを使用。野生酵母を使用し無濾過無清澄で瓶詰めされる為、オレンジがかった外観が特徴的です。

トルブレックはデヴィット パウエル氏が率いるバロッサバレーに拠点を置くワイナリーで、1994年にローヌの生産者に影響を受けてワインを作り始めました。
バロッサバレーのトルブレックの敷地内にはシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの古木(中には樹齢150年のトレ ヴィエイユ ヴィーニュも)が植わっています。フラッグシップであるラン リグはマラナンガ、クーヌンガ・ヒル、モッパ、グリーノック他8つの畑にある最高140年の超古木を使用しています。収量は平均14hl/haと超低収量。収穫は全て手摘みで、発酵前に丁寧に除梗を行ない、畑毎に木製樽とコンクリートタンクの開放発酵槽にて6~7日間のマセレーション、アルコール発酵を行ないます。バスケットプレス後、60%新樽のフレンチオークで30ヶ月熟成を行ない、瓶詰め前日にヴィオニエをブレンド、無清澄、無濾過で瓶詰めされます。
そしてレ ザミはランリグと対になるグルナッシュ100%の南向き単一畑で作られたワインで、ランリグ同様、樹齢110年級の超古木を使用、平均収量15hl/haという超低収量で栽培された葡萄を使用しています。こちらも収穫は手摘みで、7日間のマセレーション、アルコール発酵の後、バスケットプレスを行ないます。その後100%新樽のフレンチオークで18ヶ月の熟成を経て、無濾過、無清澄で瓶詰めされます。


【テイスティングコメント】
生産者: スモールフライ
銘柄: サンソー グルナッシュ ロゼ 2014
品種: サンソー51%、グルナッシュ49%

3400円
外観は淡い濁りのあるピンク色。粘性は中庸。
オレンジやアンズのような瑞々しい果実味があり、白い花や白胡椒、クローヴ、フレッシュハーブ、充実した果実味がある。やや青っぽい風味。
口当たりに独特の苦味があるが、基本的には柔らかい甘みがあり、チェリーのようなほのかな甘みを感じることが出来る。


生産者: ステファノ ルビアナ
銘柄: プリマヴェーラ ピノノワール 2012
品種: ピノノワール100%

約4000円、WA91pt
外観は赤みの強いやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
すごいブルゴーニュライクのピノノワール、よく出来ている。比較的樽を強めに感じさせる味わいで、炭焼きやロースト感がしっかりとある。エレガントなダークチェリーやブルーベリーの果実味がある。なめし革、ミルクティーやクローヴ、土のような要素。
酸味とタンニンが感じれる。トースティーな香りと綺麗な抽出。カーリーフラットみたいな感じ。


生産者: トルブレック
銘柄: ラン リグ 2010
品種: シラーズ97.5%、ヴィオニエ2.5%

36000円、WA100pt
外観は黒に近いガーネットで粘性は極めて高い。
非常にアルコーリックで強烈な凝縮感と粘度がある。
前面にアルコール感はありながら、熟したブラックベリーやプラムの様な果実味、華やかなスミレ、薔薇の風味。強いロースト香が渾然一体になって立ち上がる。また乾いた土やタバコの風味。なめし革、燻製肉。溶剤、インク。黒砂糖の様な強い甘みがあり、コリアンダーなど複雑な要素がある。
口に含むとすごい球体感。酸味やタンニンが包み込まれ毛羽立った所はない。凝縮感共に乾いたブラックベリーやプラムを感じる事が出来る。滑らかでありながらパワフルで力強い味わい。ずっしりとした味わい。


【所感】
タイプの違うワイン3種類です。
ひとつは超自然派のロゼ、ひとつは洗練されたピノノワール、もうひとつはオーストラリアを代表する様な特濃シラーズ。実は共通点があるんです...なんて事はなく、マジで全くスタイルの違うワインです。
まずスモールフライのロゼ。
プロヴァンスのロゼに近いタッチはあるものの、より瑞々しく果実そのものの味わい、そして梗の青さ、ほの苦さを感じます。ある種清潔感を感じるプロヴァンスのワインですが、こちらはもっと雑然としていて、悪い言い方をすれば雑味が多分に含まれています。ただワインだと複雑さ、とも言えます。
特にバランスを崩すような要素ではなく、飲んでいて素直に美味しいと思えるロゼであると思います。

次にステファノ ルビアナのピノノワール。
かなり良いピノノワールです。カーリーフラットのピノノワールを飲んだ時の感覚と非常に近い。
しっかりと除梗され、樽をキチンと効かせた洗練されたピノノワール。ブルゴーニュのどのアペラシオンに当てはまるかは微妙にしっくりこないけど、ブルゴーニュらしさをどこか感じるピノノワール。
凝縮感のある黒系小果実、抽出の華やかさ、樽の香ばしさ。ニュージーランドによくあるクリーンさを際立たせた感じでは無いのがいいですね。意外と新世界には無いタイプのワインだと思います。
ブルゴーニュ高騰の折、大変助かりますね。ブルゴーニュファンには喜ばれそうなピノノワールだと思います。コスパいいですね。

最後はトルブレックのランリグな訳ですが、まあ最高ですよね。イチイチ言う必要も無いんですが。ツヤツヤとしたグリセリンがあり、度数に起因する力強いアタックと共に黒系の過熟した果実味が爆発する。果実味と共に華やかなスミレや薔薇のアロマやトースティーな樽の要素が緻密に編み込まれている。
これらの一連の要素がシルクの様な繋ぎ目の無いタンニンと酸によって包み込まれている。
重量感があるのにそれを感じさせない味わい。シラーズの一つの頂点ではないかと。
もちろんシャーヴやギガル、SQNも同じ様にシラーズ極めているとは思いますが、ちょっとタイプが違いますからね。豊満さでいうとランリグは最高峰。
素晴らしいです。

今回はランリグは勿論ですが、ステファノ ルビアナが良かったですね。ブルゴーニュが高騰しカーリーフラットが品薄なので、この手のニューワールドのワインが増えてくれるのはすごく嬉しいです。まあステファノ ルビアナがそんなに手に入りやすいかっていうと、多分そんな事は無いんでしょうけど、選択肢が増えるだけでもいいですよね。

トルブレック ラン・リグ [2010]

トルブレック ラン・リグ [2010]
価格:32,184円(税込、送料別)





【オーストラリア:9】素晴らしき中庸、新世代の黄金比を体現する自然派生産者

こんにちは、HKOです。
まただいぶ更新が滞ってしまいました。すみません。
本日はルーシーマルゴーとヤウマの新鋭オーストラリアワインでございます。


【データ】
ルーシーマルゴーは元料理人であるアントン ファン クロッパーが2002年にアデレードヒルズに設立したワイナリー。ワイナリーの名前は娘の名前から。
アデレード大学で醸造学と農業科学を学び、首席で大学を卒業、以降ドイツ、ニュージーランド、オレゴンでワイン造りに携わった。酵母、バクテリア、酸、糖など一切の添加物は加えない。
今回はドメーヌルッチラインのメルロー、そして単一畑のピノノワール。
メルローは標高450mにある砂泥が主質のローム層に鉄石土壌が覆うスロープ が無い丘の上部にあるマグパイスプリングスヴィンヤードで作られる。
収穫したメルローは全房発酵。500リットルの開放槽で自然発酵し、1日に1度だけピジャージュ。果皮はそのまま11週間マセラシオンする。ほぼフリーランジュースのみを使用。50%新樽で熟成する。
リトルクリークエステート ピノノワールはアデレード ヒルズ、バスケット レンジにある自社畑。全房発酵、オーク発酵槽にてマセラシオンと発酵を行う。

ヤウマは2006年にオーストラリア最優秀ソムリエのジェームス ダンビー アースキンが南オーストラリア マクラーレンヴェールに設立したワイナリー。ヤウマはカタラン語でジェームスを意味します。
自然派の生産者で収穫は手作業。全て野生発酵で発酵し、酵母も酵素も、清澄濾過剤、酸、タンニン等何も加ず、フィルターも清澄も行わない。グラビティーフローによって全工程が行われる。
今回のグランパンはマクラーレンヴェールの中でも最高の区画とされているアセンシオンとタラーという2つのヴィンヤードから収穫されているグルナッシュを使用。
ジェームスの娘の名前を冠するオードリーはオーガニックで運営されるウッド ヴィンヤードから収穫されたシラーとグルナッシュを使用しています。


【テイスティングコメント】
生産者: ルーシーマルゴー
銘柄: ドメーヌ ルッチ メルロー 2013
品種: メルロー100%

外観は濃いガーネットだが、粘性は中庸。
熟度より酸味を強く感じさせる極めてエレガントなメルロー。とはいえ熟度は十分にあり、ブルーベリーやブラックベリーの果実味があり、フルーツケーキやバタートーストの香ばしい風味、リコリス、華やかなスミレの香りが感じられる。やや土や小豆の様な風味も。特徴としては香りに丸みがあり、メルローらしいが、果皮と酸味のバランスが極めてエレガントでバランスのとれた味わいを感じさせる。
香り通り酸味が豊かで乾いたアプリコットの様な旨味と酸味が口の中に広がっていく、スパイスなどの余韻を残していく。美味い。


生産者: ルーシー マルゴー
銘柄: リトルクリーク エステート ピノノワール 2013
品種: ピノノワール100%

外観は淡い色調のルビーで、粘性は中庸。
ビオライクかつ全房発酵的な風味を強く感じさせるピノノワール。プリューレロック的。極めて瑞々しい果実味が魅力的。ダークチェリー、ブルーベリーの瑞々しい果実味やスパイシーな要素が強い。クローヴや枯れた葉、スミレやラベンダーの要素や生肉など。ほのかにシロップのような甘みも包含されている。極めてエレガントな風味が感じられる。ジンジャーブレッド。
タンニンは柔らかく、酸味が綺麗でブルーベリーやダークチェリーの風味が感じられる。極めてナチュラルなピノノワール。


生産者: ヤウマ
銘柄: グランパン グルナッシュ 2013
品種: グルナッシュ100%

外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は中庸。
こちらも極めて瑞々しく酸が綺麗なグルナッシュ。
イチゴやチェリーリキュール、スモモなどの赤系の果実味と抑制の効いたシロップのような甘さを感じることが出来る。華やかなスミレやクローヴなどのハーブの風味と甘みが同時に広がっていく。生肉や燻製、樹皮、クルミ、トーストの様な風味が感じられる。
酸味もタンニンも穏やかで滑らか。どちらかというと酸味が前に出ている。スミレやチェリーリキュール、スモモの風味を感じる。エレガントでとてもよろしい。


生産者: ヤウマ
銘柄: オードリー シラーズ グルナッシュ 2013
品種: グルナッシュ75%、シラー25%

外観は濃いガーネットだが、他のキュヴェ同様エレガントな果実味と綺麗な酸が感じられる。しっかりと抽出されており、プラムやダークチェリーの果皮を感じさせる果実味がある。わずかにバニラの要素があり、スミレやクローヴ、黒胡椒、フレッシュハーブ。なめし革、樹皮などの複合的な要素が感じられる。
果皮の要素と酸味が極めて強く、旨味も充実している。華やかでキュッと引き締まった綺麗な果実味がある。ローヌ的な雰囲気を醸し出すシラー・グルナッシュ。


【所感】
個人差あるかもしれませんが、私的には凄い好きなタイプのワインでした。プリューレロックやフィリップパカレ、ちょっと前のデュジャックなんかが好きな人は結構ハマりそうな味わいです。
今回、いずれも品種は違いますが、共通してエレガントで自然派的な味わいに満ちています。
まずルッチメルローから。
例えるならば熟度の高いドメーヌソガのメルローと言った感じでしょうか。新世界的でもボルドー的でもありません。酸がしっかりと際立っていながら、十二分の果実味を包含しています。この綺麗な酸っていうのがなかなか新世界では珍しくて、酸の代わりに糖度とタンニンを多分に含みアルコール度数が上がるワインが多い中で、こういうエレガントな作風は貴重です。
また全房発酵らしいスパイシーさと果皮の要素がしっかりと感じられます。凝縮感のある旨味も際立っており、一般的なメルローとは少し異なった味わいです。
ただ完成度は非常に高いです。
次にリトルクリークエステート ピノノワール。
ある種全房発酵のスタンダード、ビオのスタンダードの様なピノノワール。プリューレロック的なワインです。果実味は極めて瑞々しく、黒系果実の果皮の香りとスパイス、枯葉、シロップの様な緻密な果実味が感じられます。こちらもエレガントで、かつ十分に熟度の上がった味わい。バランス感が良いと思いました。
高い標高に起因する凝縮感が大変素晴らしい。
100%除梗的なクリアな作りではありませんが、良い意味で複雑でありつつ、エレガントな口当たりになっていると思います。

ヤウマもそういった意味では大枠では非常に近い生産者です。しかしながら使用しているのはローヌ品種。グルナッシュ、そしてわずかながらのシラーです。
ただローヌや新世界的なグルナッシュのあり方とは完全に決別した味わいで、例えるならばラウルペレス、そしてラヤスなどの生産者のそれに幾分か近いと思う。極めてエレガントで、綺麗な酸が感じられる冷涼なタッチのワイン。グランパンはビッグなアルコール度数やカラメルなどの極端な甘さは一切なく、赤系果実と抑制の効いた蜜の様な甘さ、スモモの様な旨味がしっかりと感じられる。樹皮やトーストの様な風味もあり、まるでピノノワールの様なエレガントさを醸し出している。
オードリーはそれよりかは幾分かローヌらしさがありますが、抽出の強さに起因するもので、綺麗な酸や瑞々しい果実味はグランパン同様、しっかりと存在しています。バニラや黒胡椒などの要素が立体的に交差し、複雑な骨格を形成しています。この品種から想起される味わいとしては細さを感じますが、密度は高いです。
ヤウマとルーシーマルゴー、話題の二人の生産者を見ていると、濃いワインが持て囃される時代は昔の話、という風に感じてしまいます。スペイン新潮流を見ても、より精緻なワインが今求められているみたいですし、よりこれからワインは多様化していきそうですね。



【ブルゴーニュ: 84】2014年 ボジョレー ヌーヴォー

こんにちは、HKOです。
ボジョレー解禁日でしたね、昨日。
仕事がバタバタしてて、当日更新は出来ませんでしたが、遅ればせながら更新です。
時期ネタなのに時期を逃してどうするという。

去年はマルセル ラピエールでしたが、今回は少し奮発してフィリップ パカレで。あとコンビニお馴染みのラブレロワも。


【データ】
自然派の生産者は数多いますが、ブルゴーニュといえばなんといってもフィリップ パカレだと思います。
マルセル ラピエールの甥で、若い頃はプリューレ ロックの醸造長を務めていた彼ですが2001年から自身のドメーヌを立ち上げて、高品質なワインを送り出しています。
生産は全てビオディナミによって行われます。農薬や除草剤、化学肥料は使用せず、除梗まで完熟した健全な果実のみを使用します。
発酵は自然酵母を使用して行われ、醸造中でのルモンタージュ、温度管理は行われません。アルコール発酵及びマロラクティック発酵は木樽(新樽比率は低めです)にて行われ、澱引きをせず熟成を行います。SO2(二酸化硫黄)は添加しません。保有している特級畑はシャンベルタン クロ ド ベーズ、リュショットシャンベルタン、エシェゾー、コルトン シャルルマーニュです。
ボジョレーヌーヴォーヴィラージュはマセラシオン カルボニックありです。

