小笠原伯爵邸(オガサワラハクシャクテイ: 若松河田)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

こんにちは、HKOです。
スリオラ、サンパウに続く、モダンスパニッシュ。最後は小笠原伯爵邸です。
東京都選定歴史的建造物に認定されているスパニッシュ様式の建物で、旧小倉藩の藩邸だったものをインターナショナル青和が借り受けスパニッシュレストランとして運営されています。
レストランとしての名声も非常に高くミシュランガイド2015東京版では*1を獲得しています。
シェフはレスグアルドなどで修行を積んだゴンサロ アルバレス氏。

まずは建造物から見ていきます。



地下鉄大江戸線の若松河田駅、河田口を出るとすぐに古風な正門が出迎えてくれます。



正門を入ると瀟洒な玄関。立体的に設えられた籠の鳥のモチーフが象徴的です。



エントランスを抜けるとL'Arc-en-Cielの叙情詩のPVで有名な廊下。



そこからスペイン建築ならではの内庭を望む事ができます。あいにくの雨なので、あまり情緒はありませんが...



大きなテーブルがある応接間、今は大人数用の個室として利用されているようです。



寝室の手前にあるウェイティングバー。ここのステンドグラスと絨毯はは昭和初期の頃のまま残っています。



すごい柔らかそうな椅子。



喫煙所。もともと葉巻が中東から輸入されていたものが多かったらしく、この部屋もそれに合わせて中東風になっています。Hydeここで歌ってましたね。



元々は寝室と書斎を兼ねていた部屋にレストランとしてのフロアが用意されています。広いです。



ウェイティングプレートはシンプルです。


ランチコースは7000円の1コースのみ。
ただしアミューズ、前菜、米料理、魚料理、肉料理、口直しのグラニテ、デザート、ミニャルディーズと皿数が多いので、かなりお得感があります。



◾︎アペリティーボ:
アホブランコのエスプーマ 鯵のマリネ 白ぶどう(★★)
フォアグラのクレモソ イチジクのコンフィチュール(★★★)

アペリティーボは一皿2種類乗っています。
フォアグラのクレモソは、やや塩味の強い滑らかなフォアグラとイチジクのコンフィの甘さが非常にマリアージュしている。それに複雑さを加えるスパイシーなシナモンの風味。加えてクレモソのカリカリの食感がいい。
鯵のマリネはしっとりとした食感にほのかな酸味が感じられる。濃厚な白ニンニクのエスプーマ(といってもムースに近い濃さ)に白ぶどうが添えられている。
白ぶどうの糖度はメチャクチャ高い。個性の強い食材に対してオリーブオイルとニンニクのソースがまとめあげている。



◾︎プリメーロ: アスパラガス キノアのクルヒエンテ バジリコの香り(★★★)


2種類のアスパラガスを主体とした一皿。
ほのかに塩味を感じるサクサクのグリーンアスパラガス、トロトロに柔らかいホワイトアスパラガスの2つの食感と味わいに明確な差異が楽しめる。アスパラガスをベースとしたアイスクリームは、冷たくクリーミーで冷製スープの様にも感じられる。良くアスパラの風味が出ており、グリーンアスパラガス、ホワイトアスパラガスを見事な結合を見せる。バジリコのグリニッシュで爽やかな風味は全体に影響を及ぼしている。板状のチーズは塩味は控えめで、パリパリ。レモンの風味もある。



◾︎赤ワイン
生産者: ペスケラ
銘柄: ティント クリアランサ 2010
品種: テンプラリーニョ100%

100%アメリカ産の樽で18カ月、瓶内で6ヶ月。
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
マロラクティック発酵のまろやかなバニラの風味濃厚だが、アルコール度数起因のアタックさはあまり感じられない。熟したブラックベリーやプラム、メイプルシロップや焦がした砂糖のような風味、甘草、凝縮した果実味がある。濃密だが、過ぎないボルドースタイルのワイン。酸味とタンニンはしっかりとあるが、それと共にグリセリン感かあり、どこかニューワールドを思わせる。ペスケラの中でもローグレードのアイテムだが十分過ぎるほど楽しめる。



◾︎アロス: スミイカのアロスとモザイク ピメントンデラベラの軽いソース(★★★★+)


素晴らしい米料理。
スミイカを巧みに使ったアロスでピメントンというパプリカパウダーを使った一皿。
アロスはピメントンとサフランライスを思わせる様なスパイシーさがしっかりとあり、コリコリと芯を残して仕上げられている。旨味はトマトだろうか...?お米の上にはモザイク状に添えられたイカの切り身。サクサクとした食感。
右側にはスペイン産パプリカのエスプーマ、真珠に見立てた銀色の球体はイカ肝の濃厚なソースが入っていて、お米と和えて食べると、その磯の風味がダイレクトに広がっていく。これだけひたすら食べる料理があってもいいかもしれない。


◾︎ペスカード: イサキのプランチャ 彩の野菜とハーブのブーケ(★★★)


いわゆるイサキの鉄板焼き(プランチャ)。
全体をハーブの強い香りでまとめあげている一皿。
塩味が少ないしっとりと火入れされたイサキ、インゲン、ジュンサイ、蕪、マイクロトマト。ソースはイサキの出汁に茴香の風味を移したもの。全体的にグリニッシュ。

これに様々なハーブを添えて頂く。フェンネル、コリアンダーなどのブーケ。塩はほとんど無いから、ハーブの強い風味が主張する。



◾︎カルネ: イベリコプルマの備長炭焼き マスタードシード 黒にんにくのアリオリ シェリーソース(★★★★)


爽やかな魚料理から一転。極めて濃厚な肉料理。
イベリコベジョータのプルマ(リブロース)を備長炭焼きにした一皿。
濃厚でハチミツを感じさせる様な濃厚な甘さと塩味を感じさせるアホネグロを使ったスペイン風マヨネーズ、同じく濃厚な甘さを持つみたらしにも似たシェリーソース、一際爽やかなマスタードシードの3つのソースで頂く。
付け合わせのビーツと芽キャベツは甘く、ほのかに酸味が乗っている。サクサクとした食感を残すが、柔らかい。イベリコプルマはしっかりとした食感でありながら、極めて柔らかく、決して過剰に脂っこいところはない。外側は炭火らしい香ばしいローステッドな味わいがある。豚肉の旨味が最高。



◾︎グラニデ: 琵琶のテクスチャー 梅酒のグラニテ ライムのキャビア

濃厚な余韻を打ち消し、デザートに備える一皿。
現代的な技術を使ったアルギン酸を利用したライムのキャビアは豊かな柑橘のニュアンスと酸味があり、梅酒の甘く酸味を感じさせるシャーベット、アプリコットを思わせる琵琶と共に、優美な味わいのグラデーションを形成している。



◾︎ポストレ: チェリーのパルフェグラッセ ライチのコンポートとパセリのソルベテ


華やかなルックスのデゼール。
イチゴのチョコレートのクラウンの中に、クッキーとスポンジケーキで挟み込んだダークチェリーとサクランボ、ライチのコンポート、柑橘とパセリのソルベ。
こちらも近代的技法が用いられており、液体窒素で固めた木苺を砕いたものを添えている。
ソルベはハッキリとしたパセリのグリニッシュな風味だけではなく、ハッキリとした酸味がある。ライチのコンポートはしっかりとした甘さがあり、ダークチェリーとサクランボの華やかで豊かなチェリーの風味がある。木苺は酸味豊か。ライチのコンポートを中心に、酸味豊かなフルーツとパセリのグリニッシュな風味、コクのあるイチゴのチョコレートが上手く結合している。



◾︎ミニャルディーズ: 茶菓子のワゴン

最後は茶菓子のワゴン。お腹いっぱいだったので、マカロン2種類だけ頂く。マンゴーとベリーのマカロン。
このマカロンが異様に美味くてびっくりする。
ピエール エルメのマカロンに似ていてフワフワで濃厚なクリームが良い。


次々と供出されていくので、この皿数でわずか2時間。早い。3時間くらいかかるものかと思ってたのだけど。ランチとしてはこれくらいクイックの方が望ましい。
サンパウ、スリオラ共に、かなり近代的で繊細なスペイン料理を供出している様に思えたが、小笠原伯爵邸はより近代的ガストロノミックな技法を追求している印象を受けました。かなりテクニカルで技巧的な料理で見かけも、味も大変素晴らしかったです。
食後は館内と中庭を案内頂き、大変優雅なひと時を過ごす事が出来ました。





住所: 東京都新宿区河田町10−10−10
店名: 小笠原伯爵邸(おがさわらはくしゃくてい)
電話番号: 03 3359 5830
営業時間:
ランチ  11:30~15:00(クローズ)
ディナー 18:00~23:00(クローズ)
ランチ営業、日曜営業




スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR