【ボルドー: 25】Back in 1988. ボルドー左岸(ポイヤック、サンジュリアン)

こんにちは、HKOです。
本日はボルドー垂涎の1988年の古酒2種類です。
アペラシオンはポイヤックとサンジュリアン。
まず1988年のボルドーとは一体どういった年だったのでしょうか。

◾︎1998年ボルドー
ファインズ ヴィンテージチャート:◎(とても良い年)
ワイン アドヴォケイト ヴィンテージチャート: 87pt(平均より良い年 飲み頃)
どうやら悪い年ではなさそうです。
9月までは好天が続き雨も適度。葡萄は順調に成熟していたが、収穫が、やや早めの為、カベルネよりもメルロ主体のワインのほうが成功したようです。

さて、実際のところどうなんでしょうか。


【データ】
シャトー ピジョン ロングヴィル バロンはコンテス ド ラランド、ラトゥールに隣接するメドック格付け2級シャトー。アペラシオンはポイヤック。
1980年終わりにAXAへ売却された後、ランシュ バージュのジャン ミシェル カーズを監督として雇用し、新たに導入された厳しい選別、収穫時期を遅らせる、セカンドワイン導入、新樽比率の向上によって劇的に品質が改善した。作付面積は68ha、平均樹齢は35年。収量は45hl/ha。
砂利質で生育したブドウは手摘みで収穫。100%除梗。ステンレスタンクで通常15~17日間発酵、マロラクティック発酵も一部行われる。3ヶ月後樽に移され、新樽は70%で12~15ヵ月熟成。清澄処理も濾過処理も実施。

デュクリュボーカイユはオレンジ色のラベルが特徴的なメドック第二級シャトー。こちらも年によっては第一級を凌駕する事からスーパーセカンドとされています。2003年からメドックの名士、ボリー家のブリュノ ボリーがこのシャトーを牽引しています。
ボリー家が所有して以降30年間に渡ってその品質を高めたため、現在の地位を築き上げたといえる。
栽培面積は52ha、平均樹齢38年、平均収量49hl/ha。畑で選果を行い手摘みで収穫後、除梗機で除梗。温度管理されたステンレスとコンクリートのタンクで17~21日間、アルコール発酵とマセレーションを行う。新樽50~65%で18~20ヶ月樽内熟成を行います。
セカンドラベルはラ クロワ ド ボーカイユ。



【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ピジョン ロングヴィル バロン 1988
品種: カベルネソーヴィニヨン75%、メルロー25%

約29000円、WA90pt
外観は濃い橙を帯びた若々しいガーネット、粘性は中庸。特徴的な野生的な獣香、熟成肉、そして腐葉土。オリーブやブラックベリーの塩味を感じる果実味。少しスパイシーなリコリスやドライハーブの要素、甘草などの要素を感じられる。徐々に果実味がジャムのような香りを帯びてくる。炭焼きや焦がした木材の樽香がはっきりと感じられる。
ラミッション同様堅牢ではっきりとしたテクスチャーがあるが、より焦げた様な風味と極めて野生的な体躯を感じる。力強いポテンシャルを持ったポイヤック。
タンニンや酸は滑らかであるものの、堅牢な余韻があり、焦げたような苦みとリコリス、オリーブの様な風味を感じられる。


生産者、銘柄: シャトー デュクリュ ボーカイユ 1988
品種: カベルネソーヴィニヨン75%、メルロー20%、カベルネフラン5%

約34000円、WA88pt
外観は赤みの強いガーネット、僅かに橙を帯びるが若々しい色彩、粘性は中庸。
熟成による腐葉土や熟成肉、燻製の香り、わずかな獣香、ヨードチンキ、オリーブやブラックベリーの果実味を感じる。カマンベール。樹皮など。 少しずつ鉄分の香りが主張してくる。やや輪郭はぼやけていてパワフルさは欠けるものの、透明感のある古酒。少し野性的でパワフル、それでいて全体的な雰囲気はエレガントさを纏う。
酸味もタンニンも非常に柔らかくソフト。
腐葉土や焦げた木、ブラックベリーの様な余韻が長く続いていく。


【所感】
カベルネソーヴィニヨン主体のこの2本については、しっかりと熟成香が主体的に現れており、時折獣香を思わせるパワフルで野生的なニュアンスがあります。
まずロングヴィル バロンについて。
堅牢さが約27年の熟成を経てなお残っています。
熟成香を主体としながら旨味を感じるベリーやオリーブ、スパイシーさと焦がしたニュアンスが未だ残ります。今回のテイスティングの中ではラ ミッション オーブリオンと並びはっきりとしたテクスチャーを残しており、まだ熟成のポテンシャルを残しているように感じました。あまりマロラクティック的な要素は感じず、比較的ぶどうそのものと樽の要素が際立っている印象を受けました。ここまでくると独特のアーシーさが熟成ニュアンスに飲み込まれ、あまり個別の特徴を感じませんでした。とはいえ綺麗に熟成したボルドーではあると思います。
次にデュクリュボーカイユ。
こちらは若かりし頃の濃密さやボリューミーなはち切れそうな果実味はちょっと影を潜めていますを
先述の通り熟成香ははっきりとあり、獣香も目立ちます。全体的にややぼやけたテクスチャーで、密度や要素の鮮明さは抜け落ちています。ただ熟成による透明感はあり、これはこれで悪くありません。
ちょっと果皮のニュアンスが目立っていて、そこはきっと当時抽出が強かったんだろうな、と。
この中ではあまりよろしくない部類ですが、ボルドーの熟成の魅力としては完全に再現しています。
この2本、どれもメドック産のカベルネソーヴィニヨンの熟成の魅力を雄弁に語りかけますが、実は次回のグラーヴのワインが本当に素晴らしくて、少し霞んでしまいますね。
良質のワインですが、もう少し熟成を経ると枯れる直前の最後の光を楽しめるのではないかと思います。




スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR