L'Effervescence(レフェルヴェソンス: 麻布)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。


HKOです。
レフェルヴェソンスに行ってまいりました。



乃木坂駅から約15分程度西麻布の住宅街を歩いていくと、ひっそりとした小道の脇に瀟洒な建物があります。



シャンパーニュを思わせる淡い金色のプレートに「L'Effervescence」と。
シェフは生江史伸氏。ミシェル ブラス トーヤ ジャポン、ファットダックを経由し、2010年にレフェルヴェソンスを立ち上げています。私と10歳も変わらないのに日本最高峰って凄いですね...



よく手入れされた植物の植わる階段を上っていくとエントランスがあります。



エントランスは決して広くありませんが、店内は非常にゆったりとした空間で、カウンターバーや半個室、テーブル席がゆったりとした感覚で並んでいます。窓際は全面窓で、植物を介した穏やかな陽光が店内をライティングしています。
ウェルカムプレートは泡をイメージさせるデザインの純白の皿。


非常に静かでゆったりとした空間で、椅子も心地よく、少し微睡んでしまいそうになりましたが、とりあえずいつも通りスターターとしてグラスシャンパーニュを注文します。ゴッセのグランレゼルヴかジャック ラセーニュという事だったので、迷わずジャックラセーニュを選択。
まだ飲んだ事が無いRMでしたが、このクラスのレストランであれば間違いなく美味いはず...!


◾︎シャンパーニュ
生産者: ジャック ラセーニュ
銘柄: ラ ヴィーニュ ド モングー ブラン ド ブラン エクストラブリュット NV


非常に熟した果実味があるシャンパーニュ。
クリーンな味わいで、熟したリンゴやシトラス、ほのかなバターの風味、ほのかにノワゼットの要素があり、キリッとしたミネラル感があるが、決して堅牢ではない。白い花やフレッシュハーブの風味。
酸は繊細だが、香りの清涼感、クリーンさから思えないような広がるようなしなやかな旨味も感じさせる。
ふくよかで素晴らしいシャンパーニュ。

オーブの生産者との事でしたが、コート ド ブランに近く、日照条件の良い斜面に植わっているので、極めて熟度の高いシャルドネが出来るとの事。なるほど、クリーンでありながら確かに熟度は高いですね。




◾︎アミューズブーシュ「グリーンアスパラガス、桜海老、アオヤギ、アーモンドを2口で~」(★★★★)


小さいグラスの中にグリーンアスパラガスのピューレ、シェリービネガーの層、桜海老とアオヤギ、エスプーマが添えてある。軽く火を加えた桜エビとアオヤギは極めて香ばしく、それらをシェリービネガーの酸味と甘さ、グリーンアスパラガスのピューレの豊満な風味が包み込む。ほのかに柑橘の風味が感じられる。口の中で香ばしさと桜海老のプリプリとした食感、ふくよかさを感じる。ピューレの中に隠されたアスパラのサクサク感も楽しい。食材のバランスが極めて良く、ふくよかさと酸味、甘味、旨味が非常に良くマッチしている。また液体窒素で固めたシャーベットは柑橘と日本酒の風味で、ピューレに含まれた柑橘の風味とよく合い、それらを引き継ぎながら綺麗に余韻を完結させていく。


アミューズから調和が炸裂しています...
次はアイナメです。魚が先に出るのは珍しいですね。


◾︎花たち~「アイナメをプリッと焼いて桜の花のブールブランと蕗の薹のピュレ、山独活、八朔の葉のオイル、白味噌のエミュルジョン、野生の胡椒、パンプルネル」(★★★★★)


青森県下北半島産のアイナメと桜の塩漬けを加えたブールブラン、山独活、蕗の薹、マダカスカル産の野生の胡椒。
脇に添えられた山独活はコリコリとサクサクしている。
しかしこのアイナメの火入れが本当に絶妙で最高。崩れるように柔らかく仕上げず、外側は香ばしく、中はしっかりと噛みしめるような、それでいてしっとりと仕上げられている。アイナメに含まれた旨味も充実し、ブールブランの中にある桜のフレーバーや八朔の葉、様々なハーブの複雑な風味が調和していく。野生の胡椒は香りは極めてスパイシーな芳香だけれどもスパイス的な辛さは殆どなく、より複雑さを助長していく。
全体的に極めてハーブ的な要素が強く、アイナメの旨味と共にアロマとフレーバーを楽しむ料理。少し木の香りがあり、森の中にあるコテージにいるような香りを放つ。絶妙な調和を生み出している一皿だと感じました。


