【カナダ:2】フォックストロット ヴィンヤード、絶妙な味わいを醸し出すピノノワール。

こんにちは、HKOです。
本日はカナダのピノノワールです。
珍しいですがHKO的にはとても注目している産地だったりします。


【データ】
フォックストロットは、ブリティッシュコロンビア州オカナガンヴァレーに拠点を置く小規模ワイナリー。小規模ながら非常に評価の高いピノノワールとシャルドネを生産しています。
1990年に植樹されたディジョンクローンで構成された四つのブロックからなるフォックストロットヴィンヤード(平均樹齢17年、収量は28hl/ha)から注意深く収穫されたぶどうを使用する。トロンセとアリエの新樽100%で16カ月熟成。生産量はわずか1500ケース。


【テイスティングコメント】
生産者: フォックストロット
銘柄: フォックストロット ヴィンヤード ピノノワール 2010

外観は深いガーネット、粘性は高い。
濃縮した蜜の様な甘みがあり、クランベリーやストロベリーの赤系果実の味わい。バニラやドライハーブの様な風味が混じる。シナモン、ガムの甘露な様な風味。リコリス、生肉などの風味。紅茶、マホガニー、アーモンドの風味。ファンデーションなどの風味。
僅かにクルミの様な風味が感じられる。
やや際立った綺麗な酸味があり、滑らかなタンニンがあり、華やかで広域に伸びていくような味わいがある。蜜やクランベリーの余韻が残っていく。


【所感】
やっぱりカナダのピノノワールはかなりいいですね。フォックストロットだけではなくノーマン ハーディーやトーズを飲んでみて、そのしっかりとした出来に驚くわけです。
目立たないのはコストパフォーマンスが特に良いわけではないからかもしれません。実際これらのワインを購入できる金額でカーリーフラットとか買えちゃいますからね...
ただじゃあ品質的に劣っているかというと全然そんな事はなくて、今回のフォックストロットも素晴らしいと思いますし、決して負けてるわけではないのですが、アレですね...懐の広さなのかな...?
今回のフォックストロットは少しコント ジョルジュ ド ヴォギュエの若いシャンボールミュジニーを飲んでいる様な感じです。
濃厚なキャンディ香が主体となり、バニラやマホガニー、クルミの様な新樽の香り、品の良いスパイスやハーブの香りをまといます。
蜜の様なほのかな甘い香りがあり、かなり完成度の高い味わいだと思います。
凝縮感は十分にありますが、さすがにヴォギュエ並みとは行きませんが、新世界らしいキャッチーな魅力に満ち溢れていて、かなり好きな感じの味わいです。10000円はさすがにいいお値段なので、なかなか簡単には購入できませんが、機会があれば飲みたいワインですね。




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【カリフォルニア: 26】新進気鋭の赤、赤の老舗生産者が作る白を検証

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニアワイン4種類です。
赤は新進気鋭の生産者、アントヒルファームズとスクライブ。白は老舗生産者、スタッグスリープ ワインセラーズ、マーカッシンとなります。


【データ】
マーカッシンは女傑ヘレン ターリー、ハイジ パレットが運営するワインメーカー。ソノマからカリフォルニア最高のピノノワールを送り出す。ワインジャーナリスト山本昭彦氏曰く、その佇まいはラルービーズルロワに似ているという。なるほど、このカリスマ性は確かにその通りだと思う。
ビオ、新樽、抽出度合は不明ですが、ヴァンダンジュヴェールトはしっかりと行われているようで、収量を極端に制限し糖度の高い葡萄を作っています。その制限によって生産できるケースにして2500cs以下。
フラッグシップはなんといってもマーカッシンヴィンヤードですが、今回はシャルドネのガウアーヴィンヤード。

ニッキ プリュスが指揮を執るスタッグスリープ ワインセラーズ。パリテイスティングの主役とも言える生産者。
樹齢14年から40年のカベルネソーヴィニヨンを持つスタッグスリープ ヴィンヤードとフェイ ヴィンヤードで収穫した良質な葡萄を更にポジティブセレクション。MOGシステムで除梗を行いそれぞれステンレスタンクで醗酵。MLF後、新樽比率90%のフレンチオーク小樽で20ヶ月熟成、ブレンドされ出荷されます。
今回はそのソーヴィニヨンブラン。

スクライブ ワイナリーは2007年にアンドリュー マリアーニが弟のアダムとハシエンダに設立したワイナリー。カリフォルニアのニューウェーブと呼ばれる世代で、カルトスタイルに影響を受けず、少量のワインを生産しています。
アンドリューはワイナリー設立にあたりハシエンダの土壌改善を徹底、栽培は全て有機農法が実践され、発酵は天然酵母によって行われます。
ピノ ノワールは50%マルティーニクローン、50%ポマールクローンを使用。使用済のフレンチオークで熟成する事で強い樽香を避け、ピュアなワインに仕上げています。

アントヒル ファームは2004年に、ウィリアムセリエム出身のアンソニー フィリベルティ、デイヴィッド ロウ、そしてウェブスター マルケスによってソノマはブーンヴィルに設立されたワイナリー。
ブーンヴィルの町を見下ろす丘にあるアビー・ハリス ヴィンヤードとデムス ヴィンヤード単一畑を2004年に手掛け、醸造施設はパパピエトロペリーのものを使用。すぐに話題となり高い評価を得た。
栽培はサスティナブル農法が実践され、収穫後は一部のみ除梗。プラスティック製の開放型の発酵槽と天然酵母でアルコール発酵を行う。熟成はフレンチオーク小樽で15ヶ月。新樽率10-40%。



【テイスティングコメント】
生産者: スクライブ
銘柄: カーネロス ピノノワール 2011

外観は非常に明るいルビー、粘性は低い。
キャンディ香すら感じられる極めてエレガントかつ華やかで瑞々しいガメイにも似た明るい印象のピノノワール。
アセロラやクランベリー、フランボワーズの様な酸味が前面に出る華やかな果実味、スミレの様な華やかな味わいが同居。クローヴ、フレッシュハーブ、バター、紅茶の要素。樽の香りは殆ど感じられない、華やかでキュートなピノノワール。
香りとは裏腹に酸味、タンニンは極めて穏やかで旨味との極めて高いバランスを堅持している。決してガメイの様に細く無く、しっかりとしたボディがある。華やか、かつ丸みを帯びた体躯のバランスは極めて良い。


生産者: アントヒル ファームズ
銘柄: アヴィ ハリス ピノノワール 2012

WA92pt(2010)
外観は非常に深いルビー、粘性は低い。
ややアルコール的な面が前に出ており、ドライフルーツやドライベリーの様な凝縮した果実味が感じられる。スミレや溶剤、鉄釘の様な華やかさが突出している。そして焦がした木材、タバコの様な要素も包含しています。なめし革、ハーブさや西洋杉などの風味、徐々に黒糖の様な風味が感じられる。
酸味は柔らかく、ややタンニンは際立って感じられる。ギュッと引き締まった味わいでドライフルーツやドライベリーの果実味が感じられる。


生産者: スタッグスリープ ワインセラーズ
銘柄: ナパヴァレー ソーヴィニヨン ブラン 2009

外観は明るめのストローイエローで粘性は高い。
極めて新世界的なソーヴィニヨンブラン。酸が穏やかで僅かに苦味があり、ボリューム感のあるオイリーさを包含している。
基本的にはシトラスやグレープフルーツの様な柑橘系の要素やフレッシュハーブの様な典型的なソーヴィニヨンブランの香りがあるが、そこにナッツやオイルの様な重みや粘性を想起させる香りと僅かなハチミツの甘みが感じられる。白胡椒やヨード香などのアロマも感じられる。
酸は柔らかく、やや苦味が先行する。
ナッツや甘草、フレッシュハーブ。そしてグレープフルーツとハチミツの余韻を残す。


生産者: マーカッシン
銘柄: ガウアー ヴィンヤード アッパーバーン シャルドネ 1997
品種: シャルドネ100%

約40000円、WA96pt
外観はやや濃い目のレモンイエローで、粘性は高い。
王道的なカリフォルニアのシャルドネだが、濃いだけではなく、その完成度は非常に高い。
完全に行われたMLFと樽熟成、そして高濃度に熟した果実味が魅力的。バタークリームやバニラの芳香と共に、キャラメリゼしたヘーゼルナッツ、黄桃や洋梨のコンポートを想起させる濃厚な果実味を感じる。焼き栗の様な芳香。白い花や杏仁豆腐の要素。強烈に濃厚なシャルドネだが、ボリューム感だけではなく、どこかしっかりとしたミネラル感は残る。
酸味はしなやかで柔らかく、滑らか。驚異のスムースさ。
強烈なマロラクティック発酵があるが、苦味は全く残っていない。バターやバニラ、ヘーゼルナッツの甘く厚みのある余韻が残る。



【所感】
スクライブのワインを飲むと、オーベールの様に過熟的ではなく、ピーターマイケルやタンタラ、ポールラトーの様な凝縮感を押し出したワインでもない事がすぐに分かる。ブルゴーニュでも特にフレッシュネスと中庸的な抽出を行う様なクリーンなワインだと感じました。かなり冷涼な印象のある雰囲気を醸し出している為、なかなかこれをカリフォルニアと看破するのは難しいと思います。
かなりキャンディ香があるので、これが時を追うごとにどの様に変化して行くか楽しみですね。
先のスクライブと比較すると、ソノマらしい凝縮感と華やかさを感じるピノノワールになっていると思います。分類するとサークやシースモークと同類に含まれるのではないかと。徐々に黒糖の風味も現れ、充実した果実味とともにしっかりとした樽のニュアンスも(新樽比率は低いですが)感じられます。
ブルゴーニュ的では無く、ソノマ的な要素が強いピノノワールだと思います。
引き締まった果実味もとても魅力的です。
ややアルコール感は感じますが、アルコール度数は低めです。

共に新進生産者の素晴らしいピノノワールでした。一昔前と比べると完全にムチムチ系のピノノワールって減ってきましたね。
後者はソノマ的ではありますが、どちらもエレガント系のピノノワールで有ることは間違いないですね。

では次は白です。それも赤が強い生産者の白品種です。
まずはスタッグスリープ ワインセラーズのソーヴィニヨンブランです。
新世界らしい極めてボリューミーなソーヴィニヨンブランだと思います。ピーターマイケルのラプレ ミディに近いボリューム感がありますが、こっちの方がすこし洗練されていない感じがします。MLFによくある苦味が感じられるのが気になりますね。
基本骨子は品種特性の柑橘系、そこに樽とMLFでボリューム感を出している感じですかね。なかなかいいですが、値段なりといった感じがします。

最後にマーカッシンのシャルドネ。
メチャクチャいいシャルドネです。
もうホント最高。カリフォルニアのシャルドネと王道を行く様な、いわゆるMLF、樽がっつり、果実味爆発のシャルドネなんですが、そのバランス感が素晴らしい。
果実味の密度がバタークリーム、バニラ、キャラメリゼしたナッツを思わせる濃厚な香りと見事にマッチングしている。たまに香りは立派ながら酸とボディが抜け落ちているワインが多い中、ボディと香りの筋が通っている。そこに一本線、鋭いミネラルが骨子を作る。外面に焼き栗や白い花を纏うボリューム感を維持しながら奇跡的なバランス感を保ったワインとなっていると思います。オーベールのリッチーヴィンヤードなんかはこのスタイルに近いと思います。
そして既に18年熟成しているのにも関わらず、この若々しさ。まだまだ熟成余地を残しています。ミネラルも酸も滑らかながらまだしっかり残っていますし、この先まだまだ良くなりそう。
ただ、このスタイルのワインの30年熟成は経験したことないので、どうなるかは全く想像がつきませんな...

以上、カリフォルニアの素晴らしい白と赤でした。うーん、いいのばかりですね。
マーカッシンはさすがでした...




【NZ、オーストラリア:12】オセアニア最上級のピノノワール2本

こんにちは、HKOです。
今回はカルト的なニュージーランドとオーストラリアのピノノワールの作り手、バスフィリップとベルヒルの2本です。それとグランド バージのシラーズです。


【データ】
バス フィリップはオーストラリア ヴィクトリア州のギップスランドに1979年に設立されたワイナリー。創設者はフィリップ ジョーンズ。
アンリジャイエに影響を受け、当時畑に植わっていたカベルネは全てピノノワールに植え替える程の完璧主義者。そのエピソードだけに留まらず作付け面積4haのうち、収量は超低収量で10hl/ha。数百ケース程度の生産数量となります。
栽培時は灌漑せず、殺虫剤は使用しない。ぶどうは全て手摘みで収穫、その場で選果(最大30%程度)
自然酵母によって発酵を行い、SO2の添加は最低限。樽熟成後無濾過で出荷。除梗有無、新樽有無は不明ですが、高い比率の除梗、新樽のニュアンスは控えめでこちらは高い比率ではなさそうです。
バスフィリップのピノノワールにはクラウンプリンス、エステート、プレミアム、リザーブとあって、今回はオリジナル エステート ヴィンヤードのプレミアムです。

ベルヒルは1997年にノースカンタベリー ウェカ パス地区に設立された、ニュージーランドのピノノワールだと最上と見なされるワイナリー。
代表はマーセル ギーセンとシャーウィン ヴェルデュイゼン。
もともと石灰岩の採堀場だった石灰質土壌の畑を持ち、北向き斜面に位置。
生産量は年間わずか200~500ケース。
ベルヒル ピノノワールは3つの区画のアッセンブラージュ。低く抑えられた収量のぶどうは区画毎に収穫と発酵を実施。最後にブレンド。除梗後、発酵前マセラシオンを実施。アルコール発酵の後フランス産オーク樽(新樽100%)で18ヶ月熟成、澱引き。1年後にブレンド。18カ月瓶内熟成をした後にリリースされます。


グラント・バージは1855年に南オーストラリアはバロッサヴァレーに設立された家族経営の老舗ワイナリー。
現在はバロッサヴァレーとイーデンヴァレー合わせて350haを保有しています。彼らが所有する畑のうち15%は樹齢80年、その他も10年から50年以上の古木を保有。 特に、トップキュヴェであるミシャックは100年を超える超古木を使用している。
今回のgb56はグランドバージの中では最も安価なグレードとなります。


【テイスティングコメント】
生産者: グランド バージ
銘柄: gb56 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は強い。
素晴らしいデイリーワイン。ブルーベリーやプラムの様な酸味を伴う凝縮感の高い果実味が感じられる。ラベンダーやスミレの花、溶剤など。燻製肉やフレッシュハーブ。徐々に黒糖などの甘い香りも漂ってくる。リコリスなど。ややアルコーリックな風味が強い。
口に含むとグリップの強いタンニン、酸味があり、甘みはないがジャムの様なしっかりとした果実味が感じられる。


生産者: ベルヒル
銘柄: ベルヒル ピノノワール 2011

20000円、WA95pt(2010)
外観は深いガーネット、粘性は高い。
焦がした木材、ローストした様な樽香が前に出ており、その奥にダークチェリーやブラックベリーの果実味、やや堅牢な風味。燻製肉、黒土の風味。
落ち葉、タバコ。控えめなスミレの様な風味が感じられる。やや野生的な印象を受けるピノノワール。
香りとしてはクロ デ レアに似た印象。
酸味は豊かで、包み込むようなタンニンがあり、ブラックベリーと黒土、木材の余韻が感じられる。グッとパワフルなピノノワール。余韻に僅かな苦味を感じる。


生産者: バス フィリップ
銘柄: プレミアム ピノノワール 2011

約20000円、WA91pt(2010)
外観は明るいルビー、粘性は高い。
エキス感のあるアメリカンチェリーやダークチェリーの果実味、ミルクティーの様なまろやかさと共にオレンジの様な溌剌とした風味も感じられる。強いスミレやラベンダーの様な華やかな香り。
クローヴ、なめし革や鉄釘の様な風味。控えめな燻製や炭焼きの様な樽香。濡れた土の様な風味。
シャンボール的なエレガンスを感じる。
酸味は緻密できめ細やか、タンニンはほぼ感じられず滑らか。ミルクティーやダークチェリーの様な溌剌とした味わいが感じられる。


【所感】
いやー、バスフィリップいいっすねえ。
まるで透き通ったルビーの様な色合い。
受ける印象は、シャンボールミュジニー最上の生産者、例えばロベールグロフィエのプルミエクリュといった感じ。もっとも近そうなのはボンヌマールだけど、あそこまで肉厚ではない。
巧みなMLFと抽出によって、緻密なエレガントさと密度の高い凝縮感の果実味が両立されている。アルコール度数は低く抑えられており、栽培や立地の選び方、ブレンドの巧みさも見て取れる。
タンニンの抽出は抑えられており、きめ細やかな酸と凝縮した果実味を楽しめる優雅なワイン。
ただ価格的にもブルゴーニュ並みなので、そこが少し残念か。
次にベルヒル。
こちらも価格帯としてはバス フィリップ同様かなり高額ピノノワール。
キャッチーでしなやかな魅力があるバスフィリップのワインに対して、ベルヒルは極めて堅牢で内向的な性質のピノノワールだと思います。
その理由は明らかで強いローストの新樽が100%使用されているという点に尽きるかと。堅牢な樽香をかき分けるとパワフルな黒系果実の凝縮感のある果実味を感じる事が出来る。新世界には珍しい典型的なヴァン ド ガルドといった感じ。酸味もタンニンも豊かで、かなり筋肉質でスプリンター的な要素を強く感じるピノノワールだと思いました。
全体感を強いて言うのであればジュヴレシャンべルタン。でも結構特異なピノノワールです。


そんな感じで。
ベルヒルはエスカープメントやドライリヴァー、マウントフォードとはまた違ったキャラクターで面白いです。大元は似たようなものなのかもしれませんが醸造的な部分でかなり差が出ている様な印象です。
バス フィリップも自然派的なスタイルのピノノワールの生産者とは一線を引いた洗練された味わいでした。(これはクラウンプリンスもそうですが)

オセアニアのピノノワールは高品質だけど似た個性になると思っていましたが、最近多様性を感じる事が多いです。ブルゴーニュの2014年は幾分か値下がり傾向だということですが、基本2009年ほどにはならないと思っていて、やはり高止まりするかと思います。
そんななか、やっぱりオセアニアのピノノワールはありがたいです。(今回のは高いですが)
ブルゴーニュの代替となるピノノワールお待ちしております。

おっと、最後にgbを忘れていました。
デイリーラインにして極めて素晴らしいシラーでした。ミシャックが美味いのは当たり前なんだけど、デイリーラインですらブルーベリーやプラムの豊かな果実味があってとても良い。価格は本当に安いし、たまにスーパーでも手に入るのでいいですね。



【ラングドック:3】恍惚の南仏、ドマ ガザックの熟成を味わう。

こんにちは、HKOです。
今回はラングドックです。
ラングドックといえば、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルですが、今回はあえてのボルドー品種の2本、ドメーヌ セント セシール デュ パークとマス ド ドーマス ガザックです。
マス ド ドーマス ガザックは今まで凄く気になっていたのですが、なかなか手に入らず、たまたま今回運良く飲めた格好です。


【データ】
ドメーヌ サント セシール デュ パークは19世紀から南仏べセナに拠点を置く生産者。
畑は粘土石灰質土壌の丘陵地にあり、収量35hl/ha。発酵後の熟成は半分をドゥミ・ミュイと呼ばれる300Lの樽で、残り半分をステンレスタンクで実施。清澄やフィルタリングはせずに瓶詰め。
今回のノーツ フランシェスは比較的樹齢の若いカベルネ・フランを主体にメルロをブレンドしたキュヴェ。

マス ド ドマ ガサックはラングドックに拠点を置く地域最上の生産者。オーナーはエメ ギベール。創業は1970年、初ヴィンテージは1978年。コートドールと似た地質、気候を持つ森に畑を開きました。
ヴァン ド ペイながらボルドーのクリュクラッセに匹敵するワインを生産、80%をプリムール予約で個人客へ販売、1本4000円~8000円とペイ ドックにしては破格の金額で取引される。もともと海外から火がついた生産者で、当初10年間は自国内で流通せず、全て海外で消費されていました。
ポートフォリオはメインとなる赤白からドメーヌものとは別に、ネゴシアンとしてムーラン・ド・ガサック名義で販売しているボトルもあります。
ドマ ガサックルージュはボルドー最良の苗木を使用したカベルネソーヴィニョン80%、残り20%は10を超える様々な品種を使用。フィロキセラ以前の個体を使用している。
作付面積はミクロクリマを意識した80区画50ha。
収量は25~35hl/ha。
耕作は手作業、全て手摘み。厳密に選果しタンクでアルコール発酵。キュヴェゾンは14~30日、ステンレスタンクでMLFし、小樽で12か月~18か月熟成する。新樽比率は僅か。結果12~13%alcのワインが生産される。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ サント セシール デュ パーク
銘柄: コトー デュ ラングドック ノーツ フランシェス 2011
品種: カベルネフラン55%、メルロー45%

外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
1800円としては出色の出来のカベルネフラン&メルロー。一見メルロー比率が高いワインに感じられるプラムやブラックベリーなどの丸みのある完熟感溢れる果実味が感じられるが、表層にカベルネ種らしいカシスやリコリスなどの堅牢な香りが感じられる。あくまで果実味主体だが、ミルクティーなどのMLF起因の要素、西洋杉、華やかなスミレの香り、パストラミハム、小豆やピーマン、インゲンなど。過熟すぎず、適度に青さを残しているのが嬉しい。
ニューワールド的な果実味があるものの、全体的に俯瞰をすると、サンテミリオン的な雰囲気が感じ取れる。タンニンも酸もしっかりとあるが、グリップ感には若干欠ける。口の中で解け広がる苦味のあるタンニンだが、1800円でここまで出来ていれば上出来すぎるくらいだ。


生産者: マス ド ドーマス ガザック
銘柄: マス ド ドーマス ガザック ルージュ 1982
品種: カベルネソーヴィニヨン80%、その他10品種20%

約18000円、WA-pt
外観はエッジに橙を帯びた淡いガーネット、粘性は低い。かなり熟成香が主体的。果実味はこなれてはいるものの、しっかりと残留している。各要素が見事に調和しカベルネとしての熟成のピークに達していると思う。
濡れた西洋杉や森の下草、甘草、バターの風味と調和する様に、しっかりとしたドライプルーンやドライフルーツなどの果実味が感じられる。そして生肉、トリュフ、炭焼きの風味。わずかに青い風味がある。
先述した通り極めて要素ごとのバランスが良く配置されており、大元にドライフルーツの様な小慣れた果実味とともにビターチョコや木材などの熟成によるポジティブな面が強調されている。
酸味は柔らかでタンニンも滑らか。エッジの立った所はない。旨味が豊かでドライプルーンや濡れた木材の余韻が感じられる。


【所感】
今回ラングドックのボルドー品種を飲んでみて思ったのが、新世界的な作りもボルドー的な作りも両方とも対応できるような懐の深さがあるエリアだと再認識しました。
例えばサントセシールのカベルネフランはロワールやボルドーには無い重量感がありますし、ドーマス ガザックは、さながら熟成して頂点に達したレオヴィルラスカーズを思わせる味わいがあったと思います。
まずはノーツ フランシェス。
先述した通り、例えるならば品のある新世界、あるいはグレートヴィンテージのサンテミリオン。よく熟したメルローの丸みと共にカベルネフラン種のカシスなどの上質な果皮の香り、MLFと共に適度な青っぽさがあるのがいい。グランヴァンの様な緻密さや凝縮感はあまりないが、厚いボディのメルロー、カベルネフランとしては良く出来ていると思います。タニック。
これで1800円ならば安い。
次に本丸のマス ド ドマ ガザック。
全ての要素がキッチリと溶け込み、前回のロック ド カンブにカベルネソーヴィニヨン種として素晴らしい熟成のタイミングに当たった印象。ピークと言えると思う。熟成起因の下草や濡れた木材、生肉の要素と共に、綺麗に残留したバターの要素とドライフルーツの果実味が結合している。そこにビターチョコの様な要素が絡み合う。さながらレオヴィルラスカーズを思わせる味わい。
そして口に含んだ時の滑らかさ、タンニンから解き放たれた、しなやかでエキス感のあるボディ。静謐さすら感じる静かに広がる余韻。
素晴らしいワインです。すでにこの記事を書いている段階で2本頑張って調達したよ!
色めき立つレベルの素晴らしいワインです。

さて、2本。
支払うコストに対して大変パフォーマンスが良いと思います。グランヴァンはとても偉大で圧倒される様な味わいですが、実際に日常で楽しむのであれば、これくらいで十分すぎるくらいです。

特に1本目はめっけもんでした。

マ・ドゥ・ドゥマ・ガサック ルージュ[2006]

マ・ドゥ・ドゥマ・ガサック ルージュ[2006]
価格:5,580円(税込、送料別)



【ボルドー:24】ロック ド カンブ、ド フューザル ブランに見る90年代中盤の姿。

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーです。
例によって共通点はありません。熟成シンデレラワイン、グラーヴ白、そしてバリューボルドー白です。
しかし今回凄かったのはロック ド カンブ。右岸特性をしっかりと孕んだポムロール最上級のワインにも似た味わいです。


【データ】
プティットシレーヌ ブランはシャトージスクールの醸造チームが厳選したワインを買い付けて来てボトリングするネゴシアンワイン。ファーストヴィンテージは2010年。

シャトー ド フューザルはペサックレオニャンに拠点を置くシャトー。
品質向上におおいに貢献したのは、1974年から経営を引き継いだジェラール グリブランと元技術顧問兼醸造責任者であるデュプイ氏によって品質が向上し、温度調節機能付きのステンレス製の発酵槽の導入や、マセレーション期間の見直し、オーク新樽比率の向上を行った。
作付面積は10ha。平均樹齢30年。平均収量は40hl/ha。発酵および熟成は澱に触れたまま16~18ヶ月の熟成。セミヨンは新樽比率50%、ソーヴィニョンブランは1年樽を使用。無濾過。

ロック ド カンブは右岸コート ド ブールを代表するシャトー。ボルドー周辺地域では最も高額で取引されるシャトー。オーナーはテルトル ロートブッフのフランソワ ミジャヴィル。1988年から本格的に投資を始め、劇的に品質を向上させている。
年間生産量は約47000本。
作付面積は12ha。平均樹齢は40年。栽培はテルトル ロートブッフ同様低収量・100%手摘みの遅摘みで除梗は100%される。
コンクリートの発酵槽でアルコール発酵の後、フレンチオークの小樽(新樽比率100%)でMLF。14~16ヶ月間熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトー ジスクール
銘柄: プティット シレーヌ ブラン 2012

1500円。
外観はやや緑を帯びたストローイエロー、粘性は中庸。良質なグラーヴ ブランに見られる白い花やフレッシュハーブの香りを纏いながら、奥にムスクやピーマンの様な青い芳香、グレープフルーツや青りんごの果実味、石灰。わずかにシロップの様な風味が感じられる。値段の割にはしっかりとメドックのボルドーブラン的な味わいがあり、アントゥル ドゥ メール的な爽やかさだけではない、複雑さがある。(ピーマンなどのネガティヴ要素も良いエッセンスになっている)
爽やかな酸味があり、ライトなアタック。マスカットの様なアロマティックな余韻が残る。


生産者、銘柄: シャトー ド フューザル ブラン 1998
品種: セミヨン50%、ソーヴィニヨンブラン50%

約13000円、WA78pt
外観は黄金に近いストローイエロー、粘性は高い。
しっかりとしたミネラル感がある。
旨味を感じさせるレモンや(米糠的な)酵母の風味。バタークリーム、ミルクの風味。酸味と旨味を強く感じるリンゴやレモンの様な果実味。白い花、ヨーグルトや白胡椒、ドライハーブの様な風味が感じられる。
徐々にクリームブリュレの要素も。
酸味は穏やかで、豊かな酸味とバターやヨーグルトの様な余韻を感じる。酸味はありながら比較的厚みを感じる味わい。微細な雑味が気になるが、熟成を経て良くなっていると思う。


生産者、銘柄: ロック ド カンブ 1996
品種: メルロー65%、カベルネソーヴィニヨン20%、カベルネフラン10%

約15000円、WA-pt
外観はやや濃い目のガーネット、粘性は中庸。
まだ十分に若いが、2回目の飲み頃ピークだと思う。
個々の要素が調和し、液体に馴染んでいる。
バニラや白檀、西洋杉の樽香、バターの様な風味を主体として、熟したカシスやブラックベリーの果実味、ワッフルの様な風味、燻製肉、ミントや腐葉土の様な芳香。リコリスやナツメグなどのスパイシーな要素。
スミレ、クルミのような風味が感じられる。
ローストは大人しく、比較的MLFが良い方向に出ていると思う。
酸味は綺麗で、タンニンは滑らかで澄んでいる。バニラやバター、カシスの様な余韻が感じられる。かなり若々しく、マロラクティック発酵のボリューム感の高さを感じる。


【所感】
まずはプティット シレーヌ。
アンドゥル ドゥ メールの様な軽やかでフレッシュな爽快感のある味わいではなく、セミヨンの丸みのあるボディと白粉の様な特徴的な華やかさが強く感じられ、そこに細やかな酸味と青リンゴの様な果実味、そして青っぽいアロマが重なり、少し複雑な風合いを出している。人によってはネガティヴに感じられる要素があるのだけど、この価格としては良くやれている味わいだと思いました。
バリューボルドーには微妙に信用しきれない所があったのだけど、少しは試しても良いかも、と思いました。
ド フューザル ブラン。
最初は米糠を思わせる酵母的な要素を強く感じたが、すぐにバタークリームやミルク、酸味を感じさせるリンゴやレモンなどの果実味が綺麗に混じる。白胡椒やヨーグルトなどの要素も絡み合い、非常に複雑なボルドーブランを形成している。
ラヴィル オーブリオンやクラランス、クラルテの様な厚いボディの新世界ばりのボリューミーさはないものの、幾分かの抑制を持ったグラーヴ ブランの王道を突き詰めた感じの味わいです。微細な雑味はあるのですが、決して評価ほど悪いワインだとは思いません。
なかなか良くできた熟成グラーヴだと思います。
最後、ロック ド カンブ。
約20年でようやく馴染んできたのか、タンニンや酸味、ワインに含まれる要素が緩み再結合し、最初のプレニチュードを迎えている印象を受ける。
西洋杉を思わせる樽香はMLFの要素と馴染み、バニラを形成し、果実はドライフルーツの風体となり、更にバニラと結合する。その一方で熟成起因のリコリスやナツメグの要素が色合いを添える。元々の果実味が極めて高いためか、まだまだ果実味主体の味わい。
極めて濃密でボリューム感があり、ワインへの手の入れ方から多くの人はサテライトのワインと認識することはできないかも。
誰もが分かるように極めてポムロール的で、その実サテライトであるという事実。サテライトでは最高価格帯ながら、この価格帯でこの味わいか手に入るのは、サテライトならではかも。いやもうその域は余裕で超えてるか。

今回のボルドーはべらぼうに高いアイテムは扱っていません。どちらかといえば、周辺地域だけど高品質かつ熟成してる赤、さほど目立たないし点数的にも高くなく決して高額ではない白、バリューボルドーといった感じで、基本的には価格以上の価値があるものばかりです。手に入るか否かは別問題ですが、決して極端に高い金額を払わなくても最上クラスの美味しさに出会えるという。
勿論それなりの価格はボルドーですから覚悟は必要ですが、無理に若いラフィットやオーブリオンを飲むよりは、単純に楽しむという意味では建設的だと思います。


ロック・ド・カンブ [1996]

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価格:11,880円(税込、送料別)


シャトー・テルトル・ロートブッフ[1996](赤)

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価格:16,300円(税込、送料別)

【ローヌ:17】ラヤスを想起させるロジェ サボンのヌフ プレステージュ。

こんにちは、HKOです。
本日はコート デュ ローヌ、北部、南部を1本ずつ。
北部は名手ポール ジャブレ エネのクローズエルミタージュ(ジョエルロブションラベル)、南部はロジェ サボンの熟成シャトーヌフ プレステージュです。


【データ】
ポールジャブレは1834年にエルミタージュに設立されました。
北部南部ローヌ一帯に自社畑を保有しています。醸造担当はボルドー大学のドゥニ デュブルデュー、カロリーヌプレイ。手摘みで収穫されたぶどうは、すぐにワイナリーへと輸送。手作業で選別後、除梗、圧搾。発酵前にマセラシオンを実施、アルコール発酵の後、MLF。
複数の発酵槽で発酵された後、ブレンドされ、225リットルの樽に移した後、12~24ヶ月熟成。
フラッグシップのシャペルはエルミタージュ最高の畑べサールに加えてグレフェ、メール、ロクールのアッセンブラージュ。
平均樹齢40年、平均収量10-18hl/ha。
除草材畑を使用せずキャノピーマネージメントを行いながら、全て手作業での栽培が行われています。
収穫した葡萄は丁寧に選果され、低温浸漬の後、セメントタンクでアルコール発酵。オークの旧樽で12-25ヶ月熟成を経て瓶詰めされます。

ロジェ サボンは1952年にシャトーヌフ デュ パプに拠点を置く生産者で、同アペラシオンに15hsの敷地を保有。また息子ジャン ジャック、ドゥニ、ジルベールと共に、リラック、ACコート デュ ローヌを13ha、1995年にシャペル ドゥ マイヤックの畑を購入。
栽培はリュット・レゾネで除草剤は使用しない。
収穫時厳しい選別を行い、醸造は25-30日。熟成は40hlのフードルと600Lの小樽で、熟成期間は16-18ヶ月です。生産量は極めて少ない。


【テイスティングコメント】
生産者: ポール ジャヴレ エネ
銘柄: クローズ エルミタージュ 2011
品種: シラー100%

外観は透き通った紫を帯びたガーネット、粘性は高い。流行りの新世界的なシラーではなく、もっとトラディショナルなスタイルのスパイシーなシラー。
黒胡椒やスミレ、ラベンダーなどの華やかな要素に、やや果皮の厚い黒系果実、例えるならばブルーベリーやダークチェリーの様な果実味がある。クローヴや乾いた木材、漢方の様な風味、わずかに土っぽさを思わせる。
ほのかにミルクや黒砂糖の様なニュアンスが感じられるが、決して濃く甘いタイプではなく、よりエレガント系のシラー。
タンニンも充実しているが、どちらかといえば酸のワイン。口に含んだ時の酸と甘みのバランスが良い。エルミタージュを踏襲したワイン。


生産者: ロジェ サボン
銘柄: シャトーヌフ デュ パプ プレステージュ 1998
品種:グルナッシュ60%、シラー15%、ムールヴェドル10%、その他15%

約18000円、WA94pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
はっきりした熟成香が表出。紫スモモやジャミーなブラックベリーなどの旨味を強く感じられる果実味がある。黒オリーブ、毛皮やなめし革、目立った獣香が感じられる。時間経過と共にミルクの様な滑らかな風味。ローヌ古酒らしいジンジャーや黄金飴。どこかラヤスを思わせる井草、プーアル茶の要素がある。濡れた土や炭焼きなど。
ラヤスに近しい余韻だが、濃厚さは断然上。
酸味は柔らかだが、タンニンは未だパワフル。まだ濃厚でインキーで紫スモモの旨味を感じさせる余韻が感じられる。


【所感】
ポール ジャブレのクローズエルミタージュです。
ポールジャブレといえばエルミタージュ シャペルか有名ですが、クローズエルミタージュも十分良いですね。
非常にトラディショナルな作りのシラーで、流行りの超濃密、超凝縮タイプのシラーではなく、品種固有の黒胡椒や漢方などのスパイシーな要素をしっかりと表現している。ミルクや黒砂糖などの甘みがあるが、強い果皮の要素と共にタンニンより酸が立っており、極めてエレガントなシラーだと思いました。
エルミタージュ ラ シャペルよりは軽量ですが、基本方針は踏襲しています。古典的なローヌが好きな人はミートする味わいだと思います。

次にロジェ サボン。黒系果実のジャムや獣香が強く感じられるが、徐々にラヤスに似た風味が表出してくる。ジンジャーや黄金飴、プーアル茶、そして井草の様な乾いたハーブの香りが主体的となる。そして熟成起因の濡れた土や炭焼きなど。
比較的中庸~強めのシャトーヌフなのですが、時折見せる強烈にエレガントな側面が非常に魅力的ですね。
若いので果実味も残っているし、とても今飲んでいい感じの古酒だと思います。果実味を多分に含むグルナッシュとエレガントなグルナッシュ、両方とも体感できるので。
値段もそんな高くないので見つけたら買いだと思います。

ポールジャブレエネは良かったですが、やはり特徴としては比較的中庸な生産者なので、堅実でありつつもロジェ サボンのインパクトには勝てなかったな...というのは正直な所。まあ、値段なりではあるとは思います。



【シャンパーニュ:38】煌めく熟成ブランドミレネール、安価な最高品質アンドレクルエを効く

こんにちは、HKOです。
本日は打って変わってシャンパーニュ。
アンドレクルエ、ドンペリニヨン、そして熟成したシャルルエドシックのブラン ド ミレネールです。
今回、極めて熟成シャルルエドシックの素晴らしさが際立っていました。

具体的には記事にて。
いってみましょう。

【データ】
アンドレ クルエはモンターニュ ド ランスに拠点を置くソシエテ ド レコルタン。中世からブドウ栽培は始めていましたがスティルワインのみで、シャンパーニュを作り始めたのは当代の祖父から。
表土が薄くチョーキーなアンボネイ、村が南向きで日照量が多いブージーという100%グランクリュからそのキュヴェは作られている。
収穫したブドウは長方形の木製水平プレスで圧搾、テート ド キュヴェのみ使用、温度調節装置が内側に設置された2050lの醸造タンクで発酵。発酵状態を4段階に分けてバリック樽に移し 最終的にバリック内で醗酵を終了させます。 その後瓶内熟成。
リザーブワイン比率は不明。ドサージュは7.5g/l。
フラッグシップはミレジムとアン ジュール ド 1911。

シャルル エドシックは、1851年にシャルル カミーユ エドシックが設立したメゾンです。ブラン ド ミレネールはコート ド ブランのグランクリュ、プルミエクリュのシャルドネ100%で造られたブラン・ド・ブラン。 オーク樽は全く使用しない。今回は奇跡的な良年であった1995ヴィンテージを15年以上クレイエルで熟成した後デコルジュマンを行ったブラン ド ブラン。

ドンペリニヨンはモエ エ シャンドン社が作るフラッグシップ ヴィンテージシャンパーニュ。
現在の醸造最高責任者はリシャール ジュフロワ。
セパージュは平均でピノノワール、シャルドネが50%ずつ。グランクリュ比率は100%。瓶内熟成期間は7年間。今更説明不要のプレステージシャンパーニュですが、存外に醸造観点での情報がありません。


【テイスティングコメント】
生産者: アンドレ クルルェ
銘柄: グラン レゼルヴ NV
品種: ピノノワール100%

WA90pt
外観は明るいストローイエロー、粘性は中庸は穏やかに立ち上る。
クリスピーで豊満さを感じさせるシャンパーニュ。
小石の様なミネラルがあり、同時にブリオッシュ、バターやバニラなどのMLF起因の香り、杏仁豆腐やローストナッツの様な樽香。オイリーな雰囲気を感じられる。
洋梨やリンゴなどの溌剌とした果実味、フレッシュハーブ、白胡椒、ハチミツの様な風味。
酸味は比較的はっきりと感じられ、洋梨、リンゴの様な溌剌な旨味が感じる。旨味と厚みだけに傾倒する訳ではなく、優れたバランス感があるブラン ド ノワール。


生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: ドン ペリニヨン 2004
品種: シャルドネ60%、ピノノワール40%

WA94pt
外観は明るいストローイエローで粘性は中庸。
豊かなカシューナッツやバター、モカ。そしてフレッシュハーブの芳香に、豊満な洋梨、花梨の様な果実味が混じり合う。ブリオッシュ、バニラや白胡椒、しなやかなミネラル感。
際立ったシャープネスもミネラル感もない、バランスの良い豊満でキャッチーな魅力を感じさせるシャンパーニュだと思う。
酸は柔らかく、リンゴやアプリコットの蜜を感じさせる果実味の余韻と旨味が広がる。優等生的なシャンパーニュだ。


生産者: シャルル エドシック
銘柄: ブラン ド ミレネール 1985
品種: シャルドネ100%

約50000円、WA91pt
外観は濃い目のイエローで粘性は中庸。
震えが来るほど素晴らしく熟成したシャンパーニュ。
まさにクリームブリュレ、カスタードクリームの様な濃厚な風味と共にヘーゼルナッツの香り、スイートポテト、焼き栗の要素が完全に表出している。濃密な洋梨や白桃の果実味。僅かに酸味を感じさせるパインの様な風味。シナモン、杏仁豆腐の要素。ドライハーブの様な芳香。
香りにカスタードの様な丸みがあるが、同時に凄まじい旨味と、しっかりとしたミネラル感も包含している。生き生きとした酸味もあり、香りの甘露さとバランス良く引き締まった味わいが感じられる。素晴らしい魚介系の出汁やレモン、クリームブリュレの様な余韻を感じさせる。


【所感】
まずはアンドレクルエ。
一見シャルドネ50%、ピノノワール50%くらいの品と豊満さを感じさせるが、その実ピノノワール100%のブラン ド ノワール。極めてバランスの良いシャンパーニュだと思います。
アンボネイのミネラル感がしっかりあり、そこに洋梨やリンゴの果実味と旨味を共に包含する甘み、強めに効いた樽とMLFが豊満さを醸し出している。
その分ブラン ド ノワールのエネルギーに満ちたパワフルさは無いものの、全体的にかなり品良く構成されていると思いました。
ドンペリニヨン。
非常にリッチでボリューム感のあるシャンパーニュ。
シャープネスやミネラル感は穏やかで、核種系果実の蜜のような風味とバターやカシューナッツ、フレッシュハーブのアロマが絡みつく。
切れ味の鋭さや突出した果実味は無く、突出した部分を押さえ込み、キャッチーなバランスを維持した優等生的なシャンパーニュだと思います。
なお余談ですが、ドンペリニヨンはエノテーク 1995でも若いと感じました。2004は優等生だけに面白味は無いんですが、1995の長熟さを見るともっと古いものを飲んでみたくなりますね。
ブラン ド ミレネール 1985。
もうホント最高の、震えが来るくらい素晴らしい熟成シャルルエドシック。ここまでのいい具合に熟成したシャンパーニュにはなかなか出会えなさそうです。
まさにクリームブリュレ、カスタードクリームやヘーゼルナッツ、スイートポテトなど、樽の要素とMLFと果実味が完璧な状態の下溶け込み融合している。
また洋梨や白桃などの果実味と酸味、ミネラル感があり、熟成によって柔らかくなった香りをギュッと引き締めている。また出汁的な風味も非常によく出ていて、非常に古酒の素晴らしさを複雑に、それでいてわかりやすく伝えている。ボトル差はあるかもしれないが、突出した熟成シャンパーニュだと思う。

この中だとやっぱり圧倒的にシャルル エドシックのブラン ド ミレネール1985ですが、まあ手に入らないので、安定的に好みなのはアンドレクルエのグランレゼルヴですかね。
価格帯もお安いのにもかかわらず、上位のワインに食い込むような堅実で素晴らしいワインを作っていると思いました。アンドレ クルエは他のキュヴェも飲んで行きたいと思います。



【ブルゴーニュ: 91】ミシェル グロ 2012年水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
今回はヴォーヌロマネの名門グロ家の長男ミシェル グロのオートコートドニュイ、村名ヴォーヌロマネ、一級オーブリュレ、クロ デ レアです。

高等著しいブルゴーニュにおいて比較的コストパフォーマンスの良い生産者でありますので、個人的には気に入っているのですが、なかなか水平できる機会がなく、全貌を掴みかねていましたが、ようやくつかめました。


【データ】
ミシェルグロはヴォーヌロマネに居を構える超優良生産者。グロ一族の長男のドメーヌです。(一族はアンヌ、ミシェル、~ペールエフィス)
旗艦銘柄は特級クロ ヴージョ、偉大なる1級畑 クロ デ レア。個人的にも非常に気に入っているドメーヌで、比較的値段が良心的にも関わらずレジオナルなどの廉価銘柄でも非常に美味しいです。手っ取り早くブルゴーニュのエレガンスを感じたいのであればこのドメーヌでしょう。
収穫は全て手摘み、除梗後、温度管理しながらマセラシオン、前半は一日二回ルモンタージュ、後半はピジャージュ。新樽比率は平均して村名30~40%、一級50~80%、特級100%となります。


【テイスティングコメント】
生産者: ミシェル グロ
銘柄: ブルゴーニュ オート コート ド ニュイ 2012

3000円、WA85pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
オートコートドニュイからして、ヴォーヌロマネかと思うような華やかな香りが感じられる。
果皮起因のスミレやオレンジ、若々しいクランベリーやラズベリーなどの赤系果実の果実味。強いなめし革の要素が感じられる。僅かな葉やクローヴなどスパイシーな要素。少しずつキャンディ香の印象に近づいてくる。ロースト香は殆ど感じられない。ローズヒップティー。
酸味ははっきりと表出、果皮の風味が強いがタンニンは穏やか。エキス感があり瑞々しいベリーの要素となめし革、黒胡椒の余韻が残る。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 2012

10000円、WA87-89pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
瞬発的な香りの方向性としては先述のオート コート ド ニュイと近いが、よりエキス感と凝縮感、果実味がある。
熟したクランベリーやアメリカンチェリーの熟度が高いシロップの様な風味。スミレやオレンジの様な華やかなアロマ。クローヴ、コリアンダーなどのハーブ的な要素。そしてミネラル的な部分が感じられる。ブリュレほどではないが炭焼きやミルクティーを思わせる樽香が伴う。
酸味ははっきりと表出しているものの、タンニンも果皮の華やかな香りに対して穏やか、ニュイより果実の甘みとエキス感、凝縮度が感じられる。まさに熟したアメリカンチェリーといった感じ。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ オー ブリュレ 2012

12000円、WA90-92pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
村名は広域に伸びていく印象があるが、こちらはより重みがあり中域に滞留する様な華やかさがある。
しっかりとしたロースト香があり、炭焼きやミルクコーヒーの要素。それと共にオレンジやスミレ、鉄分の華やかさが表出。そして熟したダークチェリー、クランベリーの果実味を感じる。やや閉じているが豊満な甘さを感じる。クローヴやコリアンダー、シナモン、オリエンタルスパイスなどのハーブやスパイス。ムスク、ローズヒップなど。
酸味と共に旨味も表出しており、タンニンも村名には比べるとしっかりとある。スミレの華やかさと、ベリーの果皮の要素が強く、また樽の要素も結合し、やや堅牢に感じられる。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ デ レア 2012

14000円、WA91-93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
燻製肉、モカや五香粉、炭焼きなどの強めのロースト香。どこかムスクなどの野生的な香りも伴う。果皮を感じるブルーベリーやダークチェリーの堅牢さがあるが、その裏で力強いメイプルシロップ、ワッフルなどの甘露さを感じる。スミレの様な華やかさは若干後退。乾いた土、クローヴ、シナモンなどの風味が感じられる。
酸味やタンニンは穏やかで滑らか、黒系果実と樽の香りが強く感じられる。こちらも瑞々しくダークチェリーやブルーベリーの余韻が残る。ロースト香が強く、野性味を感じる。


【所感】
まずオート コート ド ニュイ。
このクラスとしては相当凄いし、それこそヴォーヌロマネの様な華やかさを持ったワインだと思います。コストパフォーマンスはメチャクチャいいです。
ただ村名や一級群と比べると、果実の凝縮度や球体感に欠ける印象で、言ってしまえば密度が少し低く、華やかさに寄った味わいと言えると思います。
個人的には値段的な側面も鑑みるとミシェルグロの中では最もオススメの1本です。
村名ヴォーヌロマネ。
果実味はより凝縮し、丸みを帯びたヴォーヌロマネらしいエキス感がある。オート コート ド ニュイにはあまり感じなかった樽香を伴う。こちらも極めて華やかなワインであるが、ワインの骨格がよりしっかりと存在しています。かなり良くできたヴォーヌロマネだと思いますが、ここまで華やかさが前面に出るあたりは結構個性的かもしれません。
オーブリュレ。
村名に比べると極めて強く樽の要素を感じるし、抽出も強い。故に堅牢さが際立っているように感じる。
そしてエキス感より果実味の熟度が高く、中域で止まる様な感じは、エマニュエルルジェのクロパラントゥもエシェゾーとの関係性にも似ていると感じました。
本領を発揮していないのは明らかで、確実にパワフルな果実味を華やかさの中に潜ませているので、もう少し様子を見る事が必要かもしれません。
フラッグシップのクロ デ レア。
華やかさはオーブリュレより更に影を潜め、より樽香と果実味に寄った作りとなっている。抽出は強めだが、外に向く華やかさではなく、堅牢さに振られている。メイプルシロップやワッフルの様な果実味があり、ボリューム感と力強さのある作りのワイン。
そしてリッチな作りとも言えます。

ミシェルグロの2012年ヴィンテージについては下位のアペラシオン程華やかで、村名や一級畑になるにつれてやはり身を伴ってきているというか、強いボディを感じる様になってきます。それと樽ですね。上位になるほどロースト香が際立ってきます。
その分華やかさが相対的に目立たなくなっている訳ですが、ブルゴーニュの生産者としては順当な差別化だと思います。
今回面白かったのはオーブリュレとクロ ド レアの違いですね。ヴォーヌロマネでも最も標高の高い畑のうちのひとつであるオーブリュレと、一級の中で最も標高が低く、ニュイサンジョルジュに隣接するクロ デ レア。オーブリュレはクロ デ レアと比較すると、やはり堅牢さと凝縮度は高いと思います。対してクロ デ レアは果実味は非常に高いですが、ブリュレと比べると外向的で甘露な味わいを感じられます。この違いは面白いですね。ヴォーヌロマネの標高差による違いがわかりやすい。オススメの比較です。







【ブルゴーニュ:90】マルクコランが表現する偉大なるモンラッシェ

こんにちは、HKOです。
最近食べ物の話題ばかりでしたが、ワインの話に戻していきたいと思います。
まずはマルクコランの特級モンラッシェです!


【データ】
マルク コランは同名の当主に1970年にサントーバンに設立されたドメーヌ、サントーバンにおいては最も偉大な生産者で、現在は3人の子供が中心になって運営しています。モンラッシェを保有する16の生産者の中の一人。サントーバンとシャサーニュモンラッシェに19haの畑を保有しています。
ブドウ栽培はリュットレゾネ、一部は実験的にビオロジックを導入。
芽掻きでしっかりと収量を切り詰め、選果台を用いて厳密に選果。その後樽にてアルコール発酵。バトナージュはほとんど行わない。プルミエクリュまでは30%新樽で8ヶ月熟成+ステンレスタンク4ヶ月熟成。
モンラッシェのみ100%新樽で18ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: マルクコラン
銘柄: モンラッシェ グランクリュ 1993

約135000円、WA95-97pt(2009)
外観は黄金色で、粘性は高い。
高密度に凝縮し、その一方で旨味の層の厚さを感じさせる、クリームブリュレ的な部分は控えめで酸化的な旨味の表出が感じられる。
カスタードクリームが入ったフルーツタルト、バニラの濃厚な風味と共に、熟したネクタリンやライチの様な果実味が感じられる。熟成が入り混じる複雑な要素の中に一本線、小石の様なしっかりとしたミネラル感。ハチミツや塩ナッツの香ばしい風味、シナモン、ヨーグルト、白檀など。
高密度の出汁、ごく僅かにシェリーっぽさがある濃密なモンラッシェ。
口に含んでも印象は同じで、良質な出汁やハチミツ、白檀、ネクタリンの様な余韻を残す。酸は潤沢に包含しており、旨味も突出。
ソゼやラギッシュの様な甘露さ、まろやかさではなく、より旨味の表出に重点が置かれたエッジのあるモンラッシェ。


【所感】
個人的にはソゼやマルキ ド ラギッシュの方が好みですが、これまた偉大なモンラッシェだと思います。
カスタードクリーム的な部分がしっかりとありながら、より旨味が表出している。熟成が進んでいる、もしくは酸化的である、とも言えるのですが、極めてカスタードクリーム的な部分と、ネクタリンやライチを思わせる旨味のバランスが良く、フルーツタルトの様な風味を強く感じさせる。
また清廉なミネラル感があり、旨味と甘露に一本筋を通している。その他にも豊満な中に複雑なスパイスの要素が入り混じる。熟成を帯びながら、ボディがしっかりとあり、ブルゴーニュのシャルドネとしてはほぼ最高位クラスにあると思います。(モンラッシェなのだからあたりまえか。)
感動するほどグッと迫ってくるワインです。
ただ僕の好みだと、あと4~5年若いと最高かな、と。


といった感じなんですが、どちらかというと興味を惹かれたのはモンラッシェではなく、マルクコランが拠点を置くサントーバンの一級畑のほう。
かなり沢山もっていますね。サントーバンもかなり良いという話なので、こちらの方も是非試してみたいと思います。




罠(ワナ:新橋)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

こんにちは、HKOです。
新橋にはいくつかジビエの名店があります。
例えば先日のマルティグラとか、タテルヨシノとか。
技巧を凝らしたお店が多いんですが、そんな中で極めて野生的でプリミティブなお店があります。


その名も焼ジビエ「罠」。
個性的かつそのものズバリを言い表したいい名前のお店です。猟師直送のジビエを炭でズバッと焼く。
ダイナミックで新橋らしいじゃありませんか!

という訳でつけ麺の名店「月と鼈」「愛宕」を抜けて、渋い佇まい(写真がないのでなんと表現すればよいのか...強いて言えば立ち飲み屋っぽい?)のガラス引き戸を開けて入店。

とりあえず駆けつけ1杯。ワインを飲む。


◼︎駆け付け一杯(村民還元 ヤマソーヴィニヨン@月山ワイン)

ちょっと酸化的で熟度が低い大盛りグラスワイン。


メニューを眺めると、なかなかたくさんの種類があり、壁にも本日のオススメが沢山。
選び難い中で「通人の手止メ」という、その日オススメをお得な価格で出してくれるプランがあったので、それを注文。


◼︎通人の手止メ(5種類)1800円+アラカルト1000円

・鹿腿肉(★★)
甘い脂身、食感は牛肉に似ているが、少し野生的な風味を感じる。



・猪腿肉(右)(★)
塩で。しっかりした硬い肉質。豚肉に近い噛めば噛むほど旨味がでる。もう少し脂が強いかと思ったけど、以外と淡白な感じ。

・猪豚肝臓(左)(★)
あまり臭みのないレバー。しっとりしてるけどコリコリ。ねっとり濃厚!



・鶉胸肉(左)(★★)
鶏肉だが、よりジューシーで脂っぽい風味。
特に首元は脂中心。淡白さは感じず、野生の鳥類と濃厚な脂の個性的な味わいを感じる。

・猪豚腹身(右)(★★★)
もっちもちしたジューシーで脂分を感じる味わい。
この中でボリューム感がある。ぎゅっとしたお肉の甘みが溢れてくる。


コースはここまで。
次はアラカルトで注文していきます。
熊とか駝鳥、真鴨とか凄い珍しいですねえ!悩む...!



・君津産真鴨(★★★)
すごい旨味。甘み。鳥の肉とは思えない豊満さ。
噛めば噛むほど味が出る、まさに鴨といった感じ。



・駝鳥肝臓刺身(右)(★★)
うおおーコリコリ、溶けるような味わい。癖がねえー!胡麻油とのマッチングが奇跡的。最高の味わい。
油のまろやかさがレバーのクセを包んでいく。
イイ...

・駝鳥心臓刺身(左)(★★★)
こっちもコリコリー!刺身のような爽やかさがある。
最高にまろやかで美味い!トロトロしてるー!
でも生肉食ってる感すげえ。ザクザクしてる。旨味というか食感の部位って感じ。


◼︎日本酒(奥播磨 山廃純米 袋吊り雫酒 責め)



うむ!
なんか、ワンシーズン分のジビエを食ったような気がします。鹿、猪、猪豚、鶉、鴨、駝鳥...と今回だけで6種類。本当は熊食いたかったけど、売り切れ...残念。
私たちは人!人は熊を食べる!そういう生き物!
今期どっかで喰いにいこう。

珍しい肉が食えるんですが会計はかなりお安め。
素材の個性を楽しみたい人にはいいですが、いわゆるまガストロノミーには向かないかも。
どれもありのままの食材をチャコールグリルしているだけだから。火入れや調理という点では非常にプリミティブだと思う。
しかし、それでもこれだけの種類のジビエを少しずつデギュスタシオンできるのは貴重な体験だと思う。
ワインの持込は1本あたり1000円なので、エルミタージュなぞを持ち込んで楽しむのも一興かもしれません。

シーズンごとに楽しみたいお店です。



住所: 〒105-0004 東京都港区新橋4-29-6
店名: 焼ジビエ罠 炭打 新橋(やきじびえわな すみうち)
電話番号: 050-5789-6248
営業時間:
営業時間 月~金
17:00~23:30


17:00~23:00

BiCE TOKYO(ビーチェ トウキョウ: 汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

HKOです。
年末最終はBiCE Tokyoに行ってきました。
何かちょっとバブリーな雰囲気を感じる店名ですね。
もともと1992年に椿山荘のイタリアンダイニングとしてスタート、その後このBiCE東京をオープンしたらしいです。本店はミラノで、世界に20店舗展開しています。


カレッタ汐留の47Fにあります。
眺めはいいけど、なんかいつも天気悪い。


フロアは広い訳ではありませんが、天井が高く、ほぼ片側全面窓なので開放感があります。


今回はベナーコというリーズナブルなランチを注文しました。4皿+グラニテ+コーヒー(茶菓子付き)という構成。


◼︎パン(プレーン、ナッツ、グリッシーニ、フォカッチャ)(★)

いきなり大量のパンが供出!
テーブルの上に大きめのオリーブオイルさしがあるので、無限運動可!
モッチリしたフォカッチャが絶品でした。(流石に全部食えませんでしたが...)


◼︎ホタテのカルパッチョに野菜のカポナータを添えて ホワイトバルサミコソース (★★)

甘く煮た茄子やパプリカ、瑞々しくサクサクねっとりしたホタテの食感が楽しい。ローズマリーのハーヴィーな風味が調和。ホワイトバルサミコの甘く、程よい酸味を纏う。
甘ウマー!とろとろー!


◼︎バジルペーストのタリオーニ サヤインゲンとポテトと共に(★★)

バジルペーストとオリーブオイルの豊かな香りが平打ちパスタに絡む。サクサクホクホクのじゃかいも。インゲンが強く主張。チーズの風味も感じる。バジルの芳しい香り。少し青い感じがする。
あまり塩は強くない。


◼︎骨付きラムラックのロースト (★★★)

塩と胡椒シンプルなローストだが、ラム肉の臭みがほとんどない。表面だけ強火でローストした感じで、レアに仕上げてある。絶妙な火加減で、ラム肉の柔らかさと旨味をレアで楽しめる。素晴らしい味わい。


◼︎口直しのシャーベット(マンダリンのシャーベット)

ラム肉の脂をマンダリンのグラニテで洗い落とす。


◼︎デゼール

ティラミス、そしてアプリコットのシャーベット(ピスタチオが下に敷かれている。)シナモン香るオペラ。


◼︎茶菓子(ビスコッティ)

最後にエスプレッソと茶菓子で〆。


ギリ一時間で終了!
やや忙しないですが、全皿楽しませてもらいました。
やはりイタリアンは前菜とメインの間にパスタを挟む事が多いのでかなり食いごたえがありますね。
今回はガッツリパンも付いていたので、かなりお腹一杯になりました。
どれも美味しかったですが、特に前菜のホタテが良かった...貝柱好きにはたまらん。

値段の割には皿数が多いですし、美味しいのでオススメです。



住所: 〒105-7047 東京都港区東新橋1-8-1カレッタ汐留47階
店名: BiCE Tokyo(ビーチェ トウキョウ)
電話番号: 03-5537-1926
営業時間:
Tel:
平日
11:30~15:30(LO 14:00) 17:30~23:30(LO 22:00)
土日祭日
11:30~15:30(LO 14:00)
17:00~23:30(LO 22:00)

Bills(ビルズ オダイバ: お台場)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

こんにちは、HKOです。
家具を買いにお台場まで行ってきました。
カウチソファーを買いに行ったのですが、前回の展示会と比べて1万円くらい値上がりしていたので「なんで?」と問いかけた所、「原油価格の高騰でギリギリの価格だったんですが、11月で価格改定しました」だって。

面白味の無い回答ですが、少しお値段は安くしてもらったので、まあ文句は言えません。
うーん、生きづらい世の中ですね...


昔から気になるやたらと尖った波動砲を打ちそうな豊洲のツインタワー。


少しお台場を散歩しながら晩御飯の算段を立てていたのですが、そういえばお台場ってBillsあった事を思い出した。

前回の俺のフレンチ同様、あまり「話題の」と枕詞が付くお店には行きたくないのですが、少しだけ興味があるのも、まあ事実です。
こう、興味ないないと意識してるあたり、既にもうミーハーですよね。はいはい。



という訳で世界一の朝食を出すと評判のBILLSで晩飯を頂きます。



ムーディーながら落ち着く雰囲気の店内。すごく好み。いい空気感です。



まずはワインを頂きます。
何気に非常にセンスの良いワインリスト。
いかにも某マスターオブワインがセレクトしてそうなラインナップです。
グラスワインが複数種類あって、125mlで950~1300円という価格なのもいい。
ビルカールサルモンのエクストラブリュットなんて小売価格+2000円くらいだし。


モーニングがやたらと取りただされますが、地味にワインバーとしても極めて秀逸。



生産者: ビルカールサルモン
銘柄: エクストラ ブリュット NV

さすがビルカールサルモン、安定した味わい。
酸は際立っていますが、香りは果実味豊かで丸みがあります。


◼︎TENPURA シュリンプ レッドアイマヨネーズ(★★)

天ぷらというよりフリッターに近いような。
やたらと山盛りのパクチーがきになります。
海老はプリプリ、衣はサクサク。レッドアイマヨネーズで。外れの無い一品。


生産者: ポップキルシュ
銘柄: ステインブルック ピノノワール 2010

外観はすこし濁りのある明るいルビー、粘性は低い。
イチゴやダークチェリーなどの果実味。オレンジ、カツオだし、スパイシーなホールパンチ由来の味わい。凝集感があり、どこかプリューレロック的な面影。


◼︎パルメザンチキンシュニッツェル クリームポテト フェンネルスロー(★★)

大きめの鶏肉のフライが2つ。桂剥きの大根みたいなフェンネルの根っこ。マッシュポテト。
なかなかボリュームがある一皿。やっぱりとりあえずパクチーです。
見た目通りの味だと思います。美味しいです。


料理は美味しいとは思いますが、お値段もそこそこしますから、コストパフォーマンスはあまり良くないかもしれません。
ただやっぱり凄いと思うのはグラスワインですね。
逆にこっちは値段も安いし、美味しいワインを取り揃えていると思います。
近くにあったら一番安いおつまみを頼んで、入り浸るかもしれないw
眺めも雰囲気もいいし、とてもワインバーとして質が高いと思います。
一人で行くのは少し気が引けますけどね、何せ眺めも雰囲気もいいので、カップルばっか。

子供の機嫌が悪くなったので、少し早めに退散しましたが、また機会があれば行きたいですね。
アクセスの良い所にないのが残念です。台場とか赤れんが倉庫なんて早々いかないですよねえ。


ちなみに妻は話題のリコッタパンケーキを注文してました。なんか生焼けみたいであまり僕の好みには合いませんでした。人によると思います。


住所: 東京都港区台場1-6-1 デックス東京ビーチ シーサイドモール 3F
店名: Bills お台場(ビルズ おだいば)
電話番号: 03-3599-2100
営業時間:
月~金 / 9:00 – 23:00(L.O. food 22:00, drink 22:30)

土日祝休日 / 8:00 – 23:00(L.O. food 22:00, drink 22:30)

俺のフレンチGINZA(オレノフレンチ ギンサ: 銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。


こんにちは、HKOです。
今回は色々と話題の尽きない「俺の」グループのフレンチに行ってきました。

HKOさん、並ぶのが大嫌いなので、普段なら絶対行かないお店です。(学生の時一生分行列に並んだのと、並ぶ時間を考えるとコスト的に到底見合わない事が多い為)
ただ、たまたまラストオーダー直前だった為か、すんなり入れました。店内は隣の人と肩が触れ合う位に距離感が近いですが、混んでる分には私は別にさほど気になりません。価格帯的にはそんなもんでしょう。

時間的にメニューの殆どが品切れとなっていましたが、とりあえず駆けつけ一杯のシャンパーニュとあるものを注文。

駆けつけ一杯がシャンパーニュのドゥーツって何か豪華ですね....!


◼︎生産者: ドゥーツ
銘柄: クラシックキュヴェ NV

外観は溌剌としたストローイエロー、粘性は中庸。
フルーティーで過剰な酸を感じない、クリアで丸みのある味わい。熟した赤リンゴやフレッシュアプリコットの様な果実味と共にフレッシュハーブやイースト、白い花の様な香り。(ドサージュが多めだからか)酸味は柔らかく穏やかな余韻を残す。
高級感はいが非常に飲みやすく優しい味わいのシャンパーニュ。


それとパンを頼みます


◼︎パンとお通し




この2品に関しては他のものに比べるとあまりコストパフォーマンスが良いとは言えません。
ただ他のものが安いので、当然の礼儀として払うべきでしょう。(パンは別に良いかと思いますが)
フライドガーリックが浮いたオリーブオイルにパンを浸しながらメニューを眺めます。


冷前菜とメインを注文。



◼︎ウサギとフォアグラのガランティーヌ


すごい肉厚なパテ。内臓的な風味がありつつも過剰に生臭くない。フォアグラとウサギ肉がパテになっている。鶏肉のようだが、少し野性味がある。ベリーソースとのマッチングが素晴らしい。これだけでお腹いっぱいになりそうなボリューム。


500円とは思えない趣向を凝らした料理が供出されてきます。 既に量が結構多いです。
ランチならこれだけで十分だなー。

チリのピノノワールを啜りながら、ウサギをやっつけていきます。


そして程なくメイン到着。
さすが供出が早い、回転数上げてかなくちゃならんもんなー



ってちょおおおおお!
多いよ!絶対一人分じゃないでしょおこれえええ!



なかなかとんでもない量が出てきました。
既にウサギで腹半分といった所だったのですが、頑張ってやっつけていきます。



◼︎松坂豚のスペアリブ


レンズ豆のミートソース、香草で焼かれたスペアリブ。少しレモングラスの風味がある。しっかりと香草の香りがある。香草の間にマヨネーズ。それにしてもすごいボリューム。一人で頼むものではないかもしれない。肉はほろほろて豚肉とは思えない繊維感がある。豚肉の旨味もしっかりとある、ビストロ料理としてはかなり最高なんでは無いだろうか。ただ一人だと後半は完全に作業。



非の打ち所がないビストロ。恐ろしいコストパフォーマンス。今回ルールに則って前菜+メインを注文したが完全に過剰だった。料理に関してポーションあたりの量が2名分はある為、シャンパーニュとグラス赤、そして料理の注文で2500円で十分に満足感は得られるだろうと思います。
並んでまで食いたくねえとか思ってましたが、なるほど、すごいお得感ありますね。
味に関してはとても親しみやすい味わいでテクニカルさや複雑さはないです。でもビストロでこれなら相当なものだし、何よりも価格とボリュームの前にはどんな評価も無意味に感じられますね。
とはいえ、ハーフポーションを7~8掛け位で出してくれると最高ですね。一人はあまり想定してないのかもしれませんが....