ラブレロワは1832年にブルゴーニュに設立された大手ネゴシアンです。



【テイスティングコメント】
生産者: ラブレ ロワ
銘柄: ボジョレー ヌーヴォー 2014
品種: ガメイ100%

外観は紫がかった淡いルビー、粘性は低い。
イーストやバナナの要素。ダークチェリーなどの果実味、スミレの花の香り。キャンディ香。
ライトボディで軽やか。酸、タンニンともに穏やかで柔らかい。


生産者: フィリップ パカレ
銘柄: ボジョレー ヴィラージュ ヴァン ド プリムール 2014
品種:ガメイ100%

外観は紫を帯びた濃いルビーで粘性は低い。
華やかなスミレなどの赤い花のニュアンスが強く感じる。瑞々しいブルーベリーやダークチェリーの果実味、鉄分、キャンディ香。
ほのかにマセラシオンカルボニックのバナナ香も感じられる。フレッシュハーブ、若干の揮発酸の香りもある。クリームの様なわずかなMLFの要素。
酸味が主体的だが、柔らかい。
華やかで若々しいベリーと赤い花の余韻か感じられる。




【所感】
まずはフィリップパカレ。
ボジョレーヌーヴォーとしてはマセラシオンカルボニックの要素があまり出ていなかったのが印象的でした。揮発酸が気になりますが、基本は素直に若いガメイといった感じです。
全体に占める要素として結構酸が際立っています。タンニンの抽出は抑えられているのですが、果皮の香りはかなり強く感じられます。
これはマセラシオンカルボニック特有の要素ですね。
ただ一般的なボジョレーヌーヴォーよりは幾分かワインらしい作りのような気がします。
フィリップパカレらしさはあまり無いような気がします。
ラブレロワはいわゆるボジョレーヌーヴォーでした。マセラシオンカルボニックの要素はこちらの方が強く出ているかも。

今回2014年を飲んでみて、なんとなく思うのが、去年一昨年と比べると果実味の熟度が低く、冷涼感を感じるなぁと。酸も細身で、全体的に見るとやや弱々しい。繊細であるような気がしました。
去年も一昨年も同じ事を言っていましたが、今年は更に輪をかけて繊細だな、と。
2012年当時、細いといっていたものの、当時のコメントを見る限りだと、幾分かボティがあったように見受けられます。今回のはそれすら細い。
正直これだけ見ると2014年ブルゴーニュが不安ではあるのですが、当初心配だった2012年ブルゴーニュが比較的よく出来ている事を考えると、上手い生産者はちゃんと対策してくれてるので大丈夫かな、とも。

様子見ですかねー。





tateru yoshino biz(タテルヨシノビズ: 汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。



こんにちは、HKOです。
これまたふらりと時間が取れたので駆け足フレンチしてみました。
6月から11月くらいまでほんと炎上していたので、これくらいは良いだろうと思いまして。
今回改めて思ったのか、アレですよ。


「5皿で1時間はめっちゃキツイ。」

前回のコラージュは3皿でギリギリで、今回巻きの展開でも5皿で1時間10分程度。
名前がビズって付くだけあって、そこはある程度考慮してもらえたものの、距離の遠いレストランで同じ事をしようと思ったら、これはもう会社への背信行為になりかねない訳ですよ。
というわけで、事実上5品を1時間で食べるのは無理、という結論になります。

そりゃーそうですよね、だってフレンチのディナーとか行ったら2時間半くらいかけて食べるわけですから。大変勉強になりました。はい。

そんな訳で、タテルヨシノ ビズです。
共同通信本社ビル、パークタワーホテルのロビーに位置するこのレストランは元ミシュラン一つ星のタテルヨシノ汐留が入っていた所で、どういう理由があってか不明ですが、ガストロノミーからビストロノミーへ業態変更しています。
故あって、価格は通常ランチで2000円程度、ル ムニュ デジュネ ビズで4000円程度のギリギリサラリーマンで出せるレベルのコース料理となっています。
リーズナブルかと言われれば結構微妙な所ではあるんですが、少なくともタテルヨシノ銀座のランチとかと比べるとお安い設定になっていると思います。

今回はドレスコードも無いので気楽にパーカーにジーンズで。

こじんまりとした規模ではあるものの、黒と白を基調にした清潔感ある店内。

フロアは客7人を2名で回していました。

メニューは前菜とメイン、デザートを一皿ずつ選ぶ方式。秋なので牛や豚以外の肉を食べたい気分だったので、前菜は山羊、メインは鹿を選びました。


◼︎アミューズブーシュ(★)

チーズを練り込んだシュー。


◼︎パン(★)

黒パンみたいなずっしりとした密度の高いパン。
ライ麦?蜂蜜が練り込んであるようにも?
バターはミルキーだけと、特別な工夫がされている訳ではなさそう。十分美味しい。


◼︎前菜「仔山羊のカルパッチョ」(★★★)

沖縄産のヤギを使用。チーズ(コンテ?シェーブルではない)、オリーブオイルのソース。フライドガーリック。
ヤギ臭さは殆ど感じなかった。後味にわずかに残る程度。それもチーズとニンニクの強い風味で上手く抑制されている様に感じた。旨味がしっかりとあり、柔らかい肉質のヤギ。ソースは基本的にオリーブオイルだが、ニンニクの風味を強く感じた。美味しい。


◼︎スープ 「赤カブのポタージュ」(★)

ムース状になっている赤カブ。ミルキー。
よく裏ごしされていて繊維が感じられない。上品な赤カブの味わい。供出温度は少し高い様に感じた。


◼︎メイン「鹿肉のグランヴヌール風」(★★★★)

蝦夷鹿を使用、胡椒の少し強い風味。栗が乗っていて秋っぽい。
柔らかい肉質で野生的なな血と土の味わいを感じさせる鹿肉。木というか木の実の様な味わいがちょっとある。綺麗に火が入ってる。低温でゆっくり焼き上げた感じ?
鹿肉自体の味わいが濃いから紫キャベツの酸味が良く会う。フォン ド ジビエ、ベリーの香りも感じられた。
赤ワインで煮た洋梨。スミレの香りを感じさせる完熟した洋梨のフレーバー。バターソテーした黒い海藻。
美味しいじ凄いボリュームある。


◼︎デザート 「豆乳のブランマンジェ」(★★★)

※食べちゃったよ...
濃厚な豆乳の味わいに生姜、柚子のシャーベット、淵についた塩味が味わいを強く引き締める。塩スイーツみたいな感じだ。


あとはエスプレッソのシングルとプティフール。

カヌレが地味に美味かった。
そして何と言っても鹿も山羊も美味かった...やっぱり時期ものが最高だよなあ。
結構ボリューム感もあって満足満足。コストパフォーマンス結構いいと思います。

時間は1時間10分。
うーん、タイムオーバー。まあ、仕方ないっすねえハハハ。と思いながら猛ダッシュで帰りました。

ああ悲しき会社員よ。
やっぱりこれ以上の距離でコースは無理だな。


住所: 東京都港区東新橋1-7-1 パークホテル東京 25F
店名: tateru yoshino biz(タテルヨシノ ビズ)
電話番号: 050-5869-4677
営業時間:
ランチ  11:30~14:00(L.O)
ディナー 18:00~21:00(コースL.O)
     22:00(アラカルトL.O)
ランチ営業、日曜営業

【トスカーナ:9】ボルドー品種とのセパージュによるサンジョベーゼの変化

こんにちは、HKOです。
本日はトスカーナのサンジョベーゼ主体のワインです。しかしこのサンジョベーゼという品種、100%のセパージュで飲むと色の濃い鉄分の強いピノノワールといった風合いなのですが、生産者や他の品種が紛れ込んだ時にかなり違った様相をみせてきます。
今回のシナッラにせよ、ティニャネロにせよ、いわゆる単一サンジョベーゼと印象を全く違にするワインを作っていると感じました。

【データ】
アンティノリは1385年よりワインビジネスに関わる名門でイタリア全土に10以上のワイナリーを所有しており、キャンティクラシコの中心にあるテヌータティニャネロはその中でもフラッグシップのワインを生み出しています。その中でもサッシカイアのジャコモ タキスが手掛けるティニャネロはサンジョベーゼを主体としたスーパータスカンとして位置付けられています。ティニャネロが作り出される土壌は標高340~400ha。昼夜の寒暖の差がハッキリある急斜地帯。作付面積は57ha。収穫、グリーンハーヴェストすべて人の手作業によって行われます。またアルベレーゼシステムという土壌の構成自体を変える手法を取り水捌けの改善も行っています。2008年には最新鋭の醸造施設が完成。区画毎に醸造を進めています。
収穫後は手作業で選果。稼働式圧搾機で2階部分から絞った果汁をタンクに移動、発酵が進められます。
フレンチオークやハンガリアンオーク小樽で16~18カ月熟成。最上のキュヴェだけが選定されブレンド。瓶熟成を経てリリースされます。

ファットリア ディ マリアーノはサッシカイアのジャコモ・タキス氏がコンサルタントを務めるワイナリー。ボルゲリ地区からさらに南にあるスカンサーノ地区に拠点を置き、初リリースは2001年となっている。


【テイスティングコメント】
生産者: ファットリア デ マリアーノ
銘柄: シナッラ 2010
品種: サンジョベーゼ、メルロー

約1900円、WA92pt
外観は濃いが透明度が高いガーネット、粘性は高い。
非常に果実味が強くドライレーズンなどの乾いた果実や黒糖、クローヴ、リコリスなどの風味が感じられる。溶剤や土、炭焼きなどの風味。生肉などの風味。
ネロターヴォラにも似た果実味があり、非常にイタリア的。甘いタンニンと豊かな酸があり、ドライフルーツの余韻が残る。イタリアの中でも濃い部類に入るサンジョベーゼだと思う。


生産者: アンティノリ
銘柄: ティニャネロ 2011
品種: サンジョベーゼ80%、カベルネソーヴィニヨン15%、カベルネフラン5%

12000円、WA94pt(2010)
フランとカベルネが含まれているせいか、どこかボルドーのワインの様にも思えるが、遥かに酸が豊かにあり、独特の鉄っぽさが強く感じられる。ボルドー的な醸造手法によって作られたサンジョベーゼって感じだ。
熟したブラックベリーやカシスの豊かな果実味、なめし革や鉄分を感じる果皮の要素、スミレなどの要素が主体的。そこから追う様にタバコなどのスモーキーな要素、若い樹皮やリコリス、ローリエ。わずかに黒糖の様な風味が感じられる。カベルネの果実味を持ちながらサンジョベーゼらしい鉄分からくる華やかさが突出している。
酸は刺々しくなく、それでいてしっかりと存在しており、甘い滑らかなタンニンが感じられる。ブラックベリーや鉄分の余韻を感じられる。なかなかいい。


【所感】
まずはファットリア ディ マリアーノのシナッラ。
よく出来たネロターヴォラの様な濃い味わいのサンジョベーゼ&メルロー。ドライフルーツの濃厚な果実味があり、そこにハーブや炭焼きの風味が乗ってくる。
いわゆるイタリア的な濃厚なスタイルで、高いアルコール度数に裏付けられたタイプの濃さではありません。より果実の熟度に寄ったタイプのワインだと感じました。価格としては1000円台なのですが、その割には大変よく出来ていると思いました。高級なタイプの味わいではないんですが、テーブルワインとしてとても優れていると感じました。
次にティニャネロ。ソライアが濃いめのワインだったので、サンジョベーゼが含まれたティニャネロはより繊細な作りかと思いましたが、全然そんな事無かったです。熟度の高いブラックベリーやカシスの果実味。比率でいうとサンジョベーゼが8割を占めるので、サンジョベーゼらしさが前に出そうなもんですが、カベルネソーヴィニヨンやカベルネフランの個性が強いのか、カベルネ種の香りが結構前に出ています。ただ含有する酸の多さや舌触り、香りに含まれる鉄分の要素は明らかにサンジョベーゼのそれ。よってカベルネらしい果実味やハーブの香りと共に、引き締まったようなシャープな華やかさも合わせて含有しています。
高いレベルでサンジョベーゼとカベルネ種の特徴が反映されたワインだと思いました。


アンティノリ・ティニャネロ 2010

アンティノリ・ティニャネロ 2010
価格:11,232円(税込、送料別)




Collage (コラージュ: 汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。



こんにちわ、HKOです。
突然ですが、HKOは汐留で会社から給料を貰ってお仕事をしているいわゆるサラリーマンです。
当然日中は会社員なのでワインを飲んでいる訳ではなく、合法ハーブ(※モンスターエナジー)をガンギメしながらパソコンとにらめっこして真面目に働いているわけですが、唯一息抜きできる時間があります。

お昼です。

勿論昼メシ抜き的な日も無くはないのですが、大体は食事くらいは真っ当に取れます。
社食で済ます事は多いのですが、たまーに時間がある時は足を伸ばして銀座や新橋界隈でご飯を食べます。



そんな感じで今回足を伸ばしてみたのが、コンラッド汐留にある、「コラージュ」。


※存在感ある巨大な東京汐留ビルディング。
コンラッド東京は28Fから。27Fまではソフトバンク帝国。

コンラッド汐留のフレンチといえばゴードンラムゼイでしたが、2013年の5月に閉店。その代わりにモダンフレンチ「コラージュ」がオープン、ゴードンラムゼイから変更なくシェフ ド キュイジーヌは前田慎也氏が、ヘッドソムリエは森覚氏が務めています。ミシュランの評価も変わらず。そのまま横スライドした様なイメージです。


基本破れたジーンズ、ヘヴィメタリックなTシャツとジャケットが正装の私としては、正直足を踏み入れ難い...というか常識的に行っちゃまずいだろ、という所なんですが、何らかの気の迷いでジーンズ、カジュアルシャツ、ジャケットというビジネスカジュアルの装いをした時があって、「これを逃したら次のチャンスはねえぞ!」と。


※参考: 汐留のサラリーマンにおける一般的なビジネスカジュアル


うーん、見慣れているとはいえ入ったことの無いコンラッド。
なんというか、完全に間違って入っちゃった感ある。すごい浮きっぷり。やばい。


あっあっあっ何かお辞儀されてる
こっこんにちは!?


エレガントでアンビエントな音楽がかかる外人ばっかりのロビーを抜けると、ガラス張りのモダンエレガントな空間が目に入る。
おっ、おお!ここか!


特に待たず、すぐに席に通してもらったんだけど、フロアと区切りの無いオープンキッチンで、食材と格闘中のシェフ。
ランチなのに、通りがけわざわざご挨拶頂いた。

いや、ホント恐縮です...すみません、なんかすいません。生きててすみません...
なんというか3800円のランチを食べるのにここまでされると大変申し訳ない気分になってくる。


※吹き抜けの広々とした開放的な空間


さっそく席に着き、クイックランチと安いぶどうジュースを注文。


うおお、マジで森覚さんサービスしてるよ...ランチなのに。存在してたんだ...有名すぎて非実在のソムリエかと思ってた...


そして一番ヤバかったのは森覚さん自ら安いぶどうジュースをサービスしてくれたんだわ。ちょっとちょっとランチだよ?客単価高いディナーじゃないんだよ?
安いぶどうジュース頼んだのが申し訳なくなってくるじゃねえか...

頼んだのがクイックランチなのに、オールスターで接客された時の恐縮っぷりといったら。

さっそく一皿目がきた。


◼︎前菜(★★)

表面を軽く炙ってマリネしたサンマに柿を添えたもの。
季節感のある一皿。
驚いた事にサンマの臭みは一切ない。
マリネ綺麗な酸味と柿の糖度の高い甘みが綺麗に混じり合う。魚とフルーツなんて...と思ったけど、熟度の高い柿から失われた酸味をマリネが補ってる。マリネはサンマとしっかりと結合している。相反していない。見事にお互いを高め合っている。前菜から美味しいぞこれ...!


◼︎パンとバター(★★★)


パンは硬めのバケット。小麦感すごいある。
それよかビビるのがこの無塩バター。
ものすごいクリーミーでミルク感、ナチュラル。そこに竹の中でローストした塩。
竹の清涼感のある青い香りが綺麗に効いている。バターから美味いって。どういうことだ。


◼︎前菜2「熟成キジのプレッセ ぶどうとピスタチオの饗宴」(★★★★)

熟成キジをテリーヌに。ピスタチオのペーストの上に砂糖とナッツ、あといくつかの種類のぶどうが添えられているもの。そこにぶどうのジュレが潜む。
キジからは八角の様なスパイスの風味。濃厚な味わい。濃い味わいのキジに清涼感のあるぶどうの風味と甘みが乗り、ピスタチオと八角の要素は別途結合する。すばらしい。


◼︎メインに合わせたパン(★★★★)

トリュフオイルを練り込んだパン。
ほのかなトリュフのオイリーでスパイシーな香りがパンのイースト香と共に立ち上がる。柔らかくてフワフワで天にも昇る味わいのパン。やや甘みがある。
無塩バターを塗ると、これだけで幸せな気分になれる。


◼︎主菜「黒のリゾット キノコとトリュフ」(★★★★★)

これがもう泣きたくなるくらい絶品。
トリュフの芳醇で豊満な香りがビンビンしてくる。ガーリックとハーブのパワフルな風味がある。中央の卵黄で味わいが変化。力強い味わいをソフトに包み込む。丸みがででくる。燻製香が複雑さを増強する。
コリっとした米の硬さも最高。精力つきそう。



ここでサラリーマン的にタイムアウト。
ギリギリ1時間で食べきった!忙しないぜ!
ちなみに食後のコーヒーと小菓子は別料金で1000円程度となっています。

余韻を楽しむ暇もなく次の打ち合わせに向けて猛スピードで会計し、コンラッドから脱出。

いやもう本当に全ての料理が美味かった...
盛り付けも綺麗だし、味と味の組み付け方がすごい芸術的。早急に別の料理も試さなければならぬ。

口の中に残るトリュフのアロマで、幸せな気分に浸りつつ、次の計画を練るのであった!



◼︎ノンアルコールのぶどうジュース
生産者: グランドパージ
銘柄: フィフスジェネレーション シラー ノンアルコール
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
ニューワールド的なシラーズというよりローヌに近い。カシスやダークチェリーのやや酸味を帯びた凝縮感のある果実味、西洋杉や焦げたカラメルの様な要素。ミントやハーブの香りが渾然一体となって立ち上がる。シンプルだが過度に豊満ではなく、熟したぶどうの風味を綺麗に凝縮感に転化している。スミレなどの果皮の要素もある。
タンニンは力強いが、滑らかで美しい。酸もしっかりとあり、全体的にとてもバランスの良いバロッサヴァレーのシラーだ。



住所: 東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド汐留28F
店名: Collage(コラージュ)
電話番号: 03-6388-8745
営業時間:
[火~土]
ランチ 12:00 ~ 14:00(L.O.)
ディナー 17:30 ~ 21:00(L.O.)
[日・祝]
ランチ 12:00 ~ 14:00(L.O.)
※祝前日の日曜ディナー、祝日月曜ランチは営業。ランチ営業、日曜営業

【ボルドー:21】熟成した1999年ってどうなの?いいの?悪いの?

こんにちは、HKOです。
本日もボルドーです。ただしコミューンに関しては限定せず、サンテステフ、サンジュリアン、マルゴーの3種とポムロール1種です。
ベタなアイテムばかりですが...どうぞよろしくお願いします。


【データ】
シャトー カロン セギュールはサンテステフ最北端に位置するメドック第3級シャトー。所有者はカルベン ガスクトン夫人。1982年以降のオーナー変更に伴って品質が向上しコスデストゥルネルやモンローズに迫るものを作っており、格付けに見合うシャトーとなっている。
保有している畑は樹齢35年のブドウが植わる砂礫と鉄分の多い石灰岩の55ha。平均収量は40hl/ha。栽培されたブドウは手摘みで収穫したのち、3週間、温度調節された発酵槽で発酵。生産量の20%は新品の大樽でMLF。残り80%は18~20ヵ月間発酵槽でMLF。オーク樽に移され新樽30%で樽熟成される。無濾過でボトリング。

シャトー レオヴィル ポワフェレはサンジュリアンに位置するメドック第2級シャトー。元々はラスカーズやバルトンと同一シャトーだった歴史がある。畑のポテンシャル自体は2級の中でも最上と言われていたが、1961年以降1980年代に至るまでそのポテンシャルを発揮していなかった。ディディエ キュヴェリエ、ミシェルローランの関与以降、セラーは近代化され、セカンドワインの導入によりファーストラベルの品質の安定化、新樽比率の向上を経て、その名声を高めた。
平均樹齢は25年、収量は45~50hl/ha。
収穫したぶどうは温度管理されたタンクで7日間のアルコール発酵と15~30日間のマセレーション。新樽比率75%で22ヶ月熟成。無濾過で瓶詰め。

シャトージスクールはマルゴーのコミューンの最南部に位置するシャトー。
ぶどうの栽培区画はわずか1/3ながら240haを超す広大な敷地を保有している。現在の所有者はエリック アルバダ イェルヘルスマ。1950年代までそのポテンシャルを発揮することは無かったピエール タリにより品質が向上し、多くのシャトーが不調に陥った1970年代1980年代を乗り切っている。(これは同年代の間同氏がユニオン デ グランクリュの会長であった事に起因するのかもしれない)、ただその格付けに対する価値については至極妥当なものであると評される場合が多い。作付面積は80ha、平均樹齢30年、平均収量45hl/ha。
収穫されたぶどうは温度管理されたステンレスタンクで15~18日間マセレーション、6~8日間の発酵。
新樽30%程度で18ヶ月の熟成、無濾過で瓶詰め。

シャトークリネは1700年よりポムロールに拠点を置くシャトー。現在ミシェルローランの影響下にある数あるシャトーの中の一つ。醸造責任者はジャン ミッシェル アルコート氏。何回か所有者が変わっていますが、現在はラボルト家所有となっており、ミシェルローランがコンサルタントに就いてからの90年代以降評価を上げています。
レグリーズ クリネ、クロ レグリーズに隣接する粘土(砂利含む)/鉄分を含む青粘土で構成される畑(8ha)を保有。平均樹齢は40年。平均収量は35hl/ha。除草剤は使用しない。収穫は手摘によって行われる。
プレス後、1週間の低温浸漬。その後木製槽にて3%週間から5週間、30℃から33℃で発酵。そしてマロラクティック発酵を行います。フレンチオーク新樽100%にて16ケ月から22ケ月の熟成後、無清澄、無濾過でリリースされます。セカンドはフルール ド クリネ。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー カロン セギュール 1999
品種: カベルネソーヴィニヨン60%、メルロー30%、カベルネフラン10%

17000円、WA87pt
赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
従来の樽香の強さと共にMLF的な要素が前に出ている印象を受けます。香ばしいブリオッシュやミルクティー、バニラの丸みを感じさせるアロマ。そしてカシス、ブラックベリーの果実味、熟成による燻製肉や土っぽさが徐々にあらわれる。トリュフ、リコリスの様なアーシーさを少し感じる。黒糖の様な甘露さ。
ボルドーの中でも比較的キャッチーな味わいに感じる。
タンニンと酸は充実している。タンニンにやや毛羽立ちが感じられる。キノコ系の旨味がしっかり感じられる。


生産者、銘柄: シャトー レオヴィル ポワフェレ 1999
品種: カベルネソーヴィニヨン65%、メルロー25%、カベルネフラン8%、プティヴェルド2%

19000円、WA89pt
赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
瑞々しくフレッシュな果実味。大きな規模感は無いものの堅実に仕上がった魅力的なワインだと思う。ミディアムボディ。
花の蜜や、ブラックベリー、ブルーベリーの様な黒系小果実の果実味。ほのかにミルクやバニラ、西洋杉、徐々に枯葉や土の風味が出始める。僅かなキャンティ香。スミレ、パストラミハム、リコリス、ローリエ。
タンニンは極めて柔らかいが、どちらかというと酸が際立つ仕上がり。土やブルーベリーの果皮、熟成肉の様な余韻を伴う。この中ではもっとも軽やかなエレガントな味わい。エキス感を感じる。


生産者、銘柄: シャトー ジスクール 1999
品種: カベルネソーヴィニヨン55%、メルロー40%、カベルネフラン5%

13000円、WA89pt
黒に近いガーネット、粘性は中庸。
マルゴーらしい作りのハーブや花の香りが主軸となるエレガントなワインだ。柔らかくしなやかなタンニンとスパイシーさが特徴的だ。
オレンジなどの柑橘の香りと、スミレや薔薇などの花やミントやリコリス、ローリエなどのハーブの様な清涼感のある香り。カシス、ダークチェリーの果皮の強い果実味。どこかミネラル感がある。なめし革、紅茶、炭焼き、パチュリーなどのアーシーさも伴う。
タンニンと酸の均衡がとれており、どちらかが突出して主張する事はない。オレンジなどの柑橘系、黒系果実などの果皮起因の余韻か感じられる。


生産者、銘柄: シャトー クリネ 1999
品種: メルロー85%、カベルネソーヴィニヨン12%、カベルネフラン3%

18000円、WA88pt
黒に近いガーネット、粘性は高い。
ロースト香が主体で、メルローらしい果実味はあまり出ていない様に見受けられる。バランスはあまり良くないかもしれない。
帆立や炭焼きの風味、タバコ、土、燻製肉、極めてトースティーで土っぽい要素が前面にある。あまり果実味は前に出ていないがカシスの風味が感じられる。
どこか熟成した新世界のカベルネソーヴィニヨンの様なオイリーな香り。樹脂、リコリス、ハーブティーの様なアロマがある。
香りから早期される様に、充実したタンニンがあり、どちらかというと酸はやや控えめ。全体的に厚いボティがあり燻製肉、タバコ、ロースト香が感じられる。
比較的足が速いのか熟成香は強めに出ている。

【所感】
ボルドーの機微は感じられるものの、やはりどのワインも一押し足りない不満足感か残るワインだったと思います。確かに飲み頃であることは間違いないのですが、最上クラスの熟成ボルドーと比べると密度やバランス共にレベルの低さが目立った気がします。
そんな中でも検討していたのはレオヴィル ポワフェレで、密度や厚みという意味ではこの中で最も低いのですが、各要素のバランスが極めて良くエレガントで一塊感がある様に思えました。やや酸が際立つものの、そこから現れる緻密で繊細な果実味はなんとも魅力的です。まさにトラディショナルな「クラレット」。
少なくとも今日クラレットと表現できる淡いボルドーワインが少ない中、このボルドーはクラレットと呼ぶのが相応しいワインではないかと。
次はカロンセギュール。
MLFと樽香がしっかりとある、比較的キャッチーなスタイルのボルドーではあるのですが、このスタイルでいうならばどうしても不足感を感じてしまいます。
極めて飲みやすいワインではあるものの、香りに対して熟成によるボティの落ち込みがやや早いように思えます。ボディがやや薄めの割にはタンニンにざらつきがあり、口当たりがちょっと悪いように感じました。
素晴らしいヴィンテージではないのでやむなしとは思いますが、この生産者の良質なヴィンテージの素晴らしさを見るに、少しガッカリしてしまう味わいでした。
シャトージスクール。
エレガントなワインですが、少し青さを感じてしまいます。華やかでハーブの香りが魅力的ですが、果実味は穏やかで少し土の要素を感じます。なんというかシャンボールミュジニー的というか、そんな感じの雰囲気ですが、さほど魅力的なワインだとは思えませんでした。
シャトー クリネ。
2003年でも結構な熟成感を感じましたが、1999年を飲んで、改めて足の早いワインだな、と感じました。翻せば熟成の味わいを比較的早くから楽しめるワインではあるのですが、フレッシュな時期が短いので、そういったワインが好きな人にはあまり楽しめないと思います。
1999年は既に熟成香が強く出ています。ただその熟成香とは裏腹にロースト香が消えずに強く残っている。これがかなりアンバランスというかあまり良くない傾向かなと思っていて、果実味が先に失われてしまっている感じ。タンニンは強いのでまだ生き残るだろうが、ヴァンドガルドとしては失敗なんじゃないかな、と思ってしまいます。

というわけで1999年のワインですが、やはり期待外れというか微妙な造りのが多かった様に思えました。レオヴィルポワフェレなんかは良かったのですが、ボルドーのベーシックなスタイルかと言われれば、まあボルドーではあるのですが、流行り系ではないです。
個人的にオフでもボルドーは好きなのですが、じゃあ熟成したらどうなのよ、と言われれば微妙かも。若いボルドーはむしろオフの方が良かったり飲みやすかったりするんですが、熟成を重ねるとバランスを失うことが多いと思いました。

パーカーポイントが全てではないですが、レオヴィルポワフェレ、クリネは2009年に100ptだった訳だし、ジスクールやカロンだって2009年に94ptなんですから、不思議ですよね。
贅沢ですかねー?