アイナメ本当に最高...やばい。
アミューズとポワソンにいきなりレフェルヴェソンスの洗礼を受ける。

次はまさに定点、調理法は変えずに季節ごとに移り変わる蕪の味わいを楽しむ一皿。


◾︎定点「丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルジョン、バスク黒豚のジャンボンセック&ブリオッシュ」(★★★)


シンプルな蕪料理、そこにイタリアンパセリのにソースとクルトンに似たブリオッシュ、細かくジャンボンセックが散りばめられている。
4時間ほど食感を残して火入れした蕪は、しっかりとした歯ごたえでザクザクとした食感、素材には根菜類のほのかな苦みと辛味、そして甘みがあり、ほのかな塩味でそれを引き出している。葉の部分はやや塩気が強く、上手くバランスをとっている。そこにパセリのエマルジョン。濃厚でクリーミーなエマルジョンにパセリの爽やかで清涼感のある香りが鼻に抜けていく。ブリオッシュのクルトンは甘みがあり、ジャンボンセックは欠片にも関わらず全体に行き渡っていくような旨味がある。シンプルな料理だが、節度という単語をを体現した様に完璧な調和をみせる。


時期によって調理法が変わらない、まさに定点観測。蕪を通してみる、季節の定点観測。
次も驚きの一皿。フォアグラです。


◾︎春の温度「フォアグラのナチュレル、金美人参のピュレとそのキャロットケーキのかけら、サントモール&セミドライトマト、しょっつるのキャラメルと芹の葉」(★★★★★)


なんだこのフォアグラ、全然重くない!確かにそういう風にしたとは言っていたものの、まるでバターやアボガドの様に濃厚でマイルドありながら、クリーンでさっぱりとしている!
そしてそんなフォアグラだからこそ、繊細な味わいの付け合わせやソースがしっかりとハマってくるのか。
そこに合わせるのは甘辛い秋田のしょっつるのキャラメルソース、甘いキャロットケーキ、旨味の充実したドライトマト、独特のグリニッシュな人参。
しょっつるの甘く凝縮した旨味のソース、そしてキャロットケーキはフォアグラのほのかな塩味を引き立て、その脂分が個性豊かなフレーバーを受け止めているし、ドライトマトの風味も強烈な旨味を軟化させ調和している。シェーブルの独特の風味が複雑さと深みを高めている。お互いの素材の良さを完全に引き出している。パンケーキとフォアグラの組み合わせ、あるいはしょっつるとの組み合わせはフォアグラと甘口ワインのマリアージュの構図だけど、それより、より繊細に作り込まれている。素晴らしい。クリーンなフォアグラだからこそできる技ですなぁ。


さてメインのホロホロ鳥に合わせる赤ワインを注文。
提案されたのはジュヴレシャンベルタンとグリュオラローズの古酒だったが、ベストな選択でありつつも個人的には飲んだこともあり、毛色を変えたかったので、他に合うワインを探してもらった。
それがコレだ。


◾︎赤ワイン
生産者: モリック
銘柄: ブラウフランキッシュ レゼルヴ 2009
品種: ブラウフランキッシュ100%

外観は濃い目のガーネット、粘性は中庸。
スパイシーで香りはローヌ北部のシラーに似ている。
果皮の味わいが強く毛皮やなめし皮の様なアロマがある。冷涼地域を想起させる堅牢さで、果皮の厚いブルーベリーやブラックベリーの風味が感じられます。少々グリニッシュで、梗、クローヴやスミレの要素も前に出てきている。徐々に乾燥系果実のにの様な余韻が残る。


ブラウフランキッシュ。
冷涼なオーストリアのテロワールから生み出されるこのワインはピノノワールの様に繊細な酸があり、南仏品種の様にワイルドな側面を見せる。
ホロホロ鳥とはしっかりとマリアージュした。


