【ブルゴーニュ: 105】熟成を考える(フランス ブルゴーニュ地方 ピノノワール)

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュの古酒2種類です。
1本は既に引退してしまった伝説的なドメーヌ、ショパン グロフィエの村名ヴージョ。そしてもう1本はムルソー最高の生産者コント ラフォンのルネ時代のムルソー ペリエールです。妙に豪華な2本です。


【データ】
説明不要かもしれませんが、コントラフォンはムルソーに拠点を置くドメーヌで、ブルゴーニュ、世界の生産者の中で常にルフレーヴ、コシュデュリと共にトップドメーヌとして語られる、シャルドネのスペシャリストです。
栽培醸造に関しては全ての畑でビオディナミを実践し、収量を25-40hl/haにまで落とし栽培を行う。収穫後2回の選定を行った上で圧搾、その後ステンレスタンクでデブルバージュ。新樽と旧樽へ移し低めの温度でアルコール発酵。
マロラクティック発酵を行いながら最大40%の新樽比率で21ヶ月の熟成を経て、無濾過、無清張で瓶詰めを行っています。
赤は除梗後、ステンレスタンクで6日間程度の低温浸漬。20日程度でアルコール発酵後圧搾。ピジャージュは最後の10日間のみ1日2回ピジャージュを行う。新樽比率は30%程度で18ヶ月から20ヶ月の熟成を経て瓶詰めされます。
コントラフォンの旗艦銘柄は特級モンラッシェ、ムルソー ペリエール、ジュヴヌヴィエール、シャルム。どの銘柄も人気が高く、上位銘柄は 価格も併せなかなか入手しづらいのが現状です。

ダニエル ショパン グロフィエはプレモーに拠点を置く、ブルゴーニュにおける伝説的な生産者。一般的に最もアンリ ジャイエに近い味わいを持つ生産者と言われながら、既に1997年に引退しています。
フラッグシップのクロ ヴージョ含む10haの畑を保有。
後継者はショーヴネ ショパンですが、大きくスタイルを変更しています。ポートフォリオはヴージョ、クロ ヴージョ、シャンボール ミュジニー、オート コート ド ニュイ。
70%を除梗(カビが発生した際は100%除梗)し、3~4日低温浸漬。仕込み期間は3週間。新樽比率は50%で18ヶ月熟成。当時の樹齢は50~60年。村名シャンボールも同様。今回の1996ヴージョはショパン グロフィエのラストヴィンテージ。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ショパン グロフィエ
銘柄: ヴージョ 1996

63000円、WA88-90pt
外観は橙色に近いルビー、粘性は低い。
変に動物的な要素は無く、クリーンで洗練された古酒。熟成感はしっかりと出ている。
土や枯葉、腐葉土と僅かに焼いた帆立の様なロースト香、黒オリーブや梅、ブルーベリーのドライジャム。エキス感を感じるピノノワール。椎茸、薫製肉や血の様な香り、ドライハーブ。トリュフ。
紅茶、クローヴなどのスパイス的な要素。
旨味の余韻がとんでもなく素晴らしい。
土や腐葉土の香りと共に椎茸の吸い物の様な潤沢な旨味を強く感じられる。酸はしなやかで繊細。きめ細やかで、タンニンも非常に目が細かい。素晴らしく余韻が長い。少しトースティー。


生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー プルミエクリュ レ ペリエール 1980

約90000円
外観は黄金に近いイエロー、粘性は高い。
未だ石を砕いた様なミネラル感が残存している。
やはりミネラル感が充実しているペリエールは塩気が出てくるのか、以前飲んだ1980年代後半のジュヴヌヴィエールとは全く異なるスタイルになっている。
ナッツやドライシェリーを思わせる塩気と凝縮した恐ろしい程の旨味の中で、エシレバターの様な豊満な風味、濡れた木材や土、ネクタリンや花梨の様な凝縮した果実味がひしめいている。ほのかに感じるドライハーブ、シャンピニオンの要素が感じられる。一見極めて堅牢な印象ながら、少しずつ開いてきそうな雰囲気は醸し出している。徐々にカラメルのような要素も現れてくる。
香りの旨味を感じさせる香りは爆発的だが、口に含んだ時の酸と塩味はかなりエレガントの様に思える。引っ掛かりがなく、スムーズ。ナッツやネクタリン、エシレバター、木材の様な余韻。すっぽ抜けた様な感じはなくて、ちゃんとボディを維持している。


【所感】
まずはショパン グロフィエ。
恐ろしいほどにエレガントでしなやかな古酒です。
古酒にありがちな動物的な要素はなく、クリーンな印象を受けるワインです。例えば土や枯葉、そしてホタテの要素に、黒オリーブや梅の様な塩気、ブルーベリージャムの様な果実味が混じり合います。低温浸漬の影響は鉄分を思わせる香りになっています。
適度な抽出と樽の効果か、熟成を経て各個の要素がバランス良く配されている。酸も緻密で繊細。きめ細やかで非常にエレガントな味わいを感じさせます。
本当に絶妙なバランスの上に成り立った味わいで、果実味がほのかに残るのが素晴らしいですね。
これが村名ヴージョっていうのだから凄いですね。
もしショパン グロフィエが本当にアンリジャイエに近いのであれば、「ああ、納得」と言った感じがします。まあアンリジャイエ飲んだ事ないんすけどね。

次はコントラフォンのペリエール。
今回の1980年ヴィンテージは現当主のドミニクラフォンの先代であるルネ ラフォンが作った1本です。
だからか知りませんが、なかなか1980年代前半のバックヴィンテージがなかなか出てきません。
今回飲めたのは結構ラッキーでしたね。
ペリエールを飲んでみて思ったのは、熟成の到達点として同じくラフォンのジュヌヴリエール1989と結構違う点です。それはテロワールによるものなのか、醸造によるものなのかは分かりませんが、丸みを帯びたクリームブリュレの様な風合いを感じたジュヌヴリエールとは全く異なり、酸化的で塩気を感じさせる古酒となっています。香ばしいローストナッツやドライシェリー、エシレバターなどの風味とともに土や木材、強烈な旨味を感じさせる花梨やネクタリン、シャンピニオンの風味が感じられます。ある種ムルソーの典型を別の形で表現した様なそんな感じ。
これは先日飲んだアルベール グリヴォーのムルソーペリエール1997と概ね方向性は近い味わいで、やはりペリエールのミネラルと強固さの表現方法としてはこんな感じなのかな、と。あと似た感じというなら、ルイジャドのムルソーシャルム2002も酸化的でしたね。
やはりテロワールによるものなのだろうか...謎は残る。味わいとしては最高でした。香りは爆発的で、酸やボディもしっかりと維持されています。
申し分ない古酒だったと思います。

以上、ブルゴーニュ古酒でした。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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