住所: 東京都中央区銀座8-7-9 1階・2階
店名: 俺のフレンチ GINZA(おれのふれんちぎんざ)
電話番号: 03-6280-6435
営業時間:
16:00~23:30
(フードL.O. 22:00、ドリンクL.O 23:00)

美寿思(ミスジ:汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。


こんにちは、HKOです。
カレッタ汐留にある美寿思にランチに行ってきました。

専ら回転寿司でサッと食べて出て行くスタイルのHKOとしては、ゆっくりとカウンターに座って寿司を食べる機会は極めて稀です。

あと、どうしても少ない貫数でそれなりの額行ってしまうので、コストパフォーマンスが悪いんで使いにくいんですよね。それなら同額の趣向を凝らしたコース料理を食べたい気持ちになります。

そんな中で、この寿司屋の決め手になったのは、おおよそ寿司屋のセンスとは思えないネーミングのランチがあるからです。

その名もパワーランチ。
いかにもボリューミーな感じです。



今回は美寿思です。



デザイア オブ 寿司が高まってきます。



もう爆発しそうです。




◼︎パワーランチ(★★★)
・中トロ(赤酢)、かんぱち(白酢)


・赤身(赤酢)、アジ(白酢)


・サーモン(白酢)、ほたて(白酢)


・甘エビ(白酢)、赤貝(白酢)


・えび(赤酢)、いか(白酢)


・穴子(赤酢)、たまご(赤酢)



・うに(赤酢)、ねぎとろ(赤酢)、いくら(赤酢)



ボリューミーかと思いきや、腹にしっくりくる15巻。
築地が近いからか、どのネタも新鮮で結構ブリンブリンな食感。
特にカンパチとアジとサーモンと中トロ、ホタテが最高だった...あとウニね。



見てください、この美味そうなニーウー


カンパチとアジはその食感に驚いたし、サーモンと中トロは過剰に油っぽくなくて抑制された甘みがあった。ウニは全然臭みが無い。ホタテのサクッとした食感とトロトロの甘さも非常によろしい!
また風味の強い赤酢とプレーンな白酢をネタごとに使い分けているのがいいですね。
淡白なエビに赤酢、穴子や赤身の様に味が強いネタにも赤酢、かたやホタテや甘エビ、イカに白酢を使ったり多種多様に使い分けていました。

これで確かに1700円くらいだったかと。
お吸い物や先付もついているので、かなりお得かも。
パワーランチは数量限定の様なのでお早めがよろしいかと思います。



住所: 〒105-7046 東京都港区東新橋1-8-1 カレッタ汐留46F
店名: 江戸前寿司 美寿思(みすじ)
電話番号: 050-5788-3966
営業時間:
11:00~15:00(L.O.14:30)
17:00~22:30(L.O.22:00)
ランチ営業、日曜営業

星遊山(セイユウザン:汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
最近はちょっと忙しく、もっぱらランチは近場が多いです。で、近場ばかり選んでると段々行く所が少なくなっていくという...ううーむ、なかなか難しいもんですね。

今回から数回は年末に訪れた近場を幾つか書いていきます。

たまーに焼肉的な気分になる時があります。
例えば何か良い事が会った時、あるいは肉でストレスを解消したい時。
感情の振れ幅が大きい時には和牛の甘味が振り切れそうな針の良いクッションになってくれます。

そんな気分に行き慣れた汐留シティセンターの高層階行きエレベーターに乗り41Fまで。




今回は星遊山です。



◼︎料理長極上厳選御前(12月30日まで)

・のりと胡椒のスープ
ニンニクの風味が漂う甘いドレッシングがかかったサラダ。

・ユッケ(★★★)

柔らかく、噛み締める溢れるあまーい脂と生卵の最高のマッチング。これでご飯2杯いける。



肉がきました。



次々と焼いていきます。



積極的に口に運んでいきます。



焼きます。



Burn & Eat!


・25日熟成牛タン(★★)
タンなのに凄い柔らかく、焼くとトロトロになる。タン独特のクセが無く、メチャクチャ旨味を包含してる。


・国産上ハラミ(★★)
コリコリとした歯ごたえ。甘い脂身、旨味が混じる。レモンが最高。


・米沢牛赤身(★★★)
赤身ながら甘い脂がたっぷりで柔らか。甘みが少し穀物っぽい。絶品。


・近江牛カルビ(★★)
噛み締めると溶ける様に柔らかいのに、箸で掴んだ位では全く肉が崩れない。結構塊感がある。凝縮した脂身の旨味、甘味。


・松坂牛カルビ(★★)
甘みはあまりないが、お肉の引き締まった肉っぽさを感じる。カルビなのに赤みっぽいパワフル感がある。




はあ、やっぱり焼肉最高。
そりゃカルビや赤身ですけども肉を食ってる喜びは普遍ですねえ。
ご飯とスープはおかわり自由ですが、そんなに量が多いわけでは無いので、大部分の人はお代わりまでたどり着かないのではないかと。

お肉は最高に美味いです。
価格的にはランチなので良心的。
もう既にこのキャンペーン自体は終わってしまっているのですが、代わりをきっとやってると思いますので、是非行ってみてはいかがでしょうか。




住所: 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター41F
店名: 星遊山(セイユウザン)
電話番号: 050-5798-1733
営業時間:
月~金
ディナー 17:30~23:30
(L.O.22:30)

土・日・祝
17:30~23:00
(L.O.22:00)

月~日
ランチ 11:30~15:00
(L.O.14:00)


【ブルゴーニュ: 89】ジョルジュ ルーミエ 2012 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はジョルジュ ルーミエの2012年ヴィンテージです。本ブログでは2010、2011年と取り上げていますので、そちらも是非ご覧下さいませ。

もともと希少なドメーヌですが、2011、2012年の収穫量減で(真っ当な値段で)入手する事は益々不可能になってきた様な気がします。

いつまで続けられるかわかりませんが、可能な限り書いていきたいと思います。


【データ】
ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
村名シャンボールは村名区画と一級区画のブレンド、ボンヌマールはテール ブランシュ、テール ルージュを等しくアッサンブラージュしたものとなります。


【テイスティングコメント】
生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー 2012

約14000円、WA88-90pt(2010)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
2011年の硬質なタッチではなく、腰砕けになるようなしなやかさと柔らかさを感じる。
ブリオッシュや紅茶、ミルクなどの豊かなMLF要素。そして熟したイチゴやダークチェリーの甘露な果実味。スミレやなめし革、瑞々しい木材の風味、リコリス、ハチミツやクローヴの風味が感じられる。オレンジ。
突出して瑞々しさがありながら、ブリオッシュや紅茶の様な肉感的な柔らかさと優美なイチゴの風味が感じられる。
酸やタンニンは穏やかで、舌の上で転がり広がっていく、優美な味わい。華やかさと熟したイチゴの余韻が残る。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2012

約70000円、WA95-97pt(2010)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
全く開いておらず、様々な要素を内包している。
抽出は力強く、樽もしっかりと効いている。
コーヒーや炭焼きの様なトースティーなアロマ、ブリオッシュ。スミレの華やかな風味。やや果皮の厚いダークチェリー、ブルーベリーの果実味。抽出と樽のつ奥底に膨大な果実味が潜んでいることがよく分かる。
濡れた土、ほのかな燻製肉やメイプルシロップの様な風味も感じられる。ミルクティー、クローヴ、溶剤など。時間が経つと徐々にミルクの風味や果実味が際立ってくる。
タンニンや酸はしっかりと包含しているものの、滑らかでシルキーな味わい。スミレやダークチェリーと木材、ローストの風味が感じられる。
2010年ほど樽の要素は突出しておらず、硬いながらも、しなやかで柔らかさを残すボンヌマール。


【所感】
結論から言うと2012年のジョルジュ ルーミエはとても良いです。2010年の様な完璧なバランスに近いですが、瑞々しさやエキス感を出していた2010年と比べると幾分か近代的な造りになっていると感じました。
過剰な抽出が前に出てしまった2011年に比べると、果実の熟度もさることながら、目立ってMLFが強く効いており、しなやかさと凝縮感がしっかりと感じられました。抽出はやや控えめ。あるいは同程度かもしれませんが、あまり強く表出はしていなかったと思います。
ボンヌマールに関してもどちらかというと2010年に近い印象です。2011年のボンヌマールは堅牢さが目立った村名や一級群と比べると、やや近づきやすさがありましたが(ロースト香が穏やかで、果実味もちゃんと表出していました)、この2012年は完全に樽と抽出が前に出ており、堅牢さが際立っています。恐ろしく硬い。
今年のフーリエのグリオットシャンベルタン並。
勿論時間が経てば、その純粋で膨大な果実味は表出するのですが、それでも全ての要素が開き切っているとは、到底思えないですよねえ。ただ全く開く気配のなかった2010年よりは幾分か優しい印象です。
頑なだけど、時間をちゃんと待てば美味しくなるボンヌマールだと思います。
その村名は最初から美味しいので、なかなかいいと思います。
今回は価格高騰の折、村名とボンヌマールしか飲めておりません。好きな生産者なのですが、大変辛いところです...

しかし高くなりましたね...ルーミエ。
2010年と比べて倍かよ...やべえ...やべえよ....




【ボルドー: 23】シュヴァルブラン 1969、2011年垂直テイスティング

こんにちは、HKOです。

本日はシャトーシュヴァルブラン、2ヴィンテージの比較です。ただ中間的なヴィンテージがなかったのて、あまりいい比較にはならなかったですが...(1978年は飲みましたがちょっと記憶が朧気です...)


【データ】
シャトーシュヴァルブランはサンテミリオンにおける4つの第一特別級Aの一角でボルドー右岸最上のカベルネフランを生み出すシャトー(残りはオーゾンヌ、パヴィ、アンジェリス)。
1960年代、1970年代は品質が落ち込んだものの、ジャック・エブラールが就任した1980年代には品質は大きく向上した。また以降の所有者であるピエール リュルトンの手により2000年、1999年、1998年は素晴らしいヴィンテージとなった。
シュヴァルブランの畑はポムロールとの境界線にある鉄鉱石を岩床とした砂利の多い、砂礫質及び粘土質の土壌。レヴァンジル、コンセイヤントに隣接する。
栽培面積は37haで、平均樹齢45年の葡萄を35hl/haという低収量で収穫し、醸造工程に移る。醸造は温度管理されたステンレスとコンクリートタンクで発酵及びマセレーションを21~28日間実施。MLF後フレンチオーク新樽100%で18ヶ月。清澄は卵白を使用、無濾過。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー シュヴァル ブラン 1969
品種: カベルネフラン、メルロー

103000円、WA91pt
外観は淡い煉瓦色、粘性は中庸。
芳香はかなり強く放たれている。
濡れた樹木や森の下草、熟成した生肉の様な熟成香、黒オリーブや梅しばの様な強烈な旨味を感じさせる果実味か感じられる。消毒液、ナツメグなどのスパイス。枯葉、ドライフラワーの芳香が感じられる。
熟成を経てなおパワフルで、果実の要素はほぼ削ぎ落とされているものの、熟成した味わいが立体感を持って感じられる。徐々にオレンジの様な風味も。
タンニンはほ柔らかで、際立った酸味と旨味が口の中に立体的に広がっていく。スパイスで煮詰めたトマトの様な余韻。旨味を綺麗に酸で追い流していく。
完璧な後味。