シャトー・ジスクール 2009

シャトー・ジスクール 2009
価格:8,550円(税込、送料別)


【ボルドー:20】クラシック&モダン ポイヤック3種類を利く

こんにちは、HKOです。
本日は昨日に引き続きボルドーです。地域はポイヤック。王道ですが、たまに王道を振り返る事で色々分かることも多いです。
今回はロングヴィル バロン、ポンテカネ、ポイヤック ド ラトゥールの3種類です。

【データ】
シャトー ラトゥールはポイヤックに拠点を置くトーチカの様な塔が特徴的な第一級シャトー。現在はフランソワ ピノー氏が指揮を執る。ラトゥールはその品質を安定させる為に約60%がセカンドラベルに回される。1974年に至っては25%のみがグラン ヴァン ド シャトー ラトゥールとなる。また、その偉大なワインが産出がされる畑はメドックにおいて最も歴史が古い畑のうちの一つ。レオヴィルラスカーズに隣接する細かい砂利質で非常に水はけに良い土壌である。今回はサードラベル、ポイヤック ド ラトゥール。
栽培面積は60ha、平均樹齢は35年、収量は40hl/ha程度。マセラシオンは21日間行なわれ、温度調節機能付きのステンレスタンクで30℃を維持したままアルコール発酵。
新樽を100%使用し20~26ケ月熟成を行なう。清澄は行なうが濾過は行なわない。

シャトー ピジョン ロングヴィル バロンはコンテス ド ラランド、ラトゥールに隣接するメドック格付け2級シャトー。アペラシオンはポイヤック。
1980年終わりにAXAへ売却された後、ランシュ バージュのジャン ミシェル カーズを監督として雇用し、新たに導入された厳しい選別、収穫時期を遅らせる、セカンドワイン導入、新樽比率の向上によって劇的に品質が改善した。作付面積は68ha、平均樹齢は35年。収量は45hl/ha。
砂利質で生育したブドウは手摘みで収穫。100%除梗。ステンレスタンクで通常15~17日間発酵、マロラクティック発酵も一部行われる。3ヶ月後樽に移され、新樽は70%で12~15ヵ月熟成。清澄処理も濾過処理も実施。

シャトー ポンテ カネはムートン ロートシルトの向かいに位置するメドック格付け5級シャトー。1994年以降急激に品質を向上させており、現在は1級シャトーに匹敵、年によって凌駕する卓抜した品質を誇る。間違いなくピジョンララント、コスデストゥルネル、パルメ、レオヴィルラスカーズ、デュクリュボーカイユ、ランシュ バージュの6大スーパーセカンドの領域に足を踏み入れているシャトーと言える。とりわけ2009年、2010年に関してはWAで連続100ptを獲得しており、その名声を確かなものとした。
現在も品質向上に力を入れており醸造用のセラーの一新、セカンドラベルの導入、新樽比率の向上、機械収穫から手摘みへの変更を経て着実にその品質を向上させている。
栽培面積は78.9ha、平均樹齢30年の葡萄を50hl/haの収量で収穫。木製発酵槽50%、コンクリートタンク40%、ステンレスタンク10%で3~4週間発酵とマセラシオンを実施。新樽60%で16ヶ月熟成し軽い清澄と濾過を行う。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトー ラトゥール
銘柄: ポイヤック ド ラトゥール 2008
品種: メルロー55%、カベルネソーヴィニヨン45%

14000円、WA88pt
外観は濃い色調のガーネット、粘性は高い。
堅牢なラトゥールのサードとは思えない程近づきやすく丸みがある体躯のワイン。恐らくメルローの比率がファーストに比べて圧倒的に高いからだろうか。
熟したブラックベリーやカシスの様な果実味が感じられる。果皮の強いアロマは控えめ。タバコや乾いた土の香りはラトゥールに似ているが、より果実味に合わせソフトに感じられる。バターやバニラ、焼いた杉、フルーツケーキの様な果実味。燻製肉、リコリス、クルミの要素が感じられる。
強靭でありながら、滑らかなタンニンと酸があり、嫌な余韻を一切感じさせない。カシスや土、果梗の様な余韻が感じられる。ラトゥールらしからぬ丸さに驚くサードラベル。


生産者、銘柄: シャトー ポンテ カネ 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン60%、メルロー35%、カベルネフラン3%、プティヴェルド2%

約15000円、WA93-95pt
外観は濃い色調のガーネット、粘性は高い。
多分誰もが望むボルドーらしいボルドーの理想像の様なワインだと思う。熟したブラックベリーやカシスリキュール、シロップ漬けの様な甘露な香り。西洋杉や黒糖、炒ったナッツの香ばしい香りが果実味と結合する。ミルクのアロマ。ミント、スミレの様な香り。燻製肉の様な要素もある。ドライハーブ、ユーカリなど。鮮明で外交的、果実味に満ちていて、花開くような派手さと凝縮度があるポイヤック。香りはかなりリキュール的だが、高アルコールならではグリセリンっぽさは伴わない。
若いヴィンテージながら拒絶する様な硬さはなく、甘いタンニンと滑らかな酸が特徴的で丸みが感じられる。際立った旨味とブラックベリーやミルクの余韻が残っていく。素晴らしいボルドーだ...


生産者、銘柄: シャトー ピジョン ロングヴィル バロン 1999
品種: カベルネソーヴィニヨン60%、メルロー35%、カベルネフラン4%、プティヴェルド1%

19000円、WA89pt
外観は小豆の様な赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
熟成のニュアンスが比較的はっきりと出ている様に感じられる。強めの獣香、生肉などの野生的な風味。果皮を強く感じさせるカシス、ブラックベリーの果実味。炭焼き、ナッツ、タバコなどのロースト香、乾いた土の様な大地香。ミント、トリュフ、リコリスなどの要素も。徐々に焼きホタテの様な風味も。
極めて強固で堅牢、ギュッと引き締まった凝縮感がある。やはりこの作りはどこかラトゥールに似ている。
熟成によりタンニンは滑らかで、酸味もきめ細やか。
梅やベリーを感じさせる旨味が感じられる、余韻も長い。


【所感】
第一級が如き風格で迫る第五級シャトー、ポンテ カネ。 2010年には及ばずとも2011年らしからぬ凝縮感、恐るべき密度を持ったワイン。
ポンテ カネの2010年はボルドーというより、完全にチューニングされたナパのカルトカベルネに近かった様な気がします。リキュールの様な果実味とツヤツヤして球体っぽい酸とタンニンがある。そんなにアルコール度数が高い訳ではないのに、アルコール度数が高そうな雰囲気を感じさせる。
それと比べると今回の2011年はしっかりとボルドー寄りの味わいで、極めて熟した果実的である事は変わらないのですが、過度のアルコール感というか、ニューワールド感は無くて、タンニンや酸の表れ方もビロードの様。派手なワインではあるんですが、ボルドーらしさを残した良い作りをしていると思います。
もちろんワイン本来の出来で言うのであれば2010年ですが。
次にポイヤック ド ラトゥール。
これはラトゥールを想定して飲むとあまりにも違いすぎて驚くのではないかと思ってしまいます。例えば抽出、例えば樽、例えば品種特性、すべての要素がラトゥールから想起される堅牢さと逆方向を向いている。メルローの甘く丸いタンニンと果実味、節度あるローストや抽出。若い頃は飲めませんよと雄弁に語るあの硬さは一切なし。
とても良く出来ているメルロー主体のボルドーワインだと思います。
ただ決してラトゥール的では無いと思うし、ひょっとしたらポイヤック的ですらないかもしれない。
とても美味しいけど、ポイヤックの名前を冠しているのにこの存在は、ちょっとシュールにも思えてしまうかもしれません。
最後にロングヴィル バロン。
先述したポイヤック ド ラトゥールと比べると、まだこちらの方がラトゥールに近いような気がします。
熟成香を帯びているものの、15年如きの熟成ではビクともしていない堅牢さ。強固なボディ。
比較的熟成香の表出自体は早そうなワインではあるのですが、ともかくタンニンと酸が分厚く、これがちょっとやそっとで落ち着きそうな感じじゃないんですよねえ。大分毛羽立ちは消えているのですが、まだ熟成しそうですね。

この中だとやはりポンテ カネ一択ですね。
2011年も超いいです。


 シャトー・ポンテ・カネ[2010] 赤 [750ml]