◾︎寒さの下の春「石黒牧場のホロホロ鶏を炭火で、ソテーした白菜のエキスと栄螺、新筍、マッシュルームの砂」(★★★★★+)


炭火で焼いたホロホロ鳥の腿肉(手前)、胸肉(奥)、ソテーした白菜と新筍、栄螺をみじん切りにしたもの。
これまた極上の火入れのホロホロ鳥。鶏肉としては今まで感じたことのない超絶的な味わいだった。
腿肉は外側がカリカリに、中はしっとり。絶妙な柔らかさで非常滑らか、まるでクリームチーズの様な食感。筋を全く感じない。そして肉の中に含まれる強烈な旨味を、これまた火入れと塩、椎茸と白菜のエキスで完璧に引き出している。基本的にナチュラルな風味なので、栄螺の塩見で、更に深みが出る。
胸肉は腿肉と比べてしっかりとした肉感があり、中に含まれる旨味がすごい。滑らかでスムーズな味わいの胸肉に対して、より力強さを感じる。
美味い...出来の良い焼き鳥にも感じられるが、他の食材との調和が素晴らしい。
香ばしくオイリーで炭の香りのする塩見の効いた白菜、コーンの様にも感じられる甘くほのかな苦みを感じる新筍、共に塩が絶妙に降っており、また栄螺の磯の風味が素材の味を引き立たせている。シャンピニオンのフレークもとても香ばしい。それらが一体となっている皿だ。


最後はデゼール。
一見シンプルなデゼールでしたが、そこかしこに工夫が凝らされている。


◾︎春よ恋「えづれ農園のとちおとめと北海道小麦のクレープ、富士酢のギモーブと桜の葉香るアイスクリーム、柚子の花びらと焼酎を一杯」(★★★★)


北海道の春よ恋という強力粉と黒ごまのクレープ、甘く酸味のあるとちおとめ、桜の花の塩漬けを含めたアイスクリーム。
桜の葉と塩気を感じるアイスクリームが本当に絶品!
とちおとめも酸味は確かに感じるものの、アイスクリームの甘味に負けて酸味だけになっていない。クレープはゴマの風味が香ばしく、これまた桜の葉のアイスクリームの塩加減ときっちりあっている。焼酎の豊満な甘いアルコール感がとちおとめやアイスを引き立て、完璧な味わいになっている。素晴らしいデゼール。


ミニャルディーズに至るまで工夫が凝らさらている。


◾︎おしゃべりのひととき「葛餅、生キャラメル、チョコレートキャンディ、ヨモギバーガー」

エスプレッソの様なビターなコーヒーが出てきた。
そこに合わせるように素敵なミニャルディーズのプレゼント。
葛餅は中にルバーブとフランボワーズの風味があり、酸味と甘みの絶妙の味わい。
パッションフルーツの生のキャラメルはパッションフルーツの種のプチプチ感が心地良くキャラメルの甘味が見事に調和。
ヨモギバーガー、ヨモギときな粉のクリームを挟んだシュー。クリーミーさもサクサクとした外皮が絶妙。
チョコレートキャンディは梅干しとバジル、そしてパチパチキャンデーが入ったチョコレート。懐かしいパチパチとした食感が楽しい。シックプッテートルもパチパチキャンデーを使ったミニャルディーズを出していたが、今流行りなのかしら。


以上、アミューズ、ミニャルディーズ含め7皿。
夜のメニューの本当にいいとこ取りで大変素晴らしかった。そこかしこに和の食材、香りが使われているのは生江シェフがミシェル ブラスに影響を受けたという、「郷土料理をモチーフとした料理」という思想によるものではないかと。メニューからその思想がしっかりと感じられます。
なかなか予約が取りにくいお店ではあるものの、ランチからして行く価値は充分過ぎる程あります!
いい経験しました...



住所: 〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目26−4
店名: L'Effervescence(レフェルヴェソンス)
電話番号: 03 5766 9500
営業時間:
ランチ 12:00~16:00(13:30L.O)
ディナー 18:00~23:30(20:30L.O)
ランチ営業、日曜営業




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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