【シャンパーニュ: 45】大手NMが作るフラッグシップキュヴェ No1

こんにちは、HKOです。
本日は大手メゾンのシャンパーニュ4種類を2回にわたってレポートしていきます。
本日はヴーヴクリコのラ グランダム、そしてヴランケル ディアマンの2種類となります。


【データ】
ヴーヴクリコはルイヴィトン モエ ヘネシー社が保有するシャンパーニュ有数の大規模メゾンです。
1772年にフィリップ・クリコ=ムーリオンがランスに設立し、後の1810年に「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン」と改名しています。現在の醸造責任者はジャック ペテルス。著名なRMであるピエールペテルスは彼の甥に当たります。フラッグシップは8つのグランクリュから作られたラ グランダム。
自社畑のヴェルズネイ、ヴェルジー、アンボネイ、アイのピノノワール65%、アヴィズ、レ メニル シュール オジェ、オジェのシャルドネ35%を使用しマロラクティック発酵を行い6年間の熟成を行う。
初リリースのの1972年以来、1975年、1979年、1985年、1988年、1989年、1990年、1993年、1995年、1996、1998年と続きリリースされています。

ヴランケン ディアマンは世界第二位のシャンパーニュグループであるヴランケン ポメリー モノポールグループ傘下のシャンパーニュメゾン。現在の醸造責任者は1982年よりドミニク ピシャール氏が就任している。同グループの所有するシャンパンブランドの中でも最高位のプレステージシャンパーニであるディアマン ブルー ミレジメは自社の最良の6つのグランクリュ畑産の葡萄のみを使用している。セパージュ比率はピノノワール、シャルドネ50%ずつ。


【テイスティングコメント】
生産者: ヴランケン ディアマン
銘柄: ディアマン ブルー ミレジメ 1999

約20000円
外観はやや色の濃いイエロー、粘性は中庸で、しっかりとした泡が立ち上っている。
早くも熟成の素晴らしい状態に辿り着いている。ミネラルよりも豊満さが重視されている。
強くは無いもののカスタードクリームやスイートポテトを思わせる豊満な香りがあり、無塩バターやトフィーナッツ、ドライハーブ、ハチミツ。熟した赤リンゴやライムの様なほのかに酸味の乗った果実味が感じられる。
非常に旨味が溢れており、穏やかでしなやかな酸味と共に赤リンゴやスイートポテトやバターの様な余韻を残していく。酸も穏やかだし、リッチな体躯で非常に美味い。


生産者: ヴーヴ クリコ
銘柄: ラ グランダム 2004

15000円、WA95pt(1996)
外観は淡い色調のイエローで粘性は中庸、泡は華やかに立ち上っている。
しっかりとしたミネラル感がある。ベースはクリーンだが、フレッシュさを感じながらも熟成による深み、旨味を感じさせる様な香りがある。
赤リンゴやネクタリンの様な酸味と旨味両方を感じさせる果実味、それと共にチーズやエシレバター、ローストナッツ。ドライハーブやリコリスの風味、少しずつ味わいが結合し、ほのかにバタークリームの様な風味も漂わせる。
はっきりとした輪郭のフレッシュな酸味と、しっかりとした旨味が両立されており、赤リンゴやエシレバターの様な余韻を残していく。比較的スパイシーな味わい。


生産者: ヴーヴ クリコ
銘柄: ヴィンテージ カーヴ プリヴェ 1980

約40000円
外観は濃い目のイエローで粘性は高い。泡は溌剌としている。
香りに熟成香はハッキリと表出しているが、酸と泡は極めて若々しくフレッシュ。
カマンベールチーズやキノコ系の風味に、MLFの熟成を感じさせるバニラやカスタードクリーム、ヘーゼルナッツの香り。さわやかでスパイシーなドライハーブと共に熟した洋梨、白桃の蜜を思わせる果実味が感じられる。
熟成期間は長いが、期間と比較すると遥かに若く活き活きとした酸があり、ボディはしっかりと維持されている。蜜、バターやナッツや豊かな果実味や旨味の余韻が感じられる。デゴルジュマンは1986年、生産量や約1300本。



【所感】
本日は大手メゾンのシャンパーニュです。
まずはラ グランダムです。実はグランダムは初体験だったりします。さすがヴーヴクリコ、スタンダードラインでも美味しいですが、フラッグシップはその上を行きます。比較的リッチで果実味豊かなイエローラベルに対して、しっかりとしたミネラル感、リコリスの様なスパイシーな要素と共に熟成による深みが生み出されています。果実味に関しては赤リンゴの様な旨味が凝縮しています。
ミネラル要素を除いてはほぼ順当に進化、熟成したスタイルと言えるのではないかと思います。
クリーンさとフレッシュさを基本骨子にするのは変わらず、ミネラル、複雑さを押し出したスタイル。それでもキャッチーで万人に受け入れられやすいシャンパーニュである点はイエローラベルと変わらないと思います。
ミネラル感はいわゆるメニル単一の様な過剰なシャープさや硬さを感じるわけではないですしね。
ただ各味わいの輪郭がはっきりしていますので、フラッグシップ的な良さがしっかりと感じられます。価格も並み居るフラッグシップ群と比べるとお安い方に含まれるので、結構いいと思いますね。
またヴィンテージ カーヴ プリヴェも素晴らしい。
セラーマスターが選んだ古酒をセラーで20年以上長期熟成させたヴィンテージなのですが、これが恐ろしく若い。デゴルジュマンが遅いならばなんとなくわかるのですが、デゴルジュマンが1986年に済んでいるにも関わらずセラー熟成だけでこれだけの体躯を維持しているとは。熟成のニュアンスも完璧で、熟成の立体感かありながら、クリーンさとフレッシュさを維持している。熟成の方向性によってはこのクリーンさやフレッシュさは失われてしまいますが、最良の環境で熟成されたこの一本はそれらのマイナス要素を排除しています。ミネラル感もしっかりとあり、ヴィンテージに留まらないレベルの高さを感じさせてくれますね。

次にディアマンブルー。
これがあまり期待してなかったのですが、熟成としてはかなりいい線いっていました。
ミネラル感は落ち着いており、どちらかというとシャンパーニュのリッチさを押し出している感じで、熟成もスイートポテト系というか、カスタードクリーム系というか、そっちの方向に向かっています。
個人的に大変好みの味わいではあるのですが、ワインの評価的には高くはありません。
というのも、1999年にして酸とミネラルがかなり落ち着いていて、併せて密度もそう高くはないので腰が弱い。実際見てみない事にはなんとも言えませんが2次のピークはどうにも来なさそうな感じ。
香りの立ち方も熟成しているとはいえ、少しぼやけた感じがします。

なーんて、書いては見たものの、ワイン自体の品質はともかくとして凄い好みの味わいなんですよねえ。
そしてピークというのであれば、今が間違いなくピークでしょう。現在の切り口で言えば間違いなく、多くの人がグランダムではなく、こちらを選ぶでしょう。
そして私もこちらを選ぶと思います。グランダムはまだまだポテンシャルを残していますが、まぁ、好みですがね。しかしディアマンブルーの足早いですね...還元的なワインから見たら99年なんて多少の熟成香はありながらもピチピチだと思うんだけど。酸化的なワインはこうはならないので別ですが。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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