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価格:21,384円(税込、送料別)


ポイヤック・ド・ラトゥール[2008]

ポイヤック・ド・ラトゥール[2008]
価格:14,040円(税込、送料別)


【ボルドー:19】サンテミリオン第一特別級3シャトーを利く

こんにちは、HKOです。
大変久々の更新でございますね、正味10日くらいでしょうか。久々に嫌な感じの風邪をひいて約5日間程度寝込みっぱなしで全く更新が出来てませんでした。
しかも冷蔵庫には抜栓したばかりのスタッグスリープワインセラーズのソーヴィニヨンブランが放置された状態で...切ない!
さて、久々の更新はボルドー左岸サンテミリオンです。

【データ】
シャトー ベレール モナンジュはムエックス社がサンテミリオンに所有する第一特別級Bのシャトー。2007年まではシャトーベレールとして別所有者だったが、ムエックス社が所有して以降劇的に品質を改善している。サンテミリオンの最も高い丘に存在する畑を所有し、数年でオーゾンヌを超えるとムエックス社は豪語しているそうです。収量は39hl/ha。収穫は全量手摘みで行われ、
除梗前後2回選定が行われる。自然酵母を使用し、ステンレスタンクでアルコール発酵。新樽比率60%18ヶ月熟成。無濾過で瓶詰めされる。

シャトートロロンモンドはクリスティーヌ ヴァレットが所有するサンテミリオン第一特別級Bのシャトー。元々は第一特別級でしたが、1980年代にミシェルローランが招聘されてから飛躍的にその品質を向上させた2006年の格付け見直しに伴い第一特別級Bに昇格しています。
平均樹齢は50年、収量は35hl/ha。
マセレーションおよびアルコール発酵は小容器ステンレスタンクにて4~5週間、新樽比率70%で12~24ヶ月の熟成、無濾過で瓶詰め。またセカンドワインを導入し、より品質に磨きをかけている。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ベレール モナンジュ 2011
品種: メルロー60%、カベルネフラン40%

14000円、WA88-90pt
比較的明るめのボルドーガーネット、粘性は中庸。
このワインの骨格は低中域はメルローで、広域はやや若いニュアンスを持ったカベルネフランが支えている。よって目立つ要素はカベルネフランのスパイシーで青いアロマが感じられ、奥にはメルローのねっとりとした果実味が息づいている。
マロラクティックはミルク的な要素、そしてシシトウや甘草、ピーマン様の風味の奥底に、ブラックベリーやカシスの果実味、そして丸みのあるフルーツケーキの様な甘露さ。西洋杉や樹皮の香り、ベーコン、薔薇の様な要素が感じられる。
タンニン、酸は穏やかで、香りからボディは柔らかめかと想像したが意外と丸みがあり、しっかりとした厚みを持っている。鉛筆の芯やピーマンっぽい余韻とともに黒系果実が穏やかに広がる。


生産者、銘柄: シャトー トロロン モンド 1999
品種: メルロー80%、カベルネソーヴィニヨン10%、カベルネフラン10%

14000円、WA89pt
黒に近いガーネットで粘性は高い。
ボルドー的というよりはむしろ、イタリアのスーパートスカーナ的なドライフルーツの様な果実味が特徴的なメルローであると思う。
熟したブラックベリー、ドライプルーンの果実味。黒砂糖の様な甘い香りも伴う。
そして枯葉や腐葉土の熟成起因の要素と共に、モカ、タバコ、アーモンド、燻製肉の様なロースト香。そして溶剤や花のような香り。リコリス、バニラなどのハーブやスパイスの香りもほのかに感じられる。
全体的な印象としては、メルロー比率が高いからか濃厚でパワフルな果実味が際立っていた様に思える。
酸よりタンニンが目立つ。タンニンの質はわずかに目の荒さを感じさせる程度。ブラックベリーの果皮とドライフルーツの甘い余韻が感じられる。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 1981
品種: メルロー50%、カベルネフラン50%

108000円、WA82pt
外観は橙を帯びた淡いオレンジ、粘性は中庸。
80年代前半というのもあり、かなり熟成を帯びている印象。年相応というか、飲み頃ギリギリと言ったところだろうか。
森の下草や、旨味に満ちたシイタケや生肉、鉄分などの熟成感のある香りが主体的。紫スモモや黒オリーブの様な果実味、ホタテの炭焼きやドライフラワー、獣香が感じられる。ナツメグなどのスパイシーな香りも。徐々に黒砂糖と焼いた藁の様なニュアンスも。
かなり野性味のある古酒。若々しさはほぼ感じず、円熟した複雑な要素が主軸になっている。
ただ味わいに煩雑な所はなく、幾多もの要素が整然と整理されている。
アタックは酸と共に出汁の様な旨味がジワリと広がっていく。タンニンは綺麗に抜け落ちてエキス感が残留している。スモモなどの余韻が長く続くが、余命は長くないだろうと思う。


【所感】
個性的なワインが多かったと思います。
オーゾンヌは熟成がかなり進みすぎていて元の姿が想像できないんですが、トロロンモンドなんかは結構わかりやすい。やはりサンテミリオンの妙というか、個性の違いはカベルネフランとメルローの比率でかなり変わってくる様に思えました。
トロロンモンドはメルローの比率が高く、やはり「メルローらしい」ワインになっているし、ベレール モナンジュはカベルネフラン比率がやや高く、いわゆるカベルネフランっぽいエレガントさ(青さ)がしっかり前面に出ている様な気がしますね。
熟度の高い状態ではかなり違いか出やすい品種だろうと思うので、これがかなりキモなんじゃないかと。
さて、まずはベレール モナンジュ。
飲んでいて思ったのか、ヴィンテージの特性もあるのか、カベルネフランの青さとマロラクティック発酵のアロマがかなり前面に出ている点が、やや気になりました。樽の要素は比較的穏やかで、どちらかというとエレガントでクリーンな果実味を押し出したいタイプのワインとして作っている印象を受けました。
旨味がたっぷりあり、なかなかいいワインではありますが、ヴィンテージによって一気に姿を変えてきそうなワインですね。
次、トロロンモンド。
こちらもヴィンテージとしては決して良くは無い年なのですが、メルロー比率が高いからか、意外としっかりと果実味が前に出ている印象でした。あと樽というかロースト香も結構強く感じられます。
ただ高いアルコール度数ではないので、リキュール的な丸みというか継ぎ目の無さは無くて、どちらかというとドライフルーツ的なイタリアンな熟度の高さを感じるワインだと思いました。そこに熟成起因のアロマが混じり合う様な形。
モダンな洗練されたタイプのワインというより、幾分かのイモっぽさを感じるメルローでした。
最後、オーゾンヌ。
これはちょっと熟成が進みすぎている印象を受けました。そもそもあまりヴィンテージにせよ、出来がよろしくないからか、枯れ果てる少し前といった印象で若々しさは殆ど感じませんね。まあ、そもそも若々しさを期待するワインではないのですが。最初にシュヴァルブランを飲んだ時と同じような小難しさを感じたので、これが熟成カベルネフランの難しい部分だよなーという印象でした。
個人的にはあまり好きなタイプではないと感じましたね。残念。

今回はどれもあと一押し的なボルドーが多かったです。ただこういうワインが出来るのもボルドーの機微で楽しい所ではあります。
現在の価格を考慮するとヴィンテージの機微は許容したくない所もありますが...

CH オーゾンヌ [2000]【お取り寄せ2~5日】_C

CH オーゾンヌ [2000]【お取り寄せ2~5日】_C
価格:257,040円(税込、送料込)



プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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