生産者、銘柄: シャトー シュヴァル ブラン 2011
品種: カベルネフラン52%、メルロー48%

103000円、WA94-96pt
赤みの強いガーネット、粘性は高い。
非常に濃厚、濃密なカベルネフラン。香りからして一塊感と厚みを感じさせる。
野生的な獣香と共に焼いた西洋杉や黒砂糖、メイプルシロップをかけたワッフル、イースト、砂糖で煮詰めたブラックベリーやプルーンの様な果実味が感じられる。スミレの花やクルミ、漢方の様な香りが混じり、極めてパワフルで野生的な独特の香りを形成している。フランの青臭さは全く感じず、完全に熟している印象がある。
非常にタニックで、酸も充実、余韻に微妙な苦味が残る。球体感というより、焼いた苦味とコンポートの様な甘みが口の中で拡散していく様な味わい。


【所感】
まずは2011年。トースティーさが前に出た2011年ボルドーの典型的なカラー。それでいて極めて濃厚な濃密な、完璧に熟したカベルネフラン。青っぽさは一切無い。個性的な獣香とコンポートの様な果実味、黒砂糖の様な甘露さ、漢方の様な風味を強く感じる。
2011年としてはかなりパワフルなワイン。その分タンニンと酸も強く、長熟さと堅牢さを予感させる味わいだ。樽が強いからか、やや苦味があるが、大部分は果実味で包み込んでいる。素晴らしいシュヴァルブラン、カベルネフランであると思います。
1969年は完全に熟成しているものの、40年近くの熟成期間を経過してなお、しっかりと香りが迫ってくる。
基本的にはほぼ果実味は失われており、濡れた木材や下草、生肉、そしてスパイスのような熟成香が全面を占めている。タンニンはかなり柔らかくなっているものの、旨味ときめ細やかな酸によって未だボディに立体感が感じられる。野生的な側面もあり、熟成してなお、シュヴァルブランらしさを残していると思う。

各ヴィンテージに年代差があるのと、醸造的な変化もあるので、あまり明確な比較は出来ませんでしたが、酵母起因(?)の獣香的な野生的なニュアンスは残っていると感じました。あと樽の要素は元から結構あったかもしれないです。(ここは70年代後半も一緒ですね)

今回は2011年の素晴らしさが目立ちましたね。
某シャトーが不振だった事を考えると...



【ブルゴーニュ:88】エマニュエル ルジェ、ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2010

こんにちは、HKOです。
新年2発目の更新となります。エマニュエル ルジェのクロ パラントゥー 2010です。


【データ】
エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ最上の生産者である事は間違いないでしょう。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。
フラッグシップは一級レ ボーモン、特級エシェゾー。そしてアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥ。


【テイスティングコメント】
生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 2010

外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
極めて堅牢でありながら妖艶、そして華やかなピノノワール。エシェゾーの様に果てしなく高域に伸びていくワインではなく、地に足がついた中域でその存在感を示している。
凝縮した薔薇やスミレのエキス、五香粉やオリエンタルスパイス、土を感じさせる強いロースト香、それと十分に比肩する様な煮詰めたブラックベリーやブルーベリーを思わせる果実味。樹皮やバター。ナツメグ、燻製肉などの要素を感じることかできる。
全体的にトースティーかつ強い抽出を感じるが、とにかく果実味が埋没せず全てが現段階で既にバランスが良い。(全ての要素は分離しているが)
強いタンニンと酸味があるが、共にブルゴーニュとしては突出したグリセリンがあり、非常に滑らかな風合いで、爆発するかのようなベリーとオリエンタルスパイスの旨味と甘みを感じる事が出来る。


【所感】
基本的にエマニュエル ルジェのワインで期待を裏切られた事はたとえ村名でも無いのですが、流石にクロ パラントゥはメチャクチャ凄いですね...!
まさに圧巻という他ないです。
エシェゾーがヴォーヌロマネの典型を示す華やかさとエキス感、そして樽要素が巧妙に入り混じった高域に伸び切っていくワインだとしたら、クロ パラントゥは強烈なエネルギーを孕んだ球体で中域で揺蕩うが如きワイン。
リシュブールの上部に位置し、プティモンに隣接するこのプルミエクリュはその狭さ故に標高に左右されない純度を持っている。褐色石灰土で構成された土壌。
少しうろ覚えですが、確か霧がかかる標高の上に位置していたと思います。もしそれならこの熟度は理解できます。確かにオーブリュレやプティモンの特徴と少し似ている様にも見えます。
今回のエマニュエル ルジェ クロ パラントゥ2010の一番の特徴としては、ブルゴーニュとしては際立った高アルコール度数にあると思います。
12.5~13%位に平均値があるのに対して14%。南仏やスペインのエレガントなワインくらいのアルコール度数。例えばギガルのランドンヌは13%台に収まるし、ハーランエステートは14.5%くらいで、極めて近い値。そう考えるとルジェのワインがエレガントさを纏いながら、グリセリンに満ちたボディ感とグリップの効いたタンニンがあるのは至極当然だと思います。
よってこれらのワインはボディやアタックだけ見ればブルゴーニュ離れしているといえます。
ただそれは2010で13.5%のエシェゾーも同じ事が言える訳で。ではエマニュエル ルジェのワインがブルゴーニュの最上の味わいを思わせるのは何故か。
巧みなエキス感と色素、果皮の香味成分の抽出、樽の要素ではないかと考えます。
クロ パラントゥで言えばエキス感よりボディの方が勝っていますが、フランソワフレールとタランソー独特の妖艶な樽香、煌びやかな赤い花の香り、輝きのあるムラの無いルビーカラーはまさにヴォーヌロマネのそれで、テロワールの再現とも言えます。
アルコール度数が高いソノマのピノノワールやマセドンレンジのピノノワールの多くがブルゴーニュから遠く離れた味わいを感じさせる事を考えると、やはりこのクロ パラントゥがブルゴーニュであることを強く認識させます。稀有な強いボディを持ったヴォーヌロマネであり新世界的では決してありません。
そう考えるとテロワールの表現者としてはエマニュエル ルジェは突出していると思います。
本当に最高です。やはり未来永劫追っていきたい生産者だと思います。


【ブルゴーニュ: 87】アリゴテからペリエールまで一貫して卓抜したコシュデュリの技巧。

こんにちは、HKOです。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
特段新年になったからといって、記事や運営を変えることはせず、いつも通りマイペースでやっていこうと思います。
では、よろしくお願いします。


【データ】
コシュ デュリはブルゴーニュ白において最高の品質を誇るドメーヌ ルフレーヴ、コントラフォンと並ぶ大スター生産者。
この生産者の最大の特徴は「ブルゴーニュ白の最高品質」と「希少性」です。まず、普通にショップを見て回ってもまず見つけられない、ネットでもプレミア価格でべらぼうな金額で無いと手に入れる事が出来ない...希少性だけだったら正直どうでもいいのですが、品質もブルゴーニュ白のトップクラス。うーん、なかなか難しいところです。
収穫は手摘み。仕立てはギュイヨと、樹勢の強い株にはコルドンを適用。また5月に重点的に芽搔きをし、収量を抑えています。収穫したぶどうはしっかりと破砕してから圧搾。12~18時間の前清澄。
小樽で4~5日発酵。 ミディアムに焼いた新樽を使用。新樽比率25%以下(フラッグシップはそれ以上) は低く(トップワイン以下は25%以下)。
アルコール発酵後、マロラクティック発酵実施。ブレンド後、シュールリー状態で樽熟。最低18ヶ月の長期熟成を行います。無濾過でボトリング。
フラッグシップはムルソーペリエールとコルトンシャルルマーニュ。


【テイスティングノート】
生産者: コシュ デュリ
銘柄: ブルゴーニュ アリゴテ 2008

外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
ムルソーと比べるとかなりの格落ち感がある。しかしながらクリアで堅実な作りのアリゴテだと思う。
まずアリゴテとしては石灰を感じさせる格別のミネラル感があり、果実の熟度も非常に高い。
一般的なアリゴテの酸とは無縁で、パイナップルや熟したネクタリンの様な酸とシロップの様な甘露さを並行で感じる事が出来る。フレッシュハーブやリコリスのハーブ香、バターやイーストの様な風味、ハチミツの様な風味も感じる事が出来る。
ただ一番際立つのはミネラルと果実味。
口に含むと重いが滑らかな酸と旨味、ミネラルか広がっていく。本当によくできているアリゴテ。パイナップルや旨味の本流。一切の樽の要素は感じないクリアネスがある。


生産者: コシュ デュリ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2011

外観は明るいストローイエロー、粘性は高い。
強烈なヘーゼルナッツの様な樽香と、はっきりと表出した石灰を砕いた様なミネラル、オイリーさが前面に出ている。そしてバターや凝縮した洋梨、白桃の香り。焦がしバター、フレッシュハーブの様な芳香が感じられる。キノコや白檀、白い花の要素も感じられる。
構造に立体感があり、樽、ミネラルが前面を覆い、その裏にMLFの要素や凝縮した果実味が潜む。リッチというより筋肉質で、ムルソーらしさを酸とミネラルで引き締めている。圧倒的に香り高く鮮明で華やかなペリエール。
全体を覆うミネラルとグリップ感のある強烈な酸が凝縮感を表現、マロの要素があるにも関わらず、酸がはっきりとある。オイリーかつナッツ、塩バターの様な余韻が延々と残る。時間変化もそう感じられない。


【所感】
今回は最低レンジとほぼ最高レンジの比較です。
品種が違うので厳密な比較は出来ないんですが、まあ、大分違うと思いました。
とりあえず、一旦品種はさておき、ペリエールが樽とマロラクティック発酵、果実味のニュアンスが前面に出ているのに対して、アリゴテはステンレスタンク醸造やマロラクティック発酵を抑えた様なクリアな味わいのワインとなっています。
ペリエールはムルソー(とペリエール)のテロワールに即しているし、アリゴテはピュアな味わいが再現されている。
まずペリエールはそれこそムルソー最上の畑ですから、村名と比べると格別のミネラル感と凝縮感があります。コシュデュリの上位レンジは比較的派手な醸造的な要素がありますが、生来のテロワールによる品質がこれらのバランスを成立させる屋台骨的な役割を果たしていると思います。逆にペリエール(やそれに比肩するシャルム、ジュヌヴリエール)でなければこの醸造手法で要素のバランスを維持する事は難しいかもしれません。ムルソーなのにリッチというより筋肉質。爆発しそうな果実味を酸やミネラル、醸造的要素でスタイリッシュにまとめ上げている。
様々な要素が高次元で融合し、結合しているのがこのペリエールだと思います。
全くもって緩さがない引き締まった味わいだと思います。(ミシュロよりリッチで、ジャックプリウールより引き締まっている、同時にテイスティングした全てのベリエールのなかで最も硬質。)
アリゴテは高次元の融合、統制というより、品種の特性を活かした作り方をしている印象を受けました。
まず前提として一般的にアリゴテという名前から想起される酸の荒々しさや未熟さは無く、完全に熟した果実味が感じられ、またしっかりとしたミネラルに覆われているワインです。エッジの効いたモン リュイザンも良いですが、こちらはこちらでアリゴテのポテンシャルを引き出した好例と言えるのではないでしょうか。マロラクティック発酵はされているものの、オーク樽の要素はほぼ感じられず、クリアな味わい、例えるならばシャブリグランクリュの様な風合いです。
この2本、同じ生産者なのにも関わらず、かなりカラーが異なるので、選ぶ際には少し注意が必要です。
所感ではムルソーペリエールの方がコシュデュリのスタンダードに近いかと思います。
ただ、スタイルの違いはあれどどちらも突出したブルゴーニュワインであることは間違いありません。
価格は高騰していますが、機会があれば逃したくないワインだと思います。



プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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