【ラングドック: 4】南仏カルトワイン、ラグランジュ デュ ペールとペイルローズ

こんにちは、HKOです。
本日はラングドックのカルトワイン、ペイルローズとグランジュ ド ペールの2本です。


【データ】
ドメーヌ ペイルローズはラングドック地方最高の生産者の一人。現在の当主はマルレーヌ ソリア。収穫以外は一人で全ての工程をこなしています。代表的なキュヴェはクロ デ シスト、そしてシラー レオーヌです。
クロ デ シストはシスト土壌の7つの区画に植えられたシラーを主体に仕込まれるキュヴェ。僅か25hl/haという超低収量のブドウを使用している。
またシラー レオーヌはクロ デ シストと共に双璧を成すキュヴェ。シラー90%とムールヴェドル10%で仕込まれており、収量は25hl/haと極少。畑は16ha程度、生産量はわずか30000本。ワインの熟成期間は最新ヴィンテージが2005であることからも分かるように非常に長い。

ドメーヌ ド ラ グランジュ デ ペールはラングドック最高の生産者の一人で、ローラン ヴァイユ氏によって1992年に設立された。
どの区画もコトー デュ ラングドックのアペラシオン地域ですが、カベルネ ソーヴィニョンがブレンドされる為VdPとなっています。作付面積は合計7.3ha。
除梗機はドーマスガザックから、搾汁機はドメーヌ ド トレヴァロンから、瓶詰め機はジェラール シャーヴから、樽はコシュデュリとジョセフロティから譲り受けています。
栽培は徹底的にヴァンダンジュヴェルトを行い、樹の手入れはボルドー液と硫黄を使用し。収量は20hl/ha。収穫は手摘み。除梗後破砕し、ステンレスタンクで自然酵母を使用して発酵します。
1日に2回ピジャージュを行い、醸造期間は4~5週間。3原則温度管理は行わず、バリック、あるいはオーク樽で28ヵ月間熟成されます。
清澄、濾過はせず、重力を利用して瓶詰めを行います。


【テイスティングコメント】
生産者: ペイルローズ
銘柄: コトー デュ ラングドック クロ デ シスト 2005
品種: シラー 85%、グルナッシュ 15%

約12000円、WA93pt(2002)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。縁はややオレンジを帯びている。程よく熟成香を帯びている。
ボディは厚いが、嫌な獣香はあまりなく、綺麗な熟成を経ている。ドライシェリーや黒オリーブ、紫スモモの塩味のある要素、果皮の厚いカシスの果実味。熟成した生肉、少し土や炭焼き、燻製香(ソーミュール液)、クローヴ、しおれたドライフラワー、濡れた土。茎やアプリコット、樹皮などの要素がある。
シラーレオンと比べると剥き出しの果実味があり、タイトな印象を受ける。強烈な旨味がある。ミネラル起因か。
丸みのあるタンニンと酸で、旨味も品があり、アプリコットやカシス、黒オリーブの様な潤沢な旨味が感じられる。


生産者: ペイル ローズ
銘柄: コトー デュ ラングドック シラー レオーヌ 2005
品種: シラー 90%、ムールヴェードル10%

約12000円、WA91pt(2002)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。縁はややオレンジを帯びている。クロ デ システよりは丸みを帯びた果実味が感じられる。
バターやミルクの様な丸みがあり、その中にドライシェリーや黒オリーブの様な要素、ブラックベリーの果実味。炭焼きの風味、ベーコンの様な燻製肉、しおれたドライフラワー。紅茶、ユーカリ、黒胡椒、ナツメグの様な要素がある。滑らかでしなやかな味わいで、システと比べると大分角が丸い印象を受ける。
しなやかなタンニンと酸があり、品もある。黒オリーブやベーコン、ブラックベリーの果実味が感じられる。


生産者: ドメーヌ ド ラ グランジュ デ ペール
銘柄: ヴァン ド ペイ レロー 2011
品種: シラー40%、ムールヴェードル40%、カベルネソーヴィニヨン10%、クノワーズ10%

約12000円、WA86pt(2006)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。縁はややオレンジを帯びている。
凝縮感のある瑞々しく甘い果実味が感じられる。イチゴやアメリカンチェリーのリキュールの様な果実味、ミルクの様なまろやかな風味が感じられる。濃厚なピノノワールの様な感じでもある。マロラクティック発酵起因のミルクティーの様な丸みがあり、ワッフル、生肉やベーコン、スミレや薔薇の様な華やかな要素。ややグリニッシュでクローヴなどの要素がある。ドライハーブ、若い葉、白マッシュルーム、クローヴ、シナモンなどの要素がある。
こちらもタンニンと酸は滑らかでほのかな甘みや旨味が感じられる。ミルクやイチゴのコンポートの可愛らしい味わいが感じられる。フレッシュで素晴らしい味わい。


【所感】
まずはドメーヌ ペイルローズから。
最新とはいえ2005年のヴィンテージのものとなる為、結構熟成感があります。共にシラー主体ですが、熟成による獣香は控えめで、基本的には塩気を感じさせる黒オリーブやドライシェリーの様な熟成感を感じさせます。炭焼きや燻製香など樽香はありますが、そこまで主張をしている訳ではなく、バランスが取れています。概ね熟成シラーなんですが、シラー レオーヌとクロ デ シストだと結構な違いがあります。
クロ デ シストはより剥き身のシラーというか、ネイキッドな果実味が感じられます。対してシラー レオーヌはややマロラクティック発酵的なニュアンスが現れており、黒系の果実味も比較的強めに感じられます。
印象としてはシラーレオーヌの方が丸みがありしなやかな味わいだと思います。クロ デ シストはミネラルを表現する為に、少し手を加えているのだろうか。
シラーレオーヌの方が少し若い印象を受けました。
2005年と熟成として結構半端な時期なので、これより熟成をしたものか、あるいは熟成期間を短くして早めに引き上げたヴィンテージをちゃんと飲んでみたいですね。とはいえ通常のコトーデュラングドックとは比べるべくもない複雑を内包した味わいだと感じました。
次にグランジュ ド ペール。
これが本当に素晴らしかった。シラーとムールヴェードル主体としながらも、非常に瑞々しく凝縮感のある素晴らしい味わいでした。いわゆるスペイン新潮流系(アンリジャイエ系)やラヤス、アンリボノー、あるいはオーストラリアの新生産者系(自然派系)に近しい繊細さやエレガンスを感じるんですが、もう少し凝縮したピノノワール系というか、そんな感じのエレガントさを感じます。たぶんブルゴーニュファンのハートにはストレートにヒットする様な味わいです。売り文句の南のロマネコンティは言い過ぎだとは思いますが、チェリーやイチゴのエキス感のある瑞々しい良いシラーです。マロラクティック発行のニュアンスもあり、何処と無くシャンボールミュジニーの面影を感じるワインだと感じました。
南仏王道的な味わいのペイルローズやマスジュリアン、極めてボルドー的なテイストを感じさせるマス ド ドマ ガザック、ブルゴーニュを思わせるグランジュ ドペール。いずれも有名な生産者でありながらも多様性に富み、様々なスタイルを受け止めるラングドック。
ルールはあれど、一切気にしないスタイルはどこかトスカーナにも似ていますね。毎度ラングドックのワインを飲むと、その可能性に大きな期待を寄せてしまいますね。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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